JP3740816B2 - 2値画像の輪郭修正方法および画像処理装置 - Google Patents

2値画像の輪郭修正方法および画像処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、2値画像の輪郭修正方法および画像処理装置に関する。詳しくは1つの画素を基準とした判別領域を設定し、判別領域を2値画像内で画素単位で移動しながら判別領域の第1の色領域と第2の色領域の分布パターンが複数の所定パターンのいずれかと等しいか否かを判別し、分布パターンが複数の所定パターンのいずれかと等しいときには、判別領域の基準とされた1つの画素を、等しいとされた所定パターンに応じた色領域の画素に変更することにより、2値画像の輪郭部を滑らかとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷された文字や図形等を読み込んで得られた画像データ信号を用いて文字や図形の拡大処理を行い、処理された画像データ信号に基づいて拡大された文字や図形等を印刷して出力する複写機などでは、画質を良好とするために文字や図形の輪郭部を滑らかにするスムージング処理が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、文字や図形等の拡大は、原画像の画素間に原画像に基づく画素を繰り返し挿入することによって行われる。例えば図9Aに示す白画素と黒画素から成る2値画像を主走査方向に2倍、副走査方向に4倍する場合には、主走査方向に対して原画像の画素を1度挿入し、副走査方向に対して原画像の画素を3度繰り返し挿入することで、図9Bのような主走査方向に2倍、副走査方向に4倍拡大された2値画像が生成される。このようにして得られた拡大画像のスムージング処理では、原画像の画素はそのままとして、例えば図9Cに示すように挿入画素部分の白画素KAを黒画素KBに変更することで輪郭部が滑らかとされる。
【0004】
このように、原画像を処理することなく挿入画素部分だけを処理するものでは、輪郭部の修正を的確に行うことができないため、良好な画質を得ることができない。また、図9Cからも明らかなように、挿入画像部分の白画素KAが黒画素KBに変更されて輪郭部が滑らかされると黒画素の領域が広くされることから、例えば文字を拡大してスムージング処理を行う場合には文字が太いものとされて判別しにくくなってしまう恐れもある。
【0005】
そこで、この発明では輪郭部が滑らかで良好な画質の2値画像を得るための2値画像の輪郭修正方法および画像処理装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る2値画像の輪郭修正方法は、白色画素領域と黒色画素領域から成る原画像の画素間に原画像に基づく画素を挿入して拡大された2値画像を生成し、上記原画像に存在する1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第1の判別領域を設定し、該第1の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら上記第1の判別領域の白色画素領域と黒色画素領域の分布パターンが複数の第1の所定パターン、もしくは複数の第2の所定パターンのいずれと等しいか判別し、上記分布パターンが上記第1の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を白色とし、上記第2の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とし、上記挿入された1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第2の判別領域を設定し、該第2の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら上記第2の判別領域の上記白色領域と上記黒色領域の分布パターンが第1の所定パターンとは異なる複数の第3の所定パターン、もしくは第2の所定パターンとは異なる複数の第4の所定パターンのいずれと等しいか判別し、上記分布パターンが上記第3の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を白色とし、上記第4の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とするものである。
【0007】
また、画像処理装置は、白色画素領域と黒色画素領域から成る原画像の画素間に原画像に基づく画素を挿入して拡大された2値画像を生成する画像拡大処理手段と、上記原画像に存在する1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第1の判別領域を設定し、該第1の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら、上記第1の判別領域の白色画素領域と黒色画素領域の分布パターンが、複数の第1の所定パターン、もしくは複数の第2の所定パターンのいずれと等しいかを判別する第1の判別手段と、上記第1の判別手段で、上記分布パターンが上記複数の第1の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素の色領域を白色とし、上記第2の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とする第1のデータ処理手段と、上記挿入された1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第2の判別領域を設定し、該第2の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら、上記第2の判別領域の上記白色領域と上記黒色領域の分布パターンが、第1の所定パターンとは異なる複数の第3の所定パターン、もしくは第2の所定パターンとは異なる複数の第4の所定パターンのいずれと等しいか判別する第2の判別手段と、上記第2の判別手段で、上記分布パターンが上記第3の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を白色とし、上記第4の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とする第2のデータ処理手段とを有するものである。
【0008】
この発明においては、1つの画素を基準とした判別領域が設定されて、2値画像内で画素単位に移動される。ここで、判別領域とされた2値画像の第1の色領域と第2の色領域の分布パターン、例えば白画素と黒画素の分布パターンが複数の所定パターンのいずれかと等しいか否かが判別される。ここで、複数の所定パターンは、判別領域の1つの画素が原画像の画素である場合と、2値画像の拡大処理によって挿入された画素である場合のそれぞれに応じて設けられる。判別領域の1つの画素が原画像の画素である場合には、これと対応する第1の所定パターンと分布パターンが比較される。分布パターンが複数の第1の所定パターンのいずれかと等しいときには、判別領域の基準とされた1つの原画像の画素が、等しいとされた第1の所定パターンに応じた色領域の画素に変更される。また、判別領域の1つの画素が挿入画素である場合には、これと対応する第2の所定パターンと分布パターンが比較されて、第2の所定パターンのいずれかと等しいときには、判別領域の基準とされた1つの挿入画素が、等しいとされた第2の所定パターンに応じた色領域の画素に変更される。さらに、画素の色領域が変更された場合には、変更された画素に基づく分布パターンと第1あるいは第2の所定パターンが等しいか否かの判別が行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の一形態について図を用いて詳細に説明する。図1は、画像処理装置の構成を示す図である。画像処理装置の入力部11では、印刷された文字や図形等の2値画像を読み込んで画像データ信号を生成したり、通信回線を介して供給された2値画像の画像データ信号の受信等が行われる。入力部11で得られた画像データ信号DBは、画像処理部12の画像拡大処理手段である入力処理回路121に供給される。
【0010】
画像処理部12には制御部15が接続されており、制御部15から制御信号CTが画像処理部12の動作設定回路125に供給される。この再生処理部12の動作は、動作設定回路125によって制御信号CTに基づき設定される。
【0011】
画像処理部12の入力処理回路121では、制御部15からの制御信号CTに基づいて設定された拡大率に応じて原画像の画素間に原画像に基づく画素を繰り返し挿入することにより、拡大された画像の画像データ信号を生成するリサーキュレート処理が行われる。
【0012】
この入力処理回路121では、例えば主走査方向に画像を拡大する場合、図2Aに示すように、対象ライン「M」,対象ピクセル「N」の画素が黒画素であるときには、対象ライン「M」の対象ピクセル「N」の後に、黒画素が挿入されて挿入ピクセルが生成される。また、図2Bに示すように、対象ライン「M」,対象ピクセル「N」の画素が白画素であるときには、対象ライン「M」の対象ピクセル「N」の後に、白画素が挿入されて挿入ピクセルが生成される。
【0013】
このように第1の色領域と第2の色領域、例えば黒画素と白画素から成る原画像の画素を用いて挿入ピクセルが生成されて画像が主走査方向が2倍に拡大されて、原画像の画素データと挿入画素の画素データから拡大画像の画像データ信号DCを得ることができる。なお、図2において、ハッチングで示す部分は、画素が黒画素あるいは白画素のいずれであっても良い部分である。
【0014】
この入力処理回路121で生成された画像データ信号DCは、データ処理手段であるスムージング処理回路122に供給される。また、入力処理回路121では、スムージング処理回路122に供給される画像データ信号DCが原画像の画素データかあるいは挿入画素の画素データを示すデータ識別信号GIが生成されてスムージング処理回路122に供給される。
【0015】
スムージング処理回路122に供給された画像データ信号DCは、スムージング処理回路122で処理されて画像データ信号DEとしてメモり13に記憶される。また、スムージング処理回路122では、入力処理回路121から供給された画像データ信号DCと、メモリ13に記憶された画像データ信号DEを用いて、1つの画素を基準として設定された判別領域の画素データを保持すると共に、この判別領域を2値画像内で画素単位で移動し、判別領域の黒画素と白画素の分布パターンが複数の所定パターンのいずれかと等しいか否かが判別して、判別結果に基づき画素データを処理することにより輪郭部を滑らかとするスムージング処理が行われる。
【0016】
ここで、判別結果に基づいて処理される判別領域の基準とされた画素が、原画像の画素である場合と挿入画素である場合のそれぞれに対して所定パターンが設定されている。なお、処理される画素の画素データが原画像の画素データであるか挿入画素の画素データであるかは、入力処理回路121から供給されたデータ識別信号GIによって判別される。
【0017】
図3は、スムージング処理回路122の動作を説明するための図である。スムージング処理回路122では、例えばレジスタPが7行6列のマトリックス状に設けられており、このレジスタPによって判別領域の画素の画素データが保持される。レジスタP(4,3)とレジスタP(4,4)の間にはフィルタFAが設けられる。またレジスタP(4,4)とレジスタP(4,5)の間にはフィルタFBが設けられる。このフィルタFAは挿入画素の画素データを黒画素から白画素あるいは白画素から黒画素に必要に応じて処理するものである。フィルタFBは原画像の画素データを黒画素から白画素あるいは白画素から黒画素に必要に応じて処理するものである。
【0018】
ここで、入力処理回路121から供給された画像データ信号DCに基づき、順次画素データがレジスタP(1,1)に入力される。また、データ識別信号GIに基づきレジスタP(1,1)に入力された画素データが原画像の画素データであるか挿入画素の画素データであるかを示す識別データがレジスタQ(1)に入力される。
【0019】
主走査方向の次の画素データがレジスタP(1,1)に入力されるときには、レジスタP(1,1)に保持されている画素データがレジスタP(1,2)に移動されて、次の画素データがレジスタP(1,1)に入力される。またレジスタQ(1)の識別データがレジスタQ(2)に移動されて、レジスタP(1,1)に入力された次の画素データに対する識別データがレジスタQ(2)に入力される。
【0020】
その後、順次画像データが入力されて、画像データがレジスタP(1,1)からレジスタP(1,6)まで移動されると、レジスタP(1,6)の画素データはメモリ13に記憶される。なお、識別データはレジスタQ(1)からレジスタQ(4)まで移動される。
【0021】
主走査方向の1ライン目の画素データの入力が終了されて、次に2ライン目の最初の画素データがレジスタP(1,1)に入力されると、この最初の画素データに同期してメモリ13に記憶されている1ライン目の最初の画像データが読み出されてレジスタP(2,1)に入力される。なお、レジスタQ(1)には、レジスタP(1,1)に入力された画素データに対する識別データが入力される。
【0022】
以下同様にして、2値画像の画素データが順次入力されると共に列方向に移動されて、レジスタP(1,6)、P(2,6)・・・P(6,6)に保持された画素データはメモリ13に記憶される。また、メモリ13に記憶された画像データは行方向に移動された位置に読み出される。例えばレジスタP(1,6)からメモリ13に記憶された画素データは、その後レジスタP(2,1)に読み出される。
【0023】
レジスタP(1,1)からレジスタP(7,6)まで移動された画素データはスムージング処理が成された画像データ信号DFとして出力処理回路123に供給される。
【0024】
ここで、スムージング処理回路122では、フィルタFAによって挿入画素の画素データを黒画素から白画素あるいは白画素から黒画素に必要に応じて処理することが行われると共に、フィルタFBによって原画像の画素データを黒画素から白画素あるいは白画素から黒画素に必要に応じて処理することが行われる。なお、フィルタFAやフィルタFBで処理を行うか否かは制御部15からの制御信号CTに基づいて設定される。
【0025】
第2の判別手段と第2のデータ処理手段に相当するフィルタFAで処理を行う場合には、レジスタP(4,3)の画素データを基準としてレジスタP(1,1)〜レジスタP(7,6)の画素データが判別領域の画素データとされる。このレジスタP(1,1)〜レジスタP(7,6)の画素データに基づき、黒画素と白画素の分布パターンが第3および第4の所定パターンである図4に示すパターンのいずれかに該当するか否かが判別される。このフィルタFAでは、挿入画素の画素データを対象として処理を行うものであるから、レジスタQ(3)の識別データが挿入画素の画素データであることを示す場合にパターン判別が行われる。なお図4において、ハッチングで示す部分は、パターン判別において画素データが黒画素あるいは白画素のいずれでも良い部分である。
【0026】
ここで、レジスタP(1,1)〜レジスタP(7,6)の画素データに基づく分布パターンが、図4に示す第3の所定パターンであるパターン(A)〜パターン(D)のいずれかに該当する場合には、基準とされたレジスタP(4,3)の画素データがレジスタP(4,4)に移動される際に、フィルタFAによって白画素の画素データとされる。また、第4の所定パターンであるパターン(E)〜パターン(J)のいずれかに該当する場合には、基準とされたレジスタP(4,3)の画素データがレジスタP(4,4)に移動される際に、フィルタFAによって黒画素の画素データとされる。
【0027】
次に、第1の判別手段と第1のデータ処理手段に相当するフィルタFBで処理を行う場合には、レジスタP(4,4)の画素データを基準として、レジスタP(1,1)〜レジスタP(7,6)の画素データに基づく分布パターンが、第1および第2の所定パターンである図5に示すパターンのいずれかに該当するか否かが判別される。このフィルタFBでは、原画像の画素データを対象として処理を行うものであるから、レジスタQ(4)の識別データが原画像の画素データであることを示す場合にパターン判別が行われる。なお、図5においても図4と同様に、ハッチングで示す部分は画素データが黒画素あるいは白画素のいずれでも良い部分を示している。
【0028】
ここで、レジスタP(1,1)〜レジスタP(7,6)の画素データが、図5に示す第1の所定パターンであるパターン(A)〜パターン(D)のいずれかに該当する場合には、基準とされたレジスタP(4,4)の画素データがレジスタP(4,5)に移動される際に、フィルタFBによって白画素の画素データとされる。また、第1の所定パターンであるパターン(E)〜パターン(J)のいずれかに該当する場合には、基準とされたレジスタP(4,4)の画素データがレジスタP(4,5)に移動される際に、フィルタFBによって黒画素の画素データとされる。
【0029】
このように、フィルタFAでは挿入画素の画素データを処理することにより2値画像の輪郭部を滑らかとするスムージング処理が行われる。また、フィルタFBでは原画像の画素データを処理することにより2値画像のスムージング処理が行われる。
【0030】
また、フィルタFA,FBで処理を行うものとした場合には、フィルタFAによって処理された挿入画素の画素データやフィルタFBによって処理された原画像の画素データがレジスタP(4,4)あるいはレジスタP(4,5)、P(4,6)に移動されると共に、レジスタP(4,6)からメモリ13に記憶されて、その後レジスタP(5,1)に読み出される。このため、処理された画像データを用いて次のパターン判別が行われて、判別結果に基づきフィルタFAで挿入画素の画素データの処理やフィルタFBで原画像の画素データの処理が再び行われて2値画像のスムージング処理が行われる。
【0031】
このようにしてスムージング処理回路122でスムージング処理が行われた画像データ信号DFは、スムージング処理回路122のレジスタP(7,6)から出力処理回路123に供給される。
【0032】
出力処理回路123には出力部14が接続されており、スムージング処理回路122から供給された画像データ信号DFが、この出力部14と対応するフォーマットの画像データ信号DGに変換されて出力部14に供給される。
【0033】
出力部14では、供給された画像データ信号DGに基づいて文字や図形等の印刷、あるいは通信回線を介して画像データ信号DGが出力される。また、制御部15では、画像処理部12での画像拡大率の設定やスムージング処理回路122のフィルタFAやフィルタFBで処理を行うか否か等の選択などが行われて制御信号CTが生成される。なお、図2において画像データ信号を供給するための制御信号は省略する。
【0034】
次に、制御部15からの制御信号CTに基づき、画像処理部12では動作設定回路125によって、例えば図6Aに示す画像を主走査方向に2倍、副走査方向に4倍拡大すると共に、原画像の画素データと挿入画素の画素データを処理してスムージング処理を行う場合の動作を説明する。
【0035】
入力処理回路121でリサーキュレート処理して得られた図6Bに示す拡大画像の画素データは、ライン「1」のピクセル「1」からピクセル「2」、ピクセル「3」、・・・ピクセル「PE」まで順にスムージング処理回路122に供給される。ライン「1」の画素データの供給が終了するとライン「2」の画素データが順に供給される。以下同様にしてライン「LE」までの画素データがスムージング処理回路122供給される。また、スムージング処理回路122に供給された画素データが原画像の画素データか挿入画素の画素データであるかを示すデータ識別信号GIが生成されてスムージング処理回路121に供給される。
【0036】
ここで、図7Aに示すように、ライン「11」,ピクセル「6」の画素データが入力処理回路121のレジスタP(1,1)に供給されたときには、ライン「11」,ピクセル「1」・・・ライン「1」,ピクセル「5」の画素データがレジスタP(1,6)・・・P(1,2)に保持される。
【0037】
レジスタP(2,6)・・・P(2,1)には、メモリ13から読み出されたライン「10」,ピクセル「1」・・・ライン「10」,ピクセル「6」の画素データが保持される。同様にレジスタP(3,6)・・・P(7,1)には、メモリ13から読み出されたライン「9」,ピクセル「1」・・・ライン「5」,ピクセル「6」の画素データが保持される。
【0038】
また、レジスタP(4,4)の画素データは、レジスタQ(4)の識別データによって原画像の画素データであることが識別されることから、スムージング処理回路122では、レジスタPに保持された画素データのパターンと図5のパターン(A)〜(J)が比較される。この図7Aに示す場合にはレジスタPに保持された画素データのパターンと図5のパターン(A)が一致することからフィルタFBによってライン「8」,ピクセル「3」の黒画素の画素データが白画素の画素データに変更される(○印)。
【0039】
その後、入力処理回路121からスムージング処理回路122に順次画素データが供給されて、図7Bに示すようにライン「12」,ピクセル「6」の画素データが入力処理回路121のレジスタP(1,1)に供給されたときには、ライン「12」,ピクセル「1」〜ライン「12」,ピクセル「5」の画素データがレジスタP(1,6)〜P(1,2)に保持される。
【0040】
レジスタP(2,6)〜P(7,1)には、メモリ13から読み出されたライン「11」,ピクセル「1」〜ライン「6」,ピクセル「6」の画素データが保持される。
【0041】
また、レジスタP(4,3)の画素データは、レジスタQ(3)の識別データによって挿入画素の画素データであることが識別されることから、スムージング処理回路122では、レジスタPに保持された画素データのパターンと図4のパターン(A)〜(J)が比較される。この図7Bに示す場合にはライン「8」,ピクセル「3」が白画素の画素データに変更されているので、図7AのレジスタPに保持された画素データのパターンと図4のパターン(I)が一致する。このため、フィルタFAによってライン「9」,ピクセル「4」の白画素の画素データが黒画素の画素データに変更される(◆印)。
【0042】
以下同様に、レジスタP(4,3)に保持された画素データが挿入画像の画素データである場合には、レジスタPに保持された画素データのパターンと図4に示すパターンが一致するか否かが判別されて、一致したときにはフィルタFAによってレジスタP(4,3)に保持された画素データが処理される。また、レジスタP(4,4)に保持された画素データが原画像の画素データである場合には、レジスタPに保持された画素データのパターンと図5に示すパターンが一致するか否かが判別されて、一致したときにはフィルタFBによってレジスタP(4,4)に保持された画素データが処理されて、スムージング処理回路122から出力される画像データ信号に基づく画像は図8Aに示すように輪郭部が滑らかなものとされる。
【0043】
このように、上述の実施の形態によれば、挿入画素だけでなく原画像の画素データを用いてスムージング処理が行われるので、良好な画質の画像データ信号を得ることができる。また、図8Bに示す画像のように、従来の挿入画素部分を処理してスムージング処理を行って得られる図8Bの画像のように黒画素領域が広くされないので、文字等が判別しにくくなってしまうことを防ぐことができる。
【0044】
また、制御信号CTに基づき動作設定回路125によって、画像処理部12ではリサーキュレート処理だけを行うものとしたり、原画像の画素データだけを処理したり、リサーキュレート処理によって挿入された画素の画像データだけを処理することもできるので、これらを使い分けることにより所望のレベルに画質を向上させることができる。
【0045】
なお、上述の実施の形態は例示的なものであって、2値画像が主走査方向に拡大する場合に限定されるされるものでない。また、画像処理装置は複写機に限られるものではなく、印刷された文字や図形等を読み込んで画像データ信号として出力する例えばスキャナ等の装置や、供給された画像データ信号に基づいて文字や図形等を印刷して出力するプリンタ等の装置、あるいはファクシミリ装置等であっても良いことは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、第1の色領域と第2の色領域からなる原画像の画素間に原画像に基づく画素を挿入することにより拡大された2値画像が生成されて、判別領域がこの2値画像内を画素単位で移動しながら判別領域の分布パターンと所定パターンが等しいか否かが判別されて、判別結果に基づき原画像の画素や挿入画素の画素データが変更される。また、画素データが変更されたときには、変更された画素データを用いた分布パターンで判別が行われるので、輪郭部が滑らかで良好な画質の2値画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】リサーキュレート処理を説明するための図である。
【図3】スムージング処理回路122の動作を説明するための図である。
【図4】挿入画素に対するパターンを示す図である。
【図5】原画像の画素に対するパターンを示す図である。
【図6】画像処理装置の動作(その1)を示す図である。
【図7】画像処理装置の動作(その2)を示す図である。
【図8】スムージング処理後の画像を示す図である。
【図9】従来のスムージング処理を説明するための図である。
【符号の説明】
11 入力部
12 画像処理部
13 メモリ
14 出力部
15 制御部
121 入力処理回路
122 スムージング処理回路
123 出力処理回路
124 動作設定回路

Claims (2)

  1. 白色画素領域と黒色画素領域から成る原画像の画素間に原画像に基づく画素を挿入して拡大された2値画像を生成し、
    上記原画像に存在する1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第1の判別領域を設定し、該第1の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら、上記第1の判別領域の白色画素領域と黒色画素領域の分布パターンが、複数の第1の所定パターン、もしくは複数の第2の所定パターンのいずれと等しいかを判別し
    上記分布パターンが上記第1の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を白色とし、
    上記第2の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とし、
    上記挿入された1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第2の判別領域を設定し、
    該第2の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら、上記第2の判別領域の上記白色領域と上記黒色領域の分布パターンが、上記第1の所定パターンとは異なる複数の第3の所定パターン、もしくは上記第2の所定パターンとは異なる複数の第4の所定パターンのいずれと等しいかを判別し、
    上記分布パターンが上記第3の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を白色とし、
    上記第4の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とする
    ことを特徴とする2値画像の輪郭修正方法。
  2. 白色画素領域と黒色画素領域から成る原画像の画素間に原画像に基づく画素を挿入して拡大された2値画像を生成する画像拡大処理手段と、
    上記原画像に存在する1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第1の判別領域を設定し、該第1の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら、上記第1の判別領域の白色画素領域と黒色画素領域の分布パターンが、複数の第1の所定パターン、もしくは複数の第2の所定パターンのいずれと等しいかを判別する第1の判別手段と、
    上記第1の判別手段で、上記分布パターンが上記複数の第1の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素の色領域を白色とし、上記第2の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とする第1のデータ処理手段と、
    上記挿入された1つの画素を基準とし、該画素の隣接画素を含む第2の判別領域を設定し、該第2の判別領域を上記2値画像内で画素単位で移動しながら、上記第2の判別領域の上記白色領域と上記黒色領域の分布パターンが、第1の所定パターンとは異なる複数の第3の所定パターン、もしくは第2の所定パターンとは異なる複数の第4の所定パターンのいずれと等しいか判別する第2の判別手段と、
    上記第2の判別手段で、上記分布パターンが上記第3の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を白色とし、上記第4の所定パターンのいずれかと等しいと判別されたときには、上記基準とされた1つの画素を黒色とする第2のデータ処理手段とを有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
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