(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る画像形成システム1の全体構成を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像形成システム1は、画像形成装置100と、中間搬送装置200と、用紙処理装置300と、平綴じ処理装置400とで構成されている。
以下の説明において、図1に示すように、鉛直方向(上下方向)をZ方向とし、画像形成装置100、中間搬送装置200、用紙処理装置300及び平綴じ処理装置400の並び方向をX方向とし、X−Z平面に直交する方向をY方向とする。また、X方向について前側及び後側を付して説明し、Y方向について右側及び左側を付して説明する。ここで、前側は、画像形成システム1における搬送方向の上流側であり、後側はその下流側である。
画像形成装置100は、画像データに基づいて用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は画像形成装置100から排出され、中間搬送装置200に送り出される。
画像形成装置100は、例えば電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置100は、感光体と、帯電部と、像露光部と、現像部と、転写部と、定着装置と、排紙部とを主体に構成されている。感光体は、帯電部によりその表面が一様に帯電させられる。像露光部は、画像データに対応して、レーザビームにより感光体の表面を走査露光する。これにより、感光体の表面に潜像が形成される。現像部はトナーにより潜像を反転現像し、感光体の表面にトナー画像が形成される。転写部は、感光体表面のトナー画像を、直接又は中間転写体を介して用紙へ転写する。定着装置は、画像が転写された用紙に対する加熱及び加圧により定着処理を施す。そして、定着処理が施された用紙は排紙部へと送り出され、当該排紙部により機外に排出される。
なお、画像形成装置100は、用紙に画像を形成することなく、中間搬送装置200に対して単に用紙を送り出すこともできる。
中間搬送装置200は、画像形成装置100から送り出された用紙を受け取ると、当該用紙を一時的に待機させたり、用紙に対して筋付け及び断裁を施したりする。各種の処理が施された用紙は、中間搬送装置200から排出され、用紙処理装置300に送り出される。
中間搬送装置200は、例えば、待機部(スタッカー)と、整合部と、筋付け部(クリーサー)と、断裁部(スリッター)とを備えている。待機部は、画像形成装置100から送り出された用紙を下降させるように搬送し、用紙の紙面をY−Z平面にほぼ沿わせた状態で一旦停止させて待機させる。整合部は、待機中の用紙の位置を整合する。筋付け部は、整合された用紙に筋付けを行う。断裁部は、筋付けが施された用紙を搬送しながら当該用紙の余白部分を断裁する。
なお、中間搬送装置200は、画像形成装置100から受け取った用紙に対して、中間搬送装置200による各種の処理の一部又は全部を施すことなく、用紙処理装置300に送り出すこともできる。
用紙処理装置300は、中間搬送装置200(画像形成装置100)から送り出された用紙に各種の処理を施す装置であり、いわゆる後処理装置である。用紙処理装置300は、例えば、用紙を中折りする中折り処理、中折りされた用紙を所定枚数重ね合わせて綴じることにより中綴じ冊子を作成する中綴じ処理、冊子の背表紙を角背成形する角背成形処理、冊子の小口断裁を行う断裁処理等を行う機能を備えている。
用紙処理装置300は、搬送部310と、中折り部320と、中綴じ部330と、クランプ部340と、角背成形部350と、断裁部360と、排出部370とを有している。
搬送部310は、中間搬送装置200から送り出された用紙を中折り部320へ搬送する。搬送部310による搬送方向はX方向と対応している。
図3は、中折り部320の構成を模式的に示す説明図である。中折り部320は、搬送部310によって搬送された用紙を中折りする。中折り部320は、例えば、一対の折りローラー321と、板状の折りナイフ322と、用紙排紙部324a,324bと、一対の用紙整合部326と、用紙スタック部328とを主体に構成されている。なお、図3(a)は、中折り部320を側方から眺めた説明図であり、紙面に対して垂直な方向が図1に示すY方向と対応し、図3(b)は、中折り部320を上方から示す説明図であり、紙面に対して垂直な方向が図1に示すZ方向と対応している。
一対の折りローラー321は、例えば外周面が弾性層で被覆されたローラーでそれぞれ構成されており、互いに圧接されてニップ部を構成している。一対の折りローラー321は、用紙を折るのに必要な圧力によって相互に圧接されている。
折りナイフ322は、平板状の部材であり、図3(a)に示すように、用紙スタック部328を介して一対の折りローラー321と対向して配置されている。具体的には、折りナイフ322は、その先端が一対の折りローラー321のニップ部と対向するように、当該ニップ部の接線方向に沿って配置されている(初期位置)。
また、折りナイフ322は、ニップ部へ向かう方向に沿って直線的に往復移動可能に構成されている。折りナイフ322は、動力機構(図示せず)を通じて、一対の折りローラー321の間(ニップ部)に進入したり、この状態から初期位置まで後退したりする進退動作を行うことができる。
このように、折りナイフ322は、一対の折りローラー321と協働して用紙折り動作を行うものである。換言すれば、一対の折りローラー321及び折りナイフ322は、用紙折り動作、すなわち、用紙スタック部328に載置された用紙を折る折り実行部に相当する。
用紙排紙部324a,324bは、用紙スタック部328に載置された用紙(中折りされた用紙)を送り出し排紙するものである。用紙排紙部324a,324bにより排紙された用紙は、中綴じ部330へ供給される。後述するように、用紙スタック部328は上下2段の構成とされており、用紙排紙部324a,324bは、下段に対応する用紙排紙時324aと、上段に対応する用紙排紙部324bとがそれぞれ用意されている。
個々の用紙排紙部324a,324bは、Y方向に沿って張架されて回転駆動する搬送ベルト324a1,324b1と、搬送ベルト324a1,324b1に固定された搬送爪324a2,324b2とで構成されている。搬送ベルト324a1,324b1が所定方向へ回転することにより、搬送爪324a2,324b2が用紙を押し出し、これにより、用紙を排紙する。
一対の用紙整合部326は、用紙スタック部328に載置された用紙の位置(X方向における位置)を整合するための部材である。一対の用紙整合部326は、X方向に離間して配置されている。個々の用紙整合部326は、板状の部材からなり、用紙スタック部328に載置される用紙の用紙面に対して垂直に起立している。
搬送部310によって搬送された用紙は、X方向の後側に位置する用紙整合部326に突き当たり、用紙スタック部328に載置される。そして、X方向の前側に位置する用紙整合部326がX方向を前側から後側に移動し、当該用紙整合部326が用紙の端部に突き当る。これにより、一対の用紙整合部326によって用紙が両側から挟持され、用紙の整合が行われる。また、X方向の前側に位置する用紙整合部326は、用紙スタック部328に搬送される用紙の進路を妨げないように、用紙の搬送時には、所定の退避位置へと移動することができる。
用紙スタック部328は、搬送部310によって搬送された用紙が載置されるものであり、複数の用紙載置部と、切替ゲート327とで構成されている。
複数の用紙載置部は、互いに並列するように積層配置されており、各々が搬送部310によって搬送された用紙を載置する機能を備えている。本実施形態では、図3に示すように、上下2段からなる2つの用紙載置部328a,328bが設定されている。以下、下側に位置する用紙載置部328aを下段の用紙載置部328aといい、上側に位置する用紙載置部328bを上段の用紙載置部328bという。
個々の用紙載置部328a,328bは、用紙を載置するために十分な大きさを備えた板状部材から構成されている。また、個々の用紙載置部328a,32bにおいて、折りナイフ322と対応する領域には、当該折りナイフ322の進退動作を可能とするための開口が形成されている。
切替ゲート327は、搬送部310から搬送された用紙の搬送先を、下段の用紙載置部328aと上段の用紙載置部328bとで切り替える切替部材である。本実施形態では、用紙1枚毎に用紙載置部328a,328bが交互に切り替わるように、切替ゲート327が動作する。
このような構成の中折り部320において、搬送部310により搬送された用紙は、切替ゲート327の設定に応じて、下段の用紙載置部328a又は上段の用紙載置部328bへと進入し、当該用紙載置部328a,328bに載置される。用紙載置部328a,328bに載置された用紙は、用紙整合部326によって整合され、用紙のX方向の中央部が折りナイフ322と対向するように設定される。
折りナイフ322は、一対の折りローラー321の間に進入し、用紙をニップ部に押し込む動作を行う。これにより、用紙は、Y方向に沿った折りナイフ322の当接位置(折り目位置)を境に折り曲げられる。即ち、用紙は、折り目が上側でその両端の小口が下側となる山折り形状に中折りされる。中折りされた用紙は、用紙排紙部324a,324bにより、折り目方向(折り目が延在する方向(Y方向))に沿って排出され、中綴じ部330に到達する。
中綴じ部330は、中折り部320により中折りされた用紙を順次集積し、冊子一部相当の枚数の用紙(用紙束)が集積されると、その用紙束に打針して中綴じ冊子を作成する(中綴じ処理)。
クランプ部340は、中綴じ冊子を保持し、当該中綴じ冊子を規定の位置に整合させる整合動作を行う。さらに、クランプ部340は、中綴じ冊子を保持した状態で下降することで、中綴じ冊子の小口端部側を断裁部360に進入させることができる。角背成形部350は、中綴じ冊子の背表紙の角背成形処理を行うものであり、クランプ部340に搭載されている。断裁部360は、クランプ部340により保持された中綴じ冊子の小口の断裁処理を行う。
排出部370は、中綴じ冊子を外部に排出するものである。
なお、用紙処理装置300は、中間搬送装置200から受け渡された用紙に対して、用紙処理装置300による各種の処理を施さずに平綴じ処理装置400に送り出すこともできる。
平綴じ処理装置400は、用紙束について平綴じ処理等を行う。具体的には、平綴じ処理装置400は、例えば、ステープル処理部と、ページ端断裁部と、排出部とを備えている。ステープル処理部は、用紙処理装置300から送り出された用紙束にステープル処理を施す。ページ端断裁部は、ステープル処理が施された用紙束のうち背表紙と平行な端部を揃えるために当該端部の一部を切り落とす小口断裁を行う。排出部は、処理後の用紙束を排出するものである。
なお、平綴じ処理装置400は、用紙処理装置300から送り出された用紙に対して、平綴じ処理装置400による各種の処理の一部又は全部を施さずに排出することもできる。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1の制御系は、中央制御部501と、画像形成装置100が備える画像形成制御部502と、中間搬送装置200が備える中間搬送制御部503と、用紙処理装置300が備える用紙処理制御部504と、平綴じ処理装置400が備える平綴じ処理制御部505と、操作表示部510とで構成されている。
中央制御部501は、画像形成システム1全体の動作制御を行うものである。画像形成制御部502は、画像形成装置100の動作制御を行うものである。中間搬送制御部503は、中間搬送装置200の動作制御を行うものである。用紙処理制御部504は、用紙処理装置300の動作制御を行うものである。平綴じ処理制御部505は、平綴じ処理装置400の動作制御を行うものである。中央制御部501、画像形成制御部502、中間搬送制御部503、用紙処理制御部504及び平綴じ処理制御部505はそれぞれ、CPU、RAM、ROM等を有し、処理内容に応じたソフトウェア・プログラムや各種のデータを読み出して実行処理する。
操作表示部510は、画像形成システム1の動作に係るユーザーの入力操作を受け付け、画像形成システム1の動作に係る表示出力を行う。操作表示部510は、例えば、タッチパネル方式の操作表示装置や各種の入力のためのスイッチ、キー等を有し、ユーザーの入力内容に応じた信号を中央制御部501に送信する。
この画像形成システム1において、中央制御部501は、操作表示部510を介して入力されたユーザーの入力内容に応じて、画像形成システム1に係る各種の条件の設定を行う。この各種条件の設定内容には、例えば、用紙のサイズや画像形成時の色数(例えば、カラー・グレースケール・モノクロ等)、中折りの制御モード選択条件、中折りにする用紙枚数、中折りにする用紙の種類、サイズ、坪量、中間搬送装置200の筋付け部(クリーサー)による筋付けの実施/非実施、断裁される端部の幅等が含まれる。
中央制御部501は、画像形成制御部502、中間搬送制御部503、用紙処理制御部504、及び平綴じ処理制御部505のそれぞれに対して設定内容に応じた処理を施すための命令を出力する。各制御部502,503,504,505は、命令に応じてそれぞれの制御対象である装置100,200,300,400の動作を制御する。
図4及び図5は、第1の実施形態に係る中折り処理の手順を示す説明図である。以下、本実施形態に係る画像形成システム1の中折り処理の手順について説明する。中央制御部501は、用紙処理制御部504に対して中折り処理を施すための命令を出力する。用紙処理制御部504は、これに応じて中折り部320を制御し、中折り処理を実行させる。
ここで、図4及び図5は、図4の(a)から(d)、そして図5の(a)から(c)の順番で、中折り処理の手順を時系列で示している。また、図4及び図5では、図中の左側に中折り部320を側方から眺めた状態を示し、図中の右側に中折り部320を上方から眺めた状態を示している。また、図4及び図5では、用紙整合部326の記載が省略されている。
図4(a)に示すように、搬送部310により1枚目の用紙P1が搬送される。搬送された用紙P1は、切替ゲート327の設定に応じて、下段の用紙載置部328a及び上段の用紙載置部328bのいずれかに搬送される。本実施形態では、1枚目の用紙P1は、上段の用紙載置部328bに搬送される設定となっている。
1枚目の用紙P1は、搬送方向の先端がX方向の後側に位置する用紙整合部326に突き当たると、上段の用紙載置部328bに載置される。この際、X方向の後側に位置する用紙整合部326aは、用紙の中央位置(折り位置)が折りナイフ322と対応するように、用紙サイズに応じた位置に配置されている。そして、X方向の前側に位置する用紙整合部326が用紙P1の搬送方向の後端側に移動し、当接する。これにより、折りナイフ322の先端位置と1枚目の用紙P1の折り位置(用紙の中央)とが一致するように用紙P1の位置が整合される。
つぎに、折りナイフ322が用紙スタック部328(上段の用紙載置部328b)に載置された用紙P1に向って進入する。これにより、一対の折りローラー321のニップ部に用紙P1が挿入され、一対の折りローラー321により両側から圧力が加えられることで、用紙P1に対して中折りが行われる(図4(b)参照)。
一方で、図4(b)に示すように、搬送部310により2枚目の用紙P2が搬送される。1枚目の用紙P1が通過した後、これに続く2枚目の用紙P2が到達するよりも前に、切替ゲート327は、下段の用紙載置部328a側へ切り替えられている。これにより、搬送された用紙P2は、下段の用紙載置部328aへ搬送される。この用紙P2は、折りナイフ322よりも所定距離だけ手前に到達すると、搬送が停止され、その場で待機させられる(図4(b)参照)。
図4(c)に示すように、1枚目の用紙P1に対する用紙折り動作が終了すると、折りナイフ322は、一対の折りローラー321から離間する方向へと後退し、初期位置へと退避させられる。また、用紙折り動作が終了すると、1枚目の用紙P1は、上段に設置された用紙排紙部324bにより排紙される(図4(d)参照)。
そして、折りナイフ322の先端が下段の用紙載置部328aよりも下方へと退くと、2枚目の用紙P2の搬送が再開される。搬送が再開された用紙P2は、下段の用紙載置部328aへと搬送される。2枚目の用紙P2についても、1枚目の用紙P1と同様、用紙整合部326による整合動作が行われる。
つぎに、折りナイフ322が用紙スタック部328(下段の用紙載置部328a)に載置された用紙P2に向って進入する。これにより、一対の折りローラー321のニップ部に用紙P2が挿入され、一対の折りローラー321により両側から圧力が加えられることで、用紙P2に対して中折りが行われる(図5(a)参照)。
一方で、図5(a)に示すように、搬送部310により3枚目の用紙P3が搬送される。2枚目の用紙P2が通過した後、これに続く3枚目の用紙P3が到達するよりも前に、切替ゲート327は、上段の用紙載置部328b側へ切り替えられている。これにより、搬送された用紙P3は、上段の用紙載置部328bへ搬送される。この用紙P3は、折りナイフ322よりも所定距離だけ手前に到達すると、搬送が停止され、その場で待機させられる。
図5(b)に示すように、2枚目の用紙P1に対する用紙折り動作が終了すると、折りナイフ322は、一対の折りローラー321から離間する方向へと後退し、初期位置へと退避させられる。また、用紙折り動作が終了すると、2枚目の用紙P2は、下段に設置された用紙排紙部324aにより排紙される(図5(c)参照)。
そして、折りナイフ322の先端が上段の用紙載置部328bよりも下方へと退くと、3枚目の用紙P3の搬送が再開される。搬送が再開された用紙P3は、上段の用紙載置部328bへと搬送される。3枚目の用紙P3について、2枚目の用紙P1と同様、用紙整合部326による整合動作が行われる。
そして、3枚目についても中折りが実施され、さらには、後続の用紙(4枚目以降の用紙)についても上述の動作が繰り返される。すなわち、用紙1枚毎に、用紙載置部328a,328bに載置する用紙が切り替えられ、各用紙載置部328a,328bに載置された用紙に対して中折りが順次実行されることとなる。
このように本実施形態において、用紙処理装置300は、用紙を搬送する搬送部310と、搬送部310によって搬送された用紙が載置される用紙スタック部328と、用紙スタック部328に載置された用紙を折る折り実行部と、を有している。この場合において、用紙スタック部328は、互いに並列するように積層配置される2段の用紙載置部328a,328bと、搬送部310によって搬送される用紙の搬送先を2段の用紙載置部328a,328bのいずれかに切り替える切替ゲート327と、を備える。また、折り実行部は、互いに圧接されてニップ部を構成する一対の折りローラー321と、2段の用紙載置部328a,328bを介して一対の折りローラー321と対向して配置され、ニップ部の接線方向に沿って進退動作する板状の折りナイフ322と、を有している。そして、折り実行部は、折りナイフ322をニップ部に向けて進入動作させ、用紙スタック部328に載置された用紙を折りナイフ322によってニップ部に押し込むことで用紙を折る用紙折り動作を行う。
この構成によれば、用紙スタック部328が2段の用紙載置部328a,328bを備えているので、用紙の搬送先を2つの用紙載置部328a,328bで切り替えることができる。用紙スタック部328が単一の用紙載置部しか備えていない場合には、後続の用紙は、先行する用紙が排出された後でなければ用紙載置部へ搬送することができない。しかしながら、本実施形態では、一方の用紙載置部328a,328bに用紙が残存している状況であっても、他方の用紙載置部328a,328bへと用紙を搬送することができる。これにより、後続の用紙の待機時間を減らすことができるので、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、用紙処理装置300は、搬送部310、用紙スタック部328及び折り実行部を制御する用紙処理制御部504をさらに有している。そして、用紙処理制御部504は、(1)搬送部310を制御することにより、用紙スタック部328へ用紙を搬送するタイミングを制御し、(2)用紙スタック部328の切替ゲート327を制御することにより、搬送部310によって搬送される用紙の搬送先を2段の用紙載置部328a,328bのいずれかに設定し、(3)折り実行部を制御することにより、2段の用紙載置部328a,328bのいずれかに用紙が載置された状態で用紙折り動作を行っている。
この構成によれば、用紙の搬送タイミングや、2つの用紙載置部328a,328bの切り替え、用紙折り動作のタイミングといった要素を用紙処理制御部504が制御することができる。これにより、用紙の待機時間を減らすように制御を行うことができるので、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、用紙処理制御部504は、下段の用紙載置部328aに用紙が載置された状態で当該用紙を対象として用紙折り動作を行う第1動作と、上段の用紙載置部328bに用紙が載置された状態で当該用紙を対象として用紙折り動作を行う第2動作とを交互に行っている。
この構成によれば、用紙が連続的に搬送される状況であっても、用紙を搬送する用紙載置部328a,328bが交互に切り替えられる。これにより、個々の用紙についての待機時間を減らすことができるので、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、用紙処理制御部504は、下段の用紙載置部328a及び上段の用紙載置部328bの一方に搬送された先行の用紙に対して実行される用紙折り動作と干渉しないように、後続の用紙を残余の用紙載置部328a,328bへ搬送している。
この構成によれば、用紙載置部328a,328bへ搬送する際の用紙の待機時間を減らすことができる。これにより、生産性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態に示す中折り部320は、以下に示す変形例で実施することも可能である。
図6は、第1の変形例に係る中折り部320の構成を模式的に示す説明図である。この変形例において、用紙スタック部328は、シャッター部材329aと、用紙保護部材329bとをさらに備えている。
シャッター部材329aは、上段の用紙載置部328bの開口、すなわち、折りナイフ322が進退動作するための開口に配置されている。シャッター部材329aは、この開口を開放する開放状態と、当該開口を閉塞する閉塞状態とで切替可能に構成されており、その切替は、用紙処理制御部504によって制御される。
シャッター部材329aは、折りナイフ322の進入に伴って開放状態に設定され(図6(a)参照)、一方で、折りナイフ322の後退に伴って閉塞状態に設定される(図6(b))。シャッター部材329aは、閉塞状態に設定されることで、下段の用紙載置部328aに載置される用紙の折り目が、上段の用紙載置部328bに飛びだすことを抑制している。これにより、後続の用紙が上段の用紙載置部328bに搬送される際に、当該用紙と下段側の用紙とが干渉するといった不都合を抑制することができる。
用紙保護部材329bは、上段の用紙載置部328bの開口の周縁部に配置されている。下段の用紙載置部328aに載置された用紙に対する用紙折り動作の際には、上段の用紙載置部328bの開口に接触し、用紙にダメージが及ぶことが懸念される。用紙保護部材329bは、用紙へのダメージを抑制するものであり、例えば、軟質な材質で形成される緩衝部材や、コロやローラーに代表される曲面形状を備えた部材といった、用紙への損傷を抑制する種々の構成を採用することができる。
図7は、第2の変形例に係る中折り部320の構成を模式的に示す説明図である。この変形例において、用紙排紙部325は、下段の用紙載置部328aと上段の用紙載置部328bとの中間位置に配置され、これらの用紙載置部328a,328bについての用紙排紙を共通して行うものである。
用紙排紙部325は、左右方向(Y方向)に沿って張架されて回転駆動する搬送ベルト325aと、搬送ベルト325aに固定された搬送爪325bとで構成されている。この搬送ベルト325aは、正逆方向についてそれぞれ回転駆動することができる。したがって、回転方向を正逆で切り替えることで、上段の用紙載置部328bに載置された用紙の排紙動作と、下段の用紙載置部328aに載置された用紙の排紙動作とをそれぞれ行うことができる。この構成によれば、用紙載置部328a,328b毎に用紙排紙部325を設ける必要がないので、装置の簡素化及びコストダウンを図ることができる。
図8は、第3の変形例に係る中折り部320の動作を示す説明図である。この変形例では、中折り処理を伴うジョブ(第1ジョブ)の次に、中折り処理をすることなく平綴じ処理装置400へと用紙をストレート排紙するジョブ(第2ジョブ)が実行される場合での中折り部320の動作を説明する。
まず、第1ジョブの最終の用紙P1が上段の用紙載置部328bに載置されると、折りナイフ322が用紙スタック部328(上段の用紙載置部328b)に載置された用紙P1に向って進入する。これにより、一対の折りローラー321のニップ部に用紙P1が挿入され、一対の折りローラー321により両側から圧力が加えられることで、用紙P1に対して中折りが行われる(図8(a)参照)。
一方で、図8(a)に示すように、搬送部310により第2ジョブの最初の用紙P2が搬送される。第1ジョブの最終の用紙P1が通過した後、第2ジョブの最初の用紙P2が到達するよりも前に、切替ゲート327は、下段の用紙載置部328a側へと切り替えられている。これにより、搬送された用紙P2は、下段の用紙載置部328a側へ搬送される。そして、用紙P2は、折りナイフ322よりも所定距離だけ手前に到達すると、搬送が停止され、その場で待機させられる。
図8(b)に示すように、中折りが終了すると、折りナイフ322は、一対の折りローラー321から離間する方向へと後退し、初期位置へと退避させられる。折りナイフ322の先端が下段の用紙載置部328aよりも下方へと退くと、第2ジョブの最初の用紙P2の搬送が再開される。この際、X方向の後側に位置する用紙整合部326(図示せず)は、用紙スタック部328に搬送される用紙の進路を妨げないように、所定の退避位置へと移動している。このため、用紙P2は、下段の用紙載置部328aに載置されることなく、平綴じ処理装置400へと搬送される。
この第3の変形例に係る中折り部320の動作によれば、第1ジョブに係る最終の用紙が用紙スタック部328から排紙される前に、第2ジョブの最初の用紙の搬送を開始することができる。これにより、ジョブ移行時の待機時間を減らすことができるので、スループットの向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る画像形成システム1について説明する。この第2の実施形態に係る画像形成システム1が、第1の実施形態のそれと相違する点は、中折り部320による中折り処理の動作態様である。第1の実施形態と共通する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図9及び図10は、第2の実施形態に係る中折り処理の手順を示す説明図である。以下、本実施形態に係る画像形成システム1の中折り処理の手順について説明する。中央制御部501は、用紙処理制御部504に対して中折り処理を施すための命令を出力する。用紙処理制御部504は、これに応じて中折り部320を制御し、中折り処理を実行させる。
ここで、図9及び図10は、図9の(a)から(d)、そして図10の(a)から(c)の順番で、中折り処理の手順を時系列で示している。また、図9及び図10に示す各手順では、図中の左側に中折り部320を側方から眺めた状態を示し、図中の右側に中折り部320を上方から眺めた状態を示している。また、図9及び図10では、用紙整合部326の記載が省略されている。
図9(a)に示すように、搬送部310により1枚目の用紙P1が搬送される。搬送された用紙P1は、切替ゲート327の設定に応じて、下段の用紙載置部328a及び上段の用紙載置部328bのいずれかに搬送される。本実施形態では、2段の用紙載置部328a,328bに載置された用紙を一括で折る態様となっており、1枚目の用紙P1は、下段の用紙載置部328aに搬送される設定となっている。
1枚目の用紙P1は、搬送方向の先端がX方向の後側に位置する用紙整合部326に突き当たると、下段の用紙載置部328aに載置される。そして、X方向の前側に位置する用紙整合部326が用紙P1の搬送方向の後端側に移動し、当接する。これにより、折りナイフ322の先端位置と1枚目の用紙P1の折り位置(用紙の中央)とが一致するように用紙P1の位置が整合される。
つぎに、図9(b)に示すように、搬送部310により2枚目の用紙P2が搬送される。1枚目の用紙P1が通過した後、これに続く2枚目の用紙P2が到達するよりも前に、切替ゲート327は、上段の用紙載置部328b側へ切り替えられている。これにより、搬送された用紙P2は、上段の用紙載置部328bへ搬送される(図9(c))。そして、1枚目の用紙P1と同様、2枚目の用紙P2も整合動作が行われる。
つぎに、折りナイフ322が用紙スタック部328に載置された2枚の用紙P1,P2に向って進入する。これにより、一対の折りローラー321のニップ部に2枚の用紙P1,P2が挿入され、一対の折りローラー321により両側から圧力が加えられることで、2枚の用紙P1,P2に対して中折りが行われる(図9(d)参照)。
図10(a)に示すように、中折りが終了すると、折りナイフ322は、一対の折りローラー321から離間する方向へと後退し、初期位置へと退避させられる。そして、1枚目の用紙P1は、下段に設置された用紙排紙部324aにより排紙され、同様に、2枚目の用紙P2も、上段に設置された用紙排紙部324bにより排紙される。
用紙スタック部328から用紙P1,P2の排紙が完了すると、搬送部310により3枚目の用紙P3が搬送される(図10(b)参照)。2枚目の用紙P2が通過した後、3枚目の用紙P3が到達するよりも前に、切替ゲート327は、下段の用紙載置部328a側に切り替えられている。これにより、搬送された用紙P3は、切替ゲート327によって、下段の用紙載置部328aに搬送される。
そして、2枚目の用紙P2と同様、4枚目についても上段の用紙載置部328bに搬送され、2枚一括で中折りが実施され、さらには、後続の用紙(5枚目以降の用紙)についても上述の動作が繰り返される。すなわち、用紙1枚毎に用紙載置部328a,328bに載置する用紙の切り替えが行われ、また、用紙2枚毎に用紙折り動作が実行されることとなる。
このように本実施形態において、用紙処理装置300は、用紙を搬送する搬送部310と、搬送部310によって搬送された用紙が載置される用紙スタック部328と、用紙スタック部328に載置された用紙を折る折り実行部と、を有している。この場合において、用紙スタック部328は、互いに並列するように積層配置される2段の用紙載置部328a,328bと、搬送部310によって搬送される用紙の搬送先を2段の用紙載置部328a,328bのいずれかに切り替える切替ゲート327と、を備える。また、折り実行部は、互いに圧接されてニップ部を構成する一対の折りローラー321と、2段の用紙載置部328a,328bを介して一対の折りローラー321と対向して配置され、ニップ部の接線方向に沿って進退動作する板状の折りナイフ322と、を有している。そして、折り実行部は、折りナイフ322をニップ部に向けて進入動作させ、用紙スタック部328に載置された用紙を折りナイフ322によってニップ部に押し込むことで用紙を折る用紙折り動作を行う。
この構成によれば、用紙スタック部328が2段の用紙載置部328a,328bを備えているので、2つの用紙載置部328a,328bに用紙が載置された状態で、これらの用紙に対してまとめて用紙折り動作を実行することができる。これにより、1つの冊子の作成に関する用紙折り動作の実行回数を減らすことができるので、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、用紙処理装置300は、搬送部310、用紙スタック部328及び折り実行部を制御する用紙処理制御部504をさらに有している。そして、用紙処理制御部504は、(1)搬送部310を制御することにより、用紙スタック部328へ用紙を搬送するタイミングを制御し、(2)用紙スタック部328の切替ゲート327を制御することにより、搬送部310によって搬送される用紙の搬送先を2段の用紙載置部328a,328bのいずれかに設定し、(3)折り実行部を制御することにより、2段の用紙載置部328a,328bの全部に用紙が載置された状態で用紙折り動作を行っている。
この構成によれば、用紙の搬送タイミングや、2つの用紙載置部328a,328bの切り替え、用紙折り動作のタイミングといった要素を用紙処理制御部504が制御することができる。これにより、用紙折り動作の実行回数を減らすように制御を行うことができるので、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、用紙処理制御部504は、2段の用紙載置部328a,328bに用紙がそれぞれ載置された状態で、当該用紙の全てを対象として一括で用紙折り動作を行っている。
この構成によれば、2つの用紙載置部328a,328bに用紙が載置された状態で、これらの用紙に対してまとめて用紙折り動作を実行することができる。これにより、用紙折り動作の実行回数を減らすことができるので、生産性の向上を図ることができる。
なお、2段の用紙載置部328a,328bに載置された2枚の用紙について一括で用紙折り動作を行う場合には、2枚の用紙のうち先行の用紙を下段の用紙載置部328aに搬送し、後続の用紙を上段の用紙載置部328bへと搬送することが好ましい。画像形成装置100から搬送される用紙は、冊子の内側に位置する用紙から外側(表紙側)に位置する用紙が順番に搬送される構成となっている。このため、下段の用紙載置部328aから先行して用紙を載置することで、冊子をなす用紙の並び順序が入れ替わるといった不都合を抑制することができる。すなわち、用紙処理制御部504は、1つの冊子を構成する用紙の並び順序に基づいて、当該用紙の搬送先となる用紙載置部328a,328bの切り替えを行っている。
また、2段の用紙載置部328a,328bを備える場合、一対の折りローラー321に近い上段の用紙載置部328bの方が、用紙折り動作に伴う用紙の傷みが少ないという傾向がある。そこで、用紙処理制御部504は、用紙の種類、坪量及びサイズに基づいて、当該用紙の搬送先となる用紙載置部の切り替えを行うことが好ましい。
例えば、冊子では、表紙に上質紙を用い、本身に普通紙を用いるといったことがある。このため、普通紙と上質紙といった異なる紙種からなる2枚の用紙を一括で折る場合がある。この場合においては、傷の影響を抑制したい上質紙を上段の用紙載置部328bへ搬送し、普通紙を下段の用紙載置部328aへ搬送するといった如くである。
同様に、坪量の異なる2枚の用紙を一括で折る場合には、坪量の大きい用紙(例えば厚紙)を上段の用紙載置部328bへ搬送し、坪量の小さい用紙(例えば普通紙)を下段の用紙載置部328aへ搬送するといった如くである。これは、厚紙は剛性が強く曲がり難いため、下段の用紙載置部328aに積載した場合には、当該用紙への傷等の発生が顕著となることが懸念されるからである。また、用紙サイズについても同様である。
なお、用紙の紙種、坪量及びサイズに基づいて用紙の搬送先となる用紙載置部328a,328bを切り替える場合、冊子の構成順序と、用紙載置部328a,328bに載置される用紙の積層順序とに不整合が生じる可能性がある。このようなケースでは、冊子の構成順序を揃えるため、全ての用紙折り動作を用紙2枚一括で行わず、冊子の構成順序が整うように、1枚の用紙のみで用紙折り動作を行う手順を途中に設けてもよい。
なお、上述した実施形態に示す中折り部320は、以下に示すような変形した態様にて実施することも可能である。
図11は、変形例に係る中折り部320の構成を模式的に示す説明図である。この変形例において、用紙スタック部328は、上段、中段及び下段を含む3段の用紙載置部328a,328b,328cから構成されている。また、3段構成の用紙スタック部328に対応して、下段に対応する用紙排紙部324a、中段に対応する用紙排紙部324b及び上段に対応する用紙排紙部324cが設けられている。
この構成によれば、3段の用紙載置部328a,328b,328cにそれぞれ用紙を載置し、これらの3枚の用紙を一括で折ることができる。この構成によれば、用紙折り動作の実行回数を更に減らすことができるので、生産性の向上を図ることができる。
つぎに、3段の用紙載置部328a,328b,328cを備える用紙スタック部328を例示して、用紙整合部326の動作について説明する。
図12は、冊子を構成する用紙のサイズが同一の場合についての用紙整合部326の動作を示す説明図である。まず、用紙の搬送に先立ち、X方向の後側(図中左側)に位置する用紙整合部(以下「第1の用紙整合部326a」という)は、用紙の中央位置(折り位置)が折りナイフ322と対応するように、下段の用紙載置部328a上の用紙サイズに応じた所定位置に配置されている。これに対して、X方向の前側(図中右側)に位置する用紙整合部(以下「第2の用紙整合部326b」という)は、用紙の搬送を妨げることがないように、予め定められた退避位置に配置されている(図12(a)参照)。
搬送部310により1枚目の用紙P1が、下段の用紙載置部328aに搬送される。搬送部310によって搬送された用紙P1は、第1の用紙整合部326aに突き当たると、下段の用紙載置部328a上に載置される。そして、第2の用紙整合部326bが、下段の用紙載置部328aまで下降するとともに、用紙搬送方向へと移動を行い、用紙P1の搬送方向の後端に当接する。これにより、折りナイフ322の先端位置と1枚目の用紙P1の折り位置(用紙の中央)とが一致するように用紙P1の位置が整合される(図12(b)参照)。
1枚目の用紙P1について整合動作が終了すると、第2の用紙整合部326bは、退避位置へと復帰する。そして、搬送部310により2枚目の用紙P2が、中段の用紙載置部328bに搬送される(図12(c)参照)。搬送部310によって搬送された用紙P2は、第1の用紙整合部326aに突き当たると、下段の用紙載置部328a上に載置される。そして、第2の用紙整合部326bが、下段の用紙載置部328aまで下降するとともに、用紙搬送方向へと移動を行い、用紙P2の搬送方向の後端に当接する。これにより、折りナイフ322の先端位置と2枚目の用紙P2の折り位置(用紙の中央)とが一致するように用紙P2の位置が整合される(図12(d)参照)。
そして、2枚目の用紙P2について整合動作が実施されると、第2の用紙整合部326bは、退避位置へと復帰する。そして、搬送部310により3枚目の用紙が上段の用紙載置部328cに搬送され、上述した整合動作が繰り返される。
図13は、冊子を構成する用紙のサイズが異なる場合についての用紙整合部326の動作を示す説明図である。まず、図13(a)に示すように、1枚目の用紙P1の搬送に先立ち、X方向の後側(図中左側)に位置する用紙整合部(第1の用紙整合部)326aは、1枚目の用紙P1の中央位置(折り位置)が折りナイフ322と対応するように、下段の用紙載置部328a上の用紙サイズに応じた所定位置に配置される。これに対して、X方向の前側(図中右側)に位置する用紙整合部(第2の用紙整合部)326bは、用紙の搬送を妨げることのないように、予め定められた退避位置に配置されている。
この状態で、搬送部310により1枚目の用紙P1が下段の用紙載置部328aに搬送される。搬送部310によって搬送された用紙P1は、第1の用紙整合部326aに突き当たると、下段の用紙載置部328a上に載置される。そして、第2の用紙整合部326bが下段の用紙載置部328aまで下降するとともに、用紙搬送方向へと移動し、用紙P1の搬送方向の後端に当接する。これにより、折りナイフ322の先端位置と1枚目の用紙P1の折り位置(用紙の中央)とが一致するように用紙P1の位置が整合される(図12(b)参照)。
1枚目の用紙P1について整合動作が終了すると、第1の用紙整合部326aは、2枚目の用紙P1の中央位置(折り位置)が折りナイフ322と対応するように、中段の用紙載置部328b上の用紙サイズに応じた所定位置に配置される。また、第2の用紙整合部326bは退避位置へと戻る。この状態において、搬送部310により2枚目の用紙P2が中段の用紙載置部328bに搬送される(図12(c)参照)。搬送部310によって搬送された用紙P2は、第1の用紙整合部326aに突き当たると、下段の用紙載置部328a上に載置される。そして、第2の用紙整合部326bが中段の用紙載置部328bまで移動するとともに、用紙搬送方向へと移動を行い、用紙P2の搬送方向の後端に当接する。これにより、折りナイフ322の先端位置と2枚目の用紙P2の折り位置(用紙の中央)とが一致するように用紙P2の位置が整合される(図12(d)参照)。
そして、2枚目の用紙P2について整合動作が終了すると、第1の用紙整合部326aは、3枚目の用紙の中央位置(折り位置)と折りナイフ322との位置が対応するように、上段の用紙載置部328c上の用紙サイズに応じた位置に配置される。また、第2の用紙整合部326bは、退避位置へと戻る。そして、搬送部310により3枚目の用紙が上段の用紙載置部328cに搬送され、上述の動作が繰り返される。
このような構成によれば、3つの用紙載置部328a〜328cに載置される用紙のサイズが異なる場合には、個々の用紙載置部328a〜328c毎に、用紙整合部326a,326bによる整合動作が行われる。一方、3つの用紙載置部328a〜328cに載置される用紙のサイズが同じ場合には、3つの用紙載置部328a〜328cの全部を対象として用紙整合部326a,326bによる整合動作が行われる。
この構成によれば、個々の用紙載置部328a〜328cに載置される用紙の整合を適切に行うことができる。これにより、複数の用紙を一括で折る場合であっても、その折りの品質を維持することができる。また、用紙サイズが同じケースでは(図12参照)、用紙スタック部328に存在する複数枚の用紙を一緒に整合しているので、用紙載置部328a〜328c毎の折り位置のずれの発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態にかかる画像形成システムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、各段の用紙載置部に1枚の用紙を載置した状態で用紙折り処理を行っているが、各段の用紙載置部に複数枚の用紙を載置してもよい。すなわち、用紙載置部に対する用紙の切り替えは、用紙1枚毎に行う必要はなく、複数枚毎に行ってもよい。
また、本実施形態に示す画像形成システムのみならず、用紙処理装置それ自体も本発明の一部として機能する。