JP3738531B2 - 渦電流式減速装置の制動ドラム - Google Patents
渦電流式減速装置の制動ドラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP3738531B2 JP3738531B2 JP17641297A JP17641297A JP3738531B2 JP 3738531 B2 JP3738531 B2 JP 3738531B2 JP 17641297 A JP17641297 A JP 17641297A JP 17641297 A JP17641297 A JP 17641297A JP 3738531 B2 JP3738531 B2 JP 3738531B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake drum
- drum
- braking
- copper layer
- eddy current
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
- Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に搭載されて摩擦ブレーキを補助する渦電流式減速装置、特に渦電流の流れを良くする銅層の熱劣化を防ぐとともに、制動ドラムに対する支持腕の結合(溶接)強度を確保するようにした渦電流式減速装置の制動ドラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転する磁性抵抗体からなる制動ドラムに対し、永久磁石を接近させて制動トルクを発生させる従来の永久磁石式渦電流減速装置では、制動トルクを大きくすために、制動ドラムの端面に銅層(純銅に近いものが適している)を備え、制動ドラムの一端面が回転軸から放射方向に延びる支持腕にTIG溶接、電子ビーム溶接などにより接合されている。
【0003】
しかし、制動ドラムの端面に銅層が接合されていると、制動ドラムに支持腕を接合するのに次のような問題が生じる。つまり、制動ドラムに支持腕を接合するには、強度の面から溶接、摩擦圧接などが考えられるが、溶接も摩擦圧接も接合する時の熱で制動ドラムの端面の銅層が溶け出したり酸化して、制動トルクの低下を招く。制動ドラムの端面の銅層を保護しながら支持腕を接合するには、例えば軟ろう付けが考えられるが、十分な接合強度が得られない。いずれにしても、制動ドラムの端面に接合した銅層に支持腕を直接接合するのでは、制動ドラムと銅層との熱膨張率の違いから、減速装置の制動作用中の温度上昇により、銅層と支持腕の接合部が破損する恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、制動ドラムの端面の銅層の熱劣化を防ぐとともに、制動ドラムの端面に対する支持腕の接合強度を確保するようにした、渦電流式減速装置の制動ドラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合した制動ドラムと、該制動ドラムの内部に配設した非磁性体からなる円筒状のの磁石案内枠と、該磁石案内枠に周方向等間隔に設けた多数の開口に結合した強磁性板と、前記磁石案内枠の内部に支持されかつ永久磁石を前記各強磁性板に対向しかつ極性が周方向に交互に異なるように支持する磁石支持筒とを備えた渦電流式減速装置において、前記制動ドラムの少くとも一方の端面に径方向のスリツトを有する複数対のリブを設け、前記支持腕の先端を前記リブにスリツトを跨いで溶接により接合し、制動ドラムの端面の前記リブを除く部分に銅層を備えるたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では制動ドラムと各支持腕の接合部に周方向に離隔する1対のリブを設け、1対のリブの間のスリツトに例えば銅粉末を溶射するなどして銅層を形成する。銅層の表面と支持腕の内面との間には微小な隙間を設ける。制動ドラムの温度が上昇し銅層が膨張した時、膨張した銅層が支持腕の内面に接し、銅層が支持腕の接合面に面圧を及ぼす。こうして、制動ドラムと支持腕の接合強度を損なわずに、銅層の面積を広くする。
【0007】
【実施例】
図1は本発明が適用される渦電流式減速装置の制動ドラムの左側面断面図、図2は同制動ドラムを縮小して示す正面図である。変速機の歯車箱2の端壁に軸受3により支持されかつ端壁から突出する出力回転軸4に、取付フランジ5がスプライン嵌合されかつ外れないようにナツト6により締結される。取付フランジ5に駐車ブレーキの制動ドラム7の端壁と、減速装置の制動ドラム13のボス部9と一体のフランジ9aとが重ね合され、複数のボルト10とナツト10aにより締結される。
【0008】
制動ドラム13はボス部9から放射方向に延びる多数の支持腕12に支持される。このため、支持腕12の先端は制動ドラム13の基端面に溶接により結合される。制動ドラム13の外周壁に周方向等間隔に、多数の冷却フイン13aが備えられる。
【0009】
鉄などの電気導体からなる制動ドラム13の内側に、断面箱形の内空部を有する円筒状の磁石案内枠18が配設される。磁石案内枠18は歯車箱2の突壁2aに外嵌固定した補強リブ31aを有する枠板31に、ボルト32,33により固定される。磁石案内枠18は外筒と内筒の両端に環状の端壁板を結合して構成してもよいが、図示の磁石案内枠18は普通の鉄などの材料からなる左半部の断面コ字形をなす筒形の枠部分18aと、アルミニウムなどの非磁性体からなる右半部の断面逆L字形をなす筒形の枠部分18bとを、多数のボルト14により結合して構成される。
【0010】
制動ドラム13の内周壁と対向する磁石案内枠18の外周壁すなわち枠部分18bの周壁に、周方向等間隔に多数の開口が設けられ、各開口に強磁性板(ポールピース)21が嵌合固定される。実際には、枠部分18bをアルミニウムから鋳造する際に、強磁性板21を鋳ぐるんで構成する。枠板31に周方向等間隔に複数のアクチユエータ(図示せず)が支持される。アクチユエータはシリンダに嵌合したピストンから磁石案内枠18の内空部へ突出するロツド17の端部に磁石支持筒19を結合される。磁石支持筒19は磁石案内枠18の内空部に軸方向移動可能に支持される。磁石支持筒19の外周壁に、各強磁性板21と対向する永久磁石20が、周方向に極性を交互に異にして結合される。
【0011】
制動作用時、磁石支持筒19は図示のように、アクチユエータによりロツド17を介して制動ドラム13の内部へ突出される。回転する制動ドラム13が永久磁石20から強磁性板21を透過して制動ドラム13の内周壁へ及ぶ磁界を横切る時、制動ドラム13に渦電流が発生し、制動ドラム13が制動トルクを受ける。制動ドラム13は渦電流により発熱し、直接または冷却フイン13aで空気により冷却される。
【0012】
制動解除時、アクチユエータによりロツド17を介して磁石支持筒19を、制動ドラム13の内部から引き出すと、永久磁石20は制動ドラム13の内周壁へ磁界を及ぼさなくなり、制動ドラム13は制動トルクを受けない。
【0013】
本発明によれば、制動時の渦電流の流れを良くするために、制動ドラム13の両端面に銅層27が形成される。図3〜5に示すように、支持腕12の先端に対する制動ドラム13の基端面の接合強度を高めるために、制動ドラム13の端面の銅層27の働きをできるだけ損わずに、制動ドラム13を構成する基材(鉄材)が支持腕12を構成する基材(鉄材)に直接溶接により接合されるようにしたものである。このため、制動ドラム13の基端面に、各支持腕12の接合面となる1対の径方向のリブ23を設ける。リブ23の表面は溶接強度を高めるために平滑に仕上げる。接合面となるリブ23の表面と支持腕12の内面とには銅層を設けない。制動ドラム13の基端面の1対のリブ23の間のスリツト24(図5)に銅層27aを、各リブ23の外側部分に銅層27をそれぞれ形成する。各銅層27,27aの厚さは、目標とする制動トルクに応じて決める。特に1対のリブ23の間の銅層27aの厚さは、常温で銅層27aの表面が支持腕12の内面12aに接触しないように適当な隙間tを備え、かつ高温で銅層27aが熱膨張すると、支持腕12の内面12aに接触するようにする。
【0014】
図6に示すように、渦電流式減速装置の制動作用中には、制動ドラム13の1対のリブ23の間の銅層27aの温度は、10t貨物車両の場合で約650℃、4t貨物車両の場合で約550℃になり、熱膨張した銅層27aの表面は支持腕12の内面12aに接触する。上述のように、制動ドラム13の端面から突出して形成した1対のリブ23を、支持腕12の内面12aに溶接するようにしたから、溶接ビートが長く、溶接ビート間の接触面積が広くなり、制動ドラム13に対する支持腕12の溶接強度が高くなる。
【0015】
なお、上述の実施例では、磁石支持筒を軸方向に往復移動することにより、制動と非制動の切換えを行う渦電流式減速装置に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特公平7-118901号公報に開示されるような、磁石支持筒を正逆回動することにより、制動と非制動の切換えを行う渦電流式減速装置にも適用できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上述のように、制動ドラムの少くとも一方の端面に銅層が備えられ、該端面が支持腕を介して回転軸に結合される渦電流式減速装置において、制動ドラムの前記端面に径方向のスリツトを有する複数対のリブを設け、各支持腕の先端内面を前記1対のリブにスリツトを跨いで溶接したものであるから、次のような効果が得られる。
【0017】
(a) 制動ドラムの端面に複合形成した銅層の劣化を招くことなく、制動ドラムと支持腕の接合強度を確保できる。
【0018】
(b) 制動ドラムの端面の銅層の面積を広く採れる。
【0019】
(c) 制動ドラムの端面の銅層が熱膨張しても、制動ドラムと支持腕の接合
部の破損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される渦電流式減速装置の制動ドラムの左側面断面図である。
【図2】同制動ドラムを縮小して示す正面図である。
【図3】同制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す正面図である。
【図4】同制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す側面断面図である。
【図5】同制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す平面図である。
【図6】制動作用中の制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
2:歯車箱 4:回転軸 5:取付フランジ 7:制動ドラム 9:ボス部 9a:フランジ 12:支持腕 12a:内面 13:制動ドラム 13a:冷却フイン 13b:端面 17:ロツド 18:磁石案内枠 18a,18b:枠部分 19:磁石支持筒 20:永久磁石 21:強磁性板 23:リブ 24:スリツト 27,27a:銅層 28:銅棒 31:枠板
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に搭載されて摩擦ブレーキを補助する渦電流式減速装置、特に渦電流の流れを良くする銅層の熱劣化を防ぐとともに、制動ドラムに対する支持腕の結合(溶接)強度を確保するようにした渦電流式減速装置の制動ドラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転する磁性抵抗体からなる制動ドラムに対し、永久磁石を接近させて制動トルクを発生させる従来の永久磁石式渦電流減速装置では、制動トルクを大きくすために、制動ドラムの端面に銅層(純銅に近いものが適している)を備え、制動ドラムの一端面が回転軸から放射方向に延びる支持腕にTIG溶接、電子ビーム溶接などにより接合されている。
【0003】
しかし、制動ドラムの端面に銅層が接合されていると、制動ドラムに支持腕を接合するのに次のような問題が生じる。つまり、制動ドラムに支持腕を接合するには、強度の面から溶接、摩擦圧接などが考えられるが、溶接も摩擦圧接も接合する時の熱で制動ドラムの端面の銅層が溶け出したり酸化して、制動トルクの低下を招く。制動ドラムの端面の銅層を保護しながら支持腕を接合するには、例えば軟ろう付けが考えられるが、十分な接合強度が得られない。いずれにしても、制動ドラムの端面に接合した銅層に支持腕を直接接合するのでは、制動ドラムと銅層との熱膨張率の違いから、減速装置の制動作用中の温度上昇により、銅層と支持腕の接合部が破損する恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、制動ドラムの端面の銅層の熱劣化を防ぐとともに、制動ドラムの端面に対する支持腕の接合強度を確保するようにした、渦電流式減速装置の制動ドラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合した制動ドラムと、該制動ドラムの内部に配設した非磁性体からなる円筒状のの磁石案内枠と、該磁石案内枠に周方向等間隔に設けた多数の開口に結合した強磁性板と、前記磁石案内枠の内部に支持されかつ永久磁石を前記各強磁性板に対向しかつ極性が周方向に交互に異なるように支持する磁石支持筒とを備えた渦電流式減速装置において、前記制動ドラムの少くとも一方の端面に径方向のスリツトを有する複数対のリブを設け、前記支持腕の先端を前記リブにスリツトを跨いで溶接により接合し、制動ドラムの端面の前記リブを除く部分に銅層を備えるたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では制動ドラムと各支持腕の接合部に周方向に離隔する1対のリブを設け、1対のリブの間のスリツトに例えば銅粉末を溶射するなどして銅層を形成する。銅層の表面と支持腕の内面との間には微小な隙間を設ける。制動ドラムの温度が上昇し銅層が膨張した時、膨張した銅層が支持腕の内面に接し、銅層が支持腕の接合面に面圧を及ぼす。こうして、制動ドラムと支持腕の接合強度を損なわずに、銅層の面積を広くする。
【0007】
【実施例】
図1は本発明が適用される渦電流式減速装置の制動ドラムの左側面断面図、図2は同制動ドラムを縮小して示す正面図である。変速機の歯車箱2の端壁に軸受3により支持されかつ端壁から突出する出力回転軸4に、取付フランジ5がスプライン嵌合されかつ外れないようにナツト6により締結される。取付フランジ5に駐車ブレーキの制動ドラム7の端壁と、減速装置の制動ドラム13のボス部9と一体のフランジ9aとが重ね合され、複数のボルト10とナツト10aにより締結される。
【0008】
制動ドラム13はボス部9から放射方向に延びる多数の支持腕12に支持される。このため、支持腕12の先端は制動ドラム13の基端面に溶接により結合される。制動ドラム13の外周壁に周方向等間隔に、多数の冷却フイン13aが備えられる。
【0009】
鉄などの電気導体からなる制動ドラム13の内側に、断面箱形の内空部を有する円筒状の磁石案内枠18が配設される。磁石案内枠18は歯車箱2の突壁2aに外嵌固定した補強リブ31aを有する枠板31に、ボルト32,33により固定される。磁石案内枠18は外筒と内筒の両端に環状の端壁板を結合して構成してもよいが、図示の磁石案内枠18は普通の鉄などの材料からなる左半部の断面コ字形をなす筒形の枠部分18aと、アルミニウムなどの非磁性体からなる右半部の断面逆L字形をなす筒形の枠部分18bとを、多数のボルト14により結合して構成される。
【0010】
制動ドラム13の内周壁と対向する磁石案内枠18の外周壁すなわち枠部分18bの周壁に、周方向等間隔に多数の開口が設けられ、各開口に強磁性板(ポールピース)21が嵌合固定される。実際には、枠部分18bをアルミニウムから鋳造する際に、強磁性板21を鋳ぐるんで構成する。枠板31に周方向等間隔に複数のアクチユエータ(図示せず)が支持される。アクチユエータはシリンダに嵌合したピストンから磁石案内枠18の内空部へ突出するロツド17の端部に磁石支持筒19を結合される。磁石支持筒19は磁石案内枠18の内空部に軸方向移動可能に支持される。磁石支持筒19の外周壁に、各強磁性板21と対向する永久磁石20が、周方向に極性を交互に異にして結合される。
【0011】
制動作用時、磁石支持筒19は図示のように、アクチユエータによりロツド17を介して制動ドラム13の内部へ突出される。回転する制動ドラム13が永久磁石20から強磁性板21を透過して制動ドラム13の内周壁へ及ぶ磁界を横切る時、制動ドラム13に渦電流が発生し、制動ドラム13が制動トルクを受ける。制動ドラム13は渦電流により発熱し、直接または冷却フイン13aで空気により冷却される。
【0012】
制動解除時、アクチユエータによりロツド17を介して磁石支持筒19を、制動ドラム13の内部から引き出すと、永久磁石20は制動ドラム13の内周壁へ磁界を及ぼさなくなり、制動ドラム13は制動トルクを受けない。
【0013】
本発明によれば、制動時の渦電流の流れを良くするために、制動ドラム13の両端面に銅層27が形成される。図3〜5に示すように、支持腕12の先端に対する制動ドラム13の基端面の接合強度を高めるために、制動ドラム13の端面の銅層27の働きをできるだけ損わずに、制動ドラム13を構成する基材(鉄材)が支持腕12を構成する基材(鉄材)に直接溶接により接合されるようにしたものである。このため、制動ドラム13の基端面に、各支持腕12の接合面となる1対の径方向のリブ23を設ける。リブ23の表面は溶接強度を高めるために平滑に仕上げる。接合面となるリブ23の表面と支持腕12の内面とには銅層を設けない。制動ドラム13の基端面の1対のリブ23の間のスリツト24(図5)に銅層27aを、各リブ23の外側部分に銅層27をそれぞれ形成する。各銅層27,27aの厚さは、目標とする制動トルクに応じて決める。特に1対のリブ23の間の銅層27aの厚さは、常温で銅層27aの表面が支持腕12の内面12aに接触しないように適当な隙間tを備え、かつ高温で銅層27aが熱膨張すると、支持腕12の内面12aに接触するようにする。
【0014】
図6に示すように、渦電流式減速装置の制動作用中には、制動ドラム13の1対のリブ23の間の銅層27aの温度は、10t貨物車両の場合で約650℃、4t貨物車両の場合で約550℃になり、熱膨張した銅層27aの表面は支持腕12の内面12aに接触する。上述のように、制動ドラム13の端面から突出して形成した1対のリブ23を、支持腕12の内面12aに溶接するようにしたから、溶接ビートが長く、溶接ビート間の接触面積が広くなり、制動ドラム13に対する支持腕12の溶接強度が高くなる。
【0015】
なお、上述の実施例では、磁石支持筒を軸方向に往復移動することにより、制動と非制動の切換えを行う渦電流式減速装置に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特公平7-118901号公報に開示されるような、磁石支持筒を正逆回動することにより、制動と非制動の切換えを行う渦電流式減速装置にも適用できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上述のように、制動ドラムの少くとも一方の端面に銅層が備えられ、該端面が支持腕を介して回転軸に結合される渦電流式減速装置において、制動ドラムの前記端面に径方向のスリツトを有する複数対のリブを設け、各支持腕の先端内面を前記1対のリブにスリツトを跨いで溶接したものであるから、次のような効果が得られる。
【0017】
(a) 制動ドラムの端面に複合形成した銅層の劣化を招くことなく、制動ドラムと支持腕の接合強度を確保できる。
【0018】
(b) 制動ドラムの端面の銅層の面積を広く採れる。
【0019】
(c) 制動ドラムの端面の銅層が熱膨張しても、制動ドラムと支持腕の接合
部の破損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される渦電流式減速装置の制動ドラムの左側面断面図である。
【図2】同制動ドラムを縮小して示す正面図である。
【図3】同制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す正面図である。
【図4】同制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す側面断面図である。
【図5】同制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す平面図である。
【図6】制動作用中の制動ドラムと支持腕の接合部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
2:歯車箱 4:回転軸 5:取付フランジ 7:制動ドラム 9:ボス部 9a:フランジ 12:支持腕 12a:内面 13:制動ドラム 13a:冷却フイン 13b:端面 17:ロツド 18:磁石案内枠 18a,18b:枠部分 19:磁石支持筒 20:永久磁石 21:強磁性板 23:リブ 24:スリツト 27,27a:銅層 28:銅棒 31:枠板
Claims (1)
- 回転軸に結合した制動ドラムと、該制動ドラムの内部に配設した非磁性体からなる円筒状のの磁石案内枠と、該磁石案内枠に周方向等間隔に設けた多数の開口に結合した強磁性板と、前記磁石案内枠の内部に支持されかつ永久磁石を前記各強磁性板に対向しかつ極性が周方向に交互に異なるように支持する磁石支持筒とを備えた渦電流式減速装置において、前記制動ドラムの少くとも一方の端面に径方向のスリツトを有する複数対のリブを設け、前記支持腕の先端を前記リブにスリツトを跨いで溶接により接合し、制動ドラムの端面の前記リブを除く部分に銅層を備えるたことを特徴とする、渦電流式減速装置の制動ドラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17641297A JP3738531B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 渦電流式減速装置の制動ドラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17641297A JP3738531B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 渦電流式減速装置の制動ドラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116531A JPH116531A (ja) | 1999-01-12 |
JP3738531B2 true JP3738531B2 (ja) | 2006-01-25 |
Family
ID=16013241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17641297A Expired - Fee Related JP3738531B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 渦電流式減速装置の制動ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3738531B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP17641297A patent/JP3738531B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH116531A (ja) | 1999-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10243627A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3738531B2 (ja) | 渦電流式減速装置の制動ドラム | |
JPH0833247A (ja) | 磁石部材の回転体への取付け方法および渦電流式リターダ | |
JP3704877B2 (ja) | 渦電流式減速装置の制動ドラム支持構造 | |
JP2000236655A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2631418B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3706891B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2000358358A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3627432B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JPH10127040A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JPH07245935A (ja) | 渦電流式減速装置の制動ドラム | |
JP3704946B2 (ja) | 永久磁石式渦電流減速装置 | |
JP2000287435A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3444325B2 (ja) | 永久磁石式渦電流減速装置 | |
JP2631417B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JPH07106055B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3959895B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3820793B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2546067Y2 (ja) | 渦電流式減速装置の制動ドラム | |
JP3656444B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2573695Y2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP4715546B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3988318B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JPH04168970A (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP2001037203A (ja) | 渦電流式減速装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051011 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051024 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081111 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091111 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |