JP3739558B2 - 連続鋳造用ロングノズルの耐用寿命判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造において取鍋からタンディッシュへ流入する溶鋼が空気に触れて酸化したり、溶鋼が飛散するのを防止するため取鍋の溶鋼排出孔に取り付けて使用される連続鋳造用ロングノズルの耐用寿命の判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に連続鋳造用ロングノズルの材質は溶鋼との接触部位にAl2O3−SiO2−C質を用いると共に、タンディシュパウダーやスラグと接触するスラグライン部にZrO2−Cを用いたものが主流となっている。そして、これらの材質にはいずれも溶鋼に対する耐蝕性を高めるため低通気率のもの、例えば通気率が1.0×10-4〜10-5darcyの材質が用いられている。
ところで、この種のロングノズルでは、図4に模式的に示すように取鍋からタンディッシュへ流入する高圧の溶鋼1によりロングノズル2の内孔3の内壁面、とりわけ入口に近い湯当たり部4と出口5付近が激しく溶損侵食される。
従来、このようなロングノズル2の耐用寿命は、鍋終了毎あるいはタンディッシュの操業終了後に内孔3の溶損部の寸法を内パスで計測したり、目視により溶損の状態を調べて溶損の速度を推測して判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱間での内孔の計測作業は危険を伴うため計測に際し常温まで冷却する必要があり、その間操業が中断するので生産性が低下する。またロングノズルの再使用が可能な場合には熱衝撃によるスポーリングの発生を防止するため予熱が必要であり、加熱と冷却の繰り返しで熱歪が生じて耐用寿命が低下する。
本発明はかかる問題点に鑑み、操業を中止することなく連続鋳造用ロングノズルの耐用寿命を高精度に判定できる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は連続鋳造用ノズルの耐用寿命の判定方法であって、ノズル本体の内部にノズル内孔を囲む環状の中空室を区画形成し、ノズル本体外部から前記中空室に不活性ガスを供給し、連続鋳造中にノズル本体の内孔の内壁面の溶損浸食が進行して中空室と内孔内壁面間の肉厚が薄くなるために生ずる中空室の不活性ガスの内孔内壁面からの漏出による中空室の圧力の低下叉は中空室に供給される不活性ガスの流量増加に基づいて前記中空室と内孔内壁面間の肉厚の減少を推定することを特徴とする。
【0005】
【発明の作用・効果】
ノズル本体には溶鋼に対する耐蝕性を高めるため低通気率のもの、例えば通気率が1.0×10-4〜10-5darcyの材質が用いられるので、中空室に供給された不活性ガスがノズル本体内部の気孔を通って中空室の外に漏出することは殆どない。従って、ロングノズルの使用開始当初に中空室の圧力が低下したり、中空室へ供給される不活性ガスの流量が増加することはない。
しかし、連続鋳造中にノズル本体の内孔の内壁面の溶損が進行して中空室と内孔内壁面の間の肉厚が薄くなると、中空室の不活性ガスが内孔内壁面から漏出するので、中空室の圧力が低下したり中空室へ供給される不活性ガスの流量が増加する。
さらに、内孔内壁面の溶損侵食が進行して内壁面から中空室まで達すると、中空室の圧力が急激に低下し、流量も急増する。
このように、内孔内壁面の溶損の進行に伴って中空室の圧力が低下したり、中空室へ供給される不活性ガスの流量が増加するので、圧力低下または流量増加を検知し、それに基づいて内孔内壁面の溶損侵食の状態を推定することにより、操業を中止することなく、ロングノズルの耐用寿命を高精度に判定することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1には本発明の一実施形態に係る連続鋳造用ロングノズルの耐用寿命判定方法が模式的に示されている。当該判定方法では、図示の構造を有するロングノズルが使用される。このロングノズル10は溶鋼11との接触部位がAl2O3−SiO2−C質から成り、タンディシュパウダーやスラグ12と接触するスラグライン部がZrO2−Cから成り、これらの材質にはいずれも溶鋼11に対する耐蝕性を高めるため低通気率のもの、例えば通気率が1.0×10-4〜10-5darcyの材質が用いられている
【0007】
ノズル本体10は内部に内孔13を有すると共に、内孔13囲む環状の中空室14が区画形成されている。またノズル本体10には中空室14と本体外部を連通する通孔15が形成され、該通孔15に鉄パイプ16が接続されている。気密保持のため鉄パイプ16と通孔15の内壁の間にモルタル17を充填し、環状の鉄皮18で通孔15の外側開口端を被覆している。
鉄パイプ16は不活性ガスを充填したボンベ19にフレキシブルホース20を介して接続され、ボンベ19に圧力計21と流量計22が付設されている。
【0008】
ロングノズル10の耐用寿命を判定するには、操業中、ボンベ19から不活性ガスを中空室14へ供給し、中空室14の圧力の低下叉は中空室14へ供給される不活性ガスの流量の増加を圧力計21及び流量計22で検知する。
ノズル本体10は低通気率の材質から成るので、ロングノズル10の使用開始当初は中空室14の不活性ガスが室外へ漏出することは殆どない。従って、圧力計21及び流量計22の指針は変化しない。
操業中にノズル本体10の内孔13の内壁面が溶損し、図2に模式的に示すように中空室14と内孔13の内壁面の間の肉厚が薄くなると、ボンベ19から供給された中空室14の不活性ガスが内孔13の内壁面から漏出するので、中空室14の圧力が低下したり中空室14へ供給される不活性ガスの流量が増加する。
さらに、内孔13の内壁面の溶損侵食が進行し、図3に模式的に示すように内孔13から中空室14まで達すると、中空室14の圧力が急激に低下し、流量も急増する。
このように、内孔13の内壁面の溶損侵食の進行に伴って中空室14の圧力が低下したり、中空室14へ供給される不活性ガスの流量が増加するので、中空室14の内孔13内壁面からの深さやノズル10使用開始当初に中空室14へ供給するガス圧力を実験等に基づいて適切に設定しておき、中空室14の圧力低下や流量増加を圧力計21や流量計22の指針で読み取って内孔13内壁面の溶損の状態を推定し、ロングノズル10の耐用寿命を判定する。
例えば、ロングノズル10の使用開始当初に1kg/cm2であった圧力計21の指示が、溶損侵食に伴うガス漏出で0.3kg/cm2まで低下したときに耐用寿命の終わりが近いと判断してロングノズル10の交換の準備を行ったり、あるいは溶損部が中空室14まで達して圧力計の指示が0になったとき、ロングノズル10が安全使用の限界に至ったものと判定して、ロングノズル10を交換する。
【0009】
本実施形態に係るロングノズルの耐用寿命判定方法は以上の通りであって、圧力室14の圧力低下叉は流量増加を圧力計21叉は流量計22の指針から読み取って溶損の状態を推定するので、操業を中止することなく正確にロングノズル10の安全な使用限界を判別することができ、操業の安全性が向上する。
なお、本実施形態ではボンベに付設した圧力計や流量計を観察して溶損侵食の状態を推定しているが、中空室の圧力低下や流量増加を自動的に記録して点検したり、所定レベルの圧力低下や流量増加を検知して警報を発生するように構成すれば、より安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に懸かる連続鋳造用ロングノズルの耐用寿命判定方法を示す説明図である。
【図2】 同耐用寿命判定方法に用いるロングノズルの断面図である。
【図3】 同耐用寿命判定方法に用いるロングノズルの断面図である。
【図4】 従来の連続鋳造用ロングノズルを示す断面図である。
【符号の説明】
10…連続鋳造用ロングノズル、13…内孔、14…中空室、19…不活性ガスボンベ、21…圧力計、22…流量計。
Claims (1)
- ノズル本体の内部にノズル内孔を囲む環状の中空室を区画形成し、ノズル本体外部から前記中空室に不活性ガスを供給し、連続鋳造中にノズル本体の内孔の内壁面の溶損浸食が進行して中空室と内孔内壁面間の肉厚が薄くなるために生ずる中空室の不活性ガスの内孔内壁面からの漏出による中空室の圧力の低下叉は中空室に供給される不活性ガスの流量増加に基づいて前記中空室と内孔内壁面間の肉厚の減少を推定することを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルの耐用寿命判定方法。
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JP02643098A JP3739558B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 連続鋳造用ロングノズルの耐用寿命判定方法 |
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JPH11207446A JPH11207446A (ja) | 1999-08-03 |
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DE102010050936A1 (de) * | 2010-11-11 | 2012-05-16 | Heraeus Electro-Nite International N.V. | Bodenausgussdüse für die Anordnung im Boden eines metallurgischen Gefäßes |
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- 1998-01-22 JP JP02643098A patent/JP3739558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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