JP3731325B2 - 光学装置及びその光学装置を備える表示装置 - Google Patents
光学装置及びその光学装置を備える表示装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示パネル等の光変調手段を含む光学装置と、この光学装置を備えるプロジェクタ装置、テレビジョン受像機、コンピュータ用のディスプレイ等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は3つの液晶表示パネルを用いた液晶プロジェクタ装置の概略図であるが、メタルハイドランプやハロゲンランプ等の光源501から出射される赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)は、ダイクロイックミラー502a,502b,502c等の光学素子によってR,G,B各色に分解する。光学薄膜を、平板部材やレンズに積層した色補正用ダイクロイックフィルター507a,507b,507cが、液晶表示パネル503a,503b,503cの前後にパネルに平行に搭載することにより、各色の均一性及び純度を高めた後に、各色に対応した液晶表示パネル503a,503b,503cに入射して光変調して3色を合成する。
【0003】
3色色合成用の合成光学素子としては大きく3つの種類があり、図9に示すような三角柱ガラスブロックを4つ組み合わせたクロスプリズム504または平板状ダイクロイックミラーを3組の組み合わせたもの、または三角柱または四角柱のガラスまたはプラスチックのブロックを3組組み合わせたL型のプリズムがある。いずれもその出力光としてカラー映像としてのRGB光を得ることができる。そして、合成されたカラー映像は投写レンズ505によりスクリーン506に投影される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように色補正用ダイクロイックミラー507a,507b,507cは液晶表示パネル503a,503b,503cと平行に配置されている、すなわちダイクロイックミラー507a,507b,507cは光軸OPに対して垂直になっている。現在、左右に色むらが発生しており、これは光変調素子である液晶表示パネルの各点に対応するクロスプリズム504色分離/合成光学素子の角度依存性と色分離/合成光学素子の光束の広がりのために、画面周辺にて画面中心の光学膜設計値と色が変わってしまうからである。そして、色むらの左右の対称性が要求されている。何故なら、色むらが画面左右で起こるよりは、画面の中心に対して左右に対称に出ている方が、人間の眼には目立たないからである。
【0005】
液晶パネルの各点に対応するクロスプリズム504のような色分離/合成光学素子の角度依存性と色分離/合成光学素子の光束の広がりを考慮し、上述したように色補正用ダイクロイックフィルター507a,507b,507cと呼ばれる光学薄膜を平板部材やレンズに積層したものを液晶表示パネルの前後にその液晶表示パネルに平行に搭載することにより、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムの角度依存性を画面状に表示させない方式が一般的である。
しかし色分離/合成光学素子の角度依存性と色分離/合成光学素子の光束の広がりをこのような色補正用ダイクロイックフィルターだけで波長制限すると有効な波長成分を大きく損ない画面輝度低下となる。
【0006】
図10(A)は、色分離/合成光学素子、特に合成光学素子であるクロスプリズム504の透過率に対する波長の関係の一例を示している。この透過率は実線で示すように半値波長付近において急激に変わり、長波長の透過率は低く、短波長の透過率は高い特性を有している。
図10(B)は、クロスプリズム504の一部を示しておりクロスプリズム504のプリズム504a,504bには、光学薄膜(光学多層膜)508が形成されている。一例として、ダイクロイックミラー502bで反射された赤色光(R)は、コンデンサーレンズ509を通り光変調素子である液晶表示パネル503aを通過してクロスプリズム504の光学薄膜508に入射する。このときに、この赤色光(R)の下辺の光束部分510が、光学薄膜508に対し形成する角度θ10は、上辺の光束部分511が光学薄膜508に対し形成する角度θ11に比べて小さい。すなわち上辺の光束部分511は、下辺の光束部分510に比べて、光学薄膜508に対して大きい角度で入射することになる。
この時に、上辺の光束部分511の場合には、光学薄膜508における図10(A)における波長依存性は、実線のラインL1の状態から破線のラインL2の状態に移動し、下辺の光束部分510の場合には、実線Lの状態から二点鎖線L3の状態に移動する。このようにして、赤色光(R)の反射率は、光学薄膜508に対して、角度依存性を有していることから、図9のようにして、スクリーン506に対してカラー像を投影すると、カラー像には画面に均一に色むらが発生してしまう。
そこで角度依存性を小さくして色むらを防ぐために、図10(B)の赤色光(R)の光束光を絞らないことで、角度θ10と角度θ11の差を小さくすることが考えられるが、このようにすると、投射レンズのFnoが小さくなりかつ口径が大きくなる。また、合成プリズムの大きさも大きくなり、コスト的に不利になる。一方、角度依存性を含めて色帯域を制限してしまうと、光変調した光量の低下を起こし、画面輝度が低下してしまう。
【0007】
そこで本発明は上記課題を解消し、画面輝度の低下を起こさずに、画面の色むらを左右対称な構成にすることで使用者が色むらを気にすることなく明るい画像見ることができる光学装置及びその光学装置を備える表示装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にあっては、光源からの光を導く光学部材と、光学部材を通った光を通すことで光変調を与えるための光変調部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有して、光変調部材により光変調後の光を合成する光合成部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間に配置されて光学部材を通った光が通ることで光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置された色補正部材と、を備えることを特徴とする光学装置により、達成される。
【0009】
本発明では、光学部材は光源からの光を導く。光変調部材は、光学部材を通った光を通すことで光束に光変調を与える。
色補正部材は、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間において光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置されている。色むらは画面の中心に関して左右対称にすることができる。そして光合成部材は、光変調部材により光変調後の光を合成するようになっている。
これにより、必要以上に波長帯域を絞る必要がなく光量を損なわずにかつ低コストに画面輝度を確保でき、画面左右の色むらが左右対称にすることで人間の目には色むらが目立たないようにすることができる。
【0010】
上記目的は、本発明にあっては、光源と、光源からの光を導く光学部材と、光学部材を通った光を通すことで光変調を与えるための光変調部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有して、光変調部材により光変調後の光を合成する光合成部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間に配置されて光学部材を通った光が通ることで光合成部材による色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置された色補正部材と、から構成される光学装置と、合成された光をスクリーンに拡大して投写する投写レンズと、を備えることを特徴とする光学装置を備える表示装置により、達成される。
【0011】
本発明では、光学部材は光源からの光を導く。光変調部材は光学部材を通った光を通すことで光変調を与える。色補正部材は、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間において光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置されている。色むらは画面の中心に関して左右対称にする。
光合成部材は、光変調部材により変調後に光を合成する。これにより、表示装置において光量を絞りつつ、低コストで必要なく光量を損なわずに画面輝度を確保しながら、画面左右の色むらが左右対称にできる。
合成された光は、投射レンズによりスクリーンに拡大して投射する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0013】
図1は、本発明の光学装置の好ましい実施の形態を有する投写型表示装置を備える投写型テレビジョンセット100を示す外観図であり、図2は、図1の投写型表示装置1を備える液晶方式の背面投写型テレビジョンセット100を示しており、液晶プロジェクタ装置ともいう。図2はテレビジョンセット100の内部構造を示している。
まずこのテレビジョンセット100の概略の構造について説明すると、図1及び図2において、テレビジョンセット100はキャビネット101、スクリーン102、ミラー103、そして投写型表示装置1を内蔵している。投写型表示装置1が光源3の光を用いて投写しようとする投写光5は、ミラー103で反射して、スクリーン102の背面104から投写するようになっている。
スクリーン102に投写された映像は、ユーザUがスクリーン102においてカラー映像あるいは白黒映像として見ることができる。
【0014】
以下の実施の形態の説明においては、スクリーン102においてカラー映像が表示できるものについて説明する。
図3と図4の投写型表示装置1は、光学装置11、光源3及び投写レンズ鏡筒13を有している。光源3と投写レンズ鏡筒13は、光学装置11の本体11aに可能に取り付けられている。
【0015】
光源3は、例えば放物面状の反射鏡3aとランプ3bを有している。このランプ3bはメタルハライドランプあるいはハロゲンランプ等を用いることができる。一方投写レンズ鏡筒13は、光学装置11から導かれる合成光(カラー画像光)13Aを、図2のスクリーン102の背面104に対してフォーカスできる機構を有している。
【0016】
次に、光学装置11の中の光学系について説明する。
光源3の近くには、フライアイレンズ21,23が配置されている。これらのフライアイレンズ21,23は、光源3から出る光LPの光軸OPに関して互いに平行に配置されている。
【0017】
フライアイレンズ21,23は、例えば長方形状の多数のレンズが平面的に集合したものであり、例えばP波の強度分布を均等化するために用いられている。
フライアイレンズ21,23を通った光Lは、赤色光(R)、緑色光(G)、そして青色光(B)を含んでいるが、次に説明する光学系により、光Lは、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)に分割された後に、所定の光変調が与えられて、再びこれら三原色が構成されることにより、投写レンズ鏡筒13側にカラー画像光である合成光13Aを合成するようになっている。
【0018】
光軸OPに沿って、ダイクロイックミラー25,27、リレーレンズ29、ミラー31が配列されている。この光軸OPと直交する方向の別の光軸OP1に沿っては、ダイクロイックミラー25に対応してミラー37が配列されている。光軸OPに平行な光軸OP2に沿ってはミラー37、コンデンサレンズ(光学部材)51と、色補正用ダイクロイックフィルター(色補正部材)2B及び光変調部材としての液晶表示パネル53が配置されている。
【0019】
また光軸OP1と平行な光軸OP3に沿って、ダイクロイックミラー27に対応してコンデンサレンズ47と光変調部材としての液晶表示パネル49が配置されている。
光軸OP1、光軸OP3と平行な光軸OP4に沿って、ミラー31に対応してリレーレンズ33とミラー35が配置されている。そして、ミラー35を通る光軸OP5は、光軸OP2と一致しており、この光軸OP5に沿って、コンデンサレンズ(光学部材)43と別の色補正用ダイクロイックフィルター(色補正部材)2C、そして光変調部材としての液晶表示パネル45が配置されている。
【0020】
これらの液晶表示パネル53,49,45に対応して、ダイクロイックプリズム(光合成部材、又は色分離/合成光学素子、あるいはクロスプリズムとも呼ぶ)41が配置されている。このダイクロイックプリズム41に対応して投写レンズ鏡筒13が位置している。
ダイクロイックミラー25,27は、波長に応じて光を反射する光反射特性及び光を透過する光透過特性を有するミラーである。
【0021】
図4の光Lの赤色光(R)は、ダイクロイックミラー25で反射されてミラー37側に送られるとともに、光Lの緑色光(G)と青色光(B)はダイクロイックミラー25と透過して、ダイクロイックミラー27側に送られる。緑色光(G)は、このダイクロイックミラー27で反射されて、コンデンサレンズ47及び液晶表示パネル49に送られる。青色光(B)は、ダイクロイックミラー27を通過し、リレーレンズ29を通りミラー31で反射されて、そしてリレーレンズ33を通ってミラー35で反射されることにより、コンデンサレンズ43と色補正用ダイクロイックフィルター2C、液晶表示パネル45を通る。
【0022】
一方、赤色光(R)はミラー37で反射されて、コンデンサレンズ51及び、色補正用ダイクロイックフィルター2B、液晶表示パネル53を通る。
【0023】
次にダイクロイックプリズム41について簡単に説明する。ダイクロイックプリズム41は、図5に示すように4つの断面3角形状のプリズム41A,41B,41C,41Dを接着剤で貼り合わせて、立方体あるいは直方体状に形成されたプリズムである。各プリズム41A,41B,41C,41Dの1つの面F1あるいは面F2あるいはその両方に、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜41E,41F(光学多層膜)が形成されている。
これにより4つのプリズム41A乃至41Dを接着剤により接着することで、各プリズム間の界面には光学薄膜41Eと破線で示す光学薄膜41Fが形成されている。
【0024】
光学薄膜41Eが光軸OP2(OP4)に対して取る角度はθ0で示しており、光学薄膜41Fを光軸OP2(OP4)に対して取る角度はθ3で示している。これらの角度θ0,θ3は例えば45°である。尚これらの4つのプリズム41A乃至41Dは、断面で見て三角形状の光学ブロックであり、プラスチックあるいはガラスにより作ることができる。
【0025】
次に、図4と図5の色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cの構成及び機能について説明する。
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光源3からの光を導くコンデンサレンズ51と、光変調部材としての液晶表示パネル53の間に配置されている。しかもこの色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光軸OP2に対して所定の角度θ1に傾けて配置されている。同様にして色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、光源3からの光を導くコンデンサレンズ43と、光変調部材である液晶表示パネル45の間に配置されている。そして色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、光軸OP5に対して所定の角度θ2に傾けて配置されている。
【0026】
これらの色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cは、図5に例示するように、その一方の面もしくは両方の面に光学薄膜41Gと、この光学薄膜41Gが積層される光透過部材41Hからなる。その光透過部材41Hとしては、プラスチックあるいはガラスにより平板状あるいはレンズ状に作ることができる。図5の例では色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cともに光透過部材41Hの一方の面に光学薄膜41Gが形成されている。
【0027】
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光軸OP2に対して角度θ1だけ傾けて配置されている。この角度θ1は、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度θ0にくらべ同等又はそれ以上に設定されている。同様にして、色補正用ダイクロイックフィルター2Cは光軸OP5に対し角度θ2傾けて配置されている。この角度θ2は、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Fの角度θ3にくらべ同等又はそれ以上に設定されている。
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光学薄膜41Eにより生じる画面均一の色むらを補正するフィルターであり、色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、光学薄膜41Fにより生じる画面均一の色むらを補正するフィルターである。
このように角度θ1を角度θ0にくらべ同等又はそれ以上に設定し、且つ角度θ2を角度θ3にくらべ同等又はそれ以上に設定するのは、次のような理由からである。
角度θ0とθ3は、光線ケラレを発生させず、かつ低コスト化のためにプリズムブロックを小型に作ることにより通常45°に設定される。それに対して、角度θ1,θ2はコスト的な負担が少なく、これにより角度θ1,θ2は任意な値に設定をしやすい。
一般的にプリズム内の角度θ0,θ3により生じる角度依存性はダイクロイックフィルターの角度θ1,θ2により生じる角度依存性に比べ大きい。そこで角度θ1,θ2を大きくすることでダイクロイックフィルターの角度依存性をプリズムの角度依存性に近づけることができる。
【0028】
すなわち、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性(ΔλDP)と、同等の特性を有するように、色補正用のダイクロイックフィルター2Bを所定の角度θ1の角度で傾けて配置するのである。このようにすることで、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性(ΔλDP)を、色補正用のダイクロイックフィルター2Bの角度依存性(ΔλDF)とほぼ合わせるか一致させる。つまりダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性(ΔλDP)が、色補正用ダイクロイックフィルター2Bの角度依存性(ΔλDF)とほぼ等しくなるように色補正用ダイクロイックフィルター2Bの角度θ1を設定する。具体的には、光学薄膜41Eの角度θ0が45°でΔλDP=±4nm/1°のとき、フィルター2BのΔλDF=±4nm/1°程度の特性のフィルターを用いれば、角度θ1を45°と設定する。また、θ1の角度を小さく設定するために、フィルター2BのΔλDF=±8nm/1°程度の特性のフィルターを用いれば、θ=22.5°と設定する。
【0029】
同様にして、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Fの角度依存性と同等の特性を有するように、色補正用ダイクロイックフィルター2Cの角度θ2を設定する。つまり光学薄膜41Fの角度依存性(ΔλDP)と、色補正用ダイクロイックフィルター2Cの薄膜41Gの角度依存性(ΔλDF)とほぼ合わせるか一致させるように角度θ2を選択する。角度θ3が45°でΔλDP=±4nm/1°程度のとき、フィルター2CのΔλDFが±4nm/1°程度のフィルターを用いれば、角度θ1を45°と設定する。またθ3の角度を小さく設定するためには、フィルター2CのΔλDF=±8nm/1°程度の特性のフィルターを用いればθ3=22.5°と設定する。
【0030】
このように、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性に対して、ダイクロイックフィルター2Bの光学薄膜41Gの角度依存性ΔλDFをほぼ同じあるいは一致させ、且つ光学薄膜41Fの角度依存性ΔλDPと、ダイクロイックフィルター2Cの光学薄膜41Gの角度依存性ΔλDFをほぼ同じにすることにより、かつプリズムとフィルターの半値波長を合せることにより、ダイクロイックプリズム41及び投写レンズ鏡筒13を介してスクリーン102に導かれる合成光13Aが、スクリーン102における画面の中心に関して左右対称状に色シェーディングが起こる。光量を絞る必要もないので画面光量を損なうことなく画面色むらを画面において左右対称にすることができるので、図2において使用者ユーザUがスクリーン102を見ている場合において視覚的には色むらを感じにくく、高画質化を実現することができる。
【0031】
次に、図4において光源3のランプ3bが発生する光LPがスクリーン102に到達するまでの経路を簡単に説明する。
ランプ3bが発生する光LPは、フィルター15で例えばP波のみに選択されて、その光はフライアイレンズ21,23を通り均一な光Lに検出される。この光Lの赤色光Rは、ダイクロイックミラー25で反射されて、ミラー37で反射後に、コンデンサレンズ51、色補正用ダイクロイックフィルター2B及び液晶表示パネル53を通って、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eに達する。
【0032】
一方、光Lの緑色光Gと青色光Bの成分は、ダイクロイックフィルター25を通り、そのうちの緑色光Gがダイクロイックミラー27で反射されてコンデンサレンズ47、液晶表示パネル49を通りダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Fに達する。
ダイクロイックミラー27を通った青色光Bは、リレーレンズ29を通りミラー31で反射されて、リレーレンズ33を通りさらにミラー35で反射する。この青色光Bは、コンデンサレンズ43、色補正用ダイクロイックフィルター2C及び液晶表示パネル45を通って、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41E,41Fに達する。
【0033】
このように、ダイクロイックプリズム41に集合した赤色光R、緑色光G、青色光Bは合成されて、合成光13Aとして液晶表示パネル53,49,45が表示している画像の情報を含むようにして、投写レンズ鏡筒13の投写レンズより投写スクリーン102の背面に拡大投写される。
この場合に、スクリーン102の中心Lを中心として左右対称に色むらを形勢することができるので、従来のように画面いっぱいに形成されるランダムな色むらではないことから、画像を鑑賞するユーザが、画面輝度の明るいきれいな画像を楽しむことができる。
【0034】
次に、図6と図7を参照して、本発明の光学装置の別の実施の形態について説明する。
図6に示す光学装置11、光源3、投写レンズ鏡筒13及びスクリーン102等は、図4に示す光源3、投写レンズ13、スクリーン102と同じものである。
しかし、光学装置11内に配置されたダイクロイックプリズム(光合成部材、あるいは色分離/合成素子、あるいはL字型プリズム)141が図4のダイクロイックプリズム41に代えて配置されている。図6のその他の構成要素については図4の対応する構成要素と同じであるので同じ符号を記してその説明を省略する。
【0035】
このダイクロイックプリズム141は、図6と図7に示すようにプリズム141a,141b,141cを有している。プリズム141aは、六面体のプリズムで、プリズム141bは断面3角形状の五面体のプリズムで、プリズム141cは断面3角形状の五面体のプリズムである。プリズム141aの面F1と、プリズム141bの面F1のいずれか少なくとも一方には光学薄膜41Eが形成されている。同様にしてプリズム141bの面F2とプリズム141cの面F1のいずれか少なくとも一方には光学薄膜41Fが形成されている。
【0036】
色補正用のダイクロイックフィルター2Bは、図6に示すようにコンデンサレンズ51と光変調部材である液晶表示パネル53の間に、所定角度θ1傾けて配置されている。もう一つの色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、コンデンサレンズ43と液晶表示パネル45の間に所定角度θ2傾けて配置されている。これらの図6と図7に示すダイクロイックフィルター2B,2Cは図4に示すダイクロイックフィルター2B,2Cと実質的に同じものである。
【0037】
そしてダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度θ0とダイクロイックフィルター2Bの角度θ1の関係は、角度θ1が角度θ0よりも大きく設定されている。θ0が45°でΔλDP=±4nm/1°のとき、41GのΔλDFが±4nm/1°程度の特性フィルターを用いれば、θ3=45°と設定できる。また、θ3を小さくし小型化を図ったときには、ΔλDFが±8nm/1°程度の特性のフィルターを用いればθ3=22.5°と設定できる。
【0038】
図6と図7に示す実施の形態においても、図4と図5に示す実施の形態と同様に、色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cが、光学薄膜41E,41Fにおける色むらを補正し、これによりスクリーン102に投影される画像が中心線CLを中心として画面色むらが左右対称な構成にでき、光束を絞らなくても済み画面輝度を損なうことなく明るい画像が得られる。つまり、 この場合に、スクリーン102の中心Lを中心として左右対称に色むらを形勢することができるので、従来のように画面いっぱいに形成されるランダムな色むらではないことから、画像を鑑賞するユーザが、画面輝度の明るいきれいな画像を楽しむことができる。
【0039】
図8は、本発明の光学装置が適用された表示装置の更に別の実施の形態を示している。
この実施の形態では、図4のダイクロイックプリズム41に変えて、3枚のダイクロイックミラー4a,4b,4cを用いている。
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、液晶表示パネル53とコンデンサレンズ51の間に配置されており、所定の角度θ1で傾けて配置されている。
もう一つの色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、コンデンサレンズ43と液晶表示パネル45の間において、所定角度θ2傾けて配置されている。その他の構成要素については、図4の構成要素と同様であるので同じ符号を記してその説明を省略する。
【0040】
ダイクロイックミラー4aには光学薄膜41Fが形成されており、もう一つのダイクロイックミラー4bには光学薄膜41Eが形成されている。更にダイクロイックミラー4cには、青色光Bのみを反射する光学薄膜41Jが形成されている。これらのダイクロイックミラー4a,4b,4cは、光合成部材を構成している。
色補正用ダイクロイックミラーの角度θ1とダイクロイックミラー4bの角度θ0の関係は、角度θ1が角度θ0よりも大きく設定されている。そしてダイクロイックミラー2Cの角度θ2とダイクロイックミラー4Aの角度θ3に関しては、角度θ2が角度θ3よりも大きく設定されている。
【0041】
図6及び図7の実施の形態、そして図8の実施の形態においても、図4と図5に示す実施の形態における角度の関係と同様に設定することにより、スクリーン102に投影された画像が、中心線CLを中心として画面色むらが左右対称に構成できるので、使用者は色むらが少なく感じる。つまりスクリーンの画面では左右対称に色シェーディングが起こり色むらを改善することができる。この色シェーディングとは、色度点の差異が生じる現象である。
本発明は上記実施の形態に限定されない。
【0042】
上述した実施の形態では、光変調手段として液晶表示パネルを用いているが、これに関せず他の種類の表示手段を用いることはもちろん可能である。また光源からの光を導くレンズとしては、コンデンサレンズに限らず他の種類のレンズであってももちろん構わない。光源としては、メタルハライドランプやハロゲンランプの他に、水銀及びキセノンランプ等を採用することもできる。
【0043】
また図示した表示装置は、スクリーンの背面から表示する形式のものを採用しているが、これに限らずスクリーンの前面に直接投影する方式であってももちろん構わない。表示装置の適用例としては、テレビジョンセットに限らず、コンピュータ等のような電子機器のモニタ等としても用いることができる。また、光学薄膜は、色補正用ダイクロイックフィルターの一方の面と他方の面の両方に形成してもよい。また1枚のダイクロイックフィルターでなく複数枚のダイクロイックフィルターを配置してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、画面輝度の低下を起こさずに、画面の色むらを左右対称な構成にすることで使用者が色むらを気にすることなく明るい画像を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置を備える表示装置の一例を示す斜視図。
【図2】図1の表示装置の内部構造を示す図。
【図3】図2の投影型表示装置を示す斜視図。
【図4】本発明の光学装置を備える投写型表示装置を示す図。
【図5】図4の投写型表装置における色補正用ダイクロイックフィルターとダイクロイックプリズムの例を示す図。
【図6】本発明の光学装置の別の実施の形態を備える投写型表示装置を示す図。
【図7】図6の色補正用ダイクロイックフィルターとダイクロイックプリズムを示す図。
【図8】本発明の光学装置の更に別の実施の形態を備える投写型表示装置を示す図。
【図9】従来の投写型表示装置の例を示す図。
【図10】従来の投写型表示装置のクロスプリズムの特性を示す図。
【符号の説明】
1・・・投写型表示装置、2B,2C・・・色補正用ダイクロイックフィルター、11・・・光学装置、41・・・ダイクロイックプリズム(クロスプリズム)、41A・・・第4プリズム、41B・・・第3プリズム、41C・・・第1プリズム、41D・・・第2プリズム、43,51・・・コンデンサレンズ(光学部材)45,53・・・液晶表示パネル(光変調部材)、3・・・光源、102・・・スクリーン、13・・・投写レンズ鏡筒
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示パネル等の光変調手段を含む光学装置と、この光学装置を備えるプロジェクタ装置、テレビジョン受像機、コンピュータ用のディスプレイ等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は3つの液晶表示パネルを用いた液晶プロジェクタ装置の概略図であるが、メタルハイドランプやハロゲンランプ等の光源501から出射される赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)は、ダイクロイックミラー502a,502b,502c等の光学素子によってR,G,B各色に分解する。光学薄膜を、平板部材やレンズに積層した色補正用ダイクロイックフィルター507a,507b,507cが、液晶表示パネル503a,503b,503cの前後にパネルに平行に搭載することにより、各色の均一性及び純度を高めた後に、各色に対応した液晶表示パネル503a,503b,503cに入射して光変調して3色を合成する。
【0003】
3色色合成用の合成光学素子としては大きく3つの種類があり、図9に示すような三角柱ガラスブロックを4つ組み合わせたクロスプリズム504または平板状ダイクロイックミラーを3組の組み合わせたもの、または三角柱または四角柱のガラスまたはプラスチックのブロックを3組組み合わせたL型のプリズムがある。いずれもその出力光としてカラー映像としてのRGB光を得ることができる。そして、合成されたカラー映像は投写レンズ505によりスクリーン506に投影される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように色補正用ダイクロイックミラー507a,507b,507cは液晶表示パネル503a,503b,503cと平行に配置されている、すなわちダイクロイックミラー507a,507b,507cは光軸OPに対して垂直になっている。現在、左右に色むらが発生しており、これは光変調素子である液晶表示パネルの各点に対応するクロスプリズム504色分離/合成光学素子の角度依存性と色分離/合成光学素子の光束の広がりのために、画面周辺にて画面中心の光学膜設計値と色が変わってしまうからである。そして、色むらの左右の対称性が要求されている。何故なら、色むらが画面左右で起こるよりは、画面の中心に対して左右に対称に出ている方が、人間の眼には目立たないからである。
【0005】
液晶パネルの各点に対応するクロスプリズム504のような色分離/合成光学素子の角度依存性と色分離/合成光学素子の光束の広がりを考慮し、上述したように色補正用ダイクロイックフィルター507a,507b,507cと呼ばれる光学薄膜を平板部材やレンズに積層したものを液晶表示パネルの前後にその液晶表示パネルに平行に搭載することにより、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムの角度依存性を画面状に表示させない方式が一般的である。
しかし色分離/合成光学素子の角度依存性と色分離/合成光学素子の光束の広がりをこのような色補正用ダイクロイックフィルターだけで波長制限すると有効な波長成分を大きく損ない画面輝度低下となる。
【0006】
図10(A)は、色分離/合成光学素子、特に合成光学素子であるクロスプリズム504の透過率に対する波長の関係の一例を示している。この透過率は実線で示すように半値波長付近において急激に変わり、長波長の透過率は低く、短波長の透過率は高い特性を有している。
図10(B)は、クロスプリズム504の一部を示しておりクロスプリズム504のプリズム504a,504bには、光学薄膜(光学多層膜)508が形成されている。一例として、ダイクロイックミラー502bで反射された赤色光(R)は、コンデンサーレンズ509を通り光変調素子である液晶表示パネル503aを通過してクロスプリズム504の光学薄膜508に入射する。このときに、この赤色光(R)の下辺の光束部分510が、光学薄膜508に対し形成する角度θ10は、上辺の光束部分511が光学薄膜508に対し形成する角度θ11に比べて小さい。すなわち上辺の光束部分511は、下辺の光束部分510に比べて、光学薄膜508に対して大きい角度で入射することになる。
この時に、上辺の光束部分511の場合には、光学薄膜508における図10(A)における波長依存性は、実線のラインL1の状態から破線のラインL2の状態に移動し、下辺の光束部分510の場合には、実線Lの状態から二点鎖線L3の状態に移動する。このようにして、赤色光(R)の反射率は、光学薄膜508に対して、角度依存性を有していることから、図9のようにして、スクリーン506に対してカラー像を投影すると、カラー像には画面に均一に色むらが発生してしまう。
そこで角度依存性を小さくして色むらを防ぐために、図10(B)の赤色光(R)の光束光を絞らないことで、角度θ10と角度θ11の差を小さくすることが考えられるが、このようにすると、投射レンズのFnoが小さくなりかつ口径が大きくなる。また、合成プリズムの大きさも大きくなり、コスト的に不利になる。一方、角度依存性を含めて色帯域を制限してしまうと、光変調した光量の低下を起こし、画面輝度が低下してしまう。
【0007】
そこで本発明は上記課題を解消し、画面輝度の低下を起こさずに、画面の色むらを左右対称な構成にすることで使用者が色むらを気にすることなく明るい画像見ることができる光学装置及びその光学装置を備える表示装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にあっては、光源からの光を導く光学部材と、光学部材を通った光を通すことで光変調を与えるための光変調部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有して、光変調部材により光変調後の光を合成する光合成部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間に配置されて光学部材を通った光が通ることで光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置された色補正部材と、を備えることを特徴とする光学装置により、達成される。
【0009】
本発明では、光学部材は光源からの光を導く。光変調部材は、光学部材を通った光を通すことで光束に光変調を与える。
色補正部材は、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間において光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置されている。色むらは画面の中心に関して左右対称にすることができる。そして光合成部材は、光変調部材により光変調後の光を合成するようになっている。
これにより、必要以上に波長帯域を絞る必要がなく光量を損なわずにかつ低コストに画面輝度を確保でき、画面左右の色むらが左右対称にすることで人間の目には色むらが目立たないようにすることができる。
【0010】
上記目的は、本発明にあっては、光源と、光源からの光を導く光学部材と、光学部材を通った光を通すことで光変調を与えるための光変調部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有して、光変調部材により光変調後の光を合成する光合成部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間に配置されて光学部材を通った光が通ることで光合成部材による色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置された色補正部材と、から構成される光学装置と、合成された光をスクリーンに拡大して投写する投写レンズと、を備えることを特徴とする光学装置を備える表示装置により、達成される。
【0011】
本発明では、光学部材は光源からの光を導く。光変調部材は光学部材を通った光を通すことで光変調を与える。色補正部材は、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間において光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置されている。色むらは画面の中心に関して左右対称にする。
光合成部材は、光変調部材により変調後に光を合成する。これにより、表示装置において光量を絞りつつ、低コストで必要なく光量を損なわずに画面輝度を確保しながら、画面左右の色むらが左右対称にできる。
合成された光は、投射レンズによりスクリーンに拡大して投射する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0013】
図1は、本発明の光学装置の好ましい実施の形態を有する投写型表示装置を備える投写型テレビジョンセット100を示す外観図であり、図2は、図1の投写型表示装置1を備える液晶方式の背面投写型テレビジョンセット100を示しており、液晶プロジェクタ装置ともいう。図2はテレビジョンセット100の内部構造を示している。
まずこのテレビジョンセット100の概略の構造について説明すると、図1及び図2において、テレビジョンセット100はキャビネット101、スクリーン102、ミラー103、そして投写型表示装置1を内蔵している。投写型表示装置1が光源3の光を用いて投写しようとする投写光5は、ミラー103で反射して、スクリーン102の背面104から投写するようになっている。
スクリーン102に投写された映像は、ユーザUがスクリーン102においてカラー映像あるいは白黒映像として見ることができる。
【0014】
以下の実施の形態の説明においては、スクリーン102においてカラー映像が表示できるものについて説明する。
図3と図4の投写型表示装置1は、光学装置11、光源3及び投写レンズ鏡筒13を有している。光源3と投写レンズ鏡筒13は、光学装置11の本体11aに可能に取り付けられている。
【0015】
光源3は、例えば放物面状の反射鏡3aとランプ3bを有している。このランプ3bはメタルハライドランプあるいはハロゲンランプ等を用いることができる。一方投写レンズ鏡筒13は、光学装置11から導かれる合成光(カラー画像光)13Aを、図2のスクリーン102の背面104に対してフォーカスできる機構を有している。
【0016】
次に、光学装置11の中の光学系について説明する。
光源3の近くには、フライアイレンズ21,23が配置されている。これらのフライアイレンズ21,23は、光源3から出る光LPの光軸OPに関して互いに平行に配置されている。
【0017】
フライアイレンズ21,23は、例えば長方形状の多数のレンズが平面的に集合したものであり、例えばP波の強度分布を均等化するために用いられている。
フライアイレンズ21,23を通った光Lは、赤色光(R)、緑色光(G)、そして青色光(B)を含んでいるが、次に説明する光学系により、光Lは、赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)に分割された後に、所定の光変調が与えられて、再びこれら三原色が構成されることにより、投写レンズ鏡筒13側にカラー画像光である合成光13Aを合成するようになっている。
【0018】
光軸OPに沿って、ダイクロイックミラー25,27、リレーレンズ29、ミラー31が配列されている。この光軸OPと直交する方向の別の光軸OP1に沿っては、ダイクロイックミラー25に対応してミラー37が配列されている。光軸OPに平行な光軸OP2に沿ってはミラー37、コンデンサレンズ(光学部材)51と、色補正用ダイクロイックフィルター(色補正部材)2B及び光変調部材としての液晶表示パネル53が配置されている。
【0019】
また光軸OP1と平行な光軸OP3に沿って、ダイクロイックミラー27に対応してコンデンサレンズ47と光変調部材としての液晶表示パネル49が配置されている。
光軸OP1、光軸OP3と平行な光軸OP4に沿って、ミラー31に対応してリレーレンズ33とミラー35が配置されている。そして、ミラー35を通る光軸OP5は、光軸OP2と一致しており、この光軸OP5に沿って、コンデンサレンズ(光学部材)43と別の色補正用ダイクロイックフィルター(色補正部材)2C、そして光変調部材としての液晶表示パネル45が配置されている。
【0020】
これらの液晶表示パネル53,49,45に対応して、ダイクロイックプリズム(光合成部材、又は色分離/合成光学素子、あるいはクロスプリズムとも呼ぶ)41が配置されている。このダイクロイックプリズム41に対応して投写レンズ鏡筒13が位置している。
ダイクロイックミラー25,27は、波長に応じて光を反射する光反射特性及び光を透過する光透過特性を有するミラーである。
【0021】
図4の光Lの赤色光(R)は、ダイクロイックミラー25で反射されてミラー37側に送られるとともに、光Lの緑色光(G)と青色光(B)はダイクロイックミラー25と透過して、ダイクロイックミラー27側に送られる。緑色光(G)は、このダイクロイックミラー27で反射されて、コンデンサレンズ47及び液晶表示パネル49に送られる。青色光(B)は、ダイクロイックミラー27を通過し、リレーレンズ29を通りミラー31で反射されて、そしてリレーレンズ33を通ってミラー35で反射されることにより、コンデンサレンズ43と色補正用ダイクロイックフィルター2C、液晶表示パネル45を通る。
【0022】
一方、赤色光(R)はミラー37で反射されて、コンデンサレンズ51及び、色補正用ダイクロイックフィルター2B、液晶表示パネル53を通る。
【0023】
次にダイクロイックプリズム41について簡単に説明する。ダイクロイックプリズム41は、図5に示すように4つの断面3角形状のプリズム41A,41B,41C,41Dを接着剤で貼り合わせて、立方体あるいは直方体状に形成されたプリズムである。各プリズム41A,41B,41C,41Dの1つの面F1あるいは面F2あるいはその両方に、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜41E,41F(光学多層膜)が形成されている。
これにより4つのプリズム41A乃至41Dを接着剤により接着することで、各プリズム間の界面には光学薄膜41Eと破線で示す光学薄膜41Fが形成されている。
【0024】
光学薄膜41Eが光軸OP2(OP4)に対して取る角度はθ0で示しており、光学薄膜41Fを光軸OP2(OP4)に対して取る角度はθ3で示している。これらの角度θ0,θ3は例えば45°である。尚これらの4つのプリズム41A乃至41Dは、断面で見て三角形状の光学ブロックであり、プラスチックあるいはガラスにより作ることができる。
【0025】
次に、図4と図5の色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cの構成及び機能について説明する。
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光源3からの光を導くコンデンサレンズ51と、光変調部材としての液晶表示パネル53の間に配置されている。しかもこの色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光軸OP2に対して所定の角度θ1に傾けて配置されている。同様にして色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、光源3からの光を導くコンデンサレンズ43と、光変調部材である液晶表示パネル45の間に配置されている。そして色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、光軸OP5に対して所定の角度θ2に傾けて配置されている。
【0026】
これらの色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cは、図5に例示するように、その一方の面もしくは両方の面に光学薄膜41Gと、この光学薄膜41Gが積層される光透過部材41Hからなる。その光透過部材41Hとしては、プラスチックあるいはガラスにより平板状あるいはレンズ状に作ることができる。図5の例では色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cともに光透過部材41Hの一方の面に光学薄膜41Gが形成されている。
【0027】
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光軸OP2に対して角度θ1だけ傾けて配置されている。この角度θ1は、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度θ0にくらべ同等又はそれ以上に設定されている。同様にして、色補正用ダイクロイックフィルター2Cは光軸OP5に対し角度θ2傾けて配置されている。この角度θ2は、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Fの角度θ3にくらべ同等又はそれ以上に設定されている。
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、光学薄膜41Eにより生じる画面均一の色むらを補正するフィルターであり、色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、光学薄膜41Fにより生じる画面均一の色むらを補正するフィルターである。
このように角度θ1を角度θ0にくらべ同等又はそれ以上に設定し、且つ角度θ2を角度θ3にくらべ同等又はそれ以上に設定するのは、次のような理由からである。
角度θ0とθ3は、光線ケラレを発生させず、かつ低コスト化のためにプリズムブロックを小型に作ることにより通常45°に設定される。それに対して、角度θ1,θ2はコスト的な負担が少なく、これにより角度θ1,θ2は任意な値に設定をしやすい。
一般的にプリズム内の角度θ0,θ3により生じる角度依存性はダイクロイックフィルターの角度θ1,θ2により生じる角度依存性に比べ大きい。そこで角度θ1,θ2を大きくすることでダイクロイックフィルターの角度依存性をプリズムの角度依存性に近づけることができる。
【0028】
すなわち、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性(ΔλDP)と、同等の特性を有するように、色補正用のダイクロイックフィルター2Bを所定の角度θ1の角度で傾けて配置するのである。このようにすることで、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性(ΔλDP)を、色補正用のダイクロイックフィルター2Bの角度依存性(ΔλDF)とほぼ合わせるか一致させる。つまりダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性(ΔλDP)が、色補正用ダイクロイックフィルター2Bの角度依存性(ΔλDF)とほぼ等しくなるように色補正用ダイクロイックフィルター2Bの角度θ1を設定する。具体的には、光学薄膜41Eの角度θ0が45°でΔλDP=±4nm/1°のとき、フィルター2BのΔλDF=±4nm/1°程度の特性のフィルターを用いれば、角度θ1を45°と設定する。また、θ1の角度を小さく設定するために、フィルター2BのΔλDF=±8nm/1°程度の特性のフィルターを用いれば、θ=22.5°と設定する。
【0029】
同様にして、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Fの角度依存性と同等の特性を有するように、色補正用ダイクロイックフィルター2Cの角度θ2を設定する。つまり光学薄膜41Fの角度依存性(ΔλDP)と、色補正用ダイクロイックフィルター2Cの薄膜41Gの角度依存性(ΔλDF)とほぼ合わせるか一致させるように角度θ2を選択する。角度θ3が45°でΔλDP=±4nm/1°程度のとき、フィルター2CのΔλDFが±4nm/1°程度のフィルターを用いれば、角度θ1を45°と設定する。またθ3の角度を小さく設定するためには、フィルター2CのΔλDF=±8nm/1°程度の特性のフィルターを用いればθ3=22.5°と設定する。
【0030】
このように、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度依存性に対して、ダイクロイックフィルター2Bの光学薄膜41Gの角度依存性ΔλDFをほぼ同じあるいは一致させ、且つ光学薄膜41Fの角度依存性ΔλDPと、ダイクロイックフィルター2Cの光学薄膜41Gの角度依存性ΔλDFをほぼ同じにすることにより、かつプリズムとフィルターの半値波長を合せることにより、ダイクロイックプリズム41及び投写レンズ鏡筒13を介してスクリーン102に導かれる合成光13Aが、スクリーン102における画面の中心に関して左右対称状に色シェーディングが起こる。光量を絞る必要もないので画面光量を損なうことなく画面色むらを画面において左右対称にすることができるので、図2において使用者ユーザUがスクリーン102を見ている場合において視覚的には色むらを感じにくく、高画質化を実現することができる。
【0031】
次に、図4において光源3のランプ3bが発生する光LPがスクリーン102に到達するまでの経路を簡単に説明する。
ランプ3bが発生する光LPは、フィルター15で例えばP波のみに選択されて、その光はフライアイレンズ21,23を通り均一な光Lに検出される。この光Lの赤色光Rは、ダイクロイックミラー25で反射されて、ミラー37で反射後に、コンデンサレンズ51、色補正用ダイクロイックフィルター2B及び液晶表示パネル53を通って、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eに達する。
【0032】
一方、光Lの緑色光Gと青色光Bの成分は、ダイクロイックフィルター25を通り、そのうちの緑色光Gがダイクロイックミラー27で反射されてコンデンサレンズ47、液晶表示パネル49を通りダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Fに達する。
ダイクロイックミラー27を通った青色光Bは、リレーレンズ29を通りミラー31で反射されて、リレーレンズ33を通りさらにミラー35で反射する。この青色光Bは、コンデンサレンズ43、色補正用ダイクロイックフィルター2C及び液晶表示パネル45を通って、ダイクロイックプリズム41の光学薄膜41E,41Fに達する。
【0033】
このように、ダイクロイックプリズム41に集合した赤色光R、緑色光G、青色光Bは合成されて、合成光13Aとして液晶表示パネル53,49,45が表示している画像の情報を含むようにして、投写レンズ鏡筒13の投写レンズより投写スクリーン102の背面に拡大投写される。
この場合に、スクリーン102の中心Lを中心として左右対称に色むらを形勢することができるので、従来のように画面いっぱいに形成されるランダムな色むらではないことから、画像を鑑賞するユーザが、画面輝度の明るいきれいな画像を楽しむことができる。
【0034】
次に、図6と図7を参照して、本発明の光学装置の別の実施の形態について説明する。
図6に示す光学装置11、光源3、投写レンズ鏡筒13及びスクリーン102等は、図4に示す光源3、投写レンズ13、スクリーン102と同じものである。
しかし、光学装置11内に配置されたダイクロイックプリズム(光合成部材、あるいは色分離/合成素子、あるいはL字型プリズム)141が図4のダイクロイックプリズム41に代えて配置されている。図6のその他の構成要素については図4の対応する構成要素と同じであるので同じ符号を記してその説明を省略する。
【0035】
このダイクロイックプリズム141は、図6と図7に示すようにプリズム141a,141b,141cを有している。プリズム141aは、六面体のプリズムで、プリズム141bは断面3角形状の五面体のプリズムで、プリズム141cは断面3角形状の五面体のプリズムである。プリズム141aの面F1と、プリズム141bの面F1のいずれか少なくとも一方には光学薄膜41Eが形成されている。同様にしてプリズム141bの面F2とプリズム141cの面F1のいずれか少なくとも一方には光学薄膜41Fが形成されている。
【0036】
色補正用のダイクロイックフィルター2Bは、図6に示すようにコンデンサレンズ51と光変調部材である液晶表示パネル53の間に、所定角度θ1傾けて配置されている。もう一つの色補正用ダイクロイックフィルター2Cは、コンデンサレンズ43と液晶表示パネル45の間に所定角度θ2傾けて配置されている。これらの図6と図7に示すダイクロイックフィルター2B,2Cは図4に示すダイクロイックフィルター2B,2Cと実質的に同じものである。
【0037】
そしてダイクロイックプリズム41の光学薄膜41Eの角度θ0とダイクロイックフィルター2Bの角度θ1の関係は、角度θ1が角度θ0よりも大きく設定されている。θ0が45°でΔλDP=±4nm/1°のとき、41GのΔλDFが±4nm/1°程度の特性フィルターを用いれば、θ3=45°と設定できる。また、θ3を小さくし小型化を図ったときには、ΔλDFが±8nm/1°程度の特性のフィルターを用いればθ3=22.5°と設定できる。
【0038】
図6と図7に示す実施の形態においても、図4と図5に示す実施の形態と同様に、色補正用ダイクロイックフィルター2B,2Cが、光学薄膜41E,41Fにおける色むらを補正し、これによりスクリーン102に投影される画像が中心線CLを中心として画面色むらが左右対称な構成にでき、光束を絞らなくても済み画面輝度を損なうことなく明るい画像が得られる。つまり、 この場合に、スクリーン102の中心Lを中心として左右対称に色むらを形勢することができるので、従来のように画面いっぱいに形成されるランダムな色むらではないことから、画像を鑑賞するユーザが、画面輝度の明るいきれいな画像を楽しむことができる。
【0039】
図8は、本発明の光学装置が適用された表示装置の更に別の実施の形態を示している。
この実施の形態では、図4のダイクロイックプリズム41に変えて、3枚のダイクロイックミラー4a,4b,4cを用いている。
色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、液晶表示パネル53とコンデンサレンズ51の間に配置されており、所定の角度θ1で傾けて配置されている。
もう一つの色補正用ダイクロイックフィルター2Bは、コンデンサレンズ43と液晶表示パネル45の間において、所定角度θ2傾けて配置されている。その他の構成要素については、図4の構成要素と同様であるので同じ符号を記してその説明を省略する。
【0040】
ダイクロイックミラー4aには光学薄膜41Fが形成されており、もう一つのダイクロイックミラー4bには光学薄膜41Eが形成されている。更にダイクロイックミラー4cには、青色光Bのみを反射する光学薄膜41Jが形成されている。これらのダイクロイックミラー4a,4b,4cは、光合成部材を構成している。
色補正用ダイクロイックミラーの角度θ1とダイクロイックミラー4bの角度θ0の関係は、角度θ1が角度θ0よりも大きく設定されている。そしてダイクロイックミラー2Cの角度θ2とダイクロイックミラー4Aの角度θ3に関しては、角度θ2が角度θ3よりも大きく設定されている。
【0041】
図6及び図7の実施の形態、そして図8の実施の形態においても、図4と図5に示す実施の形態における角度の関係と同様に設定することにより、スクリーン102に投影された画像が、中心線CLを中心として画面色むらが左右対称に構成できるので、使用者は色むらが少なく感じる。つまりスクリーンの画面では左右対称に色シェーディングが起こり色むらを改善することができる。この色シェーディングとは、色度点の差異が生じる現象である。
本発明は上記実施の形態に限定されない。
【0042】
上述した実施の形態では、光変調手段として液晶表示パネルを用いているが、これに関せず他の種類の表示手段を用いることはもちろん可能である。また光源からの光を導くレンズとしては、コンデンサレンズに限らず他の種類のレンズであってももちろん構わない。光源としては、メタルハライドランプやハロゲンランプの他に、水銀及びキセノンランプ等を採用することもできる。
【0043】
また図示した表示装置は、スクリーンの背面から表示する形式のものを採用しているが、これに限らずスクリーンの前面に直接投影する方式であってももちろん構わない。表示装置の適用例としては、テレビジョンセットに限らず、コンピュータ等のような電子機器のモニタ等としても用いることができる。また、光学薄膜は、色補正用ダイクロイックフィルターの一方の面と他方の面の両方に形成してもよい。また1枚のダイクロイックフィルターでなく複数枚のダイクロイックフィルターを配置してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、画面輝度の低下を起こさずに、画面の色むらを左右対称な構成にすることで使用者が色むらを気にすることなく明るい画像を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置を備える表示装置の一例を示す斜視図。
【図2】図1の表示装置の内部構造を示す図。
【図3】図2の投影型表示装置を示す斜視図。
【図4】本発明の光学装置を備える投写型表示装置を示す図。
【図5】図4の投写型表装置における色補正用ダイクロイックフィルターとダイクロイックプリズムの例を示す図。
【図6】本発明の光学装置の別の実施の形態を備える投写型表示装置を示す図。
【図7】図6の色補正用ダイクロイックフィルターとダイクロイックプリズムを示す図。
【図8】本発明の光学装置の更に別の実施の形態を備える投写型表示装置を示す図。
【図9】従来の投写型表示装置の例を示す図。
【図10】従来の投写型表示装置のクロスプリズムの特性を示す図。
【符号の説明】
1・・・投写型表示装置、2B,2C・・・色補正用ダイクロイックフィルター、11・・・光学装置、41・・・ダイクロイックプリズム(クロスプリズム)、41A・・・第4プリズム、41B・・・第3プリズム、41C・・・第1プリズム、41D・・・第2プリズム、43,51・・・コンデンサレンズ(光学部材)45,53・・・液晶表示パネル(光変調部材)、3・・・光源、102・・・スクリーン、13・・・投写レンズ鏡筒
Claims (10)
- 光源からの光を導く光学部材と、
光学部材を通った光を通すことで光変調を与えるための光変調部材と、
光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有して、光変調部材により光変調後の光を合成する光合成部材と、
光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間に配置されて光学部材を通った光が通ることで光合成部材における色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置された色補正部材と、
を備えることを特徴とする光学装置。 - 光学薄膜は、色補正部材の第1面と第2面の少なくとも一方に形成されており、色補正部材は、平板状あるいはレンズ状である請求項1に記載の光学装置。
- 光合成部材は、
断面三角形状であり、赤色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第1プリズムと、
断面三角形状であり、緑色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第2プリズムと、
断面三角形状であり、青色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第3プリズムと、
赤色光、緑色光、青色光を合成した光を導く第4プリズムと、
を貼り合わせて構成されるダイクロイックプリズムである請求項1に記載の光学装置。 - 光合成部材は、
赤色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第1ダイクロイックミラーと、
緑色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第2ダイクロイックミラーと、
青色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第3ダイクロイックミラーと、から構成されるL字型ダイクロイックプリズムである請求項1に記載の光学装置。 - 色補正部材は、プラスチック又はガラス製である請求項1に記載の光学装置。
- 光変調部材は、画像を映し出す液晶表示パネルであり、光学部材は光源用のコンデンサレンズである請求項1に記載の表示装置。
- 光源と、
光源からの光を導く光学部材と、光学部材を通った光を通すことで光変調を与えるための光変調部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有して、光変調部材により光変調後の光を合成する光合成部材と、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有し、光学部材と光変調部材の間に配置されて光学部材を通った光が通ることで光合成部材による色むらを補正するために光軸に関して傾けて配置された色補正部材と、から構成される光学装置と、
合成された光をスクリーンに拡大して投写する投写レンズと、
を備えることを特徴とする光学装置を備える表示装置。 - 光変調部材は、画像を映し出す液晶表示装置であり、光学部材は光源用のコンデンサレンズである請求項7に記載の光学装置を備える表示装置。
- 光合成部材は、
断面三角形状であり、赤色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第1プリズムと、
断面三角形状であり、緑色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第2プリズムと、
断面三角形状であり、青色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第3プリズムと、
赤色光、緑色光、青色光を合成した光を導く第4プリズムと、
を貼り合わせて構成されるダイクロイックプリズムである請求項7に記載の光学装置。 - 光合成部材は、
赤色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第1ダイクロイックミラーと、
緑色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第2ダイクロイックミラーと、
青色光が入射され、光透過特性及び光反射特性を有する光学薄膜を有する第3ダイクロイックミラーと、から構成されるL字型ダイクロイックプリズムである請求項7に記載の光学装置。
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JP31541597A JP3731325B2 (ja) | 1997-11-17 | 1997-11-17 | 光学装置及びその光学装置を備える表示装置 |
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-
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