JP3731684B2 - ダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置 - Google Patents
ダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置 Download PDFInfo
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- Y02E20/34—Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般廃棄物や産業廃棄物を焼却処理するゴミ焼却炉や、各種ストーカ炉,焼却炉、さらには溶融炉などより発生する排ガス中のダイオキシン(PCDDs),ポリクロロベンゾフラン(PCDFs)などの人類にとって猛毒なダイオキシン類の発生を完全に防止したダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の燃焼炉装置は、高温高熱の排ガスを発生するため、概して熱交換機を備えており、バーナーでの燃料消費を熱交換機で予備加熱された二次加熱空気を用いることにより燃費をできる限り節約しているのが現状である。
【0003】
そして、用いられている一般的な熱交換機は、比較的低温に保持された排ガス流路に対して細口径の多数の二次空気加熱管が直接配置されているようなきわめて簡単な構成しか備えていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の焼却炉などは、溶融炉や流動炉、ストーカ炉などを含めて処理する廃棄物の種類特に有機塩素系化合物を含むものが多いので、炉内で燃焼の初期に大量に発生する耐火水素(Cn Hn )が空気と接触して大部分が炭酸ガス(CO2 )や水(H2 O)に分解するが、接触が悪いとダイオキシン類や、その前駆体が発生すると共に、炉を出た後でダイオキシンの前記前駆体が酸化雰囲気中で飛灰中の塩化銅や塩化鉄さらには炭素を触媒として特に300℃付近に多く生成することが分かっている。そしてこの新たに生成する反応は新合成と呼ばれ、この対策が大きな社会問題となりつつある。
【0005】
しかも従来の電気集塵装置内の温度が丁度ダイキシン類の新合成の温度に該当しており具体的には、ストーカ炉からは飛灰中濃度17〜282(ng/g)の場合ダイオキシン(PCDDs)はガス中濃度20〜243(ng/g)、また流動炉では飛灰中濃度32〜48(ng/g)でダイオキシン(PCDDs)はガス中濃度1800〜5360(ng/g)であったことが報告されており、その他同様に毒性の強いポリ・クロロ・ジベンジフラン(PCDFs)も亦、多く発生されていることが分かってる。
【0006】
このような大量のダイオキシン類の発生は、流動炉の場合は、ごみの供給が間欠的である一方、燃焼が瞬間的に起こるため、ガス化燃焼と酸化燃焼とが交互に繰返されることに起因している。
【0007】
ところで、各種炉における燃料の消費を節約するために設けられる熱交換機は構成が簡単で耐熱処理は格別施されていないので、可成りの高温例えば2000℃近くの排ガスをそのまま熱交換機へ供給すると熱交換機が熱影響を受けて溶融したり変形破損したりなどして了うため事実上不可能である。
【0008】
したがって、温度は一旦下げる必要があるため外部より稀釈空気を供給して1000℃以下に保ってから低温で熱交換機へ供給しなければならなかった。
【0009】
しかしながら、熱交換機へ1000℃以下の温度で排ガスを流通させると、ダイオキシン類の分解温度700℃以下となる不都合が生じダイオキシン類の分解が不十分となり残留するという危険性が生ずると共に、熱交換機内での温度がさらに降下し300℃付近では前述のようにダイオキシンが新合成されるという不都合も予測される。
【0010】
この発明は叙上の点に着目して成されたもので、バーナーでの燃料消費を極力節約できるようにしたダイオキシン類の分解温度以上の超高温状態での熱交換操作が可能なダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置を提供するとを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下の構成を特徴とし、これによって前記課題を解決した。
【0012】
(1)各種炉で発生した高温の燃焼気体を流通する高温気体流路と、この流路に高温キャスタブル耐熱材で被覆保護させて臨ませた二次空気加熱管とにより構成され、前記高温の燃焼気体がダイオキシン類の分解温度以上の高温で流通することができるようにしたことを特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
【0013】
(2)高温気体流路を管状ケースの中心に位置させその外周に沿って多数の平行した二次空気加熱管を環状に配し、かつキャスタブル脱落防止耐火メッシュおよびキャスター止めフックなどのキャスタブル保持片を介して高温キャスタブル耐熱材を前記二次空気加熱管に耐熱被覆保護させ乍ら管状ケースの周面に固設して成ることを特徴とする前項(1)記載のダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
【0014】
(3)前項(1)で熱交換された二次空気加熱管を流通した加熱流体は各種炉へ還流されると共に高温気体流路を通過した高温気体は急冷装置へ導出しダイオキシン類の新合成温度以下に急冷するようにして成ることを特徴とするダイオキシン類除去用高温熱交換機を用いた燃焼炉装置。
【0015】
【作用】
熱交換機では、高温高熱状態で排ガス(燃焼気体)が高温気体流路へ供給されても二次空気加熱管は高温キャスタブル耐熱材で被覆保護されているので、熱溶融したり破損のおそれがないので、この流路内で熱交換されて温度降下があってもダイオキシンの分解温度、例えば700℃以上を保持できる。したがって、排ガス中の有機塩素系化合物を含んでいてもダイオキシン類の発生を防止できると共に温度降下に起因するダイオキン類の新合成も完全防止できる。
【0016】
また、二次空気加熱管を通過した二次空気は十分加熱されて、バーナー側へ還流されるので燃費を節約できるという利点がある。
【0017】
また、キャスタブル耐熱材はキャスタブル脱落防止耐火メッシュおよびキャスタブル止めフックなどのキャスタブル保持片を介して管状ケースの外周壁に沿って二次空気加熱管を多数環状に配設しているので中心に形成される高温気体流路を通過する高温気体が例えば2000℃付近であったとしてもキャスタブル耐熱材がキャスタブル保持片の働きを受けて長期に亘って二次空気加熱管を保持保護できる。
【0018】
さらに、熱交換機より吐出した排ガスは、まだ十分高温高熱であるのでその状態で急冷装置で一気に300℃以下に急冷することができるのでダイオキシン類の新合成現象も完全に防ぐことができる。
【0019】
また、熱交換機で熱交換された二次空気は十分高温を保ち、バーナー部へ送られ有効に再利用できるので燃費を十分に節約できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(第一の実施の形態)
図1ないし図4は、この発明に係る熱交換機の一実施の形態を示すもので図1は、一部切欠側面図、図2は一部切欠斜面図、図3は同上の部分拡大断面図、図4はさらに拡大した部分断面図をそれぞれ示す。
【0022】
1は鋼製の管状ケース、2はこの管状ケース1の内側周面の最内層に打ち込んだキャスタブルで、耐熱ステンレス製の種々の構成備えたフック支持棒3を管状ケース1の内側に多数打設しこのフック支持棒3の保持力を用いてキャスタブル2を確固に管状ケース1内に固設する。4,4……は鋼製の多数の二次空気加熱管で、前記キャスタブル2の内側で前記フック支持棒3の一部と固着し互いに隣接させて環状に配設するものである。5はこれら多数の二次空気加熱管4,4……を挿通させた管状のキャスタブル脱落防止耐火メッシュであり、この耐火メッシュ5を介して前記キャスタブル2に達するキャスタブル6を打設し二次空気加熱管4,4……を断熱保持できるものである。そして、前記キャスダフル2,6が高温キャスタブル耐熱材Aを構成している。
【0023】
7は前記二次空気加熱管4,4……の内側に形成される高温気体流路である。
【0024】
8,9は二次空気加熱管4,4……の両端位置に開口した共通の環状室を示し、二次空気の導入口部10、排出口部11を設けてある。
【0025】
叙上のように構成されているので、各種炉などより発生した排ガスを2000℃付近の可成りの高温度の状態で管状ケース1の高温気体流路7に流通させる。これに対し二次空気加熱管4,4……への二次空気は、前記高温気体流路7の流通方向と相対向する逆方向に向けて環状室8の導入口部10より環状室9の排出口部11に向けて流通させる。
【0026】
管状ケース1の中心部に形成された高温気体流路に流れる高温高熱の排ガスによってキャスタブル2,6の高温キャスタブル耐熱材Aが赤熱状に加熱されても、二次空気加熱管4,4……は、保護されて熱溶融とか破損などが発生することなく内部を流通する二次空気を十分加熱して熱交換を有効に行わせることができる。
【0027】
このように極めて高温の排ガスにより管状ケース1の高温キャスタブル耐熱材Aに対して過酷な熱作用が加わっても、多種類のキャスタブル保持用のフック支持棒3およびキャスタブル脱落防止耐火メッシュ5の内蔵しているのでキャスタブル自体は勿論のこと、二次空気加熱管4,4……を完璧に保護できる。
【0028】
【実施例】
前記実施の形態1において構成された主な部材の具体的な後値を示して以下に実施例を示す。
【0029】
(1)管状ケース1 直径2000mm
(2)二次空気加熱管4 直径150mm
(3)フック支持棒3 長さ200mm
(4)アよりイまでの距離(図4) 50mm〜70mm
a. 1800℃の時は50mm
b. 2000℃の時は70mm
(5)ウよりエまでの距離(図4) 200mm
(6)必要な木型枠を作り、耐熱キャスターを流し込み固化固設した。
【0030】
(7)動作
(1)ないし(6)の下に製作された熱交換機を用い高温の排ガスを流通させた処、高温キャスタブル耐熱材は次第に留熱して高温となり表面は1800℃位まで最高温度上昇を続けるが冷たい二次空気を流している二次空気加熱管4の中は800℃以下であることが分かり、きわめて断熱効果の高いことが分かった。
【0031】
(実施の形態2)
つぎに、図5についてこの発明の他の実施の形態を示す。
【0032】
この実施の形態は、前記実施の形態1で構成される熱交換機Pへの排ガスを所望の設定温度に保持できるための付設装置である。
【0033】
図において、12は熱交換機Pの排ガス導入部、13は温度センサTよりの温度を検知し電動ダンパーRの開度を計数して外部よりの稀釈空気Fの流入量を制御すると共に温度が設定値以下の場合はバーナー温度を設定して働かせることができるミニコンピュータを示す。
【0034】
したがって、熱交換機P内の温度がダイオキシン類の分解温度700℃より少なくとも300℃以上高い温度すなわち、1000℃前後に保持して常にダイオキシン類の発生を完全に防止できる。
【0035】
(実施の形態3)
図6はこの発明の他の実施の形態を示すシステム構成図である。
【0036】
実施の形態1,および2に示す熱交換機Pに対しその排出側に急速冷却装置Sを接続してあり、その流入側にはバーナーBおよび必要な炉Cを接続してある。
【0037】
ここに示す急速冷却装置Sは、例えば特願平8−111578号および特願平8−121784号に示すような700℃以上の高温の排気ガスを冷却水中に放出させて急冷しダイオキシン類が新合成する可能性のある温度300℃以下に急冷できものである。
【0038】
また、熱交換機Pで熱交換された二次空気を、配管14を介して各種炉C内に供給還流されるので、燃焼効果を補いきわめて有効に燃費を節約できる。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、熱交換機は高温キャスタブル耐熱材で、二次空気加熱管を完全に保護し補強しているので、ダイオキシン類の分解温度以上の高温度の排ガスを流すことができ、高能率の熱交換ができると共に、この熱交換機を用いた炉システムとして後段に急冷装置を接続して排ガスを急冷するのでダイオキシン類の緩やかな温度降下によるダイオキシンの新合成を伴う虞れなく、完全なダイオキシン類の発生を防止できる熱交換機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部切欠側面図
【図2】 同上の一部切欠斜面
【図3】 同上の部分拡大断面図
【図4】 同上のさらに拡大した部分断面図
【図5】 他の実施の形態を示す説明図
【図6】 さらに他の実施の形態を示すシステム構成図
【符号の説明】
1 管状ケース
2,6 キャスタブル
3 フック支持棒
4 二次空気加熱管
7 高温気体流路
8,9 環状室
P 熱交換機
Q ミニコンピュータ
F 電動ダンパー
S 急冷装置
b バーナー
C 各種炉
A 高温キャタブル耐熱材
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般廃棄物や産業廃棄物を焼却処理するゴミ焼却炉や、各種ストーカ炉,焼却炉、さらには溶融炉などより発生する排ガス中のダイオキシン(PCDDs),ポリクロロベンゾフラン(PCDFs)などの人類にとって猛毒なダイオキシン類の発生を完全に防止したダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の燃焼炉装置は、高温高熱の排ガスを発生するため、概して熱交換機を備えており、バーナーでの燃料消費を熱交換機で予備加熱された二次加熱空気を用いることにより燃費をできる限り節約しているのが現状である。
【0003】
そして、用いられている一般的な熱交換機は、比較的低温に保持された排ガス流路に対して細口径の多数の二次空気加熱管が直接配置されているようなきわめて簡単な構成しか備えていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の焼却炉などは、溶融炉や流動炉、ストーカ炉などを含めて処理する廃棄物の種類特に有機塩素系化合物を含むものが多いので、炉内で燃焼の初期に大量に発生する耐火水素(Cn Hn )が空気と接触して大部分が炭酸ガス(CO2 )や水(H2 O)に分解するが、接触が悪いとダイオキシン類や、その前駆体が発生すると共に、炉を出た後でダイオキシンの前記前駆体が酸化雰囲気中で飛灰中の塩化銅や塩化鉄さらには炭素を触媒として特に300℃付近に多く生成することが分かっている。そしてこの新たに生成する反応は新合成と呼ばれ、この対策が大きな社会問題となりつつある。
【0005】
しかも従来の電気集塵装置内の温度が丁度ダイキシン類の新合成の温度に該当しており具体的には、ストーカ炉からは飛灰中濃度17〜282(ng/g)の場合ダイオキシン(PCDDs)はガス中濃度20〜243(ng/g)、また流動炉では飛灰中濃度32〜48(ng/g)でダイオキシン(PCDDs)はガス中濃度1800〜5360(ng/g)であったことが報告されており、その他同様に毒性の強いポリ・クロロ・ジベンジフラン(PCDFs)も亦、多く発生されていることが分かってる。
【0006】
このような大量のダイオキシン類の発生は、流動炉の場合は、ごみの供給が間欠的である一方、燃焼が瞬間的に起こるため、ガス化燃焼と酸化燃焼とが交互に繰返されることに起因している。
【0007】
ところで、各種炉における燃料の消費を節約するために設けられる熱交換機は構成が簡単で耐熱処理は格別施されていないので、可成りの高温例えば2000℃近くの排ガスをそのまま熱交換機へ供給すると熱交換機が熱影響を受けて溶融したり変形破損したりなどして了うため事実上不可能である。
【0008】
したがって、温度は一旦下げる必要があるため外部より稀釈空気を供給して1000℃以下に保ってから低温で熱交換機へ供給しなければならなかった。
【0009】
しかしながら、熱交換機へ1000℃以下の温度で排ガスを流通させると、ダイオキシン類の分解温度700℃以下となる不都合が生じダイオキシン類の分解が不十分となり残留するという危険性が生ずると共に、熱交換機内での温度がさらに降下し300℃付近では前述のようにダイオキシンが新合成されるという不都合も予測される。
【0010】
この発明は叙上の点に着目して成されたもので、バーナーでの燃料消費を極力節約できるようにしたダイオキシン類の分解温度以上の超高温状態での熱交換操作が可能なダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置を提供するとを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下の構成を特徴とし、これによって前記課題を解決した。
【0012】
(1)各種炉で発生した高温の燃焼気体を流通する高温気体流路と、この流路に高温キャスタブル耐熱材で被覆保護させて臨ませた二次空気加熱管とにより構成され、前記高温の燃焼気体がダイオキシン類の分解温度以上の高温で流通することができるようにしたことを特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
【0013】
(2)高温気体流路を管状ケースの中心に位置させその外周に沿って多数の平行した二次空気加熱管を環状に配し、かつキャスタブル脱落防止耐火メッシュおよびキャスター止めフックなどのキャスタブル保持片を介して高温キャスタブル耐熱材を前記二次空気加熱管に耐熱被覆保護させ乍ら管状ケースの周面に固設して成ることを特徴とする前項(1)記載のダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
【0014】
(3)前項(1)で熱交換された二次空気加熱管を流通した加熱流体は各種炉へ還流されると共に高温気体流路を通過した高温気体は急冷装置へ導出しダイオキシン類の新合成温度以下に急冷するようにして成ることを特徴とするダイオキシン類除去用高温熱交換機を用いた燃焼炉装置。
【0015】
【作用】
熱交換機では、高温高熱状態で排ガス(燃焼気体)が高温気体流路へ供給されても二次空気加熱管は高温キャスタブル耐熱材で被覆保護されているので、熱溶融したり破損のおそれがないので、この流路内で熱交換されて温度降下があってもダイオキシンの分解温度、例えば700℃以上を保持できる。したがって、排ガス中の有機塩素系化合物を含んでいてもダイオキシン類の発生を防止できると共に温度降下に起因するダイオキン類の新合成も完全防止できる。
【0016】
また、二次空気加熱管を通過した二次空気は十分加熱されて、バーナー側へ還流されるので燃費を節約できるという利点がある。
【0017】
また、キャスタブル耐熱材はキャスタブル脱落防止耐火メッシュおよびキャスタブル止めフックなどのキャスタブル保持片を介して管状ケースの外周壁に沿って二次空気加熱管を多数環状に配設しているので中心に形成される高温気体流路を通過する高温気体が例えば2000℃付近であったとしてもキャスタブル耐熱材がキャスタブル保持片の働きを受けて長期に亘って二次空気加熱管を保持保護できる。
【0018】
さらに、熱交換機より吐出した排ガスは、まだ十分高温高熱であるのでその状態で急冷装置で一気に300℃以下に急冷することができるのでダイオキシン類の新合成現象も完全に防ぐことができる。
【0019】
また、熱交換機で熱交換された二次空気は十分高温を保ち、バーナー部へ送られ有効に再利用できるので燃費を十分に節約できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(第一の実施の形態)
図1ないし図4は、この発明に係る熱交換機の一実施の形態を示すもので図1は、一部切欠側面図、図2は一部切欠斜面図、図3は同上の部分拡大断面図、図4はさらに拡大した部分断面図をそれぞれ示す。
【0022】
1は鋼製の管状ケース、2はこの管状ケース1の内側周面の最内層に打ち込んだキャスタブルで、耐熱ステンレス製の種々の構成備えたフック支持棒3を管状ケース1の内側に多数打設しこのフック支持棒3の保持力を用いてキャスタブル2を確固に管状ケース1内に固設する。4,4……は鋼製の多数の二次空気加熱管で、前記キャスタブル2の内側で前記フック支持棒3の一部と固着し互いに隣接させて環状に配設するものである。5はこれら多数の二次空気加熱管4,4……を挿通させた管状のキャスタブル脱落防止耐火メッシュであり、この耐火メッシュ5を介して前記キャスタブル2に達するキャスタブル6を打設し二次空気加熱管4,4……を断熱保持できるものである。そして、前記キャスダフル2,6が高温キャスタブル耐熱材Aを構成している。
【0023】
7は前記二次空気加熱管4,4……の内側に形成される高温気体流路である。
【0024】
8,9は二次空気加熱管4,4……の両端位置に開口した共通の環状室を示し、二次空気の導入口部10、排出口部11を設けてある。
【0025】
叙上のように構成されているので、各種炉などより発生した排ガスを2000℃付近の可成りの高温度の状態で管状ケース1の高温気体流路7に流通させる。これに対し二次空気加熱管4,4……への二次空気は、前記高温気体流路7の流通方向と相対向する逆方向に向けて環状室8の導入口部10より環状室9の排出口部11に向けて流通させる。
【0026】
管状ケース1の中心部に形成された高温気体流路に流れる高温高熱の排ガスによってキャスタブル2,6の高温キャスタブル耐熱材Aが赤熱状に加熱されても、二次空気加熱管4,4……は、保護されて熱溶融とか破損などが発生することなく内部を流通する二次空気を十分加熱して熱交換を有効に行わせることができる。
【0027】
このように極めて高温の排ガスにより管状ケース1の高温キャスタブル耐熱材Aに対して過酷な熱作用が加わっても、多種類のキャスタブル保持用のフック支持棒3およびキャスタブル脱落防止耐火メッシュ5の内蔵しているのでキャスタブル自体は勿論のこと、二次空気加熱管4,4……を完璧に保護できる。
【0028】
【実施例】
前記実施の形態1において構成された主な部材の具体的な後値を示して以下に実施例を示す。
【0029】
(1)管状ケース1 直径2000mm
(2)二次空気加熱管4 直径150mm
(3)フック支持棒3 長さ200mm
(4)アよりイまでの距離(図4) 50mm〜70mm
a. 1800℃の時は50mm
b. 2000℃の時は70mm
(5)ウよりエまでの距離(図4) 200mm
(6)必要な木型枠を作り、耐熱キャスターを流し込み固化固設した。
【0030】
(7)動作
(1)ないし(6)の下に製作された熱交換機を用い高温の排ガスを流通させた処、高温キャスタブル耐熱材は次第に留熱して高温となり表面は1800℃位まで最高温度上昇を続けるが冷たい二次空気を流している二次空気加熱管4の中は800℃以下であることが分かり、きわめて断熱効果の高いことが分かった。
【0031】
(実施の形態2)
つぎに、図5についてこの発明の他の実施の形態を示す。
【0032】
この実施の形態は、前記実施の形態1で構成される熱交換機Pへの排ガスを所望の設定温度に保持できるための付設装置である。
【0033】
図において、12は熱交換機Pの排ガス導入部、13は温度センサTよりの温度を検知し電動ダンパーRの開度を計数して外部よりの稀釈空気Fの流入量を制御すると共に温度が設定値以下の場合はバーナー温度を設定して働かせることができるミニコンピュータを示す。
【0034】
したがって、熱交換機P内の温度がダイオキシン類の分解温度700℃より少なくとも300℃以上高い温度すなわち、1000℃前後に保持して常にダイオキシン類の発生を完全に防止できる。
【0035】
(実施の形態3)
図6はこの発明の他の実施の形態を示すシステム構成図である。
【0036】
実施の形態1,および2に示す熱交換機Pに対しその排出側に急速冷却装置Sを接続してあり、その流入側にはバーナーBおよび必要な炉Cを接続してある。
【0037】
ここに示す急速冷却装置Sは、例えば特願平8−111578号および特願平8−121784号に示すような700℃以上の高温の排気ガスを冷却水中に放出させて急冷しダイオキシン類が新合成する可能性のある温度300℃以下に急冷できものである。
【0038】
また、熱交換機Pで熱交換された二次空気を、配管14を介して各種炉C内に供給還流されるので、燃焼効果を補いきわめて有効に燃費を節約できる。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、熱交換機は高温キャスタブル耐熱材で、二次空気加熱管を完全に保護し補強しているので、ダイオキシン類の分解温度以上の高温度の排ガスを流すことができ、高能率の熱交換ができると共に、この熱交換機を用いた炉システムとして後段に急冷装置を接続して排ガスを急冷するのでダイオキシン類の緩やかな温度降下によるダイオキシンの新合成を伴う虞れなく、完全なダイオキシン類の発生を防止できる熱交換機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部切欠側面図
【図2】 同上の一部切欠斜面
【図3】 同上の部分拡大断面図
【図4】 同上のさらに拡大した部分断面図
【図5】 他の実施の形態を示す説明図
【図6】 さらに他の実施の形態を示すシステム構成図
【符号の説明】
1 管状ケース
2,6 キャスタブル
3 フック支持棒
4 二次空気加熱管
7 高温気体流路
8,9 環状室
P 熱交換機
Q ミニコンピュータ
F 電動ダンパー
S 急冷装置
b バーナー
C 各種炉
A 高温キャタブル耐熱材
Claims (3)
- 各種炉で発生した高温の燃焼気体を流通する高温気体流路と、この流路に高温キャスタブル耐熱材で被覆保護させて臨ませた二次空気加熱管とにより構成され、前記高温の燃焼気体がダイオキシン類の分解温度以上の高温で流通することができるようにしたことを特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
- 高温気体流路を管状ケースの中心に位置させその外周に沿って多数の平行した二次空気加熱管を環状に配し、かつキャスタブル脱落防止耐火メッシュおよびキャスター止めフックなどのキャスタブル保持片を介して高温キャスタブル耐熱材を前記二次空気加熱管に耐熱被覆保護させ乍ら管状ケースの周面に固設して成ることを特徴とする請求項1記載のダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
- 請求項1で熱交換された二次空気加熱管を流通した加熱流体は各種炉へ還流されると共に高温気体流路を通過した高温気体は急冷装置へ導出しダイオキシン類の新合成温度以下に急冷するようにして成ることを特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換機を用いた燃焼炉装置。
Priority Applications (1)
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