JP3730036B2 - 回転体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体に関し、特にレーザープリンター、デジタル複写機等に用いられるポリゴンミラーを有する回転体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル複写機、レーザープリンタ等のレーザー書き込み系を用いた電子写真方式の記録装置は、印字品質の高さ、高速プリント、低騒音などの優れた特長と低価格化により、急速に普及してきている。これらの記録装置のレーザー書き込み系の構成部品であるポリゴンスキャナには記録装置のプリント速度、画素密度に応じた回転速度が要求される。
【0003】
近年、プリント速度の高速化、画素密度の高密度化にともない、ポリゴンスキャナには30000回転/分以上の高速回転が要求され、従来のボールベアリングタイプでは、軸受寿命、軸受騒音などの面から要求品質を満足することができなくなってきている。そのため高速回転用のポリゴンスキャナとしては、動圧空気軸受を用いたものが実用化されている。
【0004】
従来のこの種のポリゴンスキャナとしては、例えば、図5、6に示すようなものが知られている。図5、6において、1はセラミックスからなる中空筒状の回転スリーブであり、この回転スリーブ1の上端部にはアルミ合金からなるフランジ2が焼き嵌めまたは圧入により固着されている。
このフランジ2の座面2aにはアルミ合金からなるポリゴンミラー3が取付けられており、このポリゴンミラー3は板バネ4によって座面2aに押え付けられている。この板バネ4はフランジ2の中央部には挿通された吸引型磁気軸受の回転部5にねじ6によって固定されており、この回転部6は固定軸7に回転自在に収納されている。
【0005】
この固定軸7はハウジング8の有底部8aに焼き嵌めあるは圧入によって固定されており、外周部にヘリングボーン状の動圧発生溝7aが形成され、回転スリーブ1はこの固定軸7との間に数μmの軸受隙間を介して非接触でラジアル方向に回転自在に支持されている。
また、固定軸7の内側には吸引型磁気軸受の固定部9が取付けられており、この固定部9は回転軸方向に2極に着磁されたリング状永久磁石10と、リング状永久磁石10の内径よりも小さい中心円が形成された強磁性材料からなる第1の固定ヨーク板11と、同様に、リング状永久磁石10の内径よりも小さい中心円が形成された強磁性材料からなる第2の固定ヨーク板12とから構成されている。
【0006】
これら固定部9は回転部5の突起部とラジアル方向に磁気ギャップを有しており、ギャップ間に作用する吸引力によって回転部5をアキシャル方向に非接触で回転自在に支持している。
また、フランジ2の外周部にはロータマグネット15が固定されており、回転スリーブ1、フランジ2、ポリゴンミラー3、板バネ4、回転部5は全体として回転体14を構成している。
【0007】
また、フランジ2の上端部には回転スリーブ1、フランジ2および固定軸7によって画成される空気溜まりと回転体14の外部を連通させる微細穴15が形成されており、この微細穴15はアキシャル磁気軸受を構成する回転部5および固定部9にダンピング特性を付与している。
また、固定軸7の内周部には回転体14の軸方向の位置決めと空気溜まりの容積を減少させて一定容積を確保させるためのスペーサ部材16が設けられており、このスペーサ部材16はハウジング8の有底部8aに突き当て固定されている。
【0008】
このスペーサ部材16の実装方法としては、固定軸7をハウジング8に固定した後、固定軸7の上方から固定軸7内にスペーサ部材16、第2のヨーク板12、リング状永久磁石10、第1のヨーク板11の順に挿入した後、固定用ブッシュ17を第1のヨーク11に突き当るまで挿入することにより、圧入が完了する。
また、板バネ4の外周部の折り曲げ部4aとフランジ2の外周部の折り曲げ部2aには接着剤が塗布されており、回転体14の不釣り合い(アンバランス)振動が非常に小さいレベル(数mg以下)になるように調整されている。
【0009】
また、ハウジング8内には、プリント基板18が配置されており、このプリント基板18には、強磁性材料からなるステータコア19と、ホール素子20とが取り付けられており、プリント基板18にはこれらステータコア19とホール素子20を図示しない駆動回路および位置検出回路に接続するためのパターン配線がされている。
また、これらステータコア19、ホール素子20およびロータマグネット13からなるモータ部は、ロータマグネット13とステータコア19とが回転スリーブ1と垂直な半径方向に対向するラジアルギャップ・アウターロータ型のブラシレスモータであり、ロータマグネット13の磁界によってホール素子20から出力される信号を位置信号として参照し、駆動回路によってステータ巻線の励磁切換えを行なうことにより、回転体14の回転駆動する。このとき、ポリゴンミラー3にレーザビームを入射させて走査を行なう。
【0010】
また、近時のレーザープリンター、デジタル複写機等にあっては、印字の高速化や多色化、印字密度の観点から複数の光源を用いて複数のレーザビームをポリゴンスキャナに入射させて走査させるものがある。この場合には、図5に示すように、ポリゴンミラー3の反射面(鏡面)の面積を広くしてポリゴンミラーの厚板化を図るようにしている(厚板化を図った他の従来技術としては、例えば、特開平6−110007号公報参照)。
【0011】
また、図7(a)に示すように、ポリゴンミラー21、22を円筒状の円柱状部材23を介して軸方向に2段に配設し、各ポリゴンミラー21、22にレーザビームを照射するようにしている(このような従来技術としては、例えば、特開平2−165832号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5、6に示すような従来のポリゴンスキャナにあっては、高画質化を図るために不可欠なポリゴンミラー2の面倒れ特性を高精度にするために、回転スリーブ1、フランジ2、ポリゴンミラー3の嵌合面をそれぞれ高精度に加工して回転体14を組立ていたため、組立誤差を低減するために、回転スリーブ1、フランジ2、ポリゴンミラー3の精度をより一層高精度にしなければならず、また、ある一定以上の面倒れ特性の高精度化には限界があった。
【0013】
特に、従来のポリゴンスキャナにあっては、回転スリーブ1と固定軸7をセラミックスから構成するとともにフランジ2およびポリゴンミラー3をアルミ合金から構成し、ポリゴンミラー2をフランジ2を介して回転スリーブ1に固定するようになっていたため、セラミックス材料とアルミ合金の熱膨張率の差が大きくなってしまい(アルミ:2.3×10-5/℃、セラミックス〔アルミナ〕:0.7×10-5/℃)、回転体14の高速回転時の温度上昇(100℃以上)すると、回転スリーブ1とポリゴンミラー2の位置ずれが発生して回転体14の不釣り合いが生じてポリゴンスキャナ2の振動を増大させてしまうとともに、面倒れ特性が悪化してしまうという問題があった。
【0014】
このような不具合を解消するために、ポリゴンミラー2を回転スリーブ1に焼き嵌めあるいは圧入によって直接固定することも考えられるが、このようにすると、焼き嵌めあるいは圧入作業時にポリゴンミラー2の反射面精度が悪化して画像が乱れてしまうという問題が発生してしまう。
また、ポリゴンミラー2を板バネ4によってフランジ2の座面2aに押え付けているため、板バネ4が必要になる分だけ部品点数が増大してコストが増大してしまうとともに、高速回転時に回転体14に作用する遠心力および温度上昇によって板バネ4とポリゴンミラー2の接触部分に熱が発生してしまう上に、板バネ4による押圧力によってポリゴンミラー2が変形してしまい、回転体14のバランスが悪化してしまうという問題もあった。
【0015】
一方、図7(a)に示す2段のポリゴンミラー21、22にあっては、スキャニングに寄与しない円柱状部材23の断面形状を、高速回転時の風損低減のために同心円状に形成し、図7(b)に示すように、その中心軸から外周縁までの半径Rをポリゴンミラー21、22の内接円よりも小さくしていた。
このため、ポリゴンミラー21、22の鏡面加工時にポリゴンミラー21、22自体の全周が広くなって相対的に薄板となり(図7(b)においてハッチング領域が薄板部分)、剛性が低くなってしまい、切削加工時にバイトの進行方向(例えば、ポリゴンミラー21、22のミラーの厚み方向下方)に変形してしまった。このため、ポリゴンミラー21、22の変形がそのまま面倒れの原因となってしまうという問題が発生してしまった。
【0016】
そこで本発明は、ポリゴンミラーおよび回転体を高精度に加工するのを不要にして不釣り合いが生じるのを防止することができるとともに面倒れ特性が悪化するのを防止することができる高精度、かつ安価な回転体を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、アルミ合金からなるポリゴンミラーと、セラミックスからなりラジアル動圧発生用の軸受面が形成された回転軸とが焼き嵌めまたは圧入によって一体化され、前記回転軸の軸受面の軸方向に対してポリゴンミラーの鏡面が平行になるように構成され、前記ポリゴンミラーの外周部に、アルミ合金からなり前記ポリゴンミラーの内接円よりも大径の外周部を有するフランジが取り付けられ、前記ポリゴンミラーが円柱状部材を介して複数段に分割され、該円柱状部材の断面形状を、該円柱状部材の中心からの外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径<R<外接円半径を満足する複数の円弧部分を有する形状にしたこと特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、上記課題を解決するために、アルミ合金からなるポリゴンミラーと、セラミックスからなりラジアル動圧発生用の軸受面が形成された回転軸とが焼き嵌めまたは圧入によって一体化され、前記回転軸の軸受面の軸方向に対してポリゴンミラーの鏡面が平行になるように構成され、
前記ポリゴンミラーが円柱状部材を介して複数段に分割され、該円柱状部材の断面形状を、該円柱状部材の中心からの外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径<R<外接円半径を満足する複数の円弧部分を有する形状にしたことを特徴としている。
【0024】
その場合、ポリゴンミラーを回転軸に固着して一体化することができるため、ポリゴンミラーを回転軸に押え付けるための板バネを不要にでき、高速回転時に回転体に作用する遠心力および温度上昇の影響を受けてポリゴンミラーが変形してしまうのを防止することができ、回転体のバランスが悪化してしまうのを防止することができる。
【0025】
この結果、回転体の不釣り合いが生じてポリゴンスキャナの振動を増大させてしまうのを防止することができるとともに、面倒れ特性が悪化してしまうのを防止することができる。
また、アルミ合金からなる回転軸にセラミックスからなるポリゴンミラーを焼き嵌めまたは圧入によって固着したため、ポリゴンミラーの全周を回転軸で均一に保持することができ、アルミ合金とセラミックスによる熱膨張の差によって回転体のバランスが変化するのを低減することができる。
【0026】
また、請求項1に記載の発明では、ポリゴンミラーの外周部に、アルミ合金からなりポリゴンミラーの内接円よりも大径の外周部を有するフランジが取り付けられるので、回転軸、固定軸およびポリゴンミラーの熱膨張の差によってポリゴンミラーへの熱応力を少なくすることができ、高温時にポリゴンミラーの変形が生じるのを防止することができるとともに回転体のバランスが変化するのを防止することができる。
また、アウターロータ型のような比較的大径なモータ方式のポリゴンスキャナに適用することができ、容易に高トルクを発生させてポリゴンスキャナの起動時間を短縮することができる。
【0027】
また、請求項1、2に記載の発明では、ポリゴンミラーが円柱状部材を介して複数段に分割し、該円柱状部材の断面形状を、該円柱状部材の中心からの外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径<R<外接円半径を満足する複数の円弧部分を有する形状にしたので、各段のポリゴンミラーにおいて薄板となる領域を少なくすることができ(具体的には、その領域をポリゴンミラーの稜線(角部)の近傍部のみにすることができ)、ポリゴンミラーの加工時の剛性を高めることができるとともに、角部のエッジに丸みを持たせて高速回転時の風損を低減することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜4は本発明に係る回転体の一実施形態を示す図である。
【0035】
まず、構成について説明する。図1、2において、31はセラミックスからなる中空筒状の回転スリーブ(回転軸)であり、この回転スリーブ31の上部にはアルミ合金からなるフランジ32が焼き嵌めまたは圧入によって固着されている。なお、なお、回転スリーブ31およびフランジ32は接着剤等によって固着されても良い。
【0036】
この回転スリーブ31の上部にはアルミ合金からなるポリゴンミラー33が焼き嵌めまたは圧入によって固着されており、このポリゴンミラー33は鏡面が形成されたミラー部33aおよび33bの2段構造に構成され、これらミラー部33a、33bは円柱状部材33cによって接続されている。なお、回転スリーブ31およびポリゴンミラー33は接着剤等によって固着されても良い。
【0037】
また、このフランジ32はポリゴンミラー31の内接円よりも大径の外周部を有しており、外周部に折り曲げ部32aが形成されている。また、ポリゴンミラー33の中央部には吸引型磁気軸受の回転部34が固着されており、この回転部34は固定軸35に回転自在に収納されている。
この固定軸35はハウジング36の有底部36aに焼き嵌めあるは圧入によって固定されており、この固定軸35はその外周部にヘリングボーン状の動圧発生溝35aが形成され、回転スリーブ31はこの固定軸35との間に数μmの軸受隙間を介して非接触でラジアル方向に回転自在に支持されている。
【0038】
また、固定軸35の内側にはこの固定軸35と共にアキシャル磁気軸受を構成する吸引型磁気軸受としての固定部37が取付けられており、この固定部37は回転軸方向に2極に着磁されたリング状永久磁石38と、リング状永久磁石38の内径よりも小さい中心円が形成された強磁性材料からなる第1の固定ヨーク板39と、同様に、リング状永久磁石38の内径よりも小さい中心円が形成された強磁性材料からなる第2の固定ヨーク板40とから構成されている。
【0039】
これら固定部37は回転部34の突起部とラジアル方向に磁気ギャップを有しており、ギャップ間に作用する吸引力によって回転部34をアキシャル方向に非接触で回転自在に支持している。
また、フランジ32の外周部にはロータマグネット41が固定されており、回転スリーブ31、フランジ32、ポリゴンミラー33、回転部34は全体として回転体42を構成している。
【0040】
また、回転スリーブ31の上端部には回転スリーブ31、ポリゴンミラー33、固定軸35によって画成される空気溜まり43が形成されており、回転部34の中心軸には空気溜まり43と回転体42の外部を連通させる微細穴34aが形成されており、この微細穴34aはアキシャル磁気軸受を固定する固定部34にダンピング特性を付与している。なお、ダンピング用の微細穴は図2中、仮想線で示すようにポリゴンミラー33に符号Aで示すように形成しても良い)。
【0041】
また、固定軸35の内周部には回転体42の軸方向の位置決めと空気溜まりの容積を減少させて一定容積を確保させるためのスペーサ部材44が設けられており、このスペーサ部材44はハウジング36の有底部36aに突き当て固定されている。
このスペーサ部材44の実装方法としては、固定軸35をハウジング36に固定した後、固定軸35の上方から固定軸35内にスペーサ部材44、第2のヨーク板40、リング状永久磁石38、第1のヨーク板39の順に挿入した後、固定用ブッシュ45を第1のヨーク39に突き当るまで挿入することにより、圧入が完了する。
【0042】
また、ミラー部33aの上面には環状の溝46が形成されており、回転体42の不釣り合い(アンバランス)量に応じて溝46の内周面46a側が削り取ることにより、回転体42の不釣り合い振動を非常に小さいレベル(数mg以下)になるように調整されている。なお、不釣り合いを修正するために内周面46a側を削り取る代りに回転体42の不釣り合い量に応じて溝46内に接着剤(符号Bで示す)を塗布しても良い。
【0043】
また、ハウジング36内には、プリント基板47が配置されており、このプリント基板47には、強磁性材料からなるステータコア48と、ホール素子49とが取り付けられており、プリント基板47にはこれらステータコア48とホール素子49を図示しない駆動回路および位置検出回路に接続するためのパターン配線がされている。
また、これらステータコア48、ホール素子49およびロータマグネット41からなるモータ部53は、ロータマグネット41とステータコア48とが回転スリーブ31と垂直な半径方向に対向するラジアルギャップ・アウターロータ型のブラシレスモータであり、ロータマグネット41の磁界によってホール素子49から出力される信号を位置信号として参照し、駆動回路によってステータ巻線の励磁切換えを行なうことにより、回転体42の回転駆動する。このとき、ポリゴンミラー33のミラー部33a、33bに図示しない2つの半導体レーザから2つのレーザビームを入射させて走査を行なう。
【0044】
また、ハウジング36にはカバー50が取付けられており、このカバー50およびハウジング36によって回転体42およびプリント基板47が配置される空間を外部から遮断して、密閉空間を形成するようになっている。
また、カバー50には半導体レーザーからのレーザー光の入出射用の開口窓51にガラス部材52が両面テープ又は接着剤で固定されて密閉されている。
【0045】
次に、作用を説明する。
本実施形態の回転体42にあっては、回転スリーブ31の内周面(固定軸35の嵌合代であるラジアル軸受面)を高精度に加工した後、アルミ合金からなるポリゴンミラー33の鏡面加工前のブランクにセラミックスからなる回転スリーブ31を固着し、次いで、回転スリーブ31のラジアル軸受面の軸方向に対して平行になるようにブランクにミラー部33a、33bの鏡面を加工するようになっている。
【0046】
また、ミラー部33a、33bの鏡面を加工する前のブランクの上面に環状の溝46を形成した後、この溝46の内周面46a側を削り取ることにより、回転体42の不釣り合いを修正するようにしている。
この後、ポリゴンミラー33にフランジ32を固着するとともにポリゴンミラー33に回転部34を固着した後、上述したようにスペーサ部材44、固定部37、固定用ブッシュ45が内装された固定軸35に回転スリーブ31を嵌合させることにより、回転体42を固定軸35に実装する。
【0047】
このように本実施形態では、アルミ合金からなるポリゴンミラー33のミラー部33a、33bの鏡面加工前のブランクに、セラミックスからなりラジアル動圧発生用の軸受面が形成された回転スリーブ31を固着した後、回転スリーブ31の軸受面の軸方向に対して平行になるようにブランクにミラー部33a、33bの鏡面を加工したため、ポリゴンミラー33と回転スリーブ31の嵌合面を事前に高精度に加工するのを不要にでき、ポリゴンミラー33と回転スリーブ31の組立精度をより一層高精度に加工することができる。
【0048】
また、ポリゴンミラー33を回転スリーブ31に固着して一体化することができるため、ポリゴンミラー33を回転スリーブ31に押え付けるための板バネを不要にでき、高速回転時に回転体42に作用する遠心力および温度上昇の影響を受けてポリゴンミラー33が変形してしまうのを防止することができ、回転体42のバランスが悪化してしまうのを防止することができる。
【0049】
この結果、回転体42の不釣り合いが生じてポリゴンスキャナの振動を増大させてしまうのを防止することができるとともに、面倒れ特性が悪化してしまうのを防止することができる。
また、アルミ合金からなる回転スリーブ31にセラミックスからなるポリゴンミラー33を焼き嵌めまたは圧入によって固着したため、ポリゴンミラー33の全周を回転スリーブ31で均一に保持することができ、アルミ合金とセラミックスによる熱膨張の差(アルミ:2.3×10-5/℃、セラミックス〔アルミナ〕:0.7×10-5/℃)によって回転体42のバランスが変化するのを低減することができる。
【0050】
また、ミラー部33a、33bの鏡面を加工する前のブランクの上面に環状の溝46を形成した後、溝46の内周面46a側を削り取ることにより、回転体42の不釣り合いを修正するようにしたため、ポリゴンミラー33の精度を悪化させることなく、回転体42の不釣り合い修正を短時間で行なうことができる。
その理由を説明する。高速回転するポリゴンスキャナにあっては、振動低減のために回転体の不釣り合いを修正することが必須であり、不釣り合いを修正するために従来から回転体の任意の部分に接着剤等の錘を付加したり、あるいは、回転体の任意の部分を削り取るようにしている。
【0051】
具体的に、錘を付加するものとしては、ポリゴンミラーやミラー押え部材に円周溝等を設け、その溝内に接着剤等を塗布するものがあり、切削加工を行なうものにあっては、ドリル等によってミラー押え部材の一部を切削加工するようにしている。
ところが、接着剤を塗布する場合には、接着剤が硬化するまでに多大な時間を要してしまい好ましくなく、ミラー押え部材を切削加工する場合にはミラー押え部材が必要な分だけ部品点数が増大して回転体の不釣り合いが増大する要因となり好ましくなく、さらに、ポリゴンミラーを切削加工する場合には、加工時の応力がミラーの精度を悪化させる要因となり好ましくない。
【0052】
そこで本実施形態では、鏡面を加工する前のブランクの上面に環状の溝46を形成した後、溝46の内周面46a側を削り取ることにより、鏡面を形成する前に不釣り合いの修正用の溝46を形成し、かつ切削加工時の応力が鏡面が形成される前のポリゴンミラー33の外周部に伝達されるのを円周状の溝46によって遮断して、ポリゴンミラー33の精度が悪化するのを防止するとともに回転体42の不釣り合い修正を短時間で行なうようにしたのである。
【0053】
また、ポリゴンミラー33の外周部に、アルミ合金からなりポリゴンミラー33の内接円よりも大径の外周部を有するフランジ32を固着したため、回転スリーブ31、固定軸35およびポリゴンミラー33の熱膨張の差によってポリゴンミラー33への熱応力を少なくすることができ、高温時にポリゴンミラー33の変形が生じるのを防止することができるとともに回転体42のバランスが変化するのを防止することができる。
【0054】
これに加えて、本実施形態のラジアルギャップ・アウターロータ型のような比較的大径なモータ方式のポリゴンスキャナに適用することができ、容易に高トルクを発生させてポリゴンスキャナの起動時間を短縮することができる。
さらに、回転体42および固定軸35によってアキシャル方向に空気溜まり(閉空間)43を画成するとともに、アキシャル磁気軸受を構成する回転部34の中心軸に回転体42の外周部と空気溜まり43を連通する微細穴34aを形成したため、従来のようにミラー押え部材に微細穴を設けるのを不要にして簡単、かつ低コストな構成でアキシャル磁気軸受にダンピング特性を付与することができる。なお、ポリゴンミラー33に微細溝Aを設けても同様の効果を得ることができる。
【0055】
なお、図3に示すようにポリゴンミラー33を回転スリーブ31の上端部31aに取付け、この上端部にはラジアル動圧軸受の軸受面(ヘリングボーン状の動圧発生溝35a)を形成しないようにしても良い。
【0056】
このように構成した理由を説明する。
アルミ合金製のポリゴンミラー33をセラミックス製の回転スリーブ31に焼き嵌めまたは圧入によって固着して回転体42を構成した場合には、固定軸35に嵌合される回転スリーブ31の嵌合代の寸法によっては、回転スリーブ31にポリゴンミラー33を固着する際に、予め高精度に加工された回転スリーブ31の嵌合代に歪みが生じてしまい、動圧空気軸受として使用できなくなってしまう。
【0057】
特に、セラミックス製の回転スリーブ31とアルミ合金製のポリゴンミラー33の場合には熱膨張の違いによって100℃の高温状態においても固定力を発生させるための嵌合代を設定した場合には、常温時の回転スリーブ31の内径歪みが数μmとなる。
また、高精度加工前に回転スリーブ31にポリゴンミラー33を焼き嵌めまたは圧入によって固着した後(固着時に回転スリーブ31の嵌合代には歪みが生じる)、回転スリーブ31の嵌合代を高精度に加工することも考えられるが、回転スリーブ31の一端部が閉止している場合(すなわち、有底状)には回転スリーブ31の嵌合代の高精度二次加工が困難となる。
【0058】
また、焼き嵌めまたは圧入によって固着の代りに、接着による固着も考えられるが、このようにすると、回転体42が高温時にバランス変化が生じてしまう上に、接着固着部の剛性が低いことから鏡面の高精度化に限界が生じてしまう。
そこで本実施形態では、回転スリーブ31に焼き嵌めまたは圧入によってポリゴンミラー33を固着する際に、ポリゴンミラー33をラジアル軸受面が形成されていない回転スリーブ31の上端部31aに固着(回転スリーブ31のラジアル軸受面にはポリゴンミラー33を焼き嵌めまたは圧入していない)することにより、ポリゴンミラー33を回転スリーブ31に固着したときの回転スリーブ31の嵌合代が変形した場合であっても、回転スリーブ31と固定軸35の動圧空気軸受の特性が劣化するのを防止でき、さらに、接着固定のように回転体が高温時にバランス変化が生じるのを防止することができるとともに接着固着部の剛性が低いことによるポリゴンミラー33の鏡面の高精度化が低下するのを防止することができるようにしたのである。
【0059】
また、図4に示すように、本発明の回転体はポリゴンミラー61が円柱状部材62を介して2段に分割されたミラー部63、64(ミラー部の各鏡面を63a〜63e、64a〜64eで示す)を有し、円柱状部材62の断面形状を、円柱状部材62の中心から外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径a<R<外接円半径bを満足する複数の円弧部分(本実施形態のように5角の鏡面を有する場合には5個の円弧部分62a)を有する形状にしたものである。
【0060】
(b)に従来のポリゴンミラーに比べ、各段のミラー部63、64においてハッチングで示すように薄板となる領域を少なくすることができ(その領域をポリゴンミラーの稜線(角部)の近傍部のみにすることができ)、ポリゴンミラー61の加工時の剛性を高めることができるとともに、角部のエッジに丸みを持たせて高速回転時の風損を低減することができるという効果を得ることができる。
【0061】
請求項1、2に記載の発明によれば、ポリゴンミラーを回転軸に固着して一体化することができるため、ポリゴンミラーを回転軸に押え付けるための板バネを不要にでき、高速回転時に回転体に作用する遠心力および温度上昇の影響を受けてポリゴンミラーが変形してしまうのを防止することができ、回転体のバランスが悪化してしまうのを防止することができる。
この結果、回転体の不釣り合いが生じてポリゴンスキャナの振動を増大させてしまうのを防止することができるとともに、面倒れ特性が悪化してしまうのを防止することができる。
また、アルミ合金からなる回転軸にセラミックスからなるポリゴンミラーを焼き嵌めまたは圧入によって固着したため、ポリゴンミラーの全周を回転軸で均一に保持することができ、アルミ合金とセラミックスによる熱膨張の差によって回転体のバランスが変化するのを低減することができる。
また、ポリゴンミラーが円柱状部材を介して複数段に分割し、該円柱状部材の断面形状を、該円柱状部材の中心からの外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径<R<外接円半径を満足する複数の円弧部分を有する形状にしたので、各段のポリゴンミラーにおいて薄板となる領域を少なくすることができ(具体的には、その領域をポリゴンミラーの稜線(角部)の近傍部のみにすることができ)、ポリゴンミラーの加工時の剛性を高めることができるとともに、角部のエッジに丸みを持たせて高速回転時の風損を低減することができる。
さらに、請求項1に記載の発明では、ポリゴンミラーの外周部に、アルミ合金からなりポリゴンミラーの内接円よりも大径の外周部を有するフランジが取り付けられるので、回転軸、固定軸およびポリゴンミラーの熱膨張の差によってポリゴンミラーへの熱応力を少なくすることができ、高温時にポリゴンミラーの変形が生じるのを防止することができるとともに回転体のバランスが変化するのを防止することができる。
また、アウターロータ型のような比較的大径なモータ方式のポリゴンスキャナに適用することができ、容易に高トルクを発生させてポリゴンスキャナの起動時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る回転体の一実施形態を示す図であり、その正面断面図である。
【図2】 一実施形態の主要部の断面図である。
【図3】 一実施形態の他の形状の回転体の正面断面図である。
【図4】 一実施形態の他の形状の回転体を示す図であり、(a)はポリゴンミラーの正面図、(b)は円柱状部材とミラー部の関係を示す図である。
【図5】 従来のポリゴンスキャナの正面断面図である。
【図6】 従来のポリゴンスキャナの主要部の断面図である。
【図7】 (a)は従来の他のポリゴンミラーの上面図、(b)は円柱状部材とミラー部の関係を示す図である。
【符号の説明】
31 回転スリーブ(回転軸)
32 フランジ
33、61 ポリゴンミラー
34 回転部(アキシャル磁気軸受)
34a 微細穴
35 固定軸
35a 動圧発生溝
36 ハウジング
37 固定部(アキシャル磁気軸受)
42 回転体
43 空気溜まり(閉空間)
46 溝
46a 内周面
53 モータ部
62 円柱状部材

Claims (2)

  1. アルミ合金からなるポリゴンミラーと、セラミックスからなりラジアル動圧発生用の軸受面が形成された回転軸とが焼き嵌めまたは圧入によって一体化され、前記回転軸の軸受面の軸方向に対してポリゴンミラーの鏡面が平行になるように構成され、前記ポリゴンミラーの外周部に、アルミ合金からなり前記ポリゴンミラーの内接円よりも大径の外周部を有するフランジが取り付けられ、
    前記ポリゴンミラーが円柱状部材を介して複数段に分割され、該円柱状部材の断面形状を、該円柱状部材の中心からの外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径<R<外接円半径を満足する複数の円弧部分を有する形状にしたことを特徴とする回転体。
  2. アルミ合金からなるポリゴンミラーと、セラミックスからなりラジアル動圧発生用の軸受面が形成された回転軸とが焼き嵌めまたは圧入によって一体化され、前記回転軸の軸受面の軸方向に対してポリゴンミラーの鏡面が平行になるように構成され、
    前記ポリゴンミラーが円柱状部材を介して複数段に分割され、該円柱状部材の断面形状を、該円柱状部材の中心からの外周縁までの半径をRとしたときに、ポリゴンミラーの内接円半径<R<外接円半径を満足する複数の円弧部分を有する形状にしたことを特徴とする回転体。
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