JP4766460B2 - 廃水処理装置における固液分離装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術】
本発明は、廃水処理装置における固液分離装置である。発明の詳細を図１に示す。固液分離装置は上向流式傾斜板付沈殿池を示す。その固液分離装置は、沈殿池（１）、整流壁（２）、阻流壁（３）、上向流式傾斜板（４）、前段集水トラフ（５）、後段集水トラフ（６）、汚泥掻寄機（７）汚泥ホッパー（８）、流量制卸装置（１０）、スカムスキマー（１１）、により構成される。
沈殿池（１）の断面を図１に示す。沈殿池（１）の長さ方向Ｌは、図１に示す通り、流れ方向に対して、阻流壁（３）により沈殿池（１）は、上向流傾斜板（４）が無い前段のＡ部と上向流傾斜板（４）を有する後段のＢ部とに分割される。又、阻流壁（３）は上向流傾斜板（４）の最前面に設置し、前段Ａ部の水が後段のＢ部へ流入する時、前段Ａ部の水が上向流傾斜板（４）を通過せず、後段のＢ部の水面に流出する事を防止し、上向流傾斜板（４）の下部より流入する事を可能にする。前段のＡ部には、Ａ部で処理された上澄水を取水する為の前段集水トラフ（５）が設置されている。前段集水トラフ（５）は沈殿池（１）の前段Ａ部の水面、沈殿池（１）流れ方向に対し直角又は平行方向に設置される。前段集水トラフ（５）はスカムスキマー（１１）の後部が望ましい。後段のＢ部には上向流式傾斜板（４）と上向流式傾斜（４）の処理水を取水する為の後段集水トラフ（６）が設置されている。後段集水トラフ（６）は上向流式傾斜（４）の上部の水面に設置され上向流式傾斜板（４）の通過水を取水する。
流入水Ｑは、整流壁（２）より沈殿池（１）の前段のＡ部へ流入する。Ａ部へ流入した流入水Ｑの一部は、前段集水トラフ（５）より上澄水流出量Ｑ _１ として流出する。流入水に含まれる沈殿物は沈殿池（１）の前段のＡ部の池底に沈殿する。
又、Ａ部へ流入した流入水Ｑの一部は沈殿池（１）の後段のＢ部の上向流傾斜板（４）の下部へ阻流壁（３）の下部より流入し、上向流傾斜板（４）を経て、沈殿池（１）の後段集水トラフ（６）より上澄水流出量Ｑ _２ として流出する。流入水に含まれる沈殿物は上向流傾斜板（４）上に沈殿し上向流傾斜板（４）よりずれ落ち、沈殿池（１）の後段のＢ部の池底へ沈殿する。
又、前段集水トラフ（５）と、後段集水トラフ（６）の出口側には弁、堰、水位差、を使用した流量制御装置（１０）を設置して、前段部と、後段部の流出量が変更出来る。
流出量の変更は出口に設置した弁の開度、前段集水トラフ（５）と後段集水トラフ（６）に設置した堰の高さと幅、沈殿池（１）の前段のＡ部と後段のＢ部の水位差、を変化させる事により可能と成る。
主たる沈殿物は沈殿池（１）の前段Ａ部て沈殿するその後、残りの沈殿物はＢ部に設置した上向流式傾斜（４）で沈殿する。沈殿池（１）の池底に沈殿した汚泥は汚泥掻機寄（７）にて汚泥ホッパー（８）へ集泥され沈殿池（１）の外へ排泥される。
この時
Ｑ ：沈殿池（１）流入水量
Ｑ_１：前段集水トラフ（５）上澄水流出量
Ｑ_２：後段集水トラフ（６）上澄水流出量
Ｓ_１：沈殿池（１）Ａ部の池表面積
Ｓ_２：沈殿池（１）Ｂ部の上向流式傾斜板（４）有効沈殿面積 とすると
Ｑ＝Ｑ_１＋Ｑ_２ Ｑ_１／Ｓ_１＝Ｑ_２／Ｓ_２
となる様にＢ部の上向流式傾斜板等の沈降装置（４）の有効沈降面積を決定すると、沈殿池（１）は、前段、後段共、均一の負荷で運転されたことになる。又、Ｑ_１、Ｑ_２ を変更する事により、沈殿池（１）の前段と後段の負荷を変更出来ることになる。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術を図２に示す。従来の技術は分割した沈殿池（１）の前段部で固液分離した上澄水の取水をせず、全量上向流式傾斜板（４）の出口に設置した後段集水トラフ（６）より流出する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、分割した沈殿池（１）の前段部で固液分離した上澄水の取水を行っていない。従って沈殿池（１）の前段部に上澄水取出用の前段集水トラフ（５）は無い。その為、沈殿池（１）流入水の全量が上向流式傾斜板（４）を通過するので、沈殿池（１）の前段が有効利用出来ない。
特に既設の沈殿池（１）に上向流式傾斜板（４）を設置すると、沈殿池（１）流入水は沈殿池（１）の前段に前段集水トラフ（５）が無いので、全量上向流式傾斜板（４）を通過して後段集水トラフ（６）に流入した。従って、上向流式傾斜板（４）の通過容量は処理水の全量を通過出来る容量が必要となり上向流式傾斜板（４）の負荷が低下せず設置量を少なくする事が出来なかった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前段のＡ部と、上向流式傾斜板（４）を設置した後段のＢ部、に分割した沈殿池（１）の前段のＡ部に、前段集水トラフ（５）を設置した。
【０００５】
【発明の実施形態】
次に本発明の実施形態について説明する
第Ｉ例
図１にその実施したときの状態を示す。図１は沈殿池（１）の断面を示している。
第２例
前段集水トラフ（５）を潜り方式にした場合の実施例を図３に示す。図３は沈殿池（１）の断面を示している。
第３例
平面的に前段集水トラフ（５）を上向流式傾斜板（４）の後段に配置した場合の例を図４に示す．
この場合沈殿池（１）の前段上澄水は、阻流壁（３）の側面、又は、上向流式傾斜板（４）の下部のいずれか、又は、両方の部分を通過して前段集水トラフ（５）に取水される事になる。
図４は沈殿池（１）の平面図を示している。
第４例
前段集水トラフ（５）の出口を、後段集水トラフ（６）とした場合の実施例を図５に示す。図５は沈殿池（１）平面図を示している。
【０００６】
【発明の効果】
前段の沈殿部に設置した前段集水トラフ（５）で上澄水を除去する。その後、残りの水量が、後段の沈殿池（１）に設置した上向流式傾斜板（４）へ流入するので、上向流式傾斜板（４）の水量負荷を小さく出来る。又、流量制御装置（１０）により沈殿池（１）の前段と後段の負荷を変更出来るので、沈殿池（１）の効率的な運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態…沈殿池（１）の断面図
【図２】従来技術…沈殿池（１）の断面図
【図３】前段集水トラフ（５）を潜り方式にした場合の沈殿池（１）の断面図
【図４】前段集水トラフ（５）の平面的配置を後段集水トラフ（６）の後ろに設置した場合の実施例であり沈殿池（１）の平面図を示す。
【図５】前段集水トラフ（５）の出口を後段集水トラフ（６）に直接接続設置した場合の実施例であり沈殿池（１）の平面図を示す。
【符号の説明】
（１）は沈殿池 （２）は整流壁 （３）は阻流壁 （４）は上向流式傾斜板
（５）は前段集水トラフ （６）は後段集水トラフ （７）は汚泥掻寄機
（８）は汚泥ホッパー （１０）は流量制御装置 （１１）はスカムスキマー

Claims (2)

1. 廃水処理装置における沈殿池（１）、阻流壁（３）、上向流式傾斜板（４）、前段集水トラフ（５）、後段集水トラフ（６）、を有する固液分離装置であって、沈殿池（１）を傾斜板が無い前段沈殿池と上向流傾斜板（４）が有る後段沈殿池とに阻流壁（３）で分割し、前段沈殿池の原水は阻流壁（３）により上向流傾斜板（４）の下部へ導かれるものであり、前段沈殿池には、前段沈殿池で固液分離した上澄水の一部が流出する前段トラフ（５）を設置し、後段沈殿池にも傾斜板を通過した上澄水が流出する後段トラフ（６）を設置した、固液分離装置。
2. 請求項１の固液分離装置において、前段集水トラフ（５）と、後段集水トラフ（６）、よりの上澄水量を可変する為、前段集水トラフ（５）と、後段集水トラフ（６）、のトラフ内水位を調節できる弁、堰の流量制御装置（１０）を前段集水トラフ（５）と、後段集水トラフ（６）、の末端以降に設置した、固液分離装置。

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