JP3739316B2 - ホーロー建材パネルの取り付け構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーロー建材パネルの取り付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建材の内.外装材として、各種の建材パネルが使用されており、なかでも高級パネルの代表品として、大型ホーロー建材パネルが各方面で使用されている。ホーロー建材パネルは、耐久性、耐候性、耐蝕性、耐熱性、耐水性、耐震性、耐薬品性、防音・断熱性等に優れ、様々な色彩や模様を自在に施すことができるため、高級美装パネルとしての需要が期待されているが、広く普及するためにはいくつかの解決すべき問題がある。
【0003】
即ち、従来のホーロー建材パネルは、構造物の外装パネルが主であり、図15及び図16に示すように全体が箱蓋型となっている。このホーロー建材パネルを製作するためには、素地鉄板として、厚さが1.6t〜2.0tの中厚鉄板が使用され、一枚の鉄板に切り込みを入れ、その切り込み部を折り曲げて表面板50と前後左右の側面板51が構成されている。
【0004】
また、切り込み部は溶接により補強されるとともに、下端部に取り付け金具52が溶接により固定されている。さらに、裏面部には耐火、防音、歪矯正のため、珪酸カルシウム板、石膏ボード、センチュリーボード等が合成接着材等で接合されている。このホーロー建材パネルの標準的な寸法は、縦1000mm×横2000mm、奥行120mmであり、重量は30Kg/m2にもなる。
【0005】
このような大型ホーロー建材パネルは、オーダーメイドにより製作されるため、製造コストが高くなり、また溶接部分が加熱時の熱歪みにより変形することもあり、品質維持が難しい等の問題がある。
【0006】
一方、従来の大型ホーロー建材パネルを構造物に取り付けるに際しては、構造物の基体に、アングル、チャンネルなどの型鋼材を使って、パネル取り付け用の下地・胴縁枠組を平坦面になるように取り付け、その胴縁枠組にホーローパネルをネジボルト類で固定し、目地部をシーリング材でシーリングして仕上げている。しかしながら、この従来工法は以下のような難点がある。
【0007】
第1に、大型ホーロー建材パネルは上述したように本体と裏打ち補強材を含めて2m2クラスのもので、重量が60Kg〜70Kgとなるため、運搬等が困難であり、その上、表面処理のホーローはガラス質のため、衝撃に脆く、取り扱いに慎重を期さなければならないという問題がある。
【0008】
第2に、前記胴縁枠組を構造物の基体に取り付けるに際し、胴縁枠組が全面に平坦面となるように細心の注意を払って取り付ける必要があり、このような作業は長年の経験と熟練を要し、コスト高になるという問題がある。
【0009】
第3に、従来のホーロー建材パネルは重量が重いため、新築の場合は、構造物の基礎工事、基体の補強工事を予め入念に計算して施工し、リフォームの場合も、構造物がその重量に耐え得るか検討し、必要により補強工事を行なわなければならず、その準備作業が面倒で、施工コストも高価になる等の問題がある。さらには、パネルの破損が多く、不良個所が多く発生することから歩留まりが悪く、さらなるコスト高を招くという問題がある。
【0010】
第4に、従来のホーロー建材パネルは、表面に大気の汚れ、廃棄汚染物、塵埃等が付着し、汚れが目立つため、定期的に清掃する必要がある。この清掃作業には、現場に大規模な足場を組んだり、屋上からゴンドラを吊り下げたり、高所作業車等を使って手洗いで清掃するため、作業コストが高く、維持管理費が負担になるという問題がある。
【0011】
一方、素地材に軽量の薄板鉄板を使用し、これにホーロー被覆処理する方法も考えられるが、薄板鉄板の場合は、端辺部や穴明け部分のような鋭角切断部に塗布されたホーロー釉薬が、焼成時に、表面張力により表面中央方向に引張られ、素地鉄板の末端面が剥き出しになり、その剥き出し部分に高温加熱のための酸化被膜が形成されることになる。この剥き出し部分は、製品化の際に防錆処理を行なうこともできるが、ホーローほどの耐蝕性、耐久性はなく、その部分から発錆することもある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題を解決するために研究と検討を重ねた結果提案されたものであり、構造物に対して金属製薄板ホーロー建材パネルを特別な熟練を要することなく、構造物の新築やリフォームに際しても、簡単に安価に取り付け、取り外し、取り替え等ができるホーロー建材パネルの取り付け構造を提供するものである。
【0013】
また、軽量で安価に製作でき、しかもホーロー焼成時の熱歪みを防止し、変形を少なくするとともに、素地材の末端面が露出せずにホーロー釉薬が全面に塗布され、ホーロー被覆が均一に焼成されたホーロー建材パネルを使用したホーロー建材パネルの取り付け構造を提供するものである。
【0014】
また本発明は、ホーロー表面がセルフクリーニング効果により常に清廉に維持でき、さらには不用になっても、任意の模様、色彩等を施したホーローを重ね塗りすることができるため、リサイクルが可能なホーロー建材パネルを使用したホーロー建材パネルの取り付け構造を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、金属製の薄板素地材の端辺部に、該端辺部末端部が折り曲げ方向の面と接するようなカール状又は重ね折り状の折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を含む前記薄板素地材の表裏面部全面にホーロー被覆処理を施したホーロー建材パネルを構造物の基体に取り付けるための建材パネルの取り付け構造であって、
前記基体に固着されるホーロー建材パネル支持部材と、前記基体と前記ホーロー建材パネルの間に介在される接着材と、前記建材パネル同士の目地部のシーリング材を有し、
前記ホーロー建材パネル支持部材は、前記基体にねじ込まれる固定ネジと、該固定ネジの軸長に対して傾動及びスライド可能となるように遊挿されるマグネット部材から成り、前記固定ネジの頭部により前記マグネット部材の抜け出しを規制するとともに、前記固定ネジのねじ込み量を調整して前記建材パネルまでの高さを調整するものであり、
前記マグネット部材を前記建材パネルの裏面部に磁着させ、前記建材パネル支持部材の前記建材パネルまでの高さを調整して、互いの建材パネルの表面部が平坦面となるように該建材パネルを前記建材パネル支持部材に支持することを特徴とするものである。
また本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造は、前記ホーロー建材パネルの目地部となる端辺部に成型パッキン材を装着したことを特徴とする。
また本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルは、前記薄板素地材の端辺部を裏面側にカール状に屈曲させたものであることを特徴とする。
また本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルは、全体が箱蓋形状に成形されるとともに、該箱蓋形状の下端辺部を表面側に重ね折り状に屈曲させたものであることを特徴とする。
また本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルは、前記ホーロー被覆処理面に光触媒物質が塗布されていることを特徴とする。
また本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルは、ホウケイ酸系釉薬を主とする超硬質ホーロー被膜であることを特徴とする。
【0016】
ここで、薄板素地材とは、軽量で所定の強度を有し、プレス成形による折り曲げ加工が可能な金属板であればよく、鉄板の他にアルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板、各種合金パネル等が、用途やユーザの要望により選定される。
【0017】
薄板素地材の形状も平板、波形板、円筒板、半円筒板等が用途等に応じて選定される。薄板素地板は、例えば0.4t〜1.4tの板厚が使用される。板厚が薄すぎるとホーロー焼成時に表面中央部が歪んだり変形することがあり、また厚すぎると重量が重くなるばかりか、プレス成形性や加工性が難しくなる。
【0018】
前記折り曲げ部は、プレス成形により薄板素地材の端辺部の末端部が裏面側又は表面側と接するように折り曲げられて形成される。この折り曲げ部は、薄板素地材の全辺部、例えば薄板素地材が四角形であれば、上下左右の端辺部に形成されるが、必要により、例えば他の部材と溶接する部分等には折り曲げ部を形成しなくともよい。この折り曲げ部の断面形状は、カール状(湾曲状)、重ね折り状(折り畳み状)に形成される。
【0019】
薄板素地材の端辺部にこのような折り曲げ部を形成することにより、薄板素地材が補強され、曲げ強度、歪み強度等が強化される。このため、ホーロー焼成時の熱歪みや変形が防止される。また、端辺部に折り曲げ部が形成されるため、ホーロー釉薬の表面張力が分散され、その折り曲げ部を含む薄板素地材の全面にホーロー釉薬の塗布が行きわたり、ホーロー被膜が全面に均一に焼成されることになる。
【0020】
前記薄板素地材には、通常のホーロー被膜処理を施してもよいが、ここでは耐衝撃性に優れ、耐候性、耐火性、耐水性、耐震性、防蝕性、耐薬品性、防音性等に優れた超硬質ホーローが被膜される。このホーロー釉薬は、ホウケイ酸系釉薬が主として使用され、アルミナやシリカが通常の20%〜40%増量される。このホーロー釉薬は、薄板素地材における表裏面部の全面に浸漬法やスプレー法等により塗布された後、所定温度で焼成される。焼成硬度はモース硬度で9.0以上である。
【0021】
一方、本発明では、前記ホーロー被覆表面面部にセルフクリーニング効果がある二酸化チタン、二酸化マンガン等の光触媒物質が焼成法又はスパッタリング法等により塗布される。この光触媒物質は、光エネルギーを反応物質に与えて化学反応させる物質であり、ホーロー被膜に塗布することにより、該被膜に付着した環境汚染物質や汚れ等が自然分解され、常に表面が清浄浄化され美麗な表面状態に維持される。また、抗菌効果、脱臭効果も得られる。
【0022】
なお、前記折り曲げ部は、隣接するホーロー建材パネルの折り曲げ部と接して目地部となり、この目地部に市販のシーリング材が塗布される。
【0023】
また本発明において基体とは、構造物等において、建材パネルを取り付ける基礎部となる壁体、床体等であり、コンクリート、鋼材等で構成されている。また、必要により胴縁枠組も含まれる。
【0024】
前記固定ネジは、基体へのねじ込み量を調整することで、建材パネルまでの高さ調整、即ち、この実施形態では建材パネルの裏面部との接点となるネジ頭部の位置を調整することができる。また、盤状マグネット部材は、固定ネジに対して自在に傾動するため、固定ネジが多少傾いて固定された場合でも、マグネット部材の全面が建材パネルの裏面部に磁着することになる。
【0025】
上述した建材パネル支持部材は最も簡単な実施形態であり、マグネット部材の形状は、建材パネルを所定の磁力で磁着できるものであれば任意に選択することができる。
【0026】
前記建材パネルを基体に強固に支持するため、前記建材パネル裏面部と基体とを接着材で固定する。この接着材は、基体と建材パネルを所定強度で接着できるものであれば任意であり、市販の有機質合成樹脂系接着材、合成ゴム系接着材、無機質のセメントモルタル等の接着材が使用できる。この接着材は建材プレートの裏面部の全面又は部分的に塗布される。
【0027】
前記建材パネルの目地部のシーリング材は市販のものでよく、またシーリング方法も任意であるが、完全なシーリングが要求される部分には、市販のシーリング材と併用して又はこれとは別に、目地部となる建材パネルの折り曲げ部に成型パッキン材を装着することができる。
【0028】
本発明の建材パネルの取り付け構造で使用される建材パネルは、マグネット部材により支持されるため磁着性を有することが必要である。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1乃至図5は、本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルの第1の実施形態を示しており、図1は平面図、図2は図1におけるa−a断面図、図3は側面図である。
【0030】
このホーロー建材パネル1は、薄板素地材3として四角形の薄厚鉄板が使用され、その上下左右辺の端辺部には、図5に示すように末端部が裏面部と接するようなカール状の折り曲げ部2が形成されている。この折り曲げ部2の加工は、薄板素地材3の四隅部に、図4に示すような逃げ用の切欠4が斜め方向に形成された後、各端辺部がプレス成形により折り曲げ加工される。
【0031】
なお、用途やユーザの要望等により、薄板素地材3の平面部の隅部に、締め付けボルト等の取り付け穴5が穿孔される。この場合、取り付け穴5の切断部には、製品化後、防錆処理が施される。
【0032】
前記薄板素地材3には、上述した超硬質ホーロー被膜処理が施される。この超硬質ホーロー被膜は、耐衝撃性に優れているばかりでなく、酸性雨に強い耐候性にも優れており、内外壁や内外装、特に屋根パネルに適している。また、このホーロー被膜処理工程とは別に又は同工程の途中に、ホーロー被膜の表面に二酸化チタン、二酸化マンガン等の光触媒物質が塗布、焼成される。
【0033】
上記ホーロー建材パネル1は、量産によるコスト低減のため、数種類の標準規格品が準備される。例えば(1)0.8t×450mm×450mm×6mm、(2)0.8t×450mm×900mm×6mm、(3)1.0t×600mm×600mm×20mm、(4)1.0t×600mm×1200mm×20mmの4種類が標準寸法として量産される。これらの重量は1個当たり2Kg〜8Kgであり、作業員が容易に持ち運べる重量である。
【0034】
なお、ホーロー建材パネル1は、上記規格品以外にも、オーダーメイドにより各種の寸法の製品を製作することができ、また、特注によりR形状、穴明き形状、パイプ形状の製品を製作することもできる。さらには、ホーローに各種色彩、模様、絵柄、写真絵付け等を任意に施すこともできる。
【0035】
図6乃至図8は、本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルの第2の実施形態を示しており、図6は平面図、図7は図6におけるa−a断面図、図8は側面図である。
【0036】
このホーロー建材パネル10は、薄板素地材3が箱蓋形状に成形されるとともに、前後左右の側面部11の下端辺部が外側にL字状に屈曲され、さらにその屈曲部の末端部が表面側と接するように重ね折り状に折り曲げられて鍔状の折り曲げ部12が形成されている。これらは1回又は複数回のプレス成形工程により成形される。薄板素地材3の四隅部には逃げ用の切欠13が形成され、また、必要により上下端辺部の折り曲げ部12の両端部には締め付けボルト等を挿入する取り付け穴14が形成され、その切断部に防錆処理が施される。
【0037】
このホーロー建材パネル10のホーロー被膜処理方法は上述のホーロー建材パネル1と同じである。また、数種類の標準規格品が量産されること、オーダーメイドにより標準規格品以外の寸法、形状のホーロー建材パネル10が製作されることも上述と同じである。
【0038】
上述した本発明のホーロー建材パネル1、10を構造物の基体に取り付けるに際しては、基体が平坦面であれば、従来と同様に、取り付け穴5、14に、クロメートメッキ付き又はステンレス製のRC、ALC用のネジ、スクリューボルト等を挿入して基体に締め付け固定することができる。また、必要により市販の接着材を基体の取り付け面とホーロー建材パネルの間に全面的に又は部分的に装填して固定することもできる。
【0039】
しかし、古い構造物で基体の表面に凹凸があったり、その表面にタイル、ブロック煉瓦、木材、スレート、金属パネル等の被覆材や、各種塗料、塗膜が塗布されている場合には、上記ボルトと接着材による取り付けは困難である。このような場合のホーロー建材パネル1、10の取り付け構造を以下に説明する。
【0040】
図9及び図10は、上記第1の実施形態であるホーロー建材パネル1の取り付け構造を示すものであり、20はALC(気泡コンクリート)、RC(補強コンクリート)、煉瓦、土石等、ホーロー建材パネル1を取り付ける構造物の基体である。
【0041】
この基体20の複数箇所、例えば10図に示すようにホーロー建材パネル1の四隅に相当する位置に、建材パネル支持部材21が固着される。該建材パネル支持部材21は、図11及び図12に示すように、前記基体20にねじ込まれる固定ネジ(ボルト)22と、この固定ネジ22に傾動自在に遊挿される円盤状のマグネット部材23から構成されている。
【0042】
前記マグネット部材23のネジ挿入孔24は、その断面形状が図11に示すように漏斗状に形成されており、その最大径は固定ネジ頭部25が埋没してマグネット部材23の上面から突出しない大きさであり、最小径は固定ネジ頭部25がマグネット部材から抜け出ることなく、しかも固定ネジ22の軸部と所定のクリアランスが生じるような大きさである。これにより、固定ネジ22に挿入されたマグネット部材23は、固定ネジ22の軸長方向に対してスライド可能であり、かつ所定角度に自在に傾動可能となっている。
【0043】
前記マグネット部材23は、ホーロー建材パネル1と接合するに十分な磁着力、例えば1個当たり5Kg以上の磁着力を有している。ホーロー建材パネル1の面積が0.5m2〜1.0m2で、重量が2Kg〜10Kg程度のものであれば、2個〜4個の建材支持部材21をホーロー建材パネル1の裏面部の適所に配置すればよい。
【0044】
このような建材パネル支持部材21の固定ネジ22を基体20にねじ込んで固着し、ホーロー建材パネル1をマグネット部材23の上部に載置することにより、固定ネジ22が多少傾いて基体20に固着されていても、ホーロー建材パネル1に対して傾動自在なマグネット部材23は、ホーロー建材パネル1の裏面部に全体が磁着する。そして、ホーロー建材パネル1は、このマグネット部材23を介して固定ネジ22により基体1に支持されることになる。この場合、固定ネジ22のねじ込み量を調節し、すべての固定ネジ頭部25が同一平面位置となるようにすれば、すべてのホーロー建材パネル1の表面が平坦に揃えられる。
【0045】
また、ホーロー建材パネル1を基体20に強固に固定するために、必要に応じてホーロー建材パネル1の裏面部と基体20の間の全面部又は一部に、市販の有機質合成樹脂系、合成ゴム系又は無機質のセメントモルタル等の接着材31が塗布され、ホーロー建材パネル1と基体1が固定される。
【0046】
一方、隣接するホーロー建材パネル1同士の折り曲げ部2は目地部となり、市販の有機質又は無機質のシーリング材27を塗布してシーリングされる。このシーリングの方法は任意に選択できるが、例えば図9に示すように、基体20の折り曲げ部2に対応する位置に、発泡スチロール等任意の材質の充填材26を固定又は載置し、その上にシーリング材27を塗布して前記折り曲げ部2を裏面側から被覆することができる。
【0047】
また、外装や屋根用防水パネルのように完全な防水性が要求される場合には、上記シーリング法に代えて又は上記シーリング法と併用して折り曲げ部2同士を成型パッキン材(ガスケットを含む)28で接合することができる。この成型パッキン材28は、図13に示すように断面形状が楕円形状となっており、左右両側部にホーロー建材パネル1の折り曲げ部挿入口部29が形成されている。この挿入口部29の内面部には上述のようなシーリング材30を塗布した後、ホーロー建材パネル1の折り曲げ部2を挿入するとよい。
【0048】
上述したホーロー建材パネル1の取り付け手順の一例は、まず基体20の適所、例えばホーロー建材パネル1の四隅に相当する位置に、建材パネル支持部材20の固定ネジ22をねじ込んで固着する。この際、すべての固定ネジ22の頭部25が同一平面に位置するように、固定ネジ2のねじ込み量を調節して基体20から突出する固定ネジ22の高低を調節する。また、必要により固定ネジ2の間に接着材31を塗布するとともに、目地部となる折り曲げ部2の位置に充填材26を配置し、充填材26の上部にシーリング材27を塗布する。
【0049】
次に、必要により前記ホーロー建材パネル1の折り曲げ部2にパッキン材28を取り付けた後、マグネット部材23の上部にホーロー建材パネル1を載置すると、マグネット部材23がホーロー建材パネル1の裏面部に磁着し、該マグネット部材23を介してホーロー建材パネル1が固定ネジ22に支持されることになる。
【0050】
また、ホーロー建材パネル1の裏面部と基体20が接着材31で固定されるとともに、折り曲げ部2のパッキン材28がシーリング材27によりシーリングされることになる。
【0051】
図14は、上述した第2の実施形態であるホーロー建材パネル10の取り付け構造を示している。ここでは、ブロック状の基体20にホーロー建材パネル10が取り付けられており、これらブロック基体20の目地部はシーリング材40でシーリングされている。
【0052】
前記ホーロー建材パネル10は箱蓋形状であり、隣接する折り曲げ部12との目地部は凹溝状となっている。この目地部には、パッキン材(又はガスケット)42、シーリング材43及び上述の光触媒物質44が順次装填又は塗布され、これにより目地部が完全にシーリングされるとともに、光触媒物質44により目地部の表面に付着した各種の汚れ等が自然浄化(セルフクリーニング)される。
【0053】
その他、建材パネル支持部材21の取り付け構造及び接着材31の塗布は上記ホーロー建材パネル1の場合と同じである。また、必要により目地部の裏面部に対応する位置に、図9に示す充填材26を配置してシーリング材27でシーリングすることもできる。
【0054】
本発明のホーロー建材パネル及びその取り付け構造は、殺菌性や衛生性が重視され場所や、水密性が要求される場所、例えば病院の手術室、実験室、保管室、冷蔵冷凍室、キッチン部屋、浴室、さらには水槽タンク、プール等の各種内外壁面にも適している。
【0055】
【発明の効果】
以上説明した本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造によれば、構造物に対して 述の金属製薄板素地材のホーロー建材パネルを特別な熟練を要することなく簡単低コストで取り付けることができ、しかも、取り付け後の建材パネルは同一平面に平坦に取り付けられる。さらに、構造物の新築やリフォームに際しても、該建材パネルを簡単に安価に取り付け、取り外し又は取り替えを行うことができる
【0056】
また、本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルは、軽量で安価に製作でき、しかもホーロー焼成時の熱歪みが防止され、変形が少なくするとともに、素地材の末端面が露出しないようにホーロー釉薬が全面に塗布され、ホーロー被覆が均一に焼成されるため、高品質なホーロー建材パネルが得られる。また、超硬質ホーローを均一に焼成することにより、耐衝撃性、密着性等に優れ、軽量で強靭堅固なホーロー建材パネルが得られる。
【0057】
また、本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルは、ホーロー表面に光触媒物質が塗布されているためセルフクリーニング効果により常に清廉に維持でき、さらには不用になっても、任意の模様、色彩等を施したホーローを重ね塗りすることができるため、リサイクルが可能であり、省資源に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルの第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1のa−a断面図である。
【図3】 図1の側面図である。
【図4】 図1のA部拡大図である。
【図5】 図2のB部拡大図である。
【図6】 本発明のホーロー建材パネルの取り付け構造で使用されるホーロー建材パネルの第2の実施形態を示す平面図である。
【図7】 図6のa−a断面図である。
【図8】 図6の側面図である。
【図9】 本発明における第1の実施形態のホーロー建材パネルを基体に取り付けた状態の断面概略図である。
【図10】 本発明における第1の実施形態のホーロー建材パネルを基体に取り付けた状態の平面概略図である。
【図11】 本発明で使用する建材パネル支持部材の一部断面正面図である。
【図12】 本発明で使用する建材パネル支持部材の平面図である。
【図13】 図9のホーロー建材パネル取り付けに使用する成型パッキン材の拡大図である。
【図14】 本発明における第2の実施形態のホーロー建材パネルを基体に取り付けた状態の断面概略図である。
【図15】 従来のホーロー建材パネルの平面図である。
【図16】 図15の正面図である。
【符号の説明】
1はホーロー建材パネル
2は折り曲げ部
3は薄板素地材
4は切欠
5は取り付け穴
10はホーロー建材パネル
11は側面部
12は折り曲げ部
13は切欠
14は取り付け穴
20は基体
21は建材パネル支持部材
22は固定ネジ
23はマグネット部材
24はネジ挿入孔
25は固定ネジ頭部
26は充填材
27はシーリング材
28はパッキン材
29は折り曲げ部挿入口
30はシーリング材
31は接着材
40はシーリング材
42はパッキン材
43はシーリング材
44は光触媒物質

Claims (6)

  1. 金属製の薄板素地材の端辺部に、該端辺部末端部が折り曲げ方向の面と接するようなカール状又は重ね折り状の折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を含む前記薄板素地材の表裏面部全面にホーロー被覆処理を施したホーロー建材パネルを構造物の基体に取り付けるためのホーロー建材パネルの取り付け構造であって、
    前記基体に固着されるホーロー建材パネル支持部材と、前記基体と前記ホーロー建材パネルの間に介在される接着材と、前記建材パネル同士の目地部のシーリング材を有し、
    前記ホーロー建材パネル支持部材は、前記基体にねじ込まれる固定ネジと、該固定ネジの軸長に対して傾動及びスライド可能となるように遊挿されるマグネット部材から成り、前記固定ネジの頭部により前記マグネット部材の抜け出しを規制するとともに、前記固定ネジのねじ込み量を調整して前記建材パネルまでの高さを調整するものであり、
    前記マグネット部材を前記建材パネルの裏面部に磁着させ、前記建材パネル支持部材の前記建材パネルまでの高さを調整して、互いの建材パネルの表面部が平坦面となるように該建材パネルを前記建材パネル支持部材に支持することを特徴とするホーロー建材パネルの取り付け構造。
  2. 前記ホーロー建材パネルの目地部となる端辺部に成型パッキン材を装着したことを特徴とする請求項1に記載のホーロー建材パネルの取り付け構造。
  3. 前記ホーロー建材パネルは、前記薄板素地材の端辺部を裏面側にカール状に屈曲させたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホーロー建材パネルの取り付け構造。
  4. 前記ホーロー建材パネルは、全体が箱蓋形状に成形されるとともに、該箱蓋形状の下端辺部を表面側に重ね折り状に屈曲させたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホーロー建材パネルの取り付け構造。
  5. 前記ホーロー建材パネルは、前記ホーロー被覆処理面に光触媒物質が塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のホーロー建材パネルの取り付け構造。
  6. 前記ホーロー建材パネルは、ホウケイ酸系釉薬を主とする超硬質ホーロー被膜であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のホーロー建材パネルの取り付け構造。
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