JP3735020B2 - ばね製造機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はばね製造機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のばね製造機として以下の如きものは知られている。即ち、垂直な前壁を有する機枠と、この機枠の前壁前方に形成された線材加工空間と、この線材加工空間に向かって送り出される線材を案内する線材通路を有すると共に前壁に設けられたファイナル線材ガイドと、このファイナル線材ガイドの、線材加工空間と逆側において前壁に回転自在に設けられた、線材を挟圧しつつ送り出す少なくとも一対の線材送りローラーと、前記前壁に線材加工空間に対して進退自在に設けられ、且つ、曲げダイスが取り付けられた曲げダイス用スライドと、前記前壁に線材加工空間に対して進退自在に設けられ、且つ、切断ツールが取り付けられた切断ツール用スライドと、前記前壁に線材加工空間に対して進退自在に設けられ、且つ、成形ツールが取り付けられた少なくとも1つの成形ツール用スライドとを有するものは知られている。
【0003】
【ばね製造機の作用】
以下にばね製造機の基本的作用について説明しておく。
線材送りローラーに挟圧された状態にある線材(被加工材)は、線材送りローラーが回転することによってファイナル線材ガイドを経て線材加工空間に送り出される。そして、その線材加工空間に送り出された又は送り出されている線材に、線材加工空間に突出する、又は突出した状態の曲げダイスを含む各種ツールによって、所定の加工が施されて、ばね(一般的には、前フック等の前足・それに続くコイル部[ばねボディー]・それに続く後フック等の後足を有するばね)が形成されるものである。
コイル部は、曲げダイスに向かって連続的に送り出された線材が曲げダイスに当って湾曲され続けることによって形成される。
前足及び後足の曲線部は、曲げダイス・成形ツールに向かって送り出された線材が曲げダイス・成形ツールに当って湾曲されることによって形成され、前足及び後足の直線部は、全てのツールが線材に当たらないようにした状態で線材が線材加工空間に送り出されると形成され、前足及び後足の折曲部は、線材加工空間に送り出されて停止した線材を1本又は2本の成形ツールによって折曲することによって形成される。
線材の切断は、停止した線材を切断ツールによって切断することによって行なわれる。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、機枠の前壁の開口に臨むツールが、前後・左右・上下の3次元の運動を自由に行なえるようにして、加工可能な形状のばねを増やすことが出来るばね製造機を提供することを目的とするものである。
【0005】
【前記目的を達成するための手段】
本発明は前記目的を達成するために以下の如き手段を採用した。
▲1▼請求項1の発明は、機枠の前壁の、線材加工空間に対向する部分に前後方向に貫通する開口が形成され、この開口に臨むようにしてツール取付部材が位置させられ、このツール取付部材が、前後作動装置、左右作動装置及び上下作動装置により前後・左右・上下に位置変更自在となされているものである。
▲2▼請求項2の発明は、前記ツール取付部材に少なくとも2個のツールが取り付けられるようになされている請求項1記載のものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明は前記した如き構成によって以下の如き効果を奏する。
▲1▼請求項1の発明によれば、機枠の前壁の開口に臨むツールに、前後・左右・上下の3次元の運動を別個・独立にさせることが出来るので、ばね製造機のばね加工性能を向上させて加工可能な形状のばねを増やすことが出来る。
▲2▼請求項2の発明によれば、ツール取付部材に少なくとも2個のツールが設けられているので、2個以上のツールをケースバイケースで使い分けてばね製造機のばね加工性能を向上させることが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
なお、この説明において、前とは図1左側を、後とは同図右側をいい、左とは図1紙面裏側を、右とは同表側をいう。
【0008】
ばね製造機1は、垂直な前壁3とこの前壁3との間に所定間隔をあけて位置する垂直な後壁4とを有する機枠2と、この機枠2の前壁3の前方に形成された線材加工空間5と、この線材加工空間5に向かって送り出される線材が通過する線材通路(図示略)を有すると共に前壁3に着脱自在に設けられたファイナル線材ガイド6と、このファイナル線材ガイド6の下方において前壁3に回転自在に設けられた、線材を挟圧しつつ送り出す少なくとも一対の線材送りローラー(図示略)と、前記線材加工空間5の上方において前壁3に設けられた、曲げダイス(図示略)が取り付けられた曲げダイス作動装置(図示略)と、前壁3に線材加工空間5に対して進退自在に設けられ、且つ、切断ツール(図示略)が取り付けられた切断ツール用スライド(図示略)と、前壁3に線材加工空間5に対して進退自在に設けられ、且つ、成形ツール(図示略)が取り付けられた少なくとも1つの成形ツール用スライド(図示略)とを有している。
【0009】
前記曲げダイス作動装置(図示略)は、機枠2の前壁3に線材加工空間5に対して進退自在に設けられたスライドと、このスライドに軸心を前後方向に向けた枢軸を介して前壁3と平行な方向に揺動自在で且つ前後動自在に設けられた曲げダイス取付用揺動片とを有しており、スライドの摺動、曲げダイス取付用揺動片の揺動及び曲げダイス取付用揺動片の前後動が別個・独立に行なわれるようになされている。
【0010】
前記機枠2の前壁3の、線材加工空間5に対向する部分に前後方向に貫通する開口8が形成され、この開口8に臨むようにしてツール取付部材9が位置させられ、このツール取付部材9が以下に詳述するようにして、前後・左右・上下に位置変更自在となされている。
【0011】
前記開口8の下縁よりやや下に位置するようにして軸心を前後方向に向けた左右一対のガイドロッド11が前壁3と後壁4とに渡し止められている。これらガイドロッド11に前後動台12が前後動自在に設けられている。前記前後動台12は公知の駆動装置14によって前後動させられるようになされている。前記駆動装置14は、前後動台12に設けられた軸心を前後方向に向けた雌ねじ部材15と、この雌ねじ部材15にねじ嵌められたボールねじ16と、このボールねじ16を回転させる、後壁4に設けられた正逆回転自在なモーター17とを有している。
【0012】
前記前後動台12に軸心を左右方向に向けたガイドロッド20が設けられ、このガイドロッド20に、揺動片21が、ガイドロッド20に沿って左右動するようにして上下揺動自在に設けられている。この揺動片21の前端にツール取付部材9が取り付けられ、このツール取付部材9に少なくとも1つ、この実施の形態では3つのツール22が着脱自在に設けられている。前記のごとき構成により、前後動台12を前後動させることによりツール取付部材9を前後動させることが出来る。この説明から明らかなごとく、揺動片21及び揺動片21の前後動に関与する部材・機器により請求項1でいう前後作動装置が構成されている。
【0013】
前記揺動片21は以下のごとき駆動装置24によって左右動させられるようになされている。前記駆動装置24は、前後動台12に軸心を上下方向に向けた枢軸25により水平揺動自在に設けられたベルクランク26を有している。このベルクランク26の長手方向を前後方向に向けた第1アーム27の自由端には、平面形状矩形の摺動片28が水平回転自在に設けられ、この摺動片28が揺動片21の下部に形成された下方に開放した溝29に嵌められている。前記摺動片28は溝29に左右方向の遊びなく且つ前後動はし得るように嵌められている。このような構成により、第1アーム27を水平揺動させることにより揺動片21がガイドロッド20に沿って左右動するようになされている。
【0014】
前記ベルクランク26の長手方向を左右方向に向けた第2アーム32の自由端には、平面形状矩形の摺動片33が水平回転自在に設けられ、この摺動片33が前後動雌ねじ体34の下部に形成された下方に開放した溝35に嵌められている。前記摺動片33は、溝35に前後方向の遊びなく且つ左右動はし得るように嵌められている。
【0015】
前記前後動雌ねじ体34は、前後動台12に設けられたガイド体36に沿って前後動するようになされている。また、前後動雌ねじ体34には、軸心を前後方向に向けたボールねじ38が螺合され、このボールねじ38は前後動台12に設けられた正逆回転自在なモーター39によって回転させられるようになされている。
【0016】
前記のごとき構成により、前後動雌ねじ体34を前後動させることにより、ベルクランク26を水平に揺動させ、究極的にツール取付部材9を左右動させることが出来る。この説明から明らかなごとく、揺動片21及び揺動片21の左右動に関与する部材・機器により請求項1でいう左右作動装置が構成されている。
【0017】
前記揺動片21の後部には左右方向に貫通した側面形状矩形の貫通孔41が形成され、この貫通孔41に摺動片42が上下方向に遊びがないようにして前後動自在に嵌められ、この摺動片42に左右方向に貫通するようにして形成された円孔43に円柱状カム44が回転自在に嵌められ、この円柱状カム44の回転軸45(軸心に対して中心が偏心するようにして円柱状カム44が設けられた回転軸45)が前後動台12に回転自在に設けられている。この回転軸45は、前後動台12に設けられた正逆回転自在なモーター46によって回転させられるようになされている。
このような構成により、円柱状カム44を回転させることにより揺動片21を上下に揺動させ、究極的にツール取付部材9を上下に揺動させることが出来る。なお、ツール取付部材9はガイドロッド20を中心に上下に揺動するものであるから、ツール取付部材9の上下揺動に連動させて前後動台12を前後動させることにより完全な直線上下運動とすることも可能であるが、ツール取付部材9の上下揺動範囲が小さい場合、ツール取付部材9の上下揺動運動を直線上下運動とみなしても問題はない。この説明から明らかなごとく、揺動片21及び揺動片21の上下動に関与する部材・機器により請求項1でいう上下作動装置が構成されている。
【0018】
【変形例等】
以下に変形例等について説明を加える。
前後作動装置、上下作動装置及び左右作動装置の構造は任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部破砕の要部縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
1 ばね製造機
2 機枠
3 前壁
8 開口
9 ツール取付部材
Claims (2)
- 機枠の前壁の、線材加工空間に対向する部分に前後方向に貫通する開口が形成され、この開口に臨むようにしてツール取付部材が位置させられ、このツール取付部材が、前後作動装置、左右作動装置及び上下作動装置により前後・左右・上下に位置変更自在となされているばね製造機。
- 前記ツール取付部材に少なくとも2個のツールが取り付けられるようになされている請求項1記載のばね製造機。
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JP2000244630A JP3735020B2 (ja) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | ばね製造機 |
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JP2002059233A (ja) | 2002-02-26 |
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