JP2004184950A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム定着装置におけるオフセット対策を目的とする画像形成装置の提供。
【解決手段】定着尾引き対策として、バイアスを定着フィルム〜転写紙〜排紙ローラの経路で流す定着装置で、定着フィルム上に残留する残留電荷を均一化させる均一化部材を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】定着尾引き対策として、バイアスを定着フィルム〜転写紙〜排紙ローラの経路で流す定着装置で、定着フィルム上に残留する残留電荷を均一化させる均一化部材を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式・静電記録方式等、適宜の作像プロセスにおける定着装置として像加熱手段を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に画像形成装置の一例の概略構成を示した。本例の画像形成装置は電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタである。
【0003】
100は像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印aの時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0004】
101は帯電装置(本例では帯電ローラ)であり、回転する感光ドラム100の外周面を所定の極性・電位に均一に帯電する。
【0005】
102は露光装置(レーザービームスキャナ)であり、入力する画像信号(時系列電気デジタル画素信号)に応じて変調したレーザー光Lを出力して反射ミラー103を介して回転感光ドラム100の均一帯電処理面を走査露光する。この露光により回転感光ドラム100の外周面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0006】
104は現像装置であり、回転感光ドラム100の外周面の静電潜像を現像ローラ105によりトナー像として現像する。
【0007】
106は転写装置(転写ローラ)であり、回転感光ドラム100と該転写装置106のニップ部である転写部Tに不図示の給紙部から所定のタイミングで搬送されてきた用紙などの転写材Pに回転感光ドラム100側のトナー像を静電転写する。
【0008】
107は転写部Tの転写材出口側に転写装置106に隣接させて配設した除電装置(分離帯電装置)であり、転写部Tを通過した転写材部分を回転感光ドラム100面から除電分離する。
【0009】
109は定着装置であり、転写部Tを通過し、回転感光ドラム100面から分離された転写材Pが定着ニップ部Nに搬送導入される。そして転写材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程において転写材上のトナー像が加熱加圧されて永久固着画像として定着される。定着処理を受けた転写材は外部に排出される。
【0010】
110は感光ドラムクリーニング装置であり、転写材分離後の回転感光ドラム100の表面に付着の残留トナー(転写残トナー)を除去する。感光ドラム100はこのクリーニング装置110で清掃されて繰り返して作像に供される。
【0011】
帯電装置101や転写装置106はコロナ帯電器を用いたものもある。定着装置109は、定着ローラ(熱ローラ)と加圧ローラのローラ対等からなるヒートローラ方式、定着フィルム・セラミックヒータ・加圧ローラ等からなるフィルム加熱方式など種々の手段構成のものがある。
【0012】
ヒートローラ方式やフィルム加熱方式の定着方式では、定着器を構成する加圧ローラが、定着時にオフセットしたトナーで汚れる弊害あった。加圧ローラの汚れがある程度蓄積されると、定着時の転写材の反画像側を汚す原因となったり、定着ローラおよび定着フィルムに再度汚れが移り、転写材の画像側の汚れの原因となったりする。
【0013】
こういった弊害を防止するために、定着ローラや定着フィルム、及びこれに当接する加圧ローラの表面粗さを極力小さくしたり、フッ素樹脂などの離型性の高い層を表面に設けたりした。しかし、フッ素樹脂などの離型性の高い物質は抵抗が高いため、フィルムとローラの摺擦により帯電する。この帯電により、オフセットの悪化及び定着器汚れが悪化する傾向にある。
【0014】
また、高温高湿環境では、搬送方向上流に向けて画像の一部が吹き飛ばされる現象がある。吹き飛ばされたトナーは搬送方向上流に0.1〜1mm程度ずれて、画像が尾引いてしまうように見えることから尾引きと呼ばれる髭状の画像不良である。
【0015】
このような弊害を防止するために、定着器の画像面に接する回転体にトナーと同極性のバイアスを印加して排紙ローラをアースにし回転体表層、トナー、転写材、排紙ローラで回路を形成し、回転体表層の抵抗における電圧降下によりトナーに対して転写材方向に力が働くように電界を形成する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平12−338807号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記回路では、回転体表層、トナー、転写材が組み合わさることで、大きなコンデンサー成分(以下合成C成分と表記する)を形成してしまう。
【0018】
通常の転写材のでは、その抵抗値が大きく、回路に流れる電流は数nAと極めて小さいため、上記合成C成分に貯まる電荷も極めて小さいため、回転体表層からトナー、転写材が分離してすぐに放電してしまい不具合を引き起こすことはない。
【0019】
しかし、転写材が抵抗値の低いものであったり、吸湿により転写材の抵抗値が低くなったりしている場合は、数十〜数百nAという大きな電流が上記の回路に流れてしまう。
【0020】
すると合成C成分に蓄えられる電荷は、通常の数十〜数百倍になり、回転体からトナー、転写材が分離しても、回転体表層に電荷が残ってしまう。
【0021】
その電荷が放電するためには、通常時に比べると数十〜数百秒もの長い時間を要する。
【0022】
このときの回転体表層に残っている電荷は、トナーと逆極性の電荷となる。
【0023】
そして、放電に要する時間が長いために、回転体表面に電荷が残った状態で、連続複写時や次ジョブにより定着ニップに転写材とトナーが搬送される場合がある。
【0024】
このとき、回転体表層にはトナーと逆極性の電荷が残っているために、クーロン力によりトナーは回転体表層方向に引き付けられる力を受け、回転体表層に付着してしまい、オフセットするという不具合を引き起こす。
【0025】
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、フィルム定着装置におけるオフセット対策を目的とする画像形成装置を提供する。
【0026】
【課題を解決するための手段】
転写材を像担持体の転写部と定着部を経由させて搬送させ、転写部において像担持体に形成担持させたトナー像を転写手段により転写材に転写させ、一対の回転体により転写材を挟持搬送しつつ加熱して、転写材上のトナー像を定着させる画像形成装置において、定着手段のトナー像に接触する回転体にトナー像と同極性のバイアスを印加する手段と、転写材を排出するための導電性の排紙ローラを有し、上記排紙ローラは接地されており、上記定着手段のトナー像に接触する回転体に、回転体上の長手方向の電荷ムラを均一化する電荷均一手段を有するものである。
【0027】
また、上記電荷均一手段が上記回転体に接触または近接する位置と離間する位置とを持ち、少なくとも転写部に転写材が存在するときは、上記電荷均一手段が離間位置に待機するものである。
【0028】
また、上記電荷均一手段が接地されているものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは、特に特定的な記載が無い限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0030】
【実施例1】
図1〜3を参照して、第1の実施例の形態に係る画像形成装置について説明する。
【0031】
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタである。
【0032】
画像形成装置1の装置本体2は、給送部3、画像形成部4、ミラー6を有する露光装置(レーザービームスキャナ)5、フィルム加熱方式の定着装置7等を備えている。
【0033】
画像形成部4は、像担持体である回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)8と、その周囲に配設した帯電ローラ9、現像ローラ11を有する現像装置10、転写ローラ12、クリーニング装置13を備えている。
【0034】
感光ドラム8は、表面に有機感光体からなる光導電層を有しており、モーターMにより矢印の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0035】
帯電ローラ9は、感光ドラム8を所定の極性、所定の電位に帯電させる。帯電ローラ9には帯電バイアス電源16が接続されており、制御装置15によって帯電バイアス印加が制御される。
【0036】
転写ローラ12は、回転感光ドラム8と該転写ローラ12のニップ部である転写部Tにおいて、現像装置10の現像ローラ11で現像された感光ドラム8上のトナー像を用紙等の転写材Pに転写する。転写ローラ12には、転写バイアス電源17が接続されており、制御装置15によって転写バイアス印加が制御される。
【0037】
転写部Tの転写材出口側には転写ローラ12に隣接させて除電装置(分離帯電装置)としての除電針18を設置してある。
【0038】
転写部Tで画像が転写された転写材Pは、定着装置7へ導かれ、加熱定着される。定着装置7には、電源30よりトナーと同極性のバイアスが、定着装置加熱回転体表面に印可される。また、排紙ローラ19は接地されている。
【0039】
定着装置7の加熱回転体の表面に長手方向の電位均一化部材31が配設されている。
【0040】
次に、上記した画像形成装置1の動作について説明する。
【0041】
画像形成時には、感光ドラム8はモーターMにより回転駆動され、帯電バイアス電源16から帯電ローラ9に印加されたバイアス電位により、感光ドラム8の表面が負極性の所定電位に帯電される。
【0042】
そして、帯電処理された感光ドラム8表面に露光装置5からミラー6を介してレーザービームによる画像走査露光Lが与えられ、入力される画像情報に応じて画像部の電荷を除去した形の静電潜像が形成される。
【0043】
この感光ドラム8表面の静電潜像には、現像装置10で反転現像法によってこの静電潜像と同極性の負に帯電されたトナーが現像ローラ11から付着され、トナー画像として現像される。
【0044】
そして、感光体8の表面のトナー画像が転写ローラ12と感光ドラム8との間の転写部Tに到達すると、このタイミングに合わせて、給送部3の給紙カセット22から用紙などの転写材Pが給紙ローラ23で給紙され、レジストローラ24等を含むシートパス25を通して転写ニップ部Tに搬送され、転写ローラ12により転写材Pの裏側にトナーと逆極性(正極性)の電荷が付与されて、表面側に感光ドラム8表面のトナー画像が転写される。
【0045】
転写部Tを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、転写部Tの転写材出口側において、除電電源20から転写ローラ12とは逆極性(負極性)の電荷が付与された除電針18により除電されて感光ドラム8から分離される。
【0046】
その後、転写材Pは定着装置7の定着ニップ部Nに搬送導入され、定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程において転写材上のトナー像が加熱加圧されて永久固着画像として定着される。定着処理を受けた転写材はシートパス27を通して、外部の排紙トレイ28に排出される。
【0047】
一方、転写材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム8表面は、その表面がクリーニング装置13によって残留トナーやその他の付着物が除去されてクリーニングされ、同様にして上記したプロセスを繰り返す。
【0048】
本実施例において、定着装置7はフィルム加熱方式のものを使用している。フィルム加熱方式の定着装置は、固定支持された加熱体と、この加熱体と摺動するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と定着ニップ部を形成する加圧部材(加圧ローラ)と、を有し、定着ニップ部のフィルムと加圧部材の間で被加熱材としての転写材が挟持搬送され、フィルムを介した加熱体からの熱により転写材が加熱される装置である。
【0049】
このようなフィルム加熱方式の定着装置は、所謂セラミックヒータなどの昇温の速い低熱容量の加熱体や薄膜のフィルムを用いることができるために短時間に加熱体の温度が上昇し、待機中に加熱体の通電加熱を行う必要がなくなり、被加熱材としての転写材をすぐに通紙しても転写材が定着部位に到達するまでに加熱体を所定温度まで十分に昇温させることができ、従来の接触加熱方式である熱ローラ方式やベルト加熱方式等の装置に比べて省電力化やウエイトタイムの短縮化(クイックスタート性)が可能となる画像形成装置等の本機の機内昇温を低めることができる等の利点を有し、効果的なものである。
【0050】
本例の定着装置7は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示の所謂テンションレスタイプの装置である。テンションレスタイプの装置は耐熱性フィルムとしてエンドレスベルト状もしくは円筒状のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧部材の回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
【0051】
図2において、75は加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)、72は横断面略半円弧状樋型のヒータ支持部材、73は円筒状の耐熱性フィルム(定着フィルム)、74は弾性加圧部材としての弾性加圧ローラである。
【0052】
ヒータ75は支持部材76の下面の略中央部に支持部材長手に沿って設けた溝部内に表面側を下向きに露呈させて嵌入して固定支持させてある。
【0053】
円筒状フィルム74は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。
【0054】
本実施例におけるフィルムは厚さ50μmのポリイミドフィルムの外周表面をプライマー層を介して、厚さ9μmのPFAでコートしている。
【0055】
そしてこの円筒状フィルム74をヒータ75を含む支持部材76に外嵌させてある。この円筒状フィルム74の内周長とヒータ75を含む支持部材76の外周長はフィルム74の方を例えば3mm程度大きくしてあり、したがってフィルム74は周長が余裕を持って外嵌している。
【0056】
弾性加圧ローラ73はヒータ75との間にフィルム74を挟んで定着ニップ部Nを形成し、かつフィルム74を回転駆動させるフィルム外面接触駆動手段である。
【0057】
この加圧ローラ72は駆動手段により矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ72の回転駆動による該ローラ72の外面とフィルム74の外面との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力で円筒状フィルム74に回転力が作用して、該フィルム74がその内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ75の下向き表面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ72の回転周速度に略対応した周速度をもって支持部材76の外回りを回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0058】
支持部材76はヒータ75を保持するとともにフィルム74の回転時の搬送安定性を図るフィルムガイドの役目もしている。
【0059】
而して、加圧ローラ72が回転駆動され、それに伴って円筒状フィルム74が支持部材76の外回りを回転し、ヒータ75に通電がなされて該ヒータ75の発熱で定着ニップ部Nの温度が所定に立ち上って温調された状態において、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した転写材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて転写材Pのトナー像担持面側がフィルム74の外面に密着してフィルム74と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0060】
この挟持搬送過程において、ヒータ75の熱がフィルム74を介して転写材Pに付与され、転写材P上の未定着トナー像が加熱加圧定着される。
【0061】
転写材Pは定着ニップ部Nを通過するとフィルム74の外面から曲率分離して排紙ローラ19に搬送される。
【0062】
フィルム74のプライマー層742には、電源30より−600Vの電圧が印加されており、フィルム74の表面層743はトナーと同極性の−600Vの電位に保たれている。
【0063】
その状態で転写材Pが排紙ローラ19に接すると、図3に示したような回路が形成される。各々の抵抗値はRp=108〜1010Ωcm,Rfp+Rft=105Ωcm,Rg=104Ωcm程度である。
【0064】
通常転写材の抵抗値Rpは1010Ωcm程度のものが多数であるが、低抵抗の転写材や転写材が吸湿し抵抗値Rpが108Ωcm程度になる。
【0065】
コンデンサー成分Cftに貯まる電荷は電圧が印加されている時間が等しければ、直列に接続されている抵抗値の大きさで決定され、抵抗値が大きいほど電荷は小さく、抵抗値が小さいほど電荷は大きくなる。
【0066】
つまり、転写材が通常の抵抗値である1010Ωcmの時にくらべ、抵抗値が108Ωcmと小さい時の方が大きな電荷が貯まってしまう。
【0067】
コンデンサー成分Cftに貯まった電荷は、定着ニップNからでて転写材がフィルム74から分離すると、マイナスの電荷は転写材P上に、プラスの電荷はフィルム74上に残留する。
【0068】
転写材の抵抗値が通常程度の大きささである場合は、貯まる電荷が小さいため、フィルム74上の残留電荷はすぐに放電してしまうが、転写材の抵抗値が低い場合は貯まる電荷が大きいため、残留電荷は通常時にくらべ放電しにくく、長時間フィルム74上に存在する。
【0069】
その状態で、次の未定着のマイナスに帯電したトナーがフィルム74に接触すると、転写材Pに定着するよりも大きなクーロン力によりフィルム74に押し付けられオフセットが発生する。
【0070】
そのため本実施例においては、図2に示した通りフィルム74の表面に接触して長手方向電荷均一化部材31が(本実施例の図では除電ブラシ)設置されており、フィルムのコンデンサー成分に電荷が解消され、フィルム74上に残留電荷が存在しなくなるので、未定着のトナーが定着ニップNにおいてフィルム74に接触しても、フィルム74方向にトナーを押し付けるクーロン力が発生しないため、オフセットが発生しない。
【0071】
これにより、抵抗値の低い転写材であってもオフセットの発生しない良好な画像形成装置が提供できる。
【0072】
フィルム表面の電荷を除電・均一化するものであれば、本実施例のように電荷均一化部材31は、ブラシ形状の物の必要なく、たとえば針形状のものでも良い。また、電荷均一部材31がフィルム74の表面に必ずしも接触する必要がなく、充分に近接されており、除電・均一化効果が発揮されれば良いことは明らかである。
【0073】
【実施例2】
実施例1においては、電荷均一化部材31は定着フィルム74に対して常時、定着フィルム表面を除電(均一化)するために、接触させているが、定着動作に伴い微量に発生するオフセットトナーあるいは、転写材Pから発生する紙粉により、徐々に電荷均一化部材31のブラシ部分が汚れ、電荷均一化部材31の効果が弱まり、画像形成動作を繰り返すと、定着フィルム74上の電荷不均一が発生し、オフセットが発生するおそれがある。
【0074】
電荷均一部材31を接触タイプから非接触(近接)タイプにする事により、ある程度の延命は可能であるが、接触タイプに比較して、電荷の均一化効果が弱くなるので十分な効果を得るためには、位置精度を厳しく管理する必要があり、また、完全に定着動作中に発生する微量のオフセット・紙粉の影響を受けない状態に維持する事はむずかしい。
【0075】
本実施例では、図4に示す様に電荷均一化部材31を可動とし、ブラシ部が定着フィルム74と接触または近接する位置Aとブラシ部が、定着フィルム74と充分に離間し、均一化効果は望めないが、定着フィルム74上のオフセットトナーあるいは紙粉が電荷均一部材31に付着する位置Bの2カ所に選択的に位置取りできる様に構成されている。
【0076】
少なくとも転写材Pが定着ニップN内にあり、電荷均一化部材31部に定着動作の伴う汚れオフセットトナーおよび紙粉が付着する可能性のある時は、離間位置Bへ電荷均一化部材31を待機させ、転写部材Pがニップ内を抜けた後、少なくとの定着フィルム74を一周させ、定着フィルム74上の付着物を定着フィルム74の表層743と加圧ローラ73の表面の離型性差により加圧ローラ73側に転移させた後、電荷均一化部材31を稼働ポジションである位置Aへ移動し、定着フィルム74上の電荷の不均一を解消し、残存電荷によるオフセットの発生を防止し、さらに、画像形成動作を長期にわたって継続しても、初期の性能を維持する事ができる効果がある。
【0077】
【実施例3】
前述の実施例では、電荷均一部材31は特に接地等をせずにフロート電位であったが、電荷均一化の効果を高めるために電荷均一化部材31を接地する事も可能である。
【0078】
そのような実施例を図5をもって説明する。
【0079】
図5で電荷均一化部材31は接地状態に維持されている。このように構成する事により印字部が長く続き、残留電荷が連続して電荷均一化部材31部へ来ても常に安定した除電が可能になり、残留電荷によるオフセットの発生を防止できる。
【0080】
また、実施例2で説明したように電荷均一化部材31を定着動作中は、待機位置Bへ退避させ、非定着動作中にのみ稼働位置Aへ移動することにより、定着動作中にフィルムプライマー層742から印可されるバイアスが電荷均一化部材31へ漏れるの防ぐことができるので、少ない電源30の容量で定着バイアスによる画像尾引を防止できるという効果もある。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は定着尾引き対策の電界形成ようバイアスにより転写材に流れる電流が、抵抗値の低い転写材や環境により転写材の抵抗値が変化し低くなることにより発生する、定着フィルム表面に電荷を電荷均一化部材により、残留電荷を消失する事で、オフセットのない良好な画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る定着装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る定着装置まわりの等価回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る定着装置の概略図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る定着装置の概略図である。
【図6】電子写真プロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
7 定着装置
15 CPU(制御装置)
19 排紙ローラ
30 バイアス印加用電源
31 電荷均一化部材
73 加圧ローラ
74 定着フィルム(円筒状フィルム)
75 ヒータ
76 ヒータ支持部材
742 プライマー層
N ニップ
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式・静電記録方式等、適宜の作像プロセスにおける定着装置として像加熱手段を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に画像形成装置の一例の概略構成を示した。本例の画像形成装置は電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタである。
【0003】
100は像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印aの時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0004】
101は帯電装置(本例では帯電ローラ)であり、回転する感光ドラム100の外周面を所定の極性・電位に均一に帯電する。
【0005】
102は露光装置(レーザービームスキャナ)であり、入力する画像信号(時系列電気デジタル画素信号)に応じて変調したレーザー光Lを出力して反射ミラー103を介して回転感光ドラム100の均一帯電処理面を走査露光する。この露光により回転感光ドラム100の外周面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0006】
104は現像装置であり、回転感光ドラム100の外周面の静電潜像を現像ローラ105によりトナー像として現像する。
【0007】
106は転写装置(転写ローラ)であり、回転感光ドラム100と該転写装置106のニップ部である転写部Tに不図示の給紙部から所定のタイミングで搬送されてきた用紙などの転写材Pに回転感光ドラム100側のトナー像を静電転写する。
【0008】
107は転写部Tの転写材出口側に転写装置106に隣接させて配設した除電装置(分離帯電装置)であり、転写部Tを通過した転写材部分を回転感光ドラム100面から除電分離する。
【0009】
109は定着装置であり、転写部Tを通過し、回転感光ドラム100面から分離された転写材Pが定着ニップ部Nに搬送導入される。そして転写材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程において転写材上のトナー像が加熱加圧されて永久固着画像として定着される。定着処理を受けた転写材は外部に排出される。
【0010】
110は感光ドラムクリーニング装置であり、転写材分離後の回転感光ドラム100の表面に付着の残留トナー(転写残トナー)を除去する。感光ドラム100はこのクリーニング装置110で清掃されて繰り返して作像に供される。
【0011】
帯電装置101や転写装置106はコロナ帯電器を用いたものもある。定着装置109は、定着ローラ(熱ローラ)と加圧ローラのローラ対等からなるヒートローラ方式、定着フィルム・セラミックヒータ・加圧ローラ等からなるフィルム加熱方式など種々の手段構成のものがある。
【0012】
ヒートローラ方式やフィルム加熱方式の定着方式では、定着器を構成する加圧ローラが、定着時にオフセットしたトナーで汚れる弊害あった。加圧ローラの汚れがある程度蓄積されると、定着時の転写材の反画像側を汚す原因となったり、定着ローラおよび定着フィルムに再度汚れが移り、転写材の画像側の汚れの原因となったりする。
【0013】
こういった弊害を防止するために、定着ローラや定着フィルム、及びこれに当接する加圧ローラの表面粗さを極力小さくしたり、フッ素樹脂などの離型性の高い層を表面に設けたりした。しかし、フッ素樹脂などの離型性の高い物質は抵抗が高いため、フィルムとローラの摺擦により帯電する。この帯電により、オフセットの悪化及び定着器汚れが悪化する傾向にある。
【0014】
また、高温高湿環境では、搬送方向上流に向けて画像の一部が吹き飛ばされる現象がある。吹き飛ばされたトナーは搬送方向上流に0.1〜1mm程度ずれて、画像が尾引いてしまうように見えることから尾引きと呼ばれる髭状の画像不良である。
【0015】
このような弊害を防止するために、定着器の画像面に接する回転体にトナーと同極性のバイアスを印加して排紙ローラをアースにし回転体表層、トナー、転写材、排紙ローラで回路を形成し、回転体表層の抵抗における電圧降下によりトナーに対して転写材方向に力が働くように電界を形成する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平12−338807号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記回路では、回転体表層、トナー、転写材が組み合わさることで、大きなコンデンサー成分(以下合成C成分と表記する)を形成してしまう。
【0018】
通常の転写材のでは、その抵抗値が大きく、回路に流れる電流は数nAと極めて小さいため、上記合成C成分に貯まる電荷も極めて小さいため、回転体表層からトナー、転写材が分離してすぐに放電してしまい不具合を引き起こすことはない。
【0019】
しかし、転写材が抵抗値の低いものであったり、吸湿により転写材の抵抗値が低くなったりしている場合は、数十〜数百nAという大きな電流が上記の回路に流れてしまう。
【0020】
すると合成C成分に蓄えられる電荷は、通常の数十〜数百倍になり、回転体からトナー、転写材が分離しても、回転体表層に電荷が残ってしまう。
【0021】
その電荷が放電するためには、通常時に比べると数十〜数百秒もの長い時間を要する。
【0022】
このときの回転体表層に残っている電荷は、トナーと逆極性の電荷となる。
【0023】
そして、放電に要する時間が長いために、回転体表面に電荷が残った状態で、連続複写時や次ジョブにより定着ニップに転写材とトナーが搬送される場合がある。
【0024】
このとき、回転体表層にはトナーと逆極性の電荷が残っているために、クーロン力によりトナーは回転体表層方向に引き付けられる力を受け、回転体表層に付着してしまい、オフセットするという不具合を引き起こす。
【0025】
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、フィルム定着装置におけるオフセット対策を目的とする画像形成装置を提供する。
【0026】
【課題を解決するための手段】
転写材を像担持体の転写部と定着部を経由させて搬送させ、転写部において像担持体に形成担持させたトナー像を転写手段により転写材に転写させ、一対の回転体により転写材を挟持搬送しつつ加熱して、転写材上のトナー像を定着させる画像形成装置において、定着手段のトナー像に接触する回転体にトナー像と同極性のバイアスを印加する手段と、転写材を排出するための導電性の排紙ローラを有し、上記排紙ローラは接地されており、上記定着手段のトナー像に接触する回転体に、回転体上の長手方向の電荷ムラを均一化する電荷均一手段を有するものである。
【0027】
また、上記電荷均一手段が上記回転体に接触または近接する位置と離間する位置とを持ち、少なくとも転写部に転写材が存在するときは、上記電荷均一手段が離間位置に待機するものである。
【0028】
また、上記電荷均一手段が接地されているものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは、特に特定的な記載が無い限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0030】
【実施例1】
図1〜3を参照して、第1の実施例の形態に係る画像形成装置について説明する。
【0031】
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタである。
【0032】
画像形成装置1の装置本体2は、給送部3、画像形成部4、ミラー6を有する露光装置(レーザービームスキャナ)5、フィルム加熱方式の定着装置7等を備えている。
【0033】
画像形成部4は、像担持体である回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)8と、その周囲に配設した帯電ローラ9、現像ローラ11を有する現像装置10、転写ローラ12、クリーニング装置13を備えている。
【0034】
感光ドラム8は、表面に有機感光体からなる光導電層を有しており、モーターMにより矢印の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0035】
帯電ローラ9は、感光ドラム8を所定の極性、所定の電位に帯電させる。帯電ローラ9には帯電バイアス電源16が接続されており、制御装置15によって帯電バイアス印加が制御される。
【0036】
転写ローラ12は、回転感光ドラム8と該転写ローラ12のニップ部である転写部Tにおいて、現像装置10の現像ローラ11で現像された感光ドラム8上のトナー像を用紙等の転写材Pに転写する。転写ローラ12には、転写バイアス電源17が接続されており、制御装置15によって転写バイアス印加が制御される。
【0037】
転写部Tの転写材出口側には転写ローラ12に隣接させて除電装置(分離帯電装置)としての除電針18を設置してある。
【0038】
転写部Tで画像が転写された転写材Pは、定着装置7へ導かれ、加熱定着される。定着装置7には、電源30よりトナーと同極性のバイアスが、定着装置加熱回転体表面に印可される。また、排紙ローラ19は接地されている。
【0039】
定着装置7の加熱回転体の表面に長手方向の電位均一化部材31が配設されている。
【0040】
次に、上記した画像形成装置1の動作について説明する。
【0041】
画像形成時には、感光ドラム8はモーターMにより回転駆動され、帯電バイアス電源16から帯電ローラ9に印加されたバイアス電位により、感光ドラム8の表面が負極性の所定電位に帯電される。
【0042】
そして、帯電処理された感光ドラム8表面に露光装置5からミラー6を介してレーザービームによる画像走査露光Lが与えられ、入力される画像情報に応じて画像部の電荷を除去した形の静電潜像が形成される。
【0043】
この感光ドラム8表面の静電潜像には、現像装置10で反転現像法によってこの静電潜像と同極性の負に帯電されたトナーが現像ローラ11から付着され、トナー画像として現像される。
【0044】
そして、感光体8の表面のトナー画像が転写ローラ12と感光ドラム8との間の転写部Tに到達すると、このタイミングに合わせて、給送部3の給紙カセット22から用紙などの転写材Pが給紙ローラ23で給紙され、レジストローラ24等を含むシートパス25を通して転写ニップ部Tに搬送され、転写ローラ12により転写材Pの裏側にトナーと逆極性(正極性)の電荷が付与されて、表面側に感光ドラム8表面のトナー画像が転写される。
【0045】
転写部Tを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、転写部Tの転写材出口側において、除電電源20から転写ローラ12とは逆極性(負極性)の電荷が付与された除電針18により除電されて感光ドラム8から分離される。
【0046】
その後、転写材Pは定着装置7の定着ニップ部Nに搬送導入され、定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程において転写材上のトナー像が加熱加圧されて永久固着画像として定着される。定着処理を受けた転写材はシートパス27を通して、外部の排紙トレイ28に排出される。
【0047】
一方、転写材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム8表面は、その表面がクリーニング装置13によって残留トナーやその他の付着物が除去されてクリーニングされ、同様にして上記したプロセスを繰り返す。
【0048】
本実施例において、定着装置7はフィルム加熱方式のものを使用している。フィルム加熱方式の定着装置は、固定支持された加熱体と、この加熱体と摺動するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と定着ニップ部を形成する加圧部材(加圧ローラ)と、を有し、定着ニップ部のフィルムと加圧部材の間で被加熱材としての転写材が挟持搬送され、フィルムを介した加熱体からの熱により転写材が加熱される装置である。
【0049】
このようなフィルム加熱方式の定着装置は、所謂セラミックヒータなどの昇温の速い低熱容量の加熱体や薄膜のフィルムを用いることができるために短時間に加熱体の温度が上昇し、待機中に加熱体の通電加熱を行う必要がなくなり、被加熱材としての転写材をすぐに通紙しても転写材が定着部位に到達するまでに加熱体を所定温度まで十分に昇温させることができ、従来の接触加熱方式である熱ローラ方式やベルト加熱方式等の装置に比べて省電力化やウエイトタイムの短縮化(クイックスタート性)が可能となる画像形成装置等の本機の機内昇温を低めることができる等の利点を有し、効果的なものである。
【0050】
本例の定着装置7は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示の所謂テンションレスタイプの装置である。テンションレスタイプの装置は耐熱性フィルムとしてエンドレスベルト状もしくは円筒状のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧部材の回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
【0051】
図2において、75は加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)、72は横断面略半円弧状樋型のヒータ支持部材、73は円筒状の耐熱性フィルム(定着フィルム)、74は弾性加圧部材としての弾性加圧ローラである。
【0052】
ヒータ75は支持部材76の下面の略中央部に支持部材長手に沿って設けた溝部内に表面側を下向きに露呈させて嵌入して固定支持させてある。
【0053】
円筒状フィルム74は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。
【0054】
本実施例におけるフィルムは厚さ50μmのポリイミドフィルムの外周表面をプライマー層を介して、厚さ9μmのPFAでコートしている。
【0055】
そしてこの円筒状フィルム74をヒータ75を含む支持部材76に外嵌させてある。この円筒状フィルム74の内周長とヒータ75を含む支持部材76の外周長はフィルム74の方を例えば3mm程度大きくしてあり、したがってフィルム74は周長が余裕を持って外嵌している。
【0056】
弾性加圧ローラ73はヒータ75との間にフィルム74を挟んで定着ニップ部Nを形成し、かつフィルム74を回転駆動させるフィルム外面接触駆動手段である。
【0057】
この加圧ローラ72は駆動手段により矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ72の回転駆動による該ローラ72の外面とフィルム74の外面との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力で円筒状フィルム74に回転力が作用して、該フィルム74がその内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ75の下向き表面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ72の回転周速度に略対応した周速度をもって支持部材76の外回りを回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0058】
支持部材76はヒータ75を保持するとともにフィルム74の回転時の搬送安定性を図るフィルムガイドの役目もしている。
【0059】
而して、加圧ローラ72が回転駆動され、それに伴って円筒状フィルム74が支持部材76の外回りを回転し、ヒータ75に通電がなされて該ヒータ75の発熱で定着ニップ部Nの温度が所定に立ち上って温調された状態において、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した転写材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて転写材Pのトナー像担持面側がフィルム74の外面に密着してフィルム74と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0060】
この挟持搬送過程において、ヒータ75の熱がフィルム74を介して転写材Pに付与され、転写材P上の未定着トナー像が加熱加圧定着される。
【0061】
転写材Pは定着ニップ部Nを通過するとフィルム74の外面から曲率分離して排紙ローラ19に搬送される。
【0062】
フィルム74のプライマー層742には、電源30より−600Vの電圧が印加されており、フィルム74の表面層743はトナーと同極性の−600Vの電位に保たれている。
【0063】
その状態で転写材Pが排紙ローラ19に接すると、図3に示したような回路が形成される。各々の抵抗値はRp=108〜1010Ωcm,Rfp+Rft=105Ωcm,Rg=104Ωcm程度である。
【0064】
通常転写材の抵抗値Rpは1010Ωcm程度のものが多数であるが、低抵抗の転写材や転写材が吸湿し抵抗値Rpが108Ωcm程度になる。
【0065】
コンデンサー成分Cftに貯まる電荷は電圧が印加されている時間が等しければ、直列に接続されている抵抗値の大きさで決定され、抵抗値が大きいほど電荷は小さく、抵抗値が小さいほど電荷は大きくなる。
【0066】
つまり、転写材が通常の抵抗値である1010Ωcmの時にくらべ、抵抗値が108Ωcmと小さい時の方が大きな電荷が貯まってしまう。
【0067】
コンデンサー成分Cftに貯まった電荷は、定着ニップNからでて転写材がフィルム74から分離すると、マイナスの電荷は転写材P上に、プラスの電荷はフィルム74上に残留する。
【0068】
転写材の抵抗値が通常程度の大きささである場合は、貯まる電荷が小さいため、フィルム74上の残留電荷はすぐに放電してしまうが、転写材の抵抗値が低い場合は貯まる電荷が大きいため、残留電荷は通常時にくらべ放電しにくく、長時間フィルム74上に存在する。
【0069】
その状態で、次の未定着のマイナスに帯電したトナーがフィルム74に接触すると、転写材Pに定着するよりも大きなクーロン力によりフィルム74に押し付けられオフセットが発生する。
【0070】
そのため本実施例においては、図2に示した通りフィルム74の表面に接触して長手方向電荷均一化部材31が(本実施例の図では除電ブラシ)設置されており、フィルムのコンデンサー成分に電荷が解消され、フィルム74上に残留電荷が存在しなくなるので、未定着のトナーが定着ニップNにおいてフィルム74に接触しても、フィルム74方向にトナーを押し付けるクーロン力が発生しないため、オフセットが発生しない。
【0071】
これにより、抵抗値の低い転写材であってもオフセットの発生しない良好な画像形成装置が提供できる。
【0072】
フィルム表面の電荷を除電・均一化するものであれば、本実施例のように電荷均一化部材31は、ブラシ形状の物の必要なく、たとえば針形状のものでも良い。また、電荷均一部材31がフィルム74の表面に必ずしも接触する必要がなく、充分に近接されており、除電・均一化効果が発揮されれば良いことは明らかである。
【0073】
【実施例2】
実施例1においては、電荷均一化部材31は定着フィルム74に対して常時、定着フィルム表面を除電(均一化)するために、接触させているが、定着動作に伴い微量に発生するオフセットトナーあるいは、転写材Pから発生する紙粉により、徐々に電荷均一化部材31のブラシ部分が汚れ、電荷均一化部材31の効果が弱まり、画像形成動作を繰り返すと、定着フィルム74上の電荷不均一が発生し、オフセットが発生するおそれがある。
【0074】
電荷均一部材31を接触タイプから非接触(近接)タイプにする事により、ある程度の延命は可能であるが、接触タイプに比較して、電荷の均一化効果が弱くなるので十分な効果を得るためには、位置精度を厳しく管理する必要があり、また、完全に定着動作中に発生する微量のオフセット・紙粉の影響を受けない状態に維持する事はむずかしい。
【0075】
本実施例では、図4に示す様に電荷均一化部材31を可動とし、ブラシ部が定着フィルム74と接触または近接する位置Aとブラシ部が、定着フィルム74と充分に離間し、均一化効果は望めないが、定着フィルム74上のオフセットトナーあるいは紙粉が電荷均一部材31に付着する位置Bの2カ所に選択的に位置取りできる様に構成されている。
【0076】
少なくとも転写材Pが定着ニップN内にあり、電荷均一化部材31部に定着動作の伴う汚れオフセットトナーおよび紙粉が付着する可能性のある時は、離間位置Bへ電荷均一化部材31を待機させ、転写部材Pがニップ内を抜けた後、少なくとの定着フィルム74を一周させ、定着フィルム74上の付着物を定着フィルム74の表層743と加圧ローラ73の表面の離型性差により加圧ローラ73側に転移させた後、電荷均一化部材31を稼働ポジションである位置Aへ移動し、定着フィルム74上の電荷の不均一を解消し、残存電荷によるオフセットの発生を防止し、さらに、画像形成動作を長期にわたって継続しても、初期の性能を維持する事ができる効果がある。
【0077】
【実施例3】
前述の実施例では、電荷均一部材31は特に接地等をせずにフロート電位であったが、電荷均一化の効果を高めるために電荷均一化部材31を接地する事も可能である。
【0078】
そのような実施例を図5をもって説明する。
【0079】
図5で電荷均一化部材31は接地状態に維持されている。このように構成する事により印字部が長く続き、残留電荷が連続して電荷均一化部材31部へ来ても常に安定した除電が可能になり、残留電荷によるオフセットの発生を防止できる。
【0080】
また、実施例2で説明したように電荷均一化部材31を定着動作中は、待機位置Bへ退避させ、非定着動作中にのみ稼働位置Aへ移動することにより、定着動作中にフィルムプライマー層742から印可されるバイアスが電荷均一化部材31へ漏れるの防ぐことができるので、少ない電源30の容量で定着バイアスによる画像尾引を防止できるという効果もある。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は定着尾引き対策の電界形成ようバイアスにより転写材に流れる電流が、抵抗値の低い転写材や環境により転写材の抵抗値が変化し低くなることにより発生する、定着フィルム表面に電荷を電荷均一化部材により、残留電荷を消失する事で、オフセットのない良好な画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る定着装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る定着装置まわりの等価回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る定着装置の概略図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る定着装置の概略図である。
【図6】電子写真プロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
7 定着装置
15 CPU(制御装置)
19 排紙ローラ
30 バイアス印加用電源
31 電荷均一化部材
73 加圧ローラ
74 定着フィルム(円筒状フィルム)
75 ヒータ
76 ヒータ支持部材
742 プライマー層
N ニップ
P 転写材
Claims (3)
- 転写材を像担持体の転写部と定着部を経由させて搬送させ、転写部において像担持体に形成担持させたトナー像を転写手段により転写材に転写させ、一対の回転体により転写材を挟持搬送しつつ加熱して、転写材上のトナー像を定着させる画像形成装置において、定着手段のトナー像に接触する回転体にトナーと同極性のバイアスを印加する手段と、転写材を排出するための導電性の排紙ローラを有し、上記排紙ローラは接地されており、上記定着手段のトナー像に接触する回転体に回転体上の長手方向の電荷ムラを均一化する電荷均一手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 上記電荷均一手段が、上記回転体に接触または近接する位置と離間する位置とを持ち、少なくとも転写部に転写材が存在するときは、上記電荷均一手段が離間位置に待機することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 上記電荷均一手段が、接地されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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JP2017194499A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
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-
2002
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