JP3733549B2 - 光ファイバ調芯固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はレーザダイオードやフォトダイオードあるいは光変調素子などの光素子と光ファイバとの接続において、それらを調芯固定する光ファイバ調芯固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザダイオードやフォトダイオードなどの光素子と光ファイバとの接続は、一般にそれら光素子と光ファイバとをそれぞれ光素子保持体と光ファイバ保持体とに保持させ、それら両保持体を調芯して両保持体の接合面を例えばレーザ溶接により互いに接合固定することによって行われている。
【0003】
図4A,Bは上記のようにして接続される光素子保持体11に保持された光素子ユニット12と光ファイバ保持体13に保持された光ファイバ14の一例を示したものであり、これらが調芯固定された状態を図4Cに示す。
光素子保持体11は円筒状とされ、その軸心には貫通孔15が形成されている。光素子12aを搭載した光素子ユニット12は端子12bが植設された円板状のベース12cに、光素子12aを覆うようにキャップ12dが取り付けられた構造とされ、キャップ12dの天板の光素子12aと対向する中央部には光窓12eが形成されている。
【0004】
光素子ユニット12はその光軸が光素子保持体11の軸心とほぼ一致されて、キャップ12dが貫通孔15の径大とされた収容部15aに収容され、ベース12cが貫通孔15の一端のさらに径大とされた固定部15bに例えば接着固定されることによって、光素子保持体11に保持される。
光素子保持体11の、光素子ユニット12が取り付けられた端面と反対側の端面は接合面11aとされ、この接合面11aにおける貫通孔15の開口部は光素子ユニット12の光軸が通過する光窓11bとされる。なお、貫通孔15内には集光用のレンズ16が取り付けられている。
【0005】
一方、光ファイバ14を保持する光ファイバ保持体13は円筒部13bと、これより外径が大とされた大径円筒部13cと、さらに大径とされた円板部13dとが軸心を一致されて一体に形成されており、その軸心には貫通孔17が形成されている。光ファイバ14はこの貫通孔17に挿通され、その端面14aが円板部13dの端面、即ち光素子保持体11の接合面11aと接合される接合面13aと一致されて保持される。
【0006】
図5は上記のような構成とされた光素子保持体11と光ファイバ保持体13とを調芯固定するために従来使用されている光ファイバ調芯固定装置の構成を示したものであり、図6はその要部詳細を示したものである。なお、図6は光素子保持体11と光ファイバ保持体13が取り付けられ、調芯固定された状態を示している。
【0007】
円板状の上板21は鋼球22とその中心と軸心が一致されて一体化された丸棒状の鋼棒23とよりなるリンクボール24によって支持されている。上板21の下面中央部には円柱部25が突設されており、その端面には円錐状の凹部25aが形成され、周面にはねじ(図示せず)が形成されている。このねじと螺合する袋ナット26はその内面に円柱部25の凹部25aと対向する円錐状の凹部26aを有するものとされる。
【0008】
リンクボール24はその鋼棒23が袋ナット26の貫通孔26bに挿通され、かつ袋ナット26を円柱部25に螺合させることにより、その鋼球22が両凹部25a,26aの円錐面によって挟持される。鋼棒23は底板27上に立設され、上板21は鋼球22を支点として底板27に固定されたリンクボール24に支持され、鋼球22の中心を通る上板21の板面と垂直な軸心に対し、任意の方向に傾斜可能とされる。
【0009】
上板21の周縁部の互いに90°をなす位置には第1傾斜調整機構28及び第2傾斜調整機構29がそれぞれ取り付けられている。これら傾斜調整機構28,29は同様の構成とされて底板27上に設置されており、上板21のX軸方向の周縁部に取り付けられている第1傾斜調整機構28について図6を参照して構成を説明する。
【0010】
底板27上にZ軸方向に移動可能とされたZ軸ステージ31が設置される。Z軸ステージ31はモータ31aの駆動により移動される構造とされ、このZ軸ステージ31に支持体32が取り付けられている。支持体32の先端には円柱部33が軸心がZ軸方向とされて上板21側に突設されており、この円柱部33と軸心が一致されて対向する円柱部34が上板21の周縁部に突設されている。
【0011】
これら円柱部33,34の互いに対向する端面にはそれぞれ円錐状の凹部33a,34aが形成されており、かつ周面にそれぞれねじ(図示せず)が形成されている。これらねじと螺合する袋ナット35は前述の袋ナット26と同様、その内面に円錐状の凹部35aを有するものとされる。
円柱部33,34間にダブルリンクボール36が配される。ダブルリンクボール36は丸棒状の鋼棒37の両端にそれぞれ鋼球38が取り付けられたものであり、ダブルリンクボール36による両円柱部33,34の連結は、ダブルリンクボール36に係合させた2個の袋ナット35をそれぞれ円柱部33,34に螺合させることによって行われ、両鋼球38は凹部34a,35aの両円錐面及び凹部33a,35aの両円錐面によって挟持され、鋼棒37はその軸心が両円柱部33,34の軸心と一致される。
【0012】
第1傾斜調整機構28のZ軸ステージ31を移動させることによって、リンクボール24の鋼球22の中心を通る上板21の板面と垂直な軸心Zoと交差する鋼球22の中心を通るY軸と平行な線Yoを中心として、上板21の軸心Zoに対する傾斜角を微調整することができる。
一方、第2傾斜調整機構29のZ軸ステージ31を移動させることによって、軸心Zo及び線Yoと直交する線Xoを中心として、上板21の傾斜角を微調整することができる。
【0013】
上板21上には荷重センサ39を介して円錐台状のチャック41が、その軸心が軸心Zoとほぼ一致されて取り付けられる。チャック41の先端面の中央部には凹部41aが形成されており、この凹部41aに、光素子保持体11が着脱自在に取り付けられる。なお、チャック41には光素子ユニット12の端子12bと接続されるケーブルを導出するための、凹部41aと連通する切溝(図示せず)が形成されている。
【0014】
底板27はX軸ステージ42及びY軸ステージ43を介して基台44上に設置されている。X軸ステージ42及びY軸ステージ43はそれぞれモータ42a,43aの駆動により移動される。
基台44上に支持台45が設置され、この支持台45にモータ46aの駆動により移動するZ軸ステージ46が取り付けられる。Z軸ステージ46には取り付け板47を介して円錐台状のチャック48が、その軸心がZ軸方向とされ、かつその先端面がチャック41の先端面と対向するように取り付けられている。チャック48の先端面には凹部48aが形成されており、この凹部48aに光ファイバ保持体13が着脱自在に取り付けられる。チャック48はモータ49の駆動によりZ軸回りに回転する構造となっている。なお、チャック48には光ファイバ14の端部を導出するための切溝(図示せず)が形成されている。
【0015】
基台44上に設置されている光パワーメータ51は光素子ユニット12及び光ファイバ14の一方から他方へ光を通過させた状態において、受光側の光パワーを測定するものであり、測定に際しては光パワーメータ51のケーブル(図示せず)が光素子ユニット12あるいは光ファイバ14に適宜接続される。
基台44上には、さらに支柱52及び取り付け棒53を介してレーザ出射ヘッド54が配設されている。レーザ出射ヘッド54はレーザ光用ファイバ(図示せず)を介してレーザ光出力装置55と接続されている。
【0016】
モータ31a,42a,43a,46a,49及びレーザ光出力装置55は制御部56のI/Oインターフェース57に接続されており、制御部56のCPU58がメモリ59のROMに格納されているプログラムを解読実行することにより、これらモータ31a,42a,43a,46a,49及びレーザ光出力装置55が駆動制御される。また、荷重センサ39の出力ケーブル及び光パワーメータ51の出力ケーブルもI/Oインターフェース57に接続されており、制御部56は荷重センサ39の検出荷重及び光パワーメータ51の検出光パワー値を認識することができる。
【0017】
上記のような構成を有する光ファイバ調芯固定装置を使用しての調芯固定作業は以下のような手順で行われる。
(1)チャック41の凹部41aに光素子保持体11を取り付け、チャック48の凹部48aに光ファイバ保持体13の円筒部13bを挿入して取り付ける。さらに、光素子ユニット12及び光ファイバ14に光パワーを測定するために必要な配線を適宜施す。
【0018】
(2)光パワーメータ51を作動させ、光パワーを測定しながらX軸ステージ42及びY軸ステージ43を移動させて、光パワーの最大値を探索することにより光素子保持体11と光ファイバ保持体13の光軸を一致させる。そして、Z軸ステージ46を移動させて光ファイバ保持体13を光素子保持体11に近づける。この際、例えばZ軸ステージ46を所定のピッチで順次移動させ、その移動毎にXY平面で光パワーの最大値を探索して、光素子保持体11の光軸と光ファイバ保持体13の光軸とを常に一致させながら近づけてゆく。この作業は制御部56を使用して自動的に行われ、この際、荷重センサ39の検出荷重fを制御部56によって監視し、両保持体11,13の接合面11a,13aが互いに接触する(f>0)まで行う。
【0019】
(3)光ファイバ保持体13を光素子保持体11に対して遠ざける方向(以下、−Z方向とし、逆を+Z方向とする。)に所定量移動させ、両接合面11a,13aの接触状態を解除させる。
(4)第1傾斜調整機構28によって光素子保持体11の接合面11aを線Yoを中心として傾斜させる。この時の傾斜方向を正方向とする。傾斜は荷重センサ39の検出荷重fを監視しながら進行させ、接合面11aが接合面13aに接触し、f>0となったところで傾斜動作を停止して、この時のZ軸ステージ31のステージアドレスをα1 として制御部56に記憶させる。
【0020】
(5)手順(3)を実行し、その後接合面11aを線Yoを中心として逆方向に傾斜させ、手順(4)と同様にして傾斜を進行させ、検出荷重fがf>0となったところで傾斜動作を停止し、この時のZ軸ステージ31のステージアドレスをα2 として制御部56に記憶させる。
(6)ステージアドレスα1 とα2 とから次式によりαを求め、
α=(α1 +α2 )/2
求めたステージアドレスαにZ軸ステージ31を移動させる。
【0021】
(7)第2傾斜調整機構29によって光素子保持体11の接合面11aを線Xoを中心として傾斜させ、手順(4)〜(6)までの作業と同様の作業を行う。(8)手順(4)〜(7)までの作業を繰り返し実行し、実行前の第1,第2傾斜調整機構28,29の各Z軸ステージ31のステージアドレスと演算して求められたステージアドレスとがそれぞれ一致した時点で、この傾斜角調整作業を終了し、両Z軸ステージ31をその状態に固定する。これにより、光素子保持体11の接合面11aは光ファイバ保持体13の接合面13aと平行状態に固定される。
【0022】
(9)荷重センサ39の検出荷重fを監視しながら、光ファイバ保持体13を+Z方向に移動させ、f>0となった時点で移動を停止させ、その時のZ軸ステージ46のステージアドレスから両接合面11a,13aが所定の間隔(例えば1〜2μm 程度)を有するステージアドレスを算出して制御部56のメモリ59に記憶させる。
【0023】
(10)光ファイバ保持体13を手順(3)のZ軸位置に再度移動させた後、手順(9)で記憶したステージアドレスまで、即ち両接合面11a,13aが所定の間隔となるまで光ファイバ保持体13を光素子保持体11に近づけながら自動調芯を行う。
(11)光ファイバ保持体13を+Z方向に移動させ、荷重センサ39の検出荷重fが所定の値Fになった時点で移動を停止させる。これにより、光素子保持体11と光ファイバ保持体13とは調芯され、かつ接合面11a,13aが互いに圧接されて密着される。
【0024】
(12)レーザ光出力装置55を制御し、レーザ出射ヘッド54により密着された両接合面11a,13aの端縁にレーザ光を照射してレーザ溶接する。この例では3台のレーザ出射ヘッド54が設置されており、これらレーザ出射ヘッド54により周上の3点がレーザ溶接されて光素子保持体11と光ファイバ保持体13とがまず仮固定される。
【0025】
(13)手動にてチャック41を開放し、さらに光素子ユニット12への配線を取り外して、仮固定された光素子保持体11と光ファイバ保持体13とがチャック48のみによって保持された状態とする。
(14)モータ49を駆動し、チャック48をZ軸回りに回転させると同時に、レーザ出射ヘッド54からレーザ光が連続照射されるようレーザ光出力装置55を制御部56により制御する。これにより、両接合面11a,13aの周縁が全周レーザ溶接され、調芯固定作業が完了する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の光ファイバ調芯固定装置においては調芯固定作業をより作業性良く行うことができ、かつより高い光素子12aと光ファイバ14との結合光量効率が得られるような装置が要望される。
しかるに、図5及び6に示した従来の光ファイバ調芯固定装置においては、制御部56のメモリ59に所定のプログラムを格納し、それをCPU58に実行させることにより、大部分の作業は自動的に行わせることができるものの、光素子保持体11の接合面11aと光ファイバ保持体13の接合面13aとの全周レーザ溶接を行うためには光素子保持体11を挟持するチャック41を手動にて開放しなければならず、この点で調芯固定作業を一環して自動で行うことができないものとなっていた。
【0027】
また、チャック41を開放した状態で全周レーザ溶接を行うため、溶接点でのレーザ光による溶融凝固作用により、両接合面11a,13aの位置がずれ、即ち光軸のずれが発生するといった問題があり、光素子12aと光ファイバ14との結合光量効率の低下を招いていた。
さらに、レーザ出射ヘッド54は、そのレーザ光の焦点が両接合面11a,13aが密着した時の接合面端縁に結ばれるように設置固定されているが、第1傾斜調整機構28及び第2傾斜調整機構29を使用して両接合面11a,13aを合わせた後のそれら接合面11a,13aが軸芯Zoに対して傾いている場合、レーザ光の照射位置と両接合面11a,13aの端縁との位置ずれ及び焦点ずれが発生するため、これが原因でレーザ溶接不良が生じ、その結果両接合面11a,13aがずれ、光軸ずれが発生するといった問題があり、この点でも光素子12aと光ファイバ14との結合光量効率の低下を招いていた。
【0028】
この発明の目的はこれら従来の欠点を解消し、光素子保持体と光ファイバ保持体との調芯固定作業を一環して自動的に行うことができ、かつ光素子と光ファイバとの良好な結合光量効率が得られる光ファイバ調芯固定装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、上板がその板面と垂直な軸心に対し、任意の方向に傾斜可能に保持され、その上板上にチャックが取り付けられ、そのチャックに光素子を保持した光素子保持体が着脱自在に取り付けられ、光素子の光軸は上記軸心とほぼ平行にその軸心上に位置されて、その光軸が通過する光窓を持つ接合面が光素子保持体に形成されており、上板の傾斜角を調整して光素子保持体の接合面を光ファイバを保持した光ファイバ保持体の接合面と平行とし、かつ光素子保持体と光ファイバ保持体とを調芯して、光素子保持体の接合面と光ファイバ保持体の接合面とをレーザ溶接固定する光ファイバ調芯固定装置において、
上記上板と係合されたステージをそれぞれ具備し、それらステージの移動によって上板の傾斜角の調整を行う一対の傾斜調整機構と、レーザ溶接を行うためのレーザ光を出射するレーザ出射ヘッドを、その出射軸を常に上記軸心に向けて上記軸心の回りに回転移動させる回転移動手段と、レーザ出射ヘッドを上記軸心と直交する方向に移動させるR軸ステージと、レーザ出射ヘッドを上記軸心と平行方向に移動させるZ軸ステージと、メモリを備えた制御部とが設けられ、
上記回転移動手段は回転板とその回転板を回転させるモータとを備え、その回転板上に上記レーザ出射ヘッドが上記R軸ステージ及びZ軸ステージを介して搭載され、光ファイバ保持体は上記回転板をまたぐように設けられた支持体によって光素子保持体上に位置するようにされており、
上記メモリには上記一対の傾斜調整機構のステージアドレスの組み合わせに対する上記モータのアドレス毎の最適なレーザ照射位置が得られる上記R軸ステージ及びZ軸ステージのステージアドレスがデータテーブルとして記憶され、
上記制御部は上記上板の傾斜角を調整した際の上記一対の傾斜調整機構のステージアドレスと上記モータのアドレスとより、上記データテーブルを検索して上記R軸ステージ及びZ軸ステージを最適なレーザ照射位置に移動させる構成とされる。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して実施例により説明する。なお、図5及び6と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図1はこの発明の一実施例を示したものであり、図2はその要部詳細を示したものである。図2においては光素子保持体11と光ファイバ保持体13とが取り付けられ、調芯固定された状態を示している。
【0031】
この例では基台44上に軸芯Zoの回りに回転するモータ61が設置される。モータ61は外形円柱状とされた軸心台(ステータ)61aが基台44上に設置固定され、この軸心台61aの外側に位置する円筒状のロータ61bが軸心台61aを軸として回転する構造とされている。ロータ61bの上端にはドーナツ板状の回転板62が、その中心が軸心Zoと一致され、かつその板面がXY平面と平行とされて取り付けられており、回転板62はロータ61bの回転と共に回転する。
【0032】
軸心台61aは、その上端側が回転板62の中心孔62aを挿通して回転板62上に突出されており、この軸心台61a上に回転板62より小径の円形の基板63が取り付けられ、この例ではこの基板63上に、従来と同様にリンクボール24及び第1,第2傾斜調整機構28,29が設置された底板27がX軸ステージ42及びY軸ステージ43を介して設置される。
【0033】
一方、回転板62の、基板63より外側に位置する板面上には回転板62の径方向、つまり軸心Zoと直交する方向に移動するR軸ステージ64が設置される。R軸ステージ64はこの例では周上、120°間隔で3台設置されている。
各R軸ステージ64にはZ軸方向に伸長する支柱65が取り付けられており、この支柱65の上端に軸心Zoと平行方向に移動するZ軸ステージ66がそれぞれ取り付けられている。なお、これらR軸ステージ64及びZ軸ステージ66はそれぞれモータ64a,66aの駆動により高精度に移動される構造とされている。
【0034】
レーザ出射ヘッド54は取り付け棒53を介してZ軸ステージ66に取り付けられており、即ちこの例では120°間隔で配置された3台のレーザ出射ヘッド54を有するものとなっている。各レーザ出射ヘッド54はレーザ光の焦点が光素子保持体11の接合面11aと光ファイバ保持体13の接合面13aとが密着された時の接合面端縁で結ばれるよう位置されており、さらにその出射軸(レーザ光軸)がXY平面から仰ぎ角45°程度の角度をなし、かつ軸心Zoと交差するように位置されている。
【0035】
光ファイバ保持体13を挟持するチャック48は取り付け板47を介してZ軸ステージ46に取り付けられており、このZ軸ステージ46はこの例では図1に示したように回転板62をまたぐように基台44上に立設配置された支持体67に取り付けられている。
上記のような構成を具備することにより、この例ではモータ61を回転させることによってレーザ出射ヘッド54を、その出射軸を常に軸心Zoに向けた状態で軸心Zoの回りに回転移動させることができるものとなっており、またR軸ステージ64及びZ軸ステージ66をそれぞれ移動させることによってレーザ出射ヘッド54を軸心Zoと直交する方向及び軸心Zoと平行な方向にそれぞれ移動させることができるものとなっている。
【0036】
各R軸ステージ64及びZ軸ステージ66のモータ64a,66a及び基台44上に設置されたモータ61は他のモータと同様、制御部56のI/Oインターフェース57に接続されており、制御部56によって駆動制御されるものとなっている。
次に、この図1及び2に示した光ファイバ調芯固定装置を用いた光素子保持体11と光ファイバ保持体13との調芯固定作業を図3に示した動作フローチャートを参照して説明する。
【0037】
まず最初に、光素子保持体11と光ファイバ保持体13とが従来と同様にしてそれぞれチャック41及びチャック48に取り付けられる。フローチャートにおけるステップS1 〜S7 は前述した従来の手順(2)〜(11)と対応するもの(同一のもの)であり、これらステップS1 〜S7 については簡単に説明する。
まず始めに、光素子保持体11と光ファイバ保持体13との光軸を一致させるために、X軸、Y軸、Z軸の各ステージ42,43,46を使用して3次元調芯を行う(ステップS1 )。
【0038】
次に、第1,第2傾斜調整機構28,29を使用して両保持体11,13の接合面11a,13aを平行にする作業を行う(ステップS2 )。
次に、Z軸ステージ46を+Z方向に両接合面11a,13aが接触するまで移動させて、両接合面11a,13aが接触するステージアドレスを取得し、そのステージアドレスから両接合面11a,13aが所定の間隔(例えば1〜2μm 程度)を有するステージアドレスを算出して制御部56のメモリ59に記憶する(ステップS3 )。
【0039】
次に、両接合面11a,13aの接触状態を解除させるために、Z軸ステージ46を−Z方向に所定量移動させ、その後Z軸ステージ46を+Z方向に上記記憶したステージアドレスまで移動させながら3次元調芯を行う(ステップS4 )。
次に、光ファイバ保持体13を+Z方向に移動させ(ステップS5 )、荷重センサ39の検出荷重fを判断して(ステップS6 )、検出荷重fが所定の値Fになったところで移動を停止する(ステップS7 )。これにより、光素子保持体11と光ファイバ保持体13とは調芯され、かつ接合面11a,13aが互いに密着された状態となる。
【0040】
次に、レーザ照射位置を補正するために、R軸ステージ64とZ軸ステージ66とを調整する(ステップS8 )。
この調整は例えば次のようにして行われる。
▲1▼ 第1傾斜調整機構28及び第2傾斜調整機構29のそれぞれのZ軸ステージ31のステージアドレスの組み合わせに対するモータ61のアドレス毎の、つまり回転板62の回転位置毎の最適なレーザ照射位置が得られるR軸ステージ64のステージアドレスとZ軸ステージ66のステージアドレスとをデータテーブルとして予め制御部56のメモリ59に記憶させておく。
【0041】
▲2▼ ステップS2 実行後の第1傾斜調整機構28及び第2傾斜調整機構29のそれぞれのZ軸ステージ31のステージアドレスと、その時のモータ61のアドレスより、メモリ59のデータテーブルから最適なレーザ照射位置となるR軸ステージ64のステージアドレスとZ軸ステージ66のステージアドレスとを検索し、そのステージアドレスにR軸ステージ64とZ軸ステージ66とを移動させる。これにより、レーザ照射位置の補正が完了する。
【0042】
なお、この例のようにレーザ出射ヘッド54を3台使用する場合は、それぞれのレーザ出射ヘッド54毎に、上述したデータテーブルを予め用意しておき、それぞれ最適なレーザ照射位置を検索して移動させる。
次に、制御部56によりレーザ光出力装置55を制御してレーザ光を出力させ、両接合面11a,13aをレーザ溶接する。この例では3台のレーザ出射ヘッド54により周上の3点がレーザ溶接されて仮固定される(ステップS9 )。
【0043】
次に、モータ61を駆動し、レーザ出射ヘッド54を軸心Zo回りに回転させながら、レーザ出射ヘッド54からレーザ光を連続出力させるようレーザ光出力装置55を制御部56により制御することで、両接合面11a,13aを連続溶接する(ステップS10)。この際、モータ61のアドレスを逐次取得し、その都度上記ステップS8 と同様にしてレーザ照射位置を補正する(ステップS11)。
【0044】
この例では3台のレーザ出射ヘッド54を使用するものとなっているため、モータ61を120°回転させることで両接合面11a,13aの全周レーザ溶接が完了し(ステップS12)、モータ61の回転が停止される(ステップS13)。なお、モータ61の回転速度は例えば10°〜30°/sec 程度とされる。
以上の手順により調芯固定作業が完了する。なお、これらステップS1 からステップS13にいたる作業は、制御部56のメモリ59に所定のプログラムを格納し、それをCPU58に実行させることにより、全て自動的に行われる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば基台44上に設置したモータ61を回転させることにより、レーザ出射ヘッド54をその出射軸を常に軸心Zoに向けたまま、軸心Zoの回りに回転させることができるため、光素子保持体11と光ファイバ保持体13とをそれぞれチャック41,48によって挟持した状態で接合面11a,13aを全周レーザ溶接することができる。
【0046】
従って、従来手動にて行っていたチャック41を開放する作業は不要となり、一環した調芯固定作業の自動化を図ることができ、作業性を大幅に改善することができる。さらに、溶接点での溶融凝固作用に起因する光軸ずれの発生を防止することができる。
また、R軸ステージ64及びZ軸ステージ66によって、レーザ出射ヘッド54の位置を調整することにより、レーザ照射位置を補正することができるため、例えば両接合面11a,13aを合わせた後のそれら接合面11a,13aが軸心Zoに対して傾いている場合でも、レーザ照射位置のずれや焦点ずれのない良好な溶接を行うことができる。よって、溶接不良に起因する光軸ずれの発生を防止することができ、これらの点から極めて良好な結合光量効率が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】図1の光ファイバ調芯固定装置を用いた調芯固定作業のフローチャート。
【図4】Aは光素子保持体の一例を示す断面図、Bは光ファイバ保持体の一例を示す断面図,CはAとBが調芯固定された状態を示す断面図。
【図5】従来の光ファイバ調芯固定装置を示す斜視図。
【図6】図5の要部拡大断面図。
Claims (1)
- 上板がその板面と垂直な軸心に対し、任意の方向に傾斜可能に保持され、その上板上にチャックが取り付けられ、そのチャックに光素子を保持した光素子保持体が着脱自在に取り付けられ、上記光素子の光軸は上記軸心とほぼ平行にその軸心上に位置されて、その光軸が通過する光窓を持つ接合面が上記光素子保持体に形成されており、上記上板の傾斜角を調整して上記光素子保持体の接合面を光ファイバを保持した光ファイバ保持体の接合面と平行とし、かつ上記光素子保持体と光ファイバ保持体とを調芯して、上記光素子保持体の接合面と上記光ファイバ保持体の接合面とをレーザ溶接固定する光ファイバ調芯固定装置において、
上記上板と係合されたステージをそれぞれ具備し、それらステージの移動によって上記上板の傾斜角の調整を行う一対の傾斜調整機構と、
上記レーザ溶接を行うためのレーザ光を出射するレーザ出射ヘッドを、その出射軸を常に上記軸心に向けて上記軸心の回りに回転移動させる回転移動手段と、
上記レーザ出射ヘッドを上記軸心と直交する方向に移動させるR軸ステージと、
上記レーザ出射ヘッドを上記軸心と平行方向に移動させるZ軸ステージと、
メモリを備えた制御部とが設けられ、
上記回転移動手段は回転板とその回転板を回転させるモータとを備え、その回転板上に上記レーザ出射ヘッドが上記R軸ステージ及びZ軸ステージを介して搭載され、
上記光ファイバ保持体は上記回転板をまたぐように設けられた支持体によって上記光素子保持体上に位置するようにされており、
上記メモリには上記一対の傾斜調整機構のステージアドレスの組み合わせに対する上記モータのアドレス毎の最適なレーザ照射位置が得られる上記R軸ステージ及びZ軸ステージのステージアドレスがデータテーブルとして記憶され、
上記制御部は上記上板の傾斜角を調整した際の上記一対の傾斜調整機構のステージアドレスと上記モータのアドレスとより、上記データテーブルを検索して上記R軸ステージ及びZ軸ステージを最適なレーザ照射位置に移動させる構成とされていることを特徴とする光ファイバ調芯固定装置。
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