JP3741067B2 - 給紙装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カットされた用紙の給紙装置及びこれを備えた画像形成装置の構成に係り、より詳しくは、分離傾斜面に用紙の給送前側の端縁を突き当てて用紙を分離して1枚ずつ給送できる装置に適用可能な姿勢解除機構等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザプリンタ、カラーインクジェットプリンタ、ファクシミリ装置、コピー装置等の画像形成装置には、その画像形成部にカットされた用紙を1枚ずつ給送するための給紙装置を備えている。この給紙装置には、特開2001−106367号公報、特開2002−60068号公報等に開示されているように、複数枚の用紙を積層状にして載置する傾斜状の載置板と、該載置板の下方において、当該載置板の表面に対して鈍角状に開いて伸びる分離傾斜面を有する分離板とを備え、前記載置板の表面と対峙させて給紙ローラが設けられている。
【0003】
従って、前記給紙ローラが前記載置板上に積層された用紙のうち最上位置のものに押圧した状態で回転駆動すると、下向きに送られた用紙の下端縁が分離傾斜面に突き当たり、この分離傾斜面の反力を受けて、用紙の下端部が用紙の紙面と交差する方向に曲げられた状態で進行し、やがて分離傾斜面から用紙下端縁が離れて1枚の用紙だけが分離される。その後、搬送経路中の搬送ローラにより、前記分離された用紙が画像形成部に送られ、画像形成された後、排紙されるのである。
【0004】
ところで、前記載置板上に積層状にセットされた用紙の下端縁が、前記分離板の分離傾斜面に当接した(突き当たった)状態で保持されるのが好ましいから、通常、水平面に対して前記分離板の上面(用紙の下端縁が突き当たる面)はその先端側(用紙の給送下流側)がやや上側になるように傾斜しているか、または水平状に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記載置板の上面は水平面に対して略60度程度の傾斜面であり、分離傾斜面は前記載置板の上面に対して略110度程度の鈍角の夾角をもって形成されているから、腰の弱い用紙を前記載置板上にセットしたとき、当該全ての用紙の下端縁が前記分離斜面と傾斜状に突き当り、用紙の腰が柔らかいため、分離傾斜面上を滑って、給送下流側に多数枚の用紙が一挙に流れ込むという雪崩現象が発生し、前記セット状態を保持できず、前記分離傾斜面による分離作用を確実に受けることができなくなり、用紙の重送が発生するという問題があった。
【0006】
そこで、本出願の発明者は、前記載置板の表面に対して、略90度程度の夾角でもって、セットした積層状の用紙の下端を支えて整列状に整える整列手段を発明した。この整列手段を前記整列姿勢にきりかえるのは、例えばファクシミリ装置に適用する給紙装置においては、給紙作業を実行しない待機状態であり、画像形成装置においても、その電源投入する以前において、用紙をセットできることが好ましいから、手動操作レバーによって、前記整列手段を前記整列姿勢に切替え操作できることが好ましい。その場合、印字開始直前の給紙動作開始に先立って、前記整列手段を解除して、給紙可能姿勢に切替える必要があるが、作業者がその切替え作業を忘れると、給紙動作が行われず、印字できないという問題があった。
【0007】
本発明は、この従来の問題点を解決すべくなされたものであり、第1の目的は、給紙装置における上向き傾斜状に配置した載置部に積層した用紙を整列姿勢にセットすることと給紙可能姿勢にすることを手動操作レバーの操作で切替えられる連動機構を備えるとともに、給紙可能姿勢に自動復帰できるようにすることであり、第2の目的は、上記の給紙装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の給紙装置は、上向き傾斜状に配置した載置部と、該載置部の下方にて積層された用紙の下端縁が突き当たる分離傾斜面とを備え、前記載置部に積層収納された用紙を、給紙手段により送り出して分離傾斜面により1枚ずつ分離給送する給紙装置において、前記分離傾斜面よりも上方に前記積層した用紙の下端縁を持ち上げることにより用紙挿入時に、前記載置部に対して用紙を整列姿勢に整えるためのストッパ体と、前記ストッパ体が収容可能に配置される配置溝と、前記ストッパ体を前記用紙の整列姿勢と給紙可能姿勢とに姿勢保持するための保持手段と、前記整列姿勢と給紙可能姿勢とに選択的に切り換える手動操作レバーと、給紙動作の開始時に駆動するギヤに噛合う欠歯歯車と、この欠歯歯車の回動により、前記手動操作レバーを前記整列姿勢から解除する連動機構とを備え、前記手動操作レバーの操作時には、前記ストッパ体は、前記配置溝から前記分離傾斜面の上方に突出し、前記用紙の給送時には、前記ストッパ体は、前記配置溝内に収納されて前記分離傾斜面から上方に突出しなくなるように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の給紙装置において、前記手動操作レバーと前記保持手段とをリンク機構を介して連結する一方、前記連動機構は、前記欠歯歯車と手動操作レバーとを連結するスライダクランク機構であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の給紙装置において、前記スライダクランク機構は、前記整列姿勢時及び給紙可能姿勢時において死点から外れた位置で停止するものである。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記載置部の表面と該載置部の表面に対して交差する分離傾斜面との交差側に位置する回動支点を中心に上下回動可能に構成されているものである。
【0015】
請求項に記載の画像形成装置は、前記請求項1乃至4のいずれかの1項に記載の給紙装置と、該給紙装置から給紙された用紙に対して画像形成する画像形成部とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態である給紙装置10を搭載した多機能型の画像形成装置1の斜視図、図2はストッパ体が下降状態にあるときの給紙装置10の斜視図、図3は同じくストッパ体が下降状態にあるときの給紙装置10の右側面図、図4は同じく給紙装置の要部正面図、図5は図4のV−V線矢視断面図、図6はストッパ体が上昇状態にあるときの給紙装置の正面図、図7は同じくストッパ体が上昇状態にあるときの給紙装置10の斜視図、図8は同じくストッパ体が上昇状態にあるときの右側壁板を除いて見た給紙装置10の右側面図、図9はストッパ体の昇降状態の説明図、図14は第2実施形態の説明図である。
【0017】
図1に示す多機能型の画像形成装置1は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、複写機能、スキャナ機能を等を備えている。多機能型の画像形成装置1は、略箱状の本体2を有し、この本体2の上面には操作パネル3が配置されている。操作パネル3には「0」〜「9」の数字ボタンやスタートボタン、機能操作ボタン等の各種のボタンが設けられており、これらのボタンを押下することにより、各種の操作が行われる。操作パネル3の後部には液晶ディスプレイ(LCD)4が設けられ、画像形成装置1の設定状態や各種の操作メッセージ等が必要に応じて表示される。
【0018】
液晶ディスプレイ4の後部には、ファクシミリ機能時に相手ファクシミリ装置に送信されるファクシミリ原稿や、複写機能時に複写すべき原稿を積層載置する原稿載置部5が設けられている。この原稿載置部5に載置された原稿は、本体2内に設けられたスキャナ装置(図示せず)によって原稿表面の画像が読み取られる。読み取り完了した原稿は、本体2の前部(操作パネル3の下部)に設けられた排紙部7に排出される。
【0019】
前記原稿載置部5の後部には、複数枚の用紙(記録紙)Pを積層状態で載置する給紙装置10が設けられている。この給紙装置10に載置された用紙Pは本体2内のカラーインクジェット式等の画像形成部(図示せず)に搬送され、画像形成部によって所定の画像が印刷された後、排紙部6に排紙される。
【0020】
図2〜図5に示すように、給紙装置10における台枠フレーム11には、収納手段としての下向き前方傾斜状の(水平面に対して略60度傾斜させた)載置板12と、該載置板12の左右両側に連設された一対の側壁板14、14と、該一対の側壁板14、14よりも内側に配置されて載置板12に対して左右方向に移動可能な一対の案内板13a,13bとを備えており、載置板12と側壁板14、14とは合成樹脂材にて一体的に形成されている。載置板12は記録紙である複数枚の用紙Pを積層して載置できるものであり、台枠フレーム11の下端側の下枠部11aには、前記積層された用紙Pの下端縁を支持し、画像形成部に用紙Pを送り出し案内するための上向き凸湾曲状の分離傾斜面が上面に形成された複数の分離板、すなわち、載置板12の幅方向中央部(前記給紙ローラ21による給紙作用部の延長線上に対応して固定部材としての固定分離板15と、その左右両側に配置された可動部材としての第1可動分離板32a,32bと、該一対の第1可動板32a,32bの外側(固定分離板15の配置位置と反対(対峙する)側)に配置された第2可動分離板33a,33bとからなるように分割されたものが、それぞれ用紙Pの給送方向(図2及び図5の矢印A方向)に突出するように配置されている(図2、図4及び図5参照)。
【0021】
本実施例では、一対の第2可動分離板33a,33bの外側端部間の寸法を略210mmとするときの高低差を略2〜3mmとする上向き凸円弧状(曲率半径1500mm程度)の面に倣うように形成されている(図3参照)。また、前記固定分離板15及び荷重が作用していない第1可動板32a,32b、第2可動分離板33a,33bの各上面(分離傾斜面)は、水平面に対して各先端側(図2、図4の矢印A方向)が上方向になるように傾斜角度が略3度程度で傾斜している。また、前記固定分離板15及び荷重が作用していない第1可動板32a,32b、第2可動分離板33a,33bの各上面(分離傾斜面)と載置板12との夾角は略112.5度程度の鈍角に形成されている。
【0022】
前記一対の案内板13a,13bは、載置板12の裏面に配置された横長のラック16、16に連結され、同じく裏面に設けたピニオン17に前記一対のラック16、16が噛み合うように構成されており、このピニオン17及びラック16、16の連動により一対の案内板13a,13bが載置板12の左右幅方向に移動可能に構成されている(図2及び図4参照)。これにより、一対の案内板13a,13bの間に積層された用紙Pの幅方向の寸法に応じて当該用紙Pの左右両側縁を案内するように遠近移動すると共に、用紙Pを載置板12の幅方向(左右方向)の中央部にセットできるものである。
【0023】
前記左右両側壁板14、14の間には、前記分離板15の上面から上方に適宜距離隔てて回転自在に伝動軸20が軸支されており、該伝動軸20の中途部、つまり用紙Pの幅方向(左右方向)の中央部には、給紙手段としての給紙ローラ21を有する給紙ローラユニット22のケース24が回転のみ自在に装着されている。前記一方の側壁板14の外面には、本体2側に配置した駆動モータ(図示せず)からの動力を伝達するギヤ列23a,23b,23c,23dが配置されている(図2及び図3参照)。
【0024】
給紙ローラユニット22のケース24内には、図5に示すように、前記伝動軸20と一体的に回転する駆動歯車25と、伝動軸20に回転自在に被嵌したアーム26の先端に枢支され、且つ前記駆動歯車25と噛合う遊星歯車27と、中間歯車28と、該中間歯車28に噛み合い、給紙ローラ21と一体的に回転する歯車29とを備える。また、ケース24は、伝動軸20に被嵌した捩じりバネ30により、給紙ローラ21が前記積層された用紙Pの最上面に押圧されるように弾力付勢されている。
【0025】
給紙動作時に伝動軸20の端部に固着されたギヤ23dが正回転(図2において反時計回りの回転)すると、前記駆動歯車25も正回転し、これに噛合う遊星歯車27は、逆回転(時計回りに回転)する方向への回転力が与えられることにより、アーム26が正回動し、遊星歯車27は中間歯車28と噛合う。これにより、中間歯車28は正回転(反時計回りに回転)し、歯車29ひいては給紙ローラ21は逆回転(時計回りに回転)するので、この給紙ローラ21の下面側に当接している用紙Pは図4の下方に給送される。
【0026】
他方、前記ギヤ23dを逆回転(時計回りに回転)させた場合には、前記駆動歯車25の逆回転につれて、遊星歯車27が正回転する方向へ回転力が与えられることにより、アーム26は逆回動して、遊星歯車27と中間歯車28との噛み合いは解除されて動力伝達は遮断さる。から、給紙ローラ21の回転は停止され、給紙作用は行われない。
【0027】
次に、前記給紙装置10に複数枚の用紙Pを積層状態にセットする整列姿勢を保持し、またはその整列姿勢を解除して給紙可能姿勢に切り換えるための保持手段(積層状態にて複数枚の用紙Pをセット状態に保持するための手段)について説明する。用紙整列手段の一例としてのストッパ体60は、前記左右一対の第1可動分離板32a,32bに設けられた上方開放状で用紙Pの給送方向(図2及び図5の矢印A方向)に伸びる配置溝61内に上下回動可能に配置されている。
【0028】
前記矢印A方向に細長いストッパ体60の基端は、台枠フレーム11の下枠部11aの上部側に枢支された回動可能な支軸62に固定され、ストッパ体60の上面には高摩擦部材63が張設され、前記ストッパ体60の基端部から下向きに伸びる作動アーム64には、付勢ばね65の一端を係止して、前記ストッパ体60が下向き回動して(図9の二点鎖線状態)、前記配置溝61内に収納するように付勢されている(図2及び図4参照)。この手段が、ストッパ体60を整列姿勢を解除して給紙可能姿勢に保持するための保持手段である。従って、前記ストッパ体60が前記配置溝61内に収納された状態では、その高摩擦部材63の上面が第1可動分離板32a(32b)の上面(可動分離板32a(32b)が下降した状態での上面を含めて)より突出しない(図2及び図4参照)。
【0029】
用紙整列手段としての前記ストッパ体60を整列姿勢(上昇姿勢)に保持する保持手段としては、図9に示すように、前記フレーム11の下枠部11aの上部奥側には、前記回動可能な支軸62と平行状に作動軸66が回動可能に配置され、この作動軸66には、前記各作動アーム64が配置されている個所毎にカム67を固定したものであり、前記付勢ばね65の付勢力に抗してカム67が作動アーム64を押圧すると、ストッパ体60は支軸62を中心に上向き回動し、ストッパ体60が第1可動分離板32a(32b)の上面より上方に持ち上げられる(図9の実線状態参照)。これにより、積層状態の用紙Pの下端縁がストッパ体60の上面側の高摩擦部材63上に揃った整列姿勢となる。
【0030】
次に、前記ストッパ体60を前記整列姿勢(上昇姿勢)とその姿勢を解除して給紙可能姿勢(下降姿勢)とに切替え操作するための操作手段及びその連動リンク機構について説明すると、前記作動軸66の両端部を左右側壁板14、14に貫通させて軸支する。右側壁板14の外面において、リンク機構としての第1リンク68、第2リンク69を介して、操作手段としての手動操作レバー70の作動部70aに回動可能に連結する(図2、図3参照)。手動操作レバー70はその基端部が前記側壁板14に突出されたピン71に回動可能に枢着されている。
【0031】
従って、手動操作レバー70の上端の操作部70bを図2及び図3に示すように、時計回り(矢印C方向)に回動させて、右側壁板14の外面の当接片72に当たるとき、前記第2リンク69が下降し(図3の矢印B方向)、第1リンク68は時計回りに回動するように連動し、同じ方向に回動する作動軸66を介してカム67が前記作動アーム64の背面から離れるので(図9の二点鎖線状態参照)、付勢ばね65の付勢力にてストッパ体60が第1可動分離板32a(32b)の上面より下方まで沈んだ給紙可能姿勢に保持できる(図2、図4参照)。なお、手動操作レバー70には、側壁板14との間にトグルばねとして作用する捩じりコイルバネ71cが設けられており、手動操作レバー70を図3あるいは図8に示す各位置に保持するようになっている。
【0032】
複数枚の用紙Pを載置板12に積層状態にセットするには、予め、手動操作レバー70の上端の操作部70bを図7及び図8に示すように、反時計回り(図8の矢印D方向)に回動させて、前記当接片72から大きく離れるとき、前記第2リンク69が上昇し、第1リンク68は反時計回りに回動するように連動し、同じ方向に回動する作動軸66を介してカム67が前記作動アーム64の背面を付勢ばね65の付勢力に抗して押圧回動させ、ストッパ体60が第1可動分離板32a(32b)の上面より上方に持ち上げられた整列姿勢となる(図9の実線状態参照)。この持ち上げられたストッパ体60の上の高摩擦部材63の上面は水平面に対して略30度で、載置板12の表面との夾角が略90度となるように設定されている。これにより、載置板12の上面に積層させた用紙Pの下端縁は、固定分離板15及び第1可動分離板32a(32b)及び第2可動分離板33a(33b)の全ての上面から上方に離れ、且つ前記積層状態の用紙Pの下端縁が最上層側に向かって上方になるから、用紙Pの腰が柔らかくても、前記傾斜状の載置板12にきっちりと載置されて下側になだれ込む現象が発生しないのである。また、このセット保持性能は、積層する用紙Pの枚数の多少に拘らず略一定にできる。
【0033】
上記の構成により、ユーザーが図8の状態に手動操作レバー70を操作して、用紙Pの積層状態保持(整列姿勢保持)のためのストッパ体60を上昇させた後、当該手動操作レバー70を時計方向(図3の状態)に戻すことを忘れると、用紙Pの下端縁が分離板15(分離部材34)の上面に当接できないため、給紙時に用紙Pの分離作用を受けることができない。このような操作忘れに際して、画像形成装置を電源投入したときなどの駆動モータを回転駆動させて、ストッパ体60を下降姿勢(給紙可能姿勢)へ自動的に戻すための、リセット(自動復帰)機構を備える。
【0034】
即ち、このリセット(自動復帰)機構は以下のように構成されている。手動操作レバー70の作動部70aから横向きに突出する摺動ピン73に対して長溝孔74aを備えたスライダリンク74の基端を、前記側壁板14の外面の軸76に軸支した欠歯歯車75の偏心位置の側面にピン77を介して回動可能に連結する。これにより、請求項における連動機構、ひいてはスライダクランク機構が構成されることになる。
【0035】
この欠歯歯車75は、前記伝動軸20の一端に固定されたギヤ23dに噛合うように配置されており、且つ、前記手動操作レバー70の操作部70bが当接片72に当接する側に傾動しているとき(ストッパ体60が下降状態のとき)、前記欠歯歯車75における欠歯部75aが前記ギヤ23aと対峙するように設定されている(図3参照)。
【0036】
また、前記手動操作レバー70の操作部70bが当接片72に当接する姿勢(図3参照)及び大きく離れた姿勢(図8参照)のいずれの状態においても、前記摺動ピン73とスライダリンク74の基端の偏心位置のピン77とを結ぶ線が、前記摺動ピン73とギヤ23dの軸76の中心とを結ぶ線に対して交差角度を有するように(換言すると、同一線上に重ならず、死点から外れた位置になるように)設定すると、前記操作部70bが当接片72に当接する姿勢(図3参照)及び大きく離れた姿勢(図8参照)のいずれの状態から反対側に手動操作レバー70を回動させるときの回動力を軽くできる。
【0037】
さらに、操作部70bが当接片72から大きく離れた位置にあるとき、前記欠歯歯車75における欠歯部75aの前記ギヤ23aに対する噛み合い始めの位置ができるだけ小さな角度以内にあるように設定することが好ましい。
【0038】
このように構成すると、ユーザーが、画像形成装置1に電源投入する前に、整列姿勢(図8の状態)に手動操作レバー70をセットし、載置板12上に複数枚の用紙Pを積層状にして挿入すると、各用紙Pの下端縁は、上昇位置のストッパ体60の高摩擦部材63上に揃えられてセットできる。
【0039】
画像形成装置1に電源投入すると、当該画像形成装置の画像形成部より手前の用紙搬送経路中(前記載置板12以外の個所)に止まった用紙Pを排出したり、画像形成部等に対する動力伝達歯車機構(図示せず)等の原点復帰のために一旦駆動モータを所定の短時間だけ逆回転させる(駆動モータの逆回転時には、例えば特開2001−278507号公報に示されるように、図示しないシート搬送ローラ(レジストローラ)が回転して、シートが排紙部6に向かって搬送されるようになっている)と、図3において、ギヤ23aは反時計回りに回転し、これに噛合うギヤ23bは図8において時計回りに回転し、続いてギヤ23cは反時計回りに回転し、ギア23dは時計周りに回転して、欠歯歯車75は反時計回りに、1回転未満の角度(略230度)だけ回動する。この欠歯歯車75の回動につれてスライダリンク47を介して手動操作レバー70における作動部70aを下向きに引き寄せるので、図8において手動操作レバー70は矢印C方向に回動し、リンク連動機構(第2リンク69、第1リンク68)を介して、前記保持手段であるカム67を時計回りに回動させて作動アーム64から離れ、付勢ばね65の付勢力でストッパ体60が給紙可能姿勢に保持できる(図3及び図9の二点鎖線状態参照)。そして、欠歯部75aがギヤ23dに対峙すると、もはや動力伝達はなされず、手動操作レバー70や、リンク連動機構に無理な力や無駄な力を伝達しない。
【0040】
前記電源投入後の待機時に、複数枚の用紙Pを載置板12に挿入して整列姿勢にした後、ユーザーが手動操作レバー70を戻す作業を忘れた場合は、 パーソナルコンピュータや外部のファクシミリ装置等の外部制御装置から画像形成装置1に印字指令が伝送され、給紙作業を開始すべく駆動モータを正回転させると、前記ギヤ列23a〜23dは前記反対に回転し、ギヤ23dは図8において反時計回りに回動することにより、給紙ローラ21は、図5において時計回りに回転する一方、欠歯歯車75も時計回りに略130度程度回動するから、この欠歯歯車75の回動につれてスライダリンク47を介して手動操作レバー70における作動部70aを下向きに引き寄せ、前記と同様にしてストッパ体60が給紙可能姿勢に保持できるのである(図3及び図9の二点鎖線状態参照)。
【0041】
このように、作業者が手動操作レバー70を整列姿勢解除の方向に戻すことを忘れても、駆動モータ(図示せず)が正回転もしくは逆回転のいずれか一方向に回転すると、ギヤ23aの回転につれて欠歯歯車75も回転し、それに応じてスライダリンク74を介して手動操作レバー70を図8において時計方向に強制的に回動させることができ、当該手動操作レバー70が図3の位置に来ると、ストッパ体60は給紙可能姿勢(下降位置)に自動復帰して保持できるのである。
【0042】
なお、手動操作レバー70に設けられた長溝孔74aは、図8に示すストッパ体60のセット状態において、手動操作により手動操作レバー70が非セット状態(図3)に戻される際、摺動ピン73が長溝孔74aを遊動するようにして、傾動リンク74を停止させたままとするためのものである。
【0043】
図14(a)〜図14(c)は、給紙装置における傾斜立設させた載置板12の上方に、給紙ローラ21を位置固定的に配置し、載置板12の上面には、前記給紙ローラ21の配置位置よりも給送上流側に回動支点80を有する用紙整列手段としての押圧板81を給紙下流側に延びるように配置する。この押圧板81の自由端を、載置板12の下端から略90度の夾角で上方に伸びる分離傾斜面82の穿設された貫通孔83から下向きに突出させる。前記分離傾斜面82の下方には、支軸84に回動自在に支持された作動片85の一方のアーム部を前記押圧板81の自由端側の下面に当接させ、付勢ばね86にて、作動片85の一方のアーム部を上向きに押し上げるように付勢させている。上記の構成が、給紙可能姿勢を保持するための保持手段となる。そして、前記作動片85の他方のアーム部の下面側には、回動軸88と一体的に回動するカム87からなる保持手段を配置する。この保持状態におけるカム87が前記作動片85の他方のアーム部を上方に押すことより、前記一方のアーム部が付勢ばね86の付勢力に抗して下降し、押圧板81はその自重によって載置板12の上面に当接するから、押圧板81の上面から給紙ローラ21間での上下距離が大きく開き保持される。この状態にて載置板12に複数枚の用紙Pを積層状にしてセットすると、前記給紙ローラ21に対して用紙Pは押圧されない自由な状態で、各用紙Pの下端縁が分離傾斜面82に当接して揃った姿勢(整列姿勢)に保持できる。給紙動作時には、前記回動軸88の一端に前記実施形態(図2、図3、図7及び図8参照)の第1リンク68及び第2リンク69を介して作動部70aに連結した前記手動操作レバー70を前記と同様にに回動操作することにより、カム87が作動片85から外れ、付勢ばね86の付勢力により押圧板81が上向き付勢され、それに積層載置された用紙Pの最上位置の用紙Pが給紙ローラ21に押圧される。図14(b)は用紙Pの積層数量が多い場合を示し、図14(c)は積層数量が少ない状態を示す。いずれの場合にも給紙ローラ21が回転すれば、最上位置の用紙Pの下端縁が前記分離傾斜面82に押圧されて1つ枚ずつに分離されて給送されることになる。
【0044】
この整列姿勢及びそれを解除した給紙可能姿勢とに手動操作レバー70にて切替え操作でき、給紙可能姿勢に切り換えることをユーザーが忘れた場合には、前記第1実施形態における自動復帰機構により、駆動モータの正回転または逆回転に応じて、押圧板81が給紙可能姿勢に切り替わり保持でき、且つ手動操作レバー70の位置も対応した位置に変位することができるのである。
【0045】
本発明の自動復帰機構は、上位概念で把握すれば、前記用紙整列手段に変わる第1部品を、第1姿勢と、該第1姿勢を解除した第2姿勢とに保持する保持手段と、前記第1部品を前記第1姿勢と第2姿勢とに選択的に切り換えるための手動操作レバーと、駆動モータの始動により回転するギヤに噛合う欠歯歯車と、該欠歯歯車の回動により、前記手動操作レバーを前記第1姿勢から解除する連動機構とを備えたこと特徴とするものである。
【0046】
次に、本発明における分離傾斜面の構成について詳細に説明すると、分離傾斜面には、前記用紙Pの幅方向の中央部側の下端縁(先端縁)に当接して分離させるための高摩擦係数の分離手段31を、前記給紙ローラ21による給紙作用線Q(図10参照)の延長上にて、前記分離傾斜面より突出させて設けると共に、前記分離傾斜面は、全体として、前記分離手段31の配置箇所の近傍で高く、用紙Pの幅方向の両側端部側に行くに従って低くなるように形成されている。図2〜図5に示されているように、固定分離板15、第1可動板32a,32b、第2可動分離板33a,33bは全て合成樹脂製であってそれらの上面全体にわたって上向き凸湾曲状、つまり、固定分離板15の左右両側中央部の上面が最も高く、左右両側端の第2可動分離板33a,33bの外側寄り部位の上面が最も低くなるように分離傾斜面が形成されている。
【0047】
図11の断面図に示すように、前記第1可動分離板32a,32b及び第2可動分離板33a,33bは、台枠フレーム11における下枠部11aの軸受凹所40に、各可動分離板32a〜33bの基端に一体的に横向き突出させた回動支軸41が回動可能に軸支されている。この回動支軸41に捩じりバネ42を被嵌し、当該捩じりバネ42の両端を所定の個所に係止することにより、各可動分離板32a〜33bを独立的に上向きに付勢している。この構成により、給送される用紙Pの横幅寸法の大小に応じて適切な個所の可動分離板のみを逃げ回動させるようにして用紙Pの押圧力に対する抵抗力(前記バネ付勢力)も大小過不足のない適切な値にできるのである。但し、可動分離板32a〜33bの基部縦背面43が前記軸受凹所40の内面に当接して、第1可動分離板32a(32b)の上面が、隣接する固定分離板15の上面より上方に各々突出せず、また、第2可動分離板33a(33b)の上面が隣接する第1可動板32a(32b)の上面より上方に各々突出しないように規制されている。このような可動分離板が必要以上に上向き回動するのを阻止するためストッパー手段は他の構成であっても良い。
【0048】
そして、前記各可動分離板32a〜33bの上面(分離傾斜面)の各々に前記給送される用紙Pの下端縁(先端縁)が当たって下向きの力が作用すると、前記捩じりバネ42の上向きバネ付勢力に抗して、各可動分離板32a〜33bの先端側が下向きに回動傾動(後退動)して、用紙Pによる押圧力を逃がすように構成されている。
【0049】
なお、図4に示すように、第1可動分離板32a(32b)と第2可動分離板33a(33b)との隣接個所には、第1可動分離板32a(32b)側から横向きに突出させた係合片44が第2可動分離板33a(33b)の下面に臨むように配置されていることにより、第2可動分離板33a(33b)にのみ下向き荷重が作用して下向き回動するのに連動して、前記各係合片44を下向きに押圧し、もって第1可動分離板32a(32b)も下向き回動するように構成されている。
【0050】
そして、固定分離板15の上面のうち左右両側中央位置には、分離手段としての高摩擦係数の細長い分離部材34を配置する。その実施態様は、図12、図13に示す。固定分離板15の左右両側中央位置には、上下に貫通し、且つ用紙Pの給送方向(図2、図4及び図12(a)の矢印A方向)に沿って長い装着孔36が穿設されている。前記固定分離板15の下面側には、同じく合成樹脂製の取付けブロック37が嵌まり、下面側からネジ38、38にて着脱可能に連結するように構成されている。分離部材34は、ポリエステルウレタン樹脂材等の高摩擦係数を有する材料を燐青銅等のバネ板製のブリッジ板39の複数の櫛歯状の片持ち梁部39aの先端間に掛け渡すようして弾性的に支持されているものである(図13(a)及び図13(b)参照)。
【0051】
図13(a)に示すブリッジ板39の平面視略矩形状の外周枠部39bのみを前記取付けブロック37と固定分離板15とで挟持し、前記分離部材34及び片持ち梁部39aは、取付けブロック37の内径凹所37a内に配置されて空中に浮かんで配置されている(図12(b)及び図12(c)参照)。従って、前記給紙ローラ21による給送作用を受けて用紙Pの下端縁で分離部材34を下向きに押圧力が作用すると、その作用部の近傍の前記複数の片持ち梁部39aが下向きに撓んで、分離部材34が固定分離板15の上面と同じ高さまで下向きに没することができる。
【0052】
なお、図13(b)の拡大断面図で示すように、分離部材34の上面を、用紙Pの下端縁との摺接時に大きい摩擦抵抗を受けるように、浅い断面の鋸歯状(凹凸状)に形成することが好ましい。これによって、分離部材34を構成する材料のもつ摩擦係数のみならず、形状による摩擦抵抗によっても結果として摩擦係数を高くすることができる。
【0053】
次に、前記構成による給紙時の用紙Pの分離作用について説明する。予め、給紙装置10における載置板12に複数枚の用紙Pを積層して載置する。前記左右一対の案内板13a,13bにより、用紙Pの左右両側縁が案内規制されて、当該用紙Pは、載置板12の左右中央位置に、用紙Pの幅方向の中心線に位置するよう配置される。この状態では積層された各用紙Pの下端縁(先端縁)はすべて固定分離板15の上面及び/又は分離部材34に当接しているが、それより高さの低い位置の、第1可動分離板32a(32b)及び第2可動分離板33a(33b)の上面(分離傾斜面)には当接していない。
【0054】
パーソナルコンピュータや外部のファクシミリ装置等の外部制御装置からの信号を受けて印刷指令が実行されると、図示しない駆動モータが駆動開始し、前記ギヤ列23a〜23dを介して伝動軸20が逆回転し、給紙ローラ21は図5において時計回りに回転する。これにより給紙ローラ21に押圧されている最上位置の用紙Pのみが図5の矢印A方向に給送される。
【0055】
載置板12に積層されている用紙Pの腰が柔らかい場合、この用紙Pの下端縁(先端縁)のうち、幅方向の中央部側の下端縁(先端縁)が前記給紙ローラ21による給送作用線の延長上に位置する分離手段31(分離部材34)に当接したままさらに給送作用を受けると、給紙ローラ21と分離手段31との間で、用紙Pの幅方向の中央部側が湾曲しながら矢印A方向に給送されて進行する。
【0056】
その場合、用紙Pの厚さが薄い等の腰の弱い用紙Pは、その幅方向の中央部側が積層された用紙Pの上面から離れるような凸湾曲変形が発生する。他方、厚紙等の腰の強い用紙Pでは、その幅方向の中央部側が積層された用紙Pの上面に接近するように凹湾曲変形する。
【0057】
しかし、前記給送作用を受けない用紙Pの前記中央部側以外の個所(幅方向の両側端部寄り部位)では、用紙Pは平坦状のまま進行することになる。そうすると、給送作用を受けた用紙Pの幅方向の中央部側での、前記給紙ローラ21との当接線(ニップ線)45から、当該用紙Pの下端縁までの直線距離よりも、前記給送作用を受けない用紙Pの前記中央部側以外の個所(幅方向の両側端部寄り部位)での給紙ローラ21との当接点の延長線46から用紙Pの下端縁までの直線距離のほうが長くなる。
【0058】
その場合に、第1実施形態のように、用紙Pの幅方向の中央部側に対応する固定分離板15は高さ変化せず、腰の柔らかい用紙Pの左右両側寄り部位の下端縁を第1可動分離板32a(32b)及び/又は第2可動分離板33a(33b)が、しっかりと受け止めることができる。他方、腰の強い用紙Pの場合には、更に用紙Pの下端縁で下向きに押圧されて押圧力が高まったときに、捩じりバネ42の付勢力に抗して、第1可動分離板32a(32b)及び第2可動分離板33a(33b)の先端側が下向きに回動することにより、それらの上面(分離傾斜面)が用紙Pの下端縁から遠ざかる方向に逃げ移動して、用紙Pの下端縁と第1可動分離板32a(32b)及び/または第2可動分離板33a(33b)との押圧による支えの干渉を回避できるから、用紙Pの幅方向の中央部側下端縁での分離手段31による分離作用を確実に受けさせることができ、前記用紙Pの2重送りなどの紙ジャムの発生をなくすることができるという優れた作用効果を奏する。
【0059】
なお、第1可動分離板32a(32b)が下向きに回動したとしても、下降位置にある前記ストッパ体60は依然として第1可動分離板32a(32b)の上面より突出しないようになっているので、ストッパ体60によって第1可動分離板32a(32b)の動作に支障が生ずるとこはない。
【0060】
前記載置板12に積層された用紙Pの横幅寸法(サイズ)が小さい場合(固定分離板15の左右両側に隣接する前記第1可動分離板32a(32b)の外側端間の寸法より短い場合)には、用紙Pの幅方向の両側縁寄り部位に対応する下端縁が前記第1可動分離板32a、32bを下向きに押圧して逃げ回動するが、それより外側の第2可動分離板33a、33bは用紙Pと干渉しないから、下向き回動しない。
【0061】
用紙Pの横幅寸法(サイズ)が大きい場合(左右両側の第2可動分離板33a、33bの内側端間の寸法より長い場合)には、用紙Pの幅方向の両側縁寄り部位に対応する下端縁が先に第2可動分離板33a、33bの上面(分離傾斜面)に当たって、第2可動分離板33a、33bを下向き回動させる。そのときには、前記係合片44を介して第1可動分離板32a、32bも連動して下向き回動できるから、その個所に対応する用紙Pの幅方向の中央部と幅方向の両側縁寄り部位との中間の下端縁が第1可動分離板32a、32bの上面(分離傾斜面)に当接しなくとも、第1可動分離板32a、32bも下向きに逃げ回動でき、用紙Pの幅方向の下端縁との干渉を一層確実に減少させることができる。
【0062】
また、前記用紙Pの幅方向の中央部側の下端縁(先端縁)に当接して分離させるための高摩擦係数の分離手段31を、前記給紙ローラ21による給紙作用線Qの延長上にて、前記分離傾斜面より突出させて設けると共に、前記分離傾斜面は、全体として、前記分離手段31の配置箇所の近傍で高く、用紙Pの幅方向の両側端部側に行くに従って低くなるように湾曲状または直線状に形成すると、当該用紙Pの幅方向の両側端部側の下端縁(先端縁)は分離傾斜面に衝突しない状態のもとで、用紙Pの幅方向の中央部側の下端縁(先端縁)は分離手段31に突き当たって分離作用を十分に受けることができる。その結果、給送される用紙Pが2重送りされるという給紙不良が発生しないのである。
【0063】
本発明では、固定分離板15から第1可動分離板32a(32b)及び第2可動分離板33a(33b)までの上面(分離傾斜面)を同一平面状に形成しても良いことはいうまでもない。
【0064】
なお、前記の各実施形態のごとく、用紙を積層状態にてセットしたものを給紙可能状態に自動復帰させる機構を備えた給紙装置付きの画像形成装置であれば、ユーザーが用紙Pを整列姿勢にするための作業をするだけ、後は画像形成装置が駆動開始すれば、自動的に給紙可能状態になるから、印刷ミスが発生しないし、通常の家庭で使用するファクシミリ装置のように、印字するまでの待機期間が長くなった場合、前記給紙可能状態、つまり、積層した用紙Pの下端縁が分離傾斜面に当接したままの状態が長期間であると、当該用紙Pの下端が用紙Pの自重により湾曲してしまい、給紙性能が劣化して、用紙Pの2重送りが発生するのを確実に防止できるという効果も奏する。
【0065】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明の給紙装置は、上向き傾斜状に配置した載置部と、該載置部の下方にて積層された用紙の下端縁が突き当たる分離傾斜面とを備え、前記載置部に積層収納された用紙を、給紙手段により送り出して分離傾斜面により1枚ずつ分離給送する給紙装置において、前記分離傾斜面よりも上方に前記積層した用紙の下端縁を持ち上げることにより用紙挿入時に、前記載置部に対して用紙を整列姿勢に整えるためのストッパ体と、前記ストッパ体が収容可能に配置される配置溝と、前記ストッパ体を前記用紙の整列姿勢と給紙可能姿勢とに姿勢保持するための保持手段と、前記整列姿勢と給紙可能姿勢とに選択的に切り換える手動操作レバーと、給紙動作の開始時に駆動するギヤに噛合う欠歯歯車と、この欠歯歯車の回動により、前記手動操作レバーを前記整列姿勢から解除する連動機構とを備え、前記手動操作レバーの操作時には、前記ストッパ体は、前記配置溝から前記分離傾斜面の上方に突出し、前記用紙の給送時には、前記ストッパ体は、前記配置溝内に収納されて前記分離傾斜面から上方に突出しなくなるように構成されていることを特徴とするものである。
【0066】
【0067】
従って、手動操作レバーにてストッパ体を整列姿勢に保持したまま給紙可能姿勢に切り換えるのを忘れた場合には、駆動モータが回転を開始すれば、これにつれて回動するギヤにより欠歯歯車が回動すると、連動機構を介して前記手動操作レバーを整列姿勢から給紙可能姿勢に切り替わるように強制移動させることができるから、ユーザーの操作忘れによる給紙不良、ひいては印刷不能状態を確実に回避できるという効果を奏する。しかも、欠歯歯車の欠歯の個所が前記ギヤと対峙すると、それ以上欠歯歯車が回動しないから前記連動機構や手動操作レバーに無理な力が作用しないので、部品が破損しないという効果も奏する。
【0068】
【0069】
しかも、ストッパ体は、前記載置部の給送方向下流側に設けられて給紙ローラから離れた積層状の用紙の下端縁を支持するものであるから、給紙ローラが用紙の積層量に応じて位置変動する形式の給紙装置に適用できるという効果を奏する。
【0070】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の給紙装置において、前記手動操作レバーと前記保持手段とをリンク機構を介して連結する一方、前記連動機構は、前記欠歯歯車と手動操作レバーとを連結するスライダクランク機構であるから、駆動モータを正回転または逆回転のいずれの方向に作動させても、手動操作レバー及び用紙整列手段を給紙可能姿勢に戻すことができる。
【0071】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の給紙装置において、前記スライダクランク機構は、前記整列姿勢時及び給紙可能姿勢時において死点から外れた位置で停止するものであるから、停止状態の欠歯歯車を正回転または逆回転のいずれの方向にも回転開始させることができるという効果を奏する。
【0072】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記載置部の表面と該載置部の表面に対して交差する分離傾斜面との交差側に位置する回動支点を中心に上下回動可能に構成されているものであるから、回動支点を中心にしてストッパ体を回動させる操作だけの簡単な構成で、用紙の整列作業を容易にし、且つ、前記整列姿勢から、給紙作業にスムーズに移行することができるとともに、ストッパ体が退避する際に、載置部の表面に近い用紙から徐々に分離傾斜面に乗載されることになるので、用紙のなだれ込み現象が起きにくいという効果を奏する。
【0073】
請求項に記載の画像形成装置は、前記請求項1乃至4のいずれかの1項に記載の給紙装置と、該給紙装置から給紙された用紙に対して画像形成する画像形成部とを備えたことを特徴とするものである。
【0074】
従って、ユーザーが用紙を整列姿勢にするための作業をするだけ、後は画像形成装置が駆動開始すれば、自動的に給紙可能状態になるから、印刷ミスが発生しないし、通常の家庭で使用するファクシミリ装置のように、印字するまでの待機期間が長くなった場合、前記給紙可能状態、つまり、積層した用紙の下端縁が分離傾斜面に当接したままの状態が長期間であると、当該用紙の下端が用紙の自重により湾曲してしまい、給紙性能が劣化して、用紙の2重送りが発生するのを確実に防止できるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置の斜視図である。
【図2】 ストッパ体を給紙可能姿勢にした状態の給紙装置の斜視図である。
【図3】 給紙装置の右側面図である。
【図4】 ストッパ体を給紙可能姿勢にした状態の給紙装置の要部正面図である。
【図5】 図4のV−V線矢視断面図である。
【図6】 ストッパ体が整列姿勢状態にあるときの給紙装置の正面図である。
【図7】 同じくストッパ体が整列姿勢状態にあるときの給紙装置の斜視図である。
【図8】 同じくストッパ体が整列姿勢状態にあるときの右側壁板を除いて見た給紙装置の右側面図である。
【図9】 ストッパ体の昇降状態の説明図である。
【図10】 固定分離板及び可動分離板にの作用説明図である。
【図11】 傾動する可動分離板の拡大断面図である。
【図12】 (a)は分離手段を備えた固定分離板の平面図、(b)は図12(a)のXIIb−XIIb線矢視断面図、(c)は図12(a)のXIIc−XIIc線矢視断面図である。
【図13】 (a)は分離手段の平面図、(b)は図13(a)のXIIIb −XIIIb 線矢視断面図である。
【図14】 整列姿勢保持手段の第2実施形態を示し、(a)は整列姿勢保持状態の側断面図、(b)は用紙の積層量が多い場合の給紙可能姿勢保持状態の側断面図、(c)は用紙の積層量が少ない場合の給紙可能姿勢保持状態の側断面図である。
【符号の説明】
P 用紙
10 給紙装置
11 台枠フレーム
12 載置板
15 固定分離板
20 伝動軸
21 給紙ローラ
23a〜23d ギヤ
31 分離手段
32a,32b 第1可動分離板
33a,33b 第2可動分離板
34 分離部材
42 捩じりバネ
60 ストッパ体
61 配置溝
63 高摩擦部材
64 作動アーム
65 付勢ばね
68 第1リンク
69 第2リンク
70 手動操作レバー
70a 作動部
73 摺動ピン
74 スライダリンク
75 欠歯歯車
75a 欠歯部
77 ピン

Claims (5)

  1. 上向き傾斜状に配置した載置部と、該載置部の下方にて積層された用紙の下端縁が突き当たる分離傾斜面とを備え、前記載置部に積層収納された用紙を、給紙手段により送り出して分離傾斜面により1枚ずつ分離給送する給紙装置において、
    前記分離傾斜面よりも上方に前記積層した用紙の下端縁を持ち上げることにより用紙挿入時に、前記載置部に対して用紙を整列姿勢に整えるためのストッパ体と、
    前記ストッパ体が収容可能に配置される配置溝と、
    前記ストッパ体を前記用紙の整列姿勢と給紙可能姿勢とに姿勢保持するための保持手段と、
    前記整列姿勢と給紙可能姿勢とに選択的に切り換える手動操作レバーと、
    給紙動作の開始時に駆動するギヤに噛合う欠歯歯車と、
    この欠歯歯車の回動により、前記手動操作レバーを前記整列姿勢から解除する連動機構とを備え、
    前記手動操作レバーの操作時には、前記ストッパ体は、前記配置溝から前記分離傾斜面の上方に突出し、前記用紙の給送時には、前記ストッパ体は、前記配置溝内に収納されて前記分離傾斜面から上方に突出しなくなるように構成されていることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記手動操作レバーと前記保持手段とをリンク機構を介して連結する一方、前記連動機構は、前記欠歯歯車と手動操作レバーとを連結するスライダクランク機構であることを特徴とする請求項に記載の給紙装置。
  3. 前記スライダクランク機構は、前記整列姿勢時及び給紙可能姿勢時において死点から外れた位置で停止することを特徴とする請求項に記載の給紙装置。
  4. 前記ストッパ体は、前記載置部の表面と該載置部の表面に対して交差する分離傾斜面との交差側に位置する回動支点を中心に上下回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかの1項に記載の給紙装置と、該給紙装置から給紙された用紙に対して画像形成する画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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