JP3736191B2 - 動力伝達機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両のエンジンと駆動車輪との間で動力伝達を行なう動力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動力伝達機構としては、ベルト式無段変速機を備えたものが存在する。ベルト式無段変速機は、エンジンに作動連結されたドライブプーリと、駆動車輪に作動連結されたドリブンプーリとがベルトの媒介で連結されている。そして、ドライブプーリ及びドリブンプーリのそれぞれにおけるベルトの巻き掛け半径を変更することで、変速が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ベルト式無段変速機を備えた動力伝達機構においては、ベルトの長期耐用が重要課題であり、この課題を解決するためには、例えば、車両のアンチロック制動時や、エンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪側から逆入力されるトルクに大きな変動が生じるような場合において、ベルトに作用される緊張力の変動を如何に抑えるかがポイントとなる。しかし、従来の動力伝達機構においては、こうした急激なトルク変動に対処する術を有せず、ベルトの長期耐用を達成し得ていなかった。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転負荷側からの逆入力トルクの変動を好適に抑制し、ベルトの長期耐用を達成することの可能なベルト式無段変速機を備えた動力伝達機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
【0027】
請求項1の発明では、車両の駆動源に作動連結されたドライブプーリと車両の駆動車輪に作動連結されたドリブンプーリとがベルトを媒体として連結されてなり、ドライブプーリ及びドリブンプーリのそれぞれにおけるベルトの巻き掛け半径を変更することで変速を行なうベルト式無段変速機と、前記駆動源と前記駆動車輪との間で前記ベルト式無段変速機と並列に配設された補助伝達機構と、前記駆動車輪からの逆入力トルクの変動が過大となり且つ車両が高速走行していない条件下で、前記駆動源と前記駆動車輪との間の動力伝達経路を前記ベルト式無段変速機から前記補助伝達機構に切り換える制御手段とを備えて動力伝達機構を構成する。
【0028】
この構成においては、例えば、駆動源としての車両のエンジンと駆動車輪との間の動力伝達機構に具体化した場合、車両のアンチロック制動時やエンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪からの逆入力トルクの変動が過大となり且つ車両が高速走行していない時、制御手段はエンジンと駆動車輪との間の動力伝達経路を補助伝達機構に切り換える。従って、この大きな逆入力トルクの変動が、ベルト式無段変速機のドリブンプーリに入力されることを防止できる。その結果、ベルトの長期耐用を達成することができる。
請求項2の発明では、請求項1に記載の動力伝達機構において、前記制御手段は、前記ベルトが切断状態にある所定の条件下でも、前記駆動源と前記駆動車輪との間の動力伝達経路を前記ベルト式無段変速機から前記補助伝達機構に切り換えるものであるとする。
この構成においては、ベルトが切断されたような時には、エンジンと駆動車輪との間の動力伝達経路が補助伝達機構に切り換えられて車両の走行は可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1〜第6実施形態について説明する。なお、第2〜第6実施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一部材には同じ番号を付して説明を省略する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は車両の駆動系を模式的に示す図である。その駆動系では、駆動源としての内燃機関よりなるエンジンEgから、回転負荷としての駆動車輪Trまでの動力伝達経路上に、発進クラッチ11、前後進切換装置12、ベルト式無段変速機(以下、CVT=Continuosly Variable Transmission と略す)13、リダクションギヤ装置14、デファレンシャルギヤ装置15が、エンジンEg側から同順に配設されている。これら発進クラッチ11、前後進切換装置12、CVT13、リダクションギヤ装置14及びデファレンシャルギヤ装置15は、図示しない車両のボディに固定された共通のハウジング16内にそれぞれ構築されている。
【0031】
図2は車両の駆動系の制御装置の構成を模式的に示す図である。制御コンピュータCは、予め記憶されたプログラムに基づき、車速度センサ101、アクセル開度センサ102及び車室内に配置されたセレクタ103からの信号に応じて、発進クラッチ11、前後進切換装置12及びCVT13を制御する。
【0032】
前記発進クラッチ11は、例えば、トルクコンバータよりなる。制御コンピュータCは、運転者によってセレクタ103が「D(ドライブ)」や「R(リバース)」に選択操作された場合には、発進クラッチ11を制御してエンジンEgからの駆動力の伝達を可能とし、同セレクタ103が「P(パーキング)」や「N(ニュートラル)」に選択操作された場合には、発進クラッチ11を制御してエンジンEgからの駆動力の伝達を遮断する。
【0033】
前記前後進切換装置12は、エンジンEgからの駆動力の回転方向を正方向又は逆方向に切り換えて伝達可能であり、駆動車輪Trの正転又は逆転、つまりは車両の進行方向を前方又は後方に切り換えるためのものである。制御コンピュータCは、前記セレクタが「R」に選択操作された場合には、前後進切換装置12を制御することでエンジンEgからの駆動力の回転方向を逆転させ、車両の進行方向を後方に切り換える。
【0034】
図1に示すように、前記CVT13は、ドライブプーリ21とドリブンプーリ22とがベルト23を媒体として連結されてなる。ドライブプーリ21は、前後進切換装置12及び発進クラッチ11を介してエンジンEgに作動連結されている。ドライブプーリ21は、前後進切換装置12からの入力軸24に固定された固定フランジ25と、入力軸24に対して一体回転可能でかつ軸線方向にスライド移動可能な可動フランジ26とからなっている。一方、ドリブンプーリ22は、駆動車輪Trにリダクションギヤ装置14及びデファレンシャルギヤ装置15を介して作動連結されている。ドリブンプーリ22は、リダクションギヤ装置14への出力軸27に固定された固定フランジ28と、出力軸27に対して一体回転可能でかつ軸線方向にスライド移動可能な可動フランジ29とからなっている。
【0035】
そして、図1及び図2に示すように、前記ドライブプーリ21及びドリブンプーリ22の可動フランジ26,29は、その前後に供給される油圧供給装置104からの圧油によって、軸線方向前後に移動可能である。両プーリ21,22は、可動フランジ26,29が軸線方向にスライド移動して固定フランジ25,28に接近又は離間することで、ベルト溝21a,22aの幅を変更可能である。従って、両プーリ21,22がその回転中にベルト溝21a,22aの幅を変更すると、ベルト23の巻き掛け半径が各々変更されて変速が行われる。
【0036】
前記制御コンピュータCは、セレクタ103が「D」に選択操作された状態において、車速度センサ101及びアクセル開度センサ102からの検出信号に応じてCVT13の目標変速比を算出するとともに、CVT13が目標変速比となるように油圧供給装置17を制御することで、各プーリ21,22のベルト溝21a,22aの幅を変更する。例えば、ドライブプーリ21におけるベルト23の巻き掛け半径が小さくされるとともに、ドリブンプーリ22におけるベルト23の巻き掛け半径が大きくされると、減速してトルクが増大される。他方、ドライブプーリ21におけるベルト23の巻き掛け半径が大きくされるとともに、ドリブンプーリ22におけるベルト23の巻き掛け半径が小さくされると、増速してトルクが減少される。
【0037】
また、図1に示した駆動系において、前記リダクションギヤ装置14は、CVT13に作動連結されるドライブリダクションギヤ30と、ドライブリダクションギヤ30と同軸位置に配設されてデファレンシャルギヤ装置15に作動連結されるドリブンリダクションギヤ31とからなっている。そして、本実施形態においてはダンパ手段としての弾発カップリング18が、このリダクションギヤ装置14において、ドライブリダクションギヤ30とドリブンリダクションギヤ31との間に配設されている。この弾発カップリング18について、その具体構造を図3に示す。
【0038】
図3に示すように、前記弾発カップリング18は、ドライブリダクションギヤ30に連結された外歯車形状をなすドライブカップリング要素32と、ドリブンリダクションギヤ31に連結された内歯車形状をなすドリブンカップリング要素33とを備え、互いの噛み合いによりドライブリダクションギヤ30側からドリブンリダクションギヤ31側への動力伝達を可能としている。弾発部材としてのバネ34はコイルスプリングよりなり、ドライブカップリング要素32の外歯32aとドリブンカップリング要素33の内歯33aとを噛み合わせた通常状態(ドライブリダクションギヤ30側からドリブンリダクションギヤ31側への動力伝達状態)で形成されるバックラッシュ(歯面と歯面との隙間)に介装されている。
【0039】
次に、このような構造を有する弾発カップリング18の作用について説明する。
例えば、車両のアンチロック制動時やエンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクに大きな変動が生じた場合、弾発カップリング18においてはドライブカップリング要素32の外歯32aとドリブンカップリング要素33の内歯33aとの間のバックラッシュが反対側の歯面間に形成されようとする。つまり、両要素32,33間での動力伝達が逆側の歯面間に移行しようとし、バネ34が介装された側のバックラッシュが減少しようとする。
【0040】
通常、こうした弾発カップリング18が介在されない動力伝達機構にあっては、上記逆入力トルクの変動が直接CVT13のドリブンプーリ22に伝達されるようになるが、弾発カップリング18が存在することで、同逆入力トルクはこのように、バネ34によって弾発受承されるようになる。このため、この逆入力トルクの大きな変動はピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されることとなり、その結果、CVT13のベルト23に作用する、同逆入力トルクの大きな変動に基づく緊張力の変動を抑えることができるようになる。
【0041】
以上説明したように、第1実施形態にかかる動力伝達機構によれば、次のような効果が得られる。
(1)CVT13のベルト23に作用する、同逆入力トルクの大きな変動に基づく緊張力の変動を抑えることができ、ベルト23の長期耐用を達成することができる。
【0042】
(2)弾発カップリング18は、ダンパ手段の実現も比較的容易であるし、バネ34は弾発部材としての弾発構造も比較的簡素に具体化することができる。
なお、前記バネ34としてはコイルスプリング以外にも、リーフスプリングやスパイラルスプリング等を用いても良い。
【0043】
(第2実施形態)
図4に、この発明にかかる動力伝達機構の第2実施形態を示す。本実施形態においては特に、弾発カップリング18を構成する弾発部材として合成ゴム材35を用いている。
【0044】
前記合成ゴム材35は、ドライブカップリング要素32とドリブンカップリング要素33とを噛み合わせた通常状態で形成されるバックラッシュに充填固化されている。そして、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、合成ゴム材35の弾性変形により上記第1実施形態と同様にして減衰されて、CVT13のドリブンプーリ22に入力される。従って、この第2実施形態によっても、上記第1実施形態の(1)と同様の効果が奏される他、合成ゴム材35は弾発部材としての弾発構造も比較的簡素に具体化することができる。
【0045】
なお、合成ゴム材35は前述したような充填固化でなくとも、予めブロック状に製作したものをドライブカップリング要素32とドリブンカップリング要素33とのバックラッシュに介装する構成であっても良い。
【0046】
(第3実施形態)
図5に、この発明にかかる動力伝達機構の第3実施形態を示す。本実施形態においては、ダンパ手段がスリップ調節装置により構成されている。
【0047】
前記スリップ調節装置は、摩擦クラッチとしての油圧制御式の摩擦多板クラッチ19、油圧供給装置106、トルクセンサ105及び制御コンピュータCを備える構成となっている。そして、本実施形態にあって前記摩擦多板クラッチ19は、第1或いは第2実施形態の弾発カップリング18と同様に、リダクションギヤ装置14に配設されている。トルクセンサ105は、このリダクションギヤ装置14においてドリブンリダクションギヤ31が伝達するトルクを検出するセンサであり、制御コンピュータCは、同トルクセンサ105からの検出信号に基づいて油圧供給装置106を制御し、摩擦多板クラッチ19の締結力を調節する。
【0048】
次に、こうした摩擦多板クラッチ19を備えるスリップ調節装置の動作、並びにその作用について説明する。
例えば、車両のアンチロック制動時やエンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクに大きな変動が生じた場合、トルクセンサ105により検出されるトルク値の単位時間当たりの変動幅(検出したトルクの最低値と最高値との差)が所定値を超えるようになる。この場合、制御コンピュータCは、油圧供給装置106を制御して摩擦多板クラッチ19の締結力を緩める。これにより、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、摩擦多板クラッチ19のスリップによりピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されるようになる。そしてその結果、CVT13のベルト23に作用する、同逆入力トルクの大きな変動に基づく緊張力の変動を抑えることができるようになる。
【0049】
ところで、本実施形態においては上述のように、摩擦多板クラッチ19の締結力を変更可能な構成となっている。すなわちこのことは、上記車両の駆動系から発進クラッチ11(図1)を削除し、摩擦多板クラッチ19を制御する制御コンピュータCのプログラムを変更することで、摩擦多板クラッチ19に発進クラッチとしての役目を兼ねさせることができることを意味する。そしてこのようにすれば、車両の駆動系を簡素化することができ、ひいては車両のエンジンルームにおける機器密集度を抑えることができるようにもなる。
【0050】
ただし、このような構成とした場合、摩擦多板クラッチ19は、上記逆入力時のスリップ以外にも、例えば、クリープ量の調節時等には発進クラッチの役目としてスリップすることがあり、その耐久性が低下する危惧がある。つまり、前記車両の駆動系において、スリップ調節箇所を一個所のクラッチに集中させることは、クラッチの耐久性低下の問題が生じ易い。また、摩擦多板クラッチ19の制御も自ずと複雑なものとなる。この点、本実施形態においては、発進クラッチ11とは別個に、逆入力時対応用の摩擦多板クラッチ19を備えることで、互いの耐久性向上を図ることができるとともに、各々の制御も容易なものとしている。
【0051】
以上説明したように、この第3実施形態の動力伝達機構によれば、先の第1或いは第2実施形態による前記(1)(ベルト23の長期耐用を達成することができる)の効果に加え、さらに次の様な効果が得られるようになる。
【0052】
(2)発進クラッチ11及び摩擦多板クラッチ19の耐久性向上を図ることができる。また、発進クラッチ11及び摩擦多板クラッチ19の各々の制御が容易となる。従って、動力伝達機構の信頼性が向上される。
【0053】
(3)摩擦多板クラッチのスリップ調節を通じて、上記逆入力トルクの変動抑制量を最適化することが容易である。
(第4実施形態)
図6に、この発明にかかる動力伝達機構の第4実施形態を示す。本実施形態においても、ダンパ手段はスリップ調節装置により構成され、またこのスリップ調節装置としては磁力カップリング17を備える構成となっている。前記カップリング17は、先の実施形態での弾発カップリング18と同様、リダクションギヤ装置14に配設されている。
【0054】
さて、この実施形態において、磁力カップリング17は、永久磁石37a及び外歯鉄心37bを有してドライブリダクションギヤ30(図1、図5)に作動連結されたドライブカップリング要素37と、永久磁石38a及び内歯鉄心38bを有してドリブンリダクションギヤ31(図1、図5)に作動連結されたドリブンカップリング要素38とを有して構成されている。この磁力カップリング17にあって、前記永久磁石37a,38aは異極性で対向されている。そして、外歯鉄心37bと内歯鉄心38b間での吸引力の作用により、ドライブカップリング要素37とドリブンカップリング要素38とが動力伝達可能に連結されている。
【0055】
次に、こうした磁力カップリング17を備えるスリップ調節装置の動作、並びにその作用について説明する。
例えば、車両のアンチロック制動時やエンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクに大きな変動が生じ、この変動のピークトルクがドライブカップリング要素37とドリブンカップリング要素38との間での伝達可能なトルクを超えたとする。この場合、ドライブカップリング要素37とドリブンカップリング要素38とが、永久磁石37a,38aによる外歯鉄心37bと内歯鉄心38b間の吸引力に抗して相対回転される。すなわち、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、両要素37,38間でのスリップにより、ピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されるようになる。そしてその結果、CVT13のベルト23に作用する、同逆入力トルクの大きな変動に基づく緊張力の変動を抑えることができるようになる。
【0056】
また、本実施形態においては、ドライブカップリング要素37とドリブンカップリング要素38とが永久磁石37a,38aによる外歯鉄心37bと内歯鉄心38b間の吸引力で動力伝達可能に連結されおり、それら外歯鉄心37bと内歯鉄心38b間は常に非接触状態にある。従って、前記両要素37,38間は、スリップによっても外歯鉄心37b及び内歯鉄心38bに摩耗劣化が生じることはなく、磁力カップリング17の耐久性は高いものとなる。
【0057】
以上説明したように、この第3実施形態の動力伝達機構によれば、先の第1或いは第2実施形態による前記(1)(ベルト23の長期耐用を達成することができる)の効果に加え、さらに次の様な効果が得られるようになる。
【0058】
(2)磁力カップリング17の耐久性向上により、動力伝達機構の信頼性が向上される。
(第5実施形態)
図7に、この発明にかかる動力伝達機構の第5実施形態を示す。本実施形態においても、ダンパ手段はスリップ調節装置により構成され、またこのスリップ調節装置としてはハイドロリックカップリング20を備える構成となっている。このハイドロリックカップリング20も、先の実施形態での弾発カップリング18と同様、リダクションギヤ装置14に配設されている。
【0059】
さて、この実施形態において、前記ハイドロリックカップリング20は、ドライブカップリング要素であるロータ42、ロータ42を相対回転可能に収容するドリブンカップリング要素であるカムリング41、カムリング41とロータ42とで区画形成された作動油室43、作動油室43に収容された作動油、ロータ42の外周に出没可能に配置されるとともに作動油室43を回転方向前後に区画可能であり、さらにはこの前後に区画された空間を連通するオリフィス44aを備えた複数のベーン44、ベーン44を突出方向に付勢する付勢バネ45とを有して構成されている。
【0060】
このようなハイドロリックカップリング20にあっては、エンジンEg(ロータ42)と駆動車輪Tr(カムリング41)との間での動力伝達時には、カムリング41とロータ42とが相対回転しようとし、作動油室43においてベーン44が移動しようとする側の空間の作動油に圧縮力が作用される。伝達トルクが小さく、作動油に作用される圧縮力が小さい場合には、作動油室43において圧縮側の空間の作動油が、ベーン44のオリフィス44aを介して膨張側の空間に移動することは殆どない。従って、作動油の圧縮反力によってロータ42がベーン44を介して確実に押され、ロータ42とカムリング41との間での伝達率100%に近いトルク伝達が行われる。
【0061】
しかし、例えば、車両のアンチロック制動時やエンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクに大きな変動が生じ、この変動のピークトルクがロータ42とカムリング41との間での伝達可能なトルクを超えた場合、作動油室43における作動油に作用する圧縮力が過大となる。従って、作動油室43において圧縮側の空間の作動油は、ベーン44のオリフィス44aを介して膨張側の空間に移動されてゆき、ロータ42とカムリング41とが相対回転される。その結果、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、ロータ42とカムリング41との間でのスリップにより、ピークトルクが低下された減衰状態で、CVT13のドリブンプーリ22に入力されることとなる。
【0062】
従って、スリップ調節装置として上記ハイドロリックカップリング20を備える本実施形態の動力伝達機構によっても、基本的には先の第3或いは第4実施形態の動力伝達機構と同等の効果が奏されるようになる。
【0063】
(第6実施形態)
図8〜図11に、この発明にかかる動力伝達機構の第6実施形態を示す。
図8に示すように、本実施形態において、前後進切換装置12は、入力軸51を介して発進クラッチ11に連結されるとともに、入力軸51と同軸位置に配設された出力軸52を介して、CVT13の入力軸24に連結されている。第1回転体〜第5回転体53〜57は、それぞれ入出力軸51,52と同軸位置に配置されている。
【0064】
ここで、前記第1回転体53は入力軸51において回転可能に支持され、第2回転体54は入力軸51に固定され、第5回転体57は出力軸52に固定されている。第1ギヤ58は入力軸51に同軸固定されており、第1ギヤ58の周りには第3回転体55に回転可能に支持された複数の第2ギヤ59が遊星配設されている。そして、これら複数の第2ギヤ59は、第3回転体55の外周側に配置された第4回転体56のインナに各々噛み合っている。また、各第2ギヤ59は、第3回転体55に回転可能に支持された複数の第3ギヤ60を仲立ちとして、それぞれ第1ギヤ58に連結されてている。
【0065】
第1電磁クラッチ61は第1回転体53と第2回転体54との間に介在され、その励磁(オン)により両者53,54を一体化するとともに、消磁(オフ)により別体化する。第2電磁クラッチ62は第2回転体54と第3回転体55との間に介在され、そのオンにより両者54,55を一体化するとともに、オフにより別体化する。電磁ブレーキ63はハウジング16と第4回転体56との間に介在され、そのオンにより両者16,56を一体化するとともに、オフにより別体化する。第3電磁クラッチ64は第3回転体55と第5回転体57との間に介在され、そのオンにより両者55,57を一体化するとともに、オフにより別体化する。
【0066】
伝達ギヤ36は、リダクションギヤ装置14のドリブンギヤ31に対して一体回転可能に配設されるとともに、前後進切換装置12の第1回転体53のアウタに噛み合っている。前記前後進切換装置12の一部及び伝達ギヤ36が、エンジンEgと駆動車輪Trとの間においてCVT13と並列的に配置された補助伝達機構をなしている。図9に、こうした駆動系の制御装置の構成を模式的に示す。
【0067】
図9に示すように、制御手段を構成する制御コンピュータCは、先の図2に示した車速度センサ101、セレクタ103をはじめ、CVT13においてドライブプーリ21の回転数を検出するドライブプーリ用回転数センサ107、CVT13においてドリブンプーリ22の回転数を検出するドリブンプーリ用回転数センサ108及びリダクションギヤ装置14の伝達トルクを検出するトルクセンサ109からの各信号に応じて、第1〜第3電磁クラッチ及び電磁ブレーキ61〜64を制御する。
【0068】
前記制御コンピュータCは、セレクタ103(図2)が「D」に選択操作されると、車速度センサ101(図2)、トルクセンサ109、ドライブプーリ用回転数センサ107及びドリブンプーリ用回転数センサ108からの検出値に応じて、
「通常時走行モード(前進)」
・第1電磁クラッチ61…オフ
・第2電磁クラッチ62…オン
・電磁ブレーキ63…オフ
・第3電磁クラッチ64…オン
又は
「異常時走行モード」
・第1電磁クラッチ61…オン
・第2電磁クラッチ62…オフ
・電磁ブレーキ63…オフ
・第3電磁クラッチ64…オフ
のいずれか一方を選択する。
【0069】
前記通常時走行モード(前進)が選択されると、図11(a)に太矢印で示すように、前後進切換装置12に入力されたエンジンEgの駆動力は、入力軸51から、一体化された第2、第3及び第5回転体54,55,57を介して出力軸52に伝達される。そしてこの出力軸52に伝達された駆動力は、図8に示されるように、CVT13にて変速された後、リダクションギヤ装置14及びデファレンシャルギヤ装置15を介して駆動車輪Trに伝達される。
【0070】
前記異常時走行モードが選択されると、図11(c)に太矢印で示すように、前後進切換装置12に入力されたエンジンEgの駆動力は、入力軸51から、一体化された第2及び第1回転体54,53を介して伝達ギヤ36に伝達される。そしてこの伝達ギヤ36に伝達された駆動力は、図8に示されるように、リダクションギヤ装置14(ドリブン側リダクションギヤ31)及びデファレンシャルギヤ装置15を介して駆動車輪Trに伝達される。つまり、エンジンEgと駆動車輪Trとの間での動力伝達は、補助伝達機構としての第2回転体54、第1電磁クラッチ61、第1回転体53及び伝達ギヤ36を介して行われ、つまりは、CVT13を迂回して行われる。
【0071】
前記制御コンピュータCは、セレクタ103が「R」に選択操作されると
「通常時走行モード(後進)」
・第1電磁クラッチ61…オフ
・第2電磁クラッチ62…オフ
・電磁ブレーキ63…オン
・第3電磁クラッチ64…オン
を一義的に選択する。
【0072】
この通常時走行モード(後進)が選択されると、図11(b)に太矢印で示すように、前後進切換装置12に入力されたエンジンEgの駆動力は、入力軸51を介して第1ギヤ58に伝達される。第1ギヤ58に伝達された駆動力は、第2ギヤ59との間での第3ギヤ60の仲立ちにより第3回転体55で回転方向が逆転し、第3回転体55に一体化された第5回転体57、出力軸52に伝達される。この出力軸52に伝達された駆動力は、図8に示されるように、CVT13、リダクションギヤ装置14及びデファレンシャルギヤ装置15を介して駆動車輪Trに伝達される。
【0073】
さて、本実施形態にあって、前記制御コンピュータCは、セレクタ103が「D」に選択操作された状態で、予め記憶されたプログラムに基づき、図10のフローチャートに示す手順に従って、上述した通常時走行モード(前進)又は異常時走行モードのいずれか一方を選択する。
【0074】
すなわち、この選択に際しては、先ずステップS1において、トルクセンサ109によりリダクションギヤ装置14の伝達トルク値が検出されるとともに、ステップS2において、検出されたトルク値の単位時間当たりの変動幅が所定値以下であるか否かが比較・判定される。ステップS2において、検出トルク値の変動幅が所定値以下であると判定されたならステップS3に移行され、所定値を超えたと判定されたならステップS4に移行される。
【0075】
前記ステップS3においては、ドライブプーリ用回転数センサ107によりドライブプーリ21の回転数が検出されるとともに、ドリブンプーリ用回転数センサ108によりドリブンプーリ22の回転数が検出される。ステップS5においては、検出されたドライブプーリ21の回転数とドリブンプーリ22の回転数とから実変速比が算出され、ステップS6においては、実変速比と先の第1実施形態で述べた目標変速比とが比較・判定される。実変速比が目標変速比に対してずれていると判定されると、ステップS4に移行される。実変速比が目標変速比に対してずれていない、つまり、CVT13における動力伝達は正常に行われていると判定されると、ステップS7に移行して通常時走行モード(前進)が選択される。こうして、通常時走行モード(前進)が選択された場合に、図11(a)に示される態様でその動力伝達が行われるようになることは前述した。
【0076】
他方、前記ステップS2での比較・判定において、例えば、車両のアンチロック制動時やエンジンブレーキ時に路面の状態が変化される等、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの変動が過大となるなどして、前記所定値を超えたと判定される場合、或いは前記ステップS6での比較・判定において、例えば、ベルト23が切断されてCVT13における動力伝達が遮断され、CVT13の実変速比が目標変速比に対してずれていると判定される場合、上述のようにステップS4の処理に移行される。
【0077】
このステップS4においては、車速度センサ101(図2)により車速度が検出され、次のステップS8においては、検出した車速度が所定値以下であるか否かが比較・判定される。ステップS8において車速度が所定値を超えていると判定されたなら、ステップS7に移行して前述した通常時走行モード(前進)が選択される。
【0078】
一方、前記ステップS8において車速度が所定値以下であると判定された場合には、ステップS9に移行して異常時走行モードが選択される。こうして異常時走行モードが選択された場合には、図11(c)に示される態様で、CVT13を迂回してその動力伝達が行われるようになることも前述した通りである。
【0079】
以上説明したように本実施形態においては、次のような効果が得られるようになる。
(1)エンジンブレーキを確保しつつも、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動がCVT13のドリブンプーリ22に入力されるようなときには、このCVT13を迂回して動力伝達が行われる異常時走行モードに自動切換される。このため、CVT13のベルト23に、この逆入力トルクの大きな変動に基づく緊張力の変動が作用することはなく、同ベルト23の長期耐用を達成することができる。
【0080】
(2)例えば、ベルト23が切断されるなどして、CVT13における動力伝達が遮断される場合にも、異常時走行モードに自動切換される。従って、この場合にもエンジンEgと駆動車輪Trとの間での動力伝達はCVT13を迂回して行われ、ベルト23の切断状態でも車両の走行は可能となる。
【0081】
(3)異常時走行モードの選択は、車速度が所定値(例えば、80km/h)以下の場合にのみなされる。つまり、車両の高速走行時には異常時走行モードに移行することはなく、過度なエンジンブレーキの作用を防止して運転フィーリングの悪化を防止できる。つまり、エンジンEgと駆動車輪Trとの間において、ギヤ機構である補助伝達機構を介した動力伝達は一定の変速比のもとになされ、本実施形態においてこの変速比は、例えば、4段変速機の2速に相当する変速比に設定されている。従って、通常時走行モードにて車両が高速走行されている状態から異常時走行モードに移行すると、過度なエンジンブレーキが作用して運転フィーリングが悪化されてしまうのである。
【0082】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下の態様でも実施できる。
・上記第1実施形態において弾発カップリング18のバネ34を、エアスプリング等の流体スプリングに変更すること。このようにすれば、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、流体スプリングにおける流体の圧縮動作により弾発受承され、上記第1実施形態と同様にして減衰されて、CVT13のドリブンプーリ22に入力される。
【0083】
・上記第1実施形態においてバネ34を削除する。そして、バネ34を削除した両要素32,33のバックラッシュ内において、ドライブカップリング要素32の外歯32aの歯面に永久磁石を固定するとともに、この永久磁石に同極を以って対向する永久磁石をドリブンカップリング要素33の内歯33aの歯面に固定すること。このようにすれば、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、両永久磁石間の反発力により弾発受承され、上記第1実施形態と同様にして減衰されて、CVT13のドリブンプーリ22に入力される。
【0084】
・上記第3実施形態において、摩擦多板クラッチ19の締結力を固定値とすること。このようにれば、制御コンピュータCは、摩擦多板クラッチ19の締結力を変更する必要がなくなり、例えば、トルクセンサ105を削除できるとともに、制御コンピュータCのメモリの消費や演算負荷を抑えることができる。
【0085】
・上記第3実施形態において摩擦多板クラッチ19を、スリップ調節装置としてのビスカスカップリングに変更すること。ビスカスカップリングは、ドライブリダクションギヤ30側の回転体とドリブンリダクションギヤ31側の回転体との間に作動油等の流体が介在され、一方の回転体の回転に伴う流体の流れによって他方の回転体にトルクが伝達される構成である。
【0086】
・上記第3実施形態において摩擦多板クラッチ19を、スリップ調節装置としての電磁パウダクラッチに変更すること。電磁パウダクラッチは、電磁石の励磁により磁性粉体が固体化されることで、ドライブリダクションギヤ30側の回転体とドリブンリダクションギヤ31側の回転体とが連結されてトルク伝達可能な構成である。
【0087】
・上記第4実施形態において永久磁石37a,38aを電磁石に変更し、制御コンピュータCが上記第3実施形態と同様なトルクセンサ105(図5)からの信号に基づいて電磁石の電磁力を変更することで、上記第3実施形態と同様にして磁力カップリング17の締結力を変更可能な構成とすること。そしてこの場合も、車両の駆動系から発進クラッチ11(図1)を削除し、制御コンピュータCのプログラムを変更することで、磁力カップリング17に発進クラッチとしての役目を兼ねさせることができる。そしてこのようにすれば、車両の駆動系を簡素化することができ、ひいては車両のエンジンルームにおける機器密集度を抑えることができるようにもなる。
【0088】
ただし、このような構成とした場合、磁力カップリング17は、上記逆入力時のスリップ以外にも、例えば、クリープ量の調節時等には発進クラッチの役目としてスリップすることがあり、その耐久性が低下する危惧がある。つまり、前記車両の駆動系において、スリップ調節箇所を一個所のクラッチに集中させることは、クラッチの耐久性低下の問題が生じ易い。また、磁力カップリング17の制御も自ずと複雑なものとなる。この点、本別例においては、発進クラッチ11とは別個に、逆入力時対応用の磁力カップリング17を備えることで、互いの耐久性向上を図ることができるとともに、各々の制御も容易なものとしている。
【0089】
・上記第6実施形態においてステップS2を変更し、検出されたトルク値が所定値以下であるか否か比較・判定されるようにすること。このステップS2において、検出トルク値が所定値以下であると判定されたならステップS3に移行され、所定値を超えたと判定されたならステップS4に移行される。つまり、エンジンEg側からの正入力状態から駆動車輪Tr側からの逆入力状態に移行する場合、トルクセンサ109が検出するトルク値が一旦ゼロとなり、再び上昇することとなる。従って、検出されたトルク値がすなわちトルク変動幅を意味することとなり、検出トルク値が所定値を超えたということは、逆入力トルクの変動幅が所定値を超えたことを意味する。
【0090】
・駆動源として電動モータを備えた動力伝達機構において具体化すること。
【0091】
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記バネは、流体の圧縮動作により駆動車輪Tr側から逆入力されるトルク変動を弾発受承することで減衰してドリブンプーリ22へ入力する流体スプリングである動力伝達機構。
【0092】
このようにしても、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、ピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されることとなり、ひいてはベルト23の長期耐用を達成することができる。
【0093】
(2)前記バネは、流体の圧縮動作により回転負荷Tr側から逆入力されるトルク変動を弾発受承することで減衰してドリブンプーリ22へ入力する流体スプリングである動力伝達機構。
【0094】
このようにしても、回転負荷Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、ピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されることとなり、ひいてはベルト23の長期耐用を達成することができる。
【0095】
(3)前記弾発部材は、駆動車輪Tr側の磁石とドリブンプーリ22側の磁石との反発力により、駆動車輪Tr側から逆入力されるトルク変動を弾発受承する構成である動力伝達機構。
【0096】
このようにしても、駆動車輪Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、ピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されることとなり、ひいてはベルト23の長期耐用を達成することができる。
【0097】
(4)前記弾発部材は、回転負荷Tr側の磁石とドリブンプーリ22側の磁石との反発力により、回転負荷Tr側から逆入力されるトルク変動を弾発受承する構成である動力伝達機構。
【0098】
このようにしても、回転負荷Tr側からの逆入力トルクの大きな変動は、ピークトルクが低下された減衰状態でCVT13のドリブンプーリ22に入力されることとなり、ひいてはベルト23の長期耐用を達成することができる。
【0099】
(5)前記制御手段Cは、ベルト23が切断状態にある所定の条件下でも、前記駆動源Egと前記回転負荷Trとの間の動力伝達経路を前記ベルト式無段変速機13から前記補助伝達機構54、61、53、36に切り換える動力伝達機構。
【0100】
このようにすれば、ベルト23が切断されたような時には、異常時走行モードに自動切換されて車両の走行は可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の動力伝達機構の第1実施形態についてその構成を模式的に示すモデル図。
【図2】 第1実施形態の制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】 弾発カップリングの横断面図。
【図4】 第2実施形態の弾発カップリングの横断面図。
【図5】 第3実施形態の構成を模式的に示すモデル図。
【図6】 第4実施形態の磁力カップリングの横断面図。
【図7】 第5実施形態のハイドロリックカップリングの横断面図。
【図8】 第6実施形態の構成を模式的に示すモデル図。
【図9】 第6実施形態の制御装置の構成を示すブロック図。
【図10】 第6実施形態の制御手順を示すフローチャート。
【図11】 第6実施形態の制御態様を模式的に示すモデル図。
【符号の説明】
11…発進クラッチ、13…ベルト式無段変速機、18…ダンパ手段としての弾発カップリング、21…ドライブプーリ、22…ドリブンプーリ、23…ベルト、Eg…エンジン、Tr…駆動車輪。
Claims (2)
- 車両の駆動源に作動連結されたドライブプーリと車両の駆動車輪に作動連結されたドリブンプーリとがベルトを媒体として連結されてなり、ドライブプーリ及びドリブンプーリのそれぞれにおけるベルトの巻き掛け半径を変更することで変速を行なうベルト式無段変速機と、
前記駆動源と前記駆動車輪との間で前記ベルト式無段変速機と並列に配設された補助伝達機構と、
前記駆動車輪からの逆入力トルクの変動が過大となり且つ車両が高速走行していない条件下で、前記駆動源と前記駆動車輪との間の動力伝達経路を前記ベルト式無段変速機から前記補助伝達機構に切り換える制御手段とを備えた動力伝達機構。 - 前記制御手段は、前記ベルトが切断状態にある所定の条件下でも、前記駆動源と前記駆動車輪との間の動力伝達経路を前記ベルト式無段変速機から前記補助伝達機構に切り換える請求項1に記載の動力伝達機構。
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