JP2003147263A - 絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物及び該組成物の利用 - Google Patents

絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物及び該組成物の利用

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JP2003147263A JP2002168102A JP2002168102A JP2003147263A JP 2003147263 A JP2003147263 A JP 2003147263A JP 2002168102 A JP2002168102 A JP 2002168102A JP 2002168102 A JP2002168102 A JP 2002168102A JP 2003147263 A JP2003147263 A JP 2003147263A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、短時間焼付硬化性に優れ、
光沢及び性能(高加工性、密着性、耐傷付き性、耐水
性)に優れる塗膜を形成し得る、絞り加工缶用上塗り外
面塗料組成物を提供することにある。 【解決手段】 低分子ポリエステル樹脂(A)、高分子
ポリエステル樹脂(B)、アクリルアミド系モノマーを
共重合させてなるアクリル樹脂(C)、ベンゾグアナミ
ン系アミノ樹脂(D)及び低分子エポキシ樹脂(E)を
必須成分とする塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶外面塗料に関
し、詳しくは塗膜に光沢、硬度、耐水性、耐傷付き性が
要求され、硬化性も要求される飲料缶の外面塗料に関
し、より詳しくは、高加工性を要求される絞り加工缶に
好適な、絞り加工缶用上塗り外面クリアー塗料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属缶は、従来、飲料、食品類等の、包
装容器の一種として広く用いられてきている。これらの
缶の外面は、防蝕、美装、内容物表示の目的で印刷及び
塗装がなされている。缶胴部の外面は、以下に示すよう
な方法で印刷・塗装されることが多い。即ち、金属表面
の保護を目的とするサイズコーティングと称する下塗り
を施し、この上に油性インキ等で文字・図柄等の印刷が
なされた後、その上に表面保護や、時には外観向上を目
的としてクリアー(もしくは仕上げワニス)と称する透
明な上塗りが施される。あるいはサイズコーティングの
上に、ホワイトコーティングと称する中塗りを設け、そ
の上に印刷層を設け、その上に上塗りが施される。クリ
アー上塗り塗料による塗装は、工程合理化の観点から、
未乾燥インキ上に行われ、クリアー層と同時に加熱乾燥
させる方法が広く一般的に採用されている。
【0003】ところで、金属包装容器のうち、底部と円
筒状部材とが一体化し一方の端が開口している有底円筒
状部材(缶胴部部材)と、蓋状部材とを具備してなる容
器の場合、缶胴部部材の外面に上記したような下塗り層
等を設けた後、缶胴部の金属の開口端の口径を、底部の
口径よりも小さくすることが一般的である。従来は、缶
胴部の開口端の口径を、底部の口径の80〜90%程度
位までしか小さくできなかった。
【0004】最近は、缶胴部の開口端の口径を、底部の
口径の40〜70%程度にまで小さくする加工(以下、
絞り加工ともいう)が、下地金属の適切な選択やそれを
成型する加工技術を面からは確立しつつある。
【0005】そこで、このような新しく複雑かつ過酷な
加工に対応すべく、下地金属上に塗布された外面塗膜に
も、従来よりも厳しい性能が要求されることとなった。
しかし、従来の塗料組成物から形成される塗膜は脆く、
絞り加工やその後の処理によって、亀裂が生じてしまう
という新たな問題が生じた。そこで、そのような過酷な
条件でも塗膜が損傷を受けないようにするために、塗膜
に強靭性を持たせるための工夫が近年色々と試みられて
いる。
【0006】特開平7−62295号公報、特開平9−
194794号公報には、高分子直鎖型ポリエステル樹
脂、低分子分岐型ポリエステル樹脂及びアミノ樹脂を必
須成分とする缶外面用塗料組成物が開示されており、こ
れらの場合加工性やウエットインキ適性や耐レトルト性
はかなり改良されている。ところで、クリアー上塗り外
面塗料には、短時間焼付(硬化)が強く要求されるが、
上記公報に開示された塗料組成物ではこのような要求を
満足することができなかった。また、高屈折率のポリエ
ステル樹脂を使用すると、塗膜の光沢が低下するという
問題があった。さらに飲料等用の缶は、塗装された後搬
送する際に缶同士又は缶と搬送レール等とが接触し、擦
り合わされるので外面塗膜には耐傷付き性が要求される
が、上記公報に開示された塗料組成物ではこのような要
求を満足することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状を
踏まえてなされたものであり、その目的とするところ
は、短時間焼付硬化性に優れ、光沢及び性能(高加工
性、密着性、耐傷付き性、耐水性)に優れる塗膜を形成
し得る、絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、皮膜形成成分として、
低分子ポリエステル樹脂(A)、高分子ポリエステル樹
脂(B)、アクリルアミド系モノマーを共重合させてな
るアクリル樹脂(C)、及びベンゾグアナミン系アミノ
樹脂(D)を必須成分とする塗料組成物が、短時間で焼
付硬化可能であり、高加工性及び光沢に優れる塗膜を形
成し得ること、さらに比較的少量の低分子エポキシ樹脂
(E)を配合させることで下塗り塗膜であるサイズコー
ティング層やインキ層との密着性を向上することができ
ること、また動植物系ワックスや合成ワックスやシリコ
ン樹脂等の潤滑性付与物質を上記塗料に配合させること
で、塗装後の缶を搬送する工程における缶外面塗膜の耐
傷付き性を向上させることができることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0009】即ち、第一の発明は、(A)〜(E)合計
100重量%中に、 数平均分子量1000〜3000である低分子ポリエス
テル樹脂(A):5〜35重量%、 数平均分子量6000〜15000である高分子ポリエ
ステル樹脂(B):25〜40重量%、 N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド系モノマ
ーを5〜50重量%含有するアクリル系モノマーを共重
合させてなるアクリル樹脂であって、ガラス転移点Tg
が−20〜50℃、数平均分子量が5000〜1500
0であるアクリル樹脂(C):5〜10重量%、 ベンゾグアナミン系アミノ樹脂(D):35〜55重量
%、 及び数平均分子量300〜1500、エポキシ当量18
0〜1000である低分子エポキシ樹脂(E):0〜10
重量% を含有することを特徴とする絞り加工缶用外面塗料組成
物であり、
【0010】第二の発明は、低分子量ポリエステル樹脂
(A)の水酸基価が、50〜200mgKOH/gであ
り、高分子量ポリエステル樹脂(B)の水酸基価が、5
〜50mgKOH/gであることを特徴とする第一の発明
に記載の絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物であり、
【0011】第三の発明は、潤滑性付与剤を含有するこ
とを特徴とする第一又は第二の発明に記載の絞り加工缶
用上塗り外面塗料組成物である。
【0012】さらに第4の発明は、一方の端が開口して
いる有底円筒状金属の円筒部外面に下塗り層を設け、該
下塗り層上に上記第1ないし第3いずれかの発明に記載
の絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物から形成される上
塗り層を設けてなることを特徴とする外面被覆有底円筒
状金属であり、第5の発明は、下塗り層と上塗り層との
間に、中塗り層及び印刷層、又は印刷層が設けられてな
ることを特徴とする第4の発明に記載の外面被覆有底円
筒状金属である。
【0013】
【発明の実施形態】本発明で用いられる低分子ポリエス
テル樹脂(A)及び高分子ポリエステル樹脂(B)は、
広く知られている多塩基酸と多価アルコールの重縮合反
応(エステル化反応)により合成することができる。こ
の反応は常圧下、減圧下の何れで行っても良く、又分子
量の調節は多塩基酸と多価アルコールとの仕込み比によ
って行うことができる。
【0014】本発明における低分子及び高分子ポリエス
テル樹脂の合成に使用できる多塩基酸としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等の芳香族二塩基
酸類、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環
族二塩基酸類、また(無水)コハク酸、フマル酸、(無
水)マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ハイミック酸等の脂肪族二塩基酸類が挙げられ、塗
膜の硬度と可撓性を勘案してこれらのうちから適宜選択
して使用することができる。
【0015】また、二価アルコールとしては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−n−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、2−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、キシレングリコール、水添ビスフェノールA等の脂
肪族二価アルコール、又バーサチック酸グリシジルエス
テル、εカプロラクトン等の二価アルコール相当化合物
が挙げられ、塗膜の硬度と可撓性を勘案してこれらのう
ちから適宜選択して使用することができる。
【0016】また、三価以上の多価アルコールとして
は、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。合
成に際しては、生成樹脂の分岐度、分子量を制御するた
めに多価アルコールの量を調整し、また塗膜の硬度と可
撓性とを勘案して、二価アルコールの種を適宜選択すれ
ば良い。
【0017】本発明において用いられる低分子ポリエス
テル樹脂(A)は、数平均分子量が1000〜3000
の範囲内にある。数平均分子量が1000未満の場合
は、充分な塗膜性能(硬度、加工性、耐水性)を与える
ことができず、一方数平均分子量が3000を超える場
合には、水酸基が少なくなり、アミノ樹脂との反応性が
低下すると共に、塗料粘度が上昇し、高速塗装性(塗料
の転移性)の低下を招来する。また、水酸基価は50〜
200mgKOH/gであることが好ましく、50〜1
00mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基
価が50mgKOH/gよりも小さいと、アミノ樹脂等
との反応性が低下する傾向にあるので、低温硬化性、耐
水性の低下を招来する。一方、水酸基価が200mgK
OH/gよりも大きいと、硬化密度が増す傾向を示すも
のの、塗膜の脆さを生じ結果として加工性が低下する傾
向を示す。
【0018】低分子ポリエステル樹脂(A)の市販品と
しては、東洋紡績(株)製のバイロン220(Mn=3
000、水酸基価=50mgKOH/g)、ユニチカ(株)製
のエリーテルUE3320(Mn=1800、水酸基価
=60mgKOH/g)等が挙げられる。
【0019】また、本発明において用いられる高分子ポ
リエステル樹脂(B)は、数平均分子量が6000〜1
5000の範囲にある。数平均分子量が6000未満の
場合には、目的とする高加工性を塗膜に付与することが
できず、一方数平均分子量が15000を超える場合に
は、アミノ樹脂をはじめ他の樹脂との相溶性が低下し、
塗料粘度が上昇し、高速塗装性(塗料の転移性)の低下
を招来する。また、水酸基価は5〜50mgKOH/g
であることが好ましく、5〜30mgKOH/g以下で
あることがより好ましく、特に5〜20mgKOH/g
であることがより好ましい。水酸基価が5mgKOH/
gよりも小さいと、硬化剤であるアミノ樹脂等との反応
相手である樹脂として低分子ポリエステル樹脂(A)の
水酸基価だけによる熱硬化時の架橋が促進され、結果と
して低温硬化性、耐水性が著しく低下する傾向を示す。
水酸基価が50mgKOH/gよりも大きいと、硬化密
度、耐水性が向上するものの、得られる塗膜の架橋密度
が増し塗膜の脆さを生じ結果として加工性が低下する傾
向にある。
【0020】高分子ポリエステル樹脂(B)の市販品と
しては、東洋紡績(株)製のバイロンGK−810(M
n=6000、水酸基価=19mgKOH/g)、バイロンG
K−680(Mn=6000、水酸基価=21mgKOH/
g)、バイロンGK−180(Mn=10000、水酸基
価=23mgKOH/g)、バイロンGK−890(Mn=1
1000、水酸基価=13mgKOH/g)、ユニチカ(株)
製のエリーテルUE−3380(Mn=8000、水酸
基価=15mgKOH/g)、エリーテルUE−3300(M
n=8000、水酸基価=18mgKOH/g)、荒川化学工
業(株)製のアラキード7029(Mn=14000、
水酸基価=7〜13mgKOH/g)、アラキード7036(M
n=14000、水酸基価=10〜20mgKOH/g)等が
挙げられる。
【0021】上記重縮合反応で得られた両ポリエステル
樹脂(A)及び(B)は、溶剤に溶解した溶液の形で塗
料調整に供される。この溶剤にはポリエステル樹脂を希
釈可能なものであれば制限なく使用できる。たとえばト
ルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#
150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
2−エチルヘキサノール、エチレングリコール等のアル
コール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系、ジオキサン、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等のエーテル系、セロソルブアセテ
ート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソ
ルブ系の各種溶剤が挙げられる。両ポリエステル樹脂
(A)及び(B)溶液の固形分濃度は、いずれも通常2
0〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。
70重量%を超える場合には高粘度で取り扱いが困難と
なり、20重量%に満たない場合には調整した塗料の粘
度が低くなりすぎる。
【0022】次に本発明に用いられるアクリル系樹脂
(C)について説明する。アクリル樹脂(C)は、上記
した両ポリエステル樹脂(A)及び(B)とアミノ樹脂
との相溶性を向上し、ウエットインキ特性、光沢及び硬
化性を向上する機能を担う。本発明におけるアクリル樹
脂(C)は、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルア
ミドモノマー(a)を5〜50重量%含有するアクリル
系モノマーを従来公知の種々の重合方法、例えば有機溶
剤中でラジカル重合させて得ることができる。N−アル
コキシメチル(メタ)アクリルアミドモノマー(a)と
の共重合に用いられる上記(a)以外のモノマーとして
は、α、βーエチレン性不飽和二重結合及び−COOH
を有するモノマー(b)、上記(a)、(b)以外の
α、βーエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーで
あってガラス転移温度が−85〜0℃の単独重合体を形
成し得る低Tgモノマー(c)、上記(a)〜(c)と
共重合可能な他のモノマー(d)を挙げることができ
る。
【0023】本発明においてアクリル樹脂(C)を得る
際に用いられるN−アルコキシメチル(メタ)アクリル
アミド系モノマー(a)としては、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド等が挙げられ、好ましくはN−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド等が挙げられる。このようなモノマー(a)は、
モノマー(a)〜(d)の合計の100重量%中に5〜
50重量%の範囲にあることが重要であり、5〜20重
量%の範囲にあることが好ましく、10〜18重量%の
範囲にあることがより好ましい。モノマー(a)は、硬
化塗膜を形成する際に自己縮合したり、上記ポリエステ
ル樹脂(A)及び(B)と反応し得る官能基をアクリル
樹脂(C)に導入する機能を担うので、このような自己
縮合性モノマー(a)が、全モノマー100重量%中5
%未満になると塗膜の架橋密度が低下し、その結果塗膜
の傷つき性、塗膜硬度が低下してしまう。一方、モノマ
ー(a)が、全モノマー100重量%中50重量%を超
えると、アクリル樹脂(C)中のモノマー(a)に由来
するN−アルコキシ基の自己縮合反応が亢進し過ぎて塗
膜の架橋密度が増大し、その結果として本来発揮すべき
加工性やインキ層、下塗り塗膜との密着性、及び塗膜硬
度や耐溶剤性が低下してしまう。
【0024】アクリル樹脂(C)を得る際に用いられ得
るα、β−エチレン性不飽和二重結合及び−COOHを
有し、上記(a)と共重合し得るモノマー(b)として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボン
酸モノマーが挙げられ、アクリル酸又はメタクリル酸が
好ましい。これら−COOH基含有モノマー(b)の使
用量は、(a)〜(d)モノマー100重量%中1〜1
0重量%であることが好ましい。1重量%未満では基材
に対する密着性が低下する傾向にあり、一方、10重量
%を超えると、塗膜の耐熱水性を低下させる傾向にあ
る。
【0025】本発明においてアクリル樹脂(C)を得る
際に用いられ得るα、β−エチレン性不飽和二重結合を
有し、ガラス転移温度が−85〜0℃の単独重合体を形
成し得る低Tgモノマー(c)としては、エチルアクリ
レート(−22℃)、イソプロピルアクリレート(−5
℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、n−ヘキ
シルメタアクリレート(−5℃)、2−エチルヘキシル
アクリレート(−85℃)、2−エチルヘキシルメタア
クリレート(−10℃)、n−ラウリルアクリレート
(−3℃)、n−ラウリルメタアクリレート(−65
℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、フェノ
キシエチルアクリレート(−25℃)、トリデシルメタ
アクリレート(−46℃)が挙げられる。低Tgモノマ
ー(c)の使用量は、(a)〜(d)全モノマー100
重量%中20〜60重量%であることが重要であり、3
0〜55重量%であることが好ましい。低Tgモノマー
(c)が、20重量%未満だとクリアー塗膜層とインキ
層との相溶性及び塗膜の柔軟性が低下し易く、その結果
としてインキ層上のクリアー塗膜に必須とされる光沢や
加工性、密着性が低下する。一方、低Tgモノマー
(c)が60重量%を超えると、形成される塗膜の耐傷
付き性、硬度、耐臭気吸着性が低下し易い。
【0026】本発明においてアクリル樹脂(C)を得る
際に必要に応じて用いられる他のモノマー(d)は、上
記(a)〜(c)と共重合しうるものであれば特に制限
は無く、結果として共重合されたアクリル樹脂(C)の
ポリマーのTgが−20〜50℃に調整可能なモノマー
が好ましい。例えば、メチルアクリレート(単独重合体
のTg:8℃、以下同様)、n−ブチルメタアクリレー
ト(20℃)、酢酸ビニル(30℃)、エチルメタアク
リレート(65℃)、メチルメタアクリレート(105
℃)、イソプロピ ルメタアクリレート(81℃)、イ
ソブチルメタアクリレート(67℃)、t−ブチルメタ
アクリレート(107℃)、スチレン(100℃)、イ
ソボロニルアクリレート(94℃)、シクロヘキシルメ
タアクリレート(66℃)等が挙げられる。また−OH
基含有モノマーとしては、2−ヒドロキエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、4−ヒドロキシブチルメタアクリレートやε−カプ
ロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げ
られる。これらのモノマーの使用量は、(a)〜(d)
の全モノマー100重量%中0〜40重量%であること
が好ましい。
【0027】本発明において上記アクリルモノマーを使
用してアクリル樹脂(C)を得る際に用いられる重合開
始剤としては、過酸化ベンゾイル、tーブチルパーオキ
シー2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート等の過酸化物、又は2,2−アゾビスイソ
ブチルニトリルのようなアゾ化合物が挙げられ、これら
を使用してラジカル重合反応を行えばよい。さらに重合
反応時に使用する溶剤としては、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
アルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、3−メチルー3
−メトキシブタノール等のグリコール系溶剤、トルエ
ン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#15
0等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ
酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系が挙げられる。
【0028】上記のようにして得られるアクリル樹脂
(C)は、数平均分子量が5000〜15000であ
り、7000〜10000であることがより好ましい。
数平均分子量が5000未満となると、低分子物による
加工性の低下が見られ、数平均分子量が15000を越
えると配合される高分子ポリエステル樹脂(B)との相
溶性が劣り、結果として加工性や硬化性が劣る。また、
上記のようにして得られるアクリル樹脂(C)のTg
は、−20〜50℃であり、Tgが−20℃未満のアク
リル共重合体を用いると、塗膜の伸縮性は向上するもの
の、塗膜硬度と耐傷つき性が劣る。一方、アクリル共重
合体のTgが50℃を越えると、合成されたアクリル樹
脂の樹脂溶液粘度が増大するので、結果として高分子ポ
リエステル樹脂との相溶性が低下し、不揮発分50%以
上の高固形分の塗料を得ることが困難となり、また塗膜
の密着性も劣る。
【0029】本発明において用いられるベンゾグアナミ
ン系アミノ樹脂(D)は、一般に広く知られているベン
ゾグアナミンのアミノ基の一部又は全部にホルムアルデ
ヒドを付加してメチロール化した後、縮合させてなるも
のであり、イミノ基、メチロール基、またはメチロール
基にアルコールが付加したメトキシ基を有し、これらの
基を併せ持つものもある。本発明において用い得るアミ
ノ樹脂としては、メチロール基の一部が部分的にメタノ
ール又はブタノールでエーテル化されたメトキシ化ベン
ゾグアナミン樹脂又は ブトキシ化ベンゾグアナミン樹
脂が好ましい。さらにベンゾグアナミン核1個あたり
0.5〜2.0個のイミノ基を有するアミノ樹脂を用い
ることが好ましい。イミノ基が0.5個未満の場合、反
応性の低下から耐臭気吸着性、耐沸水性、硬化性が低下
する傾向にある。一方、イミノ基が2.0個を超える
と、加工性、密着性が低下する傾向にある。また、メラ
ミン系アミノ樹脂を用いた場合には、自己縮合反応が促
進され、硬化性と加工性が低下する傾向にある。
【0030】ベンゾグアナミン系アミノ樹脂(D)の市
販品としては、日立化成工業(株)製のメラン359
S、メラン310XK−IB、メラン3270、大日本
インキ化学(株)製のスーパーベッカミンTD−126
等が挙げられる。
【0031】本発明においては被膜形成成分の1つとし
て、さらに数平均分子量300〜1500、エポキシ当
量180〜1000である低分子エポキシ樹脂(E)を必
要に応じて用いることができる。低分子エポキシ樹脂
(E)としては、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピ
コート1001(数平均分子量:900、エポキシ当
量:450〜500)等を挙げることができる。
【0032】本発明の塗料組成物は、上記した(A)〜
(E)各成分を、塗料を構成する皮膜形成成分、即ち
(A)〜(E)100重量%中に、 低分子ポリエステル樹脂(A):5〜35重量%、 高分子ポリエステル樹脂(B):25〜40重量%、 アクリル樹脂(C):5〜10重量%、 ベンゾグアナミン系アミノ樹脂(D):35〜55重量
%、 低分子エポキシ樹脂(E):0〜10重量%を含有する
ことが重要である。
【0033】低分子ポリエステル樹脂(A)の含有量が
5重量%未満となり、高分子ポリエステル樹脂(B)の
含有量が40重量%を超えると、官能基である−OH基
が少ないため低温焼付での硬化性が劣り、結果として塗
膜硬度が低下してしまう。また、高分子ポリエステル樹
脂(B)の含有量が40重量%を超えると、アミノ樹脂
(D)等との相溶性が劣り、インキ上の塗膜の光沢が低
下する。一方、低分子ポリエステル樹脂(A)の含有量
が35重量%を超え、高分子ポリエステル樹脂(B)の
含有量が、25重量%未満となると相対的に後述する高
分子ポリエステル樹脂(B)の含有量が少なくなり、十
分な加工性を得ることができない。
【0034】アクリル樹脂(C)の含有量が5重量%未
満の場合、高分子ポリエステル樹脂(B)とアミノ樹脂
(D)との相溶性の悪さを改善できない。その結果、ク
リアー塗料として必要不可欠な光沢が悪くなる。一方、
アクリル樹脂(C)の含有量が10重量部を超えると、
高分子ポリエステル樹脂(B)とアクリル樹脂(C)と
の相溶性が悪くなり、塗膜が白濁してしまい、光沢の面
で劣った塗膜しか得られない。
【0035】本発明において使用されるベンゾグアナミ
ン系アミノ樹脂(D)の含有量が35%未満では、形成
される塗膜の耐傷付き性、耐熱水性、硬化性、硬度が低
下する。一方、ベンゾグアナミン系アミノ樹脂(D)の
含有量が55重量%を超えると形成される塗膜の加工
性、密着性が低下する傾向にある。
【0036】本発明において低分子エポキシ樹脂(E)
は、任意成分であり必ずしも含有せしめなくてもよい
が、含有する場合には(A)〜(E)合計100重量%
中0〜10重量%であることが重要である。10重量%
を超えると、相対的に低分子成分が増えるので加工性、
耐沸水性が劣る。
【0037】本発明の塗料組成物には、必要に応じて、
例えばp−トルエンスルホン酸、ドデシルベン ゼンス
ルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、リン酸等の
酸触媒、又は前記酸触媒をアミンブロックしたものを、
全樹脂(A)〜(E)100重量部に対して0.1〜
4.0重量部添加して使用することができる。
【0038】本発明の塗料組成物には、さらに潤滑性付
与剤を含有することができる。潤滑性付与剤としては種
々のワックスが用いられる。ワックスは、天然又は合成
いずれでもよく、天然ワックスは動物系、植物系いずれ
であっても良い。また、合成ワックスとしては、ポリオ
レフィン系、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス
の他に、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物も
用いることができる。また、潤滑性付与剤は2種類以上
を併用することもでき、動植物系ワックス、シリコーン
系ワックス及びフッ素系ワックスを併用することが好ま
しい。潤滑性付与剤は、(A)〜(E)の合計100重
量部に対して0.5〜5重量部配合することが好まし
く、1〜3重量部配合することがより好ましい。
【0039】本発明の塗料組成物は、各種基材、例えば
金属板、プラスチックフィルム、又は金属板にプラスチ
ックフィルムを積層してなるもの等に、ロールコート、
コイルコート、スプレー、刷毛塗り等公知の手段により
塗装することができる。金属板としては、電気メッキ錫
鋼板、アルミニウム鋼板、ステンレス鋼板が挙げられ、
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のプ
ラスチックのフィルムが挙げられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、「部」とは重量部、「%」とは重量%をそれぞれ示
す。
【0041】合成例1(低分子ポリエステル樹脂A−1
の製造) 窒素ガスを還流した清浄なる2リットルの反応容器に、
酸成分モル比として無水フタル酸50モル%、テレフタ
ル酸20モル%、ヘキサ無水フタル酸20モル%、無水
トリメリット酸10モル%、アルコール成分モル比とし
て1,6−ヘキサンジオール30モル%、ネオペンチル
グリコール15モル%、トリメチロールプロパン30モ
ル%、エチレングリコール25モル%を仕込んで、攪拌
しながら160℃まで加熱して内容物を溶解均一化させ
た。縮合水を系外に溜去しながら、240℃まで3時間
掛けて昇温させた。240℃で2時間反応せしめ、分留
缶にキシレンを満たし、反応系にキシレンを加えてキシ
レン還流下で更に縮合反応を進めた。
【0042】反応物の酸化が10に達した時点で冷却を
行い、冷却後ソルベッソ#150/ブチルセロソルブ=
1/1の混合溶剤を加えて、透明粘調な低分子ポリエス
テル樹脂(A−1)溶液を得た(固形分:60.3%、
25℃におけるガードナー気泡粘度:O−S)。得られ
た低分子ポリエステル樹脂(A−1)の酸価は5.1、
水酸基価は165、数平均分子量は1000であった。
【0043】合成例2〜9 合成例1と同様にして表1に示す低分子ポリエステル樹
脂(A−2)〜(A−6)、高分子ポリエステル(B−
1)〜(B−3)を合成した。
【0044】
【表1】
【0045】合成例10(高分子ポリエステル樹脂(B
−1)溶液の調整) ユニチカ(株)製のポリエステル樹脂「ユニチカ エリ
ーテルUE−3380」(数平均分子量8000、水酸
基価15mgKOH/g、酸価1)をソルベッソ#150/ブ
チルセロソルブ=50/50の混合溶剤にて希釈して固
形分60%の高分子ポリエステル樹脂(B−1)溶液を
得た。
【0046】合成例11〜12 「ユニチカ エリーテルUE−3380」の代わりに、
東洋紡績(株)製のポリエステル樹脂「バイロンGK−
890(数平均分子量11000、水酸基価13mgKOH/
g)」、「バイロンGK−110(数平均分子量160
00、水酸基価7mgKOH/g)」をそれぞれ用いた以外
は、合成例10と同様にして高分子ポリエステル樹脂
(B−2)、(B−3)溶液を調整した。
【0047】合成例13(アクリル樹脂(C−1)溶液
の製造) 攪拌機、還流冷却器、滴下槽、温度計、窒素ガス導入管
を具備した容量1リットルの四ツ口フラスコに、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル141部、N−ブタ
ノール42部、ソルベッソ#150を233部を仕込
み、110℃まで昇温した。同温を保持しつつ、滴下槽
から、N−メトキシメチルメタアクリルアミド55部、
アクリル酸27部、アクリル酸ブチル 219部、スチ
レン247部、過酸化ベンゾイル10部の混合液を4時
間に亘って連続滴下した。滴下終了1時間後に過酸化ベ
ンゾイル3部を添加し、更に2時間反応を行った。生成
溶液を80℃まで冷却し、ソルベッソ#150を19部
添加し混合して、数平均分子量10000、Tgが9℃
の透明なアクリル樹脂(C−1)溶液を得た(不揮発分
55.0%、粘度W)。
【0048】合成例14〜24 合成例14と同様にして表2に示すアクリル樹脂(C−
2)〜(C−12)溶液を合成した。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例1〜18及び比較例1〜14)合
成例1〜12で得られたポリエステル樹脂、合成例13
〜24で得られたアクリル樹脂、及びアミノ樹脂、エポ
キシ樹脂とを表3、4に示す割合(固形分)で配合し、
さらに傷付き防止のために潤滑性付与剤(動植物物系ワ
ックス溶剤分散体、合成ワックス溶剤分散体、シリコン
樹脂溶液)を表3、4に示す割合で配合し、これにソル
ベッソ#150とブチルセロソルブの混合溶剤で希釈し
て不揮発分50%のクリアー塗料を調整した。
【0051】得られたクリアー塗料を用いて2種類の試
験片を得、以下に示す試験を行った。結果を表3、4に
示す。 <試験片1>:厚さ0.28mmのアルミ板にポリエス
テル系のサイズコーティング塗料を乾燥後膜厚が3μm
となるように塗布し、雰囲気温度190℃のガスオーブ
ンで1分間加熱乾燥させた。この上に乾性油アルキッド
樹脂またはポリエステル樹脂をビヒクルの主成分とする
インキを印刷し(2μm)、インキが未乾燥の状態で上
記のクリアー塗料を乾燥後膜厚が8μmとなるように塗
布し、雰囲気温度200℃のガスオーブンで1分間加熱
乾燥した。さらに内面塗装のために雰囲気温度200℃
のガスオーブンで3分間追加で加熱乾燥を行った。 <試験片2>:インキ層を設けなかった以外は、試験片
1と同様にして試験片2を得た。
【0052】<加工性試験>試験片2を用いて、四変缶
打抜き加工したもの(底面の形状:約33mm×35mm×
35mm×37mm、4つの角のアールがそれぞれ異なる四
辺形、高さ約20mm)を30分間煮沸処理し、塗膜の剥
離と割れの程度を下記基準により目視で判定した。 ◎:良好 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0053】<耐衝撃性試験>試験片1について、デュ
ポン衝撃試験機を用いて、下記条件にて耐衝撃性試験を
行い、衝撃部の塗膜の剥離状態を目視で評価した。 撃芯径:1/2インチ、荷重:300g、落下高さ:3
0cm 評価基準:(剥離なし)5点−1点(衝撃部全て剥
離)。4点以上が実用レベル。
【0054】<光沢性>試験片1を用いて、グロスメー
ターΣー80、VG−1D(日本電色工業(株)製)に
て光源入射角度60°条件でのグロスを測定した。 5:90以上 4:85以上90未満 3:80以上85未満 2:75以上80未満 1:75未満
【0055】<ウエットインキ適性>試験片1の塗装面
を10倍ルーペで観察し、インキ層のにじみ、凝集及び
へこみ等の有無を以下の判断基準で判定した。 ◎:良好 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0056】<密着性試験>試験片1を30分間煮沸
(ボイル)処理した後、塗膜にカッターを使用して碁盤
目上に切り込みを入れ、セロハンテープを貼着した後、
セロハンテープを剥離する際に剥離した面積%で密着性
を評価した。「0%」が最も良好(剥離なし)であり、
全く剥離しないことを示す。
【0057】<耐沸水性試験>試験片1を30分間煮沸
(ボイル)処理した後、塗膜の白化程度を目視で評価し
た。評価基準:(良好)5点−1点(全面白化)。4点
以上が実用レベルである。
【0058】<ラビング性>メチルエチルケトン(ME
K)で湿らせた脱脂面で試験片1の塗膜を擦り、塗膜が
剥がれる時点の往復回数を調べた。 ◎:50回以上 ○:21〜49回 △:6〜20回 ×:0〜5回
【0059】<湯中鉛筆硬度>試験片1を80℃の湯中
に浸漬し、湯中での鉛筆硬度を測定した。判断基準:塗
膜に傷が付かない最も硬い硬度で表示。H以上が実用レ
ベル。
【0060】<耐傷付き性試験>新東科学(株)製トラ
イボギアHEIDON−22H型試験機にて、サファイ
ヤ針に一定の荷重をかけて、試験片1の塗膜表面を往復
磨耗させ、塗膜に傷が発生するまでの往復磨耗回数を測
定した。 測定条件 :一定荷重方式 引っ掻き速度 :200mm/分 引っ掻き針 :ダイヤ針 200ミクロン 測定温度 :25℃ 荷重 :80g ◎:100回以上 ○:70〜100回 △:50〜70回 ×:50回以下
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】表3,4に示した略号1)〜4)は以下を
表わす。 1)ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂:日立化成
工業(株)製メラン359S(不揮発分65%) 2)エポキシ樹脂:エピコート1001(数平均分子
量:900、エポキシ当量:450〜500、ジャパン
エポキシレジン(株)製)ブチルセロソルブ溶液;不揮
発分60%) 3)潤滑性付与剤:動植物系ワックス分散体;ハイディ
スパーBC−8PC((株)岐阜セラック製造所製)/
合成系ワックス分散体:ハイフラットBC−10P2
((株)岐阜セラック製造所製)/ハイディスパー30
50((株)岐阜セラック製造所製)/シリコーン樹
脂:BYK−370(ビックケミー(株)製)=50/
35/10/5で配合したもの。 4)溶剤:ブチルセロソルブ/ソルベッソ#150=5
0/50の割合で配合。
【0064】
【発明の効果】本発明による絞り加工缶用クリアー外面
塗料組成物は、高加工性を要求される絞り加工缶に好適
であり、かつ飲料缶の上塗り外面クリアー塗料に必須と
なる光沢性、塗膜硬度、硬化性、耐水性、傷付き性に優
れる塗膜を形成し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蓑輪 浩人 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CG002 CG142 CG172 CH032 CH042 CH082 CJ132 DA211 DA212 DB002 DD001 DD002 DD041 DD042 KA06 NA01 NA04 NA11 NA12 PB04 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)〜(E)合計100重量%中に、 数平均分子量1000〜3000である低分子ポリエス
    テル樹脂(A):5〜35重量%、 数平均分子量6000〜15000である高分子ポリエ
    ステル樹脂(B):25〜40重量%、 N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド系モノマ
    ーを5〜50重量%含有するアクリル系モノマーを共重
    合させてなるアクリル樹脂であって、ガラス転移点Tg
    が−20〜50℃、数平均分子量が5000〜1500
    0であるアクリル樹脂(C):5〜10重量%、 ベンゾグアナミン系アミノ樹脂(D):35〜55重量
    %、及び数平均分子量300〜1500、エポキシ当量
    180〜1000である低分子エポキシ樹脂(E):0
    〜10重量% を含有することを特徴とする絞り加工缶用上塗り外面塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 低分子ポリエステル樹脂(A)の水酸基
    価が、50〜200mgKOH/gであり、高分子ポリエ
    ステル樹脂(B)の水酸基価が、5〜50mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項1記載の絞り加工缶用上
    塗り外面塗料組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑性付与剤を含有することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の絞り加工缶用上塗り外面塗料組
    成物。
  4. 【請求項4】 一方の端が開口している有底円筒状金属
    の円筒部外面に下塗り層を設け、該下塗り層上に請求項
    1ないし3いずれか記載の絞り加工缶用上塗り外面塗料
    組成物から形成される上塗り層を設けてなることを特徴
    とする外面被覆有底円筒状金属。
  5. 【請求項5】 下塗り層と上塗り層との間に、中塗り層
    及び印刷層、又は印刷層が設けられてなることを特徴と
    する請求項4記載の外面被覆有底円筒状金属。
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