JP3736478B2 - 樹脂含有廃棄物の熱分解物から脱塩分解油を回収する方法と装置 - Google Patents

樹脂含有廃棄物の熱分解物から脱塩分解油を回収する方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック類やシュレッダーダストなどの樹脂含有廃棄物の熱分解物に残留する無機塩素や無機塩化物を簡単に効率よく除去して脱塩分解油を回収する方法と装置に関し、この方法によって得た脱塩分解油および脱塩固形燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃プラスチックを分解処理する際の脱塩方法として、従来は廃プラスチックを加熱分解する際に含有塩素を分解して揮発除去している。PVC等の塩素含有プラスチックに含まれている塩素は250℃以上程度に加熱すると塩化水素ガスとして離脱するが、廃プラスチックにカルシウム、ナトリウム、鉛、亜鉛、アルミニウム等の無機物が存在すると加熱分解の際に発生した塩化水素の一部がこれらの無機物と反応して塩化物を形成し、塩素を固定するので脱塩するのが難しくなる。
【0003】
プラスチックには着色、帯電防止、耐摩耗性、難燃性、増強性、軟化性、防滴性などを高めるために無機化合物などの添加剤を含むものが多い。また金属材料と一体に成形されたプラスチック製品は金属材料との分離が難しい場合がある。さらにシュレッダーダストなどのように金属屑と塩化ビニルなどの樹脂屑とが混在した樹脂含有廃棄物もある。このような廃棄物を熱分解すると塩化水素の一部が無機物などと反応して塩化物を形成し、分解物に残留するので、この分解物を再利用するときに腐食や環境汚染を生じる原因になる。この残留塩素量は共存する無機成分の量によって異なるが、一般にはかなりの無機成分が存在するため、効果的に塩素を除去するのが難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の樹脂含有廃棄物の分解処理における脱塩方法について、上記問題を解決したものであり、樹脂含有廃棄物の熱分解によって生じた液状分解物に残留する無機塩素成分を簡単に効率よく除去する脱塩方法、この脱塩方法によって得た脱塩分解油と脱塩固形燃料、および脱塩装置を提供する。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明によれば以下の脱塩分解油の回収方法およびこの方法によって得た脱塩分解油と脱塩固形材料が提供される。
(1)樹脂含有廃棄物の熱分解によって生じた油性熱分解物を熱洗浄水と混合して油相と水相とに分離し、油相の分解油を回収する方法において、上記熱分解物と熱洗浄水とを150℃以上〜200℃以下および7〜20気圧に調整して、液状の熱分解物を熱洗浄水と混合することによって該熱分解物に含まれる塩素分を水相に移行させ、この塩素分が除かれた分解油を回収することを特徴とする樹脂含有廃棄物の熱分解物から脱塩分解油を回収する方法。
(2)上記(1)の方法において、油相と分離した水相を抜き出して液中の塩化物を除去し、さらに加圧手段および熱分解物の供給路に設けた熱交換器を通じて150℃以上〜200℃以下および7〜20気圧に調整して熱洗浄水として再び上記熱分解物と混合し、循環使用する方法。
(3)樹脂含有廃棄物の熱分解を、この熱分解によって生じた溶融液油ないし分解油の密度を指標として制御しながら該樹脂含有廃棄物を熱分解することによって、樹脂含有廃棄物に含まれる塩素分を分解して揮発除去すると共に軽質有機成分の揮発を抑制した溶融液油を得る溶融分解工程と、溶融液油をさらに熱分解して分解油に改質する改質調整工程とを経由して回収した分解油を上記熱分解物として用いる上記(1)または(2)の方法。
(4)上記(3)の方法によって得られた塩素含有量0.1wt%以下の脱塩分解油。
(5)上記(3)の方法によって得た脱塩分解油を冷却固化してなる塩素含有量0.1wt%以下および鉛筆硬度3B以下の固形燃料。
【0006】
さらに、本発明によれば以下の脱塩分解油回収装置が提供される。
(6)樹脂含有廃棄物の熱分解によって得た熱分解物(分解油)と熱洗浄水を混合する脱塩部、該脱塩部に上記熱分解物と熱洗浄水を供給する管路、該供給管路を流れる上記熱分解物と熱洗浄水を150℃以上〜200℃以下および7〜20気圧に調整する加圧ポンプおよび熱交換器、上記脱塩部から分解油を抜き出す管路、上記脱塩部から水相を抜き出して熱洗浄水の供給管路に導く循環管路、該循環管路の熱洗浄水を冷却する冷却器、冷却した洗浄水から無機塩化物を除去する手段を備えたことを特徴とする樹脂含有廃棄物の熱分解物から脱塩分解油を回収する装置。
(7)上記(6)の装置において、脱塩部が縦型の混合槽によって形成されており、該混合槽の中央部には攪拌機を設けた分相促進部が形成されており、分相促進部において熱分解物と熱洗浄水を混合し、分相促進部の上側に油相を下側に水相を分離して脱塩分解油を回収する装置。
(8)上記(6)の装置において、脱塩部が管状の混合器と、この混合器から導かれた混合液を貯留して油相と水相に分離する分離槽によって形成されている脱塩分解油を回収する装置。
(9)上記(6)の装置において、脱塩部が攪拌機を備えた混合槽と、この混合槽から導かれた混合液を油相と水相に分離する遠心分離デカンタによって形成されている脱塩分解油を回収する装置。
【0007】
本発明の塩素除去方法は、樹脂含有廃棄物の熱分解物を加熱下および加圧下で供給することによって液状で熱洗浄水と混合し、熱分解物に含まれる塩素分を水相に移行させて系外に除去するので脱塩効果が良く、塩素含有量が極めて少ない分解油を回収することができる。かつ分解油の熱を利用することができるので加熱コストがかからず安価であり、経済性に優れる。また、分解油を液状で混合するので大量の処理が可能であり、効率が良い。さらに洗浄水を循環して再利用するので排水処理の負担も少ない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
〔脱塩方法〕
本発明の塩素除去方法は、樹脂含有廃棄物の熱分解によって生じた熱分解物を液状で熱洗浄水と混合して該熱分解物に含まれる無機塩素ないし無機塩化物などの塩素分を水相に移行させて系外に除去し、水相と分離した油相の液状分解物を回収することを特徴とする方法である。また、本方法によれば該熱分解物に含まれている塩素以外の無機ハロゲンないし無機ハロゲン化物も同様に除去することができる。なお、本発明において樹脂含有廃棄物とは、例えばPVC、PET、アクリル系、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート系などの各種プラスチック類、その他の樹脂類、合成繊維類、ウレタン類などの樹脂系廃棄物を云い、さらにシュレッダーダストなどのように樹脂成分と金属屑などの無機成分が混在した廃棄物を含む。
【0009】
本発明の処理対象である熱分解物としては、例えば、廃プラスチックなどの樹脂含有廃棄物を油中で熱分解する際に含有塩素分を分解して揮発させると共に軽質有機成分をできるだけ揮発させずに回収した分解油を用いることができる。具体的には、この分解油は熱分解で生じた溶融液油の密度を指標とし、好ましくは密度と粘度を指標とし、上記廃棄物を熱分解して含有塩素を揮発除去すると共に有機揮発分の生成を抑制した溶融液油にする溶融分解工程と、溶融液油をさらに熱分解して分解油に改質する改質調整工程とを経て得ることができる。
【0010】
上記廃棄物の熱分解において、溶融液油および分解油の密度は、溶融分解工程と改質調整工程とを一段階で行う場合には300kg/m3以上〜700kg/m3以下とし、溶融分解工程と改質調整工程を二段階で行う場合には、第一段階の熱分解工程において溶融液油の密度を400kg/m3以上〜700kg/m3以下とし、第二段階の改質調整工程において分解油の密度を300kg/m3以上〜600kg/m3以下に制御するのが好ましい。
【0011】
また、密度と共に粘度を制御する場合には、上記一段階処理において溶融液油の粘度は300c.p以下に制御するのが好ましい。また、二段階処理においては溶融分解工程の溶融液油の粘度を600c.p以下とし、改質調整工程の分解油の粘度を300c.p以下に制御するとよい。
【0012】
上記熱分解によって生成した分解油は、熱分解の処理温度下では密度および粘性が低く、優れた流動性を有するが、常温下および常圧下では流動性が低下し、冷却すると固化する。これを液状で熱洗浄水と混合するには、分解油が一定温度以下に冷却しないように油温を維持し、好ましくは加圧下で供給するのが良い。具体的には、例えば、150℃以上〜200℃以下、好ましくは160℃以上〜180℃以下の温度に保持し、かつ7気圧〜20気圧、好ましくは7気圧〜10気圧に調整する。温度が150℃より低いと分解油の粘度が増し、流動性が悪くなる。また、200℃を越えると洗浄水を液状に維持するために系の圧力をかなり高めなければならず、装置構成のうえで不利になる。供給系が20気圧より高い場合も同様であり、一方、7気圧より低いと洗浄水が蒸気になり分解油に対して液−液混合ができない。
【0013】
上記廃棄物の熱分解物(分解油)を液状で熱洗浄水と十分に混合する。先に述べたように樹脂含有廃棄物にアルカリ金属やアルカリ土類金属、鉛、亜鉛などの無機物が混在すると樹脂成分の熱分解によって生じた塩化水素の一部が無機物と反応して塩化物を形成し、分解油に残留する。このアルカリ金属塩化物やアルカリ土類金属塩化物、塩化鉛、塩化亜鉛は熱水に溶解するので、上記温度の熱洗浄水と混合することによってこれらの塩化物は熱洗浄水に溶解して水相に移行し、分解油から除去される。この混合系の油/水比は0.5〜2.0程度で良い。
【0014】
混合後に油相と水相とに分離する。混合手段と分離手段は同一の槽内で行っても良く、個別に行って良い。具体的には、混合と分離を同一槽内で行うものとしては、攪拌機と分相促進手段を備えた縦型の槽を用いることができる。また、混合と分相を個別に行うものとしては、攪拌機の無い管状の混合器と、これに分相用の縦型貯槽を連設したもの、あるいは攪拌槽に遠心分離デカンタを設けたものなどを用いることができる。
【0015】
分解油と熱洗浄水の混合後、分離した水相を抜き出して冷却し、液中の塩化物をイオン交換などによって系外に除去した後に、必要に応じて水を補給し、上記温度および圧力に調整して供給系に戻し、再び分解油の脱塩に用いると良い。
【0016】
上記脱塩方法によれば塩素含有量0.1wt%以下の脱塩分解油を得ることができる。また、油相から回収した分解油は粘性が低く、冷却して固化したときに粉砕性の良い固形物を得ることができる。具体的には、塩素含有量0.1wt%以下であって鉛筆硬度3B以下の固形物を得ることができる。この固形物は固形燃料として最適である。
【0017】
〔脱塩装置〕
図1〜図3に上記塩素除去方法を実施する装置構成例を示す。図1に示す本発明の塩素除去装置は、樹脂含有廃棄物の熱分解によって得た油性の熱分解物(分解油)と熱洗浄水を混合する脱塩部10、脱塩部10に上記熱分解物と熱洗浄水を供給する管路11、該供給管路11に設けた熱交換手段12および加圧手段13、上記脱塩部10から分解油を抜き出す管路14、上記脱塩部10から水相を抜き出して熱洗浄水の供給管路19に導く循環管路15、該循環管路15の熱洗浄水を冷却する冷却器17、冷却した洗浄水から無機塩化物を除去する手段16を備えている。
【0018】
図1に示す装置構成の脱塩部10は攪拌機21と分相促進部22を備えた縦型の混合槽20によって形成されている。分相促進部22は親水性材料または親油性材料および邪魔板などによって形成すれば良く、混合槽20の中央部を区画するように上下に配設されている。この混合槽中央部に導入された分解油と熱洗浄水の混合液は分相促進部22に沿って上側の油相と下側の水相に分離するように導かれると共に分離した油相と水相の混合が防止される。上側に分離した油相は槽上部の管路14を通じて抜き出され、下側の水相は槽底の管路15を通じて抜き出される。
【0019】
図2に示す装置構成の脱塩部は攪拌機の無い管状の混合器30と、この混合器30から導かれた混合液を貯留して油相と水相に分離する縦型の分離槽31によって形成されている。混合器30は分解油と熱洗浄水の供給管路11に介設されており、分解油と熱洗浄水が混合器30を通過する間に混合される。この混合液は分離槽31の中央部に導かれ、上側の油相と下側の水相に分離する。上側に分離した油相は槽上部の管路14を通じて抜き出され、下側の水相は槽底の管路15を通じて抜き出される。なお、分離槽31に分相促進部22を設けても良い。
【0020】
図3に示す装置構成の脱塩部は攪拌機32を備えた混合槽33と、この混合槽33から導かれた混合液を油相と水相に分離する遠心分離デカンタ34によって形成されている。分解油と熱洗浄水は供給管路11を通じて混合槽33に導入され、攪拌混合された後にこの混合液がデカンタ34に導かれ、遠心分離によって油相と水相に分離される。油相と水相はおのおの管路14、15を通じて抜き出される。
【0021】
図1〜図3の装置例において、循環管路15に介設される塩素の除去手段16はイオン交換樹脂、活性炭、分離膜などによって形成することができる。また循環管路15には必要に応じて洗浄水を補給するための補給部18が介設されている。油相から分離した水相は熱交換器17を介して冷却され、減圧後、イオン交換樹脂、活性炭、分離膜などを備えた塩素除去手段16に導かれ、ここで水中の無機塩素分が除去され、系外に取り除かれる。その後、水は加圧ポンプ13および熱交換器12によって加圧昇温後、供給管路11、19を通じて脱塩部10に送られ、再利用される。循環水の量と分解油の比は0.1〜1.0程度で良く、水量が不足する場合には貯水槽18で補給する。
【0022】
樹脂含有廃棄物の熱分解装置としては、図4または図5に示すものを用いることができる。図4の装置構成例は溶融分解工程と改質調整工程を一段階で行う例であり、溶融分解槽40、分解油を抜き出す管路41、管路41に介設したポンプ42、濾過部43、熱交換器44が設けられており、溶融分解槽40には密度計45と粘度計46が装着されている。溶融分解槽40において廃プラスチックを油中で熱分解して溶融液油とし、更に溶融液油の改質を行う。生成した分解油をポンプ42によって管路41を通じて濾過部43に導き、ここで金属やガラス等の固形異物を取り除いた後に熱交換器44に導いて所定の液温に冷却する。
【0023】
図5の装置構成例は溶融分解槽40による廃プラスチックの熱分解と改質調整槽11による溶融液油の改質を二段階で行う例であり、図4の装置構成に加えて濾過器43と熱交換器44の間に改質調整槽47が設けられている。溶融分解槽40で生成した溶融液油は濾過部43に導かれて金属やガラス等の固形異物を取り除いた後に改質調整槽47に送られ、粘性の低い分解油に改質される。この分解油を冷却器44に導いて所定の液温に冷却する。なお、図5に示す装置例の他の態様として、溶融分解槽40に溶融液油を抜き出す管路41と共に分解油を抜き出す管路を設け、改質調整槽47で生成した分解油を溶融分解槽40に戻す循環系を形成しても良い。また、これらの装置例において廃プラスチックの熱分解および改質は溶融液油ないし分解油の密度および粘度を指標として制御される。
【0024】
これらの熱分解装置によって生成した分解油は、図1〜図3の塩素除去装置に導かれ、上記液温および液圧の加熱加圧下で液状のまま供給管路11を通じて混合部10に導入される。分解油と熱洗浄水の液量は各供給管路を通じて油/水比=約0.1〜約1.0に調整すると良い。混合部10において分解油と熱洗浄水とが混合され、分解油に含まれる無機塩素分が熱洗浄水に溶解して水相に移行し、分解油から除去される。この混合液は油相と水相とに分離され、脱塩された分解油が管路14を通じて回収される。熱洗浄水は管路15を通じて抜き出され、熱交換器17によって冷却し、液圧を開放した後に塩素除去手段16に導かれ、液中の塩化物がイオン交換等によって除去された後に、必要に応じて貯水槽18で水量を補給し、加圧および加熱後、供給管路19に戻され、熱洗浄水として脱塩に再び使用される。
【0025】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
〔実施例および比較例〕
炭酸カルシウムとPVCを含有する廃プラスチックを図4の熱分解処理装置によって熱分解し、生成した分解油について、図1の脱塩装置を用いて脱塩処理を行った。この脱塩処理の結果を、炭酸カルシウムとPVCの含有量、熱分解温度と反応(槽内滞留)時間、脱塩処理の温度および圧力と共に表1に示した。本発明の好適な処理条件に係る実施例の試料(No.1〜No.5)は、脱塩後の分解油の塩素濃度は何れも0.1wt%以下であるが、本発明の好適な処理条件から外れる比較試料(No.6〜No.10)では脱塩後の分解油の塩素濃度が0.5wt%前後であり、塩素濃度が高い。
【0026】
【表1】
Figure 0003736478
【0027】
【発明の効果】
本発明の塩素除去方法は脱塩効果に優れており、塩素含有量が極めて少ない分解油を回収することができる。かつ熱分解で得た分解油の熱を利用して洗浄水の加熱を行えば加熱コストがかからず安価であり、経済性に優れる。また、分解油を液状で熱洗浄水と混合するので大量の処理が可能であり、効率が良い。さらに洗浄水を循環して再利用するので排水処理の負担も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 混合分離一体型の槽を用いた本発明の塩素除去装置の概略図
【図2】 管状混合器と分離槽を用いた本発明の塩素除去装置の概略図
【図3】 混合槽と遠心分離デカンタを用いた本発明の塩素除去装置の概略図
【図4】 樹脂含有廃棄物の熱分解装置の概略図
【図5】 樹脂含有廃棄物の熱分解装置の概略図
【符号の説明】
10−脱塩部、11−供給管路、12−熱交換器、13−加圧ポンプ、14−管路、15−管路、16−塩素除去手段、17−熱交換器、18−貯水槽、19−供給管路

Claims (9)

  1. 樹脂含有廃棄物の熱分解によって生じた油性熱分解物を熱洗浄水と混合して油相と水相とに分離し、油相の分解油を回収する方法において、上記熱分解物と熱洗浄水とを150℃以上〜200℃以下および7〜20気圧に調整して、液状の熱分解物を熱洗浄水と混合することによって該熱分解物に含まれる塩素分を水相に移行させ、この塩素分が除かれた分解油を回収することを特徴とする樹脂含有廃棄物の熱分解物から脱塩分解油を回収する方法
  2. 請求項1の方法において、油相と分離した水相を抜き出して液中の塩化物を除去し、さらに加圧手段および熱分解物の供給路に設けた熱交換器を通じて150℃以上〜200℃以下および7〜20気圧に調整して熱洗浄水として再び上記熱分解物と混合し、循環使用する方法。
  3. 樹脂含有廃棄物の熱分解を、この熱分解によって生じた溶融液油ないし分解油の密度を指標として制御しながら該樹脂含有廃棄物を熱分解することによって、樹脂含有廃棄物に含まれる塩素分を分解して揮発除去すると共に軽質有機成分の揮発を抑制した溶融液油を得る溶融分解工程と、溶融液油をさらに熱分解して分解油に改質する改質調整工程とを経由して回収した分解油を上記熱分解物として用いる請求項1または2の方法。
  4. 請求項3の方法によって得られた塩素含有量0.1wt%以下の脱塩分解油。
  5. 請求項3の方法によって得た脱塩分解油を冷却固化してなる塩素含有量0.1wt%以下および鉛筆硬度3B以下の固形燃料。
  6. 樹脂含有廃棄物の熱分解によって得た熱分解物(分解油)と熱洗浄水を混合する脱塩部、該脱塩部に上記熱分解物と熱洗浄水を供給する管路、該供給管路を流れる上記熱分解物と熱洗浄水を150℃以上〜200℃以下および7〜20気圧に調整する加圧ポンプおよび熱交換器、上記脱塩部から分解油を抜き出す管路、上記脱塩部から水相を抜き出して熱洗浄水の供給管路に導く循環管路、該循環管路の熱洗浄水を冷却する冷却器、冷却した洗浄水から無機塩化物を除去する手段を備えたことを特徴とする樹脂含有廃棄物の熱分解物から脱塩分解油を回収する装置。
  7. 請求項6の装置において、脱塩部が縦型の混合槽によって形成されており、該混合槽の中央部には攪拌機を設けた分相促進部が形成されており、分相促進部において熱分解物と熱洗浄水を混合し、分相促進部の上側に油相を下側に水相を分離して脱塩分解油を回収する装置。
  8. 請求項6の装置において、脱塩部が管状の混合器と、この混合器から導かれた混合液を貯留して油相と水相に分離する分離槽によって形成されている脱塩分解油を回収する装置。
  9. 請求項6の装置において、脱塩部が攪拌機を備えた混合槽と、この混合槽から導かれた混合液を油相と水相に分離する遠心分離デカンタによって形成されている脱塩分解油を回収する装置。
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