JP3735455B2 - 用紙後処理装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置から順次送られてくるコピー済みの用紙を受け取ってスティプルなどの後処理を施し、あるいは後処理を施すことなくそのまま排紙トレイに排紙する用紙後処理装置およびその用紙後処理装置を備えた画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
画像形成装置あるいは用紙後処理装置の用紙搬送経路の途中を２つに分岐させ、かつ再び合流するようにして分岐部と合流部の間に２つの搬送経路を作り、分岐部には切換爪を設け、合流部下流側近傍にはストッパを設けた用紙重ね合わせ機構が広く知られている。
【０００３】
このような用紙重ね合わせ機構を利用して用紙を２枚重ね合わせる場合、まず、何れか一方の分岐搬送経路に１枚目の用紙を通し、ストッパで停止させる。次に切換爪を切り換えて２枚目の用紙をもう一方の分岐搬送経路に通し、やはりストッパで停止させる。
【０００４】
すると、１枚目と２枚目の用紙は重なった状態でストッパに停止させられることになる。その後、ストッパを搬送経路から退避させれば、用紙は２枚重なった状態で下流側に搬送されることになる。
【０００５】
ここで、一方の分岐搬送経路はストレート経路とし、他方の分岐搬送経路は屈曲経路とした用紙重ね合わせ機構がよく知られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
用紙後処理装置においても、画像形成装置の生産性を低下させないようにするために、スティプルなどの用紙後処理を行っている間は、次のジョブの１枚目の用紙を待機用搬送経路内で待機させておき、前のジョブの後処理終了後に、１枚目の用紙と２枚目の用紙とを合流させて２枚の用紙を同時に排出させている。即ち、用紙重ね合わせ機構を利用している。
【０００７】
本発明の課題は、一方の分岐搬送経路がストレート経路となっている用紙重ね合わせ機構を利用して、ジョブ間でスティプル、用紙束放出時間を稼ぐと共に、安定した良好な搬送品質を得ることができる用紙後処理装置および画像形成装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、画像形成装置から順次送られてくる用紙を受け入れる用紙受入部と、該用紙受入部から用紙を受け取ってスティプル処理等を施す後処理部と、該後処理部にて後処理を施された用紙が排出される排紙部と、前記用紙受入部から前記後処理部を経て前記排紙部へ用紙を案内する後処理搬送経路と、該後処理搬送経路に配設されて用紙を搬送する複数の搬送手段とを有する用紙後処理装置において、前記後処理部より上流側の前記後処理搬送経路には、用紙を複数枚重ね合わせる重ね合わせ手段を備え、前記重ね合わせ手段は、前記後処理搬送経路をストレート経路を有する複数の経路に分岐し、再度合流する複数の重ね合わせ搬送経路と、搬送経路を２つに分岐させ再び合流するように配設された及び屈曲経路と、搬送経路を遮蔽あるいは開放するストッパー手段とを有し、前記重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにして前記ストッパー手段を開放したのち、後の用紙は前記ストレート経路のみを通すように制御する制御手段を備えた第１の手段によって達成される。
【０００９】
上記課題は、第１の手段において、前記ストレート経路を、使用頻度の高い側の搬送経路とする第２の手段によって達成される。
上記課題は、第１または２の手段に記載の用紙後処理装置を備えた第３の手段によって達成される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１１】
図１は本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の全体構成図、図２は本発明の実施の形態の制御動作を示すフローチャートである。
【００１２】
図において、符号１，２は画像形成装置から送られてくる用紙を受入れ、用紙後処理装置内に導くガイド板である。ガイド板１，２の下流に搬送ローラ２０３，２０４が設けられ、その下流には、後処理部４０へ行く経路（後処理搬送経路）２２５と、そのままスタッカー部５０に行く経路３２が設けられ、分岐爪１７にて何れかの経路に分岐されるようになっている。
【００１３】
スタッカー部５０へ直接向かう経路３２には、該経路３２を形成しているガイド板２８，２９、該経路３２内の用紙を搬送する搬送ローラ２６，２７、該経路３２から搬送された用紙を機外に排紙する排紙ローラ３０，３１が設けられている。
【００１４】
また、分岐爪１７の下流の後処理部４０に行く経路２２５はガイド板２１１，２１２によって形成されており、経路２２５の傾斜状部分の途中には、重ね合わせ部である搬送路２０１，２０２の各々に用紙を導くための切換爪２１０がある。この切換爪２１０は図示しない切換手段によって切り換えられ、搬送路２０１，２０２の順に用紙の１枚目、２枚目を各搬送路２０１，２０２に導く。
【００１５】
２つに分岐された第１、第２搬送路２０１，２０２には、それぞれ搬送ローラ２０６，２０７、搬送ローラ２０８，２０９が設けられている。第１搬送路２０１はストレート経路であり、第２搬送路２０２は屈曲した経路となっている。分岐された第１、第２搬送路２０１，２０２は下流で再び合流している。合流した後の搬送路２１３には、プレート状のストッパ２１５が設けられ、図示しないソレノイドによって搬送路２１３に突出した位置と退避した位置とに移動される。
【００１６】
ストッパー２１５が搬送路２１３に突出した位置に移動された場合、このストッパー２１５に各搬送路２０１，２０２に導かれた用紙の先端を突き当てることによって、各用紙の先端部は重なった状態で揃えられる。
【００１７】
また経路２２５の下流側には、後処理部４０へ用紙を排出する搬送ローラ２４とブラシローラ２５がある。
【００１８】
後処理部４０には、用紙の端面を揃えるサイドフェンス４２及びエンドフェンス４３があり、サイドフェンス４２及びエンドフェンス４３で揃えられた用紙束にスティプラ４４でスティプル処理を行うようになっている。さらに、処理された用紙束を後処理部４０からスタッカー部５０へ移送するため、放出ベルト４１が設けられ、放出ベルト４１に取り付けたフック部４１ａで用紙束後端を支え、放出ベルト４１を回転させることによって、この用紙束を排紙ローラ３５，３６まで導くようになっている。
【００１９】
スタッカー部５０は、スタッカー（排紙トレイ）４１、紙面検知フィラー４２、及びスタッカー上下移動手段から構成されている。スタッカー４１に用紙が多く積まれてきて、紙面検知フィラー４２でこの用紙が検知されると、スタッカー４１は上下移動手段によりある一定量降下し、再びスタック可能になる。
【００２０】
次にその動作を図２に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【００２１】
画像形成装置から送られてきた１枚目の用紙は（Ｓ４１でＹ）、入口ガイド板１，２にガイドされ、用紙後処理装置内に入ってくる。そして、搬送ローラ２０３，２０４によって搬送され、図１の位置に切り換えられた分岐爪１７により後処理部４０へ行く経路２２５に導かれる。次に１枚目の用紙はさらにその下流にある切換爪２１０により第１搬送路２０１に導かれて（Ｓ４２）、第１搬送路２０１中を搬送される。そしてその下流にあるストッパ２１５に用紙の先端が来ると、ストッパ２１５がオンして経路２２５中に突出している（合流部の搬送路３４を遮断）ため（Ｓ４３）、１枚目の用紙はその先端（下端）がストッパー２１５に突き当たった位置で止まる。
【００２２】
次に２枚目の用紙が送られてくると分岐爪１７により後処理部４０へ行く経路２２５に導かれる（Ｓ４１でＮ，Ｓ４４でＹ）。このとき、その下流にある切換爪２１０が図１０に破線で示す位置に切り換わり、これにより第２搬送路２０２内に２枚目の用紙が送られる（Ｓ４５）。そして２枚目の用紙の先端がストッパ２１５に来たとき（Ｓ４６でＹ）、ストッパ２１５を開放すると（Ｓ４７）、言い換えると経路２２５から退避させると、１枚目の用紙と２枚目の用紙が重なった状態で２枚同時に下流に搬送される。
【００２３】
そして、２枚重ねられた用紙は、経路２２５の合流搬送路２１３に沿って搬送ローラ２０６，２０７，２０８，２０９、排紙ローラ２４，２５の作用で２枚目が若干先行された状態で重ねられて後処理部４０へ送られる。後処理部４０へ送られた２枚重ねの用紙は、サイドフェンス４２、エンドフェンス４３によって揃えられる（Ｓ４８）。
３枚目以降の用紙は（Ｓ４１でＮ，Ｓ４４でＮ）、入口ガイド板１，２にガイドされ、用紙後処理装置内に送られてくると、分岐爪１７により後処理部４０へ行く経路２２５に導かれ、その下流にある切換爪２１０により第１搬送路２０１内を通る（Ｓ４９）。
【００２４】
前述したように、第１搬送路２０１はストレート形状をしており、この搬送路を通る用紙は汚れやジャムが少ないため、良好な搬送品質を得ることができる。３枚目以降、ストッパ２１５は開放したままになっており、用紙はそのまま順次後処理部４０へ送られ、サイドフェンス４２、エンドフェンス４３で揃えられる。（Ｓ４８）
最終の用紙が後処理部４０へ排紙され、戻しコロ４５で揃えられると（Ｓ４８，Ｓ５０でＹ）、スティプラ４４でスティプル処理を行い、放出ベルト４１でスタッカー部５０へ用紙束を送り出す（Ｓ５１）。２部目以降も１部目と同様の動作を行う。
【００２５】
なお、前記実施の形態に限らず、重ね合わせ搬送経路は３つ以上であってもよく、またストッパーは分岐された搬送経路２０１，２０２にそれぞれ設けるようにしてもよく、また、重ね合わせ手段をガイド板１，２と搬送ローラ２０３，２０４と間の搬送経路に配設してもよい。
【００２６】
このように本実施の形態によれば、画像形成装置から順次送られてくる用紙を受け入れる用紙受入部と、該用紙受入部から用紙を受け取ってスティプル処理等を施す後処理部４０と、該後処理部４０にて後処理を施された用紙が排出されるスタッカー部５０と、用紙受入部から後処理部４０を経てスタッカー部５０へ用紙を案内する経路（後処理搬送経路）２２５と、該経路（後処理搬送経路）２２５に配設されて用紙を搬送する複数の搬送手段とを有する用紙後処理装置において、後処理部４０より上流側の経路（後処理搬送経路）２２５には、用紙を複数枚重ね合わせる重ね合わせ手段を備え、重ね合わせ手段は、経路（後処理搬送経路）２２５をストレート経路である第１搬送路２０１と屈曲した第２搬送路２０２を有する複数の経路に分岐し、再度合流する複数の重ね合わせ搬送経路と、搬送経路を遮蔽あるいは開放するストッパー２１５を有し、前記重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにしてストッパー２１５を開放したのち、後の用紙は第１搬送路２０１のみを通すようにしたため、又はストレート経路を、使用頻度の高い側の搬送経路とするため、３枚目以降の用紙は全てストレート経路である第１搬送路２０１を通すことにより、３枚目以降の用紙を安定してスムーズに搬送することができ、より安定して良好な搬送品質を得ることができる。
【００２７】
また、前記実施の形態にあっては、１部目の最終排出から２部目の２枚重ねられた１回目の排出まで２枚分の用紙処理時間が確保できることになり、その時間内にスティプル処理及び用紙束の放出を行うことで画像形成装置の生産性を落とすことなく後処理を行うことができる。
【００２８】
また、前記実施の形態にあっては、搬送されてくる用紙を順次ストッパー手段に突き当てて一旦止めるので、搬送されてくる用紙がスキューしていても、ストッパー手段により用紙の先端が位置決めされてスキューが補正され、後処理あるいは用紙の仕分けがスムーズにかつきれいに行える。また、画像形成装置から送られてくる用紙に後処理を施しても、画像形成装置の生産性を低下させることがない。
【００２９】
また、前記実施の形態にあっては、後処理搬送経路途中から分岐して後処理部４０を経由しないで直接スタッカー部５０へ用紙を案内する経路（直接搬送経路）３２を有し、経路（直接搬送経路）３２への分岐点より下流側の経路（後処理搬送経路）２２５に重ね合わせ手段を設けたため、または、用紙受入部から排紙部へ後処理部４０を経由しないで直接用紙を案内する後処理搬送経路の一部と経路（直接搬送経路）３２は略一直線に形成され、後処理搬送経路の他部である経路（後処理搬送経路）２２５は略Ｕ字状に形成され、略Ｕ字状の一方の直線部に重ね合わせ手段、他方の直線部に後処理部４０による後処理を施すために用紙を積載するスティプルトレイが配設されているため、重ね合わせ手段を備えていても用紙受入部からの搬送経路を短縮できて省スペース化できる。
【００３０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、後処理搬送経路に設けられる用紙重ね合わせ手段を構成する２つに分岐された搬送経路のうち、一方の搬送経路をストレート経路にし、重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにしてストッパー手段を開放したのち、後の用紙はストレート経路のみを通すように制御する制御手段を備えたことにより、また、更にこのストレート経路を使用頻度の高い側の搬送経路とすることにより、安定した良好な用紙搬送品質を得ることができる。
また、本発明によれば、上記作用効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の全体構成図である。
【図２】本発明の実施の形態の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
２０１ 第１搬送路
２０２ 第２搬送路
２１０ 切換爪
２１５ ストッパ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置から順次送られてくるコピー済みの用紙を受け取ってスティプルなどの後処理を施し、あるいは後処理を施すことなくそのまま排紙トレイに排紙する用紙後処理装置およびその用紙後処理装置を備えた画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
画像形成装置あるいは用紙後処理装置の用紙搬送経路の途中を２つに分岐させ、かつ再び合流するようにして分岐部と合流部の間に２つの搬送経路を作り、分岐部には切換爪を設け、合流部下流側近傍にはストッパを設けた用紙重ね合わせ機構が広く知られている。
【０００３】
このような用紙重ね合わせ機構を利用して用紙を２枚重ね合わせる場合、まず、何れか一方の分岐搬送経路に１枚目の用紙を通し、ストッパで停止させる。次に切換爪を切り換えて２枚目の用紙をもう一方の分岐搬送経路に通し、やはりストッパで停止させる。
【０００４】
すると、１枚目と２枚目の用紙は重なった状態でストッパに停止させられることになる。その後、ストッパを搬送経路から退避させれば、用紙は２枚重なった状態で下流側に搬送されることになる。
【０００５】
ここで、一方の分岐搬送経路はストレート経路とし、他方の分岐搬送経路は屈曲経路とした用紙重ね合わせ機構がよく知られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
用紙後処理装置においても、画像形成装置の生産性を低下させないようにするために、スティプルなどの用紙後処理を行っている間は、次のジョブの１枚目の用紙を待機用搬送経路内で待機させておき、前のジョブの後処理終了後に、１枚目の用紙と２枚目の用紙とを合流させて２枚の用紙を同時に排出させている。即ち、用紙重ね合わせ機構を利用している。
【０００７】
本発明の課題は、一方の分岐搬送経路がストレート経路となっている用紙重ね合わせ機構を利用して、ジョブ間でスティプル、用紙束放出時間を稼ぐと共に、安定した良好な搬送品質を得ることができる用紙後処理装置および画像形成装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、画像形成装置から順次送られてくる用紙を受け入れる用紙受入部と、該用紙受入部から用紙を受け取ってスティプル処理等を施す後処理部と、該後処理部にて後処理を施された用紙が排出される排紙部と、前記用紙受入部から前記後処理部を経て前記排紙部へ用紙を案内する後処理搬送経路と、該後処理搬送経路に配設されて用紙を搬送する複数の搬送手段とを有する用紙後処理装置において、前記後処理部より上流側の前記後処理搬送経路には、用紙を複数枚重ね合わせる重ね合わせ手段を備え、前記重ね合わせ手段は、前記後処理搬送経路をストレート経路を有する複数の経路に分岐し、再度合流する複数の重ね合わせ搬送経路と、搬送経路を２つに分岐させ再び合流するように配設された及び屈曲経路と、搬送経路を遮蔽あるいは開放するストッパー手段とを有し、前記重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにして前記ストッパー手段を開放したのち、後の用紙は前記ストレート経路のみを通すように制御する制御手段を備えた第１の手段によって達成される。
【０００９】
上記課題は、第１の手段において、前記ストレート経路を、使用頻度の高い側の搬送経路とする第２の手段によって達成される。
上記課題は、第１または２の手段に記載の用紙後処理装置を備えた第３の手段によって達成される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１１】
図１は本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の全体構成図、図２は本発明の実施の形態の制御動作を示すフローチャートである。
【００１２】
図において、符号１，２は画像形成装置から送られてくる用紙を受入れ、用紙後処理装置内に導くガイド板である。ガイド板１，２の下流に搬送ローラ２０３，２０４が設けられ、その下流には、後処理部４０へ行く経路（後処理搬送経路）２２５と、そのままスタッカー部５０に行く経路３２が設けられ、分岐爪１７にて何れかの経路に分岐されるようになっている。
【００１３】
スタッカー部５０へ直接向かう経路３２には、該経路３２を形成しているガイド板２８，２９、該経路３２内の用紙を搬送する搬送ローラ２６，２７、該経路３２から搬送された用紙を機外に排紙する排紙ローラ３０，３１が設けられている。
【００１４】
また、分岐爪１７の下流の後処理部４０に行く経路２２５はガイド板２１１，２１２によって形成されており、経路２２５の傾斜状部分の途中には、重ね合わせ部である搬送路２０１，２０２の各々に用紙を導くための切換爪２１０がある。この切換爪２１０は図示しない切換手段によって切り換えられ、搬送路２０１，２０２の順に用紙の１枚目、２枚目を各搬送路２０１，２０２に導く。
【００１５】
２つに分岐された第１、第２搬送路２０１，２０２には、それぞれ搬送ローラ２０６，２０７、搬送ローラ２０８，２０９が設けられている。第１搬送路２０１はストレート経路であり、第２搬送路２０２は屈曲した経路となっている。分岐された第１、第２搬送路２０１，２０２は下流で再び合流している。合流した後の搬送路２１３には、プレート状のストッパ２１５が設けられ、図示しないソレノイドによって搬送路２１３に突出した位置と退避した位置とに移動される。
【００１６】
ストッパー２１５が搬送路２１３に突出した位置に移動された場合、このストッパー２１５に各搬送路２０１，２０２に導かれた用紙の先端を突き当てることによって、各用紙の先端部は重なった状態で揃えられる。
【００１７】
また経路２２５の下流側には、後処理部４０へ用紙を排出する搬送ローラ２４とブラシローラ２５がある。
【００１８】
後処理部４０には、用紙の端面を揃えるサイドフェンス４２及びエンドフェンス４３があり、サイドフェンス４２及びエンドフェンス４３で揃えられた用紙束にスティプラ４４でスティプル処理を行うようになっている。さらに、処理された用紙束を後処理部４０からスタッカー部５０へ移送するため、放出ベルト４１が設けられ、放出ベルト４１に取り付けたフック部４１ａで用紙束後端を支え、放出ベルト４１を回転させることによって、この用紙束を排紙ローラ３５，３６まで導くようになっている。
【００１９】
スタッカー部５０は、スタッカー（排紙トレイ）４１、紙面検知フィラー４２、及びスタッカー上下移動手段から構成されている。スタッカー４１に用紙が多く積まれてきて、紙面検知フィラー４２でこの用紙が検知されると、スタッカー４１は上下移動手段によりある一定量降下し、再びスタック可能になる。
【００２０】
次にその動作を図２に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【００２１】
画像形成装置から送られてきた１枚目の用紙は（Ｓ４１でＹ）、入口ガイド板１，２にガイドされ、用紙後処理装置内に入ってくる。そして、搬送ローラ２０３，２０４によって搬送され、図１の位置に切り換えられた分岐爪１７により後処理部４０へ行く経路２２５に導かれる。次に１枚目の用紙はさらにその下流にある切換爪２１０により第１搬送路２０１に導かれて（Ｓ４２）、第１搬送路２０１中を搬送される。そしてその下流にあるストッパ２１５に用紙の先端が来ると、ストッパ２１５がオンして経路２２５中に突出している（合流部の搬送路３４を遮断）ため（Ｓ４３）、１枚目の用紙はその先端（下端）がストッパー２１５に突き当たった位置で止まる。
【００２２】
次に２枚目の用紙が送られてくると分岐爪１７により後処理部４０へ行く経路２２５に導かれる（Ｓ４１でＮ，Ｓ４４でＹ）。このとき、その下流にある切換爪２１０が図１０に破線で示す位置に切り換わり、これにより第２搬送路２０２内に２枚目の用紙が送られる（Ｓ４５）。そして２枚目の用紙の先端がストッパ２１５に来たとき（Ｓ４６でＹ）、ストッパ２１５を開放すると（Ｓ４７）、言い換えると経路２２５から退避させると、１枚目の用紙と２枚目の用紙が重なった状態で２枚同時に下流に搬送される。
【００２３】
そして、２枚重ねられた用紙は、経路２２５の合流搬送路２１３に沿って搬送ローラ２０６，２０７，２０８，２０９、排紙ローラ２４，２５の作用で２枚目が若干先行された状態で重ねられて後処理部４０へ送られる。後処理部４０へ送られた２枚重ねの用紙は、サイドフェンス４２、エンドフェンス４３によって揃えられる（Ｓ４８）。
３枚目以降の用紙は（Ｓ４１でＮ，Ｓ４４でＮ）、入口ガイド板１，２にガイドされ、用紙後処理装置内に送られてくると、分岐爪１７により後処理部４０へ行く経路２２５に導かれ、その下流にある切換爪２１０により第１搬送路２０１内を通る（Ｓ４９）。
【００２４】
前述したように、第１搬送路２０１はストレート形状をしており、この搬送路を通る用紙は汚れやジャムが少ないため、良好な搬送品質を得ることができる。３枚目以降、ストッパ２１５は開放したままになっており、用紙はそのまま順次後処理部４０へ送られ、サイドフェンス４２、エンドフェンス４３で揃えられる。（Ｓ４８）
最終の用紙が後処理部４０へ排紙され、戻しコロ４５で揃えられると（Ｓ４８，Ｓ５０でＹ）、スティプラ４４でスティプル処理を行い、放出ベルト４１でスタッカー部５０へ用紙束を送り出す（Ｓ５１）。２部目以降も１部目と同様の動作を行う。
【００２５】
なお、前記実施の形態に限らず、重ね合わせ搬送経路は３つ以上であってもよく、またストッパーは分岐された搬送経路２０１，２０２にそれぞれ設けるようにしてもよく、また、重ね合わせ手段をガイド板１，２と搬送ローラ２０３，２０４と間の搬送経路に配設してもよい。
【００２６】
このように本実施の形態によれば、画像形成装置から順次送られてくる用紙を受け入れる用紙受入部と、該用紙受入部から用紙を受け取ってスティプル処理等を施す後処理部４０と、該後処理部４０にて後処理を施された用紙が排出されるスタッカー部５０と、用紙受入部から後処理部４０を経てスタッカー部５０へ用紙を案内する経路（後処理搬送経路）２２５と、該経路（後処理搬送経路）２２５に配設されて用紙を搬送する複数の搬送手段とを有する用紙後処理装置において、後処理部４０より上流側の経路（後処理搬送経路）２２５には、用紙を複数枚重ね合わせる重ね合わせ手段を備え、重ね合わせ手段は、経路（後処理搬送経路）２２５をストレート経路である第１搬送路２０１と屈曲した第２搬送路２０２を有する複数の経路に分岐し、再度合流する複数の重ね合わせ搬送経路と、搬送経路を遮蔽あるいは開放するストッパー２１５を有し、前記重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにしてストッパー２１５を開放したのち、後の用紙は第１搬送路２０１のみを通すようにしたため、又はストレート経路を、使用頻度の高い側の搬送経路とするため、３枚目以降の用紙は全てストレート経路である第１搬送路２０１を通すことにより、３枚目以降の用紙を安定してスムーズに搬送することができ、より安定して良好な搬送品質を得ることができる。
【００２７】
また、前記実施の形態にあっては、１部目の最終排出から２部目の２枚重ねられた１回目の排出まで２枚分の用紙処理時間が確保できることになり、その時間内にスティプル処理及び用紙束の放出を行うことで画像形成装置の生産性を落とすことなく後処理を行うことができる。
【００２８】
また、前記実施の形態にあっては、搬送されてくる用紙を順次ストッパー手段に突き当てて一旦止めるので、搬送されてくる用紙がスキューしていても、ストッパー手段により用紙の先端が位置決めされてスキューが補正され、後処理あるいは用紙の仕分けがスムーズにかつきれいに行える。また、画像形成装置から送られてくる用紙に後処理を施しても、画像形成装置の生産性を低下させることがない。
【００２９】
また、前記実施の形態にあっては、後処理搬送経路途中から分岐して後処理部４０を経由しないで直接スタッカー部５０へ用紙を案内する経路（直接搬送経路）３２を有し、経路（直接搬送経路）３２への分岐点より下流側の経路（後処理搬送経路）２２５に重ね合わせ手段を設けたため、または、用紙受入部から排紙部へ後処理部４０を経由しないで直接用紙を案内する後処理搬送経路の一部と経路（直接搬送経路）３２は略一直線に形成され、後処理搬送経路の他部である経路（後処理搬送経路）２２５は略Ｕ字状に形成され、略Ｕ字状の一方の直線部に重ね合わせ手段、他方の直線部に後処理部４０による後処理を施すために用紙を積載するスティプルトレイが配設されているため、重ね合わせ手段を備えていても用紙受入部からの搬送経路を短縮できて省スペース化できる。
【００３０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、後処理搬送経路に設けられる用紙重ね合わせ手段を構成する２つに分岐された搬送経路のうち、一方の搬送経路をストレート経路にし、重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにしてストッパー手段を開放したのち、後の用紙はストレート経路のみを通すように制御する制御手段を備えたことにより、また、更にこのストレート経路を使用頻度の高い側の搬送経路とすることにより、安定した良好な用紙搬送品質を得ることができる。
また、本発明によれば、上記作用効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の全体構成図である。
【図２】本発明の実施の形態の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
２０１ 第１搬送路
２０２ 第２搬送路
２１０ 切換爪
２１５ ストッパ
Claims (3)
- 画像形成装置から順次送られてくる用紙を受け入れる用紙受入部と、該用紙受入部から用紙を受け取ってスティプル処理等を施す後処理部と、該後処理部にて後処理を施された用紙が排出される排紙部と、前記用紙受入部から前記後処理部を経て前記排紙部へ用紙を案内する後処理搬送経路と、該後処理搬送経路に配設されて用紙を搬送する複数の搬送手段とを有する用紙後処理装置において、
前記後処理部より上流側の前記後処理搬送経路には、用紙を複数枚重ね合わせる重ね合わせ手段を備え、
前記重ね合わせ手段は、前記後処理搬送経路をストレート経路を有する複数の経路に分岐し、再度合流する複数の重ね合わせ搬送経路と、搬送経路を遮蔽あるいは開放するストッパー手段とを有し、
前記重ね合わせ手段によって１枚目から複数枚重ね合わせるようにして前記ストッパー手段を開放したのち、後の用紙は前記ストレート経路のみを通すように制御する制御手段を備えたことを特徴とする用紙後処理装置。 - 請求項１記載において、前記ストレート経路を、使用頻度の高い側の搬送経路とすることを特徴とする用紙後処理装置。
- 請求項１または２の何れか一つに記載の用紙後処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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