JP3737147B2 - ドアハンドル用丸座の組付け構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ドアハンドル用丸座の組付け構造の改良に関する。
本明細書において、用語「ドアハンドル」又は「ハンドル」は、扉又は引き戸においてラッチ又は各種の掛け金具を作動させるレバーハンドル、ノブその他の把手を総称するものとして用いられている。
【0002】
【従来の技術】
従来のドアハンドル用丸座の組付け構造としては、例えば実公平6−40295号公報に示されているように、ドアの表面に固定される正面円形状の座板と薄い有底円筒状のカバー部材とを、座板の外周部とカバー部材の胴部内面との間に設けられた突部と凹部とによる着脱可能な複数の係合手段で嵌合係着させるようにしたものを挙げることができる。
【0003】
同公報に示されたものの一つは、カバー部材の内周面に係合突起を設け、座板に対し、前記係合突起を位置決めする挿入案内用凹部、係合突起嵌着用係合凹部、その係合凹部に連なるネック部及びそのネック部に連なる螺旋溝を設けたもの、すなわち考案に係るものであり、同公報に示された他の一つは、カバー部材に係合突部及び工具差込み用凹部を設け、座板に係合凹部及び工具受け入れ用凹部を設けたものであり、これは従来例のものとして挙げられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のドアハンドル用丸座の組付け構造によれば、座板及びカバー部材からなる丸座に使用機能の異なった多数の凹部を設けなくてはならず、加工が面倒なこと、加工精度を高くしないと、簡単にして確実な係脱ができないこと、あるいは、カバー部材を取り外す時、工具によりカバー部材、座板又はドアの表面を痛め易いこと、などの問題点があった。
【0005】
この発明は、このような問題点を悉く解決するために提案されたものである。すなわち、構造を簡単にすること、加工精度をそれ程配慮しなくてもよいようにすること、カバー部材と座板との係脱を簡単かつ確実にすること、並びにカバー部材の着脱において、工具類の使用を不要として手で行えるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明のドアハンドル用丸座の組付け構造は、ドアの表面に固定される正面円形状の座板を覆うように薄い穴開き有底円筒状のカバー部材を嵌着し、座板の外周部及びカバー部材の胴部内周面の何れか一方に設けられた突部、及び他方に設けられ、突部と係合する凹部よりなる係合手段で抜け止めを施すようにしたものにおいて、上記座板に、その円形を対称的に切り欠く一対の大きな切欠を形成すると共に、この切欠と90゜ずれた角度位置に係合手段の突部又は凹部を配設し、各係合手段の突部と凹部とを角度的に整合させた状態で、カバー部材の座板の切欠に対向する胴部の部分を内側に押圧することにより、カバー部材を、その凹部又は突部が座板の半径方向で外方に移動する方向に弾性変形させ、以てカバー部材の突部又は凹部に座板の凹部又は突部を乗り越えさせて、座板に対しカバー部材を係脱させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】
図1及び図2を参照してこの発明の作用について説明する。
ドア10にねじ杆13、14等で固定された座板1に対しカバー部材2を嵌合係着させるには、カバー部材2の胴部21における前記座板1の対をなす切欠き11、11に相当する部分を手指により矢印Aで示すように内向きに押圧させ、カバー部材2の胴部21における各係合手段部分をほぼ直径方向に押し広げる。
【0008】
この際、カバー部材2は弾性変形して、その正面外形が図1に2点鎖線で示すように長円状になるので、その状態で座板1に対しカバー部材2を嵌め込む。
【0009】
この嵌め合せにおいて、各係合手段3の突部31が嵌め合せの相手(図示例では座板1の外周部)からやや離れて通過するので、突部31がぶつかって嵌め合せに支障を来たしたりすることがない。
【0010】
また、カバー部材2の胴部21において径を狭められた部分、すなわち、矢印A方向に押圧された部分は、座板1の切欠き11、11において衝突から逃がされるので、嵌挿がスムーズに達成される。
【0011】
次いで、手指を緩めてカバー部材2を押圧状態から解放すれば、カバー部材2は図1に実線で示すようにその正面外形が弾性的に円形に復帰するので、一対の係合手段3、3はそれぞれの突部31と凹部21とが係止することになり、カバー部材2は座板1に対し嵌合状態で係着されることになる。
【0012】
逆に、座板1からカバー部材2を取り外す場合は、取り付ける場合と同様に、図1で矢印Aで示すように手指でカバー部材2の胴部21を内向きに押し込めばよい。この押し込みにより、カバー部材2の正面外形が長円状に弾性変形するので、係合手段3、3の係止状態は解除され、カバー部材2は座板1から簡単に引き離すことができる。
【0013】
【実施例】
以下、図面に示す1つの実施例に基いてこの発明について説明する。
図1〜図6において、符号10は扉又は引戸であるドア、20は後記の座板1及びカバー部材2を介してドア10に取り付けられたハンドル、30はドア10の室外側及び室内側のハンドル20、20を接続し、ラッチ又は各種の掛け金具が連係されるハンドル角軸をそれぞれ示す。
【0014】
ドア10の表面に固定される座板1は、図3及び図4に明示するように、正面が円形状をなす。換言すれば、座板1の正面形は、切欠き11、11を除けば、嵌め合わせるカバー部材2の胴部21の内面が接する基準の円弧部分を備えている。
【0015】
座板1及びカバー部材2は、適度の弾性を有するステンレススチール、真ちゅうその他の金属材料、又は合成樹脂材料で製作するとよい。
【0016】
座板1の中央部に貫通された受け孔12は、ハンドル20の基端部を支承させるために設けたものである。
【0017】
座板1の裏面に一体に突設された2本の雌ねじ杆13は、室内側など他方の座板1に挿通される雄ねじ杆14がねじ合されるもので、この実施例では、室内外の座板1、1が雌ねじ杆13と雄ねじ杆14とのねじ合せより、呼び付けられてドア10の内外の表面にそれぞれ固定される。
【0018】
但し、座板のドア表面に対する固定は、この手段に限るものではなく、単に止めねじを用いるなど、任意の手段を採用できることはいうまでもない。
【0019】
カバー部材2は、周知のように、薄い有底円筒状をなし、正面の中央部には、ハンドル20の基端部が挿通される挿通孔22を有する。
【0020】
座板1の外周面等の外周部とカバー部材2における胴部21の内面との間には、突部31と凹部32とによる着脱可能な複数の係合手段3を設け、それら係合手段3、3は座板1又はカバー部材の1つの直径の両端部付近に互に対をなして配設するものとする。
【0021】
座板1とカバー部材2との間に設ける一対の係合手段3、3は、座板1又はカバー部材2において中心軸線の回りに正確に180°ずらして配置すると好ましい。
【0022】
図示例において、1組の係合手段3の突部31はカバー部材2に設けてあり、凹部32は座板1に設けてあるが、逆にして、突部を座板に、また、凹部をカバー部材に設けてもよい。
【0023】
前記座板1に対しては、一対の係合手段3、3が配された部分から該座板1の中心軸線の回りにほぼ90°ずらした角度位置に対をなして大きな切欠き11、11を設ける。換言すれば、一対の切欠き11、11は、座板1上で180°ずらした位置関係にある。
【0024】
各切欠き11の形状は、正面弓形にすると、座板1の製作上有利であるが、他の任意の形状を採用してよい。
【0025】
座板1の切欠き11の形状は、図1に示すように、座板1に対しカバー部材2を弾性的に変形させつつ係脱させる際に、カバー部材2の胴部21を矢印A方向に向け、すなわち内方に向け手指で挟み付けるように押圧した時、カバー部材胴部21の押圧部分を内側に逃がしつつ、カバー部材2の正面の外形が2点鎖線で示すような長円状に弾性的に変形できるものであれば、如何なる形に形成してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の組付け構造によるドアハンドル用丸座は、構造が極めて簡単であり、加工精度についてそれほど配慮しなくても、カバー部材と座板との係脱を簡単かつ確実に行うできるものである。
【0027】
また、カバー部材の着脱において、工具類の使用を不要として手で楽に行えるようにしたので、カバー部材、座板又はドア表面を損傷させることがない、など種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る丸座の組付け構造の実施例をカバー部材の一部を切除して示す正面図。
【図2】図1のII−II線による部分縦断平面図。
【図3】図1の座板の正面図。
【図4】その座板の部分縦断側面図。
【図5】図1のカバー部材の正面図。
【図6】そのカバー部材の縦断側面図。
【符号の説明】
10 ドア
1 座板
11 切欠き
2 カバー部材
21 胴部
3 係合手段
31 突部
32 凹部
Claims (2)
- ドアの表面に固定される正面円形状の座板を覆うように薄い穴開き有底円筒状のカバー部材を嵌着し、座板の外周部及びカバー部材の胴部内周面の何れか一方に設けられた突部、及び他方に設けられ、突部と係合する凹部よりなる係合手段で抜け止めを施すようにしたものにおいて、上記座板に、その円形を対称的に切り欠く一対の大きな切欠を形成すると共に、この切欠と90゜ずれた角度位置に係合手段の突部又は凹部を配設し、各係合手段の突部と凹部とを角度的に整合させた状態で、カバー部材の座板の切欠に対向する胴部の部分を内側に押圧することにより、カバー部材を、その凹部又は突部が座板の半径方向で外方に移動する方向に弾性変形させ、以てカバー部材の突部又は凹部に座板の凹部又は突部を乗り越えさせて、座板に対しカバー部材を係脱させるようにしたことを特徴とするドアハンドル用丸座の組付け構造。
- 座板の切欠きの形状を正面弓形に形成した請求項1記載のドアハンドル用丸座の組付け構造。
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JP29041194A JP3737147B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | ドアハンドル用丸座の組付け構造 |
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JP29041194A JP3737147B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | ドアハンドル用丸座の組付け構造 |
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- 1994-10-31 JP JP29041194A patent/JP3737147B2/ja not_active Expired - Fee Related
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