JP3735888B2 - ディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のディーゼルエンジンの分配型燃料噴射ポンプにおいては、燃料噴射時期制御部材としてタイマピストンが備えられ、このタイマピストンの移動位置に応じて燃料噴射時期が制御されるようになっている。(1984年11月1日、グランプリ出版発行「ディーゼル乗用車最新テクノロジー」 132〜133 頁、及び、昭和63年6月10日、山海堂発行「ディーゼル燃料噴射」 203〜204 頁参照)
ここで、タイマピストンに対しては、その一端側に、フィードポンプにより圧送されたポンプ室内の高圧燃料(圧力はポンプ回転数に依存)がオリフィスを介して導かれる高圧室が形成され、また、他端側に、フィードポンプの吸入側(サクション室)と連通する低圧室が形成されている。
【0003】
更に、高圧室と低圧室とを連通する通路が設けられて、この通路に電磁式の制御弁が介装されている。この制御弁の開閉は常時デューティ制御で行い、高圧室から低圧室に流れる燃料量をデューティ比によって制御することで、高圧室の圧力を制御している。
このようにして、高圧室と低圧室との差圧を制御し、予めタイマーピストンに作用させたスプリングとの釣合いによって、タイマピストンの位置を制御して、燃料噴射時期を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の燃料噴射時期制御装置では、常時高圧室から低圧室に燃料を流すことによりタイマピストン位置の調整を行う機構のため、ハンチング防止のために、ポンプ室と高圧室とを連通する通路にオリフィスを設ける必要があり、その結果として応答性が悪化するという問題点があった。
【0005】
また、常時高圧室から低圧室に燃料を流すことで、高圧室と低圧室とが常に連通しているため、プランジャ(カム)の駆動反力により、タイマピストン位置が変動して、燃料噴射時期が変動するという問題点があった。
また、ポンプ室と高圧室とが常に連通しているため、ポンプ室内の圧力変動によってもタイマピストン位置が変動し、燃料噴射時期が変動するという問題点があった。
【0006】
更に、制御弁を常時デューティ駆動するため、消費電力の増大、騒音の増大、弁の耐久性悪化などの問題点もあった。
本発明は、このような従来の問題点を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、タイマピストンの移動位置に応じて燃料噴射時期を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置において、前記タイマピストンの一端にフィードポンプの吐出側と連通する高圧室を、他端にフィードポンプの吸入側と連通する低圧室をそれぞれ形成し、前記低圧室側に前記タイマピストンを前記高圧室側に付勢するスプリングを収納し、前記高圧室と前記低圧室とを連通する通路を設けて、この通路に第1の制御弁を介装し、前記フィードポンプの吐出側と前記高圧室とを連通する通路に第2の制御弁を介装し、前記第1の制御弁を開き、前記第2の制御弁を閉じることで前記タイマピストンを前記高圧室側へ移動させて燃料噴射時期を遅角し、前記第1の制御弁を閉じ、前記第2の制御弁を開くことで前記タイマピストンを前記低圧室側へ移動させて燃料噴射時期を進角し、前記第1及び第2の制御弁を共に閉じることで前記高圧室内の燃料を密閉し前記低圧室を前記フィードポンプの吸入側とのみ連通させて燃料噴射時期を固定する制御装置を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記制御装置は、エンジンの運転条件に基づいて燃料の目標噴射時期を演算する目標噴射時期手段と、燃料の実噴射時期を検出する実噴射時期検出手段と、目標噴射時期と実噴射時期とを比較する比較手段と、比較結果に応じて第1及び第2の制御弁を開閉制御する弁制御手段とを含んで構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記弁制御手段は、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値未満の場合に第1及び第2の制御弁を共に閉じる固定制御手段と、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より進角している場合に第1の制御弁を開き、第2の制御弁を閉じる遅角制御手段と、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より遅角している場合に第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開く進角制御手段とを含んで構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記弁制御手段は、第1及び第2の制御弁の開弁駆動時に実噴射時期と目標噴射時期との差に応じたデューティ比で駆動するものであることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記弁制御手段は、エンジンの始動時を検出する始動時検出手段と、エンジンの始動時に強制的に第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開く強制進角制御手段とを含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
【作用】
請求項1に係る発明では、タイマピストンの両端の高圧室及び低圧室に対し、これらを連通する通路を設けて、この通路に第1の制御弁を介装すると共に、フィードポンプの吐出側(ポンプ室)と高圧室とを連通する通路に第2の制御弁を介装し、これら第1及び第2の制御弁を開閉制御する。
【0012】
燃料噴射時期を固定したい場合は、第1及び第2の制御弁を双方とも閉とすることにより、高圧室内の燃料を密閉して、タイマピストンの位置を固定する。これにより、カムの駆動反力を受けたり、ポンプ室内の圧力変動を生じたりしても、タイマピストン位置の変動を防止することができる。
燃料噴射時期を遅角する場合は、タイマピストンを高圧室側に移動させるべく、第1の制御弁を開いて、高圧室の燃料を低圧室に逃がすと共に、第2の制御弁を閉じて、ポンプ室から高圧室への流量を0にして、高圧室の圧力を低下させる。この場合、ポンプ室から高圧室への通路を閉じることで、高圧室の圧力が速やかに低下し、タイマピストンの移動速度を向上することができる。
【0013】
燃料噴射時期を進角する場合は、タイマピストンを低圧室側に移動させるべく、第1の制御弁を閉じて、高圧室から低圧室への流量を0にすると共に、第2の制御弁を開いて、ポンプ室内の高圧燃料を高圧室に導くことにより、高圧室の圧力を上昇させる。この場合、オリフィスがないので、高圧室の圧力が速やかに上昇し、タイマピストンの移動速度を向上することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、エンジンの運転条件に基づいて燃料の目標噴射時期を演算し、目標噴射時期と実噴射時期とを比較して、その比較結果に応じて第1及び第2の制御弁を開閉制御することにより、噴射時期を応答性良く制御することができる。
請求項3に係る発明では、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値未満の場合に、第1及び第2の制御弁を共に閉じることにより、噴射時期を安定的に固定することができる。
【0015】
また、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より進角している場合に、第1の制御弁を開き、第2の制御弁を閉じることにより、実噴射時期を目標噴射時期まで速やかに遅角できる。
また、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より遅角している場合に、第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開くことにより、実噴射時期を目標噴射時期まで速やかに進角できる。
【0016】
請求項4に係る発明では、第1及び第2の制御弁の開弁駆動時に実噴射時期と目標噴射時期との差に応じたデューティ比で駆動することにより、噴射時期制御時のオーバーシュートあるいはアンダーシュートを防止でき、制御の収束性が向上する。
請求項5に係る発明では、エンジンの始動時には、強制的に、第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開くことで、始動時に燃料噴射時期が速やかに進角側に制御され、良好な始動性が得られる。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1はディーゼルエンジン用分配型燃料噴射ポンプの要部断面図である。
燃料噴射ポンプ1において、エンジンにより回転駆動される駆動軸2によりポンプケース内のフィードポンプ3が駆動され、このフィードポンプ3により燃料タンク(図示せず)から燃料が吸入されてポンプケース内のポンプ室4に導かれる。
【0018】
駆動軸2に対してはその軸方向に相対移動できるように連結したカムディスク5を持つプランジャ6が同軸上に配設され、このプランジャ6がシリンダ7の内部で往復動することにより高圧ポンピング作用を行う。
カムディスク5のフランジ面にはタイマピストン8により位置調整可能なローラホルダ9に保持されたローラと当接する気筒数に対応しての複数のカムが等間隔に形成され、カムディスク5の回転によりカムがローラを乗り越える毎にプランジャ6を軸方向に移動させる。従って、プランジャ6は駆動軸2と同軸的に回転しつつ、単位回転当たりにカムの数だけ往復動を行う。
【0019】
プランジャ6が図で左行する吸入行程にある場合は、ポンプ室4内の燃料がシリンダ7側の吸入ポート10からプランジャ6の吸入溝11を介してポンピング室12に吸入され、プランジャ6が図で右行する圧送行程に移ると、ポンピング室12の燃料が圧縮されつつプランジャ6の分配溝13からシリンダ7側の複数の吐出ポート14の1つに導かれ、送出弁15から、高圧配管を経て、燃料噴射ノズル16へ圧送される。
【0020】
ここにおいて、タイマピストン8の位置調整によってローラホルダ9の回動位置を変化させることで、プランジャ6の往復動の開始タイミングが変化するから、燃料噴射時期(噴射始め)を変化させることができる。従って、後述のようにタイマピストン8を位置調整することで、燃料噴射時期(噴射始め)を制御できる。
【0021】
また、プランジャ6のシリンダ7外に存する部分にはコントロールスリーブ17が摺動自在に嵌挿され、プランジャ6のカットオフポート18がコントロールスリーブ17の内周面から外れて露出すると、ポンピング室12の燃料がカットオフポート18から洩流して噴射終りとなる。従って、電子ガバナ(図示せず)によりコントロールスリーブ17を位置調整することで、噴射終りすなわち噴射量を制御できる。
【0022】
尚、図中の19は吸入ポート10を閉止することにより燃料の供給を停止することのできるエンジン停止用の燃料カットバルブを示している。
次にタイマピストン8の位置調整による燃料噴射時期制御装置について詳しく説明する。
タイマピストン8の一端には、ポンプ室4(フィードポンプ3の吐出側)と通路20−1,20−2により連通する高圧室21が形成され、他端には、フィードポンプ3の吸入側と通路22により連通する低圧室23が形成される。そして、低圧室23側にはタイマピストン8を高圧室21側に付勢するスプリング24が収納されている。
【0023】
また、高圧室21と低圧室23とを連通する通路25−1,25−2を設けて、この通路25−1,25−2に電磁式の第1の制御弁26を介装してある。
更に、ポンプ室4と高圧室21とを連通する通路20−1,20−2に電磁式の第2の制御弁27を介装してある。
これら第1及び第2の制御弁26,27は制御装置としてのマイクロコンピュータ内蔵のコントロールユニット28により開閉制御されるようになっている。
【0024】
この制御のため、コントロールユニット28には各種のセンサから信号が入力されている。
前記各種のセンサとしては、回転センサ29が設けられている。この回転センサ29は、燃料噴射ポンプ1の駆動軸2に取付けられた外周部に信号発生用の歯を有するシグナルディスクプレートに対峙させた電磁ピックアップ式のセンサであり、燃料噴射ポンプ1の駆動軸2が所定角度回転する毎にパルス信号を発生し、このパルス信号よりクランク角度を検出すると共に、パルス信号の周期(又は所定時間内のパルス数)よりエンジン回転数(燃料噴射ポンプ回転数)Neを検出可能である。
【0025】
また、エンジン負荷Qとしてアクセル開度を検出するアクセルセンサ30が設けられている。
また、燃料噴射ノズル16に実噴射時期の検出のために針弁リフトを検出する針弁リフトセンサ31が取付けられている。
コントロールユニット28にはこの他、スタータ信号(32)などが入力されている。
【0026】
次に作用を説明する。
燃料噴射時期を固定したい場合は、第1及び第2の制御弁26,27を双方とも閉とすることにより、高圧室21内の燃料を密閉して、タイマピストン8の位置を固定する。
これにより、従来例で問題となっていた図5に示すようなカムの駆動反力によるタイマピストンの移動を防止することができる。また、ポンプ室内の圧力変動によるタイマピストン位置の変動も防止することができる。
【0027】
燃料噴射時期を遅角する場合は、タイマピストン8を高圧室21側に移動させる制御を行う。
すなわち、第1の制御弁26を開いて、高圧室21の燃料を低圧室23に逃がすと共に、第2の制御弁27を閉じて、ポンプ室4から高圧室21への流量を0にして、高圧室21の圧力を低下させることにより、タイマピストン8をスプリング24の力によって高圧室21側に移動させる。
【0028】
従来例では、ポンプ室から高圧室へ常に燃料が流れる構造であり、高圧室と低圧室との間の通路の制御弁の流量(デューティ比)を最大にしても、高圧室の圧力低下に時間がかかるという問題があったが、本発明では、ポンプ室4から高圧室21への通路が閉じられるため、高圧室21の圧力が速やかに低下し、タイマピストン8の移動速度を向上することができる。
【0029】
燃料噴射時期を進角する場合は、タイマピストン8を低圧室23側に移動させる制御を行う。
すなわち、第1の制御弁26を閉じて、高圧室21から低圧室23への流量を0にすると共に、第2の制御弁27を開いて、ポンプ室4内の高圧燃料を高圧室21に導くことにより、タイマピストン8をスプリング24の力に抗して低圧室23側に移動させる。
【0030】
従来例では、カムの駆動反力によるタイマピストンの移動を極力少なくし、また遅角制御の際に高圧室の圧力が低下するように、ポンプ室と高圧室とを連通する通路にオリフィスを介装して流量を絞る必要があったが、本発明ではこのオリフィスが不要となり、タイマピストン8の移動速度を向上することができる。
次に制御について説明する。
【0031】
図2は制御装置としてのコントロールユニット28部分の機能ブロック図であり、エンジンの運転条件に基づいて燃料の目標噴射時期を演算する目標噴射時期手段と、燃料の実噴射時期を検出する実噴射時期検出手段と、目標噴射時期と実噴射時期とを比較する比較手段と、比較結果に応じて第1及び第2の制御弁26,27を開閉制御する弁制御手段とを備える
制御の具体的内容についてはフローチャートにより説明する。
【0032】
図3は第1の実施例のフローチャートである。
ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、エンジン回転数(燃料噴射ポンプ回転数)Ne及びエンジン負荷(アクセル開度)Qを入力する。
ステップ2では、エンジン回転数Neとエンジン負荷Qとから図4に示すマップを参照して目標噴射時期(目標IT)を演算する。
【0033】
ステップ3では、クランク角度及び針弁リフトを入力する。
ステップ4では、針弁リフト開始時のクランク角度により、実噴射時期(実IT)を演算する。
ステップ5では、実噴射時期(実IT)と目標噴射時期(目標IT)との差D=実IT−目標ITを演算する。
【0034】
ステップ6では、前記差Dの絶対値と予めデータとして与えた噴射時期制御の不感帯DELTA とを比較する。
|D|<DELTA の場合は、タイマピストンの固定制御のため、ステップ7,8を実行する。すなわち、ステップ7で第1の制御弁26を閉じ、ステップ8で第2の制御弁27を閉じる。
【0035】
|D|≧DELTA の場合は、ステップ9へ進んで、前記差Dの正負を判定する。D>0の場合は、実噴射時期が目標噴射時期より進角しているので、タイマピストンの遅角制御のため、ステップ10,11を実行する。すなわち、ステップ10で第1の制御弁26を開き、ステップ11で第2の制御弁27を閉じる。
D<0の場合は、実噴射時期が目標噴射時期より遅角しているので、タイマピストンの進角制御のため、ステップ12,13を実行する。すなわち、ステップ12で第1の制御弁26を閉じ、ステップ13で第2の制御弁27を開く。
【0036】
ここで、ステップ1,2の部分が目標噴射時期演算手段に相当し、ステップ3,4の部分が実噴射時期検出手段に相当し、ステップ5,6,9が比較手段に相当し、ステップ7,8,10,11,12,13の部分が弁制御手段に相当する。また、弁制御手段のうち、ステップ7,8の部分が固定制御手段に相当し、ステップ10,11の部分が遅角制御手段に相当し、ステップ12,13の部分が進角制御手段に相当する。
【0037】
本実施例によれば、燃料噴射時期制御の応答性向上による排気性能及び出力性能の向上が得られ、特に低速低負荷時の遅角制御から加速運転時の進角制御への移行が速やかになり、加速時スモーク、PMの大幅低減と、燃費向上とが得られる。
また、カム駆動反力などによる噴射時期変動の大幅低減により、定常運転時の排気性能(特にPM、HC)の向上、トルク変動の低減が得られる。
【0038】
更に、ON/OFF制御弁を使用することにより、コスト低減(デューティ制御弁に求められる応答速度、耐久性が不要)、弁駆動時の作動騒音低減、消費電力低減が得られる。
図6には第2の実施例のフローチャートを示す。
この実施例は、第1及び第2の制御弁26,27の開弁駆動時に、実噴射時期と目標噴射時期との差に応じたデューティ比(開の時間割合)で駆動するようにしたものである。
【0039】
従って、ステップ10’にて、第1の制御弁26を開弁駆動する際に、実噴射時期と目標噴射時期との差|D|に対応したデューティ比(DUTY比)を演算し、また、ステップ12’にて、第2の制御弁27を開弁駆動する際に、実噴射時期と目標実噴射時期との差|D|に対応したデューティ比(DUTY比)を演算している。
【0040】
具体的には、図7に示すように、差|D|が大きくなるにつれて、デューティ比(DUTY比)を増加させる。
その結果、噴射時期制御時のオーバーシュートあるいはアンダーシュートを防止でき、制御の収束性が向上する。
図8には第3の実施例のフローチャートを示す。
【0041】
この実施例は、エンジンの始動時(スタータモータの駆動がONの間)に強制的に燃料噴射時期を進角制御するようにしたものである。
このため、最初に、ステップ101 でスタータ信号を入力して、ステップ102 でスタータがONか否かを判定し、スタータがONの場合は、ステップ103 で第1の制御弁26を閉じ、ステップ104 で第2の制御弁27をデューティ比 100%により駆動して全開とする。尚、ステップ101,102 の部分が始動時検出手段に相当し、ステップ103,104 の部分が強制進角制御手段に相当する。
【0042】
エンジン停止中はタイマピストン8に働く差圧が0であり、タイマピストン8はスプリング24により最も遅角側に位置している。一方、始動時には燃料噴射時期を進角側に制御することが要求される。従って、本制御により、始動時に燃料噴射時期が速やかに進角側に制御され、良好な始動性が得られるという効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、タイマピストンの両端の高圧室及び低圧室を連通する通路に第1の制御弁を介装するのみならず、フィードポンプの吐出側(ポンプ室)と高圧室とを連通する通路に第2の制御弁を介装して、これら第1及び第2の制御弁を適宜開閉制御することにより、タイマピストンを固定制御して、カムの駆動反力やポンプ室内の圧力変動によるタイマピストン位置の変動の防止による安定的な噴射時期制御を実現可能にすると共に、タイマピストンの進角又は遅角制御時にタイマピストンの移動速度を向上させて、噴射時期制御の応答性を大幅に改善することができるという効果が得られる。
【0044】
請求項2に係る発明によれば、エンジンの運転条件に基づいて燃料の目標噴射時期を演算し、実噴射時期と比較して、その比較結果に応じて第1及び第2の制御弁を開閉制御することにより、噴射時期を応答性良く制御できるという効果が得られる。
請求項3に係る発明によれば、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値未満の場合に、第1及び第2の制御弁を共に閉じることにより、噴射時期を安定的に固定でき、また、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より進角している場合に、第1の制御弁を開き、第2の制御弁を閉じることにより、実噴射時期を速やかに遅角でき、また、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より遅角している場合に、第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開くことにより、実噴射時期を速やかに進角できるという効果が得られる。
【0045】
請求項4に係る発明によれば、第1及び第2の制御弁の開弁駆動時に実噴射時期と目標噴射時期との差に応じたデューティ比で駆動することにより、制御のオーバーシュートあるいはアンダーシュートを防止でき、制御の収束性が向上するという効果が得られる。
請求項5に係る発明によれば、エンジンの始動時に強制的に第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開くことで、始動時に燃料噴射時期が速やかに進角側に制御されて、始動性が良好になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す分配型燃料噴射ポンプの要部断面図
【図2】 コントロールユニット部分の機能ブロック図
【図3】 制御の第1の実施例を示すフローチャート
【図4】 目標噴射時期演算用マップを示す図
【図5】 カム駆動反力によるタイマピストン位置の変動について示す図
【図6】 制御の第2の実施例のフローチャート
【図7】 弁駆動デューティ比演算用マップを示す図
【図8】 制御の第3の実施例のフローチャート
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ
2 駆動軸
3 フィードポンプ
4 ポンプ室
5 カムディスク
6 プランジャ
8 タイマピストン
9 ローラホルダ
20−1,20−2 通路
21 高圧室
22 通路
23 低圧室
24 スプリング
25−1,25−2 通路
26 第1の制御弁
27 第2の制御弁
28 コントロールユニット
29 回転センサ
30 アクセルセンサ
31 針弁リフトセンサ

Claims (5)

  1. タイマピストンの移動位置に応じて燃料噴射時期を制御するディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置において、
    前記タイマピストンの一端にフィードポンプの吐出側と連通する高圧室を、他端にフィードポンプの吸入側と連通する低圧室をそれぞれ形成し、前記低圧室側に前記タイマピストンを前記高圧室側に付勢するスプリングを収納し、
    前記高圧室と前記低圧室とを連通する通路を設けて、この通路に第1の制御弁を介装し、
    前記フィードポンプの吐出側と前記高圧室とを連通する通路に第2の制御弁を介装し、
    前記第1の制御弁を開き、前記第2の制御弁を閉じることで前記タイマピストンを前記高圧室側へ移動させて燃料噴射時期を遅角し、前記第1の制御弁を閉じ、前記第2の制御弁を開くことで前記タイマピストンを前記低圧室側へ移動させて燃料噴射時期を進角し、前記第1及び第2の制御弁を共に閉じることで前記高圧室内の燃料を密閉し前記低圧室を前記フィードポンプの吸入側とのみ連通させて燃料噴射時期を固定する制御装置を設けたことを特徴とするディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置。
  2. 前記制御装置は、エンジンの運転条件に基づいて燃料の目標噴射時期を演算する目標噴射時期手段と、燃料の実噴射時期を検出する実噴射時期検出手段と、目標噴射時期と実噴射時期とを比較する比較手段と、比較結果に応じて第1及び第2の制御弁を開閉制御する弁制御手段とを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置。
  3. 前記弁制御手段は、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値未満の場合に第1及び第2の制御弁を共に閉じる固定制御手段と、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より進角している場合に第1の制御弁を開き、第2の制御弁を閉じる遅角制御手段と、実噴射時期と目標噴射時期との差が所定値以上でかつ実噴射時期が目標噴射時期より遅角している場合に第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開く進角制御手段とを含んで構成されることを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置。
  4. 前記弁制御手段は、第1及び第2の制御弁の開弁駆動時に実噴射時期と目標噴射時期との差に応じたデューティ比で駆動するものであることを特徴とする請求項3記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置。
  5. 前記弁制御手段は、エンジンの始動時を検出する始動時検出手段と、エンジンの始動時に強制的に第1の制御弁を閉じ、第2の制御弁を開く強制進角制御手段とを含んで構成されることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載のディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置。
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