JP3735366B2 - 光学フィルムの複屈折材料 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルムの複屈折材料に関する。
従来、各種モードのカラーTFT液晶表示装置には、広視野角で高コントラスト比および色シフトを改善する目的で、光学補償用の位相差板が広く使用されており、代表的な位相差板としては、例えば、ポリカーボネートやノルボルネン系ポリマーの延伸フィルムがあげられる。しかしながら、これらの延伸フィルムは、フィルム厚が約25〜100μmと極めて厚く、さらに、得られる位相差値が低く、かつ、その範囲も狭いため、位相差板として使用するには何枚も積層しなければ十分な特性が得らなかった。このため、これらの位相差板を液晶表示装置に実装した場合に、以下のような問題が生じていた。すなわち、液晶表示装置の薄型化・軽量化が望まれているにもかかわらず、得られる装置は分厚く、重く、また、フィルムの積層による光軸のズレや透過率低下のために、表示特性が低下するという問題である。
また、薄型の光学補償層として、偏光板に液晶性化合物を積層したものが実現されている。具体的には、例えば、コレステリック液晶からなる負の一軸性複屈折を示す光学補償層(例えば、特許文献1参照)や、ディスコチック液晶化合物が偏光板の保護フィルムに塗布された偏光板(例えば、特許文献2参照)等が開示されている。液晶化合物は、高い複屈折率を有するために、光学補償層の厚みを薄くできるためである。このような液晶化合物を用いて光学補償用の透明フィルムを形成するには、液晶分子を均一に配向させる必要がある。前記液晶化合物の配向には、配向方向を規定するための配向膜や配向フィルムが必須であり、通常、前記配向膜は、基材上にポリビニルアルコールやポリイミド等のポリマーフィルムを形成してこれらにラビング処理を施したり、基材上に無機化合物を蒸着することによって形成されている。また、配向フィルムは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が好ましく使用されている。しかしながら、前記液晶化合物の均一性は、前記配向膜や配向フィルムの種類や均一性、処理条件に左右されやすく、また、外部環境の影響を受け易いため、配向欠陥(ディスクリネーション)や配向ムラが生じやすく、大面積で均一な配向状態を得ることが極めて難しいといった問題がある。また、液晶化合物の多くは有機溶剤に対して溶解し難く、溶解力が高い限られた溶剤を使用する必要があるため、光学補償層を形成する基材の種類自体も前記溶剤に溶解されないものに限られるという問題もある。このため、液晶化合物から構成される光学補償層は、通常、配向処理された別の基材上で液晶化合物をフィルム化した後、前記フィルムのみを偏光板に積層したり、偏光板の透明保護フィルム上に、配向膜と溶剤浸透防止層等を多層形成した上で、その表面に液晶化合物の溶液を塗布するという方法がとられている。このため、工程数が増加し、この増加に伴う歩留まりの低下、外観均一性の悪化等、種々の問題が生じている。
そこで、近年、ポリイミド溶液をキャストして作製したフィルムが、負の一軸性複屈折を示す光学補償層として開発されている。具体的には、例えば、ノーマリーホワイト型ねじれネマチック(TN)液晶表示装置の視野角特性を改善するために、分子骨格の直線性と剛直性によって光学特性を制御できるポリイミドを用いた負の一軸性複屈折フィルム(例えば、特許文献3)や、同じく負の一軸性複屈折フィルムの材料として、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ならびにこれらの共重合体等(特許文献4参照)が開示されている。このような熱可塑性高分子(非液晶性ポリマー)は、それ自身の自発的な分子配向性を有しているため、この性質を利用することによって、前述のような配向膜を使用することなしに、光学異方性層を作製できるのである。
このようなポリマー材料は、分子骨格が剛直で直線性が高いものほど、得られるフィルムの厚み方向の複屈折率が大きくなる傾向にあるため、前記複屈折率の大きなものを使用すれば、より一層薄型で、かつ、十分な厚み方向位相差を発現する、優れた光学補償層を得ることができる。
しかしながら、このように複屈折率が高いものは、一般的な有機溶剤に対する溶解性が非常に悪いため、使用できる溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-クロロホルム、N-メチル-ピロリドンお
よびこれらの混合溶剤に限られていた。また、このように複屈折率が高いものは、ポリマー自体が着色している傾向があり、着色による光学特性への影響が問題視され、光学材料として不適当なものが多かった。
特開平2002-533784号公報 特許第2565644号明細書 米国特許第5,344,916号 特表平10-508048
このように、溶剤として溶解力の高い溶剤を使用すると、これに伴い非液晶性ポリマー溶液を塗布する基材の種類も限定されるという問題がある。つまり、前記溶液を塗布することによって、前記基材が溶液の溶剤に侵食されてしまうため、前記溶剤によっても溶解されない材料から構成された基材を使用する必要があるのである。他方、発明者らは、前述のように非液晶性ポリマーが自発的な分子配向力を有することから、光学補償層の光学特性を害さない基材であれば、配向基板、非配向基板にかかわらず、基材上に前記ポリマー溶液を直接塗布し、前記基材と複屈折層との積層体を形成し、前記積層体のまま光学補償板として使用できることを別途見出している。しかし、前記光学補償層の光学特性を害さない基材として使用されているTACフィルム等は、前述のような溶剤によって侵食されるおそれがあるため、実用面においては、限られた基材上で複屈折層を形成した後、前記複屈折層のみを再度TACフィルム等に積層することが望ましい場合があった。このような、前記溶剤による基材の侵食や複屈折層の着色等が原因となり、非液晶性ポリマー自体は高い厚み方向複屈折率を有するものの、基材に直接複屈折層を形成した積層体では、例えば、白濁が生じたり、前記基材に割れが生じる等の外観上の問題があり、前記積層体を光学フィルムとして実用化できないおそれがあった。
そこで、本発明は、基材上に直接複屈折層が形成された積層体を含む光学フィルムであって、透明性等の外観性に優れ、かつ、高い厚み方向位相差を実現できる光学フィルムを製造可能な光学フィルムの複屈折材料の提供を目的とする。
本発明は、光学フィルムの複屈折材料であって、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む非液晶性ポリマーであるポリイミドを含む複屈折材料である。
Figure 0003735366
溶剤のポリマーに対する溶解力は一般に公知であり、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、酢酸エチル、MIBKは、その溶解力が「N,N-ジメチルアセトアミド>シクロペンタノン>酢酸エチル>MIBK」の順となっている。一方、非液晶性ポリマーは、種類に応じて厚み方向複屈折率が異なるが、厚み方向複屈折率が高い程、分子骨格の直線性、剛直性が高いため、前述のように溶剤に非常に溶解し難いことも知られている。このため、厚み方向複屈折率が高い非液晶性ポリマーを溶解するために、N,N-ジメチルアセトアミドのように溶解力が高い溶剤が必要不可欠であることは周知の事実である。このような事実の下、本発明者らは鋭意研究を行った結果、厚み方向複屈折率が高い、すなわちΔnxyzが0.03以上であっても、溶解力が非常に低い非極性のMIBKに溶解できる非液晶性ポリマーを見出したのである。前述のように厚み方向複屈折率が高い非液晶性ポリマーを溶解するために、溶剤には高い溶解性が求められるにもかかわらず、この事実に反して、低い溶解性のMIBKに溶解できる非液晶性ポリマーは、本発明者らが初めて見出したものである。そして、このような非液晶性ポリマーとMIBKとを使用すれば、前記非液晶性ポリマーはMIBKに十分に溶解できるにもかかわらず、MIBKの溶解力が低いため、TACフィルム等のような基材に前記非液晶性ポリマー溶液を塗工しても、溶剤であるMIBKによって基材が侵食されることもない。このため、前述のように前記基材上に複屈折層を直接形成しても、得られる積層体に白濁が生じたり、前記基材に割れが発生する等の外観上の問題も解消されるのである。以上のことから、Δnxyzが0.05〜0.1の範囲と非常に高い厚み方向複屈折率を示す前述の非液晶性ポリマーであるポリイミドを使用すれば、外観上の問題なく、基材上に直接複屈折層が形成された積層体を得ることができ、このような積層体を含む光学フィルムであれば、液晶表示装置等の各種画像表示装置に実装した場合でも、優れた表示特性が実現できるのである。
本発明の複屈折材料を用いた光学フィルムの製造方法は、複屈折層と透明フィルムとを含む光学フィルムの製造方法であって、前記透明フィルム上に、直接、複屈折材料を溶剤に溶解した溶液を塗工する工程と、形成された塗工膜を固化することによって複屈折層を形成する工程とを含み、前記溶剤がMIBKであり、前記複屈折材料が、下記式で表される厚み方向の複屈折率(Δnxyz)が0.05〜0.1の範囲であって、かつ、前記MIBKに溶解する非液晶性ポリマーを含み、前記非液晶ポリマーが、前記特定の繰り返し単位を有するポリイミドであることを特徴とする。
Δnxyz=[(nx+ny)/2]−nz
前記式において、nx、nyおよびnzは、それぞれ前記非液晶性ポリマーをフィルム化した場合における、前記フィルムのX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
なお、複屈折率(Δnxyz)の定義において、「前記非液晶性ポリマーをフィルム化した場合」とは、例えば、基材上に、直接、複屈折材料を溶剤に溶解した溶液を塗工し、形成された塗工膜を固化することによりフィルムを形成した場合を意味し、その厚みは何ら制限されない。
前記非液晶性ポリマーの厚み方向複屈折率(Δnxyz)は、0.05〜0.1の範囲であり、好ましくは0.06〜0.1である。
本発明において、前記非液晶性ポリマーは、前記式(2)の繰り返し単位を含むポリイミドである。前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドは、溶剤に溶解した際の着色も無く、薄い厚みで大きな厚み方向位相差を実現できることから、光学フィルムに極めて有用である。
なお、前記式(2)の繰り返し構造単位のみから構成されるポリイミドは、例えば、その厚み方向複屈折率が0.05〜0.1であり、好ましくは0.06〜0.085、より好ましくは0.061〜0.084である。このポリイミドは、例えば、分子量を相対的に大きくすることによって、厚み方向複屈折率Δnxyzを高く設定することができ、ポリイミドの分子量は、例えば、合成の反応条件を、従来公知の方法によって変化させることによって調整できる。
前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドは、MIBKに溶解でき、且つ、厚み方向複屈折率(Δnxyz)が0.03以上である非液晶性ポリマーとして、本発明者らが新たに見出したものである。以下に、前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドの合成方法の一例を説明する。
まず、モノマーとして、下記式で表される2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(DCBPDA)を合成する。なお、このモノマーは、前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドを合成するために、新たに発明者が見出したものである。なお、モノマーの合成方法としては、例えば、Polymer Vol.37 No.22 pp.5049-5057(1996)を参照できる。
Figure 0003735366
NaOH水溶液に、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を溶解する。そして、この溶液を100℃に加熱して、さらに溶液中に塩素ガスを注入した。ガスの注入から5分後、析出した白色沈殿にNaOH水溶液を徐々に加え、前記沈殿を再度溶解させる。この溶解液に、さらに塩素ガスを注入し続けることによって、再度沈殿を析出させた(温度100℃)。その溶液を室温まで冷却してから、前記沈殿物を回収し、水洗浄処理および乾燥処理を行うことによって、DCBTC-Na(2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸ナトリウム塩)を得る。このDCBTC-NaをHCl水溶液に懸濁し、90℃で攪拌する。攪拌後、反応溶液を室温まで冷却し、白色の沈殿物を回収してDCBPTC(2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸)を得る。さらに、DCBPTCを減圧乾燥して脱水縮合させることによって、DCBPDA(2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)が得られる。
つぎに、DCBPDAと2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMB)とを反応させてポリマーを合成する。まず、PFMBをm-クレゾールに完全に溶解させた後、DCBPDAを添加し、窒素雰囲気下で攪拌する。さらに、この溶液にイソキノリンを滴下した後、約200℃で加熱しながら攪拌し、続いて室温にまで冷却する。この溶液をm-クレゾールで希釈し、その希釈溶液を、激しく攪拌したメタノールに滴下することによって、ファイバー状の固体を析出させる。このファイバー状の固体を回収することによって、前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドが得られる。
前記ポリイミドの重量平均分子量は、例えば、10,000〜1,000,000であり、好ましくは20,000〜500,000である。重量平均分子量が10,000以上であれば、フィルム化した際の強度に優れ、また1,000,000以下であれば、MIBKに対する溶解性にも優れる。具体的には、前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドの場合、重量平均分子量は、例えば、50,000〜200,000の範囲が好ましい。
なお、ポリイミドのような前記非液晶性ポリマーであれば、前述のように、液晶性材料とは異なり、基板の配向性に関係なく、それ自身の性質によりnx>nz、ny>nzという光学的一軸性を示すフィルムを形成できる。したがって、前記透明フィルムとしては、配向膜付フィルムや配向性フィルムに限定されることがなく、未配向性フィルムも使用できるため、前記透明フィルムをそのまま光学フィルムの一構成物として使用できるのである。
一方、前記透明フィルムの形成材料としては、その表面に直接複屈折層を形成でき、かつ、そのまま光学フィルムとして使用できるものであれば特に制限されない。すなわち、光学フィルムの一構成物として含まれる場合であっても、前記複屈折層の光学特性に実用上影響を与えないものであればよい。このような材料としては、透明性に優れるものが好ましく、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、アセテート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等があげられる。前記ノルボルネン系樹脂製の透明フィルムとしては、例えば、商品名アートン(JSR社製)や商品名ゼオノア(日本ゼオン社製)等が使用できる。さらに、前記透明フィルムの材料としては、例えば、特開平2001−343529号公報(WO 01/37007号)に記載されているような、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物等も使用できる。具体例としては、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物等である。これらの形成材料の中でも、例えば、透明フィルムを形成した際の複屈折率を、相対的により一層低く設定できる材料が好ましく、具体的には、前述の側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物が好ましい。また、これらの透明フィルムは、例えば、欧州特許0911656A2に記載されるような、少なくとも2つの芳香環を有する芳香族化合物をレタデーション調製剤として含んでもよい。
前記透明フィルムの厚みは、通常、12〜200μmであり、好ましくは20〜150μm、より好ましくは25〜100μmである。厚みが12μm以上であれば、後述する塗工工程における塗工精度がより一層優れ、また、厚みが200μm以下であれば、例えば、液晶セルに実装した際の外観をより一層向上できる。
つぎに、本発明の光学フィルムの製造方法の一例について説明する。なお、本発明は、前述のように溶剤としてMIBKを使用し、複屈折形成材料として前述のようなものを使用するものであれば特に限定されない。
まず、複屈折形成材料を溶剤MIBKに溶解して、塗工溶液を調製する。また、MIBKに対する非液晶性ポリマーの溶解割合は、塗工性に優れることから、MIBK 100重量部に対して、例えば、5重量部以上であり、好ましくは5〜50重量部であり、より好ましくは10〜40重量部である。
前記塗工溶液は、前述のような非液晶性ポリマーの他に、例えば、ブレンド材料として、一般的なポリマー材料や液晶材料等を含んでもよい。さらに、紫外線吸収剤;酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性剤、酸捕獲剤、アミン等の劣化防止剤;安定剤;可塑剤;金属類;帯電防止剤;透明フィルムとの密着性を向上させる添加剤等、種々のものが配合されてもよい。
つぎに、前記塗工溶液を前記透明フィルムの表面に直接塗工することによって、塗工膜を形成する。前記塗工溶液の塗工方法は、特に制限されず、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等があげられる。なお、前記塗工溶液の塗工量は、例えば、塗工溶液のおける非液晶性ポリマー含量や、所望の複屈折層の厚み等に応じて適宜決定できる。
続いて、前記透明フィルム上の塗工膜を固化させる。前記非液晶性ポリマーは、その性質上、前記透明フィルムの配向の有無に関わらず、nx>nz、ny>nzの光学特性を示すため、前記塗工膜を固化することによって形成される複屈折層は、光学的一軸性、つまり、厚み方向に位相差を示す層となるのである。
前記塗工膜の固化は、例えば、乾燥処理によって行うことができる。その条件は、特に制限されないが、例えば、自然乾燥や、加熱処理(例えば、40〜350℃)があげられる。前記乾燥工程は、二段階で行うことが好ましく、例えば、40〜140℃(好ましくは40〜120℃)の温度で第1の乾燥処理(前キュア処理ともいう)を施し、続いて150℃〜350℃の温度で第2の乾燥処理(後キュア処理ともいう)を施すことが好ましい。このように前キュアを前記範囲で行えば、より一層外観均一性に優れ、後キュアを前記範囲で行えば、フィルムの均一性や透明性の低下をより一層抑制できる。
前記乾燥処理後において、形成された複屈折層中に残存するMIBKは、その量に比例して光学フィルムの光学特性を経時的に変化させるおそれがあるため、その残存量は、例えば、1.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以下である。
このような製造方法によって、着色や白濁、ひび割れ等が発生しない、外観が極めて優れる、透明フィルム上に直接複屈折層が形成された本発明の光学フィルムを得ることができる。このような光学フィルムは、外観に優れるため、外観不良に基づく光学特性の低下に抑制されるため、例えば、液晶表示装置等の画像表示装置に使用した際に、極めて優れた表示特性を実現できる。
前記光学フィルムにおいて、前記複屈折層は、400nm〜800nmの波長領域における全光線透過率(T)が80%以上であることが好ましく、より好ましくはT=90%以上である。なお、複屈折層両面における表面反射を含んだ状態で前記範囲を満たすことが好ましい。
前記光学フィルムにおける複屈折層の厚みは、例えば、0.2〜20μmであり、好ましくは1〜15μmであり、より好ましくは2〜10μmである。前記複屈折層の厚みが0.2μm以上であれば、光学素子としての機能にも極めて優れ、また、20μm以下であれば、複屈折層の均一性が極めて優れる。
また、前述のようにして製造した光学フィルムは、前記形成された塗工膜を固化することによって複屈折層を形成する工程の後、さらに、前記複屈折層を延伸する工程もしくは収縮する工程を有してもよい。このように延伸処理または収縮処理を施すことによって、前記透明フィルム上に直接形成された複屈折層の光学特性をさらに変化させることができるのである。具体的には、前述のように光学的一軸性(nx>nz,ny>nz)を示す複屈折層が、さらに光学的二軸性(nx>ny>nz)を示すようになるのである。このような延伸工程または収縮工程によって、面内複屈折率(Δnxy)や面内位相差(Δnd)を制御することが好ましい。
まず、延伸工程について説明する。前記複屈折層の延伸方法は、特に制限されないが、例えば、前記透明フィルムと前記複屈折層との積層体に対して、長手方向に一軸延伸する自由端縦延伸、フィルムの長手方向を固定した状態で幅方向に一軸延伸する固定端横延伸、長手方向および幅方向の両方に延伸を行う逐次または同時二軸延伸等の方法等があげられる。
そして、前記複屈折層の延伸は、例えば、前記透明フィルムと前記複屈折層との両方を共に引っ張ることによって行ってもよいが、例えば、以下の理由から、前記透明フィルムのみを延伸することが好ましい。前記透明フィルムのみを延伸した場合、この延伸により前記透明フィルムに発生する張力によって、前記透明フィルム上の前記複屈折層が間接的に延伸される。そして、積層体を延伸するよりも、単層体を延伸する方が、通常、均一な延伸となるため、前述のように透明フィルムのみを均一に延伸すれば、これに伴って、前記透明フィルム上の前記複屈折層も均一に延伸できるためである。
延伸の条件としては、特に制限されず、例えば、透明フィルムや前記複屈折層の形成材料の種類等に応じて適宜決定できる。具体例としては、延伸倍率は、1倍より大きく5倍以下が好ましく、より好ましくは、1倍より大きく4倍以下であり、特に好ましくは1倍より大きく3倍以下である。
つぎに、収縮工程について説明する。収縮処理を施す場合には、前記透明フィルムとして、例えば、収縮性を有する透明フィルムを使用する。そして、前記塗工膜を固化することによって複屈折層を形成する工程の後、さらに、前記透明フィルムを収縮させることによって、これに伴い前記透明フィルム上に直接形成された前記複屈折層を収縮させる。これによって、前述のように前記複屈折層を光学二軸性に変換できるのである。
前記透明フィルムの収縮は、例えば、前記透明フィルムに、加熱処理を施すことによって行うことができ、これに伴い前記複屈折層が収縮する。前記加熱処理の条件としては、特に制限されず、例えば、透明フィルムの材料の種類等によって適宜決定できるが、例えば、加熱温度は、25〜300℃の範囲であり、好ましくは50〜200℃の範囲であり、特に好ましくは60〜180℃の範囲である。
前記透明フィルムの収縮性は、例えば、前記透明フィルムに予め加熱処理を施すこと等によって付与することができる。また、前記透明フィルムの面内において一方向に収縮性を持たせるため、例えば、面内のいずれか一方向において、延伸しておくことが好ましい。このように、予め延伸しておくことによって、前記延伸方向と反対方向に収縮力が発生するため、この透明フィルムの面内の収縮差を利用して、前記複屈折層の非液晶性ポリマーに面内の屈折率差を付与するのである。
延伸前の前記透明フィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、10〜200μmの範囲であり、好ましくは20〜150μmの範囲であり、特に好ましくは30〜100μmの範囲である。そして、延伸倍率に関しては、前記延伸後の透明基板上に形成される複屈折層が光学的二軸性(nx>ny>nz)を示す範囲であれば特に限定されない。
なお、この他にも、例えば、透明フィルム上に塗工膜を形成し、これらを金属枠に固定し加熱することによっても、複屈折層の収縮が可能である。
本発明の製造方法により得られる光学フィルム(以下、本発明の光学フィルムという)は、透明フィルム上に直接複屈折層が形成された積層体を含んでいれば、特に制限されず、前記積層体を単独で使用してもよいし、必要に応じてさらに他の光学部材と組合せて、各種光学用途に供することができる。
本発明の光学フィルムとしては、例えば、さらに偏光子を含む積層偏光板があげられる。このような偏光板の構成は、特に制限されないが、例えば、図1または図2に示すようなものが例示できる。図1および図2は、それぞれ本発明の積層偏光板の例を示す断面図であり、両図において同一部分には同一符号を付している。なお、本発明の偏光板は、以下の構成に限定されるものではなく、さらに他の光学部材等を含んでいてもよい。
図1に示す積層偏光板20は、前述の透明フィルムと複屈折層との積層体1、偏光子2および二つの透明保護層3を有し、偏光子2の両面に透明保護層3がそれぞれ積層されており、一方の透明保護層3にさらに前記積層体1が積層されている。なお、前記積層体1は、前述のように複屈折層と透明フィルムとが積層されているため、いずれの表面が透明保護層3に面してもよいが、前記偏光子が、前記透明保護層を介して、前記積層体の複屈折層に積層されていることが好ましい。
前記透明保護層は、同図に示すように偏光子の両側に積層してもよいし、いずれか一方の面のみに積層してもよい。また、両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護層を使用しても、異なる種類の透明保護層を使用してもよい。
一方、図2に示す積層偏光板30は、前記積層体1、偏光子2および透明保護層3を有し、偏光子2の両面に、前記積層体1および透明保護層3がそれぞれ積層されている。
そして、前記積層体1は、前述のように複屈折層と透明フィルムとが積層されている、いずれの表面が偏光子に面してもよいが、例えば、以下のような理由から、前記積層体1の透明フィルム側に偏光子2が配置することが好ましい。このような構成であれば、前記積層体1の透明フィルムを、偏光子に対する透明保護層として兼用できるからである。すなわち、偏光子の両面に透明保護層を積層する代わりに、前記偏光子の一方の面には透明保護層を配置し、他方の面には、透明フィルムが面するように前記積層体を配置することによって、前記透明フィルムが偏光子の他方の透明保護層の役割も果たすのである。このため、より一層薄型化された偏光板を得ることができる。
前記偏光子としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
前記透明保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、前記透明フィルムと同様のものが使用できる。また、前記透明保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、下記式で表されるフィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの
範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。なお、下記式において、nx、nyおよびnzは、保護フィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、dはその厚みを示す。
Rth=[[(nx+ny)/2]-nz]・d
また、前記透明保護層は、さらに光学補償機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を有する透明保護層としては、例えば、液晶セルにおける位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のものが使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液晶ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これらの中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、前記液晶ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、ディスコチック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が好ましい。このような光学補償位相差板としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム」等の市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム等のフィルム支持体を2層以上積層させることによって、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
前記透明保護層の厚みは、特に制限されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、通常、500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である。前記透明保護層は、例えば、偏光フィルムに前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光フィルムに前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記透明保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。
前記アンチグレア処理とは、偏光板表面において外光が反射することによる、偏光板透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50質量部の範囲である。
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に積層してもよい。
本発明の光学フィルムは、さらに、接着剤層および粘着剤層の少なくとも一方を有することが好ましい。これによって、本発明の光学フィルムと、他の光学層や液晶セル等の他部材との接着が容易になるとともに、本発明の光学フィルムの剥離を防止することができるからである。したがって、前記接着剤層や粘着剤層は、光学フィルムの最外層に積層されることが好ましく、また、光学フィルムの一方の最外層でもよいし、両方の最外層に積層されてもよい。
前記接着剤層の材料としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製感圧接着剤や、ゴム系感圧接着剤等が使用できる。また、これらの材料に、微粒子を含有させて光拡散性を示す層としてもよい。これらの中でも、例えば、吸湿性や耐熱性に優れる材料が好ましい。このような性質であれば、例えば、液晶表示装置に使用した場合に、吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下や、液晶セルの反り等を防止でき、高品質で耐久性にも優れる表示装置となる。
各構成物同士(偏光子、透明保護層等)の積層方法は、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができる。一般には、前述と同様の粘着剤や接着剤等が使用でき、その種類は、前記各構成物の材質等によって適宜決定できる。前記接着剤としては、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげられる。また、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。前述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。具体的には、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま偏光子や透明保護層の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。なお、前記接着剤を塗布する場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。また、湿度や熱等によっても剥がれにくく、光透過率や偏光度に優れる偏光板を形成できることから、さらに、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のPVA系ポリマーの水溶性架橋剤を含む接着剤が好ましい。これらの接着剤は、例えば、その水溶液を前記各構成物表面に塗工し、乾燥すること等によって使用できる。前記水溶液には、例えば、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合できる。これらの中でも、前記接着剤としては、PVAフィルムとの接着性に優れる点から、PVA系接着剤が好ましい。
また、本発明の光学フィルムは、前述のような偏光子の他にも、例えば、各種位相差板、拡散制御フィルム、輝度向上フィルム等、従来公知の光学部材と組合せて使用することもできる。前記位相差板としては、例えば、ポリマーフィルムを一軸延伸または二軸延伸したもの、Z軸配向処理したもの、液晶性高分子の塗工膜等があげられる。前記拡散制御フィルムとしては、例えば、拡散、散乱、屈折を利用したフィルムがあげられ、これらは、例えば、視野角の制御や、解像度に関わるギラツキや散乱光の制御等に使用することができる。前記輝度向上フィルムとしては、例えば、コレステリック液晶の選択反射と1/4波長板(λ/4板)とを用いた輝度向上フィルムや、偏光方向による異方性散乱を利用した散乱フィルム等が使用できる。また、前記光学フィルムは、例えば、ワイヤーグリッド型偏光子と組合せることもできる。
本発明の積層偏光板は、実用に際して、前記本発明の光学フィルムの他に、さらに他の光学層を含んでもよい。前記光学層としては、例えば、以下に示すような偏光板、反射板、半透過反射板、輝度向上フィルム等、液晶表示装置等の形成に使用される、従来公知の各種光学層があげられる。これらの光学層は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、また、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。このような光学層をさらに含む積層偏光板は、例えば、光学補償機能を有する一体型偏光板として使用することが好ましく、例えば、液晶セル表面に配置する等、各種画像表示装置への使用に適している。
以下に、このような一体型偏光板について説明する。
まず、反射型偏光板または半透過反射型偏光板の一例について説明する。前記反射型偏光板は、本発明の積層偏光板にさらに反射板が、前記半透過反射型偏光板は、本発明の積層偏光板にさらに半透過反射板が、それぞれ積層されている。
前記反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、例えば、前記弾性率を示す偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における透明保護層の片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした透明保護層の上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記透明保護層の凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
また、前述のように偏光板の透明保護層に前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記透明保護フィルムのような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用してもよい。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、透明保護層の別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
一方、前記半透過反射型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
前記半透過反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過反射型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過反射型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
つぎに、本発明の積層偏光板に、さらに輝度向上フィルムが積層された偏光板の一例を説明する。
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、3M社製の商品名「D-BEF」等があげられる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用できる。これらは、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであり、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等があげられる。
以上のような本発明の各種偏光板は、例えば、本発明の積層偏光板と、さらに2層以上の光学層とを積層した光学部材であってもよい。
このように2層以上の光学層を積層した光学部材は、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、順次別個に積層する方式によっても形成できるが、予め積層した光学部材として使用すれば、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点がある。なお、積層には、前述と同様に、粘着層等の各種接着手段を用いることができる。
前述のような各種偏光板は、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着剤層や接着剤層を有していることが好ましく、これらは、前記偏光板の片面または両面に配置することができる。前記粘着層の材料としては、特に制限されず、アクリル系ポリマー等の従来公知の材料が使用でき、特に、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、例えば、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層となることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等でもよい。前記偏光板表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、各種粘着材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記偏光板の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記偏光板の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような層は、偏光板のいずれの表面に形成してもよく、例えば、偏光板における前記位相差板の露出面に形成してもよい。
このように偏光板に設けた粘着剤層等の表面が露出する場合は、前記粘着剤層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを一層以上設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層等は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組合せた積層体を使用することもできる。また、前記偏光板の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層であってもよい。
前記粘着剤層の厚みは、例えば、偏光板の構成等に応じて適宜に決定でき、一般には、1〜500μmである。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等があげられる。
前記粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、前記粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
以上のような本発明の光学フィルムや偏光板、各種光学部材(光学層を積層した各種偏光板)を形成する偏光フィルム、透明保護層、光学層、粘着剤層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでもよい。
本発明の光学フィルムや偏光板は、前述のように、液晶表示装置等の各種装置の形成に使用することが好ましく、例えば、本発明の光学フィルムや偏光板を液晶セルの片側または両側に配置して液晶パネルとし、反射型や半透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置に用いることができる。
液晶表示装置を形成する前記液晶セルの種類は、任意で選択でき、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等、種々のタイプの液晶セルが使用できる。これらの中でも、本発明の光学フィルムは、特にTN(Twisted Nematic)セル、VAセル、OCBセルの光学補償に非常に優れているので、これらの液晶セルを備える液晶表示装置に非常に有用である。
また、前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が注入された構造であって、前記液晶セル基板としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に制限されず、従来公知の材料があげられる。
また、液晶セルの両面に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じ種類のものでもよいし、異なっていてもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適当な部品を、適当な位置に1層または2層以上配置することができる。
さらに、本発明の液晶表示装置は、液晶パネルを含み、前記液晶パネルとして、本発明の液晶パネルを使用する以外は、特に制限されない。光源を含む場合、特に制限されないが、例えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、例えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。
図3の断面図に、本発明の液晶パネルの一例を示す。図示のように、液晶パネル40は、液晶セル21、透明フィルムと複屈折層との積層体1、偏光子2および透明保護層3を有しており、液晶セル21の一方の面に積層体1が配置されており、前記積層体1の他方の面に、偏光子2および透明保護層3が、この順序で積層されている。前記液晶セル21は、二枚の液晶セル基板の間に、液晶が保持された構成となっている(図示せず)。また、前記積層体1は、前述のように複屈折層と透明フィルムとが積層されており、前記複屈折層側が液晶セル21に面し、透明フィルム側が偏光子2に面している。
本発明の液晶表示装置は、視認側の光学フィルム(偏光板)の上に、例えば、さらに拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板を配置したり、または液晶パネルにおける液晶セルと偏光板との間に補償用位相差板等を適宜配置することもできる。
なお、本発明の光学フィルムや偏光板は、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、PDP、FED等の自発光型表示装置にも使用できる。自発光型フラットディスプレイに使用する場合は、例えば、本発明の複屈折性光学フィルムの面内位相差値Δndをλ/4にすることで、円偏光を得ることができるため、反射防止フィルターとして利用できる。
以下に、本発明の光学フィルムを備えるエレクトロルミネッセンス(EL)表示装置について説明する。本発明のEL表示装置は、本発明の光学フィルムを有する表示装置であり、このEL装置は、有機ELおよび無機ELのいずれでもよい。
近年、EL表示装置においても、黒状態における電極からの反射防止として、例えば、偏光子や偏光板等の光学フィルムをλ/4板とともに使用することが提案されている。本発明の偏光子や光学フィルムは、特に、EL層から、直線偏光、円偏光もしくは楕円偏光のいずれかの偏光が発光されている場合、あるいは、正面方向に自然光を発光していても、斜め方向の出射光が部分偏光している場合等に、非常に有用である。
まずここで、一般的な有機EL表示装置について説明する。前記有機EL表示装置は、一般に、透明基板上に、透明電極、有機発光層および金属電極がこの順序で積層された発光体(有機EL発光体)を有している。前記有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、また、前記正孔注入層と発光層と電子注入層との積層体等、種々の組み合わせがあげられる。
そして、このような有機EL表示装置は、前記陽極と陰極とに電圧を印加することによって、前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、前記正孔と電子とが再結合することによって生じるエネルギーが、蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。前記正孔と電子との再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、電流と発光強度とは、印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
前記有機EL表示装置においては、前記有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが必要なため、通常、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成された透明電極が陽極として使用される。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に、仕事関数の小さな物質を用いることが重要であり、通常、Mg−Ag、Al−Li等の金属電極が使用される。
このような構成の有機EL表示装置において、前記有機発光層は、例えば、厚み10nm程度の極めて薄い膜で形成されることが好ましい。これは、前記有機発光層においても、透明電極と同様に、光をほぼ完全に透過させるためである。その結果、非発光時に、前記透明基板の表面から入射して、前記透明電極と有機発光層とを透過して前記金属電極で反射した光が、再び前記透明基板の表面側へ出る。このため、外部から視認した際に、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見えるのである。
本発明の有機EL表示装置は、例えば、前記有機発光層の表面側に透明電極を備え、前記有機発光層の裏面側に金属電極を備えた前記有機EL発光体を含む有機EL表示装置において、前記透明電極の表面に、本発明の光学フィルム(偏光板等)が配置されることが好ましく、さらにλ/4板を偏光板とEL素子との間に配置することが好ましい。このように、本発明の光学フィルムを配置することによって、外界の反射を抑え、視認性向上が可能であるという効果を示す有機EL表示装置となる。また、前記透明電極と光学フィルムとの間に、さらに位相差板が配置されることが好ましい。
前記位相差板および光学フィルム(偏光板等)は、例えば、外部から入射して前記金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって前記金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板として1/4波長板を使用し、かつ、前記偏光板と前記位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、前記偏光板によって直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は、前記位相差板によって、一般に楕円偏光となるが、特に前記位相差板が1/4波長板であり、しかも前記角がπ/4の場合には、円偏光となる。
この円偏光は、例えば、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び、有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、前記位相差板で再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、前記偏光板の偏光方向と直交しているため、前記偏光板を透過できず、その結果、前述のように、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができるのである。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、光学フィルムの特性は以下の方法で評価した。
(化学構造式の決定)
ポリイミド試料50mgを重ジメチルスルホキシド(DMSO)0.6mLに溶解してサンプルを調製し、400MHzの1H-NMRである商品名LA400(日本電子製)を用いて測定した。
(分子量の測定)
分子量は、各ポリイミド試料を0.1重量%となるようにDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)に溶解し、この溶液を0.45μmメンブレンフィルターによってろ過した後、商品名HLC-8120GPC(東ソー社製)を用いて、ポリエチレンオキサイド標準により測定した。
(屈折率の測定)
アッベ屈折率計を用いて、得られた光学フィルムの屈折率を測定した。
(位相差・複屈折率・透過率測定)
自動複屈折計(商品名KOBRA-21ADH;王子計測機器社製)を用いて、波長590nmにおける値を測定した。なお、厚み方向の位相差(Rth)は、光学フィルムの法線から40°傾斜した方向からの入射光に対する値を測定した。
(膜厚測定)
瞬間マルチ測光システム(商品名MCPD-2000;大塚電子社製製)を用いて、複屈折層の膜厚を測定した。
比較例1
2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(6FDA)および2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMB)を用いて、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されるポリイミド(Mw=177,000)を合成した。このポリイミドを、14重量%となるように、MIBKに溶解し、ポリイミド溶液を調製した。このポリイミド溶液を、以下の透明フィルム(厚み約55μm)に直接塗布した後、これを100℃で5分間乾燥し、続いて150℃で20分間乾燥した。これによって、前記ポリイミド層(複屈折層)(厚み5.0μm)を形成した。得られた光学フィルムにおけるポリイミド層は、屈折率1.55、厚み方向の複屈折率(Δnxyz)0.041、透過率92.1%であった。
前記透明フィルムは、以下のように製造した。まず、N-メチルグルタルイミドとメチルメタクリレートとから構成されるグルタルイミド共重合体(N−メチルグルタルイミド含量75重量%、酸含量0.01ミリ当量/g以下、ガラス転移温度147℃)65重量部と、アクリロニトリルとスチレンとから構成される共重合体(アクリロニトリル含有量28重量%、スチレン含有量72重量%)35重量部とを溶融混練し、この樹脂組成物をTダイ溶融押出機に供給して厚み135μmのフィルムを得た。このフィルムを、160℃の条件下、MD方向に1.7倍に延伸し、さらにTD方向に1.8倍に延伸した。得られた二軸延伸された透明フィルムは、厚み55μm、面内位相差(Δnd)1nm、厚み方向位相差(Rth)3nmであった。
Figure 0003735366
(実施例1)
後述のように、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(DCBPDA)および2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMB)を用いて、下記一般式(2)で表される繰り返し単位から構成されるポリイミド(Mw=82,500)を合成した。このポリイミドを使用した以外は、前記比較例1と同様にしてポリイミド層(複屈折層)を直接形成し、光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムにおけるポリイミド層は、屈折率1.57、厚み方向の複屈折率(Δnxyz)0.075、透過率90.4%であった。
Figure 0003735366
前記DCBPDAは、以下に示すようにして合成した。まず、NaOH27.2g(0.68mol)を400mlの水に溶解し、このNaOH水溶液に、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)5.0g(0.17mol)を溶解した。この溶液を100℃に加熱し、溶液中に塩素ガスを注入することによって、注入5分後に白色沈殿が析出した。この溶液に、NaOH水溶液(20.0gのNaOHを50mlの水に溶解)を徐々に加えて、前記白色沈殿を再溶解させた後、さらに塩素ガスを注入することによって、再び沈殿を析出させた。沈殿物が析出しなくなるまで反応させ(約45分)、反応終了後、前記溶液を室温まで冷却してから、析出した沈殿物をろ過した。この沈殿物を30mlの水で洗浄し、乾燥することによって、64.4gのDCBTC-Na(2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸ナトリウム塩)を得た。続いて、乾燥させたDCBTC-Na 60.0gをHCl水溶液(60mlのHClと200mlの水)に懸濁してから、90℃で3時間攪拌し、この反応溶液を室温まで冷却してから、白色の沈殿物をろ過した。これによって、45.0gのDCBPTC(2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸)を得た。DCBPTCを、さらに260〜280℃の減圧下(3〜5mmHg)で乾燥して脱水縮合させ、DCBPDA(2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)を得た。なお、DCBPDAは、トルエンとジオキサンで再結晶することによって精製した。得られたDCBPDAを分析した結果を以下に示す。
1H-NMR (DMSO-d6) : σ8.28(s,2H,aromatic)、σ8.53(s,2H,aromatic)
前記式(2)の繰り返し単位から構成されるポリイミドは、以下のようにして合成した。PFMB(1.7mmol)をm-クレゾールに完全に溶解させた後、DCBPDA(1.7mmol)と適量のm-クレゾール(溶液の濃度が、固形分に対して10wt%になるように)を加え、窒素雰囲気下で3時間攪拌した。そして、前記溶液にイソキノリンを5滴加えてから、約200℃で加熱攪拌した。この際、イミド化反応によって生じる水は、1〜2mlのm-クレゾールと共に蒸留される。その後、前記溶液を室温にまで冷却し、さらにm-クレゾールを加えて、5重量%まで希釈した。この希釈溶液を、激しく攪拌した5倍体積量のメタノールに滴下して、ファイバー状の固体を析出させた。このファイバー状の固体をフィルターろ過で回収することによって、ポリイミドが得られた。このポリイミドを再度純度の高いメタノールに浸漬し、ろ過する操作を2回繰り返すことによって、目的のポリイミドを、m-クレゾール、イソキノリン、低分子量ポリイミドから分離し、最終的にろ過したポリイミドを150℃〜200℃で24時間乾燥することによって、残存溶媒を除去した。得られたポリイミドの収率は、91〜95%であった。
比較例2
前記透明フィルムに代えて、厚み約80μmのTACフィルム(商品名UZ-TAC;富士写真フィルム社製)を使用した以外は、前記比較例1と同様にして光学フィルムを作製した。
実施例2
前記透明フィルムに代えて、厚み約80μmのTACフィルム(商品名UZ-TAC;富士写真フィルム社製)を使用した以外は、前記実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
比較例3
MIBKに代えて酢酸エチルを使用した以外は、前記比較例1と同様にして光学フィルムを作製した。なお、後述するように得られた光学フィルムは外観不良であり、各種光学特性が測定不可能であることから、ガラス板上に前述と同様にしてポリイミド層を形成し、このポリイミド層について光学特性を測定した。
比較例4
MIBKに代えてシクロペンタノンを使用した以外は、前記比較例1と同様にして光学フィルムを作製した。なお、後述するように得られた光学フィルムは外観不良であり、各種光学特性が測定不可能であることから、ガラス板上に前述と同様にしてポリイミド層を形成し、このポリイミド層について光学特性を測定した。
(比較例5)
2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(6FDA)および2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル(DMB)を用いて、下記一般式で表される繰り返し構造単位から構成されるポリイミド(Mw=59,900)を合成した。このポリイミドを比較例1と同様にして溶剤に添加したところ、MIBKには溶解させることができなかった。
Figure 0003735366
そこで、前記ポリイミドを使用し、MIBKに代えてシクロペンタノンに溶解した以外は、前記比較例1と同様にして光学フィルムを作製した。なお、後述するように得られた光学フィルムは外観不良であり、各種光学特性が測定不可能であることから、ガラス板上に前述と同様にしてポリイミド層を形成した。このポリイミド層は、屈折率1.56、厚み方向の複屈折率(Δnxyz)0.028、透過率87.2%であった。
(比較例6)
酸二無水物(2,2'-ビス(4-(3,4-ジカルボキシ)フェニル)プロパン;BisADA)および2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMB)を用いて下記一般式で表される繰り返し単位から構成されるポリイミド(Mw=51,800)を合成した。このポリイミドを比較例1と同様にして溶剤に添加したところ、MIBKには溶解させることができなかった。
Figure 0003735366
そこで、前記ポリイミドを使用し、MIBKに代えてシクロペンタノンに溶解した以外は、前記比較例1と同様にして光学フィルムを作製した。なお、後述するように得られた光学フィルムは外観不良であり、各種光学特性が測定不可能であることから、ガラス板上に前述と同様にしてポリイミド層を形成した。このポリイミド層は、屈折率1.55、厚み方向の複屈折率(Δnxyz)0.022、透過率88.5%であった。
(比較例7)
酸二無水物(3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物; BPDA)およびp-ジア
ミノベンゼン(PDA)を用いて下記一般式で表される繰り返し構造単位から構成されるポ
リアミック酸を合成した。ポリイミドに代えてこのポリアミック酸を前記比較例1と同様にして溶剤に添加したところ、MIBKには溶解させることができなかった。
Figure 0003735366
そこで、前記ポリイミドに代えて前記ポリアミック酸を使用し、MIBKに代えてN-ジメチルアセトアミドに溶解した以外は、前記比較例1と同様にして光学フィルムを作製した。なお、後述するように得られた光学フィルムは外観不良であり、各種光学特性が測定不可能であることから、ガラス板上に前述と同様にしてポリアミック酸層を形成した。このポリアミック酸層は、屈折率1.71、厚み方向の複屈折率(Δn)0.166、透過率85.9%であった。
前記実施例1、2および比較例1〜7の光学フィルムの光学特性を下記表1に示す。また、これらの光学フィルムの外観写真を図4〜図6に示す。図4は、比較例1の光学フィルムの外観を示す写真であり、他の実施例1、2および比較例2も同様の結果である(図示せず)。図5は、比較例3の光学フィルムの外観を示す写真である。図6は、比較例4の光学フィルムの外観を示す写真であり、他の比較例5〜7も同様の結果である(図示せず)。なお、図4〜6において、幅10cmの中央部分がポリイミド溶液を塗布した部位である。さらに、得られた光学フィルムに延伸処理を施し、光学フィルムの厚み方向位相差(Rth)が200nmとなる場合の厚み、ならびに厚み方向位相差(Rth)が400nmとなる場合の厚みを測定した。これらの結果を表1にあわせて示す。なお、厚み方向位相差(Rth)200nmはVAモードの液晶セルを補償するのに好ましい位相差値であり、Rth400nmはOCBモードの液晶セルを補償するのに好ましい位相差値である。
Figure 0003735366
前記図5および図6に示すように、比較例3は、ポリイミド溶液を塗布した部分が白濁し、比較例4〜7は、ポリイミド溶液を塗布した部分の透明フィルムにヒビが入り、しわが発生したため、光学的用途には実用不可能であることがわかった。これに対して、図4に示すように、実施例1,2および比較例1,2の光学フィルムは、白濁やシワの発生が見られず、外観が非常に優れており、このようなフィルムであれば光学的用途においても優れた特性を示すことは明らかであると言える。
特に、比較例3および4は、比較例1と同じポリイミドを使用しているが、実施例1および比較例1とは異なり、溶剤としてMIBKに代えてMIBKより溶解力に優れる酢酸エチルまたはシクロペンタノンを使用したことによって、得られる光学フィルムは図5および図6に示すように外観に問題があった。このことからも溶剤としてMIBKを使用することによって、優れた外観が実現できると言える。また、比較例5および6のポリイミドは、実施例1および比較例1のポリイミドよりも低い厚み方向複屈折率(0.028、0.022)であるが、MIBKに溶解できなかった。このことから、ポリイミドの厚み方向複屈折率が0.003未満と低くても、MIBKに溶解できるわけではないこと、溶剤を変更すると従来と同様の外観上の問題が生じることがわかった。なお、比較例5および6は、基材上に直接複屈折層を形成し場合、外観上に問題があるため、各種光学特性を測定できず、別途、ガラス板上で複屈折層のみを形成した場合でも、厚み方向複屈折率が0.003未満であるため、十分な厚み方向位相差(例えば、Rth200nm、Rth400nm)を得るには、かなりの厚みが必要になり厚型化することがわかった。また、比較例7は、実施例1および比較例1のポリイミドよりも高い厚み方向複屈折率(Δn=0.166)であるが、MIBKには溶解できなかった。このことから、ポリイミドの厚み方向複屈折率が高ければ、MIBKに溶解できるわけではないことがわかる。
(参考例1)
実施例1と同様にして、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(DCBPDA)および2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(PFMB)を用いて、分子量の異なる前記一般式(2)で表される繰り返し単位から構成されるポリイミドを合成した。
そして、得られたポリイミドを用いて、実施例1と同様にしてTACフィルム上にポリイミド層(厚み5μm)を形成し、それぞれの厚み方向複屈折率(Δnxyz)を測定した。その結果、以下に示すように、分子量の増加に伴って厚み方向複屈折率を大きく設定できることがわかる。
ポリイミド分子量 Δnxyz
15,100 0.061
32,200 0.067
67,400 0.070
80,100 0.072
94,200 0.077
131,000 0.084
以上のように、上記式で表される厚み方向の複屈折率(Δnxyz)が0.05〜0.1の範囲であって、かつ、前記メチルイソブチルケトンに溶解する非液晶性ポリマーである前記特定の繰り返し単位を含むポリイミドを含む複屈折材料をMIBKに溶解した溶液を使用すれば、透明フィルムに直接複屈折層を形成した場合であっても、前記複屈折層の着色、透明フィルムのひび割れを回避でき、外観に優れた光学フィルムを得ることができる。このため、本発明の複屈折材料を用いて得られた光学フィルムを各種画像表示装置に実装すれば、優れた表示特性を実現できる。
本発明の光学フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の積層偏光板のその他の一例を示す断面図である。 本発明の液晶パネルの一例を示す断面図である。 比較例における光学フィルムの写真である。 比較例における光学フィルムの写真である。 比較例における光学フィルムの写真である。
符号の説明
1 透明フィルムと複屈折層との積層体
2 偏光子
3 保護層
20、30 光学フィルム
21 液晶セル
40 液晶パネル

Claims (2)

  1. 光学フィルムの複屈折材料であって、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む非液晶性ポリマーであるポリイミドを含む複屈折材料。
    Figure 0003735366
  2. 前記ポリイミドの重量平均分子量が、10,000〜1,000,000の範囲である請求項1記載の複屈折材料。
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