JP3738615B2 - 定着装置及び該定着装置を有する画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び該定着装置を有する画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置に関し、特に省エネルギーでウォーミングアップ時間の短縮が可能な定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成度が高く安定したものとして加熱手段を内部に有する定着ローラ部材(定着ローラ)を用いた熱ローラ定着方式が、低速機から高速機まで、モノクロ機からフルカラー機まで、と幅広く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量の大きな定着ローラ部材(定着ローラ)を加熱する必要があるためエネルギー効率が悪く、省エネ面で不利であり、また、プリント時に定着装置を暖めるのに時間がかかりプリント時間(ウォーミングアップ時間)が長くなってしまうという問題がある。
【0004】
これを解決し、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着ローラとするには、定着ローラの薄肉化と小径化とが要求されるが、薄肉化すると塑性変形により定着ローラが損壊したり、小径化するとニップ幅(ニップ部の幅)が足りず定着不良となったりするという問題が起こる。
【0005】
本発明は上記の問題点を解決し、塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られ、小径でニップ幅が広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、加熱手段を有する定着ローラ部材と、前記定着ローラ部材と対向して弾性を有する圧着ローラとを設け、転写材上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラ部材を弾性変形可能である薄肉の円筒状弾性体とし、前記定着ローラ部材の両端を前記定着ローラ部材の外径よりも大きな内径を有する軸受部材で保持すると共に、前記定着ローラ部材は前記軸受部材の内面と前記圧着ローラによって挟持され、前記圧着ローラによって従動されることを特徴とする定着装置によって達成される。
【0011】
また、上記目的は、加熱手段を有する定着ローラ部材と、前記定着ローラ部材と対向して弾性を有する圧着ローラとを設け、転写材上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラ部材を薄肉の円筒状弾性体とすると共に、前記定着ローラ部材の両端を前記定着ローラ部材の外径よりも大きな内径を有する軸受部材で保持し、前記定着ローラ部材の外径をD1(mm)、前記圧着ローラによる圧着時の前記定着ローラ部材の変形量をΔD1(mm)、前記軸受部材の内径をD2(mm)、前記圧着ローラによる圧着時の前記定着ローラ部材の幅を(D1−ΔD1)(mm)とするとき、(D1−ΔD1)/D2=0.55〜0.95とすることを特徴とする定着装置によって達成される。
【0013】
また、上記目的は、加熱手段を有する定着ローラ部材と、前記定着ローラ部材と対向して弾性を有する圧着ローラとを設け、転写材上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラ部材を薄肉の円筒状弾性体として、前記定着ローラ部材の両端を前記定着ローラ部材の外径よりも大きな内径を有する軸受部材で保持すると共に、前記定着ローラ部材と前記圧着ローラとによりニップ部を形成し、前記定着ローラ部材の中心軸と前記圧着ローラの中心軸とを傾斜させて配置することを特徴とする定着装置によって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
本発明にかかわる定着装置並びに定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1ないし図9を用いて説明する。図1は、本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、図1の像形成体の側断面図であり、図3は、定着ローラ部材の層構成と機能とを示す図であり、図4は、定着装置の第1の例の構成と定着ローラ部材の保持方法の第1の例とを示す説明図であり、図5は、定着装置の第2の例の構成と定着ローラ部材の保持方法の第2の例とを示す説明図であり、図6は、定着装置の第3の例と定着ローラ部材の保持方法の第3の例を示す概要側面図であり、図7は、定着装置の第4の例と定着ローラ部材の保持方法の第4の例を示す概要側面図であり、図8は、図6及び図7の保持方法に基づく定着装置の概要断面図であり、図9は、図6及び図7の定着装置の定着ローラ部材と軸受部材との寸法関係の説明図である。
【0017】
図1または図2によれば、像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成される円筒状の透光性基体の外周に、透光性の導電層、有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。感光体ドラム10は、図示しない駆動源からの動力により透光性の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す時計方向に感光体ドラム10が回転される。
【0018】
感光体ドラム10は前フランジ10aと後フランジ10bとにより挟持され、前フランジ10aが装置本体の前側板501に取付けられるカバー503に設けられたガイドピン10P1によって軸受支持され、後フランジ10bが装置本体の後側板502に取付けられる複数のガイドローラ10Rに外嵌して感光体ドラム10が保持される。後フランジ10bの外周に設けられた歯車10Gを駆動用の歯車G1に噛合し、その動力により透明の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す時計方向に感光体ドラム10が回転される。
【0019】
本発明では、画像露光用の露光ビームの結像点である感光体ドラム10の光導電体層において、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有していればよい。従って、本実施形態における感光体ドラム10の透光性基体の光透過率は、100%である必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光が吸収されるような特性であってもよく、要は、適切なコントラストを付与できればよい。透光性基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを用い重合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対し透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用される。また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が使用される。
【0020】
光導電体層の感光層としての有機感光層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いために有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされてもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、通常バインダ樹脂が含有される。
【0021】
以下に説明する帯電手段としてのスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色の画像形成プロセスに用いられ、本実施形態においては、図1の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0022】
帯電手段としてのスコロトロン帯電器11は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム10の前述した有機感光層に対し所定の電位に保持された制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0023】
各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして構成される。装置本体の後側板502に設けられたガイドピン10P2と、前側板501に取付けられるカバー503に設けられたガイドピン10P1と、を案内として固定される円柱状の保持部材20に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0024】
各色毎の画像書込手段としての露光光学系12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロトロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ドラムの回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0025】
露光光学系12は、別体のコンピュータ(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像データに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光(画像書込)を行い、感光体ドラム10上に潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い680nm〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長でもよい。
【0026】
各色毎の現像手段としての現像器13は、内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5mm〜1mm、外径15mm〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ131を備えている。
【0027】
現像領域では、現像スリーブ131は、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の値の間隙、例えば100μm〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と順方向に回転しており、現像スリーブ131に対して現像バイアスとしてトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧ACを重畳する電圧を印加することにより、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行われる。この時の現像間隔精度(現像スリーブ131上の磁気ブラシの穂先と感光体ドラム10との間隔)は画像ムラを防ぐために20μm程度以下が好ましい。
【0028】
以上のように現像器13は、スコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であり、トナーは負極性)により反転現像する。
【0029】
画像形成のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動により駆動用の歯車G1を通して感光体ドラム10の後フランジ10bに設けられた歯車10Gが回動され感光体ドラム10を図1の矢印で示す時計方向へ回転し、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光が開始されドラムの回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0030】
次いで、感光体ドラム10は前記イエロー(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0031】
同様のプロセスにより、Cのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0032】
このように、本実施の形態では、Y、M、C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より透光性基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム10の外部から露光してもよい。
【0033】
一方、転写材としての記録紙Pは、転写材収納手段としての給紙カセット15より、送り出しローラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号なし)により給送されてタイミングローラ16へ搬送される。
【0034】
記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器150の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段としての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上のカラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0035】
カラートナー像が転写された記録紙Pは、転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置17へと搬送される。
【0036】
第1の例の定着装置17は後段において詳述するように、カラートナー像を定着するための上側(記録紙P上のカラートナー像側)の定着ローラ部材である薄板状の定着ローラ17aと、下側の弾性を有する圧着ローラ47aとにより構成され、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。後述する定着装置17A、定着装置17B、定着装置17C、定着装置17D及び定着装置17Eも本例の画像形成装置に適用される。
【0037】
定着ローラ17aと弾性を有する圧着ローラ47aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0038】
転写後の感光体ドラム10の周面上に残ったトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリーニング装置19に設けられたクリーニングブレード19aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0039】
図3によれば、薄板状の定着ローラ部材である定着ローラ17aは、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aと、該薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)にゴム層171bとによる層構成とされる。
【0040】
薄板弾性ローラ171aは、厚さ(肉厚)t(mm)としては0.15mm〜0.8mm程度の例えばステンレスやリン青銅等を用いたバネ性を有する金属部材により形成され、バネ材として使用可能な疲れ限界を有するバネ性の金属部材を使用することによって、薄板弾性ローラ171aが後述する各例の定着装置(定着装置17、定着装置17A、定着装置17B、定着装置17C、定着装置17D、定着装置17E)に適用される場合での、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aの弾性変形による疲労破壊の発生が防げる。弾性変形による疲労破壊の発生を防止するのに、金属部材の疲れ限度としては14kP/mm2以上とすることが好ましいことが実験的に確認された。
【0041】
また、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが後述する各例の定着装置(定着装置17、定着装置17A、定着装置17B、定着装置17C、定着装置17D、定着装置17E)に適用される場合において好ましく、これにより、薄板弾性ローラ171aの変形や破損がなくニップ部Nの幅(ニップ幅)を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、後述する各例の定着装置(定着装置17、定着装置17A、定着装置17B、定着装置17C、定着装置17D、定着装置17E)に適用される場合楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、後述する各例の定着装置(定着装置17、定着装置17A、定着装置17B、定着装置17C、定着装置17D、定着装置17E)に適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0042】
薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)に設けられるゴム層171bとしては、層厚0.5mm〜3mm程度が好ましい。ゴム層171bを設けることにより、定着むらの発生が少なくなる。
【0043】
図4によれば、第1の例の定着装置17は、上側(記録紙P上のカラートナー像側)にはカラートナー像を定着するための前述したバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aが配置され、また下側には弾性を有する圧着ローラ47aが配置されて構成されており、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。圧着ローラ47aが定着ローラ17aに圧着されて、ニップ部Nが形成される。バネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ17aは、不図示の駆動モータにより駆動される圧着ローラ47aの回転に従動して(圧着ローラ47aの駆動を受けて)回転され、定着ローラ17aに従動して回転される支持ローラ171hにより定着ローラ17aが保持される。支持ローラ171hにより、薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ17aの安定した保持が可能となる。また、従動回転により、定着ローラ17aの回転が均一化され、定着むらが防止される。
【0044】
下側の圧着ローラ47aは、例えばステンレス材を用いた棒状の芯金471aと、該芯金471aの外側に例えばシリコン材を用いた、ゴム硬度が20Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)、好ましくは30Hs〜40Hsのゴムローラ層471bを形成した弾性を有するソフトローラとして構成される。下側の圧着ローラ47aに断熱性の高い弾性のゴムローラを用い、上側の薄板弾性ローラ171aから下側の圧着ローラ47aへの熱の拡散を防止すると共に、5mm〜30mmの広いニップ部Nの幅も確保する。
【0045】
前述したように定着ローラ部材をバネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aとすると共に、圧着ローラ47aの押圧力を定着ローラ17aの薄板弾性ローラ171aの弾性力にて受ける。これにより、薄板弾性ローラ171aが塑性変形なく楕円状に広がり、平面状に近い薄板弾性ローラ171aの面にて圧着ローラ47aのソフトなゴムローラ層471bを押圧し、下側に凸状の幅広いニップ部Nが形成される。幅広いニップ部Nによりトナー像の良好な定着が行われる。
【0046】
上記の如くにて、定着ローラ部材が小径でもニップ幅が広くとれ、従って、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。広いニップ部Nを確保するために、ニップ部Nの曲率は平面に近づくよう圧着ローラ47aのゴムローラ層471bのゴム硬度とのバランスを採ることが必要であるが、定着ローラ17aと圧着ローラ47aとにより圧着ローラ47a側に形成されるニップ部Nの曲率半径を50mm以上とすることが好ましい。これにより、厚紙での定着不良や定着しわ、特に転写材として封筒のように2重になっているものでの定着しわの発生が少なくなる。また、ニップ部Nの出口部の曲率半径がこの変形により小さくなり、転写材との分離性が良くなる。
【0047】
上記により、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られ、小径でニップ幅が広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。
【0048】
また図5に示すように、第2の例の定着装置17Aは、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aを上下に配置した構成とされており、それぞれの定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。上下の定着ローラ17aは四隅の支持ローラ171hにより保持されており、不図示の駆動ローラによりバネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ17aが回転され、それぞれの定着ローラ17aに従動して定着ローラ17aを保持する支持ローラ171hが回転される。
【0049】
薄板状の定着ローラ部材である定着ローラ17aは、図3にて前述したと同様に、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aと、該薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)にゴム層171bとによる層構成とされる。
【0050】
薄板弾性ローラ171aは、厚さ(肉厚)t(mm)としては0.15mm〜0.8mm程度の例えばステンレスやリン青銅等を用いたバネ性を有する金属部材により形成され、バネ材として使用可能な疲れ限界を有するバネ性の金属部材を使用することによって、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Aに適用される場合での、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aの弾性変形による疲労破壊の発生が防げる。弾性変形による疲労破壊の発生を防止するのに、金属部材の疲れ限度としては14kP/mm2以上とすることが好ましいことが実験的に確認された。
【0051】
また、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Aに適用される場合において好ましく、これにより、変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17Aに適用される場合、楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17Aに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0052】
薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)に設けられるゴム層171bとしては、層厚0.5mm〜3mm程度が好ましい。ゴム層171bを設けることにより、定着むらの発生が少なくなる。
【0053】
それぞれの定着ローラ17aをバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aとすると共に、それぞれの定着ローラ17aの薄板弾性ローラ171aの相互の弾性力にて、対向するそれぞれの定着ローラ17aの相互の押圧力を受ける。これにより、薄板弾性ローラ171aが塑性変形なく楕円状に広がり、それぞれの薄板弾性ローラ171aの平面状に近い面にて略平面の幅広いニップ部Nが形成される。5mm〜30mmの幅広いニップ部Nによりトナー像の良好な定着が行われる。
【0054】
上記の如くにて、定着ローラ部材が小径でもニップ幅が広くとれ、従って、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。
【0055】
定着ローラ部材の保持方法の第3の例と該保持方法に基づく定着装置の第3の例、及び定着ローラ部材の保持方法の第4の例と該保持方法に基づく定着装置の第4の例について以下に説明する。
【0056】
また図6によれば、第3の例の定着装置17Bは、上側(記録紙P上のカラートナー像側)にはカラートナー像を定着するためのバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aが配置され、また下側には弾性を有する圧着ローラ47aが配置されて構成されており、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。
【0057】
下側の圧着ローラ47aは、例えばステンレス材を用いた棒状の芯金471aと、該芯金471aの外側に例えばシリコン材を用いた、ゴム硬度が20Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)、好ましくは30Hs〜40Hsのゴムローラ層471bを形成した弾性を有するソフトローラとして構成される。圧着ローラ47aが定着ローラ17aに圧着(押圧)されて、ニップ部Nが形成される。下側の圧着ローラ47aに断熱性の高い弾性のゴムローラを用い、上側の薄板弾性ローラ171aから下側の圧着ローラ47aへの熱の拡散を防止すると共に、5mm〜30mmの広いニップ部Nの幅も確保する。
【0058】
上記薄板状の定着ローラ部材である定着ローラ17aは、図3にて前述したと同様に、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aと、該薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)にゴム層171bとによる層構成とされる。
【0059】
薄板弾性ローラ171aは、厚さ(肉厚)t(mm)としては0.15mm〜0.8mm程度の例えばステンレスやリン青銅等を用いたバネ性を有する金属部材により形成され、バネ材として使用可能な疲れ限界を有するバネ性の金属部材を使用することによって、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Bに適用される場合での、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aの弾性変形による疲労破壊の発生が防げる。弾性変形による疲労破壊の発生を防止するのに、金属部材の疲れ限度としては14kP/mm2以上とすることが好ましいことが実験的に確認された。
【0060】
また、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Bに適用される場合において好ましく、これにより、変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17Bに適用される場合、楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17Bに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0061】
薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)に設けられるゴム層171bとしては、層厚0.5mm〜3mm程度が好ましい。ゴム層171bを設けることにより、定着むらの発生が少なくなる。
【0062】
また、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aの両端部に、リング状の軸受部材としてのフランジ171iを嵌込み、定着ローラ17aの両端を定着ローラ17aの外径よりも大きな内径を有する軸受部材としてのフランジ171iで保持する。軸受部材としてのフランジ171iに嵌入されるベアリングB1により両端のフランジ171iと一体とされる定着ローラ17aが回転可能とされる。また下側の圧着ローラ47aには、圧着ローラ47aの有する芯金471aの一方の端部に歯車G11が固定して設けられ、定着駆動モータM1により駆動回転される歯車G21が歯車G11と繋合し、定着駆動モータM1の駆動により圧着ローラ47aが回転駆動され、圧着ローラ47aに押圧される定着ローラ17aが従動回転される。従動回転により、定着ローラ17aの回転が均一化され、定着むらが防止される。また、図6に斜線で示す前述した定着ローラ17aのゴム層171bは、両端部のフランジ171iの内側に設けることが好ましく、これにより、定着ローラ17aが回転される際の、ゴム層171bのフランジ171iによる削れが防止される。
【0063】
また図7によれば、第4の例の定着装置17Cは、上側(記録紙P上のカラートナー像側)にはカラートナー像を定着するためのバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aが配置され、また下側には弾性を有する圧着ローラ47aが配置されて構成されており、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。
【0064】
下側の圧着ローラ47aは、例えばステンレス材を用いた棒状の芯金471aと、該芯金471aの外側に例えばシリコン材を用いた、ゴム硬度が20Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)、好ましくは30Hs〜40Hsのゴムローラ層471bを形成した弾性を有するソフトローラとして構成される。圧着ローラ47aが定着ローラ17aに圧着(押圧)されて、ニップ部Nが形成される。下側の圧着ローラ47aに断熱性の高い弾性のゴムローラを用い、上側の薄板弾性ローラ171aから下側の圧着ローラ47aへの熱の拡散を防止すると共に、5mm〜30mmの広いニップ幅も確保する。
【0065】
上記薄板状の定着ローラ部材である定着ローラ17aは、図3にて前述したと同様に、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aと、該薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)にゴム層171bとによる層構成とされる。
【0066】
薄板弾性ローラ171aは、厚さ(肉厚)t(mm)としては0.15mm〜0.8mm程度の例えばステンレスやリン青銅等を用いたバネ性を有する金属部材により形成され、バネ材として使用可能な疲れ限界を有するバネ性の金属部材を使用することによって、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Cに適用される場合での、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aの弾性変形による疲労破壊の発生が防げる。弾性変形による疲労破壊の発生を防止するのに、金属部材の疲れ限度としては14kP/mm2以上とすることが好ましいことが実験的に確認された。
【0067】
また、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Cに適用される場合において好ましく、これにより、変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17Cに適用される場合、楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17Cに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0068】
薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)に設けられるゴム層171bとしては、層厚0.5mm〜3mm程度が好ましい。ゴム層171bを設けることにより、定着むらの発生が少なくなる。
【0069】
また、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aの両端部に、例えばフッ素樹脂等の断熱性を有する樹脂部材を用いたリング状の軸受部材としての樹脂軸受け171jを嵌込み、定着ローラ17aの両端を定着ローラ17aの外径よりも大きな内径を有する軸受部材としての樹脂軸受け171jで保持する。軸受部材としての樹脂軸受け171jに嵌入されるベアリングB2により両端の樹脂軸受け171jと一体とされる定着ローラ17aが回転可能とされる。この際、ベアリングB2にて直接定着ローラ17aを保持することも可能である。また下側の圧着ローラ47aには、圧着ローラ47aの有する芯金471aの一方の端部に歯車G12が固定して設けられ、定着駆動モータM1により駆動回転される歯車G22が歯車G12と繋合し、定着駆動モータM1の駆動により圧着ローラ47aが回転駆動され、圧着ローラ47aに押圧される定着ローラ17aが従動回転される。従動回転により、定着ローラ17aの回転が均一化され、定着むらが防止される。
【0070】
また、図7に斜線で示す前述した定着ローラ17aのゴム層171bは、両端部のフランジ171iの内側に設けることが好ましく、これにより、定着ローラ17aが回転される際の、ゴム層171bのフランジ171iによる削れが防止される。
【0071】
さらに図8に示すように、図6または図7にて上述した第3の例の定着装置17B或いは第4の例の定着装置17Cは、それぞれ、上側(記録紙P上のカラートナー像側)には、上述したようにその両端をフランジ171i或いは樹脂軸受け171jにて保持され、カラートナー像を定着するための前述したバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aが配置され、また下側には弾性を有する圧着ローラ47aが配置されて構成されており、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。バネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ17aは、図6または図7にて前述したように、駆動回転される圧着ローラ47aの回転に従動して回転される。
【0072】
上述したように、定着ローラ部材をバネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aとすると共に、圧着ローラ47aの押圧力を定着ローラ17aの薄板弾性ローラ171aの弾性力にて受ける。これにより、薄板弾性ローラ171aが塑性変形なく楕円状に広がり、平面状に近い薄板弾性ローラ171aの面にて圧着ローラ47aのソフトなゴムローラ層471bを押圧し、下側に凸状の5mm〜30mmの幅広いニップ部Nが形成される。5mm〜30mmの幅広いニップ部Nによりトナー像の良好な定着が行われる。
【0073】
上記の如くにて、定着ローラ部材が小径でもニップ幅が5mm〜30mmと広くとれ、従って、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。5mm〜30mmの広いニップ部Nを確保するために、ニップ部Nの曲率は平面に近づくよう圧着ローラ47aのゴムローラ層471bのゴム硬度とのバランスを採ることが必要であるが、定着ローラ17aと圧着ローラ47aとにより圧着ローラ47a側に形成されるニップ部Nの曲率半径を50mm以上とすることが好ましい。これにより、厚紙での定着不良や定着しわ、特に転写材として封筒のように2重になっているものでの定着しわの発生が少なくなる。また、ニップ部Nの出口部の曲率半径がこの変形により小さくなり、転写材との分離性が良くなる。
【0074】
上記の如く、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られると共に、軸受部材により、安定した定着ローラ部材の保持が図られ、小径でニップ幅が5mm〜30mmと広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。
【0075】
さらに、図6ないし図8にて上述した第3の例の定着装置17B或いは第4の例の定着装置17Cにおいて、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aが適正に撓んで、安定したニップ部Nが形成され得るためには、定着ローラ部材である定着ローラ部材と軸受部材としてのフランジ171iや樹脂軸受け171jとの適正な寸法関係が設定される必要がある。
【0076】
上記設定の第1として、上述したように、定着ローラ17aをバネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aとすると共に、定着ローラ17aの両端を定着ローラ17aの外径よりも大きな内径を有する軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jで保持するが、図9に示すように、定着ローラ17aの外径をD1(mm)、軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jの内径をD2(mm)とするとき、
D1/D2=0.80〜0.98
と設定することが好ましい。定着ローラ17aの外径D1(mm)と、軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jの内径D2(mm)との比、D1/D2が0.80未満で小さいと、薄板弾性ローラ171aがつぶれすぎて安定しない。また比D1/D2が0.98を越えて大きいと、ゆがむ量が少なすぎ、適正なニップ部Nが形成されない。
【0077】
さらに、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合においてより好ましく、これにより、薄板弾性ローラ171aの変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0079】
さらに、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合においてより好ましく、これにより、薄板弾性ローラ171aの変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0080】
また上記設定の第3として、前述したように、定着ローラ17aをバネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aとすると共に、定着ローラ17aの両端を定着ローラ17aの外径よりも大きな内径を有する軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jで保持するが、図9に示すように、定着ローラ17aの外径をD1(mm)、軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jの内径をD2(mm)、前述した圧着ローラ47aによる圧着時の定着ローラ17aの幅を(D1−ΔD1)(mm)とするとき、
(D1−ΔD1)/D2=0.55〜0.95
と設定することが好ましい。圧着ローラ47aによる圧着時の定着ローラ17aの幅(D1−ΔD1)(mm)と、軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jの内径D2(mm)との比、(D1−ΔD1)/D2が0.55未満で小さいと、薄板弾性ローラ171aがつぶれすぎて安定しない。また比(D1−ΔD1)/D2が0.95を越えて大きいと、ゆがむ量が少なすぎ、適正なニップ部Nが形成されない。
【0081】
さらに、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合においてより好ましく、これにより、薄板弾性ローラ171aの変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17B或いは定着装置17Cに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0082】
上記により、円筒状弾性体が適正に撓んで、安定したニップ部が形成され得る定着ローラ部材と軸受部材との適正な寸法関係が設定される。さらに、円筒状弾性体の変形や破損がなくニップ幅を5mm〜30mmと広くし、適切な押圧力を得ることが可能となる。
【0083】
しかしながら、図6ないし図8にて上述した第3の例の定着装置17B或いは第4の例の定着装置17Cにおいて、円筒状弾性体を用いる定着ローラ部材の問題点を図10に示すように、円筒状弾性体であるバネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171a(図10には不図示)を用いる定着ローラ17aは、圧着ローラ47aに押圧されて歪み、上側を弓形として湾曲し、変形されてしまう。
【0084】
上記定着ローラ部材の湾曲変形を防止するための押圧部材を用いる定着装置について、図11ないし図16を用いて説明する。図11は、押圧部材を用いる定着装置の第5の例を示す図であり、図12は、図11の定着装置の概要側面図であり、図13は、押圧部材の他の例を示す図であり、図14は、図13の押圧部材の斜視図であり、図15は、圧着ローラ及び押圧部材の好ましい配置を示す図であり、図16は、定着装置の第6の例で、押圧部材を複数個用いる場合の配置を示す図である。
【0085】
図11または図12によれば、第5の例の定着装置17Dは、上側(記録紙P上のカラートナー像側)にはカラートナー像を定着するためのバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aが配置され、また下側には弾性を有する圧着ローラ47aが配置されて構成されており、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。また、下側の圧着ローラ47aは、例えばステンレス材を用いた棒状の芯金471aと、該芯金471aの外側に例えばシリコン材を用いた、ゴム硬度が20Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)、好ましくは30Hs〜40Hsのゴムローラ層471bを形成した弾性を有するソフトローラとして構成される。圧着ローラ47aが定着ローラ17aに圧着(押圧)されて、ニップ部Nが形成される。しかしながら、前述したように、バネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いる定着ローラ17aは、圧着ローラ47aに押圧されて歪み、上側を弓形として湾曲変形されてしまうので、定着ローラ部材である定着ローラ17aを押圧する押圧部材として、例えばアルミローラ等の金属部材を用いた押圧ローラ271を、定着ローラ17aの表面で、ニップ部Nの反対側(ニップ部Nを通り、定着ローラ17aの中心と圧着ローラ47aの中心とを通る直線(中心線)PL4上で、定着ローラ17aのニップ部Nの反対側)に配置し、押圧ローラ271により定着ローラ17aをニップ部N側に押圧する。さらに、定着ローラ17aの湾曲変形を、より平坦に修正するように、押圧部材としての押圧ローラ271の中央部に、図12に示すように、凸状(太鼓状)の押圧形状を設けることが好ましい。押圧部材により、湾曲変形が防止されると共に、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、均一なニップ部が形成される。下側の圧着ローラ47aに断熱性の高い弾性のゴムローラを用い、上側の薄板弾性ローラ171aから下側の圧着ローラ47aへの熱の拡散を防止すると共に、5mm〜30mmの広いニップ部Nの幅も確保する。
【0086】
上記薄板状の定着ローラ部材である定着ローラ17aは、図3にて前述したと同様に、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aと、該薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)にゴム層171bとによる層構成とされる。
【0087】
薄板弾性ローラ171aは、厚さ(肉厚)t(mm)としては0.15mm〜0.8mm程度の例えばステンレスやリン青銅等を用いたバネ性を有する金属部材により形成され、バネ材として使用可能な疲れ限界を有するバネ性の金属部材を使用することによって、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Dに適用される場合での、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aの弾性変形による疲労破壊の発生が防げる。弾性変形による疲労破壊の発生を防止するのに、金属部材の疲れ限度としては14kP/mm2以上とすることが好ましいことが実験的に確認された。
【0088】
また、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Dに適用される場合において好ましく、これにより、変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17Dに適用される場合、楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17Dに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0089】
薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)に設けられるゴム層171bとしては、層厚0.5mm〜3mm程度が好ましい。ゴム層171bを設けることにより、定着むらの発生が少なくなる。
【0090】
また、図12に示すように、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aの両端部に、リング状の軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jを嵌込み、定着ローラ17aの両端を定着ローラ17aの外径よりも大きな内径を有する軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jで保持する。軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171j(或いは不図示のベアリング)により、両端のフランジ171i或いは樹脂軸受け171jと一体とされる定着ローラ17aが回転可能とされる。また下側の圧着ローラ47aには、圧着ローラ47aの有する芯金471aの一方の端部に歯車G13が固定して設けられ、定着駆動モータM1により駆動回転される歯車G23が歯車G13と繋合し、定着駆動モータM1の駆動により圧着ローラ47aが回転駆動され、圧着ローラ47aに押圧される定着ローラ17aが従動回転される。従動回転により、定着ローラ17aの回転が均一化され、定着むらが防止される。
【0091】
また、図12に斜線で示す定着ローラ17aのゴム層171bは、両端部のフランジ171i或いは樹脂軸受け171jの内側に設けることが好ましく、これにより、定着ローラ17aが回転される際の、ゴム層171bのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jによる削れが防止される。
【0092】
上記の如くにて、定着ローラ部材が小径でもニップ幅が5mm〜30mmと広くとれ、従って、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。5mm〜30mmの広いニップ部Nを確保するために、ニップ部Nの曲率は平面に近づくよう圧着ローラ47aのゴムローラ層471bのゴム硬度とのバランスを採ることが必要であるが、押圧ローラ271に押圧され、定着ローラ17aと圧着ローラ47aとにより圧着ローラ47a側に形成されるニップ部Nの曲率半径を50mm以上とすることが好ましい。これにより、厚紙での定着不良や定着しわ、特に転写材として封筒のように2重になっているものでの定着しわの発生が少なくなる。また、ニップ部Nの出口部の曲率半径がこの変形により小さくなり、転写材との分離性が良くなる。
【0093】
図13及び図14に押圧部材の他の例を示すが、図13(A)に示すように、例えば金属部材や樹脂部材を用て成型した、断面が錨状の押圧板272を、押圧部材として用いることも可能である。押圧板272を、定着ローラ17aの表面で、ニップ部N(図13(A)には不図示)の反対側に配置し、押圧板272により定着ローラ17aを押圧する。さらに、定着ローラ17aの湾曲変形を、より平坦に修正するように、押圧部材としての押圧板272の定着ローラ17aと当接する湾曲部272aの中央部に、図14(A)に示すように、凸状の押圧形状を設けることが好ましい。押圧部材により、湾曲変形が防止されると共に、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、均一なニップ部が形成される。
【0094】
また図13(B)に示すように、例えばリン青銅やステンレス等の弾性を有するバネ板部材を用いた押圧弾性板273を、押圧部材として用いることも可能である。押圧弾性板273を、定着ローラ17aの表面で、ニップ部N(図13(B)には不図示)の反対側に配置し、押圧弾性板273により定着ローラ17aを押圧する。さらに、定着ローラ17aの湾曲変形を、より平坦に修正するように、押圧部材としての押圧弾性板273の定着ローラ17aと当接する湾曲部273aの中央部に、図14(B)に示すように、凸状の押圧形状を設けることが好ましい。押圧部材により、湾曲変形が防止されると共に、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、均一なニップ部が形成される。なお、押圧部材としての前述した押圧ローラ271や上述した押圧板272や押圧弾性板273等を定着ローラ17aをクリーニングするためのクリーニング用の部材や、定着ローラ17aの温度分布を均一化するための熱均一化用の部材や、定着ローラ17aへオイルを供給するためのオイル塗布用の部材等として用いることも可能である。
【0095】
上記により、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られ、小径でニップ幅が5mm〜30mmと広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短縮が図られると共に、押圧部材の押圧により、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、良好な定着性が可能となる。
【0096】
また図15に示すように、定着ローラ17aの中心軸PL1と圧着ローラ47aの中心軸PL2とを、1°〜5°程度の傾斜角度θ1(°)を以て傾斜させて配置し、湾曲変形を防止するようにすることが好ましい。また、上記押圧部材としての押圧ローラ271、押圧板272または押圧弾性板273等の定着ローラ17aとの当接中心線PL3を、定着ローラ17aの中心軸PL1と傾斜させて配置し、定着ローラ17aを押圧することが、湾曲変形をさらに防止することで好ましい。押圧部材の当接中心線PL3と定着ローラ17aの中心軸PL1との傾斜角度θ2(°)は、1°〜5°程度が好ましい。また、上記それぞれの傾斜を組み合わせると、さらに湾曲変形を防止することができて好ましい。
【0097】
押圧部材を複数個用いる場合を図16に示すが、第6の例の定着装置17Eは、上側(記録紙P上のカラートナー像側)にはカラートナー像を定着するためのバネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aが配置され、また下側には弾性を有する圧着ローラ47aが配置されて構成されており、定着ローラ17aの内部には、発熱源としての発熱フィラメントを有する加熱手段であるハロゲンヒータ171gが設けられる。また、下側の圧着ローラ47aは、例えばステンレス材を用いた棒状の芯金471aと、該芯金471aの外側に例えばシリコン材を用いた、ゴム硬度が20Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)、好ましくは30Hs〜40Hsのゴムローラ層471bを形成した弾性を有するソフトローラとして構成される。圧着ローラ47aが定着ローラ17aに圧着(押圧)されて、ニップ部Nが形成される。しかしながら、前述したように、バネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いる定着ローラ17aは、圧着ローラ47aに押圧されて歪み、上側を弓形として湾曲変形されてしまうので、定着ローラ部材である定着ローラ17aを押圧する押圧部材として、例えばアルミローラやステンレスローラ等の金属部材の表面やローラ状の樹脂部材の表面に、耐熱性のテフロン樹脂をコーティングしたもの等を用いた、複数個の押圧ローラ271a,271b,271cを用い、定着ローラ17aの表面で、定着ローラ17aのニップ部Nの中央を通る中心線(直線)PL4(ニップ部Nを通り、定着ローラ17aの中心と圧着ローラ47aの中心とを通る直線(中心線)PL4)に対して、角度αを以て軸対称に配設し、一方を押圧ローラ271aにより、また他方を押圧ローラ271b、さらには押圧ローラ271bを押圧ローラ271cにより押圧し、定着ローラ17aを双方からニップ部N側に押圧する。定着ローラ17aの湾曲変形をより平坦に修正するように、押圧部材としての押圧ローラ271aの中央部や押圧ローラ271bの中央部に、凸状(太鼓状)の押圧形状を設けることが好ましい。押圧部材により、湾曲変形が防止されると共に、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、均一なニップ部が形成される。この際、押圧ローラ271aを定着ローラ17aをクリーニングするためのクリーニング用のローラ、押圧ローラ271bを定着ローラ17aの温度分布を均一化するための熱均一化ローラ、押圧ローラ271cを定着ローラ17aへオイルを供給するためのオイル塗布ローラ等として用いることも可能である。下側の圧着ローラ47aに断熱性の高い弾性のゴムローラを用い、上側の薄板弾性ローラ171aから下側の圧着ローラ47aへの熱の拡散を防止すると共に、広いニップ部Nの幅も確保する。
【0098】
上記薄板状の定着ローラ部材である定着ローラ17aは、図3にて前述したと同様に、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aと、該薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)にゴム層171bとによる層構成とされる。
【0099】
薄板弾性ローラ171aは、厚さ(肉厚)t(mm)としては0.15mm〜0.8mm程度の例えばステンレスやリン青銅等を用いたバネ性を有する金属部材により形成され、バネ材として使用可能な疲れ限界を有するバネ性の金属部材を使用することによって、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Eに適用される場合での、円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aの弾性変形による疲労破壊の発生が防げる。弾性変形による疲労破壊の発生を防止するのに、金属部材の疲れ限度としては14kP/mm2以上とすることが好ましいことが実験的に確認された。
【0100】
また、前述した薄板弾性ローラ171aの肉厚t(mm)に対して、薄板弾性ローラ171aの外径をR(mm)とするとき、
R/70>t>R/300
とすることが、薄板弾性ローラ171aが定着装置17Eに適用される場合において好ましく、これにより、変形や破損がなくニップ部Nの幅を5mm〜30mmと広くすることが可能となる。t≧R/70では、薄板弾性ローラ171aの厚さが厚すぎて、定着装置17Eに適用される場合、楕円状に変形せず、ニップ部Nの幅が広くならない。t≦R/300では、薄板弾性ローラ171aの厚さが薄すぎて、定着装置17Eに適用される場合に強度が低すぎ押圧力が不足し、定着むらとなる。
【0101】
薄板弾性ローラ171aの外側(外周面)に設けられるゴム層171bとしては、層厚0.5mm〜3mm程度が好ましい。ゴム層171bを設けることにより、定着むらの発生が少なくなる。
【0102】
また、バネ性を有する薄肉の円筒状弾性体である薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ部材である定着ローラ17aの両端部に嵌込まれるリング状の軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jは、定着ローラ17aの両端を定着ローラ17aの外径よりも大きな内径を有する。軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171jで定着ローラ17aを保持する。両端の軸受部材としてのフランジ171i或いは樹脂軸受け171j(或いは不図示のベアリング)により、定着ローラ17aが回転可能とされる。バネ性を有する薄肉の薄板弾性ローラ171aを用いた定着ローラ17aは、駆動回転される圧着ローラ47aの回転に従動して回転される。従動回転により、定着ローラ17aの回転が均一化され、定着むらが防止される。
【0103】
上記により、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られ、小径でニップ幅が5mm〜30mmと広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短縮が図られると共に、押圧部材の押圧により、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、良好な定着性が可能となる。
【0104】
【発明の効果】
以上の構成によれば、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られ、小径でニップ幅が広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。
【0105】
以上の構成によれば、薄肉の円筒状弾性体を用いた定着ローラ部材の安定した保持が可能となる。
【0106】
以上の構成によれば、円筒状弾性体の弾性変形による疲労破壊の発生が防止される。
【0107】
以上の構成によれば、円筒状弾性体の変形や破損がなくニップ幅を広くし、適切な押圧力を得ることが可能となる。
【0108】
以上の構成によれば、厚紙での定着不良や定着しわ、特に転写材として封筒のように2重になっているものでの定着しわの発生が少なくなる。
【0109】
以上の構成によれば、定着むらの発生が少なくなる。
【0110】
以上の構成によれば、定着ローラ部材の回転が均一化され、定着むらが防止される。
【0111】
以上の構成によれば、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られると共に、軸受部材により、安定した定着ローラ部材の保持が図られ、小径でニップ幅が広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短い定着装置が可能となる。
【0117】
以上の構成によれば、円筒状弾性体が適正に撓んで、安定したニップ部が形成され得る定着ローラ部材と軸受部材との適正な寸法関係が設定される。
【0120】
以上の構成によれば、薄肉の円筒状弾性体により塑性変形がなく定着ローラ部材の薄肉化が図られ、小径でニップ幅が広く、省エネルギーでウォーミングアップ時間の短縮が図られると共に、圧着ローラの傾斜配置により、定着ローラ部材が圧着ローラに均一に圧着され、良好な定着性が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】定着ローラ部材の層構成と機能とを示す図である。
【図4】定着装置の第1の例の構成と定着ローラ部材の保持方法の第1の例とを示す説明図である。
【図5】定着装置の第2の例の構成と定着ローラ部材の保持方法の第2の例とを示す説明図である。
【図6】定着装置の第3の例と定着ローラ部材の保持方法の第3の例を示す概要側面図である。
【図7】定着装置の第4の例と定着ローラ部材の保持方法の第4の例を示す概要側面図である。
【図8】図6及び図7の保持方法に基づく定着装置の概要断面図である。
【図9】図6及び図7の定着装置の定着ローラ部材と軸受部材との寸法関係の説明図である。
【図10】円筒状弾性体を用いる定着ローラ部材の問題点を示す図である。
【図11】押圧部材を用いる定着装置の第5の例を示す図である。
【図12】図11の定着装置の概要側面図である。
【図13】押圧部材の他の例を示す図である。
【図14】図13の押圧部材の斜視図である。
【図15】圧着ローラ及び押圧部材の好ましい配置を示す図である。
【図16】定着装置の第6の例で、押圧部材を複数個用いる場合の配置を示す図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
12 露光光学系
13 現像器
17,17A,17B,17C,17D,17E 定着装置
17a 定着ローラ
47a 圧着ローラ
171a 薄板弾性ローラ
171b ゴム層
171h 支持ローラ
171i フランジ
171j 樹脂軸受け
171g ハロゲンヒータ
271,271a,271b,271c 押圧ローラ
272 押圧板
273 押圧弾性板
M1 定着駆動モータ
N ニップ部
P 記録紙

Claims (8)

  1. 加熱手段を有する定着ローラ部材と、前記定着ローラ部材と対向して弾性を有する圧着ローラとを設け、転写材上のトナー像を定着する定着装置において、
    前記定着ローラ部材を弾性変形可能である薄肉の円筒状弾性体とし、前記定着ローラ部材の両端を前記定着ローラ部材の外径よりも大きな内径を有する軸受部材で保持すると共に、前記定着ローラ部材は前記軸受部材の内面と前記圧着ローラによって挟持され、前記圧着ローラによって従動されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ローラ部材は楕円状に変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記円筒状弾性体をバネ性を有する金属部材とし、前記金属部材の疲れ限度を14kP/mm 2 以上とすることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ローラ部材の外径をD1(mm)、前記軸受部材の内径をD2(mm)とするとき、
    D1/D2=0.80〜0.98
    とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 前記定着ローラ部材の外径をD1(mm)、前記圧着ローラによる圧着時の前記定着ローラ部材の変形量をΔD1(mm)、前記軸受部材の内径をD2(mm)、前記圧着ローラによる圧着時の前記定着ローラ部材の幅を(D1−ΔD1)(mm)とするとき、
    (D1−ΔD1)/D2=0.55〜0.95
    とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 前記円筒状弾性体の外径をR(mm)とするとき、前記円筒状弾性体の肉厚t(mm)を、
    R/70>t>R/300
    とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の定着装置。
  7. 前記定着ローラ部材と前記圧着ローラとによりニップ部を形成し、
    前記定着ローラ部材の中心軸と前記圧着ローラの中心軸とを傾斜させて配置することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の定着装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の定着装置を有する画像形成装置。
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