JP3729279B2 - 缶ツヤニス用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はウエットインキ性、加工性、ブロッキング性に優れた缶用ツヤニスポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来金属缶は飲料物、食品類、その他包装容器の1種として広く用いられてきている。これら缶の外面は金属防蝕性、美観、内容物表示の目的で印刷および塗装がなされている。
缶外面の一般的印刷、塗装としては、表面処理された金属板にサイズコーティング、またはホワイトコーティングと称する下塗りを施し、これに油性またはUVインキ等で数色の印刷がなされる。さらにその上に表面保護、および仕上がり外観向上のためツヤニス塗装がなされる。このときツヤニスは油性インキの乾燥行程を省略し、インキがウエット状態の上に塗装する方法(ウエット・オン・ウエット法)が、近年行われるようになった。
【0003】
このためツヤニス塗料に対する要求性能の主たるものとしては、(1)ウエット・オン・ウエット法でツヤニス塗装をしたとき、インキ層のにじみや凝集がなく、かつツヤニスのへこみ、はじき等がないこと(ウエットインキ性)、(2)複雑な成形、加工に耐える十分な加工性を有すること(加工性)、(3)塗装板を重ねたとき、塗膜がくっつかないこと(ブロッキング性)などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ツヤニス塗料としてはエポキシエステル系が用いられているがウエットインキ性がよい反面、加工性が不十分で最近のビード加工、ネックイン、スピンネッキング等の複雑な加工、および絞り加工に耐えない欠点がある。
【0005】
上記の複雑加工等に耐える樹脂系としてはエポキシーアクリル系、エポキシーアミノ系、もしくはエポキシーフェノール系の各種熱硬化性の塗料にポリエステル樹脂を添加した金属缶用塗料(特開昭50−32230号、特開昭55−5396号)が知られている。しかしながらこの系においてもウエットインキ性、耐レトルト性については満足な性能を得られていない。特にウエットインキ性は樹脂の凝集力が高いとインキ層を侵しやすく、満足な性能が得られない。このため、エチレングリコールや芳香族成分が多いポリエステルでは良好な性能が得られない。
【0006】
一方、加工性に優れると言われるポリエステル系塗料の技術課題としては、(1)ウエットインキ性の向上と(2)ブロッキング性の向上が挙げられる。通常(1)を満足するには樹脂中にバルキー、脂環族または長鎖のモノマー等を使用し、樹脂の凝集力を下げる方法が知られている。しかし、これらの方法でエポキシエステル並のウエットインキ性を満足させるにはグリコールにバルキー成分を多く用いる必要があり、そのため末端OH基とアミノ樹脂との硬化性が著しく低下する。また、長鎖モノマーを多量に用いるとTgが下がりすぎ、ブロッキング性が満足されない。脂環族モノマーで凝集力を下げるには多量に用いる必要があり、この場合、溶剤との相溶性が悪化したり、加工性が劣ったりする。以上から今までは(1)、(2)のバランスをとる事が困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく、末端OH基の硬化性を阻害しないジカルボン酸成分について鋭意研究を行った結果、ジカルボン酸成分として側鎖を持つアルキルまたはアルケニルコハク酸、または該酸無水物を使用することでTgを極度に下げず、硬化性を阻害せず、少量で効果的に樹脂の凝集力を下げることが可能となり、ウエットインキ性、加工性、ブロッキング性をバランス良く満足する缶用ツヤニスポリエステル樹脂組成物を発明するに至った。
【0008】
即ち本発明は、全ジカルボン酸成分の内、芳香族ジカルボン酸が20〜80モル%、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸のうち1種もしくは2種の側鎖を持つコハク酸または該コハク酸無水物1〜60モル%、その他のジカルボン酸が炭素数6〜12の脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0〜60モル%であり、かつ全グリコール成分の内、ネオペンチルグリコールが50〜100モル%、その他の炭素数2〜12の脂肪族および/または脂環族グリコールが0〜50モル%であり、全酸成分または全アルコール成分に対して0.1〜5モル%の3価以上の多価カルボン酸または多価アルコールからなり、還元粘度0.2〜0.6dl/g、ガラス転移温度が0〜50℃、樹脂比重が1.20以下であるポリエステル樹脂(A)および該ポリエステル樹脂(A)と反応し得る硬化剤(C)が(A)/(C)=80/20〜60/40(重量比)の割合で配合してなる缶ツヤニス用ポリエステル樹脂組成物である。
【0009】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は全ジカルボン酸成分の内、芳香族ジカルボン酸が20〜80モル%、好ましくは20〜50モル%含まれる。芳香族ジカルボン酸が20モル%未満であると塗膜の凝集力が低く塗膜の強度が得られず、80モル%を越えると逆に凝集力が強すぎウエットインキ性に劣る。芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられるが、好ましくはイソフタル酸とオルトフタル酸である。
【0010】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は全ジカルボン酸成分の内、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸のうち1種もしくは2種の側鎖を持つコハク酸または該酸無水物が1〜60モル%、好ましくは5〜30モル%含まれる。ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸のうち1種もしくは2種の側鎖を持つコハク酸または該酸無水物が1モル%未満であると凝集力を下げる効果が少なく、ウエットインキ性が満足しにくく、60モル%を越えると樹脂の可塑性が失われ加工性が劣る。好ましくは汎用性、経済性の面からドデセニルコハク酸無水物である。
【0011】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、全ジカルボン酸成分の内、その他のジカルボン酸として炭素数6〜12の脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0〜50モル%が含まれる。その他のジカルボン酸が60モル%を越えると樹脂の凝集力が低くなったり、Tgが低くなったりし、塗膜の加工性やブロッキング性が満足しない。炭素数6〜12のその他のジカルボン酸としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ヘキサヒドロオルトフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラヒドロオルトフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、これらの中から1種、または2種以上選択し使用できる。
【0012】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、全グリコール成分の内、ネオペンチルグリコール50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%が含まれる。ネオペンチルグリコールが50モル%未満であると樹脂凝集力が高くなり、ウエットインキ性が得られない。
【0013】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、全グリコール成分の内、その他のグリコールとして炭素数2〜12の脂肪族および/または脂環族グリコールが50モル%まで含まれる。その他のグリコールの中には50モル%を越えるとTgを下げ過ぎたり、樹脂の凝集力を高めす過ぎたりするものがあり、加工性、ウエットインキ性を著しく落とす可能性がある。その他のグリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ヘキシル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,9−ノナンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、4−プロピル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘシサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール類、水添加ビスフェノール等の脂環族グリコール等が挙げられ、これらから任意に選んで使用できる。ウエットインキ性、ブロッキング性、加工性のバランスから好ましくは、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、1,2−シクロヘシサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
【0014】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は全酸成分または全アルコール成分に対して0.1〜5モル%の3価以上の多価カルボン酸または多価アルコールが含まれる。3価以上の多価カルボン酸、多価アルコールが0.1モル%未満であると塗膜強度が得られず、5モル%を越えると加工性が得られない。3価以上の多価カルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物等、多価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、α−メチルグリコシド等が挙げられるがこれらの中から1種、もしくは2種以上を任意に選択し使用できる。好ましくはトリメリット酸、トリメチロールプロパンである。
【0015】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は還元粘度が0.2〜0.6dl/g、好ましくは0.25〜0.5dl/gである。還元粘度が0.2未満だと十分な加工性が得られず、0.6を越えると塗装適性が得られない。
【0016】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)はガラス転移温度が0〜50℃、好ましくは10〜40 、更に好ましくは15〜30℃である。ガラス転移温度が0℃未満であるとブロッキング性が得られず、50℃を越えると加工性が得られない。
【0017】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は樹脂比重が1.20以下、好ましくは1.18以下である。樹脂比重が1.20を越えると樹脂の凝集力が高く、十分なウエットインキ性が得られない。
【0018】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、硬化性、密着性向上のため、20〜150当量/106 gの樹脂酸価を付与し、ポリエステル樹脂(B)として使用することが出来る。酸価の付与はポリエステル重合後、酸無水物を添加することで容易に調整できる。そのときに使用される酸無水物としてはコハク酸、マレイン酸、オルトフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの酸無水物であり、好ましくはトリメリット酸無水物である。酸価量は150当量/106 gを越えると加工性が得られない場合がある。
【0019】
本発明におけるポリエステル樹脂(A)および/またはポリエステル樹脂(B)は該ポリエステル樹脂と熱硬化できるアミノ樹脂(C)と(A)+(B)/(C)=80/20〜60/40(重量部)の割合で配合し使用できる。この割合をはずれると加工性とブロッキング性のバランスが得られない場合がある。
【0020】
硬化剤(C)としてはアミノ樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物等本発明のポリエステル樹脂を反応し得るものであれば使用できるが本発明の効果を効果的に発揮させるためにはアミノ樹脂が好ましい。アミノ樹脂(C)としては、例えば尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどのホルムアルデヒド付加体、更にこれらの炭素数が1〜6のアルコールによるアルキルエーテル化合物を挙げることができる。具体的にはメトキシメチロール化尿素、メトキシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げられるが好ましくはメトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンであり、それぞれ単独または併用して使用することができる。
【0021】
本発明の缶ツヤニス用ポリエステル樹脂組成物は、有機溶剤に溶解し樹脂溶液として使用する。溶剤としてはポリエステル樹脂を希釈可能な溶剤であれば制限無く使用することができる。例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、セロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系の各種溶剤が挙げられ、溶解性、蒸発速度等を考慮して1種、または2種以上選択され使用される。一般的にツヤニスの場合、ウエットインキ性が必要なためインク層を侵さない貧溶媒系が用いられ、例えばソルベッソ#100、ソルベッソ#150、スワゾール#1500等、ブタノール、オクタノールなどのアルコール系、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系が望ましく用いられる。
【0022】
本発明の缶用ツヤニス用ポリエステル樹脂組成物にはシリカなどの公知の無機顔料、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸およびそのエステル化等の硬化触媒、表面平滑剤、消泡剤、分散剤、ワックス、ブロッキング防止剤等の公知の添加剤を配合することができる。
【0023】
【実施例】
以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。実施例において単に部とあるものは重量部を示す。
各測定評価項目は以下の方法に従った。
(1)樹脂組成の測定
核磁気共鳴スペクトル方、およびアルコリシス後のガスクロマトグラフによる分析により、酸成分、アルコール成分のモル比を求めた。
(2)還元粘度(dl/g)の測定
ポリエステル0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒25ccに溶かし、ウベローデ粘度計を用いて30℃で測定した。
(3)ガラス転移温度の測定
示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速度で測定した。
(4)酸価の測定
樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.1NのKOHエタノール溶液で滴定し、樹脂106 g当りの当量(当量/106 g)を求めた。
(5)比重の測定
樹脂の比重は30℃において密度勾配管による浮沈法により求めた。
【0024】
評価項目
(6)ホワイトテストピースの作成
縦150mm×横70mm×厚さ0.3mmのTFS(ティン・フリー・スチール)板にポリエステルホワイト塗料(ポリエステル バイロン600:東洋紡績(株)、メラミン樹脂 M−40S:住友化学(株)、硬化触媒 p−トルエンスルホン酸、酸化チタン タイペークR−930:石原産業(株)をビーズ分散したもの)を乾燥膜厚10〜15μmになるように塗布し、230℃×1分乾燥させこれをホワイトテストピース(基材)とした。
(7)ウエットインキ性
ホワイトテストピース上にインク層(マツイカガク(株))を膜厚2μmになるよう設け、これにウエット・オン・ウエット法で本発明のツヤニス用塗料を塗布した。これを180℃×10分の硬化焼付を行った後、30倍のルーペで観察し、インク層のにじみ、はじき、光沢の劣化等の有無を判定した。
○:良好 △:若干のにじみ、はじき、光沢劣化あり
×:著しいにじみ、はじき、光沢劣化あり
【0025】
(8)ツヤニステストピースの作成
ホワイトテストピースに本発明のツヤニス塗料(メチル化メラミン樹脂 サイメル303、硬化触媒 キャタリスト600:共に三井サイアナミッドを配合した物)を膜厚6〜8μmとなるように設け、これを180℃×10分の硬化焼付を行い、これをツヤニステストピースとした。
(9)加工性
ツヤニステストピースを0.3mm厚の基材を1枚はさみ、180度に折り曲げ、その曲部に発生する塗膜の割れを30倍のルーペで観察、判定した。
○:良好 △:若干の割れがあり ×:著しい割れがあり
(10)ブロッキング性
ツヤニステストピースを表裏で2枚重ね、50Kg/cm2 の荷重を加え、50℃×5時間の雰囲気下放置し、ブロッキングの有無を判定した。
○:良好 △:若干のブロッキングあり
×:著しいブロッキングあり
【0026】
合成例(a)
イソフタル酸470部、セバシン酸220部、ヘキサヒドロ無水フタル酸260部、ドデセニル無水コハク酸80部、トリメリット酸23部、ネオペンチルグリコール940部、チタンブトキサイド0.5部を3Lの4つ口フラスコに仕込み4時間かけて230℃まで徐々に昇温しエステルを行った。次いで30分かけて10mmHgまで減圧初期重合を行うと共に温度を260℃まで昇温し、さらに1mmHg以下で90分間後期重合を行い、ポリエステル樹脂(a)を得た。
【0027】
合成例(b)
イソフタル酸470部、セバシン酸220部、ヘキサヒドロ無水フタル酸260部、n−ドデセニル無水コハク酸80部、トリメリット酸23部、ネオペンチルグリコール940部、チタンブトキサイド0.5部を3Lの4つ口フラスコに仕込み4時間かけて230℃まで徐々に昇温しエステル交換を行った。次いで30分かけて10mmHgまで減圧初期重合を行うと共に温度を260℃まで昇温し、さらに1mmHg以下で90分間後期重合を行った。これを、一端、窒素雰囲気下、230℃まで冷却した後、トリメリット酸12部添加し、窒素雰囲気下で30分撹拌し、ポリエステル樹脂(b)を得た。
合成例(c)〜(g)
合成例(a)または(b)と同様にして、樹脂組成が表1に示されるようなポリエステル樹脂(c)〜(g)を合成した。
【0028】
【表1】
Figure 0003729279
【0029】
比較合成例(h)〜(n)
合成例(a)または(b)と同様にして、樹脂組成が表2に示されるような比較ポリエステル樹脂(h)〜(n)を得た。
【0030】
【表2】
Figure 0003729279
【0031】
実施例 1
本発明のポリエステル樹脂(a)100部をブチルセロソルブ30部、ソルベッソ#150120部に溶解した樹脂溶液にアミノ樹脂であるサイメル303(三井サイアナミッド(株))30固形部、キャタリスト600(三井サイアナミッド(株))1固形部を配合、撹拌しツヤニス塗料組成物を得た。これを前述した方法で塗布、硬化しツヤニステストピースを得た。このツヤニステストピースを評価したところいずれの項目も良好であった。結果を表3に示す。
【0032】
実施例 2〜9
実施例1と同様に塗料組成物、ツヤニステストピースを作成、評価し良好な結果を得た。結果を表3に示す。
【0033】
比較例 10〜18
実施例1と同様に塗料組成物、ツヤニステストピースを作成、評価した。結果を表4に示す。
【0034】
【表3】
Figure 0003729279
【0035】
【表4】
Figure 0003729279
【0036】
表3、4で明らかなように、本発明の缶用ツヤニス塗料組成物はウエットインキ性、加工性、ブロッキング性に優れた塗膜を与える。
【0037】
【発明の効果】
従来のツヤニス用ポリエステル樹脂組成物の技術課題としては、(1)ウエットインキ性の向上と(2)耐ブロッキング性の向上があり、通常(1)としてはバルキーなモノマーや長鎖モノマーを用いることが行なわれていたが、これらのモノマーを多く用いると硬化性が阻害されたり、必要以上にTgが低くなるため(2)の耐ブロッキング性が得られなかった。本発明では、側鎖を持つコハク酸、または該酸無水物を使用することでTgを極度に下げず、硬化性を阻害せず、効果的に樹脂の凝集力を下げる効果を発揮させることができ、ウエットインキ性、加工性、ブロッキング性をバランス良く満足する缶用ツヤニスポリエステル樹脂組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 全ジカルボン酸成分の内、芳香族ジカルボン酸が20〜80モル%、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸のうち1種もしくは2種の側鎖を持つコハク酸または該コハク酸無水物1〜60モル%、その他のジカルボン酸が炭素数6〜12の脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0〜60モル%であり、かつ全グリコール成分の内、ネオペンチルグリコールが50〜100モル%、その他の炭素数2〜12の脂肪族および/または脂環族グリコールが0〜50モル%であり、全酸成分または全アルコール成分に対して0.1〜5モル%の3価以上の多価カルボン酸および/または多価アルコールからなり、還元粘度が0.2〜0.6dl/g、ガラス転移温度が0〜50℃、樹脂比重が1.20以下であるポリエステル樹脂(A)及び該ポリエステル樹脂(A)と反応し得る硬化剤(C)が(A)/(C)=80/20〜60/40(重量比)の割合で配合してなる缶ツヤニス用ポリエステル樹脂組成物。
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