JP3733205B2 - 積層セラミックコンデンサの試験方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの試験方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサの試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサに使用される誘電体磁器は、BaTiO3 を主成分とし、これにMg、Mn、Ho等の化合物を添加した誘電体原料を成型、焼成して、高い誘電率と良好な温度特性を確保している。
【0003】
積層セラミックコンデンサを製造するには、前記誘電体原料を有機バインダとともに混練してスラリー化して、長尺なシート状に加工し、該シート上に導体を形成した後、所定の大きさに切断し、これを積層して圧着し、個々のチップサイズに分割し、さらに焼成してチップ素体端面に外部端子を形成して積層コンデンサを構成している。
【0004】
近時、電気機器の小型化に伴い、積層コンデンサにおいても、小型化とともに大容量化が要求されており、これらの要求を満たす為に、単位体積当たりの容量の増加を目的として、セラミックシートの厚みを薄くする傾向にあり、焼成後のシート厚みは数μmに薄層化され、且つシートの積層数を増加させている。
【0005】
ところで、積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの容量を増加させる為には、
Cap=ε0 ×ε×S×(N−1)/d・・・・・(2)
但し、Cap:静電容量
ε0 :真空の誘電率
ε :誘電体材料の誘電率
S :内部電極交差面積
N :内部電極の層数
d :誘電体セラミック層厚
の式に従い、▲1▼誘電体材料の誘電率を大きくする、▲2▼内部電極の交差面積を増加させる、▲3▼内部電極の層数を増加させる、▲4▼誘電体セラミック層厚を薄くする、等々の方法が検討され、実施されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、前記▲1▼の誘電体材料の誘電率を大きくする方法は、古くから開発が続けられ徐々に改良されてはいるが、急激に大幅な改善は期待できない。また、▲2▼の内部電極の交差面積を増加させる方法は、積層コンデンサ素体の体積を大きくしなければならず、小型化には適していない。一方▲3▼の内部電極の層数を増加させる方法は、▲4▼の誘電体セラミック層厚を薄くする方法と関連して、上記の課題を解決する手段として有効であると考えられる。
【0007】
しかしながら、上記の誘電体セラミック層厚を薄くする方法は、薄層化に伴って、コンデンサの信頼性が低下するということが避けられない課題であった。
【0008】
本発明の目的は、このような課題を解決し、セラミック層厚を薄くしても信頼性を保持できる積層セラミックコンデンサの試験方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、信頼性試験とは別に、誘電体磁器コンデンサに、異なる電圧を印加し、それぞれの電圧印加時に、該誘電体磁器コンデンサに流れる電流を測定し、両者の間に特別の関係があることを見い出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明は、BaTiO3を主成分としたセラミック層と導電体層とが交互に積層された素体の端面に外部電極を形成した積層セラミックコンデンサを評価する試験方法において、125℃で、前記セラミック層と導電体層とが交互に重合するセラミック層の厚みが5μm以下で、かつ前記積層セラミックコンデンサに電圧V1、V2として10V、50Vを印加し、それぞれの電圧印加時に流れる電流をI1、I2するとき、
α=log(I2/I1)/log(V2/V1)・・・(1)
で得られる係数αが3.5以下であるか否かによって信頼性を判定することを特徴とするものであり、この関係を満足させることにより、信頼性の優れた積層セラミックコンデンサであるか否かを評価することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
セラミック誘電体は、一般的には絶縁体とされているが、ミクロ的に観察すると、微小な電流が流れることが確認されており、ミクロ的には電流が流れることは周知である。
【0012】
セラミック誘電体は、グレインと粒界により構成されている。これらの抵抗値に大きな差が無いときには、印加した電圧に比例して電流が流れ、電圧に依存せず、電圧の増加に対して直線的に上昇する傾向を示す。また、どちらか一方(主として粒界)の抵抗値が高いときには、電流は電圧に比例せず、低電圧では抵抗の高い部分が支配的になり、電流はあまり流れないが、高電圧では誘電体全体に電流が流れるようになる為、大きい電流が流れる。つまり電流の増加の仕方が電圧に対して非直線的になる。そこで(1)式に示したように、低電界強度と高電界強度での電流の流れ方の非直線性から、誘電体内部の抵抗の差を調べることができ、その差が小さい程、すなわち(1)式におけるαが小さい程、誘電体内部の電界は均一になる。
【0013】
上記のように、セラミック層が薄くなると層の均一性に欠けることが多いが、本発明の条件を満たした場合には、セラミック層が薄いにも関わらず、層は均一になり、αが小さくなる。本発明において、αを3.5以下とした理由は未だ理論的に解明されたものではないが、多数の実験の結果から経験的に得られたものである。
【0014】
すなわち、実験の結果、αが3.5以下のときには、誘電体の均一性は高くなり、そのため、誘電体全体に均一な電界がかかり、エネルギーが分散し、従って劣化に必要なエネルギーの集結がなく、その結果信頼性が向上する。これに反し、αが3.5を超えるときには、誘電体内で抵抗の異なる部分が生じ、電界強度が抵抗の高い部分に局部的に集中するため、エネルギーが局所的になり、その結果信頼性が低下するとの知見が得られた。そこで本発明においては、αを3.5以下としたのである。
【0015】
【実施例】
次に、本発明をBT系積層セラミックコンデンサに適用した場合の実施例を比較例と共に実験例として示す。
出発原料として、純度99%以上のBaTiO3 、SrTiO3 、CaZrO3 、MgCO3 、MnO、SiO2 を準備した。これらを表1に示した比率で秤量した。この秤量物をボールミルで湿式混合し、水分を蒸発、乾燥させた後、1000℃の温度で仮焼して粉体を作成した。
【0016】
【表1】
Figure 0003733205
【0017】
この粉体に有機系バインダー及び可塑剤を添加し、ボールミルで充分撹拌した後、ドクターブレート法によりセラミックグリーンシートを得た。なお、このときのグリーンシートの厚さは6μmとした。
得られたグリーンシートの一面に内部電極形成用導電ペーストを印刷し、乾燥後60層になるように積層し、さらにその上下に100μmの素材と同一組成のカバーを積層し、圧着することにより積層体を得た。
この積層体を格子状に裁断した後、300℃の温度で2時間加熱して有機バインダーを燃焼させ、さらにN2−1%H2混合ガスの還元雰囲気中で1200℃の温度で2時間焼成し、次いで600℃の温度で30分の再酸化処理を行い積層焼結体を得た。このときの内部素体の厚みは5μmとなった。
得られた焼結体の引き出し電極面に、電極を塗布し、αの異なる積層コンデンサを作成した。これらの実験例のαと信頼性試験結果を表1に示す。表1の実験例1、2、3からCaZrO3の添加量が低下するほどαは増加し、αが3.5を超えると信頼性が満足できないことが判る。同様に実験例4、5、6からMgO(MgCO3)添加量が増加するとαは増加し、αが3.5を超えると信頼性が満足できないことが判る。なお、実験例3及び6は比較例である。
【0018】
次に、同様の方法で、実験例1及び実験例3の組成を用いてグリーンシート厚を変えた試料を作成した。これらのαと信頼性試験結果を表2に示す。この表2から、実験例7、8、9のαは1.7であり、セラミック層の厚さが5μm以下でも信頼性は満足できることが判る。また実験例10、11、12のαは3.7である。このαではセラミック層の厚さ7μmでの信頼性は満足されるが、薄層化の点からは好ましくなく、厚さを5μm、3μmに薄層化すると信頼性が満足できないことが判る。
【0019】
【表2】
Figure 0003733205
【0020】
さらに、同様の方法で、焼成温度を変えてαを変化させた試料における焼成温度とαと信頼性試験結果を表3に示す。この結果から明らかなように、焼成温度を変えてもαを変化させることができるが、αが3.5を超えると信頼性が満足できないことが判る。
【0021】
【表3】
Figure 0003733205
【0022】
次に、同様の方法で、再酸化温度を変えてαを変化させた試料における再酸化温度とαと信頼性試験結果を表4に示す。この結果から明らかなように、再酸化温度を変えてもαを変化させることができるが、αが3.5を超えると信頼性が満足できないことが判る。
【0023】
【表4】
Figure 0003733205
【0024】
以上のように、αが3.5以下であると、信頼性を満足するセラミックコンデンサであった。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は積層セラミックコンデンサの試験方法において、125℃で、前記セラミック層と導電体層とが交互に重合するセラミック層の厚みが5μm以下で、かつ前記積層セラミックコンデンサに電圧V1、V2として10V、50Vを印加し、それぞれの電圧印加時に流れる電流をI1、I2するときの関係式〔(1)式〕で得られる係数αが3.5以下であるか否を判定することによって、大容量、小型で且つ信頼性の優れたセラミックコンデンサか否かを評価することができる。

Claims (1)

  1. BaTiO3を主成分としたセラミック層と導電体層とが交互に積層された素体の端面に外部電極を形成した積層セラミックコンデンサを評価する試験方法において、125℃で、前記セラミック層と導電体層とが交互に重合するセラミック層の厚みが5μm以下で、かつ前記積層セラミックコンデンサに電圧V1、V2として10V、50Vを印加し、それぞれの電圧印加時に流れる電流をI1、I2するとき、
    α=log(I2/I1)/log(V2/V1)・・・(1)
    で得られる係数αが3.5以下であるか否かによって信頼性を判定することを特徴とする積層セラミックコンデンサの試験方法。
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