JP3730394B2 - 高耐圧半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐圧半導体装置に係わり、特にSOI基板を用いた高耐圧半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高耐圧半導体素子と、その駆動回路や保護回路などの周辺回路とを1つの基板に集積形成したいわゆるパワーICは、汎用インバータ、車載用IC、表示装置用ドライバなどのパワーエレクトロニクス分野での利用が期待されている。パワーICの作製に用いる基板としては、素子間の絶縁分離が容易なSOI(Silicon On Insulator)基板が便利である。
【0003】
図12に、従来のSOI基板に形成した横形高耐圧ダイオードの平面図を示す。また、図13に、図12のZ−Z線に沿った断面図を示す。図12、13において、81は第1のシリコン基板を示しており、この第1のシリコン基板81上にはSiO2 膜82を介してn型の第2のシリコン基板83が設けられている。
【0004】
これらのシリコン基板81、SiO2 膜82およびシリコン基板83は、SOI基板を構成している。このSOI基板は、例えば、張り合わせ法やSIMOX(Separation by IMplanted OXygen)法などの方法を用いて形成される。
【0005】
n型の第2のシリコン基板(以下、n型ドリフト層という)83の表面には、高不純物濃度のp型アノード層84およびn型カソード層85がそれぞれ選択的に形成されている。
【0006】
n型ドリフト層83上には層間絶縁膜86が形成され、この層間絶縁膜86に形成されたコンタクトホールを介してアノード電極87、カソード電極88がそれぞれp型アノード層84、n型カソード層85にコンタクトしている。
【0007】
また、p型アノード層84とn型カソード層85との間のn型ドリフト層83の表面にはLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)膜89が選択的に形成されており、その分、カソード電極88の引き出し電極部88a下の絶縁膜が厚くなり、耐圧の改善が図られている。
【0008】
しかしながら、この種の横型高耐圧ダイオードには、以下のような問題があった。
すなわち、必要な耐圧を確保するために、n型ドリフト層83を厚くする必要があり、しかもn型ドリフト層83の不純物濃度は一般に低いので、オン抵抗が高くなる。
【0009】
また、このような素子では、逆バイアス電圧の印加時に、p型アノード層84側の方がn型カソード層85側よりも電位が低くなる電位勾配が、n型ドリフト層83の表面(素子表面)に形成される。このため、微細化のために横方向の寸法を小さくすると、上記電位勾配が大きくなり、素子表面での耐圧が低下する。
【0010】
このため、耐圧の低下およびオン抵抗の増加を防止でき、かつ素子表面の横方向寸法の増加させることなく耐圧の劣化を防止できる高耐圧半導体装置の実現が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来のSOI基板に形成した高耐圧ダイオード(横形高耐圧ダイオード)は、耐圧を確保するために高抵抗のn型ドリフト層を厚くする必要があり、オン抵抗が高いという問題があった。また、微細化のために横方向寸法を小さくすると、素子表面での耐圧が低下するという問題があった。
【0012】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、耐圧の低下およびオン抵抗の増加を防止でき、かつ素子表面の横方向寸法の増加および耐圧の劣化を防止できるSOI基板を用いた高耐圧半導体装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る高耐圧半導体装置(請求項1)は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半絶縁性の高抵抗膜と、前記高抵抗膜上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の表面に形成された第2導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層の表面に前記第2の半導体層と離れて形成され、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第3の半導体層と、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とで挟まれた領域の前記第1の半導体層の表面に形成され、前記第2の半導体層より低い不純物濃度を有する第2導電型のリサーフ層とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他の高耐圧半導体装置(請求項2)は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半絶縁性の高抵抗膜と、前記高抵抗膜上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の表面に形成された第2導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層の表面に前記第2の半導体層と離れて形成され、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第3の半導体層と、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とで挟まれた領域の前記第1の半導体層の表面に形成され、前記第2の半導体層より低い不純物濃度を有する第2導電型のリサーフ層と、前記第2の半導体層の表面に形成された、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第4の半導体層と、前記第4の半導体層と前記第1の半導体層とで挟まれた領域の前記第2の半導体層上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極とを具備することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る他の高耐圧半導体装置(請求項3)は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半絶縁性の高抵抗膜と、前記高抵抗膜上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の表面に形成された第2導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層の表面に前記第2の半導体層と離れて形成され、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第3の半導体層と、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とで挟まれた領域の前記第1の半導体層の表面に形成され、前記第2の半導体層より低い不純物濃度を有する第2導電型のリサーフ層と、前記第2の半導体層の表面に形成された、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第4の半導体層と、前記第4の半導体層と前記第1の半導体層とで挟まれた領域の前記第2の半導体層上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記第1の半導体層の、前記第2および前記第3の半導体層が形成される領域以外の領域に、トレンチにより絶縁分離されて形成された、少なくとも1つの半導体素子が形成される半導体素子形成領域とを具備することを特徴とする。
【0016】
上記の高耐圧半導体装置において、前記リサーフ層は、前記第2の半導体層側の前記不純物濃度が前記第3の半導体層側のそれよりも高い濃度勾配を有することを特徴とする(請求項4)。
【0017】
また、前記リサーフ層が、前記第3の半導体層を取り囲むように形成されていることを特徴とする(請求項5)。
また、前記リサーフ層の不純物濃度が、前記第3の半導体層から前記第2の半導体層に向けて離れるに従って高くなることを特徴とする(請求項6)。
【0018】
また、本発明の高耐圧装置は、前記第3の半導体層に接続され、前記第1の半導体層上の1方向に延在する引き出し電極を更に有し、前記第2の半導体層は、前記第3の半導体層を囲むようにC字型に形成され、前記C字型の開口部より、前記引き出し電極が前記第2の半導体層より遠い位置まで引き出されていることを特徴とする。
【0019】
あるいは、前記第3の半導体層に接続され、前記第1の半導体層上の1方向に延在する引き出し電極を更に有し、前記第2の半導体層は、前記第3の半導体層を囲むようにC字型に形成され、前記C字型の開口部より、前記引き出し電極が前記第2の半導体層より遠い位置まで引き出され、前記半導体素子形成領域の前記半導体素子に接続されるようにしてもよい。
【0020】
さらに、本発明の高耐圧半導体装置は、前記第1の半導体層上に形成された絶縁膜を更に有し、前記絶縁膜は前記引き出し電極の少なくとも一部の下が、その他の部分よりも厚く形成されていることを特徴とする(請求項9)。
【0021】
本発明によれば、高抵抗の第1の半導体層の底部に半絶縁性の高抵抗膜が設けられているので、第1の半導体層に印加される電圧を、高抵抗膜に効果的に分担させることができ、第1の半導体層にかかる電圧を低くできる。
【0022】
したがって、従来と同程度の耐圧で良い場合には、第1の半導体層の不純物濃度を増加できるので、オン抵抗を容易に小さくすることができる。一方、従来と同程度の厚さで良い場合には、耐圧の向上を図ることができる。さらには、第1の半導体層を薄くでき、かつオン抵抗を小さくすることも可能となる。すなわち、本発明によれば、耐圧の低下およびオン抵抗の増加を防止できる。
【0023】
また、第2の半導体層と第3の半導体層との間にリサーフ層が設けられているので、従来に比べて、第2の半導体層と第3の半導体層との間の素子表面の横方向に形成される電位勾配を小さくできる。
【0024】
したがって、素子表面の耐圧が従来と同程度で良い場合には、素子表面の横方向寸法を小さくできる。一方、従来と同程度の横方向寸法で良い場合に、素子表面の耐圧の向上を図ることができる。すなわち、本発明によれば、素子表面の横方向寸法の増加および耐圧の劣化を防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としているが、逆の規定としてもよい。
(第1 の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る横型高耐圧ダイオードを示す摸式的な平面図である。このダイオードの周辺には、他の半導体素子が形成できる構造になっているが、他の素子の図示は省略されている。また、図2は、図1のX−X線に沿った断面図である。図1の各構成部は、絶縁膜8,11を省略した形で表示されている。
【0026】
図1、2において、1は第1のシリコン基板を示しており、この第1のシリコン基板1上にはSiO2 膜2、SIPOS(Semi-Insulating POlycrystalline Silicon )膜3を介してn型の第2のシリコン基板4が設けられている。
【0027】
これらのシリコン基板1、SiO2 膜2、SIPOS膜3およびシリコン基板4は、SOI基板を構成している。このSOI基板は、例えば、張り合わせ法やSIMOX法などの方法を用いて形成される。
【0028】
張り合わせ法を用いて形成する場合であれば、例えば、接着面が鏡面研磨されたシリコン基板1およびシリコン基板4を用意し、かつこれらのシリコン基板1,4の一方の接着面側にはSiO2 膜2、SIPOS膜3をあらかじめ形成しておき、研磨面同士を清浄な雰囲気下で密着させ、所定の熱処理を加えることにより一体化する。
【0029】
n型の第2のシリコン基板(以下、n型ドリフト層という)4の表面には、高不純物濃度のp型アノード層5およびn型カソード層6がそれぞれ選択的に拡散形成されている。
【0030】
p型アノード層5とn型カソード層6とで挟まれた領域の高抵抗半導体層の表面には、p型リサーフ(Resurf)層7が選択的に拡散形成されている。ここで、n型ドリフト層4の不純物濃度は1×1015cm-3程度、p型リサーフ層7の不純物ドーズ量は1×1012cm-2程度である。
【0031】
n型ドリフト層4上には層間絶縁膜8が形成され、この層間絶縁膜8に形成されたコンタクトホールを介してアノード電極9、カソード電極10がそれぞれp型アノード層5、n型カソード層6にコンタクトしている。
【0032】
また、p型リサーフ7の表面にはLOCOS膜11が選択的に形成されており、その分、カソード電極10の引き出し電極部10a下の絶縁膜が厚くなり、耐圧の改善が図られる。
【0033】
本実施例によれば、n型ドリフト層4の底部にSIPOS膜3が設けられているので、n型ドリフト層4の印加電圧をSiO2 膜2に効果的に分担させることができ、n型ドリフト層4にかかる電圧を低くできる。
【0034】
SIPOS膜3は、一種のシールド板として、シリコン基板1を通じての電界をシールドする効果もある。これにより半導体装置の耐圧が向上する効果もある。
したがって、従来と同程度の耐圧で良い場合には、n型ドリフト層4の不純物濃度を増加できるので、オン抵抗を容易に小さくできる。また、n型ドリフト層4を薄くできることから、素子間の分離が容易になる。一方、従来と同程度の厚さで良い場合には、耐圧の向上を図ることができる。さらには、n型ドリフト層4を薄く、かつオン抵抗を小さくすることも可能となる。すなわち、本実施例によれば、耐圧の低下およびオン抵抗の増加を防止できる。
【0035】
また、本実施例によれば、p型アノード層5とn型カソード層6とで挟まれた領域のn型ドリフト層4の表面に設けられたp型リサーフ層7により、従来に比べて、p型アノード層5とn型カソード層6との間の素子表面の横方向に形成される電位勾配が小さくなる。言い換えれば、横方向の電界が従来よりも一様になる。
【0036】
したがって、素子表面の耐圧が従来と同程度で良い場合には、素子表面の横方向寸法を小さくできる。一方、従来と同程度の横方向寸法で良い場合に、素子表面の耐圧の向上を図ることができる。すなわち、本実施例によれば、素子表面の横方向寸法の増加および耐圧の低下を防止できる。
【0037】
また、本実施例では、p型アノード層5がカソードの引き出し電極10aの下には設けられていない。図12に示した従来の構造では、カソード電極に高電圧が印加された場合、p型アノード層5との交差部Aで耐圧劣化を起こす可能性があるが、本実施例の構造では、p型アノード層5がカソードの引き出し電極10aと交差しないため、耐圧劣化が生じない。したがって、カソード引き出し電極10aを高電圧回路に接続することが可能になり、高耐圧パワーICを実現できるようになる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る横型高耐圧ダイオードを示す断面図である。なお、図2と対応する部分には図2と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0038】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、p型リサーフ層が厚さ方向に段差を有することにある。
すなわち、カソード側のp型リサーフ層7K の不純物濃度は相対的に低く、アノード側のp型リサーフ層7A の不純物濃度は相対的に高くなっている。言い換えれば、p型リサーフ層は、その不純物濃度が、全体としては、アノード側に向かって高くなるような濃度勾配を有している。これにより、素子表面の横方向の寸法が同じであれば、第1の実施形態よりも、素子表面の横方向の電位勾配が小さくなり、素子表面の耐圧がさらに向上する。また、同じ耐圧でよければ、さらに寸法を小さくできる。
【0039】
図4に、本実施形態の横型高耐圧ダイオードの変形例を示す。図3ではp型リサーフ層の不純物濃度を、n型カソード層6の中心に対して対称としたが、図4に示すように、p型アノード層が存在する側だけに濃度勾配を設けても良い。この構造によっても、p型アノード層5とn型カソード層6の間の電位勾配は充分に低減できる。
【0040】
また、本実施形態ではp型リサーフ層の厚さ方向の段差を2段にしたが、p型アノード層5に近い方を高くしてn 型カソード層6に向けて順次低くなる、3段以上の多段にしても良い。p型リサーフ層の段差の段数が多いほど、p型層アノード層5とn型カソード層6の間の電位勾配をなだらかにする効果はより高くなる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る横型高耐圧MOSFETの平面図である。また、図6は、図5のY−Y線に沿った断面図である。なお、図5には、トレンチ溝28で分離された高耐圧側回路形成領域29も示してある。図2と対応する部分には図2と同一符号を付してある。
【0041】
n型ドリフト層4の表面には、p型ベース層21が選択的に形成され、このp型ベース層21の表面には、高不純物濃度のn型ソース拡散層22が選択的に形成されている。また、n型ドリフト層4の表面にはp型ベース層21と離れて高不純物濃度のn型ドレイン拡散層23が選択的に形成されている。
【0042】
p型ベース層21とn型ドレイン層23とで挟まれた領域のn型ドリフト層4の表面には、p型リサーフ層7が選択的に拡散形成されている。
n型ソース層22とp型ドリフト層4とで挟まれたp型ベース層21上には、ゲート絶縁膜24を介してゲート電極25が配設されている。
【0043】
n型ドリフト層4上には層間絶縁膜8が形成され、この層間絶縁膜8に形成されたコンタクトホールを介してソース電極26、ドレイン電極27がそれぞれn型ソース層22、n型ドレイン層23にコンタクトしている。27aは、ドレイン電極引き出し線であり、高耐圧回路形成領域29の半導体素子に接続される。
【0044】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、絶縁層2の上にSIPOS層3が設けられているので、MOSFETの耐圧を高くすることができる。また、p型リサーフ層7を設けているので、ドレイン・ソース間の電位勾配を小さくすることができる。p型リサーフ層7は、図7、8に示すように、第2の実施形態と同様な段差を設けても良い。また、n型ソース層22とドレイン電極27の引き出し線27aが交差していないので、ドレイン電極27に高電位を与えることができる。さらに、高耐圧MOSFETと高耐圧回路形成領域29がトレンチ溝によって分離され、互いに電気的な影響を与えないため、高耐圧パワーICが容易に実現できるようになる。
【0045】
ここで、本実施形態の高耐圧MOSFETの応用例について、より詳細に説明する。図9は,負荷36に対してスイッチング素子(IGBT)31が高電位(VB )側に接続される電力回路における、高電位側の駆動回路の概略的な回路図である。MOSFET33は、低電位部のロジック回路(不図示)からの入力信号(IN)を高電位部34に伝達するレベルシフト用の高耐圧MOSFETで、本実施形態のMOSFETが使用される。MOSFET33にロジック回路からローレベルの信号が入力した場合、高電位部34内のインバータチェイン37によって, IGBT31のゲートとソース間を短絡するため、IGBT31はオフしたままである。このとき、IGBT31のソースは、グランドレベルにあるため、数Vのロジック電源VCCから、高耐圧ブートストラップダイオード32を通して、ブートストラップキャパシタCB に電荷が蓄積される。
【0046】
一方、ロジック入力信号INがハイレベルの場合、バイポーラ素子からなる高電流ミラー回路38により、IGBT31のゲートに電流が流れてゲート電圧が上昇し、IGBT31がオンする。このとき、ソースの電位は数百Vから数千Vの高電位となり、ブートストラップダイオード32に逆バイアスがかかり、ブートストラップダイオード32からキャパシタ35に流れ込んでいた電流は、逆に抵抗30を通じてレベルシフトMOSFET33に流れ出す。従って、これらの高耐圧素子を1チップに集積してパワーICを構成する場合は、他の回路に影響を及ぼさないように、それぞれの素子若しくは素子領域は、トレンチ溝で絶縁分離されねばならない。
【0047】
図10は,上記のパワーICの構成例の1例を示す摸式的な平面図である。高耐圧ブートストラップダイオード32、高耐圧レベルシフトMOSFET33、高耐圧回路部34が1チップ上に形成され、これらの素子はそれぞれトレンチ39で絶縁分離されている。ブートストラップダイオード32には、第1あるいは第2の実施形態の高耐圧ダイオードが使用でき、レベルシフトMOSFET33には、第3の実施形態の高耐圧MOSFETが使用できる。このような構成をとることで、高耐圧ICを容易に実現できる。
【0048】
図11は、第1の実施形態の高耐圧ダイオードにおいて、SiO2 膜2の厚さToxを、図示の数値に変化させた場合の、SIPOS膜有無によるブレークダウン電圧を比較した図である。CASE 1およびCASE 2におけるSIPOS膜の厚さは、いずれも0.8μmである。SIPOS膜を使用すれば、SiO2 膜の厚さが0.8μmであっても600V程度の耐圧が得られ、SiO2 膜の厚さを2μmとすると、1300V程度の耐圧が得られる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、SOI基板を用いた高耐圧半導体装置として、ダイオードとMOSFETの場合について説明したが、本発明は他の高耐圧半導体装置、例えば、IGBT(IEGT)にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、SOI基板の半導体層の底部に高抵抗膜を設け、かつSOI基板の半導体層の表面にリサーフ層を設けることにより、耐圧の低下およびオン抵抗の増加を防止でき、かつ素子表面の横方向寸法の増加および耐圧の劣化を防止できる高耐圧半導体装置を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る横型高耐圧ダイオードの平面図。
【図2】図1のX−X線に沿った断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る横型高耐圧ダイオードの断面図。
【図4】図3の横型高耐圧ダイオードの変形例を示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施例に係る横型高耐圧MOSFETの平面図。
【図6】図5のY−Y線に沿った断面図。
【図7】図6の高耐圧ダイオードの変形例を示す断面図。
【図8】図7の高耐圧ダイオードのさらに他の変形例を示す断面図。
【図9】負荷に対してスイッチング素子が高電位側にあるパワーICの、高電位側駆動回路の一例を示す回路図。
【図10】図9のパワーICの構成の一例を示す平面図。
【図11】第1の実施形態の高耐圧ダイオードの高抵抗膜の効果を示す特性図。
【図12】従来の横型高耐圧ダイオードの平面図。
【図13】図12のZ−Z線に沿った断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板
2…SiO2 膜(絶縁膜)
3…SIPOS膜(高抵抗膜)
4…n型ドリフト層(第1導電型の高抵抗半導体層)
5…p型アノード層(第2導電型の第2の半導体層)
6…n型カソード層(第1導電型の第3の半導体層)
7,7A ,7K…p型リサーフ層
8…層間絶縁膜
9…アノード電極
10…カソード電極
10a…カソード電極の引き出し電極
11…LOCOS酸化膜
21…p型ベース層(第2導電型の第2の半導体層)
22…n型ソース拡散層(第1導電型の第4の半導体層)
23…n型ドレイン拡散層(第1導電型の第3の半導体層)
24…ゲート絶縁膜
25…ゲート電極
26…ソース電極
27…ドレイン電極
28…トレンチ溝
29…高耐圧回路形成領域
Claims (9)
- 絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半絶縁性の高抵抗膜と、
前記高抵抗膜上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の表面に形成された第2導電型の第2の半導体層と、
前記第1の半導体層の表面に前記第2の半導体層と離れて形成され、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第3の半導体層と、
前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とで挟まれた領域の前記第1の半導体層の表面に形成され、前記第2の半導体層より低い不純物濃度を有する第2導電型のリサーフ層と、
を具備することを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半絶縁性の高抵抗膜と、
前記高抵抗膜上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の表面に形成された第2導電型の第2の半導体層と、
前記第1の半導体層の表面に前記第2の半導体層と離れて形成され、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第3の半導体層と、
前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とで挟まれた領域の前記第1の半導体層の表面に形成され、前記第2の半導体層より低い不純物濃度を有する第2導電型のリサーフ層と、
前記第2の半導体層の表面に形成された、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第4の半導体層と、
前記第4の半導体層と前記第1の半導体層とで挟まれた領域の前記第2の半導体層上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
を具備することを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半絶縁性の高抵抗膜と、
前記高抵抗膜上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の表面に形成された第2導電型の第2の半導体層と、
前記第1の半導体層の表面に前記第2の半導体層と離れて選択的に形成され、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第3の半導体層と、
前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とで挟まれた領域の前記第1の半導体層の表面に形成され、前記第2の半導体層より低い不純物濃度を有する第2導電型のリサーフ層と、
前記第2の半導体層の表面に形成された、前記第1の半導体層の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型の第4の半導体層と、
前記第4の半導体層と前記第1の半導体層とで挟まれた領域の前記第2の半導体層上に、ゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記第1の半導体層の、前記第2および前記第3の半導体層が形成される領域以外の領域に、トレンチにより絶縁分離されて形成された、少なくとも1つの半導体素子が形成される半導体素子形成領域と、
を具備することを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 前記リサーフ層は、前記第2の半導体層側の前記不純物濃度が前記第3の半導体層側のそれよりも高い濃度勾配を有することを特徴とする請求項1、2,3のいずれかに記載の高耐圧半導体装置。
- 前記リサーフ層が、前記第3の半導体層を取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項1、2,3のいずれかに記載の高耐圧半導体装置。
- 前記リサーフ層の不純物濃度が、前記第3の半導体層から前記第2の半導体層に向けて離れるに従って高くなることを特徴とする請求項5に記載の高耐圧半導体装置。
- 前記第3の半導体層に接続され、前記第1の半導体層上の1方向に延在する引き出し電極を更に有し、
前記第2の半導体層は、前記第3の半導体層を囲むようにC字型に形成され、前記C字型の開口部より、前記引き出し電極が前記第2の半導体層より遠い位置まで引き出されていることを特徴とする請求項1、2,3のいずれかに記載の高耐圧半導体装置。 - 前記第3の半導体層に接続され、前記第1の半導体層上の1方向に延在する引き出し電極を更に有し、
前記第2の半導体層は、前記第3の半導体層を囲むようにC字型に形成され、前記C字型の開口部より、前記引き出し電極が前記第2の半導体層より遠い位置まで引き出され、前記半導体素子形成領域の前記半導体素子に接続されることを特徴とする請求項3に記載の高耐圧半導体装置。 - 前記第1の半導体層上に形成された絶縁膜を更に有し、前記絶縁膜は前記引き出し電極の少なくとも一部の下が、その他の部分よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1、2,3のいずれかに記載の高耐圧半導体装置。
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