JP3730709B2 - 微細ごみ除去装置の運転制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細ごみ除去装置の運転制御方法、特に水位の変化に応じて細塵除塵機のレーキ速度を制御して、スクリーンにて捕捉されるごみの層厚を一定に保って微細ごみをも捕捉し、除去するようにした微細ごみ除去装置の運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水処理場においては処理場に流入してくるごみを裏掻式微細目バースクリーンにて捕捉し、レーキの運行にて掻き揚げ除去している。この微細目バースクリーンは製作上、目幅は5mm乃至1.5mm程度が限界で、それ以上目幅を小さくすることは不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の微細ごみ除去装置の運転制御方法には、微細目バースクリーンの目幅が1.5mmが限界で、これに使用されるレーキも薄くすると変形するため、1mm程度が限界となる。このため従来の微細目バースクリーンでは毛髪、糸くず、細紐等の細長いごみはバースクリーンの目より抜け下流方向へ流下して捕捉できないことがしばしばある。しかも下水処理が小規模化するとポンプも小型化される。しかしごみの大きさは下水処理量に必ずしも比例するものではないため、微細目バースクリーンから流下した毛髪等の微細ごみによって後段に配設しているポンプが詰まるという問題点があった。
本発明は、上記従来の微細ごみ除去装置の運転制御方法の有する問題点を解決し、水位変化を検知してレーキの駆動速度を制御することによりスクリーンにて捕捉されるごみ層厚を一定にし、このごみ層にてスクリーン目より流下しやすい毛髪等の微細ごみも確実に捕捉し除去するようにした微細ごみ除去装置の運転制御方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法は、処理槽と、処理槽内に設置した細塵除塵機と、この処理槽内で細塵除塵機の上流側に配置し流入管より処理槽内に流入する汚水を整流する整流板と、レーキ速度の運転を制御するための水位計とからなる微細ごみ除去装置の運転制御方法であって、スクリーンに捕捉されるごみの層厚を一定に保つように、水位計により検知した水位に基づいて、水位が低水位として検知されたとき、水位が高水位として検知されたときと比較して、細塵除塵機のレーキ速度を低速で運転制御することを特徴とする。
【0005】
上記の構成からなる本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法においては、水位の変動を検知して水位に応じて細塵除塵機のレーキ速度を制御し、スクリーンの前段に設けた整流板にてスクリーン部での乱流が防止でき、これによりスクリーンによるごみの捕捉を確実にとし、かつスクリーンにて捕捉されるごみの層厚を一定に保つようにしているので、この捕捉されたごみ層がスクリーンの目幅を小とする作用によって、スクリーン目幅よりも小でスクリーン目から流出する毛髪等の細塵でもこのごみ層にて捕捉されるので、細塵の捕捉、除去が確実に行える。
【0006】
この場合において、処理槽内の細塵除塵機の下流側に堰板を配設することができる。
【0007】
上記の構成からなる本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法においては、堰板により水路内の水位を予め定めた水位以上に保持し、スクリーンの通水面積を増加させているので、スクリーン通過流速を低下させることができ、バースクリーンによる毛髪などのごみの捕捉率を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図において1は処理能力に応じて設定する所要の形状と容積を備えた処理槽で、この処理槽1の一端側に流入管2を配設し、流入管2を経て処理槽内に汚水または下水を流入するようにすると共に、処理槽の他端側には出口3を設けて除塵後の処理水を処理槽より流出するようにする。
【0010】
また、この処理槽1内には槽内水路幅方向に細塵除塵機4を配設する。この細塵除塵機4は、処理槽内の水路を遮るようにして配設する所要の目幅を備えたスクリーン41と、このスクリーン41に沿って駆動され、スクリーン41にて捕捉されたごみを掻き揚げ除去するレーキ装置42とより構成される。
【0011】
そしてこの細塵除塵機4と流入管2との間には整流板5を配置する。この整流板5は図1(B)に詳示するように多数の穿孔を施し、流入管を経て流入する汚水は整流板と処理槽上流側端壁面との間に形成される流入層内の汚水を整流して、即ち水路の全域において均一な層流となるようにするとともに、スクリーン部での乱流を防止するものである。
【0012】
さらに整流板5と細塵除塵機4との間には水位計6を設置する。この水位計6は処理槽内の細塵除塵機の上流側水位を高水位、中水位、低水位の水位変化を検出できるように配設され、この水位計の水位変化に応じて前記細塵除塵機のレーキ速度を制御するようにする。
【0013】
整流板5は流入管より流入する汚水が整流されて細塵除塵機側に流下するように設定最高水位とほぼ同じか若しくはそれ以上の高さを有し、多数の孔5Hが穿孔され、この整流板の下流域に水位計が設置される。この水位計は予め設定された最高水位を検出する最高水位検出センサ6H、予め設定された中間水位を検出する中間水位検出センサ6M、そして予め設定された運転可能な最低水位を検出する最低水位検出センサ6Lとを備えるものである。
【0014】
スクリーン41は製作可能な目幅を有するバースクリーンで水路内に、かつ水面に対して予め定めた角度にて配設される。そしてこの細塵除塵機の下流側に配設される堰板7は、細塵除塵機位置の水位が細塵除塵機の運転可能な最低水位以上の水位を保つようにしてその高さを定め、これは一般に整流板より低いものである。この堰板7の設置によりスクリーンの通水面積を増加させることができ、さらにスクリーンの通水流速を低下させて毛髪などのごみの捕捉率を向上させるものである。
【0015】
さらに、処理槽1内に設置された水位計6は、図示省略したが制御回路に接続され、この制御回路にて細塵除塵機のレーキ装置の駆動速度を制御するものである。
【0016】
次に、本発明微細ごみ除去装置の運転制御方法の動作を説明する。
流入管2を経て処理槽1内に流入した汚水は整流板5を通過する際、この汚水中に混入している大型のごみは整流板にて流下を阻止され整流板と流入管との間の処理槽内に一時的に貯留され、適当なときに掻き上げ排出されるとともに、この大型のごみを取り除いた比較的小さな木片、汚物、その他のごみは汚水とともに整流板の孔から流下して細塵除塵機4に達する。この場合、流水は整流板の作用にて整流されており、細塵除塵機のスクリーンに達するときは水路のほぼ全幅にわたって均一な流れとなっている。そして汚水中の木片、汚物、その他のごみはスクリーン41にて捕捉され、レーキ装置42にて掻き上げられ、ごみ籠8内に排出される。
【0017】
然し、毛髪、糸くずなどの細長いごみはバースクリーンの目から流出する。このスクリーン目から流出した毛髪等の細塵を除去するため、上記レーキ装置の駆動を制御する。即ち処理槽内に流入した汚水中のごみが、バースクリーン41に捕捉され、この捕捉ごみ厚さが予め定めた適度な厚さのごみ層となるまでスクリーン面に堆積させる。この捕捉ごみ層厚が一定値に達するまで、レーキ装置は停止、或いは超低速運転をする。この時レーキ装置の運転速度とバースクリーン面に捕捉されるごみ層厚Gとの関係を図3に示す。図3(A)はレーキ速度を速くした状態を示し、バースクリーン面に捕捉されるごみ層厚G1は薄いものとなっているが、図3(B)はレーキ速度を遅くした状態を示し、バースクリーン面に捕捉されるごみ層厚G2は厚いものとなっている。
【0018】
また、レーキ装置の駆動速度を水位計にて検出した水位値にて制御するが、これは図4に示すように水位計にて検出した検出値を制御回路10を介してインバータ11に印加してレーキ駆動用のモータ43を制御して行う。この時の処理槽内に流入する水位の変化とバースクリーンに付着するごみ層厚との関係を図5に示す。
【0019】
この図5からも判るようにスクリーン面にてごみが捕捉されると、その捕捉量に応じて水位が上昇する。その水位が最低水位検出センサ6Lにて最低水位として検知されると、図6に示すようにレーキ装置は予め設定された低速で一定時間運転される。この毛髪等の除去に必要なスクリーン面に堆積するごみの層厚と水路内の水位上昇との関係は予め調査して設定しておくものとする。このようにしてレーキ駆動速度の制御にて水位が変化しつつバースクリーン面には予め定めた厚さのごみ層を形成し、このごみ層Gを微細目スクリーンとして利用してバースクリーン目から流出せんとする毛髪等の微細なごみもこの捕捉ごみ層にて捕捉するものである。
【0020】
図7に示す第2実施例は、処理槽内の堰板を省いたもので、他の構成は図1に示す実施例と同じであるため、その詳細説明は省略する。
【0021】
【発明の効果】
本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法によれば、水位の変動を検知して水位に応じて細塵除塵機のレーキ速度を制御し、スクリーンの前段に設けた整流板にてスクリーン部での乱流が防止でき、これによりスクリーンによるごみの捕捉を確実にし、かつスクリーンにて捕捉されるごみの層厚を一定に保つようにしているので、この捕捉されたごみ層がスクリーンの目幅を小とする作用によって、スクリーン目幅よりも小でスクリーン目から流出する毛髪等の細塵でもこのごみ層にて捕捉されるので、細塵の捕捉、除去が確実に行えるとともに、スクリーン、レーキの加工が簡易に行える利点がある。
【0022】
上記の構成からなる本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法においては、堰板により水路内の水位を予め定めた水位以上に保持し、スクリーンの通水面積を増加させているので、スクリーン通過流速を低下させることができ、バースクリーンによる毛髪などのごみの捕捉率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法の第1実施例を示し、(A)は縦断正面図、(B)はその側面図である。
【図2】 本発明の微細ごみ除去装置の運転制御方法の平面図である。
【図3】 レーキ装置駆動速度によるバースクリーン面に捕捉されるごみ量の変化を示す説明図である。
【図4】 制御回路のブロック説明図である。
【図5】 水位とごみの付着量との関係を示す説明図である。
【図6】 レーキ速度と水位との関係を示す説明図である。
【図7】 本発明の第2実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 流入管
3 流出口
4 細塵除塵機
41 スクリーン
42 レーキ装置
5 整流板
6 水位計
7 堰板
8 ごみ籠
Claims (2)
- 処理槽と、処理槽内に設置した細塵除塵機と、この処理槽内で細塵除塵機の上流側に配置し流入管より処理槽内に流入する汚水を整流する整流板と、レーキ速度の運転を制御するための水位計とからなる微細ごみ除去装置の運転制御方法であって、スクリーンに捕捉されるごみの層厚を一定に保つように、水位計により検知した水位に基づいて、水位が低水位として検知されたとき、水位が高水位として検知されたときと比較して、細塵除塵機のレーキ速度を低速で運転制御することを特徴とする微細ごみ除去装置の運転制御方法。
- 処理槽内の細塵除塵機の下流側に堰板を配設したことを特徴とする請求項1記載の微細ごみ除去装置の運転制御方法。
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JPH09302644A JPH09302644A (ja) | 1997-11-25 |
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