JP3738984B2 - モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルディスクドライブ等の用途に好適で、スピンドル等の回転速度を検出するためのFG信号を生成出力する周波数発電機の構成を有するモータに係り、特に小型で制御性能が高くノイズに強いモータを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来のフレキシブルディスクドライブ用途であってスピンドルの回転速度を検出する周波数発電機を搭載したモータの分解斜視図である。図4図示のフレキシブルディスクドライブのスピンドルは、モータの回転軸と一体となるいわゆるダイレクト駆動構造である。
【0003】
図4において、モータのロータ101の外周には、フェライト磁性粉にナイロン樹脂を混ぜ射出成形したいわゆるプラスチック磁石(残留磁束密度Br=0.18テスラ)のFGマグネット102が固定され、円周方向に48極のFG磁極102aが着磁されている。
【0004】
FGマグネット102の直径Dは46mmで、磁極ピッチWは3mm(π・46/48=3)としている。
一方、モータのステータベース103は軟磁性体の例えば冷間圧延鉄板や珪素鋼板をベースに絶縁層を介して銅箔プリント配線が形成されている。
上記のプリント配線のプラスチック磁石の磁極と対向する部分に折り返しピッチ角が7.5度(360/48=7.5)の折り返しパターンコイルによるFGコイル104を形成している。
【0005】
ロータ101の中心に固定された回転軸(図示せず)がステータ105の中心に配された軸受106により回転自在に支持されると、FGマグネット102とFGコイル104とはギャップG=2mmで面対向するようになる。
これによりFG磁極102aの磁束がFGコイル104と鎖交することで、ロータ101が回転するに伴いフレミングの法則に従ってFGコイル104には交番信号が発電され、FG信号として出力される。このFG信号の周波数はロータの回転速度に比例しており、上記したこれらの構成は周波数発電機を構成している。
【0006】
また、ロータ101には16極の界磁磁極を有する円盤状の駆動マグネット(界磁マグネット)107が、ステータ105には9個の駆動コイル108がそれぞれ設けられており、駆動コイル108に図示しない駆動回路によって駆動電流を流すことで回転磁界を生じ、界磁マグネット107が形成する界磁磁極との相互作用によりロータ101を回転せしめるための回転駆動力が生成される。
【0007】
また、前述したFG信号は図示しない速度制御回路により周波数に比例した電圧に変換され、駆動回路にフィードバックされることによりモータの回転速度を一定に制御している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術に係るモータは、解決すべき以下の問題点を有していた。
(1)発電されるFG信号が微弱であり、モータの回転制御に支障をきたす点。
前述した従来の周波数発電機付モータではFG磁極102aを発してFGコイル104に達する磁束は僅かで通常0.02テスラ程度である。
このため発電されるFG信号も微弱であり、駆動コイル108の発生する磁束のFGコイル104に漏洩する磁束の影響が不可避である。
駆動コイル108からの漏洩磁束がFGコイル104に鎖交するとFG信号出力にノイズとして現れるから、速度制御回路に誤動作を生じさせ、モータに回転変動を起こし、フレキシブルディスクドライブのデータ書き込み読み出しの障害となるなどの影響がある。
(2)モータの小型化が困難である点。
FGコイル104に対する、上記した駆動コイル108の磁束の影響を低減するためには、FGコイル104は駆動コイル108からできるだけ距離を離して配置する必要があり、平面的に距離を離すようにするとFGコイル104を駆動コイル108の外側に配置することになり、モータの直径が大きくなる問題がある。
また、厚み方向(軸方向)に距離を離そうとするとモータの厚さが厚くなることになり、どちらにしろモータの大型化につながり、モータの小型化ひいてはフレキシブルディスクドライブ小型化、さらにはフレキシブルディスクドライブを搭載する機器の小型化の大きな障害となっている。
(3)FGコイルが、外来の漏洩磁束の影響を受けやすい点。
また、上記した如くの従来構成では、FGコイル104をモータの最外周に配置していたので、外来の漏洩磁束の影響を受けやすく、回転変動の原因となっていた。この影響を低減するためシールド(図示せず)などの部材とその配置スペースが必要となり、コストアップ、大型化などの要因となっていた。
本発明は、係る状況に鑑みなされたもので、特にステータに対して回転自在に構成したロータに設けられ、12以上32以下の偶数個の磁極を円周状の外縁部に均等に配列し、かつn(nは3又は5)次高調波を重畳した磁束密度パターンを有する駆動マグネットと、ステータのロータ側で駆動マグネットのそれぞれの磁極に対して所定寸法の間隙を介して対向するよう円周状に設けられ、かつ駆動マグネットの磁極配列ピッチ角の1/nの折り返しピッチ角で径方向に交互に折り返すパターンコイルであるFGコイルとを備え、ロータの回転時に駆動マグネットの磁束密度パターンに応じたFG信号を生成して回転制御に供する構成のモータにおいて、駆動マグネットはNd−Fe−B系であり、かつ回転制御の回転ムラを5%以内とするために、FGコイルが受ける駆動マグネットの磁束密度パターンのピーク値が0.2乃至0.6テスラとなるよう構成することで、駆動コイルの発生する磁束のFGコイルに漏洩する磁束の影響を相対的に低減し、外来磁束の影響による回転変動をなくすとともに、FGコイルを駆動コイルに接近して配置することを可能とし、モータの小型化を容易とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、下記の構成を有するモータを提供する。
(1)ステータ10に対して回転自在に構成したロータ1に設けられ、12以上32以下の偶数個の磁極2aを円周状の外縁部に均等に配列し、かつn(nは3又は5)次高調波を重畳した磁束密度パターン(図2(b)、図2(c))を有する駆動マグネット(界磁マグネット)2と、
前記ステータ10のロータ1側で前記駆動マグネット2のそれぞれの前記磁極2aに対して所定寸法の間隙を介して対向するよう円周状に設けられ、かつ前記駆動マグネット2の前記磁極配列ピッチ角の1/nの折り返しピッチ角で径方向に交互に折り返すパターンコイルであるFGコイル11とを備え、
前記ロータ1の回転時に前記駆動マグネット2の前記磁束密度パターンに応じたFG信号を生成して回転制御に供する構成のモータにおいて、
前記駆動マグネット2はNd−Fe−B系であり、かつ前記回転制御の回転ムラを5%以内とするために、前記FGコイル11が受ける前記駆動マグネット2の前記磁束密度パターンのピーク値が0.2乃至0.6テスラとなるよう構成したことを特徴とするモータ。
(2)ステータ10に対して回転自在に構成したロータ1に設けられ、12以上32以下の偶数個の磁極2aを円周状の外縁部に均等に配列し、かつn(nは3又は5)次高調波を重畳した磁束密度パターンを有する駆動マグネット2と、
前記ステータ10のロータ1側で前記駆動マグネット2のそれぞれの前記磁極2aに対して所定寸法の間隙を介して対向するよう円周状に設けられ、かつ前記駆動マグネット2の前記磁極配列ピッチ角の1/nの折り返しピッチ角で径方向に交互に折り返すパターンコイルであるFGコイル11とを備え、
前記ロータ1の回転時に前記駆動マグネット2の前記磁束密度パターンに応じたFG信号を生成して回転制御に供する構成のモータにおいて、
前記駆動マグネット2はNd−Fe−B系であり、かつ前記回転制御の回転ムラを5%以内とするために、下記する式1を満足するよう構成したことを特徴とするモータ。
4≦πD/(PG)≦15(式2)
但し、
π:円周率
D:駆動マグネットの直径
P:駆動マグネットの磁極の数
G:駆動マグネットとFGコイルとの間隙寸法
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態に係る好ましい実施例である、周波数発電機付モータの説明を行う。
図1は本発明の一実施形態に係る好ましい実施例である周波数発電機付モータの分解斜視図、図2は図1の周波数発電機付モータ及び従来構成の周波数発電機付モータの界磁マグネット磁極の磁束密度分布を示す特性図、図3は図1の周波数発電機付モータの界磁マグネットの磁化特性の一例を示す特性図、図4は従来技術に係る周波数発電機付モータの分解斜視図である。
【0011】
図1は、本実施例のフレキシブルディスクドライブのスピンドルの回転速度を検出する周波数発電機を搭載したモータを示す分解斜視図である。先に説明した従来例と同じ部分については説明を省略する。
【0012】
図1において、ステータ10に含まれるFGコイル11は、先に説明した従来例同様に銅箔プリント配線で形成され、折り返しピッチ角360/(3・16)=7.5度の折り返しパターンコイルとして駆動コイル12とステータベース13との間に軸方向に挟まれて配置されている。
【0013】
FGマグネットは、先に説明した従来構成とは異なり、駆動マグネット(界磁マグネット)2と共用しており、FG磁極は16極の駆動磁極2aの3次高調波成分として重畳して着磁がなされている。
即ち、従来の駆動磁極は、従来構成の駆動磁極磁束分布図である図2(a)に示すような正弦波状の磁束分布をしているのに対して、本実施例では図2(b)の如く3次高調波成分が重畳された磁束分布としている。
【0014】
上記の3次高調波成分の重畳の割合が小さすぎるとFGコイル11の出力が小さくなりノイズに強いという本実施例の特有な効果が得られなくなり、重畳の割合が大きすぎると、駆動コイル12が発生するトルクのムラが大きくなり、振動や騒音が発生するなどの問題がある。
本発明人が実験した結果によれば、重畳の割合が7%〜35%で必要な回転ムラ性能5%以下が得られ、更に10%〜25%ではより好適な回転ムラ性能3%以下が得られた。
【0015】
ところで、本実施例の周波数発電機付モータは、上記に説明した構成と細部が相違する、以下の構成とすることもまた可能である。
すなわち、FGコイル11は、折り返しピッチ角4.5度(4.5=360/16×5)の折り返しパターンコイルとして構成する。
そしてFG磁極は図2(c)に示す磁束分布の如く、16極の駆動磁極に5次高調波成分として重畳されている。5次高調波成分の重畳の割合は3次の場合と同様である。
【0016】
次に、本実施例の周波数発電機付モータに到達する過程において、本発明人が行った種々の技術的検討のうち、磁極の極数について検討した結果を説明する。
【0017】
フレキシブルディスクドライブのスピンドルモータの場合、回転ムラの要因となる負荷トルクの変動はフレキシブルディスクがそれを包むジャケットとの回転摩擦力の変化である。フレキシブルディスクの回転ムラが大きくなるとデータのリード/ライトに支障をきたし、場合によってはデータの破壊につながることから、スピンドルの回転ムラは5%以下に低減する必要がある。
この負荷トルク変動はディスク1回転毎に繰り返す性質があり、フレキシブルディスクの回転数n=5r/s(300r/m)で回転するとすると5Hzの負荷トルク変動となる。FG信号により生じるムダ時間要素を考慮すると、この負荷トルク変動に対応して速度変動回転ムラを低減するためには、FG信号周波数Fとしては負荷トルク変動の周波数の16倍以上、即ち80Hz(5×16=80)以上であることが必要である。この条件から基本波成分の極数Pを求めると
P>2×F/(n・3)=2×80/(5×3)=10.67…(式3)
となり、極数Pとしてはこれを満足する12極以上が必要となる。
【0018】
また、極数Pを大きくし過ぎると3次または5次の高調波の重畳が難しくなるが、本発明人が行った実験によると、32極までは問題なく構成できた。
【0019】
次に、本発明人が行った、FGコイルの折り返しピッチ角についての検討結果を説明する。
【0020】
界磁マグネット2の磁極P=16極に対して、48極のFGマグネット磁極を重畳した場合には、FGコイル11の折り返しピッチ角は360/48=7.5度以外ではFG信号出力が殆ど出ない。
即ち、界磁マグネット2の磁束分布の3次高調波成分としてFGマグネット磁極を重畳する場合には、FGコイルの折り返しピッチ角は120/P度でなければ必要な機能を果たさない。
【0021】
また、マグネット磁極P=16極に対して80極の磁極を重畳した場合には、FGコイルの折り返しピッチ角は360/80=4.5度以外ではFG信号出力が殆ど出ない。即ち、界磁マグネット2の磁束分布の5次高調波成分としてFGマグネット磁極を重畳する場合には、FGコイルの折り返しピッチ角は72/P度でなければ必要な機能を果たさない。
【0022】
次に、本発明人が行った、駆動コイル12が発生する磁束についての検討結果を説明する。
【0023】
一つの駆動コイル12は80ターンの巻数で構成され、定常回転時に0.2Aの電流が流れると、この電流による起磁力は16AT(アンペア・ターン)となり、磁気回路の形状から、一つの駆動コイル12が生成する磁界の磁束密度は0.02テスラと求められることは明らかである。
本実施例の場合、FGコイル11が駆動コイルに密着しているので、FGコイル11に漏洩する駆動コイルの磁束の密度はほぼ0.02テスラと考えられる。周波数発電機として必要な機能を果たすためには、界磁マグネット2の磁極2aからFGコイル11へ到達する磁束の密度が、上記した漏洩磁束に対して十分大きいことが必要である。
【0024】
上記の検討結果を踏まえて本発明人が行った実験によれば、FGコイル11に達する界磁マグネット磁極2aの磁束の密度のピーク値とフレキシブルディスクドライブのスピンドルモータの回転ムラ性能は下記する表1のようになり、磁束密度のピーク値が0.2テスラ以上で、フレキシブルディスクドライブのスピンドルモータとして必要な回転ムラ性能5%以下が得られた。
また、同ピーク値が0.3テスラ以上の場合には、回転ムラ性能が3%に改善され、フレキシブルディスクドライブの記録密度をより高密度にしても問題なくリード・ライトすることができ、記録容量の増大に対応できた。
【数1】
【0025】
なお、磁束密度のピーク値が0.6テスラを超えると、ステータベース13と駆動マグネット2との間の吸引力が過大となり、ステータベース13がマグネット2側に反り返り、駆動コイル12が駆動マグネット2に接触して、回転できなくなる。これを防ぐにはステータベース13を厚くする必要があり、モータがかなり厚くなる問題がある。
【0026】
次に、界磁マグネット2の直径Dと、界磁マグネット磁極2aの極数Pと、界磁マグネット2とFGコイル11との軸方向の空隙寸法Gと関係について本発明人が行った検討の結果を説明する。
【0027】
界磁マグネット2の磁極ピッチWは、幾何学的な関係から、
W=πD/P…(式4)
を満足する関係にあり、この磁極ピッチWが大きいほどFGコイルに達するマグネット磁極2aの磁束の密度は高くなり、空隙寸法Gが大きくなると密度は低くくなる。
即ち、W/G=πD/(PG)なる値の大きさと、界磁マグネット2の残留磁束密度BrとによってFGコイル11に達する界磁マグネット磁極2aの磁束の密度が決定される。
【0028】
入手が比較的容易なBr=1.2テスラなる材料、例えばNd、Fe、Bを主体とした材料を用いて界磁マグネット2を構成した場合、本発明人の実験によれば、上記のπD/(PG)の値が、4以上であるとき常に、FGコイル11に達する界磁マグネット磁極2aの磁束の密度は0.2テスラ以上になった。
【0029】
即ち、πD/(PG)なる値が4未満の場合は、界磁マグネット2はBr>1.2テスラの材料を使う必要があるが、この種のマグネットは製造コストが極めて高く、着磁も困難であるという問題があるので、上記に説明した構成を有する周波数発電機付モータに用いて製造を行うことは、現実には極めて困難である。
【0030】
同様に、界磁マグネット2をBr=1.0テスラの材料を用いた場合、π・D/(P・G)が6以上でFGコイルに達するマグネット磁極の磁束の密度は0.2テスラ以上になった。さらに、マグネットのBr=0.8テスラの材料を用いた場合、π・D/(P・G)が8以上でFGコイルに達するマグネット磁極の磁束の密度は0.2テスラ以上になった。
【0031】
3次高調波成分の重畳の方法としては、まず16極の基本波成分を着磁した後に48極の3次高調波成分を重ねて着磁する方法がある。
また着磁のときに16極の起磁力と48極の起磁力を一体で発生する着磁ヨークを用いて着磁することも可能である。また、図3のように、マグネットの抗磁力Hcに対して2倍以上の起磁力をもって16極の着磁することで、マグネットの飽和特性により磁極中央部が飽和し実質的に48極の3次高調波成分を重畳させることもできる。
【0032】
5次高調波成分の重畳の方法としては、3次の場合と同様に16極の基本波着磁に80極の5次高調波成分を重ねて着磁する方法、着磁のときに80極の起磁力を一体で発生する着磁ヨークを用いて着磁する方法などが可能である。
【0033】
このように着磁が容易で比較的安価なBr=1.2以下のマグネット材料を用いた場合FGコイルに達するマグネット磁極の磁束の密度は0.2テスラ以上とするにはπD/(PG)を4以上とすればよい。
反面、πD/(PG)が15を超えると空隙Gが小さくなり過ぎ、駆動コイルを配置するスペースが小さくなりトルクが減少する上、組み立てに高い精度が必要となるなどの問題を生じる。
【0034】
また、一般にBrの高いマグネット材料は製造コストが高価であるから、コストを考慮すると、πD/(PG)が6以上の場合はより好適であり、πD/(PG)が8以上の場合はさらに好適である。
【0035】
また、上記の構成とすることにより本実施例の周波数発電機付モータは、FGコイル11に達する界磁マグネット磁極2aの磁束の密度は0.2テスラ以上と従来に比べ極めて高くすることができ、FGコイル11を駆動コイル12の外側に配置する必要がなく、相対的に内側に配置できるから、外来磁束の影響も相対的に極めて小さくなり殆ど影響なくなる、という効果もまた奏するものである。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、ステータに対して回転自在に構成したロータに設けられ、12以上32以下の偶数個の磁極を円周状の外縁部に均等に配列し、かつn(nは3又は5)次高調波を重畳した磁束密度パターンを有する駆動マグネットと、ステータのロータ側で駆動マグネットのそれぞれの磁極に対して所定寸法の間隙を介して対向するよう円周状に設けられ、かつ駆動マグネットの磁極配列ピッチ角の1/nの折り返しピッチ角で径方向に交互に折り返すパターンコイルであるFGコイルとを備え、ロータの回転時に駆動マグネットの磁束密度パターンに応じたFG信号を生成して回転制御に供する構成のモータにおいて、駆動マグネットはNd−Fe−B系であり、かつ回転制御の回転ムラを5%以内とするために、FGコイルが受ける駆動マグネットの磁束密度パターンのピーク値が0.2乃至0.6テスラとなるよう構成することで、駆動コイルの発生する磁束のFGコイルに漏洩する磁束の影響を相対的に低減し、外来磁束の影響による回転変動をなくすとともに、FGコイルを駆動コイルに接近して配置することを可能とし、モータの小型化を容易とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る好ましい実施例である、周波数発電機付モータの分解斜視図である。
【図2】 図1の周波数発電機付モータ及び従来構成の周波数発電機付モータの界磁マグネット磁極の磁束密度分布を示す特性図である。
【図3】 図1の周波数発電機付モータの界磁マグネットの磁化特性の一例を示す特性図である。
【図4】 従来技術に係る周波数発電機付モータの分解斜視図である。
【符号の説明】
1ロータ
2 駆動マグネット(界磁マグネット)
2a 磁極
10 ステータ
11 FGコイル
Claims (2)
- ステータに対して回転自在に構成したロータに設けられ、12以上32以下の偶数個の磁極を円周状の外縁部に均等に配列し、かつn(nは3又は5)次高調波を重畳した磁束密度パターンを有する駆動マグネットと、
前記ステータのロータ側で前記駆動マグネットのそれぞれの前記磁極に対して所定寸法の間隙を介して対向するよう円周状に設けられ、かつ前記駆動マグネットの前記磁極配列ピッチ角の1/nの折り返しピッチ角で径方向に交互に折り返すパターンコイルであるFGコイルとを備え、
前記ロータの回転時に前記駆動マグネットの前記磁束密度パターンに応じたFG信号を生成して回転制御に供する構成のモータにおいて、
前記駆動マグネットはNd−Fe−B系であり、かつ前記回転制御の回転ムラを5%以内とするために、前記FGコイルが受ける前記駆動マグネットの前記磁束密度パターンのピーク値が0.2乃至0.6テスラとなるよう構成したことを特徴とするモータ。 - ステータに対して回転自在に構成したロータに設けられ、12以上32以下の偶数個の磁極を円周状の外縁部に均等に配列し、かつn(nは3又は5)次高調波を重畳した磁束密度パターンを有する駆動マグネットと、
前記ステータのロータ側で前記駆動マグネットのそれぞれの前記磁極に対して所定寸法の間隙を介して対向するよう円周状に設けられ、かつ前記駆動マグネットの前記磁極配列ピッチ角の1/nの折り返しピッチ角で径方向に交互に折り返すパターンコイルであるFGコイルとを備え、
前記ロータの回転時に前記駆動マグネットの前記磁束密度パターンに応じたFG信号を生成して回転制御に供する構成のモータにおいて、
前記駆動マグネットはNd−Fe−B系であり、かつ前記回転制御の回転ムラを5%以内とするために、下記する式1を満足するよう構成したことを特徴とするモータ。
4≦πD/(PG)≦15(式1)
但し、
π:円周率
D:駆動マグネットの直径
P:駆動マグネットの磁極の数
G:駆動マグネットとFGコイルとの間隙寸法
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