JP3730092B2 - 射出成形機の制御装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
射出成形機における制御装置の表示部によって成形条件を設定・表示する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
CRTや液晶パネル等の表示器によって成形条件を設定し表示する射出成形機における制御装置は、射出、計量、型締あるいは温度というような設定群毎に個別の表示画面を有し、それぞれの設定群には多くの設定値を有している。このような従来の制御装置では、すべての成形条件の設定を行うためには、表示画面を次々に切換えて行わねばならず、非常に面倒な作業となる。また、成形条件を一通り設定完了した後、射出成形作業を実行するときにおいても、主要な成形条件である射出、計量、温度等は頻繁に監視し変更しなければならず、それら相互に関連する成形条件設定は表示画面を頻繁に切換えて行うため、大変煩わしく設定ミスも発生し易いのである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の制御装置における問題を解決すべく、本出願人は特許番号２８４９０５４号に開示する所謂一括設定画面を設けて、一の画面においてほとんどの成形条件を設定可能とした。しかしながら、該一括設定画面は一の画面に多くの設定群を凝縮して収容したため、視認性が悪く、さらには加熱筒を二以上有する予備可塑化式射出成形機、多色射出成形機あるいはサンドイッチ射出成形機等においては、射出成形条件数が倍増するのですべての設定値を一の表示画面に収容できず、関連する設定群情報を一画面で監視・設定できないため、成形作業効率が著しく低下した。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、成形条件を設定・表示して加熱筒を二以上備えた射出成形機を制御する制御装置において、表示部の一の表示画面を等分割して設けた複数のセルに、予め定めた二以上の加熱筒における射出、計量、および温度制御に係わる成形条件を含む設定群から二以上の加熱筒の成形条件に関するセルを同時に表示・設定可能とするようにしたのである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施の形態における射出成形機は、スクリュを内挿した加熱筒を有するスクリュ可塑化装置と、スクリュ可塑化装置からの溶融樹脂を蓄積して金型に射出充填するプランジャを内挿した加熱筒を有するプランジャ射出装置とからなる予備可塑化式射出成形機である。
【０００６】
図４は、この予備可塑化式射出成形機を制御する制御装置１６のブロック図であり、金型の開閉・型締、射出、可塑化、成形品突出し等をシーケンシャルに行うとともに、それぞれのアクチュエータの速度、力、位置、時間および温度等を成形条件として設定し制御して成形運転を行うものである。CPU１１は、複数のマイクロプロセッサからなり、記憶部１５に記憶したプログラム、常数および設定値に従って演算処理し、入出力部１４を通じて射出成形機を制御する。操作部１２は、表示部１３の前面に設けたタッチスイッチやキーボードからなり、操作部１２から入力した成形条件の設定値は記憶部１５に格納されるとともに表示部１３に表示される。表示部１３は、CRTあるいは液晶パネル等からなり前記設定値のみならずアクチュエータの速度、力、位置、時間および温度等の実測値をデジタル数値やグラフで表示する。入出力部１４は、各アクチュエータの速度、位置、温度のセンサからの信号を入力するとともに、電磁切換弁、ヒータ、モータ等への制御信号を出力するインターフェイスである。
【０００７】
図１、図２および図３は、表示部１３における表示画面の一例である。本発明に係わる表示画面は、表示画面１と表示画面２であり、両画面は上端の情報表示部と下端の設定部を除いた部分を縦に三等分している。三等分されたそれぞれの部分は、セルであり、第一セル３から第六セル８まである。
【０００８】
各セルの左下部にはタブ９があり、この部分をタッチすると６項目の項目選択ウインドウ１０（図３）が表示され、各セル毎に予め定めた設定群であるスクリュ射出、スクリュ計量、スクリュ温度、プランジャ射出、プランジャ温度、型締装置のいずれかが自由に選択できる。図３においては、第一セル３のタブ９をタッチして表示されたウインドウ１０で、スクリュ射出の設定群を選択した状況を示す。各設定群はアクチュエータの機能毎に必要な設定値を集中配置しており、表示画面１，２とは別に設けている個々の単独設定群の表示画面と、グラフ等を除いて略同一の画面構成としている。なお、設定群は上記項目に限らず他の項目と置き換えてもよいし、設定群の数も自在に増減してもよい。なお、１７はそれぞれのセルにおける実測値表示のエリアであり、左側のマーク部分をタッチするとウインドウ１０と同様に多くの選択項目が現われ自由に実測値表示の項目を選択できる。
【０００９】
本実施の形態では、予備可塑化式射出成形機であるので、表示画面１にはスクリュ可塑化装置の制御に係わる設定群である第一セル３、第二セル４および型締装置に係わる第三セル５を選択配置し、表示画面２にはプランジャ射出装置の制御に係わる設定群である第四セル６およびスクリュ可塑化装置とプランジャ射出装置の温度制御に係わる第五セル７と第六セル８を選択配置した。このため、特に設定変更と監視を頻繁に行う射出充填、保圧および温度に関する設定値と実測値の設定群を表示画面２に一画面で詳細にしかも解かり易く表示できることは、成形作業の効率向上に大きく貢献する。また、第五セル７と第六セル８は併設したとき、ヒータの設定値が実際の加熱筒の配置に対応するように配設したので、視認性と操作性の向上に寄与する。
【００１０】
【発明の効果】
本発明は上記詳細に説明したように、従来の表示画面では得られない視認性と操作性の良さがあり、成形作業性の向上と迅速化が図れ生産性の向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を実施する制御装置の表示画面である。
【図２】本発明を実施する制御装置の他の表示画面である。
【図３】本発明を実施する制御装置の表示画面において、項目の選択を可能とする表示画面である。
【図４】本発明を実施する制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
１ ……… 表示画面１
２ ……… 表示画面２
３ ……… 第一セル
４ ……… 第二セル
５ ……… 第三セル
６ ……… 第四セル
７ ……… 第五セル
８ ……… 第六セル
９ ……… タブ
１０ …… ウインドウ
１１ …… CPU
１２ …… 操作部
１３ …… 表示部
１４ …… 入出力部
１５ …… 記憶部
１６ …… 制御装置
１７ …… 実測値表示

Claims (2)

1. 成形条件を設定・表示して加熱筒を二以上備えた射出成形機を制御する制御装置において、
   表示部の一の表示画面を等分割して設けた複数のセルに、
   予め定めた二以上の加熱筒における射出、計量、および温度制御に係わる成形条件を含む設定群から二以上の加熱筒の成形条件に関するセルを同時に表示・設定可能とすることを特徴とする加熱筒を二以上備えた射出成形機の制御装置。
2. 前記表示画面の複数のセルは、実際の加熱筒の配置に対応するように配設されることを特徴とする請求項１に記載の加熱筒を二以上備えた射出成形機の制御装置。

Images