JP2024010631A - 画像形成装置 - Google Patents

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Masatake Usui
弘樹 江口
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Abstract

Figure 2024010631000001
【課題】長手方向に関して感光体の表面の帯電部材との接触領域よりも感光体の表面の転写部材との接触領域の方が短い構成において、感光体の長手方向の端部の表面電位が過剰に上昇することを抑制する。
【解決手段】画像形成装置100は、制御部40が、複数の記録材Pにトナー像を転写する連続画像形成時に、先行する記録材P1に対するトナー像の転写と後続の記録材P2に対するトナー像の転写との間の期間に、転写部材5に第1の転写電圧に対してトナーの正規極性側の第2の転写電圧を印加すると共に、転写部材5に第2の転写電圧が印加されている間に転写部Pdを通過した感光体1の表面が帯電部Paを通過している間に、帯電部材2に第1の帯電電圧の絶対値よりも絶対値が小さい上記正規極性の第2の帯電電圧を印加する動作を実行するように制御可能な構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式を用いたレーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光体の表面が帯電手段によって略一様に帯電処理されて、感光体の表面に暗部電位が形成される。その後、帯電処理された感光体の表面が露光手段によって露光されることで感光体の表面に明部電位が形成され、上記暗部電位と上記明部電位とのコントラストで感光体上に静電潜像が形成される。そして、感光体上に形成された静電潜像に、現像手段によってトナーが供給されて、感光体上にトナー像が形成される。現像手段としては、ローラ状の現像部材である現像ローラを備えた現像装置が多く用いられている。
感光体上に形成されたトナー像は、転写手段によって記録材上に転写される。転写手段としては、ローラ状の転写部材である転写ローラが多く用いられている。転写ローラは、感光体に当接して転写部(転写ニップ部)を形成する。転写ローラは、感光体との間で記録材を挟持して搬送すると共に、感光体上のトナーを記録材上に転写する。転写時に、転写ローラには、トナーの正規の帯電極性(正規極性)とは逆極性の転写電圧が印加され、感光体上のトナー像は記録材上に静電的に転写される。なお、記録材を「紙」と呼ぶことがあるが、記録材は紙に限定されるものではなく、OHPシートや合成紙などの合成樹脂を主成分としたものなどであってもよい。また、便宜上、電位や電圧の高低(大小)や上げ下げについては、電位や電圧の絶対値で比較した場合の高低(大小)や上げ下げをいうものとする。
ここで、感光体の帯電方式には、帯電手段として感光体に接触する導電性の帯電部材を用いて、この帯電部材に電圧を印加して帯電処理を行う方式がある。帯電部材としては、ローラ状の帯電部材である帯電ローラが多く用いられている。また、このような帯電方式には、帯電部材に直流電圧(DC電圧)と交流電圧(AC電圧)とを重畳した振動電圧を印加するAC/DC帯電方式と、直流電圧(DC電圧)のみを印加するDC帯電方式とがある。DC帯電方式では、交流電源が必要ないので、装置の小型化や低コスト化を図れるという利点がある。
また、感光体の回転方向に関して転写手段による転写位置よりも下流側かつ帯電手段よる帯電位置よりも上流側に、感光体の表面を露光する前露光手段を設け、転写工程後の感光体の表面の残留電荷を除去することが行われることがある。前露光手段(除電手段)としては、LEDチップアレイ、ヒューズランプ、ハロゲンランプ、蛍光ランプなどが用いられる。これに対して、この前露光手段を省き、装置の小型化や低コスト化を図る前露光レス方式がある。
特許文献1では、上述のDC帯電方式、前露光レス方式を採用したシンプルな構成の画像形成装置が提案されている。
特開2003-302808号公報
しかしながら、従来の画像形成装置では、感光体の表面の移動方向(記録材の搬送方向)と略直交する方向に関して感光体の表面の帯電ローラとの接触領域よりも感光体の表面の転写ローラとの接触領域の方が短い場合に、次のような課題があることがわかった。なお、感光体の表面の移動方向(記録材の搬送方向)と略直交する方向(すなわち、帯電ローラの回転軸線方向と略平行な方向)を「長手方向」ということがある。また、感光体の表面の帯電ローラとの接触領域の長さを単に帯電ローラの長さ、感光体の表面の転写ローラとの接触領域の長さを単に転写ローラの長さとして説明することがある。
長手方向に関して帯電ローラよりも転写ローラの方が短い場合、長手方向の端部で、帯電ローラが感光体に接触し、かつ、転写ローラが感光体に接触しない領域が生じる。ここで、感光体の表面の転写ローラと接触する領域を「転写領域」、感光体の表面の帯電ローラと接触するが転写ローラと接触しない領域を「非転写領域」と呼ぶ。転写後の感光体の表面電位について考えた場合、転写領域では、感光体から記録材にトナー像を転写する際に転写電圧が印加されるため、感光体の表面電位が低くなる。一方、非転写領域では転写電圧が印加されないため、感光体の表面電位は高いままである。その結果、転写後の感光体の表面電位は、転写領域と非転写領域との間で電位差が生じることになる。この電位差は、その後の帯電処理時に小さくなるものの、転写部を繰り返し通過することで次第に大きくなってくる。例えば、負帯電性のトナーを用いた反転現像方式を採用した構成では、上記非転写領域は帯電ローラによる負帯電はされるものの転写ローラによる正帯電はされない。そのため、連続画像形成などで帯電が繰り返されると、上記非転写領域では、転写ローラでの正帯電による除電効果が得られないため、感光体の表面電位が過剰な負電位まで上昇してしまう場合がある。
上述のような、感光体の長手方向の端部の非転写領域の表面電位が過剰な電位まで上昇する現象は、画像形成装置が交流電圧による電位の均し効果が得られないDC帯電方式を採用する場合、更には前露光レス方式を採用する場合に顕著となる傾向がある。
そして、上述のように感光体の長手方向の端部の非転写領域の表面電位が過剰な電位まで上昇すると、例えば、次のような問題が生じる可能性がある。
例えば、感光体の長手方向の端部の非転写領域の表面電位が過剰な電位まで上昇すると、その領域の感光体と転写ローラの芯金部との間での放電を引き起こし、感光体の表面に絶縁破壊によるリーク痕などのダメージを与えることがある。そして、このダメージが感光体上にある状態で帯電部材に帯電電圧を印加すると、ダメージ部に電流が集中して、帯電部材に対する印加電圧が降下してしまうことがある。そのため、その他の領域も含めて感光体を所望の表面電位にできず、帯電不良による長手方向にスジ画像が発生してしまう可能性がある。
また、長手方向に関して、感光体の表面の転写ローラとの接触領域よりも、現像ローラ上のトナーコート領域(現像領域)の方が長い構成がある。この構成の場合、現像領域は感光体の転写領域と非転写領域との両方と対向することになる。このとき、上述のように非転写領域の感光体の表面電位が過剰な電位まで上昇すると、正規の帯電極性とは逆極性に帯電した「反転トナー」が付着してしまう「反転かぶり」が生じることがある。この「反転かぶり」により非転写領域の感光体の表面に付着したトナーが多くなってしまった場合、クリーニング不良が発生してしまうことがある。そして、このクリーニング不良に起因して、記録材の搬送方向と略直交する方向の記録材の端部がトナーで汚れる「端部汚れ」が発生してしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、長手方向に関して感光体の表面の帯電部材との接触領域よりも感光体の表面の転写部材との接触領域の方が短い構成において、感光体の長手方向の端部の表面電位が過剰に上昇することを抑制することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能な感光体と、前記感光体と接触して帯電部を形成し、前記帯電部において前記感光体の表面を帯電処理する回転可能な帯電部材と、前記帯電部材に帯電電圧を印加する帯電電源と、前記帯電部材により帯電処理された前記感光体の表面に正規極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像部材と、前記感光体の表面に接触して転写部を形成し、前記転写部において前記感光体の表面から記録材にトナー像を転写させる転写部材と、前記転写部材に転写電圧を印加する転写電源と、前記帯電電源及び前記転写電源を制御可能な制御部と、を有し、前記帯電部材の回転軸線方向において、前記帯電部の幅よりも前記転写部の幅の方が短く、前記感光体の表面における前記回転軸線方向の端部に、前記帯電部材と接触しかつ前記転写部材と接触しない非転写領域を有し、前記帯電部材に前記正規極性の第1の帯電電圧が印加されることで帯電処理された前記感光体の表面にトナー像が形成され、前記転写部材に前記正規極性とは逆極性の第1の転写電圧が印加されることで前記感光体から記録材にトナー像が転写される場合において、前記非転写領域を形成していた前記感光体の表面に対して前記帯電電圧を印加されて形成された表面電位の絶対値が、前記転写部を形成していた前記感光体の表面に対して前記帯電電圧を印加されて形成された表面電位の絶対値よりも大きくなる画像形成装置において、前記制御部は、複数の記録材にトナー像を転写する連続画像形成時に、先行する記録材に対するトナー像の転写と後続の記録材に対するトナー像の転写との間の期間に、前記転写部材に前記第1の転写電圧に対して前記正規極性側の第2の転写電圧を印加すると共に、前記転写部材に前記第2の転写電圧が印加されている間に前記転写部を通過した前記感光体の表面が前記帯電部を通過している間に、前記帯電部材に前記第1の帯電電圧の絶対値よりも絶対値が小さい前記正規極性の第2の帯電電圧を印加する動作を実行するように制御可能であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、長手方向に関して感光体の表面の帯電部材との接触領域よりも感光体の表面の転写部材との接触領域の方が短い構成において、感光体の長手方向の端部の表面電位が過剰に上昇することを抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 感光ドラムの周りの各部の長手方向の位置関係を示す模式図である。 画像形成時の感光ドラムの表面電位の推移の説明する図である。 実施例及び比較例の転写電圧及び帯電電圧の制御のチャート図である。 実施例及び比較例の感光ドラムの表面電位の推移を示すグラフ図である。 記録材に形成する画像の一例を示す模式図である。 実施例2及び変形例の転写電圧及び帯電電圧の制御のチャート図である。 実施例2の制御のフローチャート図である。 変形例の制御のフローチャート図である。 実施例3における感光ドラムの周りの各部の長手方向の位置関係を示す模式図である。 Vbackと「かぶり」の発生程度との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置
まず、本実施例の画像形成装置100の構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式のレーザープリンタであり、パーソナルコンピュータなどの外部装置200から入力される画像情報に応じて記録材Pに画像を形成することができる。
画像形成装置100は、装置本体Mの内部に、像担持体としてのドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、OPC(有機感光体:Organic Photoconductor)、アモルファスセレン、アモルファスシリコンなどの感光材料を、アルミニウムやニッケルなどで形成されたシリンダ状のドラム基体上に設けて構成したものである。本実施例で使用する感光ドラム1は、外径φ24mmの負帯電性のOPC感光体である。この感光ドラム1は、アルミニウム製のシリンダで構成された導電性基体の表面に、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順番で導電性基体側から積層された感光層を有して構成されている。
感光ドラム1の周囲には、その回転方向Rdに沿って順に、次の各手段が配置されている。まず、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ2が配置されている。次に、露光手段としての露光装置3が配置されている。次に、現像手段としての現像装置4が配置されている。次に、転写手段としてのローラ状の転写部材(転写回転体)である転写ローラ5が配置されている。次に、除電部材としての除電針20が配置されている。次に、クリーニング手段としてのクリーニング装置6が配置されている。
帯電ローラ2は、例えば、給電電極を兼ねた導電性基軸(芯金)と、その外周面を円筒状に取り囲む弾性層と、によって構成されている。本実施例で使用する帯電ローラ2は、ローラ外径φ10mm、芯金径φ5mm、弾性層の厚み2.5mmの弾性ローラである。本実施例では、芯金にはSUS、弾性層にはNBRとエピクロルヒドリンとの混合ゴム材を使用している。帯電ローラ2は、感光ドラム1に圧接され、感光ドラム1の回転に伴って従動回転する。帯電ローラ2は、その回転軸線方向が感光ドラム1の表面の移動方向と略直交する方向(幅方向)と略平行になるように配置されている。感光ドラム1の回転方向に関して、感光ドラム1上の帯電ローラ2による帯電処理が行われる位置が帯電位置Paである。帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転方向に関する帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部の上流側及び下流側に形成される微小な空隙のうちの少なくとも一方において生じる放電によって感光ドラム1の表面を帯電させる。これを「放電帯電」と呼ぶこととする。また、帯電ローラ2は、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部において電荷を注入することによっても感光ドラム1の表面を帯電させている。これを「注入帯電」と呼ぶこととする。簡単のため、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部が帯電位置(帯電部)Paであると擬制して考えてもよい。
本実施例では、露光装置3は、レーザースキャナ装置(レーザー光学系)で構成されている。感光ドラム1の回転方向に関して、感光ドラム1上の露光装置3による露光が行われる位置が露光位置(露光部)Pbである。
本実施例では、現像装置4は、現像剤として非磁性一成分現像剤(トナー)を用いる。この現像装置4は、現像剤担持体(現像部材)としての現像ローラ4aと、現像容器4bと、を有する。現像ローラ4aは、現像時に感光ドラム1の表面に当接し、トナーを感光ドラム1との対向部(当接部)である現像部に供給する。現像容器4bは、現像剤を収容している容器であり、現像容器4b内に収容されている現像剤が現像ローラ4aに供給される。なお、現像装置4は、現像剤として、磁性一成分現像剤(トナー)や、トナーとキャリアとを備えた二成分現像剤を用いるものであってもよい。感光ドラム1の回転方向に関して、感光ドラム1上の現像ローラ4aによるトナーの供給が行われる位置(本実施例では現像ローラ4aが当接する位置)が現像位置(現像部)Pcである。
転写ローラ5は、付勢手段としての付勢部材である転写加圧バネ(図示せず)により感光ドラム1に向けて付勢(押圧)され、感光ドラム1に圧接される。これにより、感光ドラム1と転写ローラ5との接触部である転写部(転写ニップ部、転写挟持部)Ntが形成される。転写ローラ5は、感光ドラム1の回転に伴って従動回転する。転写ローラ5は、感光ドラム1との間で記録材Pを挟持して搬送すると共に、電圧が印加されることでトナー像を感光ドラム1から記録材Pに転写させる。転写ローラ5は、例えば、給電電極を兼ねた導電性基軸(芯金)と、その外周面を円筒状に取り囲む弾性層と、によって構成されている。この弾性層としては、一般的にEPDM、NBR、SBR、ウレタンゴム、エピクロルヒドリン、シリコーンゴムなどを用いて構成される半導電性ゴム材が用いられている。弾性層の材料には、導電剤、例えばイオン導電剤が適当量含有されていてよい。本実施例で使用する転写ローラ5は、ローラ外径φ14mm、芯金径φ5mm、弾性層の厚み4.5mmの弾性ローラである。本実施例では、芯金にはSUS、弾性層にはSBRとエピクロルヒドリンとの混合ゴム材を使用している。また、本実施例では、転写ローラ5の感光ドラム1に対する当接圧は9.8N(1kgf)である。また、本実施例では、転写ローラ5の電気抵抗値(以下、単に「抵抗値」ともいう。)は、転写ローラ5をアルミシリンダ上に9.8Nの力で押圧し、50mm/secで回転させ、+1000Vを印加した状態において2.0×10Ωである。なお、この転写ローラ5の抵抗値は、転写ローラ5の使用初期(新品時)に常温常湿環境下で放置した場合の抵抗値である。感光ドラム1の回転方向に関して、感光ドラム1上の記録材Pへのトナー像の転写が行われる位置(上記転写部Ntに対応する位置)が転写位置Pdである。
除電針20は、転写後の記録材Pの表面の過剰な電荷を除電すると共に、剥離放電によって生じた感光ドラム1上の電位ムラを低減する除電部材としての除電針20が配置されている。除電針20としては、鋸歯状の尖鋭端部を備え、良好な導電性を有するSUS板、アルミ板などの金属製薄板材からなる除電針を用いることができる。この除電針20は、記録材Pの搬送方向に関して転写ローラ5よりも下流側において、針先端が感光ドラム1の表面に対向するように配置されている。
クリーニング装置6は、転写後に感光ドラム1上に残ったトナー(転写残トナー)などの付着物のクリーニングを行う。本実施例では、クリーニング装置6は、感光ドラム1の表面に当接するように配置された、クリーニング部材としてクリーニングブレード6aと、クリーニング容器6bと、を有する。感光ドラム1の回転方向に関して、感光ドラム1上のクリーニングブレード6aによるトナーの除去が行われる位置(本実施例ではクリーニングブレード6aと当接する位置)がクリーニング位置(クリーニング部)Peである。
また、装置本体Mの図中下部には、紙などの記録材(転写材、記録媒体、シート)Pが収納される記録材カセット(給紙トレイ)7が配置されている。また、記録材カセット7から記録材Pの搬送経路に沿って順に、給送ローラ8、搬送ローラ9、トップセンサ10、転写前搬送ガイド15、転写定着間搬送ガイド11、定着装置12、排出ローラ13、排出トレイ14が配置されている。また、装置本体Mには、画像形成装置100の制御を行う制御部40、画像処理などを行うビデオコントローラ110が設けられている。
次に、本実施例の画像形成装置100における画像形成動作について説明する。感光ドラム1は、駆動源(図示せず)によって図中矢印Rd方向(時計回り方向)に、320mm/secの周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2によってトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性の所定の電位(暗部電位、帯電電位)に略一様に帯電処理される。帯電処理時に、帯電ローラ2には、帯電電流検知回路22を介して帯電電源(高圧電源)21から負極性の直流電圧である帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。本実施例では、一例として、-1100Vの帯電電圧が帯電ローラ2に印加され、感光ドラム1の表面に-500Vの暗部電位が形成される。
帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光装置3により画像情報に応じて走査露光される。画像形成装置100のビデオコントローラ110は、外部装置200から画像形成装置100に入力される画像情報を処理して時系列電気デジタル画素信号を生成して制御部40に入力する。露光装置3は、制御部40によって制御され、上記時系列電気デジタル画素信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力して、このレーザー光Lにより感光ドラム1の帯電面を走査露光する。これにより、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。本実施例では、露光装置3によって露光された部分の感光ドラム1上の電荷が除去されて、感光ドラム1の表面に-100Vの明部電位が形成される。これにより、上記暗部電位と上記明部電位とのコントラストで感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によってトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像(トナー画像、現像剤像)が形成される。現像時に、現像ローラ4aには、現像電源(高圧電源)16からトナーの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、一例として、-380Vの現像電圧が現像ローラ4aに印加される。本実施例では、略一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写部Ntにおいて、転写ローラ5の作用によって、記録材P上に転写される。転写時に、転写ローラ5には、転写電流検知手段としての転写電流検知回路19を介して転写電源(高圧電源)18からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である転写電圧(転写バイアス)が印加される。本実施例では、一例として、+1000V程度の転写電圧が転写ローラ5に印加される。これにより、感光ドラム1上のトナー像が、静電的に記録材P上の所定の位置に転写される。記録材Pは、記録材収納部としての記録材カセット7に収納されており、給送部材としての給送ローラ8によって記録材カセット7から1枚ずつ送り出される。この記録材Pは、搬送部材としての搬送ローラ9によって搬送されて、ガイド部材としての転写前搬送ガイド15に沿って、転写部Ntに供給される。搬送ローラ9は、記録材検知手段としてのトップセンサ10による記録材Pの搬送方向の先端の検知結果などに基づいて制御され、感光ドラム1上のトナー像とタイミングを合わせるようにして、記録材Pを転写部Ntに供給する。
転写部Ntでトナー像を転写された記録材Pは、除電針20によってその表面の過剰な電荷が除電される。除電針20を通過した記録材Pは、ガイド部材としての転写定着間搬送ガイド11に沿って、定着手段としての定着装置12へと搬送される。定着装置12は、ヒータを内蔵する定着ローラ12aと、定着ローラ12aに圧接する加圧ローラ12bと、を有する。定着装置12は、これらのローラ間のニップ部を通過する未定着のトナー像を担持した記録材Pに熱及び圧力を印加して、トナー像を記録材P上に定着(溶融、固着)させる。
片面画像形成の場合は、定着装置12によって片面にトナー像が定着された後の記録材Pは、排出ローラ13によって装置本体Mの図中上面に形成された排出トレイ14上に排出(出力)される。なお、画像形成装置100は、1面目にトナー像が定着された記録材Pの表裏を反転させると共に搬送方向を反転させて転写部Ntへと再度搬送し、その記録材Pの2面目にトナー像を転写し、定着させる両面画像形成が可能な構成になっていてもよい。
一方、転写時に記録材Pに転写されずに感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)などの付着物は、クリーニング装置6によって感光ドラム1の表面から除去されて回収される。クリーニング装置6は、クリーニングブレード6aによって、回転する感光ドラム1の表面から転写残トナーなどの付着物を掻き取ってクリーニング容器6b内に収容する。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。本実施例では、画像形成装置100は、毎分50枚のプリントスピードでプリント動作を実行することができる。
なお、本実施例では、画像形成装置100は、感光ドラム1の回転方向に関して転写位置Pdよりも下流側かつ帯電位置Paよりも上流側で感光ドラム1の表面に光を照射することで感光ドラム1の表面電位を低くする手段(前露光手段)を有していない。
また、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置6のうちの少なくとも1つとが、一体的に装置本体Mに対して着脱可能なカートリッジ(プロセスカートリッジ)を構成していてよい。
制御部40は、演算処理を行う中心的素子である演算制御手段としてのCPU41、記憶手段としてのROM41aやRAM41bなどのメモリ、制御部40と制御部40外の各部との信号の授受を制御する入出力部(図示せず)などを有して構成されている。書き換え可能なメモリであるRAM41bには、制御部40に入力された情報、検知された情報、演算結果などが格納され、ROM41aには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。CPU41とROM41aやRAM41bなどのメモリとは互いにデータの転送や読込みが可能となっている。CPU41は、ROM41aに記憶された各種のプログラムを実行することにより、RAM41bを作業領域として用いながら、画像形成に係わる各種の動作などを制御可能である。
ここで、画像形成装置100は、1つの開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作であるプリントジョブ(プリント動作)を実行する。プリントジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。より詳細には、画像形成時のタイミングは、上記静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写の各工程を行う位置で異なり、感光ドラム1上の画像形成領域が上記各位置を通過している期間に相当する。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程(画像間工程、記録材間工程)は、複数の記録材Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成、連続プリント)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。より詳細には、非画像形成時のタイミングは、感光ドラム1上の非画像形成領域が、上記静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写の各工程を行う各位置を通過している期間に相当する。なお、感光ドラム1上あるいは記録材P上の画像形成領域とは、記録材Pのサイズなどに応じて予め設定された、記録材Pに転写されて画像形成装置100から出力されるトナー像が形成され得る領域であり、非画像形成領域は画像形成領域以外の領域である。なお、本実施例では、記録材Pの搬送方向に関する記録材Pの先端部及び後端部の所定の領域には、非画像形成領域である余白部が設けられる。また、本実施例では、記録材Pの搬送方向と略直交する方向に関する記録材Pの両端部の所定の領域にも、それぞれ非画像形成領域である余白部が設けられる。
(2)長手方向の位置関係
図2は、感光ドラム1の表面の移動方向(記録材Pの搬送方向)と略直交する方向に関する感光ドラム1の周りの各部の位置関係を説明するための模式図である。なお、感光ドラム1の表面の移動方向(記録材Pの搬送方向)と略直交する方向(すなわち、帯電ローラ2の回転軸線方向と略平行な方向)を「長手方向」と呼ぶことがある。この位置関係は、画像形成に用いられる記録材Pのサイズ(特に、搬送方向と略直交する方向の幅)によって変わるが、図2では記録材PがLTRサイズの場合の位置関係を示している。
図2において、「感光体領域A」は、長手方向に関する感光ドラム1の感光層が形成された領域又はその領域の幅を示す。また、「帯電領域(帯電部)B」は、長手方向に関する帯電ローラ2の感光ドラム1の表面に接触可能な領域又はその領域の幅を示す。また、「転写領域(転写部)C」は、長手方向に関する転写ローラ5の感光ドラム1の表面に接触可能な領域又はその領域の幅を示す。また、「通紙領域D」は、長手方向に関する、転写部Ntにおける記録材Pが通過する領域又はその領域の幅を示す。つまり、長手方向に関して、感光ドラム1の表面の転写部Ntで記録材Pと接触する領域が通紙領域Dである。また、「非転写領域E」は、長手方向に関する、帯電ローラ2が感光ドラム1に接触し、かつ、転写ローラ5が感光ドラム1に接触しない領域又はその領域の幅(すなわち、帯電領域Bと転写領域Cとの差分の領域又はその領域の幅)を示す。なお、便宜上、上記「帯電領域B」、「転写領域C」、「通紙領域D」、「非転写領域E」に対応する感光ドラム1上の領域も、それぞれ「帯電領域B」、「転写領域C」、「通紙領域D」、「非転写領域E」と呼ぶ。
本実施例では、感光体領域A、帯電領域B、転写領域C、通紙領域Dは、それぞれ長手方向の中央が、長手方向に関する画像形成領域(トナー像を形成することが可能な領域)の中央とほぼ一致するように配置されている(中央基準)。したがって、上記各領域のうち、長手方向の幅が相対的に短いものは、相対的に長いものの内側に包含される。なお、図2には、長手方向に関する中央から一方の端部側の範囲が図示されている。
本実施例では、長手方向に関して、帯電領域Bよりも転写領域Cの方が短く、感光ドラム1の表面は、長手方向の端部に、帯電ローラ2と接触しかつ転写ローラ5と接触しない非転写領域Eを有する。
(3)感光ドラムの長手方向の表面電位差
次に、図3を用いて、プリント動作における感光ドラム1の表面電位の推移について説明する。図3において、横軸は、長手方向に関する感光ドラム1上の位置を示しており、上述の帯電領域B、転写領域C、非転写領域Eの各領域を図示している。また、図3において、縦軸は、感光ドラム1の表面電位を示しており、図中上方ほど感光ドラム1の表面電位がマイナス側に高い(すなわち、負極性の表面電位の絶対値が大きい)ことを示している。また、図3における転写領域Cの感光ドラム1の表面電位は、感光ドラム1上の非露光部の表面電位である。なお、図3には、長手方向に関する一方の端部側の範囲が図示されている。また、以下に説明する図3に示す感光ドラム1の表面電位は、環境、記録材Pの種類など、種々の条件に応じて変わり得る値である。また、以下の説明において、「帯電後」とは帯電位置Paを通過した後、「転写前」とは転写位置Pd(転写部Nt)に到達する前、「転写後」とは転写位置Pd(転写部Nt)を通過した後、「帯電前」とは帯電位置Paに到達する前をそれぞれ意味する。
まず、状態1は、帯電後(かつ転写前)の感光ドラム1の表面電位を示す。状態1では、所定の帯電電圧が印加される帯電ローラ2によって、感光ドラム1の表面が所定の暗部電位Vdに略一様に帯電処理されている。図3の例では、一例として、帯電処理時に帯電ローラ2には-1100Vの帯電電圧が印加され、感光ドラム1の表面は-500Vの暗部電位Vdに帯電処理される。
次に、状態2は、転写後(かつ再帯電前)の感光ドラム1の表面電位を示す。記録材Pが転写部Ntを通過する際に、転写ローラ5には正極性の転写電圧が印加されている。そのため、転写領域Cの感光ドラム1の表面電位は状態1よりも下がる。一方、非転写領域Eは、転写ローラ5が感光ドラム1と接触していないため、正極性の転写電圧は印加されない。また、本実施例の画像形成装置100は、転写後、帯電間に、感光ドラム1の表面に光を照射することで感光ドラム1の表面電位を低くする手段、例えば、帯電前露光手段を有していない。そのため、非転写領域Eでは感光ドラム1の表面電位は状態1からほぼ下がらない。これにより、転写領域Cの感光ドラム1の表面電位と非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位と、の間に、電位差が生じる。図3の例では、一例として、転写後に、転写領域Cの感光ドラム1の表面電位は-400Vであり、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位は-500Vのままである。なお、転写領域Cの感光ドラム1の表面電位と非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位との間の電位差のことを、単に転写領域Cと非転写領域Eとの間の電位差ということがある。
次に、状態3は、再帯電後(かつ転写前)の感光ドラム1の表面電位を示す。感光ドラム1の表面は、上述のように転写領域Cと非転写領域Eとの間に電位差が生じた状態で、再度帯電ローラ2によって帯電処理される。状態3では、帯電ローラ2には上記同様、所定の帯電電圧(-1100V)が印加されている。再帯電後の感光ドラム1の表面電位は、転写領域Cでは、帯電ローラ2からの放電帯電を受けて所定の暗部電位Vd(-500V)に戻る。一方、再帯電後の感光ドラム1の表面電位は、非転写領域Eでは、既に暗部電位Vd相当であるため放電帯電は起きないものの、注入帯電されることで電位が上昇して-510Vとなり、所定の暗部電位Vdより高くなる。
状態4は、帯電電圧(-1100V)を常時(継続して)帯電ローラ2に印加した状態で、複数回帯電位置Paを通過した後(複数回再帯電後かつ転写前)の感光ドラム1の表面電位を示す。帯電後の感光ドラム1の表面電位は、転写領域Cでは、転写ローラ5からの転写電圧を受けているので、状態3で説明したように所定の暗部電位Vd(-500V)に戻る。一方、帯電後の感光ドラム1の表面電位は、非転写領域Eでは、帯電位置Paを通過する毎に注入帯電されることで電位が状態3よりも更に上昇する。一例として、記録材PとしてのLTRサイズの用紙の20枚に連続画像形成を行うのに相当する時間、帯電電圧を常時(継続して)帯電ローラ2に印加した状態で複数回帯電位置Paを通過すると、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位は-700Vになる。
非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位が過剰に上昇すると、転写ローラ5の芯金部と感光ドラム1上の非転写領域Eとの間の電位差が大きくなり放電が発生する可能性がある。この放電は、感光ドラム1に絶縁破壊によるリーク痕などのダメージを与える場合がある。このダメージ部がある状態で帯電ローラ2に帯電電圧を印加すると、ダメージ部に電流が集中して帯電電圧が降下してしまうことがある。その結果、その他の領域も含めて感光ドラム1を所望の表面電位とすることができず、帯電不良によって長手方向にスジ画像が発生するという問題が生じる可能性がある。そのため、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位が過剰に上昇することを抑制することが望まれる。
(4)帯電電圧、転写電圧の制御
次に、本実施例における非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制する方法について説明する。本実施例では、転写電圧及び帯電電圧を画像形成プロセスに合わせて最適な電圧に制御することにより、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制する。つまり、本実施例では、連続画像形成時に、概略紙間工程において、転写電圧及び帯電電圧を制御して、帯電電圧を画像形成時の電圧よりも低くするタイミングを設けることで、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制する。なお、記録材Pやその画像形成領域などに関して先端、後端とは、特に明示しない場合も記録材Pの搬送方向に関する先端、後端を意味する。
図4(a)を用いて、本実施例における転写電圧及び帯電電圧の制御について説明する。図4(a)は、本実施例における転写電圧及び帯電電圧の時系列的変化を示すチャート図である。図4(a)は、記録材Pとしての先行紙P1と後続紙P2とを、これらの間に所定の紙間距離を設けて通紙した場合を示している。
制御部40は、プリント動作を開始すると、まず、転写部Ntにおいて、ATVC(Auto Transfer Voltage Control)制御を行う。ATVC制御は、後述する転写電圧の定電流制御の初期電圧値を決定する制御で、正極性の転写電圧が転写ローラ5に印加される。ATVC制御は、記録材Pが転写部Ntに搬送される前に実行される。制御部40は、ATVC制御において、転写電源18を制御して、転写電流検知回路19で検知される電流を目標電流に近づけるように転写ローラ5に電圧を印加する。そして、制御部40は、この際に転写ローラ5に印加される電圧値を求め(例えば平均値を算出し)、その電圧値に基づいて転写電圧の定電流制御の初期電圧値を決定する。ATVC制御中、感光ドラム1の表面が所定の暗部電位Vdに略一様に帯電処理されるように帯電ローラ2に帯電電圧が印加される。本実施例では、帯電ローラ2には-1100Vの帯電電圧が印加され、感光ドラム1の表面は-500Vの暗部電位Vdに略一様に帯電処理される。
次に、制御部40は、転写部Ntにおいて、転写電圧の定電流制御を行う。転写電圧の定電流制御は、記録材Pに対してトナーを転写するために実行される制御で、正極性の転写電圧が転写ローラ5に印加される。制御部40は、記録材P(先行紙P1)が転写部Ntに搬送されてくる直前に、転写電源18を制御して、転写ローラ5にATVC制御で決定した初期電圧値を印加する。その後、制御部40は、転写電流検知回路19で検知される電流が目標電流に近づくように転写電源18から転写ローラ5に印加する電圧を調整する。転写電圧の定電流制御中、引き続き、感光ドラム1の表面が所定の暗部電位Vdに略一様に帯電処理されるように帯電ローラ2に帯電電圧が印加される。本実施例では、上述のように、帯電ローラ2には-1100Vの帯電電圧が印加されている。
制御部40は、上記先行紙P1の通紙中の転写電圧の定電流制御後に、次の記録材P(後続紙P2)がある場合、紙後端制御を行う。紙後端制御は、タイミングTaで開始される。タイミングTaは、先行紙P1の画像形成領域(画像形成可能領域)の後端が転写部Ntに到達するタイミングである。タイミングTaでは、転写電圧が、画像形成時(転写時)の転写電圧(第1の転写電圧)に対してトナーの正規の帯電極性側の電圧(第2の転写電圧)に変更される。特に、本実施例では、タイミングTaでは、転写電圧が、感光ドラム1と転写ローラ5との間の電位差が放電閾値以下となるように変更される。なお、本実施例では、この放電閾値(放電開始電圧)は、600V程度である。これにより、転写領域Cにおいて、正極性の転写電圧が、負極性の感光ドラム1の表面電位を過剰に低下させることを抑制する。その結果、転写領域Cにおいて、感光ドラム1の表面電位が過剰に低下することにより現像装置4から負極性のトナーが感光ドラム1上に転移するかぶりの発生を抑制することができる。本実施例では、タイミングTaで変更した後の紙後端制御における転写電圧は0Vとした。なお、本実施例では、この転写電圧を0Vとしたが、画像形成時(転写時)の転写電圧に対してトナーの正規の帯電極性側の電圧であればよく、正極性の電圧としてもよいし、負極性(転写時とは逆極性)の電圧としてもよいし、略0Vとしてもよい。また、この転写電圧は、感光ドラム1と転写ローラ5との間の電位差が放電閾値以下となる電圧であることが好ましい。紙後端制御中、引き続き、感光ドラム1の表面が所定の暗部電位Vdに略一様に帯電処理されるように帯電ローラ2に帯電電圧が印加される。本実施例では、上述のように、帯電ローラ2には-1100Vの帯電電圧が印加されている。
なお、本実施例では、タイミングTaは、先行紙P1の画像形成領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングとしたが、先行紙P1の画像形成領域の後端が転写部Ntに到達するタイミング以降であればよい。
次に、制御部40は、感光ドラム1が回転したら、タイミングTbで、帯電電圧を変更する。タイミングTbは、タイミングTaで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングである。タイミングTbでは、帯電電圧は、画像形成時(帯電処理時)の帯電電圧よりも低い(絶対値が小さい)電圧に変更される。特に、本実施例では、タイミングTbでは、帯電電圧は、感光ドラム1の表面電位よりも低い(絶対値が小さい)電圧に変更される。これにより、非転写領域Eの感光ドラム1の表面は、放電帯電されないようになる。そのため、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位は上昇しなくなる。また、帯電ローラ2に印加される帯電電圧が感光ドラム1の表面電位よりも低いので、上昇していた感光ドラム1の表面電位を減衰させることができる。その結果、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することができる。本実施例では、タイミングTbで変更した後の帯電電圧は0Vとした。なお、本実施例では、この帯電電圧を0Vとしたが、画像形成時(帯電処理時)の帯電電圧よりも低い(絶対値が小さい)電圧であればよい。また、この帯電電圧は、感光ドラム1の表面電位よりも低い(絶対値が小さい)電圧であることが好ましい。より詳細には、この帯電電圧は、これが帯電ローラ2に印加されている間に帯電位置Paに到達する感光ドラム1の表面の転写領域Cの表面電位よりも低い(絶対値が小さい)電圧であることが好ましい。典型的には、この帯電電圧は、略0Vであるか、又は、感光ドラム1の表面電位と同極性で、感光ドラム1と帯電ローラ2との間の電位差が放電閾値以下となる電圧である。その際には、帯電電圧は感光ドラム1の表面電位に対して見かけ上正極性側になるので、感光ドラム1の表面電位に対して正電荷を注入する方向でもある。また、タイミングTaで転写電圧が正極性の電圧から0Vとされているので、転写領域Cの感光ドラム1の表面電位の低下は抑制され、現像装置4から負極性トナーが感光ドラム1の表面に転移するかぶりの発生は抑制される。
なお、本実施例では、タイミングTbは、タイミングTaで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングとしたが、該感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミング以降であればよい。タイミングTbを、該感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングより前のタイミングとすると、転写領域Cにおいて感光ドラム1の表面電位が過剰に低下しているため、かぶりが発生することがある。
次に、制御部40は、感光ドラム1が更に回転したら、タイミングTcで、転写電圧を変更する。タイミングTcは、タイミングTbで帯電位置Paにあった感光ドラム1上の位置が転写位置Pdに到達するタイミングである。タイミングTcでは、後続紙P2のATVC制御に移行するために、転写電圧は正極性の電圧に変更される。また、この時点では、帯電電圧は0Vのままとされる。これにより、転写領域Cにおいて、正極性の転写電圧により負極性の感光ドラム1の表面電位が低下するものの、ATVC制御を開始することができる。
なお、本実施例では、タイミングTcは、タイミングTbで帯電位置Paにあった感光ドラム1上の位置が転写位置Pdに到達するタイミングとしたが、該感光ドラム1上の位置が転写位置Pdに到達するタイミング以降であればよい。タイミングTcを、該感光ドラム1上の位置が転写位置Pdに到達するタイミングより前のタイミングとすると、タイミングTbで変更した帯電電圧を帯電ローラ2に印加した状態(帯電電圧を感光ドラム1の表面電位よりも低くする状態)に維持することを感光ドラム1の表面の1周分にわたって行うことができなくなる。この状態は、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制するために、少なくとも感光ドラム1の表面の1周分は維持することが望ましい。
次に、制御部40は、感光ドラム1が更に回転したら、タイミングTdで、帯電電圧を変更する。タイミングTdは、タイミングTcで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングである。タイミングTdでは、帯電電圧を-1100Vに戻す。これにより、転写領域Cにおいて、表面電位が低下していた感光ドラム1の表面が所定の暗部電位Vdに帯電処理される。このようにして、本実施例では、特別の制御時間を設けることなく、紙間工程において効率よく、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することができる。
なお、本実施例では、タイミングTdは、タイミングTcで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングとしたが、該感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングより前であってもよい。つまり、タイミングTdは、遅くともタイミングTcで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングまでのタイミングとすればよい。ただし、帯電電圧を0Vとする時間が長い方が、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇をより抑制することができる。そのため、タイミングTdは、本実施例のように、タイミングTcで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングとすることが望ましい。
本実施例のタイミングTa、Tb、Tc、Tdの設定で制御を実行すると、感光ドラム1の表面の1周分にわたって非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することができる。
その後、制御部40は、後続紙P2のATVC制御、定電流制御、紙後端制御と繰り返すことで、連続画像形成を行うことができる。
また、制御部40は、定電流制御後に次の記録材P(後続紙)がない場合、すなわち、通紙中の記録材Pが当該プリント動作における最後の画像が形成される記録材P(「ラスト紙」ともいう。)の場合は、後回転制御を行い、プリント動作を終了する。本実施例では、一例として、後回転制御では、転写電圧としては-1000V(転写時とは逆極性)、帯電電圧としては-1100Vが印加されている。このように、本実施例では、後回転制御において、転写ローラ5に転写時とは逆極性の転写電圧を印加する(感光ドラム1は所定の暗部電位Vdに帯電処理されている)。これにより、転写ローラ5に付着したトナーを感光ドラム1の表面に転移させることで、転写ローラ5のクリーニングを行ってから、画像形成装置100を停止させる。
なお、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を安定して抑制するためには、連続画像形成中の実質的に全ての記録材Pが転写部Ntを通過した後に紙後端制御を実行することが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、所定の数(複数)の記録材Pが転写部Ntを通過するごとに紙後端制御を実行したり、所定の数の記録材Pが転写部Ntを通過した後に1枚の記録材Pが転写部Ntを通過するごとに紙後端制御を実行したりすることなどを例示できる。
図4(b)は、比較例における転写電圧及び帯電電圧の時系列的変化を示す図4(a)と同様のチャート図である。比較例の制御は、紙後端制御を実行しないことが本実施例の制御と異なる。比較例の制御では、定電流制御後、ATVC制御に移行する。紙後端制御がないので、紙間工程において転写電圧、帯電電圧はそれぞれ0Vにはされていない。すなわち、ATVC制御、定電流制御、紙後端制御のいずれにおいても、-1100Vの帯電電圧が印加されている。
(5)評価試験
本実施例及び比較例について非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇度合いを確認する評価試験を行った結果について説明する。図5は、記録材PとしてのLTRサイズの用紙の20枚に連続画像形成を行った際の非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の推移を示す。実線が本実施例の制御(図4(a))の場合の表面電位の推移、破線が比較例の制御(図4(b))の場合の表面電位の推移である。
本実施例の制御では、帯電電圧を感光ドラム1の表面電位より低くするタイミングがあるので、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することができている。
一方、比較例の制御は、帯電電圧を感光ドラム1の表面電位より低くするタイミングがないので、帯電ローラ5からの注入帯電により非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位が徐々に上昇し、高くなってしまっている。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、回転可能な感光体1と、感光体1と接触して帯電部Bを形成し、帯電部Bにおいて感光体1の表面を帯電処理する回転可能な帯電部材2と、帯電部材2に帯電電圧を印加する帯電電源21と、帯電部材21により帯電処理された感光体1の表面に正規極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像部材4aと、感光体1の表面に接触して転写部Ntを形成し、転写部Ntにおいて感光体1の表面から記録材Pにトナー像を転写させる転写部材5と、転写部材5に転写電圧を印加する転写電源18と、帯電電源21及び転写電源18を制御可能な制御部40と、を有し、帯電部材2の回転軸線方向において、帯電部Bの幅よりも転写部Ntの幅の方が短く、感光体1の表面における上記回転軸線方向の端部に、帯電部材2と接触しかつ転写部材5と接触しない非転写領域Eを有し、帯電部材2に上記正規極性の第1の帯電電圧が印加されることで帯電処理された感光体1の表面にトナー像が形成され、転写部材5に上記正規極性とは逆極性の第1の転写電圧が印加されることで感光体1から記録材Pにトナー像が転写される場合において、非転写領域Eを形成していた感光体1の表面に対して帯電電圧を印加されて形成された表面電位の絶対値が、転写部Ntを形成していた感光体1の表面に対して帯電電圧を印加されて形成された表面電位の絶対値よりも大きくなる。そして、本実施例では、制御部40は、複数の記録材Pにトナー像を転写する連続画像形成時に、先行する記録材P1に対するトナー像の転写と後続の記録材P2に対するトナー像の転写との間の期間に、転写部材5に上記第1の転写電圧に対して上記正規極性側の第2の転写電圧を印加すると共に、転写部材5に上記第2の転写電圧が印加されている間に転写部Ntを通過した感光体1の表面が帯電部Bを通過している間に、帯電部材2に上記第1の帯電電圧の絶対値よりも絶対値が小さい上記正規極性の第2の帯電電圧を印加する動作を実行するように制御可能である。
本実施例では、制御部40は、上記第1の転写電圧から上記第2の転写電圧に変更した時に転写部Ntにあった感光体上の位置が帯電部Bに到達した時以降に上記第1の帯電電圧から上記第2の帯電電圧に変更し、上記第1の帯電電圧から上記第2の帯電電圧に変更した時に帯電部Bにあった感光体1上の位置が転写部Ntに到達した時以降に上記第2の転写電圧から上記第1の転写電圧に変更し、上記第2の転写電圧から上記第1の転写電圧に変更した時に転写部Ntにあった感光体1上の位置が帯電部Bに到達する時までには上記第2の帯電電圧から上記第1の帯電電圧に変更するように制御する。本実施例では、制御部40は、感光体1と転写部材5との間の電位差が放電閾値以下となる上記第2の転写電圧を転写部材5に印加するように制御する。特に、本実施例では、制御部40は、上記第2の転写電圧を略0Vとするように制御する。また、本実施例では、制御部40は、帯電部材2に上記第2の帯電電圧が印加されている間に帯電部Bに到達する転写部Ntを形成していた感光体1の表面の表面電位の絶対値よりも絶対値が小さい上記第2の帯電電圧を帯電部材2に印加するように制御する。特に、本実施例では、制御部40は、上記第2の帯電電圧を略0Vとするように制御する。また、本実施例では、上記期間は、先行する記録材P1に転写されるトナー像が形成され得る感光体1の表面の領域と、後続の記録材P2に転写されるトナー像が形成され得る感光体1の表面の領域と、の間の領域が転写部Ntを通過している間の期間である。
以上説明したように、本実施例によれば、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することが可能となる。つまり、本実施例によれば、長手方向に関して感光ドラム1の表面の帯電ローラ2との接触領域Bよりも感光ドラム1の表面の転写ローラ5との接触領域Cの方が短い構成において、感光ドラム1の長手方向の端部(非転写領域E)の表面電位が過剰に上昇することを抑制することができる。したがって、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇に起因する放電で感光ドラム1の表面にダメージが発生することなどを抑制することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置と同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
(1)本実施例の帯電電圧、転写電圧の制御
本実施例では、制御部40は、記録材Pの搬送方向における画像情報の有無を検知することが可能な画像情報検知手段としてのビデオコントローラ110内のデータ処理部からの情報に基づいて、記録材Pの搬送方向に関する画像の位置の情報を取得する。そして、制御部40は、取得した画像の位置の情報に応じて、転写電圧及び帯電電圧を変更するタイミングを変える。
図6は、記録材Pに形成する画像の一例を示す模式図である。図6において、記録材Pに形成される画像の領域は、斜線で示されている。また、図6において、矢印Sは、記録材Pの搬送方向を示している。図6は、先行紙P1の後、実施例1と同じ所定の紙間距離Lkを開けて後続紙P2を通紙した場合を示している。先行紙P1の先端から先行紙P1に形成される画像の領域の後端までを距離L1、後続紙P2の先端から後続紙P2に形成される画像の領域の後端までを距離L2とする。本実施例では、ビデオコントローラ110内のデータ処理部で距離L1や距離L2が求められる。そして、本実施例では、制御部40は、この距離L1や距離L2の情報を取得することで、先行紙P1、後続紙P2に形成される画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングを算出する。
図7(a)を用いて、本実施例における転写電圧及び帯電電圧の制御について説明する。図7(a)は、本実施例における転写電圧及び帯電電圧の時系列的変化を示すチャート図である。図7(a)は、記録材Pとしての先行紙P1と後続紙P2とを、これらの間に上記所定の紙間距離Lkを設けて通紙した場合を示している。
図7(a)に示す本実施例の制御において、ATVC制御、定電流制御及び後回転制御は、図4(a)に示した実施例1の制御と同様であるので説明を省略する。本実施例の制御は、紙後端制御における転写電圧及び帯電電圧の変更開始タイミングが実施例1の制御と異なる。本実施例では、制御部40は、この転写電圧及び帯電電圧の変更開始タイミングを画像情報に応じて変更する。
制御部40は、先行紙P1の通紙中の転写電圧の定電流制御後に、後続紙P2がある場合、紙後端制御を行う。紙後端制御は、タイミングTa’で開始される。タイミングTa’は、先行紙P1に形成される画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングである。なお、タイミングTa’は、先行紙P1に形成される画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミング以降かつ先行紙P1の後端が転写位置Pdに到達するタイミングより前のタイミングであればよい。タイミングTa’は、実施例1の制御における画像形成領域(画像形成可能領域)の後端が転写部Ntに到達するタイミングTaよりも、距離L1に応じて早くなる。本実施例では、タイミングTa’では、実施例1同様、転写電圧が、感光ドラム1と転写ローラ5との間の電位差が放電閾値以下になるように変更される。これにより、転写領域Cにおいて、正極性の転写電圧が、負極性の感光ドラム1の表面電位を過剰に低下させることを抑制する。その結果、転写領域Cにおいて、感光ドラム1の表面電位が過剰に低下することにより現像装置4から負極性のトナーが感光ドラム1上に転移するかぶりの発生を抑制することができる。本実施例では、タイミングTa’で変更した後の紙後端制御における転写電圧は0Vとした。紙後端制御中、引き続き、感光ドラム1の表面が所定の暗部電位Vdに略一様に帯電処理されるように帯電ローラ2に帯電電圧が印加される。本実施例では、実施例1と同様、帯電ローラ2には-1100Vの帯電電圧が印加されている。
次に、制御部40は、感光ドラム1が回転したら、タイミングTb’で、帯電電圧を変更する。タイミングTb’は、タイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングである。なお、タイミングTb’は、タイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミング以降のタイミングであればよい。本実施例では、タイミングTb’では、実施例1と同様、帯電電圧は感光ドラム1の表面電位よりも低い電圧に変更される。これにより、非転写領域Eの感光ドラム1の表面は、放電帯電されないようになる。そのため、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位は上昇しなくなる。また、帯電ローラ2に印加される帯電電圧が感光ドラム1の表面電位よりも低いので、上昇していた感光ドラム1の表面電位を減衰させることができる。その結果、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することができる。本実施例では、タイミングTb’で変更した後の帯電電圧は0Vとした。また、タイミングTa’で転写電圧が正極性の電圧から0Vとされているので、転写領域Cの感光ドラム1の表面電位の低下は抑制され、現像装置4から負極性トナーが感光ドラム1の表面に転移するかぶりの発生は抑制される。
なお、後続紙P2のATVC制御に移行するために転写電圧を正極性の電圧に変更するタイミングTc、及び感光ドラム1の表面を所定の暗部電位Vdに戻すために帯電電圧を変更するタイミングTdは、実施例1と同じである。
図8は、本実施例における転写電圧及び帯電電圧の制御を説明するためのフローチャート図である。制御部40は、プリント動作を開始すると、S101でビデオコントローラ110内のデータ処理部からの情報に基づいて画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングを算出する。次に、制御部40は、S102でATVC制御を行う。次に、制御部40は、S103で転写電圧の定電流制御を行う。次に、制御部40は、S104で画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングTa’で紙後端制御を開始する。次に、制御部40は、S105において、タイミングTb’で帯電電圧の変更、タイミングTcで転写電圧の変更、タイミングTdで帯電電圧の変更を順次行う。次に、制御部40は、S106でラスト紙か否かを判断し、ラスト紙である(「Yes」)と判断した場合は、S107で後回転制御を行い、プリント動作を終了する。また、制御部40は、S106でラスト紙ではない(「No」)と判断した場合は、S101の処理に戻る。
本実施例では、画像情報に応じて転写電圧及び帯電電圧を変更するタイミングを制御することで、帯電電圧を感光ドラム1の表面電位よりも低くする時間を長くすることが可能となる。これによって、実施例1に比べて、非転写領域Eにおける放電帯電及び負電荷を注入させる注入帯電を抑制できる時間を長くすることができる。その結果、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制する効果を高めることができる。また、非転写領域Eの表面電位の減衰効果を高めることができる。
(2)変形例
次に、実施例2の変形例について説明する。紙後端制御は、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制するために、少なくとも感光ドラム1の表面の1周分は行うことが望ましい。紙後端制御は、概略、先行紙と後続紙との間の紙間工程で行われるので、紙間距離として感光ドラム1の1周分以上の確保が望まれ、生産性の低下につながる可能性がある。本変形例では、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制しつつ、上述の実施例1、実施例2よりも生産性を向上させることが可能となる。
図7(b)を用いて、本変形例における転写電圧及び帯電電圧の制御について説明する。図7(b)は、本変形例における転写電圧及び帯電電圧の時系列的変化を示すチャート図である。図7(b)は、記録材Pとしての先行紙P1と後続紙P2とを、これらの間の紙間距離を図7(a)に示す実施例2の場合よりも短くして通紙した場合を示している。
図7(b)に示す本変形例の制御において、ATVC制御、定電流制御及び後回転制御は、図4(a)に示した実施例1の制御と同様であるので説明を省略する。
また、図7(b)に示す本変形例の制御において、紙後端制御におけるタイミングTa’と、タイミングTb’と、については実施例2と同じである。タイミングTa’は、本変形例では、先行紙P1に形成される画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングである。また、タイミングTb’は、本変形例では、転写電圧が0Vに変更されたタイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングである。
本実施例では、タイミングTc’と、タイミングTd’とを、画像情報に応じて実施例2よりも早くし、紙後端制御の時間を短くしている。タイミングTc’は、紙後端制御後のATVC制御に移行するために転写電圧を正極性の電圧に変更するタイミングである。また、タイミングTd’は、転写電圧が正極性の電圧に変更されたタイミングTc’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングである。このようにして紙間距離Lkを狭めることで、プリントスピードが速くなり、生産性が向上する。
図9は、本変形例における転写電圧及び帯電電圧の制御を説明するためのフローチャート図である。制御部40は、プリント動作を開始すると、S201でビデオコントローラ110内のデータ処理部からの情報に基づいて画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングを算出する。次に、制御部40は、S202でATVC制御を行う。次に、制御部40は、S203で転写電圧の定電流制御を行う。次に、制御部40は、S204で画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングTa’で紙後端制御を開始する。次に、制御部40は、S205において、タイミングTb’で帯電電圧を変更する。次に、制御部40は、S206において、先行紙P1に形成される画像の領域の後端が転写部Ntに到達するタイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が、先行紙P1の後端が転写位置Pdに到達した時に転写位置Pdに到達しているか否かを判断する。つまり、画像形成時(転写時)の第1の転写電圧から紙後端制御時の第2の転写電圧に変更するタイミングを開始タイミング、紙後端制御時の第2の帯電電圧から画像形成時(帯電処理時)の第1の帯電電圧に変更するタイミングを終了タイミングとする。このとき、制御部40は、開始タイミングで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が次に転写位置Pdに到達した時以降に先行紙P1の搬送方向の後端が転写位置Pdに到達するか否かを判断する。
そして、制御部40は、S206において、タイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が、先行紙P1の後端が転写位置Pdに到達した時に転写位置Pdに到達している(「Yes」)と判断した場合は、次のようにする。S207において、先行紙P1の後端が転写位置Pdに到達するタイミングTc’で転写電圧を変更し、続いてタイミングTc’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングTd’で帯電電圧を変更する。つまり、この場合には、先行紙P1の搬送方向の後端が転写位置Pdに到達した時以降に第2の転写電圧から第1の転写電圧に変更し、終了タイミングを、第2の転写電圧から第1の転写電圧に変更した時に転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達する時までのタイミングとすればよい。
一方、制御部40は、S206において、タイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が、先行紙P1の後端が転写位置Pdに到達した時に転写位置Pdに到達していない(「No」)と判断した場合は、次のようにする。S208において、タイミングTa’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が転写位置Pdに到達するタイミングTc’で転写電圧を変更し、続いてタイミングTc’で転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達するタイミングTd’で帯電電圧を変更する。つまり、この場合には、開始タイミングで転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が次に転写位置Pdに到達した時以降に第2の転写電圧から第1の転写電圧に変更し、終了タイミングを、第2の転写電圧から第1の転写電圧に変更した時に転写位置Pdにあった感光ドラム1上の位置が帯電位置Paに到達する時までのタイミングとすればよい。
次に、制御部40は、S209でラスト紙か否かを判断し、ラスト紙である(「Yess」)と判断した場合は、S210で後回転制御を行い、プリント動作を終了する。また、制御部40は、S209でラスト紙ではない(「No」)と判断した場合は、S201の処理に戻る。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。本実施例では、画像形成装置100は、最大毎分60枚のプリントスピードでプリントを実行することができる。
このように、紙後端制御を実行する、複数の記録材Pにトナー像を転写する連続画像形成時の、先行する記録材P1に対するトナー像の転写と後続の記録材P2に対するトナー像の転写との間の期間は、感光体1の回転方向における先行する記録材P1に転写されるトナー像の後端の位置と、後続の記録材P2に転写されるトナー像が形成され得る感光体1の表面の領域と、の間の領域が転写部Ntを通過している間の期間であってよい。本実施例では、画像形成装置100は、画像情報に基づいて感光体1の回転方向における1枚の記録材Pに転写されるトナー像の後端の位置に関する情報を検知する検知手段110を有し、前述の第1の転写電圧から前述の第2の転写電圧に変更するタイミングを開始タイミング、前述の第2の帯電電圧から前述の第1の帯電電圧に変更するタイミングを終了タイミングとしたとき、制御部40は、検知手段110により検知された上記情報に基づいて、上記開始タイミング又は上記終了タイミングの少なくとも一方を変更するように制御することができる。このとき、制御部40は、上記開始タイミングを、感光体1の回転方向における先行する記録材P1に転写されるトナー像の後端が転写部Ntに到達した時以降かつ先行する記録材P1の搬送方向の後端が転写部Ntに到達する時より前のタイミングとするように制御することができる。また、制御部40は、上記開始タイミングで転写部Ntにあった感光体1上の位置が次に転写部Ntに到達した時以降に先行する記録材P1の搬送方向の後端が転写部Ntに到達する場合には、先行する記録材P1の搬送方向の後端が転写部Ntに到達した時以降に上記第2の転写電圧から上記第1の転写電圧に変更し、上記終了タイミングを、上記第2の転写電圧から上記第1の転写電圧に変更した時に転写部Ntにあった感光体1上の位置が帯電部Bに到達する時までのタイミングとするように制御することができる。また、制御部40は、上記開始タイミングで転写部Ntにあった感光体1上の位置が次に転写部Ntに到達する前に先行する記録材P1の搬送方向の後端が転写部Ntに到達する場合には、上記開始タイミングで転写部Ntにあった感光体1上の位置が次に転写部Ntに到達した時以降に上記第2の転写電圧から上記第1の転写電圧に変更し、上記終了タイミングを、上記第2の転写電圧から上記第1の転写電圧に変更した時に転写部Ntにあった感光体1上の位置が帯電部Bに到達する時までのタイミングとするように制御することができる。
以上説明したように、本実施例では、先行紙P1の画像情報に応じて、転写電圧及び帯電電圧の変更タイミングと、先行紙P1と後続紙P2との紙間距離と、を変更する。これにより、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制しつつ、生産性を向上させることできる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置と同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像形成装置100の小型化などを目的として、長手方向に関して転写領域Cの方が後述する現像領域Fよりも短い場合について説明する。
図10は、本実施例における長手方向に関する感光ドラム1の周りの各部の位置関係を説明するための模式図である。この位置関係は、画像形成に用いられる記録材Pのサイズ(特に、搬送方向と略直交する方向の幅)によって変わるが、図6では記録材PがLTRサイズの場合の位置関係を示している。図10において、「感光体領域A」、「帯電領域B」、「転写領域C」、「通紙領域D」、「非転写領域E」は、それぞれ実施例1で説明したとおりの領域又はその領域の幅を示す。「現像領域(現像部)F」は、長手方向に関する現像ローラ4a上のトナーがコートされている領域(トナーコート領域)又はその領域の幅(より詳細には現像ローラ4a上のトナーコートが感光ドラム1の表面に接触可能な領域又はその領域の幅)を示す。本実施例では、この現像領域Fは、現像装置4内の現像剤であるトナーを現像ローラ4aへ供給するために現像容器4bに開けられた開口が設けられた領域又はその領域の幅ということもできる。つまり、本実施例では、この開口が設けられた領域においてトナーは現像ローラ4aへのトナーの供給が行われる。また、「かぶり領域G」は、長手方向に関する、非転写領域E内、かつ、現像領域F内の領域又はその領域の幅を示す。なお、便宜上、上記「帯電領域B」、「転写領域C」、「通紙領域D」、「非転写領域E」、「現像領域F」、「かぶり領域G」に対応する感光ドラム1上の領域も、それぞれ「帯電領域B」、「転写領域C」、「通紙領域D」、「非転写領域E」、「現像領域F」、「かぶり領域G」と呼ぶ。また、本実施例では、感光体領域A、帯電領域B、転写領域C、通紙領域D、現像領域Fは、それぞれ実施例1で説明したのと同様に中央基準で配列されている。なお、図6には、長手方向に関する中央から一方の端部側の範囲が図示されている。
本実施例では、現像領域Fは、長手方向に関して、その少なくとも一部が非転写領域Eと重なる。すなわち、本実施例では、長手方向に関して、現像領域Fは、帯電領域Bよりも短く、転写領域Cよりも長い。なお、この現像領域Fにおける非転写領域Eと重なる領域が、上記かぶり領域Gである。すなわち、かぶり領域Gは、非転写領域Eの一部に該当する。このように、本実施例では、帯電部材2の回転軸線方向において転写部Ntよりも現像部材4aのトナーコート領域の方が長く、上記回転軸線方向において上記トナーコート領域の端部の少なくとも一部が非転写領域Eと重なる。
本実施例では、現像ローラ4aは感光ドラム1に当接している。そのため、現像領域F内でトナーが感光ドラム1に付着する「かぶり」が発生する可能性がある。特に、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位が上昇すると、正規の帯電極性とは逆極性に帯電した「反転トナー」による「かぶり」(「反転かぶり」)が悪化する可能性がある。すなわち、かぶり領域Gで「反転トナー」による「反転かぶり」が発生する可能性がある。「かぶり」の発生量が多い場合などに、クリーニング装置6のクリーニングブレード6aによってトナーを除去しきれなくなって、クリーニング不良発生が発生する場合がある。そして、このクリーニング不良に起因して、記録材Pの搬送方向と略直交する方向の記録材Pの端部がトナーで汚れる「端部汚れ」が発生してしまう可能性がある。
ここで、「かぶり」について更に説明する。図11は、感光ドラム1の暗部電位(非露光部の表面電位)と現像ローラ4aの電位(現像電圧の電位)との間の電位差であるVbackと、「かぶり」の発生程度と、の関係を示すグラフ図である。なお、Vbackは、感光ドラム1の暗部電位が現像ローラ4aの電位よりもトナーの正規の帯電極性と同極性側に大きい場合の値を正の値で表すものとする。感光ドラム1上の「かぶり」の測定は、次のようにして行った。透明な粘着テープの粘着面を感光ドラム1上に貼り付けることでトナーの採取を行った。また、その粘着テープを所定の紙上に貼り付け、そのトナーが付着した粘着テープの濃度(かぶり濃度(%))を測定して、「かぶり」の定量化を行った。「かぶり」が発生しない場合は、かぶり濃度は0%となり、かぶり濃度の値が大きいほど、「かぶり」の発生程度が大きく、感光ドラム1の表面に多くのトナーが付着していることを示す。「かぶり」の種類としては、次のものがある。まず、感光ドラム1の暗部電位と現像ローラ4aとの間の電位差が小さくなった場合に、感光ドラム1の表面に正規の帯電極性に帯電したトナーが付着してしまう「地かぶり」がある。また、感光ドラム1の暗部電位と現像ローラ4aとの間の電位差が大きくなった場合に、感光ドラム1の表面に正規の帯電極性とは逆極性に帯電した「反転トナー」が付着してしまう「反転かぶり」がある。
前述のように、図3の状態4は、転写領域Cと非転写領域Eとの間の電位差が大きくなった状態を示している。転写領域Cの感光ドラム1の表面電位と現像ローラ4aの電位との間の電位差であるVbackCよりも、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位と現像ローラ4aの電位との間の電位差であるVbackEの方が大きくなっている。このようにVbackが大きくなった場合、感光ドラム1の表面に反転トナーが付着してしまう「反転かぶり」が発生することがある。図11に示すように、本実施例の構成では、Vbackが120V付近の場合に最もかぶりの発生程度が小さく、かぶり濃度は2%となる。この程度のかぶりであれば、記録材P上で視認することは難しく、問題とはならない。一方、Vbackが220Vよりも大きくなると、かぶり(反転かぶり)の発生程度が大きくなり、かぶり濃度が10%を超える状態が続くと、クリーニング不良が発生する可能性がある。
図5を用いて、本実施例と比較例とでのかぶり領域Gの感光ドラム1の表面電位及びかぶり(反転かぶり)の発生程度について説明する。図5は、前述のように、記録材PとしてのLTRサイズの用紙の20枚に連続画像形成を行った際の非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の推移を示す。実施例1で説明したように、図5において、実線が本実施例(実施例1と同様)の制御(図4(a))の場合の表面電位の推移、破線が比較例の制御(図4(b))の場合の表面電位の推移である。上述のように、かぶり領域Gは非転写領域Eの一部に該当する。
比較例の場合、かぶり領域Gが含まれる非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位は-700Vとなっているため、Vbackは320Vとなっている。この場合、図11より、かぶり濃度は20%を超えるため、かぶりによるクリーニング不良が発生する場合がある。
一方、本実施例の場合、かぶり領域Gが含まれる非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位は-550Vで、Vbackは170Vとなっている。この場合、図11より、かぶり濃度は5%程度であり、かぶりによるクリーニング不良に対しては問題ないレベルである。
以上説明したように、長手方向に関して転写領域Cの方が現像領域Fよりも短い構成において、非転写領域Eの感光ドラム1の表面電位の上昇を抑制することで、クリーニング不良の発生を抑制することができる。また、本構成にすることで、転写ローラ5の長さを短くすることができ、画像形成装置100の小型化図ることができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、転写部材が転写ローラである場合について説明したが、転写部材は転写ローラに限定されるものではない。転写部材は、例えば、感光体に接触する回転可能な無端状のベルトを有して構成されていてもよい。この転写ベルトの内周面側において、感光体と対向する位置には転写ベルトを介して転写部に転写電圧を供給する電圧印加部材(ローラ、ブラシ、シートなど)が配置されていてよい。また、転写部材は、回転体に限定されるものではなく、パッド状の部材、シート状(フィルム状)の部材、固定ブラシ状の部材などの他の形態のものであってもよい。
また、上述の実施例では、感光体が感光ドラムである場合について説明したが、感光体は感光ドラムに限定されるものではない。感光体は、無端ベルト状に構成された感光体ベルトであってもよい。
また、上述の実施例では、画像形成装置には前露光手段が設けられていなかった。前述のように、感光体の長手方向の端部の非転写領域の表面電位が過剰な電位まで上昇する現象は、画像形成装置が前露光レス方式を採用する場合に顕著となる傾向がある。そのため、本発明は、画像形成装置が前露光レス方式を採用する場合に特に有効であるといえる。ただし、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。前露光手段が設けられた画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。この場合、本発明を適用することで、上述の実施例で説明した効果が得られると共に、前露光手段の露光量を低減して帯電工程による放電量を低減する効果などが得られる。同様に、本発明は、DC帯電方式を採用する場合に特に有効であるといえるが、AC/DC帯電方式を採用する場合にも適用することが可能である。
また、本発明は、長手方向において転写領域の方が現像領域よりも短い構成への適用に限定されるものではない。長手方向において転写領域の長さが現像領域の長さ以上である構成であっても、本発明を適用することができ、前述のような感光体のダメージの抑制などの効果が得られる。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
40 制御部

Claims (13)

  1. 回転可能な感光体と、
    前記感光体と接触して帯電部を形成し、前記帯電部において前記感光体の表面を帯電処理する回転可能な帯電部材と、
    前記帯電部材に帯電電圧を印加する帯電電源と、
    前記帯電部材により帯電処理された前記感光体の表面に正規極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像部材と、
    前記感光体の表面に接触して転写部を形成し、前記転写部において前記感光体の表面から記録材にトナー像を転写させる転写部材と、
    前記転写部材に転写電圧を印加する転写電源と、
    前記帯電電源及び前記転写電源を制御可能な制御部と、
    を有し、
    前記帯電部材の回転軸線方向において、前記帯電部の幅よりも前記転写部の幅の方が短く、前記感光体の表面における前記回転軸線方向の端部に、前記帯電部材と接触しかつ前記転写部材と接触しない非転写領域を有し、
    前記帯電部材に前記正規極性の第1の帯電電圧が印加されることで帯電処理された前記感光体の表面にトナー像が形成され、前記転写部材に前記正規極性とは逆極性の第1の転写電圧が印加されることで前記感光体から記録材にトナー像が転写される場合において、前記非転写領域を形成していた前記感光体の表面に対して前記帯電電圧を印加されて形成された表面電位の絶対値が、前記転写部を形成していた前記感光体の表面に対して前記帯電電圧を印加されて形成された表面電位の絶対値よりも大きくなる画像形成装置において、
    前記制御部は、複数の記録材にトナー像を転写する連続画像形成時に、先行する記録材に対するトナー像の転写と後続の記録材に対するトナー像の転写との間の期間に、前記転写部材に前記第1の転写電圧に対して前記正規極性側の第2の転写電圧を印加すると共に、前記転写部材に前記第2の転写電圧が印加されている間に前記転写部を通過した前記感光体の表面が前記帯電部を通過している間に、前記帯電部材に前記第1の帯電電圧の絶対値よりも絶対値が小さい前記正規極性の第2の帯電電圧を印加する動作を実行するように制御可能であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第1の転写電圧から前記第2の転写電圧に変更した時に前記転写部にあった前記感光体上の位置が前記帯電部に到達した時以降に前記第1の帯電電圧から前記第2の帯電電圧に変更し、
    前記第1の帯電電圧から前記第2の帯電電圧に変更した時に前記帯電部にあった前記感光体上の位置が前記転写部に到達した時以降に前記第2の転写電圧から前記第1の転写電圧に変更し、
    前記第2の転写電圧から前記第1の転写電圧に変更した時に前記転写部にあった前記感光体上の位置が前記帯電部に到達する時までには前記第2の帯電電圧から前記第1の帯電電圧に変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記感光体と前記転写部材との間の電位差が放電閾値以下となる前記第2の転写電圧を前記転写部材に印加するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記第2の転写電圧を略0Vとするように制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記帯電部材に前記第2の帯電電圧が印加されている間に前記帯電部に到達する前記転写部を形成していた前記感光体の表面の表面電位の絶対値よりも絶対値が小さい前記第2の帯電電圧を前記帯電部材に印加するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記第2の帯電電圧を略0Vとするように制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記期間は、前記先行する記録材に転写されるトナー像が形成され得る前記感光体の表面の領域と、前記後続の記録材に転写されるトナー像が形成され得る前記感光体の表面の領域と、の間の領域が前記転写部を通過している間の期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記期間は、前記感光体の回転方向における前記先行する記録材に転写されるトナー像の後端の位置と、前記後続の記録材に転写されるトナー像が形成され得る前記感光体の表面の領域と、の間の領域が前記転写部を通過している間の期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 画像情報に基づいて前記感光体の回転方向における1枚の記録材に転写されるトナー像の後端の位置に関する情報を検知する検知手段を有し、
    前記第1の転写電圧から前記第2の転写電圧に変更するタイミングを開始タイミング、前記第2の帯電電圧から前記第1の帯電電圧に変更するタイミングを終了タイミングとしたとき、前記制御部は、前記検知手段により検知された前記情報に基づいて、前記開始タイミング又は前記終了タイミングの少なくとも一方を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記開始タイミングを、前記感光体の回転方向における前記先行する記録材に転写されるトナー像の後端が前記転写部に到達した時以降かつ前記先行する記録材の搬送方向の後端が前記転写部に到達する時より前のタイミングとするように制御することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記開始タイミングで前記転写部にあった前記感光体上の位置が次に前記転写部に到達した時以降に前記先行する記録材の搬送方向の後端が前記転写部に到達する場合には、前記先行する記録材の搬送方向の後端が前記転写部に到達した時以降に前記第2の転写電圧から前記第1の転写電圧に変更し、前記終了タイミングを、前記第2の転写電圧から前記第1の転写電圧に変更した時に前記転写部にあった前記感光体上の位置が前記帯電部に到達する時までのタイミングとするように制御することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御部は、前記開始タイミングで前記転写部にあった前記感光体上の位置が次に前記転写部に到達する前に前記先行する記録材の搬送方向の後端が前記転写部に到達する場合には、前記開始タイミングで前記転写部にあった前記感光体上の位置が次に前記転写部に到達した時以降に前記第2の転写電圧から前記第1の転写電圧に変更し、前記終了タイミングを、前記第2の転写電圧から前記第1の転写電圧に変更した時に前記転写部にあった前記感光体上の位置が前記帯電部に到達する時までのタイミングとするように制御することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  13. 前記回転軸線方向において前記転写部よりも前記現像部材のトナーコート領域の方が長く、前記回転軸線方向において前記トナーコート領域の端部の少なくとも一部が前記非転写領域と重なることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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