JPH0934279A - 画像形成装置用ローラ - Google Patents

画像形成装置用ローラ

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JPH0934279A
JPH0934279A JP17974195A JP17974195A JPH0934279A JP H0934279 A JPH0934279 A JP H0934279A JP 17974195 A JP17974195 A JP 17974195A JP 17974195 A JP17974195 A JP 17974195A JP H0934279 A JPH0934279 A JP H0934279A
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JP17974195A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kodera
哲郎 小寺
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 封筒等の厚さが全域にわたって一様でない記
録媒体に対しても、圧力の印加により記録媒体全域にト
ナー像を有効に転写、転写同時定着または定着すること
が可能な画像形成装置用ローラを提供する。 【解決手段】 本発明のローラ(R)は、像担持体上のト
ナー像を転写または転写同時定着する像担持体および圧
力付与ローラ(転写器または転写定着器)、あるいは記
録媒体上のトナー像を定着する一対の加圧ローラの少な
くとも一方に使用される。ローラ(R)は、芯材(1)、中
間層(2)および中間層(2)より圧縮弾性率が高い表面層
(3)から少なくとも構成される。表面層(3)は、互いに
直交する方向で曲げ剛性が異なっていて、その円周方向
に比べて軸方向の曲げ剛性を低くしている。表面層(3)
としては、その内面に連続した螺旋状の溝または複数の
環状の溝を形成したものや、樹脂中に繊維を含有した異
方性の繊維強化型樹脂が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,プリン
タ,ファクシミリ等の画像形成装置において、それぞれ
回転可能な圧力付与部材と像担持体との間または一対の
圧力付与部材間に記録媒体を狭持しながら搬送して、ト
ナー像を転写(転写同時定着)または定着する少なくと
も一方の円筒状回転部材に関する。特に封筒等の厚さが
一様でない記録媒体に対しても、記録媒体全域にトナー
像を有効に転写または定着することができる画像形成装
置用ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】圧力定着装置においては、圧力付与部材
として剛性の金属ローラが従来から用いられてきた。こ
の種の圧力定着装置では、ローラと記録媒体が接触する
円周方向の幅(ニップ幅)が非常に狭いので、記録媒体
上のトナー像にかかる圧力が高く、定着性の優れた記録
を得ることができる。しかし、ローラの軸方向に均一に
圧力をかけるためには各ローラの交差角を高精度に設定
する必要があり、交差角が少しでもずれると、圧力がか
からない部分に未定着トナー像がそのまま残ったり、紙
皺が発生したりしていた。この点に関して、ローラ表面
に薄い弾性層を形成した定着装置が、例えば特開昭59
−126579号公報に開示されている。このようなロ
ーラを用いた圧力定着装置においては、金属ローラ同士
を接触させる定着装置に比べて、交差角が多少変化して
も比較的均一に圧力がかかる。しかし同時に、表面に弾
性層を形成したことによりニップ幅が広がるため、トナ
ー像を定着するには金属ローラに比べてより大きな荷重
が必要になり、また均一な圧力を得るためには依然とし
てローラを交差させなければならなかった。そのため、
装置が大型化したり、紙皺が発生しやすい等の問題があ
った。
【0003】このような問題を解決するものとして、金
属芯軸を高分子材料からなる弾性体で一体的に被覆し、
更に高硬度弾性材料で被覆してこれを表面層とした圧力
定着ローラが、特開昭62−144188号公報に開示
されている。この種のローラを用いた圧力定着装置にお
いては、金属芯軸の撓みが無視できるため、均一な圧力
を得るために2本のローラを交差させる必要がなく、圧
力の印加ムラが非常に少なくなる。また、表面が高硬度
弾性材料で被覆されているため、比較的小さい荷重でも
記録媒体全域にわたってトナー像を充分に定着させるこ
とができ、しかも記録媒体を不自然に光沢化することも
ない。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかしながら、封筒に代表される厚さが全
域にわたって一様でない記録媒体に対しては、従来のい
かなるローラを有する圧力定着装置を用いても、記録媒
体全域でトナー像を充分に定着させることができなかっ
た。これを記録媒体として封筒を用いた場合について、
図面に基づいて説明すると次のとおりである。一般に入
手できる封筒は、図11に示すように、用紙の重なる枚
数に差があり、その差より通常80〜250μm程度の
段差が生じている。この段差がニップに対して完全に平
行なもののみであれば、ニップに均一な圧力をかけるこ
とで封筒全域にわたりトナー像を有効に定着することが
可能である。しかし、段差は封筒の端部に対して傾斜し
ているので、ニップの中でも用紙の重なる枚数に異なる
領域が存在する。
【0005】図12はローラの斜視図であり、ローラの
軸方向および円周方向を表示している。図13は加圧ロ
ーラにより封筒に圧力を印加した時のローラ軸方向の拡
大断面図である。図13Aは、圧力付与部材としての金
属製ローラ01と、金属製芯材02aに硬度が高い弾性
体層02bを被覆した加圧ローラ02との間にて、段差
が存在する封筒Eにトナー像Yを定着する状態を示して
いる。この加圧ローラ02では、用紙の重なり枚数の少
ない段差部分に圧力が加わらないため、当該部分ではト
ナーが潰されずトナー像Yは定着されない。また、図1
3Bは、金属製ローラ01と、金属製芯材02aに硬度
が低い弾性体層02cを被覆した加圧ローラ02′との
間にて、段差が存在する封筒Eにトナー像Yを定着する
状態を示している。この加圧ローラ02′では、用紙の
重なり枚数の少ない段差部分にも圧力が加わるようにな
るが、硬度が高い弾性体層02bを被覆した前記加圧ロ
ーラ02と比べて、ローラ円周方向に偏平変形が生じ
る。そのため、加圧ローラ02′と封筒Eとのニップ幅
が広がって、充分な圧力が印加されずトナー像Yは定着
されない。
【0006】図13Cは前記特開昭62−144188
号公報に開示された圧力定着ローラを用いて、封筒Eに
トナー像Yを定着する状態を示している。すなわち、加
圧ローラ02″として、金属製芯材02aの外周面に硬
度が低い弾性体層02cを被覆し、更に硬度が高い弾性
体層02bを被覆したものが用いられる。この加圧ロー
ラ02″では、表面層が硬度の高い弾性体層02bで形
成されているため、ローラ円周方向の偏平変形は生じ難
い。しかし、軸方向の剛性も同時に高くなっているた
め、用紙の重なり枚数の少ない段差部分以外の領域では
充分な圧力がかかるが、段差部分の低い箇所では圧力が
かからない領域Aが存在し、この領域Aでは定着が良好
に行われず、文字の欠落等が発生していた。
【0007】一般に、封筒には最大紙2枚分の厚さに相
当する段差が存在する。しかして、圧力の印加により転
写または定着を行う従来の画像形成装置においては、封
筒にトナー像を形成するのは非常に困難であり、封筒の
重なり枚数の多い部分にしかトナー像が定着されなかっ
た。また、たとえ圧力付与部材として柔らかい弾性体を
高硬度弾性材料で被覆したローラを用いたとしても、段
差近傍で数mm程度の転写性または定着性の不良な領域
が存在し、その領域での画像抜けが問題となっていた。
そこで、本発明は上述のような問題点を解消しようとす
るものであって、その目的とするところは、封筒等の厚
さが全域にわたって一様でない記録媒体に対しても、圧
力の印加により記録媒体全域にトナー像を有効に転写、
転写同時定着または定着することが可能な画像形成装置
用ローラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねてきた結果、互いに圧接する
回転部材の表面層の曲げ剛性に着目し、その円周方向よ
り軸方向の曲げ剛性を低くした回転部材を使用して封筒
に印字を行ったところ、トナー像を有効に転写または定
着することができ、段差部分においても画像抜け等の画
像欠陥のない画像が得られることを確認して、本発明に
到ったものである。すなわち、本発明の画像形成装置用
ローラは、互いに圧接した状態で、記録媒体を搬送しな
がら像担持体または記録媒体上に形成されたトナー像を
転写、転写定着または定着する一対の円筒状回転部材の
うちの少なくとも一方に用いられ、該円筒状回転部材は
芯材、中間層および該中間層より圧縮弾性率が高い表面
層から少なくとも構成され、該表面層は、互いに直交す
る方向で曲げ剛性が異なり、上記回転部材の円周方向に
比べて軸方向の曲げ剛性が低いことを特徴とする。上記
表面層は、中間層との境界面側の内面に連続した螺旋状
の溝または複数の環状の溝を形成するか、あるいは樹脂
中に繊維を含有した繊維強化型樹脂で構成することが好
ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成装置用ローラ(以下、ローラRと略記
する)は、図1に示すように、少なくとも芯材1の外周
面に中間層2、その外周面に表面層3をそれぞれ積層し
た円筒状回転部材から構成される。ローラRは、像担持
体上のトナー像を転写または転写同時定着する一対の回
転部材、具体的には像担持体およびこれに対向して圧接
される圧力付与部材(転写ローラまたは転写定着ロー
ラ)のうちの少なくとも一方に使用される。ローラRは
また、記録媒体上のトナー像を定着する定着装置におけ
る回転可能な一対の円筒状圧力付与部材(加圧ローラ)
のいずれか一方または双方に使用することができる。
【0010】上記回転部材の構成要素には、種々の材質
で構成することが可能であり、更に様々の組合せが可能
である。芯材1としては、鋼鉄,ステンレス鋼,アルミ
ニウム,アルミニウム合金等の金属,合金やセラミック
などの中実の円柱体や中空の円筒体が使用される。この
芯材1の両端部1a,1aはローラRの回転軸として機能
するものである。中間層2としては、天然ゴム,ブチル
ゴム,イソプレンゴム,ネオプレンゴム,スチレン−ブ
タジエンゴム,エチレン−プロピレンゴム,フッ素ゴ
ム,シリコーンゴム等のゴム材料、フェノール樹脂,エ
ポキシ樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル,ポリアミ
ド,ポリスチレン,ポリアセタール等の樹脂が用いられ
る。中間層2の厚さは、その材質にもよるが、他方の回
転部材との圧接時に所定のニップ幅を確保するために、
0.5〜10mm程度とすることが好適である。中間層
2の圧縮弾性率については、その厚さと関連し、所定の
線圧を回転部材に与えた時、用紙の重なり枚数の少ない
部分でも表面層3が用紙と接触するためには、用紙の厚
さ以上に中間層2が圧縮変形しなければならない。ここ
で、中間層2の厚さをt2 [mm]、線圧をP[N/mm]、
ニップ幅をb[mm]、用紙の厚さをtp [mm]とする
と、圧縮弾性率E2[N/mm2]は下記の関係式が成立する
必要がある。 E2 <(P・t2)/(b・tp) したがって、中間層2の圧縮弾性率は、その厚さに応じ
て上式を満足するような材質より選択すればよい。
【0011】表面層3としては、ポリエーテルエステル
ゴム,フッ素ゴム,シリコーンゴム等のゴム材料、フェ
ノール樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステ
ル,ポリアミド,ポリスチレン,ポリアセタール等の樹
脂などが用いられる。これらの材質はその圧縮弾性率が
上記中間層2より高いものから選択される。中間層2に
対する表面層3の圧縮弾性率の比は、一般に5倍以上あ
ればよい。圧縮弾性率の比が5倍未満であると、記録媒
体に段差がある場合、段差の低い部分に表面層3が追随
して変形し難くなり、トナー像を有効に転写、転写同時
定着または定着することが困難となる。表面層3の厚さ
は、ローラRが適用される回転部材の種類にもよるが、
0.5〜5mm程度とすることが好適である。厚さが
0.5mm未満であると、圧力の印加時に表面層3が損
傷する恐れがある。また、厚さが5mmより厚くなる
と、上記と同様に表面層3が段差の低い部分に追随して
変形し難くなる。表面層3の曲げ剛性は、互いに直交す
る方向で異なり、ローラRの円周方向より軸方向の曲げ
剛性を低くする必要がある。その具体的な形態として
は、例えば図2に示すように、表面層3の内面、すなわ
ち上記中間層2と接する境界面に螺旋状の溝3aを形成
したり、図3に示すように、互いに直交する方向の一方
に配向性を高めた繊維F含有の異方性繊維強化型樹脂で
表面層3を構成したものなどが挙げられる。
【0012】内面に溝3aを形成した表面層3におい
て、溝3aの形状に関しては、断面形状が矩形で連続し
た上記螺旋形状以外にも、溝3aの底部に応力が集中す
るような形状であれば、特に螺旋形状に限定されるもの
ではない。例えば、断面形状として、三角形,半円形,
あるいは深さが深くなるに従って幅が増大するようなも
のであってもよい。また、円形または楕円形等の環状の
溝3aを所定のピッチで複数本形成してもよく、さらに
溝3aの幅と間隔を同一のピッチで波状に凹凸を形成し
てもよい。溝3aの寸法に関しては、幅および深さを
0.1〜2mm,間隔を1〜10mm程度に設定するこ
とが好ましい。溝3aの幅,深さおよび間隔は、表面層
3の厚さに応じて最適な値に設定されるが、ニップ圧の
変動が大きいと転写性,定着性に悪影響を及ぼすため、
表面層3の厚さに対して溝3aの深さの比が0.1〜
0.5の範囲にあることが好ましい。
【0013】前記繊維強化型樹脂自体としては、ローラ
Rの円周方向に配向する繊維Fの割合を多くした前記樹
脂の他に、細幅のテープ状繊維含有樹脂をパイプに螺旋
状に巻き付けた後に溶融硬化させるフィラメントワイン
ディング方式により製造されるもの等が挙げられる。い
ずれの繊維強化型樹脂にあっても、樹脂中に含有させた
繊維Fの配向割合を所定の方向に高めることによって、
ローラRの円周方向より軸方向の曲げ剛性を低く抑える
ことが肝要である。繊維Fとしては、炭素繊維,ガラス
繊維,各種耐熱性無機質繊維や剛性の高い合成繊維等が
挙げられる。また、樹脂としては、一部繰り返しとなる
が、フェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ジ
アリルフタレート樹脂,シリコーン樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,
ポリスチレン,ポリアセタール,アクリル樹脂,ポリア
ミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0014】本発明のローラRを特に転写(同時定着)
ローラまたは定着ローラとして使用する場合は、両端部
1a,1aより外径の大きい図1に示す芯材1に代えて、
図4に示すように、芯材1自体がその全長にわたって同
一の径であってもよい。前記一対の円筒状回転部材を互
いに圧接して連続的に回転させていると、回転部材のう
ちの一方または双方の中間層2および/または表面層3
が、芯材1からずれて脱落し始めることがある。特に、
ニップ圧の分布を更に均一にする目的で、上記一対の回
転部材間に僅かな角度を持たせて回転させることが屡々
行われているが、回転部材を互いに交差させた状態で
は、軸方向の一方に向う摩擦力が継続的に加わるため、
脱落が生じやすい。このような脱落を防止するために、
中間層2および表面層3の両端面に、図5に示すような
鍔状の脱落防止部材4,4を芯材1に固定して設けるこ
とが好ましい。本発明のローラRは、前述した図面に示
す円筒状回転部材以外にも、別の部材で構成された層が
存在してもよい。例えば、所定のニップ圧が保持される
範囲内で、所望の表面エネルギー(表面張力)や導電率
を付与するよう、オフセットの発生を防止する離型剤,
撥水剤等の各種配合剤やカーボンブラック等の導電性付
与剤を含有する1〜10μm程度の薄層を表面層3上に
形成してもよい。
【0015】本発明のローラRは、層(2,3)の材質
にもよるが、例えば図1に示す円筒状回転部材を例にと
ると次のようにして製造される。中間層2の軟化温度が
表面層3より高い場合には、a)まず、金型の中心に芯
材1が位置するようその両端部1a,1aを固定支持し、
離型剤を塗布した金型内に先に例示した中間層2を構成
する成形材料を注入し、金型を所定時間回転させて中間
層2を成形する。次いで、得られた成形体を別の金型に
移し換えた後、中間層2の成形と同様にして表面層3を
成形する。この製造法a)において、表面層3内面に溝
3aを形成する場合は、中間層2を成形する際に、金型
内面を溝3aの形状と一致させておくことになる。一
方、表面層3を繊維強化型樹脂で構成する場合は、成型
時に金型を回転させるので、特別な処理操作を施さなく
ても、樹脂中の繊維Fの殆どは円周方向に配向するよう
になる。
【0016】表面層3の軟化温度が中間層2より高い場
合には、b)金型内面にチューブ状の上記表面層3を予
め密着させておき、上記a)と同様にして、芯材1と表
面層3との間に前記成形材料を注入して中間層2を成形
する。この製造法b)において、表面層3内面に溝3a
を形成する場合は、表面層3内面に予め溝3aを成形ま
たはシートの切削等により形成しておくことになる。一
方、表面層3を繊維強化型樹脂で構成する場合は、前述
の方法により製造された繊維強化型樹脂が使用される。
また、c)中間層2を成形した上記成形体表面にシート
状の表面層3を接着すると、中間層2および表面層3の
軟化温度にかかわらず、例えば表面層3が繊維強化型樹
脂で構成されたローラRを比較的簡単に製造することが
できる。これらの製造法a)〜c)において、境界面間
の接着性を良好にするために、芯材1の外周面および中
間層2表面をプライマー処理してもよい。また必要に応
じて、表面層3の表面側に研削加工等を施してその寸法
や表面粗さを調整してもよい。
【0017】次に、本発明のローラRが装着された画像
形成装置について説明する。図6はローラRを転写ロー
ラとして装着した画像形成装置の概要を示す説明図であ
る。図6において、10は表面に酸化アルミニウム等の
誘電体の薄層を導電性基体上に被膜した像担持体であ
り、矢印方向に回転する。像担持体10の表面にはイオ
ンヘッド11からの制御されたイオン流により、画像情
報に対応した静電潜像が形成される。イオンヘッド11
は、その内部に空気を供給するコンプレッサを付設し
て、像担持体10へのイオンの流れを促進させることが
できる。静電潜像は現像器12により可視化されたトナ
ー像Xに現像される。像担持体10上のトナー像Xは、
ローラRを圧力付与部材とする転写ローラ13により記
録媒体Sに転写される。記録媒体S上の未定着トナー像
Yは定着器14により定着される。転写後の像担持体1
0上のトナーはクリーニング装置15等により清掃・除
電され、像担持体10は初期の状態に戻され、再び上記
各工程を繰り返すことになる。図6には、ローラRを転
写ローラ13として使用する例を図示しているが、定着
装置14を取り除き、転写ローラ13の場合より像担持
体10とのニップ圧を高めて、ローラRを転写定着ロー
ラとして使用することもできる。これらの画像形成装置
によれば、封筒のような厚さが全域にわたって一様でな
い記録媒体Sに対しても、その全域にわたりトナー像X
を転写または転写同時定着することが可能である。
【0018】図7は本発明のローラRを一対の定着ロー
ラとして装着した画像形成装置の概要を示す説明図であ
る。図7に示す画像形成装置においては、定着器以外は
従来の電子写真方式と同様の機器から構成される。すな
わち、図示してない露光装置の他に、矢印方向に回転す
る像担持体(感光体)20の周囲に、帯電器21、現像
器22、コロトロンやバイアスローラ等の転写器23、
クリーニング装置24等が順次配置されている。また、
転写器23に関して記録媒体Sの搬送経路下流側に、ロ
ーラRを一対の加圧ローラ25,26とする定着器27
が配置されている。上記画像形成装置では、常法によ
り、帯電器21により像担持体20表面を一様に帯電
し、露光装置からレーザビーム等の光像を照射して静電
潜像を形成する。静電潜像は現像器22により可視化さ
れたトナー像Xに現像され、トナー像Xは転写器23に
より記録媒体Sに転写される。記録媒体S上の未定着ト
ナー像Yは、定着器27により定着されて定着画像Zが
形成される。転写後の像担持体20上のトナーはクリー
ニング装置24等により清掃・除電され、像担持体20
は初期の状態に戻され、再び上記各工程を繰り返すこと
になる。
【0019】図7には、定着器27の加圧ローラ25,
26としてローラRを使用する例を図示しているが、ロ
ーラRは加圧ローラ25,26のうちの一方のみに使用
することもできる。すなわち、ローラRは、記録媒体S
上の未定着トナー像Yと直接接触するいわゆる定着ロー
ラ、または上記トナー像Yとは反対側の記録媒体S面に
接触するいわゆる圧力ローラのいずれであってもよい。
上記定着ローラとして使用する場合は、前記曲げ剛性特
性が維持される範囲内で、前述したように、ローラRの
表面エネルギーを適当な値とする薄層を表面層3上に形
成することも可能である。ローラRを一対の加圧ローラ
25,26の一方のみまたは双方に装着したいずれの画
像形成装置においても、封筒のような厚さが全域にわた
って一様でない記録媒体Sに対して、その全面にわたり
未定着トナー像Yを永久定着画像Zに定着することが可
能である。
【0020】本発明における画像形成装置は、これらの
方式に限定されるものではなく、例えば前記イオンヘッ
ド(11)に代えてマルチスタイラスヘッド等の静電潜像
形成装置により静電潜像を形成してもよく、また磁気記
録ヘッドにより磁気潜像を形成してこれを磁性トナーで
現像してもよい。さらには、以上の方式で他の像担持体
に一旦形成されたトナー像を転写して、像担持体にトナ
ー像を形成する方式であってもよい。さらに、イエロ
ー,マゼンタ,シアン,黒トナーのうちの2〜4種のト
ナーをそれぞれ収容した複数の現像器を備えたカラー画
像形成装置であってもよい。さらにまた、本発明は、少
なくとも芯材1、中間層2および中間層2より圧縮弾性
率が高い表面層3から構成され、かつ円周方向に比べて
軸方向の曲げ剛性が低い表面層3からなるローラRを像
担持体(10,20)として、その表面に形成されたト
ナー像Xを記録媒体Sに転写、転写同時定着または定着
する方式の画像形成装置に適用することができる。この
場合、表面層3は上記曲げ剛性特性の他に誘電体または
光導電体等の像担持体(10,20)としての特性を兼
ね備えることになるが、後述する本発明の作用を奏する
範囲内で、像担持体(10,20)としての特性を有す
る材料の薄層を表面層3上に形成することも可能であ
る。また、図6に示す像担持体(10)と転写ローラ
(13)または転写定着ローラとの双方をローラRで構
成することも可能である。
【0021】以上の像担持体としては、ローラRを像担
持体とする場合を除いて、像担持ベルトを使用すること
ができる。この場合、像担持ベルトの材質としては、誘
電体ではセラミック,硬質樹脂,金属酸化膜等、光導電
体ではアモルファスシリコン,セレン合金等の耐圧性に
優れた材料が用いられる。また、転写または転写定着の
補助手段として、像担持体と転写器または転写定着装置
との少なくとも一方に熱源を内蔵させるか、あるいはそ
れらの周囲に熱源を配置させることができる。同様に、
定着装置においても、定着補助手段として、定着ローラ
の内部または周囲に熱源を配置させることができる。こ
のような補助手段を設けておくと、転写、転写同時定着
または定着する際に、トナーを加熱しつつ加圧すること
で、より強固にトナー像を記録媒体に付着させることが
可能となる。前記トナー像を形成するトナーは、ワック
ス等の軟質材料を含有する圧力定着性のトナーや、軟質
成分を硬質成分で被覆したマイクロカプセルトナーが使
用される。勿論、ポリ(メタ)アクリル酸エステル,
(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体,ポリ
エステル等の熱可塑性樹脂を含有する熱定着性のトナー
を使用することもできる。この場合、中間層(2)および
表面層(3)の熱伝導性を高めたり、定着ローラの少なく
とも一方に熱源を内蔵させる等の手段が必要である。ト
ナーはまた、磁性または非磁性のいずれでも、キャリア
を用いる二成分現像剤またはキャリアを用いない一成分
現像剤のいずれであってもよい。
【0022】(発明の作用)図8は段差を有する記録媒
体に圧力を印加した時の本発明のローラにおける軸方向
の拡大断面図である。この図8に基づいて本発明の作用
を説明すると下記のとおりである。本発明のローラR
(対をなす図中の符号25,26;10,13の少なく
とも一方を示す)は、中間層2より圧縮弾性率の高い表
面層3がローラRの円周方向に比べて軸方向の曲げ剛性
が低い。そのため、圧力に関してみれば、ローラRの表
面層3は円周方向の扁平変形が少ないので、転写または
定着する際に充分な圧力をトナー像(Y,X)に印加する
ことができる。また同時に、軸方向の曲げに関してみれ
ば、記録媒体Sの段差近傍では、ローラRの表面層3は
記録媒体Sの段差に追随して軸方向に変形する。その結
果、トナー像(Y,X)を定着または転写する点からみれ
ば、段差近傍に圧力がかからない領域は無視できる長さ
になる。したがって、封筒等の厚さが全域にわたって一
様でない記録媒体Sへも、圧力の印加により記録媒体S
全域にわたりトナー像(Y,X)を有効に定着あるいは転
写または転写同時定着することが可能となる。
【0023】本発明の実施態様によれば、図2に示す前
記表面層3の内面に連続した螺旋状の溝(3a)または複
数の環状の溝(3a)を形成したことにより、溝(3a)の
底部に応力が集中するので、表面層3は円周方向に比べ
て軸方向の曲げ変形が大きくなる。したがって、この発
明のローラRを画像形成装置の転写装置または定着装置
に適用した場合、圧力の印加により記録媒体S全域にわ
たりトナー像(X,Y)を有効に転写、転写同時定着また
は定着することが可能となる。また、円周方向の曲げ剛
性を増加させるよう、繊維Fを配向させた図3に示す異
方性の繊維強化型樹脂で前記表面層3を構成したことに
より、ローラRの円周方向に比べて軸方向の曲げ剛性が
低くなる。したがって、上述と同様の作用を奏する。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 図9は本発明を実施するための画像形成装置(静電記録
装置)の全体図である。この画像形成装置U1 本体内部
には、矢印方向に回転する像担持体31が配置されてい
る。像担持体31は導電性アルミニウム基体31a上に
酸化アルミニウムの誘電体層31bを被膜したドラムか
らなる。この像担持体31表面に近接してイオンヘッド
32が配置されている。イオンヘッド32のシールド内
には、高圧電源33と接続してイオンを発生するワイヤ
ー34が張架されている。像担持体31とイオンヘッド
32との間には、それぞれに間隔を介して変調電極部材
35が配設されている。変調電極部材35は、像担持体
31の軸方向に沿って多数の電極を並設した櫛形のイオ
ン流変調電極36aおよびこれに対向して配置された単
一の対向電極36bと、これらの電極36a,36bを
それぞれ固定する絶縁基板37a,37bとから構成さ
れる。絶縁基板37aの外方(図中の右側)端部に延び
るイオン流変調電極36aには、画像信号出力回路38
が接続していて、出力回路38から画像信号に応じたパ
ルス信号が変調電極36aに出力される。また、像担持
体の導電性基体31aはイオン取り出し量を増加させる
ための直流電源39と接続している。
【0025】上記像担持体31の周囲には、イオンヘッ
ド32からドラム回転方向に向けて順次、層規制部材4
0aが付設された現像ロール40bおよびマイクロカプ
セルトナー等を収容した現像器40、現像器40により
像担持体31上に形成されたトナー像Xを記録媒体Sに
転写定着させる圧力付与部材としての転写定着ローラ4
1を有する転写定着装置42、像担持体31上の残留ト
ナーを除去するためのクリーニングブレード43aを有
するクリーナ43、および像担持体31上の残留電荷を
除去するための除電器44が配置されている。上記転写
定着ローラ41は、ローラRが使用され、表面層(3)内
面に図2に示す螺旋状の溝(3a)が穿設されている。上
記転写定着装置42は下記のように構成されている。す
なわち、ローラ41の軸芯となる芯材1の両端部(1a,
1a)は、ローラ支持アーム45により回動自在に支持さ
れている。支持アーム45は、画像形成装置U1 のフレ
ーム(図示せず)に支持された揺動軸46回りに揺動自
在に支持されている。上記ローラ41表面は、ローラ支
持アーム45と画像形成装置U1 のフレームとの間に設
けられた引張バネ47により、所定の圧力で像担持体3
1側に押圧されている。なお、ローラ41に加えられる
線圧は、記録媒体SとしてA4普通紙を選択した場合
に、記録媒体S全面にわたって充分な転写定着性が得ら
れるよう20N/mmに設定している。
【0026】さらに、画像形成装置U1 本体一側下部に
は、記録媒体Sを収容する挿脱自在の給紙トレイ48が
配置されている。給紙トレイ48の上方には記録媒体搬
出部材としての給紙ローラ49が配置されている。この
給紙ローラ49と前記転写定着装置42との間には、上
下一対のガイドプレートにより構成されたシュート部材
50が設けられている。上記転写定着装置42のローラ
41と像担持体31とが対向する転写定着領域の下流側
には、ガイド51および一対の排出ローラ52が配置さ
れている。また、画像形成装置U1 本体外他側部には、
排出ローラ52から搬出される記録媒体Sを載置する排
出トレイ53が配置されている。
【0027】本実施例の転写定着ローラ41の材質につ
いては、芯材1が鋼鉄、中間層(2)が圧縮弾性率10N
/mm2 のEPDMゴム、および表面層(3)が圧縮弾性
率330N/mm2 のポリエーテルエステルエラストマ
ーで構成されている。また、像担持体31の外径は40
mmであり、ローラ41の外径は30mm、その有効長
は230mmであり、中間層(2)の厚さは3mm、表面
層(3)の厚さは2mmである。表面層(3)の内面に穿設
された螺旋状の溝(3a)は、幅が0.5mm、深さが
0.5mm、間隔が2mmである。
【0028】(実施例1の作用)高圧電源33からワイ
ヤー34に電圧を印加すると、コロナ放電によってイオ
ンが発生する。発生したイオンは、直流電源39に接続
する像担持体の導電性基体31aとイオンヘッド32の
シールドとの間に形成された電界により、イオン流とな
ってシールドの開口から流出し、像担持体31表面に移
動する。この際、シールドの開口部に配設されたイオン
流変調電極36aとその対向電極36b間の電位差によ
り発生する電界の作用によって、イオン流は画像信号出
力回路38からのパルス信号に応じて変調され、画像情
報に対応した静電潜像が像担持体31上に形成される。
像担持体31表面に形成された静電潜像は、現像器40
に収容されたマイクロカプセルトナーにより現像されて
可視化され、像担持体31上にトナー像Xが形成され
る。この現像工程においては、マイクロカプセルトナー
は、現像ロール40bの回転より搬送されながら層規制
部材40aで摺擦されて薄層化されると共に、上記イオ
ン流とは逆極性に摩擦帯電される。一方、給紙トレイ4
7に収容された記録媒体Sが、前記画像信号出力回路3
8からの変調信号(パルス信号)の出力にタイミングを
合わせて前記転写定着領域に搬送される。転写定着領域
において、像担持体31上のトナー像Xは、前記転写定
着ローラ41により、記録媒体Sに転写されると同時に
定着されて定着画像Zが形成される。定着画像Zが形成
された記録媒体Sは、ガイド51に沿って排出ローラ5
2から排出トレイ53に搬出される。転写定着後、像担
持体31表面に残留したトナーはブレード43aにより
機械的に掻き落とされ、除電器44により像担持体31
上の残留電荷が除去されて1つの画像形成サイクルが終
了する。
【0029】(転写定着試験)実施例1の画像形成装置
U1 における前記転写定着ローラ41に加えられる線圧
を変化させて、記録媒体Sとして封筒( Monroe Brand
10)(E)にトナー像Xを転写同時定着した。形成された
定着画像について、定着性と段差部での画像抜けを評価
した。その結果を表1に示す。定着性の評価は、一般に
知られたテープ剥離テストにより行った。テープ剥離テ
ストの結果は、テープ剥離後の画像濃度をテープ剥離前
の画像濃度で除した百分率表記である。また、段差部で
の画像抜けは、試験者の目視による官能評価により行っ
た。
【表1】 定着性(テープ剥離テスト) ○ … 80%以上 △ … 50%以上80%未満 × … 50%未満
【0030】表1から明らかなように、上記線圧を20
N/mm以上に高めると、封筒(E)の全面にわたって良
質の定着画像Zを形成することができた。しかも、印字
面に紙の重なり枚数の差があるにもかかわらず、段差付
近においても画像抜け等の画像欠陥が発生しなかった。
この転写定着試験結果について考察してみると、転写定
着装置42に装着された本実施例のローラ41は、表面
層(3)の圧縮弾性率が中間層(2)よりかなり高く、しか
も螺旋状の溝(3a)が表面層(3)の内面に穿設されてい
る。そのため、封筒(E)の搬送方向と直交する方向に圧
力を印加した状態では、前述したように、溝(3a)の底
部に応力が集中するようになり、ローラ41の表面層
(3)は円周方向に比べて軸方向の曲げ変形が大きくな
る。したがって、封筒(E)の段差付近においては、転写
定着ローラ41表面が段差に対応して軸方向に変形する
と共に円周方向の変形が比較的小さいため、圧力が段差
の低い部分にも充分に印加される。このようにして、ト
ナー像Xが封筒(E)全域にわたって有効に転写同時定着
された。
【0031】実施例2 図10は本発明を実施するための別の画像形成装置(電
子写真装置)の全体図であって、図9に示す構成部材と
同じ部材には同一の符号を付記している。本実施例の画
像形成装置U2 は、前記実施例1に示した画像形成装置
U1 とは、静電潜像形成手段(31〜39)の他に、転
写定着装置42をそれぞれ別体の転写コロトロン(転写
器)と前記ガイド51の下流側に配置した定着装置とに
分割した点で相違する。定着装置を構成する一対のロー
ラとしては本発明のローラRが使用される。画像形成装
置U2 内には、アルミニウム製円筒部材表面にアモルフ
ァスシリコン膜を着膜した感光性の像担持体61が配置
されている。像担持体61は矢印方向に回転可能であ
り、その表面近傍には、像担持体61表面を一様に帯電
させるための帯電器62が配置されている。帯電器62
により帯電された像担持体61表面には、その回転方向
下流側においてレーザ書込装置63により静電潜像が書
き込まれるようになっている。これらの符号61〜63
で示された構成部材から上記静電潜像形成手段が構成さ
れている。
【0032】レーザ書込装置63は、レーザ光源として
の半導体レーザ発振器64、発振器64からのレーザビ
ームLを集光してそれを平行化するコリメートレンズ6
5、コリメートレンズ65からのレーザビームLを走査
方向に偏向させるポリゴンミラー66、偏向されたレー
ザビームLを像担持体61上に結像照射させる凸レンズ
67、およびポリゴンミラー66の面倒れを補正するシ
リンドリカルミラー68等から構成されている。また、
上記像担持体61の周囲には、その回転方向に向けて帯
電器62から順次、レーザ書込領域、前記現像器40、
現像器40により像担持体61上に形成されたトナー像
Xを記録媒体Sに転写させるための転写コロトロン6
9、前記クリーナ43および除電器44が配置されてい
る。
【0033】さらに、画像形成装置U2 本体一側下部に
は、前記給紙トレイ48、給紙ローラ49およびシュー
ト部材50が配置されている。上記転写コロトロン69
と像担持体61とが対向する転写領域の下流側には、前
記ガイド51、定着装置70および前記一対の排出ロー
ラ52が配置されている。また、画像形成装置U2 本体
外他側部には前記排出トレイ53が配置されている。上
記定着装置70には、表面層(3)が共に図3に示す繊維
強化型樹脂で構成された一対の加圧ローラ(ローラR)
71,72が装着されている。なお、定着装置70は、
前記実施例1の転写定着装置42と同様の押圧機構を備
えていて、加圧ローラ71に加圧ローラ72が20N/
mmの線圧で押圧するようになっている。本実施例の加
圧ローラ71,72の材質については、共に芯材1が鋼
鉄、中間層(2)が圧縮弾性率10N/mm2 のEPDM
ゴム、および表面層(3)が配向率80%以上のガラス繊
維を5wt%混入した圧縮弾性率150N/mm2 のポ
リエステルで構成されている。そして、像担持体61の
外径は40mmであり、ローラ71,72の外径は共に
30mm、その有効長は230mmであり、中間層(2)
の厚さは3mm、表面層(3)の厚さは2mmである。
【0034】(実施例2の作用)帯電器62により像担
持体61表面を一様に帯電させた後、レーザー書込装置
63からの画像信号に応じてレーザービームLを照射さ
せて静電潜像を形成する。像担持体61表面に形成され
た静電潜像は、次いで現像器40によりマイクロカプセ
ルトナーで現像されて可視化され、像担持体61上にト
ナー像Xが形成される。一方、給紙トレイ48に収容さ
れた記録媒体Sが、前記レーザ書込装置63の書込動作
とタイミングを合わせて前記転写領域に搬送される。転
写領域において、像担持体61上のトナー像Xは、転写
コロトロン69により記録媒体Sに転写されて未定着画
像Yが形成される。未定着画像Yは、定着装置70にお
いて、一対の加圧ローラ71,72により加圧されて定
着画像Zが形成される。転写後、像担持体61表面に残
留したトナーはブレード43aにより機械的に掻き落と
され、除電器44により像担持体61上の残留電荷が除
去されて1つの画像形成サイクルが終了する。
【0035】(定着試験)実施例2の画像形成装置U2
において、前記ローラ72からローラ71への線圧を5
〜25N/mmの範囲で変化させて、実施例1と同じ封
筒(E)を用いて未定着画像Yを定着したところ、実施例
1と同様の結果が得られた。すなわち、封筒(E)全面に
わたって良質の定着画像Zが形成されると共に、段差付
近においても画像抜け等の画像欠陥が発生しなかった。
この定着試験結果について考察してみると、本実施例の
加圧ローラ71,72は、表面層(3)の圧縮弾性率が中
間層(2)よりかなり高く、しかもローラの円周方向に繊
維(F)の大部分が配向した異方性の繊維強化型樹脂で表
面層(3)が構成されている。したがって、加圧ローラ7
1,72の表面層(3)は円周方向に比べて軸方向の曲げ
変形が大きくなっている。そのため、封筒(E)の搬送方
向と直交する方向に圧力を印加した状態では、前記実施
例1と同様に、一方の加圧ローラ72の表面が封筒(E)
の段差に対応して軸方向に変形すると共に円周方向の変
形が比較的小さいため、圧力が段差の低い部分にも充分
に印加される。他方の加圧ローラ71の表面も上記ロー
ラ72とほぼ同様に作用するので、トナー像Xが封筒
(E)全域にわたって一層有効に定着される。
【0036】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載された範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、実施例1の画像形成装置(U1)では、本発明の
画像形成装置用ローラを転写定着ローラ(41)に適用し
た例を示したが、図6に示すように、転写定着装置(4
2)を転写器と定着器とに分割して、本発明のローラを
転写ローラとして使用することもできる。また、実施例
2の画像形成装置(U2)では、本発明のローラを一対の
加圧ローラ(71,72)に適用した例を示したが、本発
明のローラをこれらの加圧ローラ(71,72)のいずれ
か一方に使用しても、同様の作用を奏する。さらに、実
施例1と実施例2とに示した静電潜像形成手段が互いに
逆の関係にあっても、本発明のローラはそれぞれの実施
例に示した作用と同様の作用を奏する。
【0037】
【発明の効果】本発明の画像形成装置用ローラは、記録
媒体に接触するローラの表面層が、その軸方向の曲げ剛
性を円周方向より低く、かつ圧縮弾性率を下層の中間層
より高くした部材で構成されている。そのため、本発明
のローラによれば、トナー像の転写または定着時に、紙
の重なり枚数に差のある記録媒体の段差近傍でもトナー
像に充分圧力を印加することができ、転写不良や定着不
良を回避することができる。したがって、封筒のような
厚さが全域にわたって一様でない記録媒体に対しても、
その全域にわたってトナー像を有効に転写、転写同時定
着または定着することができる。また、表面層を異方性
の繊維強化型樹脂で構成した場合は、複雑な機械加工を
加えることなく、所望の曲げ剛性特性を有する本発明の
ローラを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す画像形成装置用ロー
ラの断面図である。
【図2】 表面層に溝を形成した本発明の画像形成装置
用ローラの説明図であって、図2Aはローラの一部縦断
面図であり、図2Bは表面層の一部断面図である。
【図3】 繊維強化型樹脂で構成された表面層の一部を
拡大して示す本発明の画像形成装置用ローラの斜視図で
ある。
【図4】 本発明の別の実施例を示す画像形成装置用ロ
ーラの断面図である。
【図5】 本発明のさらに別の実施例を示す画像形成装
置用ローラの断面図である。
【図6】 本発明のローラを転写ローラとして装着した
画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図7】 本発明のローラを一対の定着ローラとして装
着した画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図8】 段差を有する記録媒体に圧力を印加した時の
本発明の作用を説明するためのローラ軸方向の拡大断面
図である。
【図9】 本発明を実施するための画像形成装置の全体
図である。
【図10】 本発明を実施するための別の画像形成装置
の全体図である。
【図11】 紙の重なり具合を示す封筒の裏面図であ
る。
【図12】 ローラ一般の斜視図である。
【図13】 図13A〜Cは、それぞれ芯材の被覆層が
異なる従来の加圧ローラにより封筒に圧力を印加した時
のローラ軸方向の拡大断面図である。
【図14】 図13AのXIV−XIV線断面図である。
【符号の説明】
R…画像形成装置用ローラ、S…記録媒体、X,Y…ト
ナー像、Z…定着画像、1…芯材、2…中間層、3…表
面層、10,20,31,61…像担持体、13…転写
ローラ、25,26,71,72…加圧ローラ、41…
転写定着ローラ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに圧接した状態で、記録媒体を搬送
    しながら像担持体または記録媒体上に形成されたトナー
    像を転写、転写定着または定着する一対の円筒状回転部
    材のうちの少なくとも一方に用いられ、該円筒状回転部
    材は芯材、中間層および該中間層より圧縮弾性率が高い
    表面層から少なくとも構成され、該表面層は、互いに直
    交する方向で曲げ剛性が異なり、上記回転部材の円周方
    向に比べて軸方向の曲げ剛性が低いことを特徴とする画
    像形成装置用ローラ。
  2. 【請求項2】 前記中間層との境界面側の前記表面層内
    面に連続した螺旋状の溝または複数の環状の溝を形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置用ロー
    ラ。
  3. 【請求項3】 前記表面層が、樹脂中に繊維を含有した
    繊維強化型樹脂で構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の画像形成装置用ローラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000352892A (ja) * 1999-06-14 2000-12-19 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2007292844A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Ricoh Co Ltd 転写装置及び画像形成装置
KR102132818B1 (ko) * 2019-05-03 2020-07-13 김병하 복합재 롤러

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