JP3731035B2 - 遺伝子治療のための単球−マクロファージ細胞系統に由来する組換え細胞 - Google Patents
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Description
単核食細胞系の細胞は末梢血単球、それらの骨髄または血液前駆体および組織マクロファージを含んで成る。単球は骨髄で形成され、成熟後に末梢血液を通って組織に流出する。血液中に循環しているヒト単球は約3日の半減期を有する。単球は組織に到達した時、マクロファージと呼ばれる。全ての組織マクロファージの数は、約400の率で循環している単球の数をはかるに越える。マクロファージは体内のいかなる場所でも見いだされるが、特に肝臓(クッパー細胞)中、リンパ節中、肺中、腹膜中および皮膚(ランゲルハンス細胞)中に多い。組織マクロファージの正確な半減期は未知であるが、日数というよりも月数で計数されるようである。最後に、一般的な循環から単球の組織への通過は不可逆的である。
単球およびマクロファージは、急性期の免疫反応の誘導(Anonymous,Lancet ii(1985)536-537)、造血の調節(Sieff C.A.J.Clin.Invest.79(1987)1549-1557)、免疫系の活性化(Unanus E.R.Annu.Rev.Immunol.2(1984)395-428)、ならびに凝固(Pryds H.,Allison A.C.Thromb.Haemost.39(1978)582-591)、微生物および腫瘍細胞の破壊(Sharma S.D.,Remington J.S.Lymphokines 3(1981)181-212およびCarswell E.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72(1975)3666-3670)、ならびに組織修復および瘢痕形成(Korn J.H.ら、J.Clin.Invest.65(1980)543-54)を含む多くの、かつ重要な機能を有することが知られている。
以下の明細書の記載を通じて、単球−マクロファージ系統とは末梢血単球、その骨髄または血液前駆体および組織マクロファージを含んで成る単核系の系統と定義する。単球−マクロファージ系は、前駆細胞を培養することにより得られた単球、ならびに実施例に詳細に記載する条件下(Andressen R.ら、Cancer Res.50:7450;Bartholeyns Jら、Anticancer Res.11(1991)1201-1204;Lopez Mら、Journal of Immunological Methods 159(1993)29-38も参照にされたい)で単球細胞を培養した後に得られるマクロファージも含んで成る。単球−マクロファージの前駆体は、特に多能性幹細胞、骨髄性幹細胞(CFU-GEMM)、骨髄性単球幹細胞(CFU-GM)、CFU-M、単芽球および前単球を含んで成る。
現在、単球−マクロファージは、ヒトの数種の癌の治療のために養子免疫療法に使用されている。これらの細胞は患者の循環血液から精製され、ex vivoで培養され、そしてインターフェロンγで活性化されて、その分化を誘導し、そしてその殺腫瘍力を上昇させ、次に患者に再度注射される。しかし、単球−マクロファージが定期的に、かつ頻繁に抜き取られなければならないので治療は患者にとってはつらいことであり、ex vivo活性化にはかなりの時間の消費が必要で、そしてインターフェロンγは未だに高価である。このため、より効果的で、患者に害を与えず、そしてより廉価な、自由に使用できる治療法を有することが重要である。本発明はこの問題に対して、有利な取り組みを提供する。その結果、出願人は、適当なベクターを使用して遺伝子をex vivoで単球−マクロファージ細胞に移し、これによって細胞毒性および免疫系の刺激の両方の卓越した特性を、単球−マクロファージ細胞に与えることが可能であることを示した。
したがって本発明の第一の主題は、1つ以上の治療用遺伝子を、その発現を可能とする調節要素の制御下に含んで成る組換え核酸を含む単球−マクロファージ系統の細胞を含んで成る細胞組成物である。
したがって本発明は、癌のようなある種の病状の治療のために、養子免疫療法に利用できる健康かつ活性な単球−マクロファージを簡単に、かつ効果的に得ることを可能とする。また本発明は特に感染原に対する、および腫瘍細胞に対する防御、あるいは免疫系の活性化の分野において、生体の単球−マクロファージと比較して、新規の、または増強された治療特性を単球−マクロファージに与えることを可能とする。そのような細胞は、感染性(特にウイルス性)疾患、自己免疫疾患および免疫不全疾患の治療的または予防的処置に、あるいはワクチン化のために有利に使用できる。
本発明の目的に関して治療用遺伝子という用語は、その転写および適当であるならば細胞中での翻訳が治療効果を持つ生成物を生成する任意の遺伝子を言う。そのような遺伝子は、特に治療用タンパク質(インターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子等)の全部または一部、あるいはワクチンの生産または免疫系の刺激のための抗原性ペプチドを含んで成ることができ、あるいは例えばウイルス起源のタンパク質のような特別なタンパク質の発現を調節できるか、あるいは感染および/またはウイルスの複製サイクルを妨害できるアンチセンスRNAを含んで成ることもできる。
場合によって遺伝子は、該細胞系等に新規の、または増強した抗−感染性、抗癌性または免疫刺激特性を与えることができるタンパク質の全部または一部をコードする。
より好ましくは、遺伝子はインターフェロン(好ましくはガンマ)、腫瘍壊死因子(好ましくはアルファ)、インターロイキン(IL-1から-12)およびコロニー刺激因子(G-CSF、M-CSF、GM-CSF等)をコードする遺伝子、MDR(多-薬剤耐性)遺伝子、ならびに感染粒子抗原または腫瘍に特異的な抗原(例えばウイルスの表面タンパク質、すなわち特にHIVウイルスのgp160タンパク質、または上皮腫瘍の特徴であるMuc-1)をコードする遺伝子から選択される。
本発明の特定の態様においては、本発明の主題はベクター、好ましくはウイルスベクターにより組換え核酸が保持されている上記定義の細胞組成物である。本発明のベクターの使用により、特に細胞中の核酸の投与が向上し、そしてまた核酸の該細胞中での安全性を増すことが可能となり、これにより持続効果を得ることができる。さらに、数種の遺伝子を同じベクター中に導入することも可能であり、これにより治療効力も増大する。
使用するベクターは好ましくはウイルス起源であり、そして特にアデノウイルス、アデノ−伴生ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)等から選択できる。
有利には、使用するウイルスは欠陥ウイルスである。“欠陥ウイルス”という用語は、標的細胞中で複製できないウイルスを表す。したがって一般的に、本発明との関連で使用する欠陥ウイルスのゲノムは、感染した細胞中で少なくとも該ウイルスの複製に必要な配列が欠けている。これらの領域は除去(全部または一部)されるか、または非機能的にされるか、あるいは他の配列、特に組換え核酸に置き換えることができる。これにもかかわらず、好ましくは欠陥ウイルスはそのゲノム中にウイルス粒子の包膜化に必要な配列を保持している。
本発明の細胞組成物の調製に特に有利なベクターは、アデノウイルスベクターである。その結果、出願人はアデノウイルスが大変効果的に単球−マクロファージ系統の細胞を感染させ、その中で安定に維持され、そして細胞内生成物、膜生成物または分泌生成物でありうる治療用遺伝子を発現させることができることを示した。
異なる血清型のアデノウイルスが存在し、その構造および特性は幾分変化しているが、ヒトに対して、特に非免疫抑制個体に対して病原性ではない。さらにこれらのウイルスは感染した細胞のゲノムを組み込まず、そして外因DNAの大きな断片を取り込むことができる。様々な血清型の中でも、本発明との関連でアデノウイルス2型または5型(Ad2またはAd5)を使用することが好ましい。Ad5アデノウイルスの場合には、複製に必要な配列はE1AおよびE1B領域である。
本発明の関連して使用する欠陥組換えウイルスは、欠陥ウイルスと、とりわけ上記核酸配列を持つプラスミドとの間の相同組換えにより調製できる(Levreroら、Gene 101(1991)195,Graham,EMBO J.3(12)(1984)2917)。相当組換えは、該ウイルスおよび該プラスミドの適当な細胞株への同時トランスフェクション後に起こる。組換えの危険性を回避するために、好ましくは組換え状態で、使用する細胞株は好ましくは(i)該要素により形質転換されることができ、そして(ii)欠陥ウイルスのゲノムの部分を相捕することができる配列を含むべきである。欠陥組換えアデノウイルスの調製に有用な株の例として、ヒト幼胚腎臓系293(Grahamら、J.Gen.Virol.36(1977)59)を挙げることができ、これは特にそのゲノム中にAd5アデノウイルスのゲノムの左腕部を含む(12%)。
その後、操作したウイルスを分子生物学の標準的手法に従い回収し、そして精製する。
ヘテロロガスな核酸配列を取り込むアデノウイルス、HSV、CMVまたはAAVに由来するベクターの構築技術は、文献に記載され、本発明と関連して使用することができる[Akliら、Nature Genetics 3(1993)224;Stratford-Perricaudetら、Human Gene Therapy 1(1990)241;欧州特許出願公開第185 573号明細書、Lavreroら、Gene 101(1991)195;Le Gal la Salleら、Science 259(1993)988;RoemerおよびFriedmann,Eur.J.Biochem.208(1992)211;Dobsonら、Neuron 5(1990)353、Chioccaら、New Biol.2(1990)739;ミヤノハラら、New Biol.4(1992)238;国際特許出願公開第091/18088号、同第090/09441号、同第088/10311号明細書]。
単球−マクロファージ系統の細胞の感染は以下の実施例に記載するような様々な手法、使用するベクターに従い調整できる感染多重度、問題の遺伝子等に従い行うことができる。
リポソームまたはポリアミド型の化学的な非−ウイルスベクター、あるいはシリンジまたはエレクトロポレーションのような物理的な手段も使用できる。
本発明の特定の態様は、1つ以上の治療用遺伝子を、その発現を可能とする調節要素の制御下に含んで成る、欠陥組換えアデノウイルスを含む単球−マクロファージの前駆細胞を含んで成る細胞組成物である。より詳細には前駆細胞は造血系の幹および前駆細胞から選択され、そして特に多能性幹細胞、骨髄性幹細胞(CFU-GEMM)、骨髄性単球幹細胞(CFU-GM)、CFU-M、単芽球および前単球を含んで成る。
上述のように、治療用遺伝子はその発現を可能にする調節要素の制御下に配置される。これらの調節要素は一般的に、転写プロモーター配列から成る。これらの配列が単球−マクロファージ中で機能することができるとき、これらは目的とする治療用遺伝子発現の天然の原因である配列であることができる。これらの配列は異なる起源(他のタンパク質の発現の原因、または合成遺伝子でも)の配列であることもできる。特に、真核またはウイルス遺伝子のプロモーター配列であることができる。例えば、それらの配列は感染が望まれる細胞のゲノムに由来するプロモーター配列であることができる。同様に、それらの配列はベクターとして使用するアデノウイルスを含むウイルスのゲノムに由来するプロモーター配列であることができる。これと関連して、E1A、MLP、CMV、RSV等のプロモーター、遺伝子を例として挙げることができる。さらに、これらの発現配列はアクチベーター、調節物質等の配列を付加することにより修飾されることができる。したがって、調節要素として治療用遺伝子の接続的かつ高度な発現を可能にする構成的プロモーターを使用することが特に有利な場合もある(例えば、治療用遺伝子がINF-γまたはTNFα用である場合)。別の場合では、活性を制御できる調節プロモーターを使用することがさらに有利である。さらに、挿入遺伝子が発現配列を含まない場合は、欠損ウイルスゲノムのそのような配列の下流にこれを挿入することもできる。
本発明の細胞組成物は一般的に、単球、マクロファージまたはその前駆体が濃縮された細胞群を含んで成る。したがって細胞は単球、マクロファージ、その前駆体、またはそれらの様々な種類の細胞の混合物であることができる。好ましくは本発明の組成物は、80%より多い単球、マクロファージまたはその前駆体、より好ましくは90%より多くを保有する。
したがって本発明に従い、特に組換えアデノウイルスベクターを使用してex vivoで形質転換された単球−マクロファージは、医薬組成物、特に抗腫瘍、抗感染性組成物、あるいは患者の造血系、特に個体の免疫系を増強する目的の組成物を調製するための選択ツールであるように思われる。
本発明の主題は、有効成分細胞として上記の単球−マクロファージ系統の細胞を含む医薬組成物でもある。
本発明の医薬組成物は、所望する投与に関連して、腫瘍内注射等により全身的に投与することができる。さらに組成物を単独で、または他の医薬組成物と組み合わせて使用してもよい。
前記の“組み合わせて”という用語は、単球−マクロファージおよび他の医薬生成物を混合して、あるいは同時に必ず投与することを意味するものではない。またこの意味は付加効果または相乗効果を生じさせるのに、ゼロではないが十分に短い時間間隔で投与することを含む、任意の使用または投薬にまで拡大する。
特定の態様では、本発明は体内から全部の、または一部の腫瘍細胞を排除する特性をマクロファージに与えるタンパク質の全部または一部をコードする組換え核酸を含む、単球−マクロファージ系の細胞を含んで成る医薬組成物を網羅する。
上記のように、腫瘍細胞に関して細胞毒性を表す活性化されたマクロファージになるようにするためには、単核食細胞または単球をマクロファージに分化させ、そして次に主にインターフェロン ガンマ(IFN-γ)で活性化する必要がある。これまで、単球のマクロファージへの成熟化、そしてインターフェロン ガンマでの活性化はin vitroで行われ、ヒト血球アフィレーシスから採取した単球細胞から出発し、そして活性化した後、再度注射した。しかし活性化効率、および患者にとって大変つらい多回注射の必要性(少なくとも1週間に1回、したがって1回の血球アフィレーシスが弱い)の問題から、実験的な試験では満足な結果は得られなかった。
本発明は循環している単球−マクロファージまたはその前駆体から、抗腫瘍性マクロファージが濃縮された細胞群を、例えばINF-γを発現する組換えDNAで形質転換することによりex vivoで生成することを可能にする。
したがって本発明の好適な態様は、インターフェロンγ遺伝子を持つ欠陥組換えアデノウイルスを含む上記の単球−マクロファージ細胞を有効成分として含んで成る医薬組成物である。その結果、そのような細胞はインターフェロンγによるマクロファージの一定かつ永続的な刺激の結果として、養子免疫療法において増強した抗癌特性を保有する。このように、殺腫瘍性ヒトマクロファージMAK(マクロファージ活性化キラー)の均質な群を調製することが可能となる。
以前の治療と比較して、本発明の組成物の利点は、その再現性、治療経費の低下、および定期的な血球アフィレーシスの必要性を回避することにより患者に受け入れられる気楽さ、という点を挙げることができる。
さらに、マクロファージの抗腫瘍活性のメディエーターの中で、TNFα(腫瘍壊死因子)も決定的な部分の役割を果たす(Feinmanら、J.Immunol.138(1987)635-640)。TNFα(またはカケクチン)は、組織破壊、細菌エンドトキシンまたはウイルス感染に反応して、あるいは他のサイトカインに反応してマクロファージから本質的に放出されるサイトカインである(Quantin Bら、Human Gene Transfer 219(1991)271-272)。本発明に関連して大変活性な細胞群を調製するために、そのようなメディエーターを発現する組換え遺伝子を含むマクロファージをex vivo調製することも可能である。
したがって本発明の別の好適様式は、TNFαをコードする遺伝子を持つ欠陥組換えアデノウイルスを含む上記の単球−マクロファージ細胞を活性成分として含んで成る医薬組成物にある。さらに一層好ましくは、本発明の細胞は膜結合型のTNFαをコードする遺伝子を含む。この膜結合型のTNFαの発現は、養子免疫療法に使用されるとき、形質転換細胞に増強された抗癌特性を与える。さらにこの態様は、TNFの細胞外媒質への放出を回避することができ、そのような放出は極度に有害な炎症型の効果を生じ易い。
有利なことには、組換え核酸はN-末端領域のアミノ酸が欠失しているTNFαをコードし、該欠失は少なくとも3個のアミノ酸、そして多くても20個のアミノ酸、好ましくは12個のN−末端アミノ酸を網羅している。
別の態様では本発明は、免疫反応を誘導または調節することにより、ウイルス、レトロウイルス、寄生虫または細菌のような感染原による感染を予防し、または発病を治療する特性をマクロファージに与えるタンパク質の全部または一部をコードする組換え核酸を含む単球−マクロファージ株の細胞を含んで成る医薬組成物を網羅する。
この使用はマクロファージ表面での抗原提示特性の良い理由になると思われ、この抗原提示は免疫担当細胞、特にBリンパ球およびTリンパ球の免疫応答を刺激する。その結果、体内に存在する抗原はマクロファージにより取り込まれ、マクロファージが抗原を処理し、そして次にマクロファージの表面で抗原を組織適合性遺伝子複合体クラスIIの分子と混合して発現する。本発明により、一般的または特異的な免疫系の刺激のために、このマクロファージの特性を有利に開発することが可能となる。
免疫系の一般的な刺激のために、治療用遺伝子はMHCクラスII分子の生産を刺激することができる化合物を発現する組換え遺伝子であることができ、濃縮された抗原提示特性を有する本発明の細胞を生成させることができ;かつ/またはウイルスあるいは細菌の表面抗原を発現する組換え遺伝子であることができ、この種の感染に対する増強した免疫防御を誘導する本発明の細胞を生成させることができる。そのような抗原の例として、特に狂犬病ウイルス糖タンパク質を挙げることができる。
免疫系の特異的刺激には、ワクチン化の目的のためにマクロファージを明らかな抗原を調製するために使用することができる。
組換え核酸は、好ましくは上記定義の意味において欠陥であるアデノウイルスベクターにより保持されている。
また本発明の主題は、上記定義の単球−マクロファージの調製法であり、以下の:
1.単球−マクロファージまたはその前駆体を血液または骨髄から採取し、そして単離し、
2.これらの細胞を培養し、
3.これらの細胞を上記定義の組換え核酸で形質転換させ、そして適当な場合には、
4.このようにして得た細胞をパッーケージングおよび/または保存する、
工程を含んで成る。
単球−マクロファージ細胞またはその前駆体の採取および単離は、当業者に周知の技術により行うことができる。これらの様々な技術は、物理的な分離工程(遠心、細胞分離(FACS)等)、および免疫学的化合物(細胞マーカーに特異的な抗体:米国特許第4,965,204号明細書;欧州特許出願公開第17,381号、同第30,450号明細書等)、または生化学的化合物(膜レセプターリガンド;欧州特許出願公開第405,972号)等での選択を含むことができる。
単球−マクロファージに関して、これらは血液から種々の技術、特に血球アフィレーシスにより(Lopezら、J.Immunol.Methods.159(1992)29)、またはCD14、CD64またはMaxlのような単球−マクロファージ細胞の特異的マーカーに対する抗体の使用により得ることができる。またこれらは、その分化を可能とする適当な条件下で培養することにより、前駆細胞からex vivoで得ることもできる。
前駆細胞に関して、これらは特異的マーカー、例えば幹細胞:CD33、CD34;CFU-GMおよびCFU-M細胞:CD13、CD14、CD15、CD33、HLA DR;単芽球および前単球:CD13、CD14、CD15、CD33を認識する抗体により単離することもできる。本発明に関連して使用し得る技術は、当業者には周知であり、例えば欧州特許出願第451 611号明細書および国際特許出願公開第93/02182号明細書を参照にされたい。
このようにして得た細胞を次に、その保存、その増殖および/またはその分化(前駆細胞の場合)を可能にする任意の滅菌条件下で培養することができる。次に培養は、単に形質転換中の細胞を維持するために行うことができる。その結果、細胞を前駆体または単球の段階で形質転換し、そして次にそれらを患者に再度投与した後、in vivoで分化および/または活性化することが可能である。同様に、分化/活性化は、形質転換後にex vivoで行ってもよい。細胞増殖および/または細胞分化を起こさせるために、成熟細胞(単球、マクロファージ、MAK)について形質転換を行う前に培養を行なっても良い。特に、前駆体の増殖およびその単球細胞への分化は、GM-CSF、M-CSF、インターロイキンIL-3、IL-4、IL-6およびIL-11、あるいはSCFのような増殖および分化因子の存在下でex vivoで行うことができる。
単離した細胞の培養は、とりわけ血清およびアミノ酸を補充した当業者に周知の様々な培地(例えばRPMI、IMDM)中で行うことができる。培養は実施例に説明するように滅菌条件下で、好ましくは37℃で行う。培養プレート、または好ましくはテフロンバック中で行うことができる。
培養条件は単離した細胞群、所望する使用等に従い、当業者により調整されることができる。
同様に、組換え核酸による細胞の形質転換は、滅菌培地中で、核酸、単離した細胞群等に従い、当業者により調整された条件下で行われる。
核酸がアデノウイルスのようなウイルスベクターに保持されているときは、以下の実施例に記載されるように、単球−マクロファージ系の細胞の感染は様々な手法に従い、使用するベクターおよび目的の遺伝子に従い調整しうる感染多重度で行うことができる。好ましくは単球−マクロファージを、細胞あたり50-250pfuの精製ウイルスの存在下で、より好ましくは80-100pfu/細胞の存在下でインキューベーションする。形質転換条件に依存して、組換え核酸の挿入により改質された細胞の割合は、30-95%の間で変動し得る。
これにより得られた改質細胞を、次に直ぐに使用する目的でパッーケージするか、および/または後に使用する目的で保存することができる。
直ぐに再投与するために、細胞を通常、リン酸緩衝液または生理食塩水に投与あたり105から109細胞の可変濃度で懸濁する。
保存するためには、細胞を好ましくはグリセロール、DMSO等の保存剤の存在下で凍結することができる。
したがって、本発明により上記定義の細胞投与を含んで成る治療法を行うことが可能である。細胞は患者(オートロガス)から、またはドナー(同種内)に由来するものであることができる。
投与は様々な方法で行うことができる。好ましくは細胞は静脈内または腫瘍内に注射することにより投与される。さらに、全身性の注入は潅流により行うことができる。
本発明による具体的な治療法は:
1.単球−マクロファージまたはその前駆体を血液または骨髄から採取し、そして単離し、
2.これらの細胞を培養し、
3.これらの細胞を上記定義の組換え核酸で形質転換させ、そして適当な場合には、
4.このようにして得た細胞をパッーケージングおよび/または保存し、そして次に、
5.それらを患者に投与する、
ことを含んで成る。
本発明の処置は、LAK、TILまたはNK(ナチュラルキラー)での養子免疫療法における他の処置と比べて、例えば細胞により放出される毒性メディエーターが無い、活性化マクロファージの増殖が無い、細胞毒性について標的細胞に対するエフェクターの割合が他の処置よりも低いという事実、ならびにIL-2のようなサイトカインの同時注射の必要性が無いという事実、有害な副作用という多くの利点を供給する。さらに、明らかで、かつ制御された細胞群のみを感染させることが可能となり、これは多回感染(細胞あたりのウイルス粒子の数)を選択することができ、血液循環から不可逆的に組織に到達させることができ、そしてそれらの抗腫瘍または抗感染活性、ならびに上記に説明するような免疫系の刺激または調節活性の両方により、体内のマクロファージの中心的役割が良い原因となることを可能とする。さらに、マクロファージのかなり長期の生命を考慮すると、患者の処置を繰り返す障害を回避することができた。
したがって本発明は、患者に与える障害が少なく、経費が低く、かつより再現性がある、より効率的な治療の新たな可能性を与える。
さらに本発明の詳細は、以下の単球−マクロファージ系統の細胞の形質転換の可能性、ならびに培養細胞および腫瘍中にin vivo再注射された細胞の両方の中での治療用遺伝子発現の記載に与えられている。
記載する実施例は制限するものではなく、方法の可能性、および遺伝子の効力の保存、およびマクロファージ中に移された遺伝子によるタンパク質のin vitroならびにex vivoおよびin vivoの両方での発現を説明する。
図の説明
図1.この図は大腸菌(E.coli)のLacZ遺伝子を持つ、欠陥組換えアデノウイルス(Ad RSV β gal)で感染させた単球から派生したマクロファージの区分を表し、感染48時間後(図1a)、感染4日後(図1b)、そして感染16日後(図1c)である。図1d:非感染対照細胞。
図2.ヌードマウスに腫瘍内注射した後に、アデノウイルスAd RSV β galで形質転換させた単球−マクロファージ中に発現したβ−ガラクトシダーゼ活性の検出。
マウスはヒト中皮腫腫瘍細胞の皮下感染により誘発した腫瘍を表し、そしてAd RSV β galで感染させたヒト単球−マクロファージの腫瘍内注射により処置した。処置の3日後、腫瘍を摘出し、そして固定し、そしてβ−ガラクトシダーゼ活性の存在を視覚化する。
分子生物学の一般的技法
プラスミドDNAの調製的抽出、プラスミドDNAの塩化セシウム勾配遠心、アガロースおよびアクリルアミドゲル電気泳動、電気溶出によるDNA断片の精製、タンパク質のフェノールまたは−クロロホルム抽出、塩媒質中でのDNAのエタノールまたはイソプロパノール沈殿、大腸菌の形質転換等の分子生物学で古典的に使用されている方法は、当業者は周知であり、文献に豊富に記載されている[Maniatisら、“モレキュラークローニング、ア ラボラトリーマニュアル:Molecular Cloning,a Laboratory Manual”コールドスプリングハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールドスプリングハーバー、N.Y.,1982;Ausubel F.M.ら、(編集)、“分子生物学の最新の方法:Current Protocols in Molecular Biology”、ジョン ウィリー アンド サン(John Wiley & Sons)、ニューヨーク、1987]。
pBR322およびpUC型のプラスミドならびにM13シリーズのファージは、市販されているものである(ベセスダリサーチラボラトリーズ:Bethesda Research Laboratories)。
ライゲーションのために、DNA断片をその大きさに従いアガロースまたはアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、フェノールまたはフェノール−クロロホルム混合物で抽出し、エタノールで沈殿させ、そしてファージT4 DNAリガーゼ(バイオラボズ:Biolabs)の存在下で、供給元の推薦に従いインキューベーションすることができる。
5'突出末端のフィリングは、大腸菌DNAポリメラーゼI(バイオラボズ)のクレノー断片で、供給元の仕様に従い行うことができる。3'突出末端の破壊は、ファージT4 DNAポリメラーゼ(バイオラボズ)の存在下で、製造元の推薦に従い行う。5'突出末端の破壊は、S1ヌクレアーゼで制御された処理により行う。
合成オリゴヌクレオチドによるin vitro直接突然変異誘発法は、Taylorらによる方法[Nucleic Acids Res.13(1985)8749-8764]に従い、アマシャム(Amersham)により販売されているキットを使用して行うことができる。
DNA断片の酵素的増幅、いわゆるPCR[polymerase-catalysed chain reaction:ポリメラーゼ触媒連鎖反応、Saiki R.K.ら、Science 230(1985)1350-1354;Mullis K.B.およびFaloona F.A.,Meth.Enzym.155(1987)335-350]法は、“DNAサーマルサイクラー”(パーキンエルマーシータス:Perkin Elmer Cetus)を使用して、製造元の仕様に従い行うことができる。
ヌクレオチド配列の確認はSangerらにより開発された方法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74(1977)5463-5467]により、アマシャムが市販しているキャトを使用して行うことができる。
アデノウイルスを生成するために、ヒト幼胚腎臓系293を使用した(Grahamら、J.Gen.Virol.36(1977)59)。この系は特に、そのゲノム中にヒトアデノウイルスAd5のゲノムの左腕部を含む(12%)。
実施例
実施例1:単球およびマクロファージの調製
使用するマクロファージの調製法は、すでに文献に記載されている(Lopesら、1993、同上)。簡潔に述べると、単核細胞(MNC)を赤血球および顆粒球からFicoll-Hypaque(d=1.077)勾配で、Cobe 2991ブロッドプロセッサーを使用して分離し、そして次にリン酸緩衝液で3回洗浄した。MNCの一部を使用して、以下に記載する条件下で水簸により単球を調製した。MNCの他の部分を、3×10-5Mの2-メルカプトエタノール、1%の非必須アミノ酸、2mMのL-グルタミン、2mMのピルビン酸ナトリウム、mlあたり100IUのペニシリン、mlあたり100μgのストレプトマイシンおよび2%のAB血清を含有するIMDM培地(ギブコ:Gibco、仏国)中で、600mlのテフロンバッグ中で培養(mlあたり5×106)し、そして次に5%のCO2を含む湿潤環境中で37℃で7日間インキューベーションした。
次に細胞を回収し、そして単球−マクロファージを95%にまで水簸により、J5.0ローターおよび40mlの水簸チャンバーを装備したベックマン(Beckman)J6ME遠心機を使用して精製した。
実施例2:β−ガラクトシダーゼ遺伝子(Ad RSV βgal)を発現するアデノウイルスベクターによる単球およびマクロファージの感染
2.1 ベクターの調製:この実施例で使用するアデノウイルスベクターは、ベクターAd.RSV.βgalである。このベクターはその複製に必要な配列を欠いているが、それにもかかわらず、これが感染することができる細胞へ入るために必要な配列ならびにこのアデノウイルスの包膜化に必要なすべての必須配列を含んでいる。またベクターはRSVプロモーターの制御下に大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子も持っている。欠陥組換えアデノウイルスAd.RSVβgalの構築は、文献に記載されている(Stratford-Perricaudetら、J.Clin.Invest.90(1992)626)。簡潔に説明すると、アデノウイルスAd.RSVβgalは、突然変異体アデノウイルスAd-d1324(Thimmappayaら、Cell 31(1982)543)とプラスミドpAd.RSVβGal(Akliら、1993)との間のin vivo相同組換えにより得た、欠陥組換えアデノウイルスである(そのE1およびE3領域は欠失している)。
プラスミドpAd.RSVβGalは5'→3'方向に、
−ITR配列、複製起源、包膜化シグナルおよびE1Aエンハンサーを含んで成るアデノウイルスAd5の左腕末端に対応するPvu II断片、
−RSVプロモーター(ラウス肉腫ウイルス由来)の制御下にβ−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子、
−プラスミドpAd.RSVβGalとd1324との間の相同組換えを可能にするアデノウイルスAd5ゲノムの第2断片、
を含む。
酵素ClaIで直線化した後、プラスミドpAd.RSVβGalとd1324アデノウイルスを293系に、リン酸カルシウムの存在下で同時トランスフェクションを行い、相同組換えを起こさせる。このように生成した組換えアデノウイルスをプレートでの精製により選択する。単離後、組換えアデノウイルスDNAを293細胞系中で増幅させ、約1010pfu/mlの力価を有する未精製組換え欠陥アデノウイルスを含む培養上清を導く。
一般的にウイルス粒子を周知の方法に従い、塩化セシウム勾配で遠心により精製する(特にGrahamら、Virology 52(1973)456を参照にされたい)。
このアデノウイルスを単球−マクロファージの形質転換の可能性を示すために、そしてこれらの細胞中への遺伝子移入の効力を表すために使用した。
2.2 単球−マクロファージの感染:マクロファージまたは新しい単球を、細胞あたり80-100pfu(プラーク形成単位)の精製ウイルス(Ad.RSV βgal)の存在下で、完全RPMI培地(mlあたり1×106細胞)中で一晩インキューベーションした。細胞を遊離のウイルス粒子を除去するために洗浄し、次にテフロンバックまたは12-ウェルの培養プレート中で新しい完全RPMI培地中に再インキューベーションした。様々な時間で、細胞のアリコートを洗浄し、固定し、そしてβ−ガラクトシダーゼ活性の存在を試験した。
β−ガラクトシダーゼ活性は、組換えアデノウイルスで感染させた後の細胞について記載されているように(Stratford−Perricaudetら、(Hum.Gene Ther.1(1990)241)、組織化学的方法を使用して試験した。簡潔に説明すると、細胞をX-galの存在中でインキューベーションしてβ-gal活性を露出させ、これを次にβ-gal遺伝子を含む細胞中の核の青色着色の発生ならびに、ヘマトキシリンおよびエオシンでのカウンター染色により視覚化する。
実施例3:β−ガラクトシダーゼ遺伝子を持つ組換えアデノウイルスベクターで形質転換させたヒト単球から派生したヒト単球またはマクロファージ中への遺伝子移入の実証。
3.1 細胞培養中の単球−マクロファージ中のβ−ガラクトシダーゼ活性の発現
アデノウイルスベクターの遺伝子移入の効力を、精製単球およびこれらの同じ単球細胞から派生したマクロファージで試験した。血球アフィレーシスにより得た単核血液細胞を、Ficoll勾配で実施例1に記載したように分離した。MNC懸濁液の一部を水簸に供し、そしてこれにより得られた単球を感染試験に使用した(実施例2)。NMC懸濁液の第二部分を6−7日間培養し、実施例1に示すように単球をマクロファージへ分化させた。この培養期間の後、マクロファージも水簸により精製した。このように精製したマクロファージは単球より2倍大きく、そしてその表面に分化に特異的なMax1抗原を発現する。HLA-DRのCD14およびCD64も、出発の単球と比較すると有意に増大する。培養中に単球から得られたマクロファージの部分を、培養終了約18時間前および培養終了時に、250IU/mlの組換えインターフェロン ガンマを加えることによりLopezらの方法に従い(J.Immunotherapy 11(1992)209-217)活性化した。この活性化は、抗−感染性免疫療法で活性であることができる活性化マクロファージを得ることを可能にする。
培養6日後(すなわちインターフェロン ガンマでの活性化前)、または培養7日後(インターフェロン ガンマでの活性化後)のいずれかの精製単球または精製マクロファージを、細胞あたり80-100pfu(プラーク形成単位)の組換えアデノウイルスAd.RSV βgalで感染させた。
一晩感染させた後、培地を除去し、そして細胞を洗浄し、そして新しい完全培地で、テフロンバックまたは12-ウェルプレート中で再度インキューベーションする。細胞を次に固定し、そしてβ−ガラクトシダーゼ活性を、感染後の様々な時間間隔で試験した。細胞核中のβ−ガラクトシダーゼ発現は、遺伝子移入および遺伝子発現の効力を指示している。
得られた結果を図1に表す。ここではインターフェロンで処理した単球から派生したマクロファージの感染後、様々な時間でβ−ガラクトシダーゼ活性の検出を表している。同様な結果はインターフェロンガンマで活性化していない細胞から得られる。調製に応じて、40-80%のマクロファージがβ−ガラクトシダーゼ活性をその核内に、感染の2日から4日の間に発現する。β−ガラクトシダーゼの発現は感染後、最高3週間続行する(図1C)。感染多重度を増すと、組換え遺伝子を発現する細胞の割合が増大し得ると考えられる。このように、95%以上の細胞が形質転換した細胞組成物を得ることができる。
3.2 ヌードマウスを対象とした、組換えアデノウイルスで感染させた単球−マクロファージの腫瘍内注射後のβ−ガラクトシダーゼの発現
感染させた単球−マクロファージが腫瘍中in vivoで外因遺伝子を発現できるかどうかを試験する観点から、組換えアデノウイルスで感染させた単球−マクロファージをヌードマウスに誘発させた腫瘍中に注射した。
ヌードマウスを始めに、2×106のヒト中皮腫腫瘍細胞(HIB細胞)の皮下注射に供した。この注射により誘発させた腫瘍(約4mmの直径)を、次に実施例3.1で得たAd.RSVβgalで感染させたヒト単球−マクロファージの腫瘍内注射により処置した。注射用に、感染させたヒト単球−マクロファージをリン酸緩衝液に懸濁した。注射投与量はマウスあたり2×106細胞であった。処置の3日後、腫瘍を摘出し、そして固定し、β−ガラクトシダーゼの存在を視覚化する。
得られた結果を図2に表す。これらは、処置の3日後に腫瘍中にβ−ガラクトシダーゼの活性が見いだされ、そして投与した単球−マクロファージが実質的に腫瘍をコロニー化することができ、かつその中に組換え遺伝子を発現できることを明らかに表している。
実施例4:突然変異したTNFα遺伝子の、ヒト血液単球由来マクロファージ中への転移
TNFαまたはカケクチンは、組織破壊、細菌エンドトキシンおよびウイルス性疾患ならびに他のサイトカインに反応してマクロファージから本質的に放出されるサイトカインである。TNFは233アミノ酸(26kDa)のプロホルモンの状態で生産される。成熟タンパク質は157個のアミノ酸(17kDa)を含み、そして76個のアミノ酸のN-末端配列の除去を生じる。活性化された単球−マクロファージは膜TNFαを合成し、そして細胞−細胞接触(26kDaの膜TNFαの効果)により、ならびに可溶性TNFα(17kDa)の局所放出により、それらの標的に細胞毒性作用を有する。これは一部のショックが急性または慢性の単球活性化から生まれると考えられる敗血症ショック中に起こるものとは異なり、分泌状態のTNF放出を導く(Perezら、Cell 53(1990)251)。TNFαは大腸菌中でクローン化され、そして発現した時から(Pennicaら、1984)、大量に臨床試験用で利用できた。しかし、ヒトでのTNFαの治療的使用は、そのかなりの毒性および生じる副作用のために制限される(悪液質、発熱、頭痛、疲労、高血圧)。結腸直腸癌では、最近の臨床試験で抗腫瘍活性を得るために不十分な投与量でもかなりの毒性が見られることが示された(Kemenyら、1990)。
本発明は可溶性TNFαに付随する毒性を発生させずに、マクロファージの抗腫瘍力を増大させることができる。その結果、本発明は膜結合型のTNFαによりトランスフェクトさせたマクロファージを生成することが可能である。さらに、これにより得られた本発明のマクロファージは、他の大きな利点を示す;その結果、可溶性(分泌)TNFαが約20分の短いプラスマ半減期であるのに対して、本発明のマクロファージは腫瘍表面で数日間留まることができ、TNFを持つマクロファージと腫瘍細胞との間の接触から生まれる長期に持続する抗腫瘍活性の希望を与える。
このように活性化されたマクロファージは、実施例2に記載したように単球由来のマクロファージまたは単球を組換えアデノウイルスで感染させることにより得られたが、その中の治療用遺伝子は突然変異したTNFαのためのものである。
より詳細には、突然変異遺伝子を以下のように得た。膜結合型のTNFαは2つの開裂部位を有し、1つはアミノ酸-1および+1(+1位は成熟タンパク質の始を表す)の間、他方は+13領域に位置する(Perezら、1990、同上)。アミノ酸1-12の欠失は、26kDa状態の開裂を防ぐが、細胞−細胞接触ゾーンの細胞毒性は維持される。ヒトTNFαの突然変異は、直接突然変異誘発法により行われた;それらはC.Perezら、1990、同上に記載された突然変異体Δ+1、Δ-12に対応する。突然変異したTNF構造の効力は、真核(cos)細胞中での一時的発現により評価され、抗−TNF抗体を使用して膜、細胞内および分泌状態のTNFが探査され、そして生物学的活性が測定される。上記のように調製した突然変異した遺伝子を含んで成る組換えアデノウイルスを、次に構築し、そして合成されたTNFの生物学的活性を以下の事柄に関して監視する:(a)寒天中の細胞溶解ゾーン法によりL929系に関して、この技術は細胞−細胞接触に依存する溶解を表す方法である、ならびに(b)培養中のU937(ヒトリンパ腫由来の組織球細胞)、K 562(慢性骨髄性白血病に由来する細胞)、およびLS 174T(結腸腺癌)細胞へのトリチル化チミジンの取り込み阻害、ならびに白血病患者から採取された芽細胞について。in vivoの抗腫瘍活性を、次に動物モデルで試験し、そしてヒトの腫瘍をヌードマウスに移植し、そしてこれらのマウスを、上記の実施例3に記載したように、修飾したTNFα遺伝子でトランスフェクトしたマクロファージの全身性注入により処置することを構成する。抗腫瘍効果を、プラセボまたは非トランスフェクトマクロファージで処理した対照マウスと比較して評価する。
実施例5:単球またはインターフェロン ガンマ遺伝子を含む組換えアデノウイルスで形質転換した単球から派生したマクロファージ、ならびにマクロファージに増強した抗腫瘍活性を与えること
インターフェロン ガンマ遺伝子を上記のアデノウイルスベクターに導入し、そして組換えアデノウイルスを単球または単球から派生したマクロファージの細胞を形質転換するために使用した。
上記実施例1に記載したように、RPMI培地中で分化した後に得られたマクロファージはインターフェロン ガンマを構成的に発現し、したがってもはや必要な細胞毒性および抗腫瘍効果を得るためにマクロファージを18から24時間処理する必要は無い。このように構成的にインターフェロン ガンマを発現するマクロファージを、全身性注入により、または腫瘍に直接注射することにより、養子免疫療法に使用することができる。
Claims (20)
- 1つ以上の治療用遺伝子をその発現を可能とする調節要素の制御下に含んで成る、複製欠陥組換えアデノウイルスベクターによって担持される組換え核酸を含む、単球−マクロファージ系統の分化した細胞を含んで成る細胞組成物。
- 1つの治療用遺伝子または複数の治療用遺伝子が、新規な、また増強された抗感染性、抗癌性または免疫刺激特性を細胞に与えることができるタンパク質の全部または一部をコードすることを特長とする、請求項1に記載の細胞組成物。
- 遺伝子がインターフェロン、腫瘍壊死因子、インターロイキンおよびコロニー刺激因子(G−CSF、M−CSF、GM−CSF等)をコードする遺伝子、MDR遺伝子、ならびに感染性粒子の抗原または腫瘍に特異的な抗原をコードする遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の細胞組成物。
- ウイルスベクターが複製欠陥組換えウイルスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞組成物。
- 1つ以上の治療用遺伝子をその発現を可能とする調節要素の制御下に含んで成る複製欠陥組換えアデノウイルスを含む、単球−マクロファージの前駆細胞。
- 造血系の幹および祖先細胞から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の前駆細胞。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の1つ以上の細胞組成物を有効成分として含んで成る、医薬組成物。
- 体内から腫瘍細胞の全部または一部を排除する特性をマクロファージに与えるタンパク質の全部または一部をコードする組換え核酸を含む単球−マクロファージ系の細胞を含んで成る、請求項7に記載の医薬組成物。
- 遺伝子がインターフェロン−γ遺伝子および腫瘍壊死因子アルファ遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の医薬組成物。
- INF−γ遺伝子を持つ複製欠陥組換えアデノウイルスを含む単球−マクロファージ系統の細胞を含んで成る、請求項7に記載の医薬組成物。
- TNFα遺伝子を持つ複製欠陥組換えアデノウイルスを含む単球−マクロファージ系統の細胞を含んで成る、請求項7に記載の医薬組成物。
- 複製欠陥組換えアデノウイルスが膜結合型のTNFαをコードする遺伝子を持つことを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
- ウイルス、レトロウイルス、寄生虫または細菌のような感染原による感染の予防または発病を治療する特性をマクロファージに与えるタンパク質の全部または一部をコードする組換え核酸を含む、単球−マクロファージ系統の細胞を含んで成る、請求項7に記載の医薬組成物。
- 組換え核酸がウイルスまたは細菌の表面抗原をコードすることを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
- GP160タンパク質の全部または一部のようなHIVウイルスの表面抗原を発現する複製欠陥組換えアデノウイルスを含む単球−マクロファージ系統の細胞を含んで成る、請求項7に記載の医薬組成物。
- 注入可能な状態であることを特徴とする、請求項7〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 静脈または腫瘍内注射を目的とする、請求項16に記載の医薬組成物。
- 潅流を目的として配合された、請求項16に記載の医薬組成物。
- 投与量あたり105−109細胞を含んで成ることを特徴とする、請求項7〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の単球−マクロファージの調製法であって、
−血液または骨髄から単球−マクロファージまたはその前駆体を取り出し、そして単離し、
−これらの細胞を培養し、
−これらの細胞を複製欠陥組換えアデノウイルスベクターによって担持される組換え核酸で形質転換させ、そして適当な場合には、
−得られた細胞をパッケージングおよび/または保存する、
工程を行うことを特徴とする上記方法。
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