JPH059373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建築物の屋上階やかんばんのような雨
水にさらされる場所に用いるに適した建築用ほう
ろうパネルに関するものである。

（従来の技術） 一般の建築用ほうろうパネルは、ほうろう板を
焼成後に裏面にケイ酸カルシウム板等を圧着接合
することによつて焼成時に生ずるほうろう板の歪
を除き、平坦な形状を保持させている。ところが
ケイ酸カルシウム板は水に弱いために上記のよう
な建築用ほうろうパネルはビルの屋上階とかかん
ばんのような雨水のかかる場所に用いると強度が
低下し、パネル面の平面度が次第に変化して見苦
しくなるという欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し
て、雨水にさらされる場所に使用しても平面度に
狂いを生ずることのない建築用ほうろうパネルを
目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の問題点を解決するためになされた本考案
は、長方形状のほうろう板の長辺側の折曲片部の
内側に補強材を取付けるとともに、これらの補強
材間にほうろう板のわん曲を防止するためのステ
ーを、補強材間をステーのないときよりも押し拡
げた状態で溶接し、ほうろう板を平面としたこと
を特徴とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例によつて更に詳細に
説明する。

１は焼成済みの長方形状のほうろう板、２はそ
の長辺側の折曲片部、３は短辺側の折曲片部であ
る。長辺側の折曲片部２，２の内側にはアングル
等の補強材４，４がビス５により取付けられ、更
にこれらの補強材４，４間にステー６が溶接され
ている。ステー６はほうろう板１の裏面を外側に
向つて押し拡げることによつてほうろう板１のわ
ん曲を防止するためのものであり、予め補強材
４，４間にターンバツクルを挿入してほうろう板
１が完全な平面となるまで押し拡げ、この状態で
ステー６を上下の補強材４，４に溶接したうえで
ターンバツクルを取除く工程によつて製作され
る。なおステー６としてはアングルのほか、丸
棒、フラツトバー等の任意の断面形状のものを使
用することができる。またステー６の長さはほう
ろう板１の短辺長さと同じ乃至はわずかに短目も
のとしておく、このように本考案の建築用ほうろ
うパネルはステー６によつてほうろう板１の平面
度を保持させたものであつて、従来のような裏打
材を省略されている。なお周囲に建築物への取付
用の金具等を設けておくことができることは言う
までもない。

（作用） このように構成されたものは、長辺側の折曲片
部２，２の内側に取付けられた補強材４を、ステ
ー６によつて押し拡げることによりほうろう板１
の平面度を保持させたものであり、焼成歪によつ
て裏側が縮まる方向にわん曲する傾向にあるほう
ろう板１を裏打材を用いることなく所定の形状に
保持させることができる。従つて本考案の建築用
ほうろうパネルは屋上階やかんばんのような雨水
にさらされる場所に使用しても平面度に狂いを生
ずることがない。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、裏
打材を用いることなくほうろう板の平面度を維持
することができるものであり、雨水にさらされる
場所に使用しても平面度に狂いが生ずることがな
い。また本考案の建築用ほうろうパネルは構造が
簡単で安価に製作できるにもかかわらず、強度的
にも従来品よりも優れたものである。よつて本考
案は従来の問題点を一層した建築用ほうろうパネ
ルとして、その実用的価値は極めて大きいもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す一部切欠斜視図で
ある。 １……ほうろう板、２……折曲片部、４……補
強材、６……ステー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形状のほうろう板１の長辺側の折曲片部
   ２，２の内側に補強材４，４を取付けるととも
   に、これらの補強材４，４間にほうろう板１のわ
   ん曲を防止するためのステー６を、補強材４，４
   間をステー６のないときよりも押し拡げた状態で
   溶接し、ほうろう板１を平面としたことを特徴と
   する建築用ほうろうパネル。