JP3732471B2 - 生分解性を有するユニフォーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有するユニフォームに関する。
【0002】
特に、透湿性が良好で、抗菌性、防黴性を有し、遠赤外線遮断性の良好な生分解性を有するユニフォームに関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より、ユニフォームは、同じものが多数使用されることが多く、場合により、作業服を兼ねていることもあり、特に、大きな企業などにおいては、大量に使用され、大量に廃棄されてきている。例えば、元公社(公共企業体)が民営化された場合の企業などの場合には、全国的に、その従業員数は膨大であり、従って、ユニフォームも大量に使用され、大量に廃棄されることになる。特に、イメージを変えるため、ユニフォームのデザインを新しいものに変更した場合など、一斉にユニフォームをチェンジするため、古いユニフォームが一度に大量に廃棄されることになる。
【0004】
近年、ユニフォームは、コスト並びに、強度、耐久性の面などから、現実に使用されているのは、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維と綿との混紡糸などを素材繊維原料として用いたものが主流である。
【0005】
尚、これらが掲載された文献については、本発明者らは特に文献調査していないので知らない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、企業は、一般大衆、特に消費者や顧客に当該企業に対する良好なイメージを持ってもらうため、地球環境の汚染防止など公害の防止対策に積極的に取り組んでおり、率先して実践していることをアッピールすることも企業の存続を維持し企業を永続させていくためにも極めて重要な企業宣伝活動の一つになってきている。
【0007】
しかしながら、近年主として用いられている上述のような素材からなるユニフォームは、大量廃棄された場合に、生分解性に乏しいため、廃棄処分の際の焼却処理においで、ダイオキシンなどの有害ガスの発生や、地球温暖化で問題になる炭酸ガスの発生などが生じる。特に、大量に廃棄される場合には社会問題になる。また、リサイクルする場合においても、ユニフォームに用いられているポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維と綿との混紡糸は、ほぐしてワタ状にして、直接目に触れない様な部分、例えば、椅子などのクッション材として再利用される程度が現状であり、リサイクルしたとしても、最終的にはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維が混合分散されている以上、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維は、生分解性とは言えないので焼却処分せざるを得ないことになる。
【0008】
そこで、土壌中で生分解し、燃焼させてもダイオキシンなどの有害ガスの発生がない生分解性繊維、特にポリ乳酸からなる生分解性繊維が比較的繊維強度も大きく、本発明者らはポリ乳酸からなる生分解性繊維を使用して、ユニフォームを作製するべく、種々検討を行った。
【0009】
ところが、実質上ポリ乳酸繊維100重量%からなる織物を、所定のパターンにカットする際、ユニフォームなどのように、同一のものを大量に生産する場合には、通常、多数枚の生地を重ねておいて、ヒートカッター(刃の部分がニクロム線の様なものからなる、電熱による切断を行うためのカッター)などで、一度に多数枚の生地をカットするが、その時、カットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうという問題、また、縫製は、折り返し部分をアイロン掛けをしながら行うが、アイロン掛けをすると、繊維が軟化して繊維同士が融着することも生じるためか、生地の風合いが硬くなるという問題、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目が加熱により強度が低下すると言う問題、製造後のユニフォームを洗濯した後アイロン掛けするような場合も上述したアイロン掛けの際の問題と同様の問題、縫製の際に、工業用などの高速のミシンでは、摩擦熱によりミシン針が、生地にくっつきやすくなり、縫製が容易にできないなどの問題があることを見いだした。
【0010】
本発明は、このような、問題点を解決し、生分解性を有し、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうことがなく、また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることが防止され、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下も少なく、縫製もミシン針が生地にくっつくことなく、工業用のミシンで容易に縫製が可能で、しかも透湿性が良好で、抗菌性、防黴性を有し、遠赤外線遮断性の良好な生分解性を有するユニフォームを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の生分解性を有するユニフォームは、織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が全ヨコ糸のうちの、一部のヨコ糸を綿からなるヨコ糸とし、残部のヨコ糸をポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とし、綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されていて、織物全体のヨコ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維が20〜30重量%、綿が80〜70重量%からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォームである。
【0012】
さらにまた、本発明の生分解性を有するユニフォームは、織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が綿からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォームである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(1)参考発明のユニフォームは、ポリ乳酸繊維が55〜80重量%、綿が20〜45重量%の織物からなるので、ポリ乳酸繊維も綿も生分解性を有し、堆肥化して肥料とすることも可能であり、仮に、焼却しても大気を汚染するようなダイオキシンなどの有害ガスを発生することがない。ポリ乳酸繊維の燃焼に必要な熱量はポリエチレンやポリプロピレンの約1/3程度であり、焼却処理も綿などのセルロース類程度のエネルギーで焼却処理可能である。
【0014】
また、ユニフォーム製造の際に、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地をカットする場合でも、綿が20〜45重量%含有されていることにより、カットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうことがなく、縫製もミシン針が生地にくっつくことなく、工業用のミシンで容易に縫製が可能であるので、生産工程の効率が良く、従って、コストダウンにもつながり、また、綿が20〜45重量%含有されていることにより、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることが防止され(アイロン掛けによる効果が達成できる比較的最低限近くの温度ないし比較的最低限に近い時間でアイロン掛けした場合)、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下も少なく、しかもポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有するので、透湿性が良好で、抗菌性、防黴性を有し、遠赤外線遮断性の良好な生分解性を有するユニフォームを提供できる。
【0015】
ポリ乳酸の透湿度は、二軸延伸したフィルム状のもので比較した場合、JIS Z 0208の測定法で300〜500g/m2(24hr)[40℃/90%RH]程度であり、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)の24g/m2(24hr)[40℃/90%RH]に比べて、100倍以上の透湿性を有しており、従って、ポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有させることにより、ポリ乳酸繊維の優れた透湿性を利用し、夏期にユニフォームを着用した場合でも、ポリエステル繊維などを用いた従来のユニフォームに比べて、蒸れにくいユニフォームを提供できる。また、ポリ乳酸は、遠赤外線を透過しにくい性質を有するので、ポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有させることにより、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも発揮しうる生分解性を有するユニフォームを提供できる。また、ポリ乳酸は、抗菌性、防黴性を有しており、ポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有させることにより抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームを提供できる。
【0016】
ポリ乳酸繊維の量が80重量%より多くなると、多数枚の生地を重ねておいて、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地をカットする場合に、カットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうという問題が発生しやすくなり、また、縫製の際に、工業用のミシンでは、摩擦熱によりミシン針が、生地にくっつきやすくなり、縫製がしにくくなる。更に、アイロン掛けをすると生地の風合いが硬くなりやすくなるという問題が発生しやすくなり、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目が加熱により強度が低下しやすくなり、製造後のユニフォームを洗濯した後アイロン掛けするような場合も上述したアイロン掛けの際の問題と同様の問題が発生し好ましくない。
【0017】
また、ポリ乳酸繊維の使用割合が55重量%よりも少ない場合には、ユニフォームの透湿性が低下し、夏期にユニフォームを着用した場合蒸れやすくなる、また、遠赤外線の透過の防止性能が低下し、夏期における、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過が多くなり、遠赤外線の遮断によるユニフォーム内側の温度上昇を防止する能力が十分発揮されない。一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止する機能が低下し、また、抗菌性、防黴性も低下し好ましくない。
【0018】
尚、本発明において、ユニフォームとは、作業服も含む概念で使用している。
(2)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、織物が、ポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%からなる織物であることが好ましい。ポリ乳酸繊維、綿との使用割合を、この範囲とすることにより、皺の発生を少なくでき、その他前述したように、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することをより確実に防止でき、また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止され、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下もより少なく、縫製もミシン針が生地にくっつくことをより確実に防止でき、工業用のミシンでより容易に縫製が可能となり好ましい。また、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも備え、抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームを提供できる。
【0019】
(3)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、織物を構成するタテ糸が、織物全体のタテ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が、織物全体のヨコ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維が0〜30重量%、綿が100〜70重量%からなるヨコ糸から構成されていることが好ましい。
【0020】
織物全体では、ポリ乳酸繊維と綿の使用割合は、前記(1)項で規定した範囲好ましくは前記(2)項で規定した範囲にすることが必要であるが、織物全体で、前記(1)項、好ましくは前記(2)項の範囲の使用割合の場合に、ヨコ糸に綿の使用割合を多くし、タテ糸に綿の使用割合を少なくし、上記の範囲にすることが好ましい。より好ましくはヨコ糸は綿糸とし、タテ糸は、ポリ乳酸繊維からなるタテ糸とすることが好ましい。これは、ユニフォームをかかる生地から形成した場合において、アイロン掛けで襞や折り目(例えば縫合部分など、各パーツの縁を折り返してアイロン掛けして縫合する)などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けする部分が比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿の使用割合を100〜70重量%と多くしているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が防止でき好ましい。また、タテ糸にポリ乳酸繊維の使用割合を多くすることにより、ポリ乳酸繊維は絹様の光沢を有するので、参考発明で用いる織物を、綾織り又は経朱子織などの好ましい態様とすることにより、タテ糸がユニフォーム表側に多く露出させることにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ、外観の価値向上の点からも好ましい。特に、タテ糸をポリ乳酸繊維100重量%とする場合には、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用することができ、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢が出やすいなどの点から好ましい。
【0021】
タテ糸においてはタテ糸全体の平均値で、ポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸とするが、上述したように、ポリ乳酸繊維の含有量は100重量%、すなわち、タテ糸はポリ乳酸繊維のみ、特にポリ乳酸長繊維のみからなることがより好ましいが、ポリ乳酸繊維の含有量が80重量%以上で残り20重量%以下は、綿など、生分解性のセルロース繊維としてもよい。
【0022】
(4)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、織物を構成する全ヨコ糸のうちの、一部のヨコ糸を綿からなるヨコ糸とし、残部のヨコ糸をポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とし、綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されていることが好ましい。
【0023】
この意味は、織物全体では、ポリ乳酸繊維と綿の使用割合は、前記(1)項で規定した範囲好ましくは前記(2)項で規定した範囲にすることが必要であるが、織物全体で、前記(1)項、好ましくは前記(2)項の範囲の使用割合の場合になるという前提のもとで、綿からなるヨコ糸とポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸を所定の割合で順次使用したヨコ糸使いにしてもよいという意味である。仮に、綿からなるヨコ糸1本の重量と、ポリ乳酸長繊維からなるのヨコ糸1本の重量とが同じ重量の糸を使用したと仮定した場合に、綿のヨコ糸3本とポリ乳酸長繊維のヨコ糸1本の割合で使用して織り込むと、ヨコ糸全体での綿の割合は75重量%、ポリ乳酸長繊維の割合は25重量%の割合になるが、この綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されているとは、ユニフォームを構成する織物のある一方の側のみ綿糸のみからなるヨコ糸が偏在し、織物の他方の側のみポリ乳酸長繊維のみからなるヨコ糸が偏在しているのではなく、ヨコ糸全体における綿の割合が75重量%、ポリ乳酸長繊維の割合が25重量%の割合の場合を例にとって説明すれば、綿糸のヨコ糸3本を織り込んだ次に、ポリ乳酸長繊維のみからなるヨコ糸1本を織り込み、次いで、綿糸のヨコ糸3本を織り込んだ次にポリ乳酸長繊維のみからなるヨコ糸1本を織り込むという具合に、この両者が、所定の決められた割合になるよう織物全体で平均的に分散配置されていることが好ましいと言う意味である。言い換えれば、仮に織物全体で10000本のヨコ糸使用する場合に、最初の部分に7500本の綿糸を織り込んで、次の部分に2500本のポリ乳酸長繊維のみからなるヨコ糸を織り込むというような極端に偏在した使用ではないと言うことを意味しているものである。
【0024】
勿論、ポリ乳酸繊維が55〜80重量%、綿が20〜45重量%の割合で混紡された、混紡糸を使用して、完全に織物全体が、同じ混紡糸からなるタテ糸、ヨコ糸使いのものも参考発明に含まれ、また、タテ糸はポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸とし、ヨコ糸として、ポリ乳酸繊維が20〜30重量%、綿が80〜70重量%からなる同一の混紡割合の1種類の混紡糸のみをヨコ糸に使用するものも参考発明に含まれるのであるが、上述の如くポリ乳酸繊維のみからなるヨコ糸と綿のみからなるヨコ糸とを所定の割合で順次使用したヨコ糸使いにすることは、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用することができ、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢がより一層出やすいなどの点から好ましい。
【0025】
(5)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、織物を構成するタテ糸が、ポリ乳酸繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が、綿からなるヨコ糸であることが好ましい。
【0026】
ユニフォームをかかる生地から形成した場合において、アイロン掛けで襞や折り目(例えば縫合部分など、各パーツの縁を折り返してアイロン掛けして縫合する)などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けする部分が比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿からなるヨコ糸を使用しているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が一層防止でき好ましい。更に、ユニフォーム製造の際に、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地をカットする場合でも、ヨコ糸がすべて綿からなるヨコ糸であると、カットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうことがより一層防止され、縫製もミシン針が生地にくっつくこともより一層防止され、工業用のミシンで容易に縫製が可能であり、従って生産工程の効率が良く、非常に好ましい。また、タテ糸としてポリ乳酸繊維からなるタテ糸を用いることにより、ポリ乳酸繊維は絹様の光沢を有するので、織物を、綾織り又は経朱子織などの好ましい態様とすることにより、タテ糸がユニフォーム表側に多く露出させることにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ、外観の価値向上の点からも好ましい。特に、タテ糸をポリ乳酸繊維からなるタテ糸とする本態様の場合には、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用することもでき、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢が出やすいなどの点からも好ましい。
【0027】
(6)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、織物が、綾織り又は経朱子織であり、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなることが好ましい。
【0028】
タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成し、綾織り又は経朱子織にすると、見栄えが良好なユニフォームとすることができ好ましい。また、平織りよりも、綾織り又は経朱子織の方が、織りやすくその意味からも好ましい。そして、特に、前述した様に、織物を構成するタテ糸が、織物全体のタテ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸を採用した場合には、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成することにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ特に好ましい。
【0029】
(7)また、本発明の生分解性を有するユニフォームとしては、織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が全ヨコ糸のうちの、一部のヨコ糸を綿からなるヨコ糸とし、残部のヨコ糸をポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とし、綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されていて、織物全体のヨコ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維が20〜30重量%、綿が80〜70重量%からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォームが特に好ましい。
【0030】
かかるヨコ糸使いにすることにより、前述したように、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用しているので、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢が出やすいなどの利点がある。また、ユニフォームをかかる生地から形成した場合において、アイロン掛けで襞ないし折り目などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けすることが比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿の使用割合を80〜70重量%と多くしているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が防止でき好ましい。
【0031】
また、ポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を採用し、綾織りとし、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成することにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ極めて好ましい。しかもポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を用いているので、短繊維からなるタテ糸を用いた場合に比べ、強度が大きくでき、光沢もより良好になる。また、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなっているので、皺の発生を少なくでき、また前述したようにヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することをより確実に防止でき、また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止され、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下もより少なく、縫製もミシン針が生地にくっつくことをより確実に防止でき、工業用のミシンでより容易に縫製が可能となり好ましい。
【0032】
特に本発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、ユニフォームを構成する織物生地の織組織としては、綾織が好ましい。そして、タテ糸は前述したようにポリ乳酸繊維のみからなるタテ糸、特にポリ乳酸長繊維のみからなるタテ糸とすることが非常に好適である。
【0033】
(8)また、本発明の生分解性を有するユニフォームとしては、織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が綿からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォームが極めて好ましい。
【0034】
かかるヨコ糸使いにすることにより、前述したように、アイロン掛けで襞ないし折り目などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けすることが比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿を使用しているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下がより一層防止でき好ましい。また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止され、また前述したようにヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することをより一層確実に防止でき、縫製もミシン針が生地にくっつくことをより一層確実に防止でき、工業用のミシンでより容易に縫製が可能となり好ましい。
【0035】
また、ポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を採用し、綾織りとし、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成することにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ極めて好ましい。しかもポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を用いているので、短繊維からなるタテ糸を用いた場合に比べ、強度が大きくでき、光沢もより良好になる。またタテ糸並びにヨコ糸がそれぞれ1種類の糸から構成されているので、タテ糸及び/又はヨコ糸を2種類以上の糸で構成する場合に比べて製造も容易であり、コストも安価にし得る。
【0036】
また、特に本発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、ユニフォームを構成する織物生地の織組織としては、綾織が好ましい。そして、タテ糸は前述したようにポリ乳酸繊維のみからなるタテ糸、特にポリ乳酸長繊維のみからなるタテ糸とすることが極めて好ましく、さらには、ヨコ糸として綿糸を用いるものが最も好適である。
【0037】
綾織は、平織に比べて織りやすく、適度の光沢を出すことができ、経朱子織に比べて強度も大きく、タテ糸にポリ乳酸繊維のみからなるタテ糸を使用したとしても、経朱子織の如くタテ糸が表に現れる割合がやや多くなってユニフォームや作業服としては、光沢が強すぎると言うようなこともなく、強度、光沢、織り易さの点から、本発明のポリ乳酸繊維を含むユニフォームに最も好適な織組織である
【0038】
綾織としては、例えば2/1の綾織、3/1の綾織、2/2の綾織などが挙げられ、この場合、上述の(6)項〜(8)項で言う「タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる」とは、2/2の綾の場合には、タテ糸の露出割合は表面も裏面も同等であるので、この場合はどちらの面をユニフォームの表面側になるように使用してもよいが、本発明においては「タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる」と言う表現に、上記2/2の綾の場合でタテ糸の露出割合が表面も裏面も同等の場合、いずれかの面をユニフォームの表面側になるように使用する場合も含むと言う変則的な意味で用いている。但し、タテ糸の露出割合が、表面も裏面も同等の場合のみ特別にこの表現に含めるということであり、「タテ糸が少なく露出している面をユニフォームの表面側になるように形成する」ということまでをも、上述の(6)項〜(8)項で言う「タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる」と言う表現に含めると言う趣旨ではない。2/2の綾の場合でタテ糸の露出割合が表面も裏面も同等であるが、平織に比べ、タテ糸がまとまって現れるためか、ポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸を採用した場合には、平織に比べ、光沢が出やすく好ましい
【0039】
なお、本発明のユニフォームを構成する織物生地には、必要に応じて、帯電防止性を付与するため制電性の繊維(導電性の繊維を含む)を少量含んでいてもよい。通常、0.1重量%程度から、多くても2〜3重量%以下で十分である。
【0040】
本発明のユニフォームを構成する織物に、前述したポリ乳酸繊維と綿からなる混紡糸を用いる場合には、混紡糸の太さとしては、適宜、必要に応じて選定すればよく特に限定するものではないが、通常、30〜50番手の混紡糸が好ましく用いられる。
【0041】
ポリ乳酸繊維のみからなる糸を用いる場合には、ポリ乳酸繊維糸の太さとしては、適宜、必要に応じて選定すればよく特に限定するものではないが、通常、55〜165dtex(50〜150デニール)のものが好ましく用いられる。また、綿繊維のみからなる糸を用いる場合には、綿糸の太さとしては、適宜、必要に応じて選定すればよく特に限定するものではないが、通常、20〜50番手の綿糸が好ましく用いられる。
【0042】
次に本発明の理解を容易にするために、本発明のユニフォームの一実施形態例の図面を引用して、更に本発明を説明するが、本発明は、図示されたユニフォームの態様のみに何ら限定されるものではない。
【0043】
図1に本発明のユニフォームの一実施形態例の正面図、図2にその背面図を示した。このユニフォームは、タテ糸はポリ乳酸繊維からなる長繊維マルチフィラメント糸[太さ110dtex(100デニール)[55dtex/48フィラメントの双糸]を用い、ヨコ糸としては、綿の紡績糸(太さ:40番手)からなるヨコ糸を用い、2/1の綾織とした。織物全体でのポリ乳酸繊維の割合は55重量%、綿繊維の割合は45重量%とした(織物のタテ糸の使用密度(打ち込み密度)とヨコ糸の使用密度(打ち込み密度)を調整して、織物全体でのポリ乳酸繊維と綿繊維の割合を上記の範囲に調整できる)。そして、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるようにこの織物を使用した。
【0044】
なお、図1、図2において、原則として各パーツ(身頃)の生地は、ヨコ糸の方向が、図の横方向に向くように配置されている。ただ、袖の部分は、図1の矢印2で示した方向が、ヨコ糸の方向であるが、もし袖を図1に示したように下に垂れ下がった態様で図示せずに、袖を横に延ばした状態で図示すると、当然の事ながら、ヨコ糸の方向は、図の略上下方向に向いていることになる。また、襟の部分のヨコ糸の方向は、後中央部近傍は、図1の矢印3で示した方向がヨコ糸の方向であるが、襟の左右前側部分においては、ヨコ糸の方向は当然の事ながら、図1の矢印4で示した方向になる。その他の各パーツ(身頃)の生地は、ポケットも含めて、ヨコ糸の方向が、図の横方向に向くように配置されている。各パーツの縁に点線で示された部分は、裏側に折り返されてアイロン掛けされた部分の折り返し端であり、縫製代(しろ)に相当する部分である。このように、ユニフォームにおいては、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けすることが比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿糸を使用しているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が防止でき好ましい。
【0045】
かくして得られたユニフォームは、2/1の綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように使用しており、タテ糸に使用したポリ乳酸繊維糸としては、ポリ乳酸長繊維からなる糸を使用しているので、強度が大きくでき、適度な絹様の光沢が出て、良好な風合いのユニフォームとすることができた。
【0046】
また、織物全体でのポリ乳酸繊維の割合を55重量%、綿繊維の割合を45重量%としているので、綿繊維の割合が多いものに比べて、皺の発生を少なくでき、前述したようにヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することもなく、また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止されており、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下もより少なく、縫製の際もミシン針が生地にくっつくことを防止でき、工業用のミシンでも容易に縫製が可能であった。
【0047】
また、得られたユニフォームは、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも備え、抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームが得られた。
【0048】
【発明の効果】
(1)参考発明の、ポリ乳酸繊維が55〜80重量%、綿が20〜45重量%の織物からなるユニフォームは、ポリ乳酸繊維も綿も生分解性を有し、堆肥化して肥料とすることも可能であり、仮に、焼却しても大気を汚染するようなダイオキシンなどの有害ガスを発生することがない。ポリ乳酸繊維の燃焼に必要な熱量はポリエチレンやポリプロピレンの約1/3程度であり、焼却処理も綿などのセルロース類程度のエネルギーで焼却処理可能である。従って、ユニフォームの様に比較的多い数使用され、比較的多い数まとまって廃棄された場合にも、地球環境の汚染防止など公害の防止に有用なユニフォームを提供できる。
【0049】
また、ユニフォーム製造の際に、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地をカットする場合でも、綿が20〜45重量%含有されていることにより、カットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうことがなく、縫製もミシン針が摩擦熱により生地にくっつくことなく、工業用のミシンで容易に縫製が可能であり、従って生産工程の効率が良く、コストダウンにもつながり、また、綿が20〜45重量%含有されていることにより、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることが防止され、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下も少なく、しかもポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有するので、透湿性が良好で、抗菌性、防黴性を有し、遠赤外線遮断性の良好な生分解性を有するユニフォームを提供できる。優れた透湿性を利用し、夏期にユニフォームを着用した場合でも、ポリエステル繊維などを用いた従来のユニフォームに比べて、蒸れにくいユニフォームを提供できる。また、ポリ乳酸は、遠赤外線を透過しにくい性質を有するので、ポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有させることにより、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも発揮しうる生分解性を有するユニフォームを提供できる。また、ポリ乳酸は、抗菌性、防黴性を有しており、ポリ乳酸繊維を55〜80重量%含有させることにより抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームを提供できる。
【0050】
(2)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいて、織物が、ポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%からなる織物である参考発明の参考態様とすることにより、皺の発生を少なくでき、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することをより確実に防止でき、また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止され、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下もより少なく、縫製もミシン針が生地にくっつくことをより確実に防止でき、工業用のミシンでより容易に縫製が可能となり好ましい。また、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも備え、抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームを提供できる。
(3)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいて、織物を構成するタテ糸が、織物全体のタテ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が、織物全体のヨコ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維が0〜30重量%、綿が100〜70重量%からなるヨコ糸から構成されている参考態様とすることにより、ユニフォームをかかる生地から形成した場合において、アイロン掛けで襞ないし折り目などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けすることが比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿の使用割合を100〜70重量%と多くしているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が防止でき好ましい。また、タテ糸にポリ乳酸繊維の使用割合を多くすることにより、ポリ乳酸繊維は絹様の光沢を有するので、本発明で用いる織物を、綾織り又は経朱子織などの好ましい態様とすることにより、タテ糸がユニフォーム表側に多く露出させることにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ、外観の価値向上の点からも好ましい。
【0051】
(4)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいて、織物を構成する全ヨコ糸のうちの、一部のヨコ糸を綿からなるヨコ糸とし、残部のヨコ糸をポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とし、綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されている参考態様とすることにより、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用しているので、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢が出やすいなどの点から好ましい。
【0052】
(5)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいて、織物を構成するタテ糸が、ポリ乳酸繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が、綿からなるヨコ糸である本発明の好ましい態様とすることにより、アイロン掛けで襞や折り目(例えば縫合部分など、各パーツの縁を折り返してアイロン掛けして縫合する)などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けする部分が比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿からなるヨコ糸を使用しているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が一層防止でき好ましい。更に、ユニフォーム製造の際に、ヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地をカットする場合でも、ヨコ糸がすべて綿からなるヨコ糸であると、カットした部分で上下多数枚の生地が融着してしまうことがより一層防止され、縫製もミシン針が摩擦熱で生地にくっつくこともより一層防止され、工業用のミシンで容易に縫製が可能であり、従って生産工程の効率が良く、非常に好ましい。また、タテ糸としてポリ乳酸繊維からなるタテ糸を用いることにより、ポリ乳酸繊維は絹様の光沢を有するので、いる織物を、綾織り又は経朱子織などの好ましい態様とすることにより、タテ糸がユニフォーム表側に多く露出させることにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ、外観の価値向上の点からも好ましい。特に、タテ糸をポリ乳酸繊維からなるタテ糸とする本態様の場合には、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用することもでき、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢が出やすいなどの点からも好ましい。
【0053】
(6)また、前記参考発明の生分解性を有するユニフォームにおいては、織物が、綾織り又は経朱子織であり、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる参考態様とすることにより、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成し、綾織り又は経朱子織にすると、見栄えが良好なユニフォームとすることができ好ましい。また、平織りよりも、綾織り又は経朱子織の方が、織りやすくその意味からも好ましい。そして、特に、前述した様に、織物を構成するタテ糸が、織物全体のタテ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維の含有量が100〜80重量%のタテ糸を採用した場合には、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成することにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ特に好ましい。
【0054】
(7)また、本発明の生分解性を有するユニフォームとしては、織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が全ヨコ糸のうちの、一部のヨコ糸を綿からなるヨコ糸とし、残部のヨコ糸をポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とし、綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されていて、織物全体のヨコ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維が20〜30重量%、綿が80〜70重量%からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォームが特に好ましい。
【0055】
かかるヨコ糸使いにすることにより、前述したように、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用するので、混紡糸の様に短繊維を用いるよりも、強度が大きくできること、ポリ乳酸繊維として長繊維を使用する方が、ポリ乳酸の短繊維を使用するより、絹様の光沢が出やすいなどの利点がある。また、ユニフォームをかかる生地から形成した場合において、アイロン掛けで襞ないし折り目などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けすることが比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿の使用割合を80〜70重量%と多くしているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下が防止でき好ましい。
【0056】
また、ポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を採用し、綾織りとし、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成することにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ極めて好ましい。しかもポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を用いているので、短繊維からなるタテ糸を用いた場合に比べ、強度が大きくでき、光沢もより良好になる。また、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなっているので、綿が多い場合に比べて皺の発生を少なくでき、前述したようにヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することをより確実に防止でき、また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止され、また、折り返してアイロン掛けした部分の折り目の加熱による強度低下もより少なく、縫製もミシン針が摩擦熱で生地にくっつくことをより確実に防止でき、工業用のミシンでより容易に縫製が可能となり好ましい。
【0057】
綾織は、平織に比べて織りやすく、適度の光沢を出すことができ、経朱子織に比べて強度も大きく、タテ糸にポリ乳酸繊維のみからなるタテ糸を使用したとしても、経朱子織の如くタテ糸が表に現れる割合がやや多くなってユニフォームや作業服としては、光沢が強すぎると言うようなこともなく、強度、光沢、織り易さの点から、本発明のポリ乳酸繊維を含むユニフォームに最も好適な織組織であり好ましい。
【0058】
また、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも備え、抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームを提供できる。
【0059】
(8)また、本発明の生分解性を有するユニフォームとしては、織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が綿からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォームが極めて好ましい。
【0060】
かかるヨコ糸使いにすることにより、前述したように、アイロン掛けで襞ないし折り目などを付与する場合に、一般的に、ヨコ糸と交叉する方向に生地を折り曲げてアイロン掛けすることが比較的多く、従って、アイロン掛けの際にヨコ糸が折り曲げられて熱セットされることになるが、その場合に、ヨコ糸に綿を使用しているので、折り曲げられてアイロン掛けされた部分の強度の低下がより一層防止でき好ましい。また、アイロン掛けにおいて生地の風合いが硬くなることがより一段と防止され、また前述したようにヒートカッターなどで、一度に多数枚の生地を重ねてカットする際にカットした部分で上下多数枚の生地が融着することをより一層確実に防止でき、縫製もミシン針が摩擦熱で生地にくっつくことをより一層確実に防止でき、工業用のミシンでより容易に縫製が可能となり好ましい。
【0061】
また、ポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を採用し、綾織りとし、タテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成することにより、ユニフォームに絹様の光沢を付与することができ極めて好ましい。しかもポリ乳酸長繊維からなるタテ糸を用いているので、短繊維からなるタテ糸を用いた場合に比べ、強度が大きくでき、光沢もより良好になる。またタテ糸並びにヨコ糸がそれぞれ1種類の糸から構成されているので、タテ糸及び/又はヨコ糸を2種類以上の糸で構成する場合に比べて製造も容易であり、コストも安価にし得る。
【0062】
また、綾織は、平織に比べて織りやすく、適度の光沢を出すことができ、経朱子織に比べて強度も大きく、タテ糸にポリ乳酸繊維のみからなるタテ糸を使用したとしても、経朱子織の如くタテ糸が表に現れる割合がやや多くなってユニフォームや作業服としては、光沢が強すぎると言うようなこともなく、強度、光沢、織り易さの点から、本発明のポリ乳酸繊維を含むユニフォームに最も好適な織組織であり好ましい。
【0063】
また、夏期においては、太陽光などの外部からの遠赤外線の透過を防止し、遠赤外線の透過によるユニフォーム内側の温度上昇を防止し、一方、冬期においては、外部への遠赤外線の透過を防止し、体温の低下を防止するなど、夏涼しく、冬暖かい機能をも備え、抗菌性、防黴性を具備した生分解性を有するユニフォームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のユニフォームの一実施の形態の正面図。
【図2】 図1に示したユニフォームの背面図。
【符号の説明】
2 ヨコ糸の方向を示す矢印
3 ヨコ糸の方向を示す矢印
4 ヨコ糸の方向を示す矢印

Claims (2)

  1. 織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が全ヨコ糸のうちの、一部のヨコ糸を綿からなるヨコ糸とし、残部のヨコ糸をポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とし、綿からなるヨコ糸と、ポリ乳酸長繊維からなるヨコ糸とが織物全体で平均的に配されていて、織物全体のヨコ糸の平均値で、ポリ乳酸繊維が20〜30重量%、綿が80〜70重量%からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォーム。
  2. 織物を構成するタテ糸がポリ乳酸長繊維からなるタテ糸であり、織物を構成するヨコ糸が綿からなるヨコ糸から構成され、当該織物が、織物全体でポリ乳酸繊維が55〜70重量%、綿が30〜45重量%の割合からなる綾織りからなり、当該織物のタテ糸が多く露出している面をユニフォームの表面側になるように形成してなる生分解性を有するユニフォーム。
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