JPH1026336A - ダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置 - Google Patents

ダイオキシン類除去用の高温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置

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JPH1026336A
JPH1026336A JP8180850A JP18085096A JPH1026336A JP H1026336 A JPH1026336 A JP H1026336A JP 8180850 A JP8180850 A JP 8180850A JP 18085096 A JP18085096 A JP 18085096A JP H1026336 A JPH1026336 A JP H1026336A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中のダイオキシン類の分解温度以上で
熱交換できる熱交換機およびこの熱交換機を含む燃焼炉
の提供。 【解決手段】 各種炉Cで発生した高温の燃焼気体を流
通する高温気体流路7に、高温キャスタブル耐熱材Aで
被覆保護させた熱交換用気体を流通する二次空気加熱管
4を臨ませて構成され、前記高温の燃焼気体がダイオキ
シン類の分解温度以上の高温で流通することができるよ
うにしたことを特徴とするダイオキシン類除去用の高温
熱交換器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般廃棄物や産
業廃棄物を焼却処理するゴミ焼却炉や、各種ストーカ
炉,焼却炉、さらには溶融炉などより発生する排ガス中
のダイオキシン(PCDDs),ポリクロロベンゾフラ
ン(PCDFs)などの人類にとって猛毒なダイオキシ
ン類の発生を完全に防止したダイオキシン類除去用の高
温熱交換機およびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の燃焼炉装置は、高温高熱の排ガ
スを発生するため、概して熱交換機を備えており、バー
ナーでの燃料消費を熱交換機で予備加熱された二次加熱
空気を用いることにより燃費をできる限り節約している
のが現状である。
【0003】そして、用いられている一般的な熱交換機
は、比較的低温に保持された排ガス流路に対して細口径
の多数の二次空気加熱管が直接配置されているようなき
わめて簡単な構成しか備えていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の焼却炉などは、溶融炉や流動炉、ストーカ炉など
を含めて処理する廃棄物の種類特に有機塩素系化合物を
含むものが多いので、炉内で燃焼の初期に大量に発生す
る耐火水素(Cnn )が空気と接触して大部分が炭酸
ガス(CO2 )や水(H2 O)に分解するが、接触が悪
いとダイオキシン類や、その前駆体が発生すると共に、
炉を出た後でダイオキシンの前記前駆体が酸化雰囲気中
で飛灰中の塩化銅や塩化鉄さらには炭素を触媒として特
に300℃付近に多く生成することが分かっている。そ
してこの新たに生成する反応は新合成と呼ばれ、この対
策が大きな社会問題となりつつある。
【0005】しかも従来の電気集塵装置内の温度が丁度
ダイキシン類の新合成の温度に該当しており具体的に
は、ストーカ炉からは飛灰中濃度17〜282(ng/
g)の場合ダイオキシン(PCDDs)はガス中濃度2
0〜243(ng/g)、また流動炉では飛灰中濃度3
2〜48(ng/g)でダイオキシン(PCDDs)は
ガス中濃度1800〜5360(ng/g)であったこ
とが報告されており、その他同様に毒性の強いポリ・ク
ロロ・ジベンジフラン(PCDFs)も亦、多く発生さ
れていることが分かってる。
【0006】このような大量のダイオキシン類の発生
は、流動炉の場合は、ごみの供給が間欠的である一方、
燃焼が瞬間的に起こるため、ガス化燃焼と酸化燃焼とが
交互に繰返されることに起因している。
【0007】ところで、各種炉における燃料の消費を節
約するために設けられる熱交換機は構成が簡単で耐熱処
理は格別施されていないので、可成りの高温例えば20
00℃近くの排ガスをそのまま熱交換機へ供給すると熱
交換機が熱影響を受けて溶融したり変形破損したりなど
して了うため事実上不可能である。
【0008】したがって、温度は一旦下げる必要がある
ため外部より稀釈空気を供給して1000℃以下に保っ
てから低温で熱交換機へ供給しなければならなかった。
【0009】しかしながら、熱交換機へ1000℃以下
の温度で排ガスを流通させると、ダイオキシン類の分解
温度700℃以下となる不都合が生じダイオキシン類の
分解が不十分となり残留するという危険性が生ずると共
に、熱交換機内での温度がさらに降下し300℃付近で
は前述のようにダイオキシンが新合成されるという不都
合も予測される。
【0010】この発明は叙上の点に着目して成されたも
ので、バーナーでの燃料消費を極力節約できるようにし
たダイオキシン類の分解温度以上の超高温状態での熱交
換操作が可能なダイオキシン類除去用の高温熱交換機お
よびその高温熱交換機を用いた燃焼炉装置を提供すると
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、以下の構成
を特徴とし、これによって前記課題を解決した。
【0012】(1)各種炉で発生した高温の燃焼気体を
流通する高温気体流路と、この流路に高温キャスタブル
耐熱材で被覆保護させて臨ませた二次空気加熱管とによ
り構成され、前記高温の燃焼気体がダイオキシン類の分
解温度以上の高温で流通することができるようにしたこ
とを特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
【0013】(2)高温気体流路を管状ケースの中心に
位置させその外周に沿って多数の平行した二次空気加熱
管を環状に配し、かつキャスタブル脱落防止耐火メッシ
ュおよびキャスター止めフックなどのキャスタブル保持
片を介して高温キャスタブル耐熱材を前記二次空気加熱
管に耐熱被覆保護させ乍ら管状ケースの周面に固設して
成ることを特徴とする前項(1)記載のダイオキシン類
除去用の高温熱交換器。
【0014】(3)前項(1)で熱交換された二次空気
加熱管を流通した加熱流体は各種炉へ還流されると共に
高温気体流路を通過した高温気体は急冷装置へ導出しダ
イオキシン類の新合成温度以下に急冷するようにして成
ることを特徴とするダイオキシン類除去用高温熱交換機
を用いた燃焼炉装置。
【0015】
【作用】熱交換機では、高温高熱状態で排ガス(燃焼気
体)が高温気体流路へ供給されても二次空気加熱管は高
温キャスタブル耐熱材で被覆保護されているので、熱溶
融したり破損のおそれがないので、この流路内で熱交換
されて温度降下があってもダイオキシンの分解温度、例
えば700℃以上を保持できる。したがって、排ガス中
の有機塩素系化合物を含んでいてもダイオキシン類の発
生を防止できると共に温度降下に起因するダイオキン類
の新合成も完全防止できる。
【0016】また、二次空気加熱管を通過した二次空気
は十分加熱されて、バーナー側へ還流されるので燃費を
節約できるという利点がある。
【0017】また、キャスタブル耐熱材はキャスタブル
脱落防止耐火メッシュおよびキャスタブル止めフックな
どのキャスタブル保持片を介して管状ケースの外周壁に
沿って二次空気加熱管を多数環状に配設しているので中
心に形成される高温気体流路を通過する高温気体が例え
ば2000℃付近であったとしてもキャスタブル耐熱材
がキャスタブル保持片の働きを受けて長期に亘って二次
空気加熱管を保持保護できる。
【0018】さらに、熱交換機より吐出した排ガスは、
まだ十分高温高熱であるのでその状態で急冷装置で一気
に300℃以下に急冷することができるのでダイオキシ
ン類の新合成現象も完全に防ぐことができる。
【0019】また、熱交換機で熱交換された二次空気は
十分高温を保ち、バーナー部へ送られ有効に再利用でき
るので燃費を十分に節約できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
説明する。
【0021】(第一の実施の形態)図1ないし図4は、
この発明に係る熱交換機の一実施の形態を示すもので図
1は、一部切欠側面図、図2は一部切欠斜面図、図3は
同上の部分拡大断面図、図4はさらに拡大した部分断面
図をそれぞれ示す。
【0022】1は鋼製の管状ケース、2はこの管状ケー
ス1の内側周面の最内層に打ち込んだキャスタブルで、
耐熱ステンレス製の種々の構成備えたフック支持棒3を
管状ケース1の内側に多数打設しこのフック支持棒3の
保持力を用いてキャスタブル2を確固に管状ケース1内
に固設する。4,4……は鋼製の多数の二次空気加熱管
で、前記キャスタブル2の内側で前記フック支持棒3の
一部と固着し互いに隣接させて環状に配設するものであ
る。5はこれら多数の二次空気加熱管4,4……を挿通
させた管状のキャスタブル脱落防止耐火メッシュであ
り、この耐火メッシュ5を介して前記キャスタブル2に
達するキャスタブル6を打設し二次空気加熱管4,4…
…を断熱保持できるものである。そして、前記キャスダ
フル2,6が高温キャスタブル耐熱材Aを構成してい
る。
【0023】7は前記二次空気加熱管4,4……の内側
に形成される高温気体流路である。
【0024】8,9は二次空気加熱管4,4……の両端
位置に開口した共通の環状室を示し、二次空気の導入口
部10、排出口部11を設けてある。
【0025】叙上のように構成されているので、各種炉
などより発生した排ガスを2000℃付近の可成りの高
温度の状態で管状ケース1の高温気体流路7に流通させ
る。これに対し二次空気加熱管4,4……への二次空気
は、前記高温気体流路7の流通方向と相対向する逆方向
に向けて環状室8の導入口部10より環状室9の排出口
部11に向けて流通させる。
【0026】管状ケース1の中心部に形成された高温気
体流路に流れる高温高熱の排ガスによってキャスタブル
2,6の高温キャスタブル耐熱材Aが赤熱状に加熱され
ても、二次空気加熱管4,4……は、保護されて熱溶融
とか破損などが発生することなく内部を流通する二次空
気を十分加熱して熱交換を有効に行わせることができ
る。
【0027】このように極めて高温の排ガスにより管状
ケース1の高温キャスタブル耐熱材Aに対して過酷な熱
作用が加わっても、多種類のキャスタブル保持用のフッ
ク支持棒3およびキャスタブル脱落防止耐火メッシュ5
の内蔵しているのでキャスタブル自体は勿論のこと、二
次空気加熱管4,4……を完璧に保護できる。
【0028】
【実施例】前記実施の形態1において構成された主な部
材の具体的な後値を示して以下に実施例を示す。
【0029】 (1)管状ケース1 直径2000mm (2)二次空気加熱管4 直径150mm (3)フック支持棒3 長さ200mm (4)アよりイまでの距離(図4) 50mm〜70mm a. 1800℃の時は50mm b. 2000℃の時は70mm (5)ウよりエまでの距離(図4) 200mm (6)必要な木型枠を作り、耐熱キャスターを流し込み
固化固設した。
【0030】(7)動作 (1)ないし(6)の下に製作された熱交換機を用い高
温の排ガスを流通させた処、高温キャスタブル耐熱材は
次第に留熱して高温となり表面は1800℃位まで最高
温度上昇を続けるが冷たい二次空気を流している二次空
気加熱管4の中は800℃以下であることが分かり、き
わめて断熱効果の高いことが分かった。
【0031】(実施の形態2)つぎに、図5についてこ
の発明の他の実施の形態を示す。
【0032】この実施の形態は、前記実施の形態1で構
成される熱交換機Pへの排ガスを所望の設定温度に保持
できるための付設装置である。
【0033】図において、12は熱交換機Pの排ガス導
入部、13は温度センサTよりの温度を検知し電動ダン
パーRの開度を計数して外部よりの稀釈空気Fの流入量
を制御すると共に温度が設定値以下の場合はバーナー温
度を設定して働かせることができるミニコンピュータを
示す。
【0034】したがって、熱交換機P内の温度がダイオ
キシン類の分解温度700℃より少なくとも300℃以
上高い温度すなわち、1000℃前後に保持して常にダ
イオキシン類の発生を完全に防止できる。
【0035】(実施の形態3)図6はこの発明の他の実
施の形態を示すシステム構成図である。
【0036】実施の形態1,および2に示す熱交換機P
に対しその排出側に急速冷却装置Sを接続してあり、そ
の流入側にはバーナーBおよび必要な炉Cを接続してあ
る。
【0037】ここに示す急速冷却装置Sは、例えば特願
平8−111578号および特願平8−121784号
に示すような700℃以上の高温の排気ガスを冷却水中
に放出させて急冷しダイオキシン類が新合成する可能性
のある温度300℃以下に急冷できものである。
【0038】また、熱交換機Pで熱交換された二次空気
を、配管14を介して各種炉C内に供給還流されるの
で、燃焼効果を補いきわめて有効に燃費を節約できる。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、熱交換機は高温キャ
スタブル耐熱材で、二次空気加熱管を完全に保護し補強
しているので、ダイオキシン類の分解温度以上の高温度
の排ガスを流すことができ、高能率の熱交換ができると
共に、この熱交換機を用いた炉システムとして後段に急
冷装置を接続して排ガスを急冷するのでダイオキシン類
の緩やかな温度降下によるダイオキシンの新合成を伴う
虞れなく、完全なダイオキシン類の発生を防止できる熱
交換機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部切欠側面図
【図2】 同上の一部切欠斜面
【図3】 同上の部分拡大断面図
【図4】 同上のさらに拡大した部分断面図
【図5】 他の実施の形態を示す説明図
【図6】 さらに他の実施の形態を示すシステム構成図
【符号の説明】
1 管状ケース 2,6 キャスタブル 3 フック支持棒 4 二次空気加熱管 7 高温気体流路 8,9 環状室 P 熱交換機 Q ミニコンピュータ F 電動ダンパー S 急冷装置 b バーナー C 各種炉 A 高温キャタブル耐熱材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種炉で発生した高温の燃焼気体を流通
    する高温気体流路と、この流路に高温キャスタブル耐熱
    材で被覆保護させて臨ませた二次空気加熱管とにより構
    成され、前記高温の燃焼気体がダイオキシン類の分解温
    度以上の高温で流通することができるようにしたことを
    特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換器。
  2. 【請求項2】 高温気体流路を管状ケースの中心に位置
    させその外周に沿って多数の平行した二次空気加熱管を
    環状に配し、かつキャスタブル脱落防止耐火メッシュお
    よびキャスター止めフックなどのキャスタブル保持片を
    介して高温キャスタブル耐熱材を前記二次空気加熱管に
    耐熱被覆保護させ乍ら管状ケースの周面に固設して成る
    ことを特徴とする請求項1記載のダイオキシン類除去用
    の高温熱交換器。
  3. 【請求項3】 請求項1で熱交換された二次空気加熱管
    を流通した加熱流体は各種炉へ還流されると共に高温気
    体流路を通過した高温気体は急冷装置へ導出しダイオキ
    シン類の新合成温度以下に急冷するようにして成ること
    を特徴とするダイオキシン類除去用の高温熱交換機を用
    いた燃焼炉装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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