JP3288566B2 - 走行レーン認識装置 - Google Patents

走行レーン認識装置

Info

Publication number
JP3288566B2
JP3288566B2 JP29137395A JP29137395A JP3288566B2 JP 3288566 B2 JP3288566 B2 JP 3288566B2 JP 29137395 A JP29137395 A JP 29137395A JP 29137395 A JP29137395 A JP 29137395A JP 3288566 B2 JP3288566 B2 JP 3288566B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lane
edge line
equation
lane boundary
line segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29137395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08261756A (ja
Inventor
新 高橋
芳樹 二宮
久志 里中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29137395A priority Critical patent/JP3288566B2/ja
Publication of JPH08261756A publication Critical patent/JPH08261756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3288566B2 publication Critical patent/JP3288566B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V20/00Scenes; Scene-specific elements
    • G06V20/50Context or environment of the image
    • G06V20/56Context or environment of the image exterior to a vehicle by using sensors mounted on the vehicle
    • G06V20/588Recognition of the road, e.g. of lane markings; Recognition of the vehicle driving pattern in relation to the road
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V10/00Arrangements for image or video recognition or understanding
    • G06V10/40Extraction of image or video features
    • G06V10/44Local feature extraction by analysis of parts of the pattern, e.g. by detecting edges, contours, loops, corners, strokes or intersections; Connectivity analysis, e.g. of connected components
    • G06V10/457Local feature extraction by analysis of parts of the pattern, e.g. by detecting edges, contours, loops, corners, strokes or intersections; Connectivity analysis, e.g. of connected components by analysing connectivity, e.g. edge linking, connected component analysis or slices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両に搭載して、撮像し
て得た画像を処理することによってレーン形状やレーン
に対する位置姿勢を認識する走行レーン認識装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載されて、走行レー
ンを認識する走行レーン認識装置が知られている。この
走行レーン認識装置は、自律走行移動車において操舵制
御を行う自動走行制御装置、走行状態をチェックして警
告を発するドライバー警報装置、ドライバーによる操舵
など運転操作の補助を行うドライバー支援装置等に利用
される。
【0003】この走行レーンの検出には、電磁誘導方式
や、画像処理方式等があり、電磁誘導方式では、道路に
電波発信するケーブルを埋設しておき、車両に設けられ
たコイルに誘起される電流を検出して、走行レーンを検
出する。従って、電磁誘導方式では、道路にケーブルを
敷設しなければならないという問題がある。一方、白線
検出方式では、テレビカメラで得た画像情報を処理し
て、白線を検出する。従って、現存する道路における走
行レーンの検出にも適用できるという効果がある。しか
し、画像情報には、白線以外の情報もたくさん含まれて
おり、いかに正確に白線を認識するかが重要な課題にな
る。
【0004】従来の走行レーン認識装置としては、Ho
ugh変換を使用して、レーン境界を検出するものがあ
る。この装置においては、車載カメラから道路画像を入
力し、輪郭線抽出した後、Hough変換によって直線
を検出する。そして、車両がレーン中央をレーンに沿っ
て走行していることを仮定して適切な直線をレーン境界
として認識する。
【0005】また、特開平4−36878号では、ウイ
ンドウを設定するものが示されている。この走行路検出
装置においては、車載カメラから道路画像を入力して、
レーンマークや道路端を直線式として検出するが、この
際に前回の演算時における直線式の近傍に予め設定した
固定パラメータで大きさの定まるウインドウを設定して
おく。そして、このウインドウの中でエッジ点の座標を
計測し、それらのエッジ点を直線近似し、直線式を求
め、さらにノイズに対するロバスト性を向上させるため
直線式に時間フィルタリングを加える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来装置
では、基本的に道路周辺に構造物(建物、ガードレー
ル)や他車両等のノイズが少ないことを仮定している。
この仮定は主に高速道路に当てはまる。しかし、一般路
では周辺構造物(ガードレール、建物)や路面マーク
(横断歩道)等の紛らわしい線が多い。さらに、高速道
路に比べて一般路の方が道路のカーブもきつい(道路曲
率が大きい)。従って、十分正確な白線検出(走行レー
ン認識)が行えないという問題点があった。
【0007】すなわち、上述したHough変換を利用
する方法では、基本的に直線しか扱えないため、カーブ
のきつい一般路への適用は難しい。また、一般路の画像
ではレーン境界に近接した線分が多いため、その選択が
困難であるという問題点があった。
【0008】また、特開平4ー36878号に記載の方
法においても、一般路の画像ではウインドウ内にレーン
境界に近接した線分が多いため、その選択が困難であ
る。レーン境界とそれに近接したノイズ線分を誤認する
ことにより、レーンの計測精度が劣化するという問題点
があった。
【0009】本発明は上記の問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、周辺構造物や路面マーク
等の紛らわしい線が多く、道路のカーブがきつい場合で
も、精度良く走行レーンの検出ができる装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。
【0011】図1は、請求項1の発明の構成を示すブロ
ック図である。まず、図1において、画像入力手段1
は、道路画像を撮像するものであり、例えば車載TVカ
メラである。また、前処理手段2は、画像入力手段1か
らの信号を入力して、画像上のエッジ線分を抽出するも
のである。エッジ線分は、画像上のモノクロ濃淡値の明
暗の境界線(濃淡値の勾配の稜線)であり、レーン境界
の候補となる線分で、直線または曲線である。次に、曲
線照合手段3は、後記するレーン形状計算手段4で前の
演算時に計算されたレーン形状パラメータと、その分散
に基づいて、画像上のレーン境界位置と角度の範囲を推
定する。そして、前処理手段2で抽出されたエッジ線分
から、前記推定範囲に含まれるエッジ線分をレーン境界
候補として選択する。最後に、レーン形状計算手段4
は、曲線照合手段3で選択したエッジ線分からレーンを
特定するレーン形状パラメータと、その分散を計算す
る。
【0012】請求項1の発明においては、エッジ線分の
観測に基づく、レーン形状パラメータおよびその分散の
算出を繰り返し、これが次回の曲線照合に利用される。
従って、レーン形状計算手段4が、この計算を繰り返す
ことにより、レーン形状パラメータの分散が適切な値へ
収束する。曲線照合手段3は、レーン形状パラメータの
分散に基づいて画像上のエッジ線分の推定範囲を設定し
ているため、推定範囲の幅を適切に狭められる。これに
より、紛らわしいエッジ線分との誤認を防ぎ、精度が向
上できる。
【0013】図2は、請求項2の発明の構成を示すブロ
ック図である。まず、図2において、画像入力手段1
は、道路画像を撮像するものであり、例えば車載TVカ
メラである。また、前処理手段2は、画像入力手段1か
らの信号を入力して、画像上のエッジ線分を抽出するも
のである。次に、白線選択手段5は、前処理手段2で抽
出されたエッジ線分から、レーン境界の候補となる白線
のエッジ線分対(白線の左右エッジを構成するエッジ
対)を選択して第1曲線照合手段3へ出力する。さら
に、白線選択手段5は、前処理手段2で抽出されたエッ
ジ線分から、白線のエッジ線分対を差し引いたエッジ線
分を第2曲線照合手段6へ出力する。次に、第1曲線照
合手段3は、後記するレーン形状計算手段4で前の演算
時に計算されたレーン形状パラメータとその分散に基づ
いて、白線選択手段5から出力された白線のエッジ線分
からレーン境界候補のエッジ線分を選択する。次に、第
2曲線照合手段6は、後記するレーン形状計算手段4で
前の演算時に計算されたレーン形状パラメータとその分
散に基づいて、白線選択手段5から出力された非白線の
エッジ線分からレーン境界候補のエッジ線分を選択す
る。次に、レーン境界選択手段7は、第1曲線照合手段
3と第2曲線照合手段6から入力されたレーン境界候補
のエッジ線分から、白線の特徴と長さの属性などに基づ
いてレーン境界の可能性の大きいエッジ線分を選択す
る。最後に、レーン形状計算手段4はレーン境界選択手
段7で選択したエッジ線分からレーン形状パラメータと
その分散を計算する。
【0014】請求項2の発明においては、一般的にレー
ン境界が白線であるという情報を利用して、白線選択手
段5と第1曲線照合手段3とレーン境界選択手段7によ
り白線のエッジ線分を優先的に処理することにより、紛
らわしいエッジ線分との誤認を防ぎ、精度が向上できる
効果がある。
【0015】図3は、請求項3の発明の構成を示すブロ
ック図である。まず、図3において、画像入力手段1
は、道路画像を撮像するものであり、例えば車載TVカ
メラである。また、前処理手段2は、画像入力手段1か
らの信号を入力して、画像上のエッジ線分を抽出するも
のである。次に、白線選択手段5は、前処理手段2で抽
出されたエッジ線分から、レーン境界の候補となる白線
のエッジ線分対を選択し記憶する。白線エッジ線分と非
白線エッジ線分とはともに近傍曲線照合手段21と遠方
曲線照合手段23へ出力される。次に、近傍曲線照合手
段21は、前回の演算時に近傍レーン形状計算手段22
および遠方レーン形状計算手段24においてそれぞれ更
新された車両近傍および遠方のレーン形状パラメータと
その分散に基づいて、車両近傍のレーン境界候補のエッ
ジ線分を選択し、近傍レーン形状計算手段22へ出力す
る。次に、近傍レーン形状計算手段22は、近傍曲線照
合手段21で選択したレーン境界候補のエッジ線分から
車両近傍のレーン形状に関わるレーン形状パラメータと
その分散を更新する。
【0016】次に、遠方曲線照合手段23は、前記した
近傍レーン形状計算手段22で更新されたレーン形状パ
ラメータとその分散に基づいて、遠方のレーン境界候補
のエッジ線分を選択し直し、遠方レーン形状計算手段2
4へ出力する。次に、遠方レーン形状計算手段24は遠
方曲線照合手段23で選択したレーン境界候補のエッジ
線分から遠方のレーン形状に関わるレーン形状パラメー
タとその分散を更新する。
【0017】請求項3の発明においては、一般的に道路
画像上では遠方より車両近傍の方がレーン境界と他の構
造物(ガードレール、車両)との誤認が少なく、精度が
高いという性質を利用して、近傍曲線照合手段21と近
傍レーン形状計算手段22により車両近傍のレーン境界
から車両近傍に関わるレーン形状を先に処理する。これ
により、遠方曲線照合手段23において遠方のレーン境
界の探索範囲をより狭めることが可能となり、紛らわし
いエッジ線分との誤認を防ぎ、精度が向上できる効果が
ある。
【0018】これを図4(A),(B)に基づいて説明
する。図4(A)に示すように、近傍曲線照合手段21
では、前回の演算時に推定されたレーン形状パラメータ
と分散からレーン境界候補の探索範囲を設定するため、
遠方によく似た白線エッジa)、b)が存在した場合
に、どちらかを選択することができない。しかし、車両
近傍のエッジ線分を観測することにより近傍レーン形状
計算手段22でレーン形状パラメータとその分散を更新
すれば、よりその分散の値を小さくすることができ、レ
ーン境界の探索範囲を狭めることができる。よって、エ
ッジ線分a)を遠方のレーン境界候補として選択するこ
とができ、エッジ線分b)との誤認を防ぐことができ
る。
【0019】さらに、上述の説明では、近傍と遠方の2
つの範囲を設定し、まず近傍の範囲で、レーン形状パラ
メータと分散を算出し、その次に近傍算出結果に基づい
て遠方のレーン形状パラメータと分散を算出した。しか
し、範囲を2種類でなく、多数(例えば、10)にし、
順次遠方の範囲の演算を行えば、さらに誤認の少ない走
行レーン認識を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図5は、本発明の一実施形態のブロッ
ク図である。図5において、画像入力8は車載TVカメ
ラであり、道路画像を撮像して信号に変換する。また、
前処理9と、白線選択10と、曲線照合11、12とレ
ーン境界選択13とレーン形状計算14は、例えばマイ
クロコンピュータで構成され、車載TVカメラ8からの
信号を入力して画像処理を行ない、走行路(走行レー
ン)を検出する。出力結果は図示していない外部装置へ
送られ、ドライバー支援装置やドライバー警報装置や自
律走行移動車の制御等へ適用される。各処理部の説明を
以下に述べる。なお、本実施形態では、車載TVカメラ
8は車体の中心軸とカメラの中心軸が一致するように、
水平に前向きで取り付けるものとする。
【0021】「前処理」前処理9は、車載TVカメラ8
によって得られた実画像(濃淡画像)からエッジ線分を
画像処理によって抽出する。エッジは画像中の濃淡値が
急激に変化する部分である。エッジ抽出には幾つかの方
法があるが、本実施形態では以下のステップで実施す
る。
【0022】S1.濃淡画像取り込み まず、カメラにより取り込んだ濃淡画像をA/D変換に
より計算機に取り込む。1画面の画像情報がマトリクス
状に配列された画素毎デジタル値として取り込まれる。
【0023】S2.Sobelフィルタ 取り込んだ濃淡画像にSobelフィルタを適用し、濃
淡勾配の方向と大きさを演算する。
【0024】S3.稜線抽出処理 濃淡勾配の大きさの嶺の部分(極大点のならび)を抽出
する。
【0025】S4.線分追跡処理 画像上の稜線を追跡し、エッジ線分(点列)のリストと
して表現する。
【0026】このようにして、エッジ線分がリストとし
て得られる。ここで、このエッジ線分は以下の情報を持
つ。これらの情報は後の処理で利用される。
【0027】 ・エッジ線分の始点終点の撮像面上の座標値 ・エッジ線分を構成する点の数 ・濃淡勾配の大きさと方向 ・エッジ線分を構成する点の撮像面上の座標値 「白線選択」白線選択は、前処理により抽出したエッジ
線分から、白線の両端に対応するエッジ線分対を選択す
る。この白線選択の処理手順は以下の通りである。
【0028】S1.短い線および水平線の除去 まず、エッジ線分リストから以下の線分を除去する。
【0029】(短いエッジ線分)白線はある程度の長さ
を有しており、エッジ線分を構成する点の数が設定閾値
以下の短いエッジ線分は、白線の両端に対応する線分で
ないと考えられるからである。
【0030】(水平線)水平線は、始点と終点のY’座
標値(座標系については後述)が等しいエッジ線分であ
る。水平線は道路周囲の建物や先行車両を構成する線で
ある可能性が高いからである。ただし、道路が曲がって
いる場合、遠方のレーン境界は水平に近くなる。このレ
ーン境界を除去しないように始点と終点のY’座標値に
差があるエッジ線分は除去しない。
【0031】S2.白線の特徴による選択 次に、エッジ線分リストから白線の特徴を有するエッジ
線分対を選択する。このエッジ線分対とは、エッジ線分
の濃淡勾配の方向が互いに反対で、画像上のエッジ線分
の傾きが平行で、エッジ線分間の距離が白線幅(通常
0.15m)程度である条件を満たすエッジ線分であ
る。
【0032】S3.リストの作成 以上のS1−S2の処理により、前処理から入力された
エッジ線分リストから白線のエッジ線分リストと非白線
のエッジ線分リストを作成する。
【0033】「曲線照合」曲線照合では、白線選択から
入力された白線または非白線のエッジ線分リストからレ
ーン境界の候補のエッジ線分を選択する。
【0034】前回のレーン形状計算の計算結果からレー
ン形状パラメータとその分散が既知であるか、その推定
値が得られていることを仮定する。このレーン形状パラ
メータとその分散から推定されるレーン境界位置の範囲
を撮像面上に投影する(後述する式(8)参照)。そし
て、図6に示すように、レーン境界位置の推定範囲内に
あるエッジ線分をレーン境界候補として選択する。この
ように、エッジ線分を予め設定した間隔で区切り、その
節となる点a、点b、…がレーン境界位置の推定範囲内
にあれば、そのエッジ線分をレーン境界候補とする。こ
の方法によれば、図6に示す曲線であっても容易に判定
することができる。また、画像上に十分な長さのレーン
境界エッジ線分を観測するか、または長時間にわたって
レーン境界エッジ線分を観測するならば、前記の分散は
小さくなり、レーン境界位置の推定範囲は十分に狭める
ことができる。
【0035】「座標系とレーン形状の表現」座標系とレ
ーン形状の表現について説明する。以下の計算のため、
次の2つの座標系を設定する。
【0036】(座標系1 車体座標系)自車周辺の路面
が局所的に平面上にあると仮定する。このとき、車載カ
メラの位置を平面上に投影した点を原点として、レーン
境界接線方向をX軸、その横方向をY軸、鉛直方向をZ
軸にとったXYZ直交座標系を設定する。以後、これを
車体座標系と呼ぶ。
【0037】(座標系2 撮像面上の座標系)撮像面の
中央を原点にとり、縦方向をY’座標軸、横方向をX’
座標軸とした直交座標系を設定する。X’座標軸は撮像
面から焦点位置へ向かって左側を正にとり、Y’座標軸
は上を正にとる。以後、これを撮像面上の座標系と呼
ぶ。
【0038】次に、レーン形状のパラメータを以下に示
す。
【0039】 e :車両とレーン中心との位置偏差[m] ωr:レーン幅[m] θ :ヨー角(カメラ中心軸からレーン境界接線方向へ
の角度)[rad] φ :画像の縦揺れ(カメラ中心軸から走行平面に平行
な方向への角度[rad] a2:レーン形状を3次関数で表現した場合の2次のパ
ラメータ。道路曲率に対応する項 a3:レーン形状を3次関数で表現した場合の3次のパ
ラメータ。2次曲率に対応する項。
【0040】以上のレーン形状パラメータで表現したレ
ーン境界の撮像面上の座標系に対する投影を考える。こ
のとき、車載カメラは車体の中心軸と一致するように設
定すると仮定する。図7にレーン境界の撮像面上のX’
座標値を示す。これにより、X’軸状の値x’は、次の
式(1)のように表される。
【0041】
【数1】 ただし、±の符号は正の場合は右レーン境界、負の場合
は左レーン境界を示す。
【0042】図8にレーン境界の撮像面上のY’座標値
を示す。これによりY’軸上の値y’は、次の式(2)
のように表される。
【0043】
【数2】 このとき、hはカメラ高さ、fはTVカメラの焦点距離
である。
【0044】「レーン境界形状パラメータとの照合」レ
ーン境界推定位置からエッジ線分までの距離の標準偏差
σmを求め、この値に基づいて照合を行う。すなわち、
図9に示すように、白線選択から入力された白線または
非白線のエッジ線分リストの中のエッジ線分から、レー
ン境界推定位置からの距離ασm以内のエッジ線分を選
択し、レーン境界の候補とする。ただし、αは1〜3程
度の値である。
【0045】ここで、車体座標系のX座標値がxc の場
合、撮像面上のレーン境界の推定位置は式(3)と式
(4)で計算される。
【0046】
【数3】
【数4】 車体座標系のX座標値がxc の場合の撮像面上のレーン
境界の推定接線角度ωmは式(5)で計算される。
【0047】
【数5】 ただし、±の符号は左レーン境界の接線角度を計算する
場合は負、右レーン境界の接線角度を計算する場合は正
である。
【0048】次に、車体座標系のX座標値がxcの場合
の撮像面上のレーン境界の推定範囲のσmの計算式を以
下に示す。σmは点(x´c,y´c)から観測される
レーン境界エッジ線分までの距離の標準偏差を示す。こ
の距離は接線角度ωmに垂直な方向へとる。
【0049】レーン形状のパラメータの標準偏差(分散
値の平方根)と式(3)より、式(6)が得られる。こ
の式より、X’座標方向の観測されるレーン境界エッジ
線分とレーン形状との間の距離の標準偏差σx’が計算
できる。
【0050】
【数6】 また、レーン形状のパラメータの標準偏差を式(4)へ
代入することにより、式(7)が得られる。この式よ
り、Y´座標方向の観測されるレーン境界エッジ線分と
レーン形状との間の距離の標準偏差σy’が計算でき
る。
【0051】
【数7】 そして、σx’と、σy’の接線角度ωmに垂直な成分
を加算することにより、式(8)でσmが計算できる。
【0052】
【数8】 ただし、 f : 焦点距離 σm : レーン形状と観測されるレーン境界エッジ線
分との間の距離の標準偏差 σφ : φの標準偏差 σa3 : a3の標準偏差 σa2 : a2の標準偏差 σe : eの標準偏差 σθ : θの標準偏差 σω : ωの標準偏差 σox' : 撮像面上のX’座標軸方向の観測誤差の標準
偏差 σoy' : 撮像面上のY’座標軸方向の観測誤差の標準
偏差 各標準偏差は、各パラメータの誤差分散の平方根から求
める。誤差分散はレーン形状パラメータをカルマンフィ
ルタで更新する時に得られる推定誤差の共分散行列の対
角要素を使用する。
【0053】ただし、レーン境界位置の観測データが少
なくレーン形状パラメータの分散値が大の場合、図10
に示すように撮像面上に投影した左右レーン境界位置の
推定範囲が重なる。この重なった範囲内の線分は左右の
レーン境界のどちらであるか判定困難である(図10の
線分b)。判定を誤って観測データとして採用した場
合、レーン形状の推定誤差が増大する。よって、左右レ
ーン境界の推定範囲が重なった部分のエッジ線分はレー
ン境界候補としない。
【0054】次に、候補エッジ線分の中で、式(5)で
推定したレーン境界との角度の差が予め設定した閾値を
越えるものを候補エッジ線分から外す(図10の線分
a)。 「レーン境界選択」次に、曲線照合により得られた白線
または非白線のレーン境界の候補のエッジ線分がレーン
境界選択へ入力される。レーン形状パラメータの分散が
十分小さくなっていない場合、レーン境界に平行な近傍
のエッジ線分も同時に選択することがある。この例とし
て、車の通った轍や縁石の線が挙げられる。このように
複数のレーン境界候補が撮像面上の同じ場所で照合する
場合、以下の2つの仮定により、図11に示すように、
レーン境界の可能性の大きいエッジ線分を選択する。な
お、同じ場所で照合するエッジ線分候補が1つの場合
は、それを選択する。
【0055】(1)白線を構成するエッジ線分はレーン
境界である可能性が高い。このとき、白線を構成するエ
ッジ線分とは濃淡勾配の方向が互いに逆向きの平行なエ
ッジ線分対である。
【0056】(2)連続していて長いエッジ線分は路側
縁石等のレーン境界エッジ線分である可能性が高い。
【0057】「レーン形状計算」 (位置偏差、ヨー角、道路幅、縦揺れ)まず、レーン境
界候補のエッジ線分リストから左右のレーン境界候補の
エッジ線分で、始点または終点の撮像面上の座標系で
Y’座標値が予め設定した値以上のエッジ線分を選択す
る。選択したエッジ線分からレーン幅Wと画像の縦揺れ
φとヨー角θと位置偏差eを計算する。
【0058】選択した左レーン境界に対応するエッジ線
分に撮像面上の座標系で直線を適合し、式(9)の左側
エッジについての各パラメータal、blを求める。直
線適合の計算はエッジ線分を構成する点の位置座標値に
最小自乗法を適用して、al、blを求める。ただし、
最小自乗法の計算に使用する点のデータは撮像面上の座
標系でY’の大きい方(車体座標系のX座標値の小さい
方)から設定した数以上は使用しない。
【0059】
【数9】 同様に、選択した右レーン境界に対応するエッジ線分か
ら、式(10)のパラメータar、brを求める。
【0060】
【数10】 最後に、パラメータalとblとarとbrを式(1
1)へ代入して、ωrとφとθとeの観測値を求める。
【0061】
【数11】 ただし、左レーン境界に対応するエッジ線分しかない場
合は、前回のレーン形状パラメータによるφとωrの推
定値を採用し、式(12)からθとeを求める。
【0062】
【数12】 また、右レーン境界に対応するエッジ線分しか得られな
かった場合も、レーン形状パラメータによるφとωrの
推定値を採用し、式(13)からθとeを求める。
【0063】
【数13】 (レーン境界が観測できる場合)このようにして、レー
ン境界が観測できた場合には、次にヨー角θと位置偏差
eとレーン幅ωrと画像の縦揺れφの観測値により、こ
れらパラメータをカルマンフィルタの手法で更新する。
カルマンフィルタは、システムが線形で、システムノイ
ズおよび観測ノイズが白色雑音で、そのノイズの振幅分
布が正規分布である場合に、状態量を最小2乗規範で推
定する。さらに、カルマンフィルタの計算の過程から状
態量の誤差分散が求められる。この誤差分散を前記曲線
照合で利用している。
【0064】システムのダイナミクスと観測過程が決ま
れば、既知のカルマンフィルタの計算方法を適用するこ
とができる。よって、以下ではシステムのダイナミクス
と観測過程の式を示す。
【0065】位置偏差とヨー角とレーン幅と縦揺れは3
つの線形システムに分割される。以下では各システムの
内容を示す。
【0066】一番目は、ヨー角θと位置偏差eを要素と
する状態変数ベクトルの線形システムである。この状態
変数ベクトルp1を式(14)に示す。
【0067】
【数14】 p1を更新するダイナミクスを式(15)に示す。他の
ダイナミクスと区別するため、数字の1を添字として付
加した。
【0068】
【数15】 この場合の行列A1の各要素を式(16)に示す。
【0069】
【数16】 このとき、Tは観測周期、Vは車速である。
【0070】行列B1の対角要素はカルマンフィルタの
更新周期当たりのヨー角と位置偏差の変動分の標準偏差
を設定する。p1の観測過程を式(17)に示す。他の
観測過程との区別のために数字の1を添字で付加する。
【0071】
【数17】 行列C1の内容を式(18)に示す。
【0072】
【数18】 カメラの画素分解能より、ヨー角と位置偏差に付加され
る観測ノイズのω1の分散が設定できる。
【0073】2番目のシステムは、道路幅ωrを要素と
する状態変数ベクトルの線形システムである。この状態
変数ベクトルp2を式(19)に示す。
【0074】
【数19】 p2を更新するダイナミクスを式(20)に示す。他の
ダイナミクスとの区別のために数字の2を添字で付加す
る。
【0075】
【数20】 この場合の行列A2の各要素を式(21)に示す。
【0076】
【数21】 本例では、レーン幅ωrの変動の標準偏差を行列B2に
設定する。行列D2の要素を式(22)に示す。
【0077】
【数22】 p2の観測過程を式(23)に示す。他の観測過程との
区別のために数字の2を添字で付加する。
【0078】
【数23】 行列C2の内容を式(24)に示す。
【0079】
【数24】 カメラの画素分解能より、レーン幅の観測値に付加され
る観測ノイズのw2の分散が設定できる。
【0080】3番目のシステムは画面の縦揺φを要素と
する状態変数ベクトルの線形システムである。この場合
の状態ベクトルp3を式(25)に示す。
【0081】
【数25】 p3を更新するダイナミクスを式(26)に示す。他の
ダイナミクスとの区別のために数字の3を添字で付加す
る。
【0082】
【数26】 このとき、行列A3を式(27)に示す。
【0083】
【数27】 行列B3の要素はカルマンフィルタの更新周期当たりの
画面の縦揺れの変動分の標準偏差を設定する。
【0084】p3の観測過程を式(28)に示す。他の
観測過程との区別のために数字の3を添字で付加する。
【0085】
【数28】 行列C3の内容を式(29)に示す。
【0086】
【数29】 カメラの画素分解能より、画面の縦揺れに付加される観
測ノイズのω3の分散が設定できる。
【0087】(レーン境界エッジ線分が観測できない場
合)レーン境界エッジ線分が観測できず、ヨー角θと位
置偏差eとレーン幅ωrと画像の縦揺れφの観測値が観
測できない場合、観測値無しでカルマンフィルタの手法
で更新する。この場合、線形システムは行列A1とA2
とA3とD2の設定が前述と異なる。他の行列の設定は
同じである。
【0088】車両は道路中心を道路に沿って走行すると
仮定し、ヨー角θと位置偏差eを0へ収束させる項η1
とη2をダイナミクスへ付加する。この場合の行列A1
の各要素を式(30)に示す。
【0089】
【数30】 レーン幅はほぼ一定値であると仮定し、レーン幅ωrを
収束させる項η3をダイナミクスへ付加する。この場合
の行列A2の各要素を式(31)に示す。
【0090】
【数31】 また、行列D2の内容を式(32)に示す。
【0091】
【数32】 このとき、ωsは予め設定したレーン幅の値である。一
般に、高速道路ではωs=3.5[m]、一般道路では
ωs=3.0[m]と設定すれば良い。
【0092】画面の縦揺れもほぼ一定であると仮定し、
レーン幅φを収束させる項η4をダイナミクスへ付加す
る。この場合の行列A3の各要素を式(33)に示す。
【0093】
【数33】 「道路曲率」レーン境界候補のエッジ線分から、撮像面
上の座標系でY’座標値が設定値以下の点を設定数だけ
サンプルする。サンプルした点の撮像面上の座標系X’
Y’座標値を観測値としてレーン形状パラメータa3と
a2をカルマンフィルタの手法で更新する。
【0094】カルマンフィルタの計算のために必要な線
形システムのダイナミクスと観測過程を以下に示す。
【0095】a3とa2を要素とする状態変数ベクトル
の線形システムを考える。この場合の状態ベクトルp4
を式(34)に示す。
【0096】
【数34】 p4を更新するダイナミクスを式(35)に示す。他の
ダイナミクスとの区別のために数字の4を添字で付加す
る。
【0097】
【数35】 行列A4の各要素を式(36)に示す。
【0098】
【数36】 行列B4の対角要素はカルマンフィルタの更新周期当た
りのa3とa2の変動分の標準偏差を設定する。
【0099】p4の観測過程を式(37)に示す。他の
観測過程との区別のために数字の4を添字で付加する。
【0100】
【数37】 行列C4の内容を式(38)に示す。
【0101】
【数38】 このとき、次数mはサンプルした点の数である。また、
siはサンプルした点の車体座標上のX座標値で、式
(39)で計算する。
【0102】
【数39】 この場合、y’はサンプル点の撮像面上のY’座標値で
ある。画像の縦揺れφはレーン形状パラメータの推定値
を使用する。
【0103】観測値ベクトルy4を式(40)に示す。
その値はパラメータθとωrに依存する量をサンプル点
のX’座標値から差し引いた量である。
【0104】
【数40】 このとき、x’はサンプル点の撮像面上のX’座標値で
ある。±の符号は正の場合が右レーン境界、負の場合が
左レーン境界である。
【0105】実画像による検討から、ω4,i の値を設定
する。
【0106】「遠方レーン境界が観測できない場合の道
路曲率の計算」遠方レーン境界が観測できない場合、観
測値無しでカルマンフィルタの手法で更新する。この場
合、線形システムは行列A4の設定が前述と異なる。他
の行列の設定は同じである。
【0107】一般路では曲線路が連続せず、曲線路から
直線路へつながることを仮定して、道路曲率を表すa3
とa2を減衰させる項η5とη6をダイナミクスへ付加
する。この場合の行列A4の各要素を式(41)に示
す。
【0108】
【数41】 [第2実施形態]図12は、本発明の第2実施形態の一
実施形態のブロック図である。図において、画像入力
(車載TVカメラ)31は、道路画像を撮像して信号に
変換する。また、前処理32と白線選択33と近傍曲線
照合34と近傍レーン形状計算35と遠方曲線照合36
と遠方レーン形状計算37とは、例えばマイクロコンピ
ュータで構成され、車載TVカメラ31からの信号を入
力して画像処理を行ない、走行レーンを検出する。出力
結果は図示していない外部装置へ送られ、ドライバー支
援装置やドライバー警報装置や自律走行移動車の制御等
へ適用される。各処理部の説明を以下に述べる。
【0109】また、車載カメラ31は車体の中心軸とカ
メラの中心軸が一致するように、水平に前向きで取り付
けるものとして、以下の実施形態を記述する。
【0110】座標系とレーン形状の数式表現は第1実施
形態と同じである。
【0111】「前処理」前処理部分は上述の第1実施形
態と同じである。
【0112】「白線選択」白線選択は、上述の第1実施
形態と同じであるが、得られた白線のエッジ線分リスト
と非白線のエッジ線分リストは、近傍曲線照合34およ
び遠方曲線照合36の両方へと出力される。
【0113】「近傍曲線照合」近傍曲線照合では、白線
抽出から入力された白線と非白線のエッジ線分リストか
ら車両近傍の左右レーン境界候補のエッジ線分を選択す
る。前回の演算時の計算結果からレーン形状パラメータ
とその分散の推定値が得られていることを仮定する。
【0114】先ず、車両近傍のエッジ線分を探索すれば
良いので、始点または終点の撮像面上のY’座標値が予
め設定した値以上となるエッジ線分を選択する。
【0115】次に、この後は、第1実施形態と同様に、
レーン形状パラメータとその分散から推定されるレーン
境界位置の範囲を撮像面上に投影する(式(8)参
照)。そして、その範囲内にあるエッジ線分をレーン境
界候補として絞り込む(図6参照)。図6に示すように
エッジ線分を予め設定した間隔で区切り、その節となる
点a、点b、… がレーン境界位置の推定範囲内にあれ
ば、そのエッジ線分をレーン境界候補とする。
【0116】このため、撮像面上のレーン境界の推定位
置は式(3)と式(4)で計算する。レーン境界の推定
接線角度は式(5)で計算する。さらに、画像上のレー
ン境界推定位置(x’c,y’c)から観測されるレー
ン境界までの距離の標準偏差σmは式(6)と式(7)
と式(8)とから計算される。
【0117】白線抽出から入力された白線または非白線
のエッジ線分リストの中のエッジ線分上の点a、点b、
…が、距離ασm以内にあり、推定接線角度とエッジ線
分上の点における接線角度との差が予め設定した閾値以
下となるエッジ線分を選択し、左右レーン境界の候補と
する。(この場合、αは1〜3程度の値である。)ただ
し、ασmの値が予め設定した閾値より大きくなる箇所
からはエッジ線分を選択しない。
【0118】次に、左右のレーン境界候補のエッジ線分
を白線、非白線の順に、そして、各々をエッジ線分を構
成する点数の多い順に整列させる。
【0119】最後に、以下の処理により、一対の左右レ
ーン境界候補のエッジ線分へ絞り込む。整列させた左レ
ーン境界候補のエッジ線分から順に予め設定した数だけ
取り出し、撮像面上の座標系で直線を適合し、式(9)
の各パラメータal、blを求める。直線適合の計算は
線分を構成する点の位置座標値に最小自乗法を適用し
て、al、blを求める。ただし、最小自乗法の計算に
使用する点のデータは撮像面上の座標系でY’の大きい
方(車体座標系のX座標値の小さい方)から設定した数
以上は使用しない。
【0120】同様に、整列させた右道路端候補のエッジ
線分から順に予め設定した数だけ取り出し、式(10)
のパラメータar、brを求める。
【0121】次に、予め設定した数だけ選択した左右レ
ーン境界候補のエッジ線分の全ての組合せの各パラメー
タal、bl、ar、brから道路幅ωrと画像の縦揺
れφとヨー角θと位置偏差eとを計算し、さらにその推
定値からの重み付きユークリッド距離dを計算する。重
み付きユークリッド距離dが最小となり、予め設定した
閾値より小さくなるエッジ線分の組合せから求められる
ωrとφとθとeを観測値として採用する。
【0122】左右レーン境界候補のエッジ線分の組合せ
からωrとφとθとeを計算する式を式(42)に示
す。
【0123】
【数42】 この場合、a3とa2は前回の演算時に推定されたレー
ン形状パラメータを使用する。また、xc はエッジ線分
の車体座標系X座標値であるが、前回の演算時に推定さ
れたレーン形状パラメータφとエッジ線分の撮像面上座
標系Y’座標値y’から式(43)より計算する。
【0124】
【数43】 左右レーン境界候補のエッジ線分の組合せから重み付き
ユークリッド距離dを計算する場合の式を式(44)、
式(45)に示す。このとき、cωは重みである。
【0125】
【数44】 ただし、 cω:距離にかかる重み付け ll:左側のエッジ線分に含まれる点の数に関する重み
付け。点の数に対応して大となるように設定 lr:右側のエッジ線分に含まれる点の数に関する重み
付け。点の数に対応して大となるように設定 cl:左側のエッジ線分の特徴に関する重み付け。非白
線より白線の場合の方が大となるように設定 cr:右側のエッジ線分の特徴に関する重み付け。非白
線より白線の場合の方が大となるように設定。
【0126】
【数45】 左レーン境界候補のエッジ線分のみからθとeを計算す
る場合の式を式(46)に示す。このとき、φとωrは
前回の演算時の推定値を採用する。
【0127】
【数46】 左レーン境界候補のエッジ線分のみから重み付きユーク
リッド距離dを計算する場合の式を式(47)、式(4
8)に示す。
【0128】
【数47】
【数48】 右レーン境界候補のエッジ線分のみからθとeを計算す
る場合の式を式(49)に示す。このとき、φとωrは
前回の演算時の推定値を採用する。
【0129】
【数49】 左レーン境界候補のエッジ線分のみから重み付きユーク
リッド距離dを計算する場合の式を式(50)、式(5
1)に示す。
【0130】
【数50】
【数51】 「近傍レーン形状計算」近傍曲線照合34で得た観測値
により、車両近傍レーン形状に関わるパラメータ、ヨー
角θと位置偏差eとレーン幅ωrと画像の縦揺れφの現
時刻の推定値とその誤差分散をカルマンフィルタの手法
で更新する。
【0131】システムのダイナミクスと観測過程が決ま
れば、既知のカルマンフィルタの計算方法を適用するこ
とができる。これについては、第1実施形態におけるレ
ーン形状計算と同一である。
【0132】「遠方曲線照合」遠方曲線照合36では、
白線抽出から入力された白線または非白線のエッジ線分
リストから、現在の道路画像に基づいて近傍レーン形状
計算35により更新されたレーン形状パラメータとその
分散によりレーン境界の候補のエッジ線分を選択し直
す。現在の道路画像に基づいてレーン形状パラメータと
その分散が更新されているため、近傍曲線照合34に比
べてよりレーン境界候補の探索範囲が限定される。
【0133】まず、車両近傍のエッジ線分を探索する必
要がないため、始点または終点の撮像面上のY’座標値
が予め設定した値以下となるエッジ線分を選択する。こ
の後の曲線照合の手法は、近傍曲線照合34と同様であ
る。
【0134】すなわち、次に、上述の場合と同様に、レ
ーン形状パラメータとその分散から推定されるレーン境
界位置から範囲内のエッジ線分を選択した後白線を抽出
し、左右のレーン境界候補のエッジ線分を白線、非白線
の順、かつ各々のエッジ線分を構成する点数の多い順に
整列させる。
【0135】「遠方レーン形状計算」遠方曲線照合36
で選択されたレーン境界候補のエッジ線分を構成する点
から、撮像面上の座標系のY’座標値が設定値以下とな
る点を予め設定された数だけサンプルする。サンプルし
た点の撮像面上の座標系のX’Y’座標値を観測値とし
てレーン形状パラメータa3とa2の現時刻の推定値と
その誤差分散をカルマンフィルタの手法で更新する。遠
方レーン形状計算37で更新されたa3とa2と、近傍
レーン形状計算35で更新されたパラメータ、ヨー角θ
と位置偏差eとレーン幅ωrと画像の縦揺れφの現時刻
の推定値とその誤差分散が出力として、ここでは示さな
いが外部装置への出力となる。
【0136】さらに、カルマンフィルタの手法により、
次の時刻の道路形状パラメータa3とa2とヨー角θと
位置偏差eとレーン幅ωrと画像の縦揺れφの推定値と
その誤差分散が予測されて、近傍曲線照合34へ出力さ
れる。
【0137】以下では、カルマンフィルタの計算のため
に必要な線形システムのダイナミクスと観測過程を以下
に示す。
【0138】a3とa2を要素とする状態変数ベクトル
の線形システムを考える。この場合の状態ベクトルp4
を式(52)に示す。
【0139】
【数52】 p4を更新するダイナミクスを式(53)に示す。他の
ダイナミクスとの区別のために数字の4を添字で付加す
る。
【0140】
【数53】 行列A4の各要素を式(54)に示す。
【0141】
【数54】 このとき、η7は道路曲率変化を表すa3を減衰させる
項である。
【0142】行列B4の対角要素はカルマンフィルタの
更新周期当たりのa3とa2の変動分の標準偏差を設定
する。
【0143】p4の観測過程を式(55)に示す。他の
観測過程との区別のために数字の4を添字で付加する。
【0144】
【数55】 行列C4の内容を式(56)に示す。
【0145】
【数56】 このとき、次数mはサンプルした点の数である。また、
siはサンプルした点の車体座標上のX座標値で、式
(57)で計算する。
【0146】
【数57】 この場合、y’はサンプル点の撮像面上のY’座標値で
ある。φはレーン形状パラメータの推定値を使用する。
【0147】観測値ベクトルy4を式(58)に示す。
その値はパラメータθとeとωrに依存する量をサンプ
ル点のX’座標値から差し引いた量である。
【0148】
【数58】 このとき、x’はサンプル点の撮像面上のX’座標値で
ある。±の符号は正の場合が右レーン境界、負の場合が
左レーン境界である。
【0149】実画像による検討から、ω4,i の値を設定
する。
【0150】[第3実施形態] 「全体構成」上述の第2実施形態では、道路画像を大き
く近傍と遠方に分割し、近傍の道路画像を優先的に処理
することにより誤認を防いでいた。道路画像をより細分
化して、自車近傍から遠方へ向けて順に処理していくこ
とにより、さらに誤認を減らすことが可能である。この
考えに基づく第3実施形態を以下に示す。
【0151】図13は、本発明の第3実施形態のブロッ
ク図である。図13において、車載TVカメラ41は、
道路画像を撮像して信号に変換する。前処理42と、曲
線照合43、45、47と、レーン形状計算44、4
6、48は、例えばマイクロコンピュータで構成され、
車載カメラ41からの信号を入力して画像処理を行い、
走行レーンを検出する。
【0152】ここで、曲線照合43、45、47は、そ
れぞれがほぼ同等の処理を実行するため、単一の曲線照
合により、繰り返し処理を実施してもよい。同様に、レ
ーン形状計算44、46、48も、単一のレーン形状計
算により繰り返し処理を実施してもよい。また、図中の
点線部分は図示していないが、曲線照合45とレーン形
状計測46と同等のブロックが複数個並んでいる。出力
結果は図示していないが外部装置へ送られ、ドライバー
支援装置やドライバー警報装置や自律走行移動車の制御
等へ適用される。
【0153】各処理部の説明を以下に述べる。なお、本
実施形態では、車載TVカメラ41は車体の中心面上
に、水平に前向きで取り付けるものとする。
【0154】「座標系」以下の説明のため、座標系とし
て、道路座標系と車体座標系と撮像面上の座標系の3つ
の直交座標系を定義する。
【0155】撮像面上の座標系(x,y)はカメラの撮
像面中心を原点に設定する。縦方向をx軸に、横方向を
y軸にとる。
【0156】道路座標系(X,Y,Z)はレーンの形状
を表すためのものである。図に示すように、車載カメラ
のレンズ中心位置を基準にレーン中央の路面上に原点を
設定する。レーン境界の接線方向をZ軸、路面に垂直な
方向をX軸、右方向にY軸をとり、カメラのレンズ中心
位置がZ=0となるように設定する。
【0157】車体座標系(X´,Y´,Z´)はカメラ
レンズ中心を原点として、レンズ主軸方向にZ´軸を、
撮像面上のx軸に平行にX´軸をとり、撮像面上のy軸
に平行にY´軸をとる。
【0158】なお、本実施形態では、自車位置姿勢は車
載されたカメラ位置姿勢と一致するものとする。以上の
座標系を図14に示す。
【0159】次に、自車位置姿勢を表現するパラメータ
として、レーンに対するカメラ高さh、位置偏差е、ヨ
ー角θ、ピッチ角φ、ロール角ψを設定する。道路座標
系と車体座標系との関係は以上のパラメータにより決ま
る。車体座標系は、道路座標系を(h,е,0)だけ並
進した後、θ、φ、ψの順に回転させた座標系である。
θはYZ平面に射影したZ´軸とZ軸との間の角度、φ
はZ´とYZ平面との間の角度、ψはZ´軸回りの回転
角である。
【0160】このような座標系では、道路座標系上の点
(X,Y,Z)は、式(74)〜式(76)により車体
座標系上の点(X´,Y´,Z´)へ変換される。
【0161】
【数59】 このとき、上記Rij(i,j =1〜3)は、それぞれ式
(77)〜式(85)で表現される。
【0162】
【数60】 また、車体座標系上で表された3次元空間上の点(X
´,Y´,Z´)の撮像面上の座標系(x,y,z)へ
の変換は、以下の投影変換で表現される。ただし、この
式におけるFx とFy は、TVカメラの焦点距離に関す
る係数である。
【0163】
【数61】 「道路モデル」道路の構造は、道路構造令によって、平
面曲線と縦断曲線として規格化されている。平面曲線は
円弧と、直線と、これらを滑らかに接続するためのクロ
ソイド曲線で表される緩和曲線と、から構成される。ま
た、縦断曲線は直線と放物線により構成される。
【0164】本実施形態では、平面曲線の平面曲線の曲
率半径が100m以上の道路を想定する。ただし、バン
クに相当する片勾配は無視できると仮定する。この場
合、制動停止距離程度のレーン形状は、その平面曲線は
3次、縦断曲線は2次の多項式で十分表現できる。
【0165】以上より、レーン形状を次式で表現する。
ここで、Zc はレーンの中心線のZ座標値である。
【0166】
【数62】 このとき、 Zc :レーン中心線のZ座標値、 ξ :レーン中心線の接線角度、 cv :縦断曲線の曲率、 c0 :平面曲線の曲率、 c1 :平面曲線の曲率変化率、 W :レーン幅の1/2、 κ :観測するレーン境界によって決まる定数。左レー
ン境界の場合は−1、右レーンの境界の場合は1であ
る。
【0167】なお、XをZ座標の2次式としたため、路
面勾配変化は、平面から2次曲線まで対応可能になって
いる。また、Y及びZの式には、レーン幅の1/2であ
る変数Wを入れてあり、レーン幅を考慮できるようにな
っている。
【0168】このとき、平面曲線の接線角度ξは、次式
で計算できる。
【0169】
【数63】 「全体の処理の流れ」本実施形態の特徴は、入力された
1枚の道路画像に対して、モデルとの照合とパラメータ
推定を繰り返して実施する点である。この手順の概要を
以下に示す。なお、ここではレーン境界が左右に2つの
観測する場合で説明したが、レーン境界を3つ以上観測
する場合でも同様の手順で処理できる。
【0170】S1.画像入力41により、道路画像を入
力する。
【0171】S2.前処理42により、エッジ等の画像
特徴を抽出する。
【0172】S3.曲線照合43にて、前回の道路画像
に基づいて更新したモデルのパラメータの推定値とその
共分散行列から、現在のパラメータの推定値とその共分
散行列の推定値を計算する。そして、得られた現在のパ
ラメータの推定値とその共分散行列に基づいて、Zc,i
に対応するレーン境界の撮像面上の予測位置(xp ,y
p )と照合範囲を計算する(このとき、κ=1)。この
照合範囲内からレーン境界候補の座標値(x,y)を検
出し、その位置を観測する。
【0173】S4.レーン形状計算44にて、レーン境
界候補についての観測結果から、パラメータの推定値と
その共分散行列を更新する。
【0174】S5.S3と同様に、曲線照合45にて、
Zc,i に対応する隣のレーン境界候補を観測する(この
とき、κ=−1)。
【0175】S6.S4と同様に、レーン形状計算46
にて、レーン境界候補の観測結果から、パラメータの推
定値とその共分散行列を更新する。
【0176】S7.3〜6と同様に、Zc,i+1 (Zc,i+
1 >Zc,i )に対応するレーン境界候補を観測し、パラ
メータの推定値と、その共分散行列の更新を繰り返す。
すなわち、図15に示すように、車両の近傍から遠い方
に向けてモデルとの照合を順次行う。
【0177】S8.S1へ戻る。
【0178】「パラメータ更新の考え方」以下では、パ
ラメータ更新の考え方を示す。本実施形態では、前記し
た自車位置姿勢パラメータと、レーン形状パラメータ
と、車両の走行状況のパラメータと、を要素として含む
12次元状態ベクトルpを設定し、この最ゆう推定量を
カルマンフィルタで計算する。カルマンフィルタとは、
観測値から状態ベクトルpkの最ゆう推定量p^を求め
るフィルタである。
【0179】
【数64】 また、ここでは車速Vは状態ベクトルの1要素と想定し
ているが、車輪の回転数に基づいて設定しても良い。ま
た、計算コスト削減のためにW(レーン幅の1/2)と
h(カメラ高さ)を一定値と設定してもよい。さらに、
車両の走行状態が急変しないものと仮定して、▲θ▼
(ヨーレイト)とβ(滑り角)の推定をやめて計算コス
トを削減してもよい。
【0180】図17に示すように、撮像面上の座標系
で、道路モデルから予測されたレーン境界上の点(xp
,yp )における接線1を考える。このとき、接線1
から、点(xp ,yp )近傍のレーン境界候補の観測位
置(x,y)までの距離d(観測位置から接線1への垂
線の長さ)は、次式で計算される。
【0181】 d=−(x−xp )cosω+(y−yp )sinω (93) このとき、現在のパラメータのまわりで線形化して、距
離dを観測値とするカルマンフィルタを構成する。これ
により、dを観測値として、パラメータ推定値とその誤
差共分散を更新する式が得られる。
【0182】このとき、接線1の傾きωは次式で計算で
きる。
【0183】
【数65】 ここで、曲線照合43、15、17と、レーン形状計算
44、46、48の構成を図16に示す。このように、
曲線照合43において、現在のパラメータの推定値を計
算する(b)とともに、その共分散行列の推定値を計算
する(a)。次に、推定パラメータより(xp ,yp )
を推定し(d)、その近傍から共分散に基づいてレーン
境界の観測位置(x,y)を検出する(c)。
【0184】そして、距離dを計算する(e)。そし
て、レーン形状計算44、46、48が、得られた値に
よって、カルマンフィルタによるフィルタリングを行
い、パラメータ及び共分散行列を更新する(f)。そし
て、更新された値に基づいて、次の計算を行う。このよ
うにして、近傍から遠方に向けて順次処理が行われる。
【0185】(カルマンフィルタの計算)次に、カルマ
ン・フィルターの構成を説明する。ここで、状態ベクト
ルpのダイナミクスは次式で表現されるものとする。
【0186】 pk+1 =fk (pk )+uk (98) このとき、 k:更新回数、 pk :状態ベクトル、 uk :システムに付加されるノイズのベクトル、 fk :ダイナミクスを表現する関数。
【0187】また、観測値dと状態ベクトルpの関係は
次式で表現されるものとする。
【0188】 dk =hk (pk )+vk (99) このとき、 vk :観測ノイズ項のベクトル、 hk :観測過程を表現する関数。
【0189】さらに、uk とvk は平均値0のガウス確
率ベクトルで、共分散行列が式(100)と(101)
で表現されると仮定する。
【0190】以下では、関数fとhは非線形であるた
め、状態推定値pk/k 、pk/k-1 で線形化して、線形カ
ルマンフィルタを適用する。なお、このようなフィルタ
は、線形カルマンフィルタと区別して、拡張カルマンフ
ィルタと呼ばれる。
【0191】
【数66】 式(98)と(99)で表現されるシステムに対する拡
張カルマンフィルタによる状態ベクトルpの最ゆう推定
量p^(pハット)とその推定誤差共分散行列pの更新
は、式(102)〜(108)で表される(参考文献:
片山徹著、応用カルマンフィルタ、朝倉書店刊 (19
83))。
【0192】ここで、p^の初期値p^0/-1は自車がレ
ーン中央を走行していると仮定して設定する。また、P
の初期値P0/-1はレーン境界が検出できるように大きめ
の値を設定しておく。
【0193】
【数67】 (行列Hの計算)次に、上述の計算に利用される行列H
の計算式を示す。まず、式(103)より、Hk は、次
のように表せる。
【0194】
【数68】 また、式(93)を偏微分することにより、次式が得ら
れる。
【0195】
【数69】 そして、式(109)と式(110)と、式(111)
より、次式が得られる。
【0196】
【数70】 そして、行列Hの各要素は、式(86)と式(87)を
状態ベクトルpの各要素で偏微分した値を式(112)
へ代入することにより求めることができる。
【0197】以下に、Hの各要素の計算式を示す。Hは
1行12列の行列であり、添字は行と列の番号を示す。
【0198】
【数71】
【数72】 (関数fと行列Fの計算)次に、システムのダイナミク
ス(ある画像から次の画像へと移る場合のダイナミク
ス)を示す関数fを状態ベクトルpの各要素で偏微分し
た行列F(式(104)参照)の計算を示す。
【0199】同時刻の画像上のレーン境界を連続的に観
測して、拡張カルマンフィルタにより状態ベクトルp更
新する場合は時間変化はないので、次式のようにpの更
新はなく、Fは単位行列となる。
【0200】 pk+1 =pk (123) また、観測値の時刻が更新されて新しい画像が入力され
た場合、状態ベクトルpのダイナミクスは自車の走行に
よる自車位置姿勢の変化と道路の曲率変化によって生じ
る。ダイナミクスの設定にはいろいろな考え方がある
が、本実施形態では比較的簡単な式で表現した。θとе
のダイナミクスを式(124)〜(125)で表現す
る。
【0201】
【数73】 c0 のダイナミクスはc0 とc1 の関係により、式(1
26)で表現する。
【0202】 c0 k+1 =c1 k Vk Tcos(βk +θk )+c0 K (126) ただし、θとеとc0 以外のパラメータのダイナミクス
は無視できると仮定し、式(123)で表現する。
【0203】以上の式を状態ベクトルpの要素で偏微分
することにより、行列Fの各要素が計算できる。
【0204】
【数74】 また、上記以外の行列Fの要素は次式で表される。
【0205】
【数75】 (共分散行列)共分散行列Qは状態ベクトルpの各要素
の変動分を予め見積って、適当な量を設定する。ただ
し、同時刻の画像上のレーン境界を連続的に観測して、
拡張カルマンフィルタに状態ベクトルp更新する場合
は、時間変化はない。このため、この場合にはQは、零
行列となる。また、観測ノイズの誤差共分散行列Rは画
素分解能に基づいて設定する。
【0206】「前処理」本実施形態では前処理43でエ
ッジ線分抽出を実施する。そこで、これについて説明す
る。エッジとは画像中の濃淡値が急激に変化する部分で
ある。エッジ抽出は以下のステップで実施する。
【0207】S1.濃淡画像取り込み カメラにより取り込んだ濃淡画像をA/D変換により計
算機に取り込む処理。1画面の画像情報がマトリックス
状に配列された画素毎デジタル値として取り込まれる。
【0208】S2.Sobelフィルタ 取り込んだ濃淡画像にSobelフィルタを適用し、濃
淡勾配の方向と大きさを演算する。
【0209】S3.稜線抽出処理 濃淡勾配の大きさの嶺の部分(極大値の並び)を抽出す
る処理。
【0210】S4.線分追跡処理 画像上の稜線を追跡し、エッジ線分のリスト(点列)と
して表現する。
【0211】このエッジ線分は最低以下の情報を持つも
のとする。これらの情報は後の処理で利用される。
【0212】 ・エッジ線分の始点終点の撮像面上の座標値 ・濃淡勾配の角度 ・エッジ線分を構成する点の撮像面上の座標値 本実施形態では、車載TVカメラ41によって得られた
道路画像全体を一括してエッジ抽出を実施しているが、
高速化のために曲線照合43、45、47で設定された
照合範囲近傍のみを局所的に前処理してもよい。
【0213】この場合は、エッジ線分抽出以外に相関演
算によるパターンマッチング等を利用してもよい。この
ような変形例のブロック図を図18に示す。このよう
に、各曲線照合43、45、47の前段にそれぞれ前処
理42、49、50が挿入配置される。
【0214】「曲線照合」曲線照合43、45、47の
処理を以下に示す。
【0215】曲線照合43、45、47は、モデルから
予測されたレーン境界位置(xp ,yp )を中心とし
て、後述する照合範囲内からレーン境界の候補の位置座
標(x,y)を求める。このとき、観測値dは式(9
3)より求められる。このときp^は式(102)で更
新しておく。
【0216】また、照合範囲は距離dの標準偏差の推定
値として求められる。即ち、図17に示すように、接線
1より距離σ(dk )〜3σ(dk )の範囲内を照合範
囲と設定する。
【0217】距離dの標準偏差の推定値σ(dk )はパ
ラメータの誤差共分散行列Pの撮像面上への投影の平方
根と考えられるため、式(142)と式(143)で計
算できる。このときPは式(105)で更新しておく。
【0218】
【数76】 そして、レーン境界候補となるエッジ線分は以下の手順
で選択する。
【0219】S1.前処理42のエッジ線分情報によ
り、照合範囲内のエッジ線分座標値(x,y)を得る。
【0220】S2.前処理42のエッジ線分情報によ
り、撮像面上の座標上のエッジ線分の濃淡勾配の角度と
接線1に直交する角度とを比較し、その差が予め設定し
た値より大きい場合は除外する。
【0221】S3.前処理のエッジ線分情報により、撮
像面上の座標上のエッジ線分の始点終点間の長さを求
め、それが予め設定した値より小さい場合は除外する。
【0222】S4.レーン境界候補となるエッジ線分が
複数残っている場合は、各エッジ線分の座標値(x,
y)を式(93)に代入して距離dを求め、その大きさ
が最小の値を距離の観測値として採用する。
【0223】「レーン形状計算」レーン形状計算は、観
測した距離dにより、p^k/k とPk/k を式(106)
〜(108)により更新する。
【0224】ただし、曲線照合によりレーン境界が探索
できなかった場合、式(144)と式(145)に示す
ように、p^k/k とPk/k を更新する。この場合、誤差
共分散Pは減少しない。
【0225】
【数77】 このようにして、レーン形状計算におけるパラメータの
更新が行われる。
【0226】以上のように、第3実施形態によれば、道
路画像を車両の近傍から遠方に向けて細かく分け、近傍
から順次遠方に向けて処理を行う。従って、道路形状認
識おける誤認をより効率的に防止することができる。
【0227】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明において
は、前処理によってエッジ線分を抽出した後、前の演算
時のレーン形状パラメータとその分散値に基づいて画像
上に曲線の帯状の探索領域を設定し、その領域内のエッ
ジ線分をレーン境界候補として選択し、その選択エッジ
線分によりレーン形状パラメータとその分散を更新す
る。そこで、レーン形状パラメータの分散に基づいて、
探索領域の幅を適切に狭めることができ、紛らわしいエ
ッジ線分との誤認を防ぎ、精度が向上できる効果があ
る。さらに、曲線の帯状の探索領域を設定することによ
り、高速道路に比べてカーブの急な一般路での曲線エッ
ジ線分の照合が容易になるという効果がある。また、白
線を選択する機能を有する装置においては、一般的にレ
ーン境界が白線であるという情報を利用して、紛らわし
いエッジ線分との誤認を防ぎ、精度が向上できる効果が
ある。
【0228】また、一般的に道路画像上では遠方より車
両近傍の方がレーン境界と他の構造物(ガードレール、
車両)との誤認が少ないという性質を利用して、近傍曲
線照合手段と近傍レーン形状計算手段により車両近傍の
レーン境界から車両近傍に関わるレーン形状を優先的に
処理することにより、遠方曲線照合手段と遠方レーン形
状計算手段において遠方のレーン境界と紛らわしいエッ
ジ線分との誤認を防ぎ、精度が向上できる効果がある。
【0229】さらに、近傍、遠方の2種類ではなく、道
路画像を近郷から遠方にかけてより細分化して、自車近
傍から遠方に向けて順次処理を実施することにより、さ
らに誤認を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 本発明の請求項2の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】 本発明の請求項3の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 近傍曲線照合と遠方曲線照合のレーン境界の
探索範囲の例を示す図である。
【図5】 第1実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】 レーン境界の推定範囲を示す説明図である。
【図7】 車体座標系と撮像面上のX’座標を示す説明
図である。
【図8】 車体座標系と撮像面上のY’座標を示す説明
図である。
【図9】 撮像面上のレーン境界位置座標(x’c,
y’c)、道路端の接線角度ωm、観測される線分まで
の距離の標準偏差σmを示す説明図である。
【図10】 レーン形状パラメータの分散が大きい場合
に生じる照合の不具合を示す説明図である。
【図11】 レーン境界の推定範囲内でレーン境界候補
のエッジ線分が重なった場合を示す説明図である。
【図12】 第2実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図13】 第3実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図14】 座標系の説明図である。
【図15】 モデルと照合する範囲とその順序を示す説
明図である。
【図16】 曲線照合と、レーン形状計算の動作を示す
説明図である。
【図17】 接線1と観測位置との距離を示す説明図で
ある。
【図18】 照合範囲の説明図である。
【図19】 前処理を各々行う変形例のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 画像入力手段、2 前処理手段、3 曲線照合手
段、4 レーン形状計算手段。
フロントページの続き (72)発明者 里中 久志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−36878(JP,A) 特開 平5−164569(JP,A) 特開 平4−293109(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 7/04 B60R 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路画像を撮像する画像入力手段と、 得られた画像における濃淡の勾配の大きさと方向の少な
    くとも一方に基づいて、曲線を含むエッジ線分を抽出す
    る前処理手段と、 前回の演算時におけるレーン形状パラメータとその分散
    に基づいてレーン境界の範囲を推定すると共に、推定さ
    れた範囲に基づいて抽出されたエッジ線分の中からレー
    ン境界候補を選択する曲線照合手段と、 そのレーン境界候補からレーン形状を特定するレーン形
    状パラメータと、その分散を計算するレーン形状計算手
    段と、 を備えたことを特徴とする走行レーン認識装置。
  2. 【請求項2】 道路画像を撮像する画像入力手段と、 得られた画像における濃淡の勾配の大きさと方向の少な
    くとも一方に基づいて、曲線を含むエッジ線分を抽出す
    る前処理手段と、 抽出されたエッジ線分の中から、その濃淡変化が白線に
    対応するエッジ線分対である白線エッジ線分を選択する
    白線選択手段と、 前回の演算時におけるレーン形状パラメータとその分散
    に基づいてレーン境界の範囲を推定すると共に、推定さ
    れた範囲に基づいて選択された白線エッジ線分の中から
    レーン境界候補を選択する第1曲線照合手段と、 前回の演算時におけるレーン形状パラメータとその分散
    に基づいてレーン境界の範囲を推定すると共に、推定さ
    れた範囲に基づいて白線以外のエッジ線分の中からレー
    ン境界候補を選択する第2曲線照合手段と、 第1および第2曲線照合手段において得られたレーン境
    界候補の中で位置的に競合するものについてより確から
    しいものを選択するレーン境界選択手段と、 選択されたレーン境界候補からレーン形状を特定するレ
    ーン形状パラメータと、その分散を計算するレーン形状
    計算手段と、 を備えたことを特徴とする走行レーン認識装置。
  3. 【請求項3】 道路画像を撮像する画像入力手段と、 得られた画像における濃淡の勾配の大きさと方向の少な
    くとも一方に基づいて、曲線を含むエッジ線分を抽出す
    る前処理手段と、 前回の演算時に得られたレーン形状パラメータとその分
    散に基づいて、車両近傍のレーン境界の範囲を推定する
    と共に、推定された範囲に基づいて抽出されたエッジ線
    分の中から車両近傍のレーン境界候補を選択する近傍曲
    線照合手段と、 得られた車両近傍のレーン境界候補から車両近傍のレー
    ン形状を特定するレーン形状パラメータと、その分散を
    計算する近傍レーン形状計算手段と、 近傍レーン形状計算手段で得られたレーン形状パラメー
    タとその分散に基づいて、遠方におけるレーン境界の範
    囲を推定すると共に、推定された範囲に基づいて抽出さ
    れたエッジ線分の中から遠方のレーン境界候補を選択す
    る遠方曲線照合手段と、 得られた遠方のレーン境界候補から遠方のレーン形状を
    特定するレーン形状パラメータと、その分散を計算する
    遠方レーン形状計算手段と、 を備えたことを特徴とする走行レーン認識装置。
JP29137395A 1994-11-10 1995-11-09 走行レーン認識装置 Expired - Fee Related JP3288566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29137395A JP3288566B2 (ja) 1994-11-10 1995-11-09 走行レーン認識装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27659494 1994-11-10
JP6-276594 1994-11-10
JP29137395A JP3288566B2 (ja) 1994-11-10 1995-11-09 走行レーン認識装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08261756A JPH08261756A (ja) 1996-10-11
JP3288566B2 true JP3288566B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=26552016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29137395A Expired - Fee Related JP3288566B2 (ja) 1994-11-10 1995-11-09 走行レーン認識装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3288566B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3733875B2 (ja) 2000-09-29 2006-01-11 日産自動車株式会社 道路白線認識装置
JP4787424B2 (ja) * 2001-06-01 2011-10-05 財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス 映像オブジェクト検出・追跡装置
JP3729095B2 (ja) 2001-06-29 2005-12-21 日産自動車株式会社 走行路検出装置
JP3997885B2 (ja) * 2002-10-17 2007-10-24 日産自動車株式会社 レーンマーカ認識装置
JP4990629B2 (ja) * 2003-12-24 2012-08-01 オートモーティブ システムズ ラボラトリー インコーポレーテッド 道路曲率推定システム
JP4162618B2 (ja) 2004-03-12 2008-10-08 株式会社豊田中央研究所 車線境界判定装置
JP5028662B2 (ja) * 2007-12-05 2012-09-19 振程 胡 道路白線検出方法、道路白線検出プログラムおよび道路白線検出装置
JP4661934B2 (ja) 2008-10-09 2011-03-30 株式会社デンソー 画像処理装置
JP2010164349A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Equos Research Co Ltd 制御装置
JP5304292B2 (ja) * 2009-02-06 2013-10-02 日産自動車株式会社 車両用接近物検出装置
JP5372680B2 (ja) * 2009-09-24 2013-12-18 日立オートモティブシステムズ株式会社 障害物検知装置
JP5258859B2 (ja) 2010-09-24 2013-08-07 株式会社豊田中央研究所 走路推定装置及びプログラム
JP5568029B2 (ja) * 2011-02-09 2014-08-06 富士重工業株式会社 車両用白線認識装置
KR102006314B1 (ko) * 2014-05-30 2019-08-02 주식회사 만도 시선 유도체 인식을 통한 차로 이탈 경고 시스템 및 방법
JP6105524B2 (ja) * 2014-07-11 2017-03-29 株式会社日本自動車部品総合研究所 走行区画線認識装置及び走行区画線認識プログラム
CN106407893B (zh) * 2016-08-29 2019-11-22 东软集团股份有限公司 一种检测车道线的方法、装置和设备
CN112733231B (zh) * 2020-12-31 2023-01-31 同济大学建筑设计研究院(集团)有限公司 道路三维模型生成方法、装置、计算机设备和存储介质
CN114724108B (zh) * 2022-03-22 2024-02-02 北京百度网讯科技有限公司 车道线处理方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08261756A (ja) 1996-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3288566B2 (ja) 走行レーン認識装置
CN106997688B (zh) 基于多传感器信息融合的停车场停车位检测方法
JP4420011B2 (ja) 物体検知装置
JP4162618B2 (ja) 車線境界判定装置
CN112132896B (zh) 一种轨旁设备状态检测方法及系统
CN105620489A (zh) 驾驶辅助系统及车辆实时预警提醒方法
JP6468136B2 (ja) 走行支援装置及び走行支援方法
CN109871787B (zh) 一种障碍物检测方法及装置
CN104573646A (zh) 基于激光雷达和双目相机的车前行人检测方法及系统
US11634124B2 (en) Method of recognizing median strip and predicting risk of collision through analysis of image
US20160188984A1 (en) Lane partition line recognition apparatus
US20180012083A1 (en) Demarcation line recognition apparatus
KR101503473B1 (ko) 차량의 주행 상황 판단 시스템 및 방법
CN112124304B (zh) 一种库位定位方法、装置及车载设备
US10970870B2 (en) Object detection apparatus
CN113432615B (zh) 基于多传感器融合可驾驶区域的检测方法、系统和车辆
JP2002334330A (ja) 車両認識装置
CN111325187A (zh) 一种车道位置的识别方法及装置
US11156466B2 (en) Lane determination device
Park et al. Vehicle localization using an AVM camera for an automated urban driving
KR101595317B1 (ko) 차량의 정밀 측위를 위한 노면 표시 검출 방법 및 그 시스템
JPH11259639A (ja) 走行路認識装置
JP4957021B2 (ja) 車両用地図データ作成装置、及び、車両用地図データ更新装置
CN113591673A (zh) 用于识别交通标志的方法和设备
JP5549468B2 (ja) 地物位置取得装置、方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080315

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090315

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100315

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees