JP3731906B2 - インクジエット用貼合わせ透明紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特にインクジェット方式のプロッター用、及びプリンター用に好適な貼合わせ透明紙に関する。更に詳しくは、高精度印字画像が得られ、且つ印字部分の変色(ブロンズ化現象)が少なく、また、印字、乾燥後の紙面の凹凸の小さいインクジエット用貼合わせ透明紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動プロッター用紙、プリンター用紙としてトレーシングペーパーあるいは、ドラフティングフィルム等が使用されてきた。最新紙加工便覧(テックタイムス編 昭和63年8月20日発行)によると『ナチュラルトレペとは、製図における原図用紙といえばトレース作業とジアゾコピー作業を考慮したトレーシングペーパーであった。トレーシングペーパーは透明紙である。なぜ紙は不透明で白いかというと、一般の上質紙は体積中に50%前後の空気を含んでいる。微細な空隙の分布とセルロース繊維と空気の屈折率の違いにより紙は白く見え、不透明になる。トレーシングペーパーにはナチュラルトレペと含侵トレペの2種類のトレーシングペーパーがある。ナチュラルトレペはパルプ繊維を高度に叩解させて15〜25%と空隙が少なくなる様に抄造した紙である。それに対して含浸トレペは一般の上質紙にセルロースと屈折率の同じ透明化樹脂を含浸させた透明紙である。』
【0003】
さらに、『トレペの特性として、叩解を進めた紙ほど湿度変化に対する紙の伸縮は大きくなる。特に横方向の伸縮が大きく、上質紙、含浸トレペに比較して寸法安定性は不良である。そのためカールが発生しやすく、水に濡れた部分は凹凸となる。それゆえナチュラルトレペの取扱いにおいては、印刷作業条件や図面の保管において急激な外気の影響や紙の水分変化の無いように他の紙に比較して、より配慮が必要である。トレーシングペーパーにおいて事務用には40〜60g/m2 の薄物品が使用され、設計製図、第二原図用には55g/m2 以上のものが使用されている。』
【0004】
また、『原図用フィルムについては紙ベース以外にフィルムベース(主にポリエステルフィルム)のマット化フィルムがある。マット化にはサンドマット化とケミカルマット化がある。サンドマットはポリエステルフィルムの表面を物理的に粗くしたものである。ケミカルマットはポリエステルフィルム表面をコーティングによりマット面を形成したものである。ともに表面に帯電防止層を設けたものが一般的である。製図用途でのフィルムニーズはサンドマットフィルムからケミカルマットフィルムへ移行しつつある。』との記載がある。
【0005】
新版印刷事典(日本印刷学会編 大蔵省印刷局)の透明紙の項には、『薄くて透明な筆記用紙の一種。原図を透き写し、バンダイク法・青写真などの原稿用に用いる。2種類あって、1)は減量を高度の粘状に叩解し透明になるようにすいたもの、または薄紙にカナダバルサム・テレビン油・植物油などの混合物を塗って透明にした加工紙。2)はコウゾ・ミツマタなどを用いて流しずき法によって抄造した薄葉和紙。図引き用紙ともいう。』との記載がある。
【0006】
紙パルプ技術便覧(1982年 紙パルプ技術協会)によれば、『薄葉の総称で、辞典用紙、ライスペーパー、タイプ用紙、印刷用紙など用途により種類多く、坪量は40g/m2以下で、薄葉和紙は20g/m2以下である。』との記載がある。
【0007】
トレーシングペーパーは筆記性に優れるものの紙本来の性質による温度や湿度の影響により水分率が変化しやすく、寸法安定性或いはシワやカール等の平面性、機械的強度に問題がある。また、第二原図用紙として用いると複写工程の熱定着の際に、熱により引裂強度や耐折強度が著しく低下する欠点を有する。一方、フィルムは透明度が高く寸法安定性と機械的強度に優れるものの紙と比べてインクが吸収されず、紙上で染料同志が会合してしまい、インク中の水分が蒸発するにつれ、染料の結晶が紙上に析出して金属光沢を放つ様ないわゆるブロンズ化現象が起こり、印字濃度の低下とともに色調も大きく変わると言う難がある、また、乾燥自体に長時間を要し難がある。
【0008】
かかる欠点を解決する方法としては、例えば、特公昭57−49897号公報には、和紙トレーシングペーパーに120℃で5分以下で実質的に硬化する樹脂組成物を含浸させる方法が記載され、更に、特公昭62−28465号公報には、透明な合成樹脂フィルムの両面に極薄紙を貼合わせ、該極薄紙を熱可塑性合成樹脂で含浸処理する方法が記載され、また、特開平4−18200号公報には、プラスチックフィルムの片面または両側に接着剤を介して和紙を積層しスーパーカレンダー処理する方法が記載されている。
【0009】
特公昭57−49897号公報には、和紙トレーシングペーパーに120℃で5分以下で実質的に硬化する樹脂組成物を含浸させる方法が記載されているが、その用途は電子写真用基紙に関するものであり、インクジェット方式のプロッター用紙、及び、プリンター用紙を考慮したものではない、つまり、合成樹脂を含浸すると、親水性が無くなる事でインクジェット方式のプロッター、及び、プリンターで主に使用される水性インキでの印字性においては、インクの吸収性が劣りインクのニジミ、乾燥不良により、筆記した線がシャープに成らない欠陥を持つ、また、含浸させた樹脂がインキに影響を及ぼし、紙上で染料同志が会合してしまい、インク中の水分が蒸発するにつれ、染料の結晶が紙上に析出して金属光沢を放つ様ないわゆるブロンズ化現象が起こり、印字濃度の低下とともに色調も大きく変わると言う欠陥を持つ。
【0010】
特公昭62−28465号公報には、透明な合成樹脂フィルムの両面に、極薄紙を貼合わせ、該極薄紙を熱可塑性合成樹脂で含浸処理してその表面電気抵抗を109〜1010 Ωにする方法による第2原図用電子写真複写紙として好適な描画用紙に関しての記載があり、さらにその熱可塑性合成樹脂の付着量は単位面積あたり1g/m2に満たないと極薄紙の透明性がなく、また、5g/m2を越えると極薄紙の紙繊維が樹脂で被覆されあたかもフィルムを極薄紙上に積層した様になり紙の特性が失われる様になる。熱可塑性合成樹脂の付着量は1〜5 g/m2とし部分的に覆うとある。これらの事からも、この特許もインクジェット方式のプロッター用紙、及び、プリンター用紙を考慮したものでは無い、つまり、トレーシングペーパーの様にパルプを高度に叩解して造られた紙は緻密な紙層となり繊維同志の結合が多く表面強度は強くなるが、ここで言う極薄紙は樹脂を含浸しうると言う事から、その紙層は粗いものであり繊維同志の結合が少なく、その表面強度は弱い、熱可塑性合成樹脂の付着量が1〜5 g/m2で部分的に覆う事から、インクジェット方式のプロッター、及び、プリンターで印字した際に水性インクは、熱可塑性合成樹脂で覆われてない紙繊維の部分ではインクの紙中への沈み込みが大きく、且つその表面上を不規則に広がる事から、印字濃度の低下とともにドットに広がりやフェザリングと呼ばれるヒゲ状のニジミが発生する、熱可塑性合成樹脂で覆われた部分ではインキの吸収不良により、紙上で染料同志が会合してしまい、インク中の水分が蒸発するにつれ、染料の結晶が紙上に析出して金属光沢を放つ様ないわゆるブロンズ化現象が起こり、印字濃度の低下とともに色調も大きく変わると言う欠陥を持つ、また、乾燥に時間を要し紙の取扱に支障を来す問題がある。
【0011】
特開平4−18200号公報には、プラスチックフィルムの片面または両側に接着剤を介して和紙を積層してなり、積層前または積層後にスーパーカレンダー処理する事を特徴とする記録用紙について記載されているが、和紙は製法上、紙層は緻密では無くこの特許に記載されている様にスーパーカレンダー処理をする事によって初めて表面繊維の存在状態を粗いものから平坦性のあるものに変える事ができるが、スーパーカレンダーは紙の表面性の改善にはつながるものの、本質的に和紙がナチュラルトレペの様に紙層が緻密では無い為、インクジェット方式のプロッター、及び、プリンターにてこの用紙に印字すると、ケバ立ちやインキの吸収ムラでニジミが発生する欠点を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの欠点を解決することを課題とするものであり、紙の持つ印字性、フィルムの湿度に影響されない寸法安定性と透明性を兼ね備える事により、高精度印字画像がえられ、且つ印字部分の変色(ブロンズ化現象)が少なく、また、印字、乾燥後の紙面の凹凸の小さく、高速での青焼き可能なインクジエット用貼合わせ透明紙を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は透明なポリエステルフィルムの両面に接着剤を介して透明紙を貼合わせたインクジェット用貼合わせ透明紙において、貼合わせる該透明紙が、濾水度100ml(csf)以下に叩解されたセルロース繊維を用いて製造した坪量が30g / 2 以下で、透明度が70%以上であるナチュラルタイプのトレーシングペーパーからなる透明紙であり、コッブサイズ度が10〜15g/m2、透明度が55%以上、表面の平滑度が20秒以上、厚みが60〜90μであるインクジェット用貼合わせ透明紙であり、さらに、貼合わせられるポリエステルフィルムの厚みが9〜38μであるインクジェット用貼合わせ透明紙である。
【0014】
ポリエステルフィルムは、厚さが9μより薄い物にこの透明紙を貼合わせた場合にはインクジェット方式のプロッター、及び、プリンターで印字し乾燥した後に伸縮により紙面の凹凸が発生する、また、厚さが38μより厚いとフィルム自体のしなやかさが無くなり、透明紙と貼合わせ後の厚みはさらに厚くなり、よりしなやかさが無くなり、青焼き時にジアゾ紙との密着性がおとり、青焼きが不鮮明となる事から好ましくない。
【0015】
接着剤としては、尿素樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール系接着剤、レゾルシノール系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン・酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、共重合ナイロン系接着剤及び変性ゴム系接着剤が使用されるが、接着強度、耐熱性等からポリウレタン系接着剤が好適に用いられる。また、紫外線での黄変を避けたい場合には、脂肪族イソシアネート硬化剤を用いたポリウレタン系接着剤を使用する事もできる。
【0016】
ポリエステルフィルムと貼合わせる透明紙は、濾水度100ml(csf)以下に叩解されたセルロース繊維を用いて製造したナチュラルタイプの透明度が70%以上の透明紙であり、コッブサイズ度が10〜15g/m2 で、坪量が30g/m2 以下である。
貼合わせる透明紙の濾水度が100ml(csf)より大きいと紙の紙層は緻密とならず表面強度は弱く透明度は70%未満で低い。紙の紙層が緻密でないと坪量が30g/m2 以下で紙厚が薄い場合、貼合わせた時に接着剤が紙にオモテ面にしみ出る事、また、印字したインクが紙を抜け接着層まで裏抜けする問題がある。表面強度が弱いとインクジェット方式のプロッター、及び、プリンターで印字した部分のケバ立ちの問題が発生する。透明度が70%未満で低いと、貼合わせた後の透明度も結果的に55%を越えず青焼き時に細線まで鮮明な高速での青焼きは望めない。また、本発明に使用されるパルプとしては、NBKP、NBSP、LBKP、LBSPが挙げられ、使用に当たっては、それらを目的に応じた比率で用いる。紙料中にはこの他に本発明の所望の効果を損なわない範囲で従来から使用されている各種アニオン性、ノニオン性、カチオン性、あるいは両性の歩留り向上剤、濾水剤、紙力向上剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される、なお、染料、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加する事も可能である。
サイズ性が弱くコッブサイズ度が10〜15g/m2 の範囲より大きいとインクの紙中への沈み込みが大きく、且つその表面上を不規則に広がる事から、印字濃度の低下とともにドットに広がりやフェザリングと呼ばれるヒゲ状のニジミが発生する、また、サイズ性が強くコッブサイズ度が10〜15g/m2 の範囲より小さいとインキの吸収不良により、紙上で染料同志が会合してしまい、インク中の水分が蒸発するにつれ、染料の結晶が紙上に析出して金属光沢を放つ様ないわゆるブロンズ化現象が起こり、印字濃度の低下とともに色調も大きく変わると言う欠陥を持つ、また、乾燥に時間を要し紙の取扱に支障を来す問題がある。インクの浸透性を制御する手段としては、内添サイズ剤の配合量を変化させる方法、サイズプレス液にアクリル酸系、α−オレフィン系、スチレン−マレイン酸系等の表面サイズ剤を添加する方法、サイズプレス液に界面活性剤を添加する方法等を用いる事ができる。内添サイズ剤としては強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、アルケニルコハク酸塩サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、合成カチオン型サイズ剤、中性ロジンサイズ剤等が用いられる、サイズ性を発現させる目的でAlの多価金属化合物(例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリアルミニウムシリケートサルフェイト、アルミン酸ソーダ等)を配合する事は勿論である。更に、サイズプレス液には、澱粉、ポリビニルアルコール等のバインダー、エチレン−尿素樹脂等の寸法安定化剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機導電剤、染料も使用する事は可能である。
坪量が30 g/m2より多いと透明紙を貼合わせた貼合わせ紙は、インクジェット方式のプロッター、及び、プリンターにて印字し乾燥後、紙の伸縮により紙面の凹凸が著しくなる。
【0017】
透明なポリエステルフィルムの両面に接着剤を介して透明紙を貼合わせた貼合わせ紙の表面の平滑度が低く20秒未満であるとインクジェット方式のプロッター、及び、プリンターにて印字した線がカスレてシャープにならない欠陥を持つ。
透明なポリエステルフィルムの両面に接着剤を介して透明紙を貼合わせた貼合わせ紙の厚みが薄く60μ未満であると腰が弱過ぎる為に青焼き機でコピーをする時に紙づまりトラブルを生じる。逆に厚みが厚く90μ越えると腰が強過ぎる為に青焼き機でコピーをする時に紙づまりトラブルを生じたり、貼合わせ紙とジアゾ紙との密着性が劣り、青焼きが不鮮明となる事がある。
【0018】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【0019】
実施例におけるデータの測定は下記の方法による。
▲1▼ 寸法変化率:サンプルを温度20℃湿度65%の環境下で24時間以上調湿し、サンプルの長さを正確に測定する。このサンプルを温度20℃の水中へ10分間漬けた後サンプルの長さを測定し原寸に対する寸法変化率を求め、引続きこのサンプルを温度20℃湿度65%の環境下で24時間以上乾燥及び調湿し、再度サンプルの長さを測定し原寸に対する寸法変化率を求める、ここで求めた2つの寸法変化率の絶対値の和を求めて寸法変化率をみた。測定は紙の横方向について実施した。
▲2▼ コッブサイズ度:JIS P 8140 に準じたが、水との接触時間は20秒とした。
▲3▼ インクジェット方式のプロッター、プリンター適性:横河・ヒューレットパッカード株式会社製 HPテザインジェット600にて、印字し、印字した線及び文字のカスレ、ニジミ(フェザリング)、変色(ブロンズ化現象)、乾燥性、乾燥後の凹凸を比較した。
表中における、○は良好、△はやや不良、×は不良を示す。
▲4▼ 透明度:100−(ハンター不透明度値)で表した。なお、ハンター不透明度値とは、JIS P 8138にて測定した不透明度(%)である。
▲5▼ 厚み:JIS P 8118 紙及び板紙の厚さと密度の試験方法により測定。
▲6▼ 平滑度:JIS P 8119 紙及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法により測定。
▲7▼ 青焼き適性:株式会社リコー製 RICOPY PL5010において、横河・ヒューレットパッカード株式会社製 HPテザインジェット600にて印字したA−0サイズのサンプルを各10枚ずつコピーし、コピー時の通紙性、印字してない部分の地汚れ、印字した線の鮮明さ、白抜けを比較した。
表中における、○は良好、△はやや不良、×は不良を示す。
【0020】
実施例1
厚さ16μのPETフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)社製、H500)の片面に、下記組成で接着剤を塗布後ドライヤーで溶剤を飛ばし、その面と濾水度95mlに叩解されたセルロース繊維を用いて製造した坪量22g/m2 、透明度75%、コッブサイズ度が10g/m2 、平滑度50秒の透明紙の裏面をドライラミネート方式で貼合わせを行った。反対面も同様の処理を行い、貼合わせ透明紙を得た。
Figure 0003731906
測定結果を表1に示す。
【0021】
実施例2
実施例1に用いた透明紙の代わりに内添サイズ剤配合量を3.0重量部とし、坪量22g/m2、透明度75%、コッブサイズ度が15g/m2、平滑度50秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表1に示す。
【0022】
実施例3
実施例1に用いた透明紙の代わりに濾水度100mlのNBKPを使用して坪量22g/m2、透明度70%、コッブサイズ度が10g/m2、平滑度50秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表1に示す。
【0023】
実施例4
実施例1に用いた透明紙の代わりにマシンカレンダーの線圧を下げて平滑度を落とした坪量22g/m2、透明度75%、コッブサイズ度が10g/m2、平滑度20秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表1に示す。
【0024】
実施例5
実施例1に用いた透明紙の代わりに坪量13g/m2 、透明度85%、コッブサイズ度10g/m2 、平滑度80秒の透明紙を抄造して用い、さらに、実施例1に用いたPETフィルムの代わりに厚みが9μのPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様にに貼合わせ紙を得た。測定結果を表1に示す。
【0025】
実施例6
実施例5に用いたPETフィルムの代わりに厚みが38μのPETフィルムを用いた以外は実施例5と同様にに貼合わせ紙を得た。測定結果を表1に示す。
【0026】
実施例7
実施例1に用いた透明紙の代わりに坪量30g/m2 、透明度70%、コッブサイズ度10g/m2 、平滑度30秒の透明紙を抄造して用い、さらに、実施例1に用いたPETフィルムの代わりに厚みが12μのPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様にに貼合わせ紙を得た。測定結果を表1に示す。
【0027】
比較例1
実施例1に用いた透明紙の代わりに内添サイズ剤配合量を7.0重量部とし、坪量22g/m2、透明度75%、コッブサイズ度が9g/m2、平滑度50秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0028】
比較例2
実施例1に用いた透明紙の代わりに内添サイズ剤配合量を2.0重量部とし、坪量22g/m2、透明度75%、コッブサイズ度が16g/m2、平滑度50秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0029】
比較例3
実施例1に用いた透明紙の代わりに濾水度105mlのNBKPを使用して坪量22g/m2、透明度68%、コッブサイズ度が10g/m2、平滑度50秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0030】
比較例4
実施例1に用いた透明紙の代わりにマシンカレンダーの線圧を下げて平滑度を落とした坪量22g/m2、透明度75%、コッブサイズ度が10g/m2、平滑度18秒の透明紙を抄造して用いた以外は実施例1と同様に貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0031】
比較例5
実施例1に用いた透明紙の代わりに坪量13g/m2 、透明度85%、コッブサイズ度10g/m2 、平滑度80秒の透明紙を抄造して用い、さらに、実施例1に用いたPETフィルムの代わりに厚みが7μのPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様にに貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0032】
比較例6
比較例5に用いたPETフィルムの代わりに厚みが40μのPETフィルムを用いた以外は比較例5と同様にに貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0033】
比較例7
実施例1に用いた透明紙の代わりに坪量32g/m2 、透明度70%、コッブサイズ度10g/m2 、平滑度30秒の透明紙を抄造して用い、さらに、実施例1に用いたPETフィルムの代わりに厚みが12μのPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様にに貼合わせ紙を得た。測定結果を表2に示す。
【0034】
比較例8
三菱製紙株式会社製、DXトレーシングペーパーN75:ナチュラルトレペの測定結果を表2に示す。
【0035】
比較例9
市販の厚さ16μのPETフィルムの両面に樹脂含浸紙を貼合わせたシートを実施例1と同様のデータを測定した。結果を表2に示す。
【0036】
比較例10
市販のケミカルマットの測定結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003731906
【0038】
【表2】
Figure 0003731906
【0039】
【発明の効果】
本発明のインクジェット用貼合わせ透明紙は、ポリエステルフィルムと透明紙を接着剤により貼合わせてあるため、寸法安定性、強度、インクジェット方式による鮮明な印字が可能であり、印字し乾燥後の紙面の凹凸の発生も抑えられる効果がある。

Claims (2)

  1. 透明なポリエステルフィルムの両面に接着剤を介して透明紙を貼合わせたインクジェット用貼合わせ透明紙において、貼合わせる該透明紙が、濾水度100ml(csf)以下に叩解されたセルロース繊維を用いて製造した坪量が30g / 2 以下で、透明度が70%以上であるナチュラルタイプのトレーシングペーパーからなる透明紙であり、コッブサイズ度が10〜15g/m2、透明度が55%以上、表面の平滑度が20秒以上、厚みが60〜90μであることを特徴とするインクジェット用貼合わせ透明紙。
  2. 貼合わせられるポリエステルフィルムの厚みが9〜38μである請求項1記載のインクジェット用貼合わせ透明紙。
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