JP3729095B2 - 走行路検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両が走行している走行路の形状を検出する走行路検出装置に関し、特に走行路の形状を走行路モデルパラメータで表すのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
このような走行路検出装置として、例えば特開平6−20189号公報に記載されるものがある。この従来の走行路検出装置では、CCDカメラなどの撮像装置で自車両前方の走行路の状態を撮像し、その撮像内に、自車両が走行している走行車線の両側のレーンマーカーを二本検出し、そのレーンマーカーを用いて、自車両の走行車線における横変位などの走行路モデルパラメータを算出する。具体的には、撮像された自車両前方の走行路にレーンマーカーを検出するための小領域を設定し、各レーンマーカー検出領域内でレーンマーカーの一部をレーンマーカー検出点として検出し、そのレーンマーカー検出点の情報、具体的には座標データを用いて走行路モデルパラメータを算出する。走行路モデルパラメータの算出には、カルマンフィルタ等の状態推定器が用いられる。また、特開平8−261756号公報に記載される走行路検出装置では、走行路モデルパラメータの分散から、前記レーンマーカー検出小領域の幅を合理的に設定する手法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の走行路検出装置において、カルマンフィルタ等の状態推定器を用いて各走行路モデルパラメータを算出する場合、算出するパラメータの数や種類にもよるが、自車両が走行する走行車線の何れか一方のレーンマーカーしか検出できないときには、各走行路モデルパラメータを正確に算出できない場合があることが判明した。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するため、走行車線の片側のレーンマーカーしか検出できないときでも、各走行路モデルパラメータを正確に算出することができる走行路検出装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る走行路検出装置は、自車両前方の走行路を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された走行路にレーンマーカーを検出するための小領域を設定するレーンマーカー検出領域設定手段と、前記レーンマーカー検出領域設定手段で設定された検出領域内でレーンマーカーの一部をレーンマーカー検出点として検出するレーンマーカー検出手段と、前記レーンマーカー検出手段で検出されたレーンマーカー検出点のうち、自車両が走行する走行車線の両側の二本のレーンマーカーの夫々のレーンマーカー検出点の数が第1の所定値以上であり且つ当該二本のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の総数が第2の所定値以上であるときに両側レーンマーカー検出状態として、それらのレーンマーカー検出点の情報から、自車両前方の走行路の形状を表すための走行路モデルパラメータを算出する両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段と、前記両側レーンマーカー検出状態で、少なくとも自車両に先行する先行車両の所定の部位の高さを検出する先行車両検出手段と、前記両側レーンマーカー検出状態以外のときであって且つ前記レーンマーカー検出手段で検出されたレーンマーカー検出点のうち、自車両が走行する走行車線の何れか一方のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の数が第3の所定値以上であるときに片側レーンマーカー検出状態として、それらのレーンマーカー検出点の情報及び前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位の高さ情報から、自車両前方の走行路の形状を表すための走行路モデルパラメータを算出する片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明のうち請求項2に係る走行路検出装置は、前記請求項1の発明において、前記先行車両検出手段は、自車両から前記先行車両の所定の部位までの距離を検出し、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位までの距離が小さいほど、前記先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明のうち請求項3に係る走行路検出装置は、前記請求項1又は2の発明において、前記先行車両検出手段は、先行車両の所定の部位の高さの分散を検出し、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位の高さの分散が大きいほど、前記先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のうち請求項4に係る走行路検出装置は、前記請求項1乃至3の発明において、前記先行車両検出手段は、自車両から前記先行車両の所定の部位までの距離の分散を検出し、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位の距離の分散が大きいほど、前記先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のうち請求項5に係る走行路検出装置は、前記請求項1乃至4の発明において、前記第1の所定値が一であることを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項6に係る走行路検出装置は、前記請求項1乃至5の発明において、前記両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段で算出される走行路モデルパラメータの数がmであるとき、前記第2の所定値がmであることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のうち請求項7に係る走行路検出装置は、前記請求項1乃至6の発明において、前記両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段で算出される走行路モデルパラメータの数がmであるとき、前記第3の所定値が(mー1)であることを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項8に係る走行路検出装置は、前記請求項1乃至7の発明において、前記先行車両の所定の部位がナンバープレートであることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のうち請求項9に係る走行路検出装置は、前記請求項1乃至8の発明において、撮像手段の地上高を算出する撮像手段地上高算出手段を備え、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、前記撮像手段地上高算出手段で算出された撮像手段の地上高の分散が予め設定された所定値以上であるときに、当該撮像手段の地上高を予め設定された所定値に固定して前記走行路モデルパラメータを算出することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の効果】
而して、本発明のうち請求項1に係る走行路検出装置によれば、撮像された走行路にレーンマーカーを検出するための小領域を設定し、各検出領域内でレーンマーカーの一部をレーンマーカー検出点として検出し、検出されたレーンマーカー検出点のうち、自車両が走行する走行車線の両側の二本のレーンマーカーの夫々のレーンマーカー検出点の数が第1の所定値以上であり且つ当該二本のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の総数が第2の所定値以上であるときに両側レーンマーカー検出状態として、それらのレーンマーカー検出点の情報から、自車両前方の走行路の形状を表すための走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記両側レーンマーカー検出状態で、先行車両の所定の部位の高さを検出し、前記両側レーンマーカー検出状態以外のときであって且つ検出されたレーンマーカー検出点のうち、自車両が走行する走行車線の何れか一方のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の数が第3の所定値以上であるときに片側レーンマーカー検出状態として、それらのレーンマーカー検出点の情報及び検出された先行車両の所定の部位の高さ情報から、自車両前方の走行路の形状を表すための走行路モデルパラメータを算出する構成としたため、走行車線の何れか一方のレーンマーカーしか検出できないときでも、正確に走行路モデルパラメータを算出することができる。
【0013】
また、本発明のうち請求項2に係る走行路検出装置によれば、片側レーンマーカー検出状態で、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、検出された先行車両の所定の部位までの距離が小さいほど、当該先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして、前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定する構成としたため、カルマンフィルタによる走行路モデルパラメータの算出精度を、先行車両との距離に応じた適切なものとすることができる。
【0014】
また、本発明のうち請求項3に係る走行路検出装置によれば、片側レーンマーカー検出状態で、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、検出された先行車両の所定の部位の高さの分散が大きいほど、当該先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして、前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定する構成としたため、カルマンフィルタによる走行路モデルパラメータの算出精度を、先行車両の上下動の大きさに応じた適切なものとすることができる。
【0015】
また、本発明のうち請求項4に係る走行路検出装置によれば、片側レーンマーカー検出状態で、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、検出された先行車両の所定の部位の距離の分散が大きいほど、当該先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして、前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定する構成としたため、カルマンフィルタによる走行路モデルパラメータの算出精度を、先行車両の距離の変動に応じた適切なものとすることができる。
【0016】
また、本発明のうち請求項5に係る走行路検出装置によれば、第1の所定値を一としたため、両側レーンマーカー検出状態を確実に検出することができる。
また、本発明のうち請求項6に係る走行路検出装置によれば、両側レーンマーカー検出状態で算出される走行路モデルパラメータの数がmであるとき、第2の所定値をmとしたため、両側レーンマーカー検出状態を確実に検出することができると共に、当該両側レーンマーカー検出状態で走行路モデルパラメータを正確に算出することができる。
【0017】
また、本発明のうち請求項7に係る走行路検出装置によれば、両側レーンマーカー検出状態で算出される走行路モデルパラメータの数がmであるとき、第3の所定値を(mー1)としたため、片側レーンマーカー検出状態を確実に検出することができると共に、当該片側レーンマーカー検出状態で走行路モデルパラメータを正確に算出することができる。
【0018】
また、本発明のうち請求項8に係る走行路検出装置によれば、先行車両の所定の部位をナンバープレートとしたため、テンプレートマッチング等により、当該先行車両の所定の部位を確実且つ容易に検出することができる。
また、本発明のうち請求項9に係る走行路検出装置によれば、算出された撮像手段の地上高の分散が予め設定された所定値以上であるときに、当該撮像手段の地上高を予め設定された所定値に固定して走行路モデルパラメータを算出する構成としたため、撮像手段の地上高を算出しながら走行路モデルパラメータを算出するようにしたとき、撮像手段の地上高の分散の影響で走行路モデルパラメータの算出精度が低下するのを回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の走行路検出装置の一実施形態を示すシステム構成図である。この実施形態の走行路検出装置は、撮像部1及びコントロールユニット2を備えている。このうち、前記撮像部1は、CCDカメラやカメラコントローラ等から構成され、自車両の前方の状態を撮像するものである。また、コントロールユニット2は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置を内装し、前記撮像部1で撮像された自車両前方の画像に対し、レーンマーカーを検出するための小領域を設定すると共に、レーンマーカーのエッジ、即ちレーンマーカーと路面との境界を明瞭にするフィルタ処理を施し、前記各検出小領域の中から、最もレーンマーカーらしいレーンマーカーの一部を抽出し、それをレーンマーカー候補点として検出し、それらのレーンマーカー候補点の撮像画像における位置情報から、レーンマーカーで規定される走行車線の曲率B、当該走行車線に対する自車両の横変位A、当該走行車線に対する自車両のヨー角C、自車両のピッチ角D、前記撮像部1のCCDカメラの取付け位置の地上からの高さH等を走行路モデルパラメータとして算出するように構成されている。なお、本実施形態では、CCDカメラ等の撮像部1は、後述するように、所謂単眼であることが前提となっている。
【0020】
次に、前記撮像部1で撮像された自車両前方の状況から、走行路モデルパラメータを算出する原理について説明する。
まず、図2に示すように、撮像画面上の平面座標系として、NTSC等のテレビジョン通信方式の画面走査方向に従って、画面左上を原点とし、水平方向左方から右方にx軸、垂直方向上方から下方にy軸をとる直交二次元座標系を設定する。そして、自車両前方の撮像画像中に、レーンマーカーを検出するための小領域(ウインドウとも記す)を設定する。この実施形態では、自車両が走行する走行車線の両側の二本のレーンマーカーに対応するように、画面の左右両側に、五個ずつ、計十個の小領域を設定する。各ウインドウの位置は、後述する手法で算出される走行路モデルパラメータ、つまり前記レーンマーカーで規定される走行車線の曲率B、当該走行車線に対する自車両の横変位A、当該走行車線に対する自車両のヨー角C、自車両のピッチ角D、前記撮像部1のCCDカメラの取付け位置の地上からの高さH等に基づいて設定される。
【0021】
次に、前記自車両前方の撮像画像中に設定した各ウインドウ内に、レーンマーカーを検出するための前処理として、例えばSobelフィルタによる一次空間微分を施して、レーンマーカーと路面との境界、つまりエッジを強調し、次いでレーンマーカー検出のために、レーンマーカー候補点を検出する。本実施形態では、レーンマーカーの境界のうち、自車両が走行している走行車線内側の境界を検出対象とする。具体的には、例えば画像中左(座標系ではx座標の値が小さい)側の画素の輝度が右側のそれより大きいときにフィルタ出力が正値であるとしたとき、例えば図3に示すように、走行車線左側のレーンマーカー(図では白線)検出ウインドウでは、フィルタ出力が所定の正値の閾値以上である点(画素)をレーンマーカー候補点とする。逆に、走行車線右側のレーンマーカー検出ウインドウでは、フィルタ出力が所定の負値の閾値以下である点(画素)をレーンマーカー候補点とする。レーンマーカー候補点は、該当する全ての点を選出する。
【0022】
次に、このように検出されたレーンマーカー候補点に対し、レーンマーカー候補線を設定する。レーンマーカー候補線は、前記レーンマーカー候補点集合から設定するものであり、ハフ変換や最小自乗法等が挙げられるが、ここではハフ変換の例について説明する。まず、直線(ai ,bi )を下記1式で定義する。即ち、ai は傾き、bi は切片になる。なお、iはレーンマーカー検出ウインドウ番号を示す。
【0023】
【数1】
【0024】
そして、各レーンマーカー検出ウインドウにおいて、図4のように直線(ai ,bi )が貫くレーンマーカー候補点の数を検出し、例えば図5のように、各レーンマーカー検出ウインドウ毎に用意したマトリックスに、直線(ai ,bi )と貫かれたレーンマーカー候補点の数(以下、貫通レーンマーカー候補点数とも記す)を記録し、貫通レーンマーカー候補点数が所定値以上であり且つ最大値である直線をレーンマーカー候補線とする(ここでは、直線(ax ,bx )がレーンマーカー候補線に該当)。これらのレーンマーカー候補線を、レーンマーカー検出ウインドウ順にテーブル化したものが図6である。なお、貫通レーンマーカー候補点数が所定値に満たないときには、当該レーンマーカー検出ウインドウにはレーンマーカー候補線がないものと見なす。また、直線(ai ,bi )がレーンマーカー候補点を“貫く”定義は、直線と白線候補点(画素)との距離が単位画素以下であるものとする。
【0025】
次に、各レーンマーカー検出ウインドウ毎に、レーンマーカーの代表点を設定し、それをレーンマーカー検出点とする。この実施形態では、図7に示すように、前記レーンマーカー候補線と各レーンマーカー検出ウインドウの上辺との交点をレーンマーカー検出点とし、(xWi,yWi)と表す。また、合わせて、各レーンマーカー検出ウインドウにおけるレーンマーカー候補線は、(aWi,bWi)と表す。従って、前記レーンマーカー検出点(xWi,yWi)は、下記2式を満足する。なお、レーンマーカー候補線がないレーンマーカー検出ウインドウでは、レーンマーカー検出点もないものと見なす。
【0026】
【数2】
【0027】
一方、走行路上の空間座標系について、例えば本実施形態では、図8に示すように、前記CCDカメラの撮像レンズの中心を原点とし、車両前方に向かって水平方向右方から左方にX軸、車両の高さ方向上方にY軸、車両前方にZ軸をとる直交三次元座標系を設定する。ここで、簡略化のために、前記撮像画面上の平面座標系の原点が、走行路上の空間座標系のZ軸上にあるとすると、走行路上空間座標系から撮像画面上平面座標系への座標変換は下記3式及び4式で行われる。なお、式中のfh 、fv は、CCDカメラのレンズ、つまり焦点距離によって決まるパラメータである。
【0028】
【数3】
【0029】
次に、走行路の平面構造は、一般に直線と曲率一定の曲線、及びこれらを滑らかに結ぶための曲率変化率一定のクロソイド曲線で定義されるが、自車両前方の数十m区間は曲率一定の曲線路又は直線路と見なせる。そこで、走行車線を規定するレーンマーカーの形状を、図9aに従って下記5式のように定式化した。また、同様に、縦断構造についてはほぼ一定勾配と見なせるので、図9bに従って下記6式のように定式化した。
【0030】
【数4】
【0031】
本実施形態では、走行車線の車線幅E0 を用いて前述した各種の走行路モデルパラメータを算出するために、カルマンフィルタを用いる。前記3式〜6式から、下記7式が得られる。これは拡張カルマンフィルタを構成する際の出力方程式として用いられ、走行路曲率と車両状態量から撮像画像平面上に定義したy座標値におけるx座標値を算出するものである。なお、式中のjは、自車両が走行する走行車線の左側レーンマーカーでは“0”とし、右側レーンマーカーでは“1”とする。
【0032】
【数5】
【0033】
ここでは、カルマンフィルタによる推定状態量(走行路モデルパラメータ)を、前記走行路曲率B、自車両のピッチ角D、ヨー角C、横変位A、CCDカメラの地上高Hとし、前記レンズ焦点距離によって決まるパラメータfh 、fv 、車線幅E0 を一定値とする。前記7式は、前記レーンマーカー検出点(xWi,yWi)について成立するので、下記8式のように書き換えることができる。
【0034】
【数6】
【0035】
この8式を出力方程式とし、適当な出力方程式を用いてカルマンフィルタを構成し、そのカルマンフィルタを用いて前記各走行路モデルパラメータを算出する手法については、前記特開平6−20189号公報に詳しいので、ここではその詳細な説明を省略する。
ところで、前記8式だけでは、全ての走行路モデルパラメータを正確に算出することができないことが判明した。即ち、前記8式には、計5つのパラメータがあり、それら全てを正確に算出するためには、自車両が走行する走行車線の両側のレーンマーカーの夫々で最低一つ、合計で少なくとも5つのレーンマーカー検出点(の画像情報)が必要である。これに対し、例えば自車両走行車線左側のレーンマーカーしか検出できない場合、前記8式は下記9式に書き換えられる。この9式は、例えばCCDカメラの地上高Hをk倍しても、横変位Aをk倍、走行路曲率Bを1/k倍すれば成立し、それらを確定することができない。これは、自車両走行車線右側のレーンマーカーしか検出できない場合も同じである(但し、ステレオ式、即ちCCDカメラを左右に二つ設けた場合には、前記9式に相当する互いに等価でない二つの式が与えられるため、片側レーンマーカー検出時でも、前記パラメータを全て正確に算出することができる)。
【0036】
【数7】
【0037】
そこで、本実施形態では、前述のように自車両走行車線の何れか一方のレーンマーカーしか検出できない、所謂片側レーンマーカー検出時に、自車両先行車両の特徴的な部位、具体的には先行車両後方のナンバープレートを検出し、そのパラメータを用いて、その他のパラメータを正確に算出しようとする。ナンバープレートの検出には、例えばテンプレートマッチングの手法を用いる。ナンバープレートの形(縦横比)は決まっているので、例えば図10に示すように、その縦横比の複数のテンプレートを予め用意しておき、これらを画像上で移動させ、画素輝度値の内積を求め、その値が大きいほど、その場所に類似の輝度分布を有する対象が存在する、即ちナンバープレートが存在するものと仮定することができる。従って、テンプレートの座標と内積とをデータに蓄積し、内積が前回値より大きい場合、座標と内積を更新してゆけばよい。
【0038】
このようにテンプレートマッチングによってナンバープレートを検出することができたら、そのテンプレートの、即ち画像上の大きさ(縦、横どちらでも可)と実際のナンバープレートの規格とから、ナンバープレートの地上高HC を算出する。ナンバープレートは、その中央の点を検出点とする。先行車両までの距離をL、ナンバープレートの高さをHpcとすると、ナンバープレート中央の検出点の実座標(Ypc,Zpc)は下記10式、11式で表れる。
【0039】
【数8】
【0040】
前記ピッチ角Dは微小量であるため、前記10式、11式は、下記12式、13式に近似される。
【0041】
【数9】
【0042】
次に、ナンバープレートの実幅をWp とすると、ナンバープレート左端の実座標(Xpl,Ypl,Zpl)は下記14式〜16式を満足する。但し、Xpcはナンバープレート中央の実座標X成分である。
【0043】
【数10】
【0044】
一方、ナンバープレート中央の画像座標(xpc,ypc)は、前記3式、4式に従って下記17式、18式で表れる。
【0045】
【数11】
【0046】
同様に、ナンバープレート左端の中央の画像座標(xpl,ypl)は、前記3式、4式に従って下記19式、20式で表れる。
【0047】
【数12】
【0048】
前記14式〜20式をまとめると、下記21式、22式を得る。
【0049】
【数13】
【0050】
従って、前記両側レーンマーカー検出時に算出されたピッチ角D及びCCDカメラ地上高Hを用いれば、前記21式、22式中の未知数は先行車両までの距離L及びナンバープレート地上高Hpcのみであり、それらを算出することが可能となる。そして、片側レーンマーカー検出時には、この21式、22式と、前記8式とを用い、先行車両のナンバープレート地上高Hpcは両側レーンマーカー検出時と同じであるとすると、それらの未知数は6つであるから、片側レーンマーカーに対し、4つのレーンマーカー検出点が検出できれば、8式が4つ、21式、22式の計6つの関係式が与えられ、全ての未知数を正確に算出することが可能となる。そこで、前記8式に代入される4つのレーンマーカー検出点のx成分をxd0〜xd3とし、当該8式及び前記21式、22式の左辺を要素とするベクトルyk を下記23式で定義する。
【0051】
【数14】
【0052】
一方、前記走行路モデルパラメータをxk で表し、下記24式で定義する。
【0053】
【数15】
【0054】
従って、前記ベクトルyk と走行路モデルパラメータxk は、前記8式及び21式、22式で表される非線形関数f及び観測ノイズnk を用いて下記25式で関係づけられる。
【0055】
【数16】
【0056】
カルマンフィルタは線形フィルタであるため、前記25式を線形化する必要がある。そこで、前記25式を偏微分し、下記26式による線形式を得る。
【0057】
【数17】
【0058】
前記偏微分係数は、列がyk の次元、行がxk の次元を持つ行列になる。これをCkと表す。このカルマンフィルタの構成を図11に示す。図中のKeはカルマンゲインと呼ばれ、前記観測ノイズnk や後述するプロセスノイズwk の分散に基づいて決定される。詳細はカルマンフィルタ理論として周知であるため、ここでは説明を省略する。
【0059】
次に、前記走行路モデルパラメータxk の振る舞いを、下記27で示すようなランダムウォークモデルで近似する。
【0060】
【数18】
【0061】
但し、nはnサンプル目のデータであることを示す。ここで、wk はプロセスノイズと呼ばれ、白色ガウス雑音列で近似する。この分散が振る舞いの様子を決定する。分散が大きいほど、変数が変化し易いと見なして推定するようになるのである。定義式は、下記28式で表れる。
【0062】
【数19】
【0063】
プロセスノイズwk の各要素の分散は、カルマンフィルタのチューニング定数である。分散をvar( )で表すと、下記29式〜34式の右辺がそれにあたる。
【0064】
【数20】
【0065】
これらの値は、実車の車両挙動に基づいて予め設定しておく。また、このうち、前記先行車両までの距離Lの分散は、実際の値を用いることにより、更なる性能向上が見込める。即ち、この距離Lの分散は、自車両及び先行車両の加減速の傾向に影響されるためであり、実測値を用いることができれば、カルマンフィルタの性能が向上する。
【0066】
一方、前記観測ノイズnk の分散は、信号のノイズの量を決定する。即ち、分散が大きいほど、変数にノイズが多く含まれていると見なして推定するようになるのである。定義式は、下記35式で表れる。
【0067】
【数21】
【0068】
観測ノイズnk の各要素の分散も、カルマンフィルタのチューニング定数であり、下記36式〜41式の右辺がそれにあたる。
【0069】
【数22】
【0070】
ここで、前記先行車両のナンバープレートの左端y座標yplの分散、即ちナンバープレートの上下方向への分散を、先行車両までの距離Lが大きくなるにつれて、小さくすると更なる性能向上が見込める。即ち、ここでは、先行車両のナンバープレートの地上高Hpcを一定であると仮定しているが、実際には、それは先行車両のバウンスによって変化する。ここで、先行車両までの距離Lが大きいと、前記22式は下記42式で近似される。
【0071】
【数23】
【0072】
このことから、先行車両までの距離Lが大きいときには、先行車両のナンバープレートの地上高Hpcの変動が前記先行車両のナンバープレートの左端y座標yplの分散、即ちナンバープレートの上下方向への分散に与える影響は小さくなる。換言すれば、先行車両が近いほど、近似精度が低下するため、ノイズが大きいと見なすことができる。これにより、先行車両までの距離Lが大きいときには精度の高い推定が可能となり、先行車両までの距離Lが小さいときには先行車両のバウンスの影響を小さくすることができる。実際に、先行車両までの距離Lは、CCDカメラ地上高Hや先行車両のナンバープレートの地上高Hpcよりかなり大きい場合が多いので、前記42式で表される近似精度が高い場合が殆どであり、有効性が高い。
【0073】
更に、前記先行車両のナンバープレートの地上高Hpcの分散が大きいほど、前記先行車両のナンバープレートの左端y座標yplの分散、即ちナンバープレートの上下方向への分散を大きく設定すると、更なる性能向上が見込める。即ち、先行車両がバウンスしにくい車両であるほど、先行車両ナンバープレート地上高を固定した場合の精度が高くなる。換言すれば、先行車両がバウンスし易い車両であるほど近似精度が低下するため、ノイズが大きいと見なすことができる。これにより、先行車両がバウンスしにくい車両のときには精度の高い推定が可能となり、先行車両がバウンスし易い車両のときには先行車両のバウンスの影響を小さくすることができる。
【0074】
以上より、先行車両が近づくほど、近似精度が低下する。また、先行車両がバウンスし易い車両で且つ車間距離が小さい場合には精度が低下する可能性もある。そこで、CCDカメラ地上高の分散の上限値を設定し、算出されたCCDカメラ地上高Hの分散が、この上限値以上となるときには、当該CCDカメラ地上高Hを予め設定された所定値に固定して、前記各走行路モデルパラメータを算出するようにしてもよい。
【0075】
次に、前記コントロールユニット2で行われる走行路モデルパラメータ算出のための演算処理を、図12のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置内で、例えば10msec. 程度に設定された所定のサンプリング時間ΔT毎に、タイマ割込として実行される。
この演算処理では、まずステップS1で前記撮像部1で撮像された自車両前方の撮像画像を読込む。
【0076】
次にステップS2に移行して、前記図2に示すように、前記ステップS1で読込んだ自車両前方の撮像画像中に、レーンマーカーを検出するための小領域(レーンマーカー検出ウインドウ)を設定する。
次にステップS3に移行して、前記ステップS2で設定されたレーンマーカー検出ウインドウ内に、例えばSobelフィルタによる一次空間微分を施して、レーンマーカーと路面との境界、つまりエッジを強調し、前記図3に示すように、エッジ強調フィルタ処理を施された自車両前方の撮像画像中のレーンマーカー検出ウインドウ内にレーンマーカー候補点を検出する。
【0077】
次にステップS4に移行して、前記ステップS3で検出した各レーンマーカー検出ウインドウ内のレーンマーカー候補点に対し、前記図4〜図6に示すように、それらを最も多く貫くレーンマーカー候補線を検出する。
次にステップS5に移行して、前記図7に示すように、前記ステップS4で検出したレーンマーカー候補線から各レーンマーカー検出ウインドウ毎にレーンマーカー検出点を検出し、その座標情報を読込む。
【0078】
次にステップS6に移行して、前記図10に示すようなテンプレートを用いて、先行車両のナンバープレートを検出する。
次にステップS7に移行して、前記ステップS5で検出されたレーンマーカー検出点が、自車両走行車線の両側のレーンマーカーに対して夫々最低1つ以上、合計で5つ以上存在するか否かを判定することにより、両側レーンマーカー検出状態であるか否かを判定し、両側レーンマーカー検出状態である場合にはステップS8に移行し、そうでない場合にはステップS9に移行する。
【0079】
前記ステップS8では、前記特開平6−20189号公報に記載されるカルマンフィルタを用いて、自車両走行車線の両側のレーンマーカーが検出されているときの前記CCDカメラ地上高H、横変位A、走行路曲率B、ヨー角C、ピッチ角D等の走行路モデルパラメータを算出してからステップS10に移行する。
前記ステップS10では、先行車両のナンバープレートを検出しているか否かを判定し、先行車両のナンバープレートを検出している場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0080】
前記ステップS11では、検出されている先行車両のナンバープレートの座標情報及び前記ステップS8で算出されたCCDカメラ地上高H及びピッチ角Dを用い、前記21式、22式に従って、当該先行車両のナンバープレートの地上高Hpc及び自車両から先行車両(のナンバープレート)までの距離Lを算出してからメインプログラムに復帰する。
【0081】
一方、前記ステップS9では、両側レーンマーカ検出状態以外の状態、即ち前記ステップS5で検出されたレーンマーカー検出点が、自車両走行車線の両側のレーンマーカーに対して夫々最低1つ未満、合計で5つ未満であり、且つ自車両走行車線の何れか一方のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の数が4つ以上であるか否かを判定することにより、片側レーンマーカー検出状態であるか否かを判定し、片側レーンマーカー検出状態である場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0082】
前記ステップS12では、先行車両のナンバープレートを検出しているか否かを判定し、先行車両のナンバープレートを検出している場合にはステップS13に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
前記ステップS13では、前記26式に則って設定され図11のカルマンフィルタを用い、前記ステップS11で算出された先行車両のナンバープレートの地上高Hpcが同じであるとして、前記先行車両(のナンバープレート)までの距離Lを含む自車両走行車線の片側のレーンマーカーが検出されているときの前記CCDカメラ地上高H、横変位A、走行路曲率B、ヨー角C、ピッチ角D等の走行路モデルパラメータを算出してからメインプログラムに復帰する。
【0083】
このように、本実施形態では、自車両走行車線両側のレーンマーカーが検出できているときには、カルマンフィルタ等により、CCDカメラ地上高Hを含む種々の走行路モデルパラメータを算出すると共に先行車両の特徴的な所定の部位としてナンバープレートの地上高さHpc及び先行車両(のナンバープレート)までの距離Lを算出しておき、自車両走行車線片側のレーンマーカーしか検出できなくなったら、先行車両のナンバープレートの地上高さHpcを用い、個別のカルマンフィルタ等により、それまで同様に走行路モデルパラメータを算出することができるので、走行車線の何れか一方のレーンマーカーしか検出できないときでも、正確に走行路モデルパラメータを算出することができる。
【0084】
また、片側レーンマーカー検出状態で、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、検出された先行車両のナンバープレートまでの距離Lが小さいほど、当該先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして、前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することにより、カルマンフィルタによる走行路モデルパラメータの算出精度を、先行車両との距離に応じた適切なものとすることができる。また、同様に、検出された先行車両のナンバープレートの地上高Hpcの分散が大きいほど、当該先行車両の所定の部位の上下方向への分散(ノイズ)が大きいとして、前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することにより、カルマンフィルタによる走行路モデルパラメータの算出精度を、先行車両の上下動の大きさに応じた適切なものとすることができる。また、同様に、検出された先行車両のナンバープレートまでの距離Lの分散が大きいほど、当該先行車両の所定の部位の上下方向への分散(ノイズ)が大きいとして、前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することにより、カルマンフィルタによる走行路モデルパラメータの算出精度を、先行車両の距離の変動に応じた適切なものとすることができる。
【0085】
また、算出されたCCDカメラの地上高Hの分散が予め設定された所定値以上であるときに、当該CCDカメラの地上高Hを予め設定された所定値に固定して走行路モデルパラメータを算出するようにすれば、CCDカメラ地上高Hを算出しながら走行路モデルパラメータを算出するようにしたとき、その分散の影響で走行路モデルパラメータの算出精度が低下するのを回避することができる。
【0086】
以上より、前記撮像部1及び図12の演算処理のステップS1が本発明の撮像手段を構成し、以下同様に、前記図12の演算処理のステップS2がレーンマーカー検出領域設定手段を構成し、前記図12の演算処理のステップS3〜ステップS5がレーンマーカー検出手段を構成し、前記図12の演算処理のステップS7及びステップS8が両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段を構成し、前記図12の演算処理のステップS6、ステップS10及びステップS11が先行車両検出手段を構成し、前記図12の演算処理のステップS9、ステップS12、ステップS13及び図11のカルマンフィルタが片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段を構成し、前記図12の演算処理のステップS13及び図11のカルマンフィルタが撮像手段地上高算出手段を構成している。
【0087】
なお、前記実施形態では、走行路モデルパラメータの算出にカルマンフィルタを用いたが、他の推定装置や最小二乗法等の同定方法を用いて算出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行路検出装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】レーンマーカー検出小領域の説明図である。
【図3】レーンマーカー候補点の説明図である。
【図4】レーンマーカー候補線の説明図である。
【図5】レーンマーカー候補線を検出するためのマトリックスの説明図である。
【図6】検出されたレーンマーカー候補線のテーブルの説明図である。
【図7】レーンマーカー検出点の説明図である。
【図8】平面座標系と空間座標系との関連を示す説明図である。
【図9】レーンマーカーの形状及び縦断構造の定式化の説明図である。
【図10】ナンバープレート検出のためのテンプレートの説明図である。
【図11】カルマンフィルタの一例を示すブロック図である。
【図12】コントロールユニット内で行われる走行路モデルパラメータ算出のための演算処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1は撮像部
2はコントロールユニット
Claims (9)
- 自車両前方の走行路を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された走行路にレーンマーカーを検出するための小領域を設定するレーンマーカー検出領域設定手段と、前記レーンマーカー検出領域設定手段で設定された検出領域内でレーンマーカーの一部をレーンマーカー検出点として検出するレーンマーカー検出手段と、前記レーンマーカー検出手段で検出されたレーンマーカー検出点のうち、自車両が走行する走行車線の両側の二本のレーンマーカーの夫々のレーンマーカー検出点の数が第1の所定値以上であり且つ当該二本のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の総数が第2の所定値以上であるときに両側レーンマーカー検出状態として、それらのレーンマーカー検出点の情報から、自車両前方の走行路の形状を表すための走行路モデルパラメータを算出する両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段と、前記両側レーンマーカー検出状態で、少なくとも自車両に先行する先行車両の所定の部位の高さを検出する先行車両検出手段と、前記両側レーンマーカー検出状態以外のときであって且つ前記レーンマーカー検出手段で検出されたレーンマーカー検出点のうち、自車両が走行する走行車線の何れか一方のレーンマーカーのレーンマーカー検出点の数が第3の所定値以上であるときに片側レーンマーカー検出状態として、それらのレーンマーカー検出点の情報及び前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位の高さ情報から、自車両前方の走行路の形状を表すための走行路モデルパラメータを算出する片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段とを備えたことを特徴とする走行路検出装置。
- 前記先行車両検出手段は、自車両から前記先行車両の所定の部位までの距離を検出し、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位までの距離が小さいほど、前記先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することを特徴とする請求項1に記載の走行路検出装置。
- 前記先行車両検出手段は、先行車両の所定の部位の高さの分散を検出し、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位の高さの分散が大きいほど、前記先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行路検出装置。
- 前記先行車両検出手段は、自車両から前記先行車両の所定の部位までの距離の分散を検出し、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、カルマンフィルタを用いて走行路モデルパラメータを算出すると共に、前記先行車両検出手段で検出された先行車両の所定の部位の距離の分散が大きいほど、前記先行車両の所定の部位の上下方向へのノイズが大きいとして前記カルマンフィルタのカルマンゲインを設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の走行路検出装置。
- 前記第1の所定値が一であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の走行路検出装置。
- 前記両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段で算出される走行路モデルパラメータの数がmであるとき、前記第2の所定値がmであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の走行路検出装置。
- 前記両側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段で算出される走行路モデルパラメータの数がmであるとき、前記第3の所定値が(mー1)であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の走行路検出装置。
- 前記先行車両の所定の部位がナンバープレートであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の走行路検出装置。
- 撮像手段の地上高を算出する撮像手段地上高算出手段を備え、前記片側レーンマーカー検出時走行路モデルパラメータ算出手段は、前記撮像手段地上高算出手段で算出された撮像手段の地上高の分散が予め設定された所定値以上であるときに、当該撮像手段の地上高を予め設定された所定値に固定して前記走行路モデルパラメータを算出することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の走行路検出装置。
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