JP4787424B2 - 映像オブジェクト検出・追跡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像コンテンツの制作支援、防犯用途・交通用途の画像監視に係わり、特に映像内におけるオブジェクトの存在領域を推定し、各オブジェクトを一貫した識別番号で管理する映像オブジェクト検出・追跡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像オブジェクトを追跡する手法として、拡張Kalmanフィルタに基づく手法(参考文献1:Francois G. Meyer等, Region-Based Tracking Using Affine Motion Models in Long Image Sequences, CVGIP Image Understanding, Vol.60, No.2, pp.119-140, 1994)、Monte Carlo法の一種であるCondensationアルゴリズムによる手法(参考文献2:Michael Isard等, Condensation-Conditional Density Propagation for Visual Tracking, International Journal of Computer Vision, Vol.29, No.1, pp.5-28, 1998)が提案されている。また、Condensation法を改良した手法(参考文献3:John Maccormick等, International Journal of Computer vision, Vol.39, No.1, pp.51-71, 2000)も提案されている。
前記のいずれの手法も観測情報の信頼性に応じた適応フィルタ処理を映像オブジェクト追跡に適用したものであり、映像オブジェクトの掩蔽や変形、雑音に対して頑健な手法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術は、いずれも映像オブジェクトを追跡するためのフィルタ自身の技術であった。つまり、映像オブジェクトの出現・消滅、オブジェクト間の掩蔽が存在する状況下で、一貫した映像オブジェクトの検出・追跡ならびに映像オブジェクト毎の識別管理を扱うものはなかった。また、特に映像雑音が多い場合、映像オブジェクトが大きく変形する場合あるいは複数の映像オブジェクトが互いに交差する場合には、従来の自動追跡手法では映像オブジェクトを見失ってしまうことがあるという問題があった。
【0004】
本発明は、以上のような従来の映像オブジェクト追跡手法における問題点に鑑みてなされたものであり、映像における雑音、オブジェクトの変形、オブジェクト間の掩蔽、オブジェクトの出現・消滅が生じ得る映像入力に対して頑健な映像オブジェクト検出・追跡装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では前記の課題を解決するために以下の構成に係るものとした。
請求項1に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、映像信号から、少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号を抽出する画像特徴抽出手段と、前記映像オブジェクト毎に、映像オブジェクト固有の画像特徴量を蓄積するオブジェクト特徴データベースと、前記画像特徴量信号に含まれる画像特徴量と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とを生成する画像特徴照合手段と、前記オブジェクト存在領域情報である観測ベクトルと前記信頼度が低いほど成分の絶対値を大きく設定した観測共分散行列とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を示す推定位置・形状情報である状態ベクトルを拡張Kalmanフィルタにより推定する位置・形状推定手段と、を有する構成とした。
【0006】
このように構成されることにより、映像オブジェクト検出・追跡装置は、画像特徴抽出手段により、映像信号から少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号を抽出することができる。また、画像特徴照合手段により、前記画像特徴量信号に含まれる画像特徴量と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とを生成することができる。また、位置・形状推定手段により、前記オブジェクト存在領域情報と前記信頼度とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を拡張Kalmanフィルタにより推定し、推定位置・形状情報を生成することができる。
【0007】
また、請求項2に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、映像信号を前景領域と背景領域とに領域分割を行ない、前景領域と背景領域とに二値化された前景形状信号を生成する前景形状抽出手段と、前記映像信号と前記前景形状信号との少なくとも一方から、映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号を抽出する画像特徴抽出手段と、前記映像オブジェクト毎に、映像オブジェクト固有の画像特徴量を蓄積するオブジェクト特徴データベースと、前記画像特徴量信号と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とを生成する画像特徴照合手段と、前記オブジェクト存在領域情報である観測ベクトルと前記信頼度が低いほど成分の絶対値を大きく設定した観測共分散行列とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を示す推定位置・形状情報である状態ベクトルを拡張Kalmanフィルタにより推定する位置・形状推定手段と、を有する構成とした。
【0008】
このように構成されることにより、映像オブジェクト検出・追跡装置は、前景形状抽出手段により、映像信号を前景領域と背景領域とに領域分割を行ない、前景領域と背景領域とに二値化された前景形状信号を生成することができる。また、画像特徴抽出手段により、前記映像信号と前記前景形状信号との少なくとも一方から、映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号を抽出することができる。また、画像特徴照合手段により、前記画像特徴量信号と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とを生成することができる。また、位置・形状推定手段により、前記オブジェクト存在領域情報と前記信頼度とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を拡張Kalmanフィルタにより推定し、推定位置・形状情報を生成することができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、請求項2に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置において、前記推定位置・形状情報と前記前景形状信号とから前記映像信号に出現した新規映像オブジェクトを検出し、新規に識別番号を付与する新規識別番号付与手段と、前記新規映像オブジェクトが出現したときに前記オブジェクト特徴データベースに新規画像特徴量を追加し、前記推定位置・形状情報から映像オブジェクトが消滅したときに前記オブジェクト特徴データベースの該当画像特徴量を削除し、前記推定位置・形状情報から映像オブジェクトの位置・形状の変化に基づいて前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量を更新するデータベース更新手段と、を有する構成とした。
【0010】
このように構成されることにより、映像オブジェクト検出・追跡装置は、新規識別番号付与手段により、前記推定位置・形状情報と前記前景形状信号とに基づいて、前記映像信号に出現した新規映像オブジェクトを検出し、新規に識別番号を付与することができる。また、データベース更新手段により、新規に映像オブジェクトが出現したときに前記オブジェクト特徴データベースに新規画像特徴量を追加し、前記推定位置・形状情報から映像オブジェクトの消滅を検出したときに前記オブジェクト特徴データベースの該当画像特徴量を削除し、前記推定位置・形状情報の映像オブジェクトの位置・形状の変化に基づいて前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量を更新することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、請求項3に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置におけるデータベース更新手段が、前記信頼度が予め定められた数値範囲に至ったときに、前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量を更新する構成とした。
【0012】
このように構成されることにより、例えば照明の変化や、映像オブジェクトの変形時にも前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量を更新することで映像オブジェクトを抽出することが可能となる。
【0013】
さらに、請求項5に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置における画像特徴照合手段が、前時点の前記推定位置・形状情報を参照して画像特徴照合領域を絞り込む構成とした。
【0014】
このように構成されることにより、前記画像特徴照合手段は、照合の探索領域を絞り込むことができるので、照合のための処理時間を短縮することができる。
【0015】
そして、請求項6に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置における画像特徴照合手段が、着目する映像オブジェクトと、それ以外の映像オブジェクトとの位置及び形状情報から、前記着目した映像オブジェクトに掩蔽が起きている度合いを第2の信頼度として算出する構成とした。
【0016】
このように構成されることにより、オブジェクト間の掩蔽が存在する状況下でも、映像オブジェクトの検出・追跡を行なうことができる。
【0017】
また、請求項7に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置におけるオブジェクト特徴データベースが、前記映像オブジェクトの色、テクスチャ、形状、動きの少なくとも1以上を画像特徴量として蓄積する構成とした。
【0018】
このように構成されることにより、映像オブジェクトの特徴に最適な画像特徴量を蓄積することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明における実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置の全体構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置は、映像信号aを前景領域と背景領域とに領域分割を行ない、前景領域と背景領域とに二値化された前景形状信号bを生成する前景形状抽出手段1と、映像信号aと前景形状信号bの少なくとも1以上から映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号cを抽出する画像特徴抽出手段2と、前記映像オブジェクト毎に映像オブジェクト固有の画像特徴量を蓄積するオブジェクト特徴データベース3と、画像特徴量信号cに含まれる画像特徴量とオブジェクト特徴データベース3内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報gと前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度hとを生成する画像特徴照合手段4と、オブジェクト存在領域情報gと信頼度hとに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を推定し、推定位置・形状情報dを生成する位置・形状推定手段5と、前景形状信号bと推定位置・形状情報dとに基づいて、映像信号aに出現した新規映像オブジェクトを検出し、新規に識別番号を付与する新規識別番号付与手段6と、新規映像オブジェクトが出現したときにオブジェクト特徴データベース3に新規画像特徴量を追加し、推定位置・形状情報dから映像オブジェクトの消滅を検出したときにオブジェクト特徴データベース3の該当画像特徴量を削除し、推定位置・形状情報dの映像オブジェクトの位置・形状の変化に基づいてオブジェクト特徴データベース3の画像特徴量を更新するデータベース更新手段7とを含む構成とした。
【0021】
以下、図1を参照して、本実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置の構成を説明する。
なお、本実施の形態において、標本化された有限の画素からなる1枚の画像をフレームと称する。前記フレームを構成する各画素は、輝度または色、もしくはその両者などスカラー乃至ベクトルの画素値をとる。また、映像信号aは、フレームの有限乃至無限の時系列である。以下、映像信号aの時刻tにおける画像座標(r)=[x,y]Tの画素値をa(t;r)とする。
【0022】
前景形状抽出手段1は、映像信号aの現時刻tのフレームa(t;r)を前景領域と背景領域とに領域分割し、前景形状信号b(t;r)を生成する。前景形状信号b(t;r)は画像座標(r)が前景であれば画素値1、前景でなければ画素値0をとる。なお、前景領域は、0乃至複数の映像オブジェクト形状の和集合である。
【0023】
ここで、背景画像の色情報の統計分布が既知である場合、前景形状抽出手段1は前景画像と背景画像の色情報の差分によって、前景領域と背景領域とに分割することができる。ここで既知の背景画像の画素値をa0(t;r)、判定の閾値をθとすると、前景形状信号bは(1)式で与えられる。
【0024】
【数1】
Figure 0004787424
【0025】
また、例えば背景色がほぼ一定で既知の場合には、(1)式のa0(t;r)を定数として、その値を背景色とすればよい。
【0026】
また、例えば背景画像が静止しており前景画像のみが移動する場合、時間方向に相前後する2フレーム間の色情報の差分によって前景領域と背景領域を分割することができる。ここで現時刻をt、前時刻をt−1、判定の閾値をθとすると、前景形状信号bは(2)式で与えられる。
【0027】
【数2】
Figure 0004787424
【0028】
その他、前景形状抽出手段1としてさまざまな既存の領域分割手法を使用することができるが、その手法は問わない。
【0029】
画像特徴抽出手段2は、映像信号aと前景形状信号bとから、少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号cを抽出する。
【0030】
例えば、画像特徴抽出手段2は、画像特徴量信号cとして映像信号aと前景形状信号bをベクトルとして結合した信号を用いることができる。この場合、画像特徴量信号cは、(3)式で与えられる。
【0031】
【数3】
Figure 0004787424
【0032】
また、例えば画像特徴抽出手段2は、画像特徴量信号cとして映像信号aを用いることができる。映像信号aには、輝度、色、テクスチャ等の空間的な分布情報が含まれているため、自ずと映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報が含まれている。この場合、画像特徴抽出手段2は単に映像信号aをそのまま画像特徴量信号cへ出力する。
【0033】
また、例えば画像特徴抽出手段2は、画像特徴量信号cとして前景形状信号bを用いることができる。前景形状信号bは、映像信号aに含まれる映像オブジェクト形状の和集合であるため、自ずと映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報が含まれている。この場合、画像特徴抽出手段2は単に前景形状信号bをそのまま画像特徴量信号cへ出力する。
【0034】
また、例えば画像特徴抽出手段2は、画像特徴量信号cとして、8近傍ラプラシアンによるエッジ抽出により映像オブジェクトの特徴を抽出した信号を用いることができる。この場合、画像特徴量信号cは(4)式で与えられる。
【0035】
【数4】
Figure 0004787424
【0036】
なお、前記8近傍ラプラシアンによるエッジ抽出を用いる以外に、平滑化処理、離散フーリエ変換、離散コサイン変換、色空間変換、2値化処理、モルフォロジ処理をはじめとする各種変換処理や、それらを組み合わせた形態で、映像オブジェクトの特徴を抽出することも可能である。
【0037】
また、例えば画像特徴抽出手段2は、映像信号aの現時点tのフレームa(t;r)と前時点t−1のフレームa(t−1;r)とから動きベクトル場を求め、前記動きベクトル場を画像特徴量信号cとして用いることができる。
【0038】
オブジェクト特徴データベース3は、画像特徴量信号cのフレーム内のある領域が識別番号fの映像オブジェクトであるか否かの度合いを表わす評価関数を定義して、前記評価関数で使用するパラメータ値を各映像オブジェクト固有のデータとして蓄積する。
【0039】
ここで、前記評価関数について説明を行なう。画像特徴量信号cが観測されたときにフレーム内の領域D(s)が識別番号fの映像オブジェクトであるか否かの度合いを表わす評価関数をp(f,s|c)とする。sは領域情報や位置を表わすパラメータベクトルとして、映像オブジェクト領域の重心座標、多角形近似の頂点座標、スプライン曲線の制御点座標、外接矩形のパラメータなどを用いることができる。
【0040】
例えば、局所的なテクスチャの類似性をもって映像オブジェクトの識別と位置検出を行なう場合、画像特徴量信号cとして映像信号aそのものを用い、パラメータベクトルsとして映像オブジェクト領域の重心位置を表わす2次元ベクトルを用い、cf及びDfをそれぞれ識別番号fの映像オブジェクトの画像及び領域形状とすると、評価関数として領域形状Dfを用いる絶対値和最小化のブロックマッチング評価関数となる(5)式を用いることができる。
【0041】
【数5】
Figure 0004787424
【0042】
また、例えば映像オブジェクト内外の色分布に基づいて映像オブジェクトの識別と位置検出を行なう場合、画像特徴量信号cとして映像信号aそのものを用い、パラメータベクトルsとして映像オブジェクト領域の重心位置を表わす2次元ベクトルを用い、Ff、Pfを識別番号fの映像オブジェクト内の色ベクトルの平均及び共分散、Bf、Qfを識別番号fの映像オブジェクト外の色ベクトルの平均及び共分散、Wを適当な大きさの窓とすると、映像オブジェクト内で値が大きく、映像オブジェクト外で値が小さくなるような評価関数として(6)式を用いることができる。
【0043】
【数6】
Figure 0004787424
【0044】
また、例えば画像特徴量信号cとして前景形状信号bを用いる場合は、評価関数として(7)式の如く画像特徴量信号cそのものを用いることができる。
【0045】
【数7】
Figure 0004787424
【0046】
また、例えば画像特徴量信号cとして動きベクトル場を用いれば、映像オブジェクトの運動と画像特徴量信号cの動き場との整合性を評価関数とすることもできる。
【0047】
さらに、複数の種類の評価関数をまとめて一つの評価関数とすることもできる。例えば(5)式、(6)式、(7)式を一つにまとめて、(8)式のようなベクトル量として評価関数を定義して用いることもできる。
【0048】
【数8】
Figure 0004787424
【0049】
以上、説明したような(5)式乃至(8)式の評価関数で映像オブジェクトの識別番号fに依存する部分は、(5)式では映像オブジェクトの画像cf及び領域形状Df、(3)式では映像オブジェクト内の色ベクトルの平均Ff及び共分散Pf、映像オブジェクト外の色ベクトルの平均Bf及び共分散Qfである。そこで前記f、cf、Df、Ff、Pf、Bf、Qfを一組の画像特徴量eとして、存在する映像オブジェクト数分オブジェクト特徴データベース3に蓄積する。オブジェクト特徴データベース3の内容例を図2に示す。
【0050】
なお、図2の例では、オブジェクト特徴データベース3の内容として識別番号f毎の映像オブジェクトの画像cf及び領域形状Df、映像オブジェクト内の色ベクトルの平均Ff及び共分散Pf、映像オブジェクト外の色ベクトルの平均Bf及び共分散Qfを蓄積しているが、本実施の形態における一例であり、別の評価関数を定義することで、蓄積内容を変更することもできる。
【0051】
画像特徴照合手段4は、画像特徴抽出手段2から生成される画像特徴量信号cとオブジェクト特徴データベース3の画像特徴量eとから、前記評価関数に基づいて、識別番号fと、識別番号fの映像オブジェクトのオブジェクト存在領域情報gと、その照合の信頼の度合いを表わす信頼度hを生成する。前記照合時に位置・形状推定手段5から生成される推定位置・形状情報dを参考にして特徴照合領域を絞り込むこともできる。
【0052】
例えば、オブジェクト特徴データベース3の画像特徴量eの評価関数として(5)式を用いる場合、映像オブジェクトのオブジェクト存在領域情報gと信頼度hは画像特徴照合手段4において(9)式により生成される。
【0053】
【数9】
Figure 0004787424
【0054】
ここで、A(d)は前時点の推定位置・形状情報dに基づき設定された特徴照合領域で、例えば、前時点の推定位置・形状情報dの形状を膨張させた領域を用いることで特徴照合領域を絞り込むことができる。
【0055】
また、例えば、オブジェクト特徴データベース3の画像特徴量eの評価関数として(6)式を用いる場合、映像オブジェクトのオブジェクト存在領域情報gと信頼度hは画像特徴照合手段4において(10)式により生成される。
【0056】
【数10】
Figure 0004787424
【0057】
ここで、前時点の推定位置・形状情報dは、映像オブジェクトの重心位置を表わす2次元ベクトルを用いている。また、Wは適当な大きさの窓とする。
【0058】
また、例えば、オブジェクト特徴データベース3の画像特徴量eの評価関数として(7)式を用いる場合、画像特徴照合手段4は、識別番号fの前時点の推定位置・形状情報dから前時点におけるオブジェクトの重心Gを求める。次に(7)式からp(s)(f,s|c)=1となる領域を、連結領域毎に分割する。ここで、オブジェクト存在領域情報gは、前記重心Gから最も距離の近い連結領域の位置・形状情報とする。また、信頼度hは、推定位置・形状情報dとオブジェクト存在領域情報gの類似性によって予め定義しておけばよい。
【0059】
ここまでの説明で画像特徴照合手段4では、照合の信頼度hを映像オブジェクト毎に独立して算出しているが、異なる識別番号を持つ映像オブジェクトとの位置・形状関係から照合の信頼度hを算出することもできる。例えば、着目したい識別番号fの映像オブジェクトと、それ以外の識別番号を持つ映像オブジェクト間の前時点の推定位置・形状情報dにおける最小距離を(11)式の如く求め、この値が大きいほど着目したい識別番号の映像オブジェクト掩蔽の可能性が低くなり照合の信頼度hが高くなることを表わしている。
【0060】
【数11】
Figure 0004787424
【0061】
位置・形状推定手段5は、画像特徴照合手段4から生成される映像オブジェクトのオブジェクト存在領域情報gとその照合の信頼度hから、現時点における各映像オブジェクトの存在位置及び形状を推定し、推定位置・形状情報dとして出力する。
【0062】
例えば、識別番号fの映像オブジェクトに関し、オブジェクト存在領域情報g及び照合の信頼度hが入力されたとき、照合の信頼度hが高い場合にはオブジェクト存在領域情報gをそのまま推定位置・形状情報dとして出力し、照合の信頼度hが低い場合には前時点の推定位置・形状情報dを出力する。
【0063】
また、位置・形状推定手段5として拡張Kalmanフィルタを用いることができる。この場合、オブジェクト存在領域情報gを観測ベクトル、推定位置・形状情報dを状態ベクトルとする。ここで、g及びdは(12)式の如く各識別番号fの映像オブジェクトに関するg(f)及びd(f)を列ベクトルとして多重化したものとする。
【0064】
【数12】
Figure 0004787424
【0065】
観測共分散行列Σは、照合の信頼度hに応じて設定する。例えば、(13)式の如く各識別番号fに対応する部分行列Σfにより観測共分散行列Σを表現する。
【0066】
【数13】
Figure 0004787424
【0067】
(13)式において、識別番号fの映像オブジェクトに関する照合の信頼度hが低い場合には、部分行列Σfの各成分の絶対値を大きくとる。一方、照合の信頼度hが高い場合には各成分を全て0付近にとる。なお、いずれの場合も部分行列Σfは対称行列とし、その対角成分は非負とする。
【0068】
次に状態遷移方程式は、位置や形状の時々刻々の変化を適当なダイナミクスモデルで表現したものである。例えば、各映像オブジェクトの位置・形状を外接矩形の中心画像座標及び幅・高さの4パラメータで表現し、4パラメータの運動を等速運動、等加速度運動、その他のダイナミクスモデルでモデル化することができる。この他、例えば、各映像オブジェクトの位置・形状を多角形あるいはスプライン曲線で表わし、その各頂点あるいは制御点が等速運動等に従うというモデル化も可能である。
【0069】
新規識別番号付与手段6は、推定位置・形状情報dで示される各映像オブジェクトの存在領域と前景形状信号bとを比較して、新規映像オブジェクトが存在する場合は、新たな固有の識別番号を付与し、新規映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報、新規映像オブジェクト情報iとしてオブジェクト特徴データベース3に登録する旨をデータベース更新手段7へ伝える。
【0070】
例えば、新規識別番号付与手段6は、前景形状信号bがb(t;r)=1となる前景領域を連結領域毎に分割し、映像オブジェクトを抽出する。この抽出された映像オブジェクトと推定位置・形状情報dで示される映像オブジェクトの存在領域とを比較し、新規の映像オブジェクトに対して固有の識別番号を付与し、新規映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を、新規映像オブジェクト情報iとしてオブジェクト特徴データベース3に登録する旨をデータベース更新手段7へ伝える。
【0071】
データベース更新手段7は、データベース操作信号jによりオブジェクト特徴データベース3の管理を行なう。ここで行なわれる管理機能には、新規映像オブジェクトに関するレコードの追加、消滅またはフレームアウトした映像オブジェクトに関するレコードの削除、レコード内容の更新の機能が含まれる。
【0072】
例えば、データベース更新手段7は、新規映像オブジェクト情報iを受信した場合、新規映像オブジェクト情報i及び画像特徴量信号cに基づいて新たなレコードを作成する。例えば、まず、新規映像オブジェクト情報iに含まれる位置・形状に関する情報に基づき、(5)式における映像オブジェクトの画像cf及び領域形状Dfを作成する。なお、画像cfは画像特徴量信号cに含まれるテクスチャ情報を位置・形状情報に従って切り出すことで作成される。次に、(6)式における映像オブジェクト内の色ベクトルの平均Ff及び共分散Pf、映像オブジェクト外の色ベクトルの平均Bf及び共分散Qfを、(14)式により求める。
【0073】
【数14】
Figure 0004787424
【0074】
ここで、Efは識別番号fのオブジェクトの内部を表わす領域、c(C)は画像特徴信号のうち画素の色を表わす部分ベクトルである。例えば、映像信号a自身はc(C)となり得る。こうして得られたcf、Df、Ff、Pf、Bf、Qfの値と識別番号fを一組とする画像特徴量eを作成し、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3に登録する。
【0075】
また、データベース更新手段7は、推定位置・形状情報dにより各識別番号fの映像オブジェクトのフレームアウトあるいは消滅を監視する。識別番号fの映像オブジェクトがフレームアウトしたか消滅したことを検出した場合、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3内の識別番号fの画像特徴量eを削除する。
【0076】
さらに、データベース更新手段7は画像特徴照合手段4から生成される照合の信頼度hを監視する。識別番号fの映像オブジェクトに関する照合の信頼度hが予め定められた数値範囲に至ったことを検出した場合、(14)式を再計算しcf、Df、Ff、Pf、Bf、Qfを更新し、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3内の識別番号fの画像特徴量eを更新する。例えば、照明の変化や映像オブジェクトの変形が生ずると(9)式の照合が失敗する可能性が増加する。これは、(5)式のcf、Dfがもはや実際の映像オブジェクトのテクスチャや形状を反映しなくなってしまったことに起因する。そこで例えば、照合の信頼度hが予め定められた数値範囲に至った場合には、直前の推定位置・形状情報dと直前の画像特徴量信号cとに基づきcf、Dfを再計算し、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3内の識別番号fの画像特徴量eを更新する。また同様に、色の統計分布に関するFf、Pf、Bf、Qfについても照合の信頼度hが予め定められた数値範囲に至った場合には、直前の推定位置・形状情報dと直前の画像特徴量信号cとに基づいてFf、Pf、Bf、Qfを再計算し、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3内の識別番号fの画像特徴量eを更新することができる。
【0077】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置の動作を説明する。
【0078】
本実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置は、まず前景形状抽出手段1が、映像信号aを前景領域と背景領域とに領域分割し前景形状信号bを生成する(S1)。
【0079】
次に、画像特徴抽出手段2が、映像信号aと前景形状信号bの1以上から少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号cを抽出する(S2)。
【0080】
次に、画像特徴照合手段4が、映像信号aと推定位置・形状情報dとから特徴照合領域を絞り込み(S3)、前記特徴照合領域と、画像特徴量信号cとオブジェクト特徴データベース3内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量eとの照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報gとオブジェクト存在領域情報gの信頼の度合いを示す信頼度hとを生成する(S4)。
【0081】
次に、位置・形状推定手段5が、オブジェクト存在領域情報gと信頼度hとに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を推定し、推定位置・形状情報dを生成する(S5)。
【0082】
次に、データベース更新手段7が推定位置・形状情報dを監視して(S6)、映像オブジェクトのフレームアウトまたは消滅を検出したときは、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3内の画像特徴量eからフレームアウトまたは消滅した映像オブジェクトの識別番号fに対応するレコードを削除する(S7)。
【0083】
次に、データベース更新手段7は、識別番号fの映像オブジェクトに関する照合の信頼度hを監視して(S8)、信頼度hが予め定められた数値範囲に至ったことを検出した場合、オブジェクト特徴データベース3内の画像特徴量eの要素である識別番号fの映像オブジェクトの画像cf及び領域形状Df、映像オブジェクト内の色ベクトルの平均Ff及び共分散Pf、映像オブジェクト外の色ベクトルの平均Bf及び共分散Qfを再計算して更新する(S9)。
【0084】
以上のステップ3(S3)からステップ9(S9)までの動作をオブジェクト特徴データベース3に蓄積されている映像オブジェクト数分繰り返し実行する(S10)。
【0085】
次に、新規識別番号付与手段6が、推定位置・形状情報dで示される各映像オブジェクトの存在領域と前景形状信号bとを比較して(S11)、新規映像オブジェクトを検出したときは、データベース操作信号jを通じてオブジェクト特徴データベース3内の画像特徴量eに新たな固有の識別番号を持つ新たなレコードを追加する(S12)。
【0086】
以上のステップ1(S1)からステップ12(S12)までの動作は、1フレームの映像オブジェクト検出動作であり、連続したフレームで動作する映像信号においては、ステップ1(S1)からステップ12(S12)までの動作をフレーム数分繰り返し実行する(S13)ことにより、映像オブジェクトの変形や、出現・消滅が生じ得る映像入力に対して頑健な映像検出・追跡装置を提供することができる。
【0087】
次に、図4〜図7を参照して、本実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置における映像オブジェクト形状信号を視覚的に説明する。
【0088】
前景形状抽出手段1は、図1の映像信号aが入力されると、フレームaを前景領域と背景領域とに領域分割し、前景であれば画素値1、前景でなければ画素値0となるような図2の前景形状信号bを生成する。
【0089】
画像特徴抽出手段2は、画像特徴量信号cとして図4の映像信号aか、図5の前景形状信号bか、あるいは映像信号aと前景形状信号bの合成信号(図は省略)を生成する。
【0090】
画像特徴照合手段4は、画像特徴量信号cと推定位置・形状情報dから図6のオブジェクト存在領域情報gを生成する。図6では、画像特徴照合手段4の各評価関数の内、(9)式で生成された位置・形状情報601を大きい四角で、(10)式で生成された重心情報602を小さい四角で視覚化している。
【0091】
位置・形状推定手段5は、オブジェクト存在領域情報gとその照合の信頼度hから図7の推定位置・形状信号dを生成する。なお、図7では推定位置・形状信号d以外に識別番号fも同時に表示させている。ここで、推定位置・形状信号d及び識別番号fは数値情報であるが、それぞれ推定位置・形状情報701及び識別番号情報702としてオブジェクト毎の存在範囲を可視化している。
【0092】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る映像オブジェクト検出・追跡装置では、以下に示す優れた効果を奏する。
【0094】
請求項1に記載の発明によれば、画像特徴抽出手段により、映像信号から少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号が抽出され、画像特徴照合手段により、前記画像特徴量信号に含まれる画像特徴量とオブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とが生成され、位置・形状推定手段により、前記オブジェクト存在領域情報と前記信頼度とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を推定することができるので、映像オブジェクトの追跡の精度を上げることができる。
【0095】
請求項2に記載の発明によれば、前景形状抽出手段により、映像信号が前景領域と背景領域とに領域分割を行ない、前景領域と背景領域とに二値化された前景形状信号が生成され、画像特徴抽出手段により、前記映像信号と前記前景形状信号の少なくとも一方から少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号が抽出され、画像特徴照合手段により、前記画像特徴量信号と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とが生成され、位置・形状推定手段により、前記オブジェクト存在領域情報と前記信頼度とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を推定することができるので、映像オブジェクトの追跡の精度を上げることができる。
【0096】
請求項3に記載の発明によれば、新規識別番号付与手段により、前記推定位置・形状情報と前記前景形状信号とから前記映像信号に出現した新規映像オブジェクトを検出し、新規に識別番号が付与され、データベース更新手段により、新規に映像オブジェクトが出現したときに前記オブジェクト特徴データベースに新規画像特徴量を追加し、前記推定位置・形状情報から映像オブジェクトの消滅を検出したときに前記オブジェクト特徴データベースの該当画像特徴量を削除し、前記推定位置・形状情報の映像オブジェクトの位置・形状の変化に基づいて前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量が更新されるので、映像オブジェクトの出現・消滅、位置・形状の変化が発生する状況下において、一貫した映像オブジェクトの識別管理を行なうことができる。
【0097】
請求項4に記載の発明によれば、データベース更新手段が、前記信頼度が予め定められた数値範囲に至ったときに、前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量を更新する構成とした。このように構成されることにより、照明の変化や、映像オブジェクトの変形時にも前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴量を更新することで映像オブジェクトを抽出することができるので、映像オブジェクトの検出・追跡の精度を上げることができる。
【0098】
請求項5に記載の発明によれば、画像特徴照合手段が、前時点の前記推定位置・形状情報を参照して画像特徴照合領域を絞り込む構成とした。このように構成されることにより、前記画像特徴照合手段は、前時点の推定位置・形状情報を参照することで照合の探索領域を絞り込むことができるので、照合のための処理時間を短縮することができる。
【0099】
請求項6に記載の発明によれば、画像特徴照合手段が、着目する映像オブジェクトと、それ以外の映像オブジェクトとの位置及び形状情報から、前記着目した映像オブジェクトに掩蔽が起きている度合いを第2の信頼度として算出する構成とした。このように構成されることにより、前記位置・形状推定手段は前記着目した映像オブジェクトの掩蔽の可能性を第2の信頼度として用いることができるので、オブジェクト間の掩蔽が存在する状況下でも、映像オブジェクトの検出・追跡を行なうことができる。
【0100】
請求項7に記載の発明によれば、オブジェクト特徴データベースが、前記映像オブジェクトの色、テクスチャ、形状、動きの少なくとも1以上を画像特徴量として蓄積する構成とした。このように構成されることにより、映像オブジェクトの特徴に最適な画像特徴量を蓄積することができるので、映像オブジェクトの検出・追跡の精度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】オブジェクト特徴データベースの内容を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る映像オブジェクト検出・追跡装置の動作を説明したフローチャートである。
【図4】映像信号の一例を視覚的に示した図である。
【図5】前景形状信号の一例を視覚的に示した図である。
【図6】オブジェクト存在領域情報の一例を視覚的に示した図である。
【図7】推定位置・形状情報の一例を視覚的に示した図である。
【符号の説明】
1……前景形状抽出手段
2……画像特徴抽出手段
3……オブジェクト特徴データベース
4……画像特徴照合手段
5……位置・形状推定手段
6……新規識別番号付与手段
7……データベース更新手段
a……映像信号
b……前景形状信号
c……画像特徴量信号
d……推定位置・形状情報
e……画像特徴量
f……識別番号
g……オブジェクト存在領域情報
h……信頼度
i……新規映像オブジェクト情報
j……データベース操作信号
601……位置・形状情報
602……重心情報
701……推定位置・形状情報
702……識別番号情報

Claims (7)

  1. 映像信号から映像オブジェクトを検出・追跡する映像オブジェクト検出・追跡装置において、
    前記映像信号から、少なくとも映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号を抽出する画像特徴抽出手段と、
    前記映像オブジェクト毎に、映像オブジェクト固有の画像特徴量を蓄積するオブジェクト特徴データベースと、
    前記画像特徴量信号に含まれる画像特徴量と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とを生成する画像特徴照合手段と、
    前記オブジェクト存在領域情報である観測ベクトルと前記信頼度が低いほど成分の絶対値を大きく設定した観測共分散行列とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を示す推定位置・形状情報である状態ベクトルを拡張Kalmanフィルタにより推定する位置・形状推定手段と、
    を備えたことを特徴とする映像オブジェクト検出・追跡装置。
  2. 映像信号から映像オブジェクトを検出・追跡する映像オブジェクト検出・追跡装置において、
    前記映像信号を前景領域と背景領域とに領域分割を行ない、前景領域と背景領域とに二値化された前景形状信号を生成する前景形状抽出手段と、
    前記映像信号と前記前景形状信号との少なくとも一方から、映像オブジェクトを特徴づける情報及び座標情報を含んだ画像特徴量信号を抽出する画像特徴抽出手段と、
    前記映像オブジェクト毎に、映像オブジェクト固有の画像特徴量を蓄積するオブジェクト特徴データベースと、
    前記画像特徴量信号に含まれる画像特徴量と前記オブジェクト特徴データベース内の各映像オブジェクト毎の画像特徴量との照合を行ない、前記映像オブジェクト毎の位置・形状情報を示すオブジェクト存在領域情報と前記オブジェクト存在領域情報の信頼の度合いを示す信頼度とを生成する画像特徴照合手段と、
    前記オブジェクト存在領域情報である観測ベクトルと前記信頼度が低いほど成分の絶対値を大きく設定した観測共分散行列とに基づいて、現時点での映像オブジェクトの位置及び形状を示す推定位置・形状情報である状態ベクトルを拡張Kalmanフィルタにより推定する位置・形状推定手段と、
    を備えたことを特徴とする映像オブジェクト検出・追跡装置。
  3. 前記推定位置・形状情報と前記前景形状信号とに基づいて、前記映像信号に出現した新規映像オブジェクトを検出し、新規に識別番号を付与する新規識別番号付与手段と、
    前記新規映像オブジェクトが出現したときに前記オブジェクト特徴データベースに新規画像特徴情報を追加し、前記推定位置・形状情報から映像オブジェクトの消滅を検出したときに前記オブジェクト特徴データベースの該当画像特徴情報を削除し、前記推定位置・形状情報の映像オブジェクトの位置・形状の変化に基づいて前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴情報を更新するデータベース更新手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置。
  4. 前記データベース更新手段は、前記信頼度が予め定められた数値範囲に至ったときに、前記オブジェクト特徴データベースの画像特徴情報を更新することを特徴とする請求項3に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置。
  5. 前記画像特徴照合手段は、前時点の前記推定位置・形状情報を参照して画像特徴照合領域を絞り込むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置。
  6. 前記画像特徴照合手段は、着目する映像オブジェクトと、それ以外の映像オブジェクトとの位置及び形状情報から、前記着目した映像オブジェクトに掩蔽が起きている度合いを第2の信頼度として算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置。
  7. 前記オブジェクト特徴データベースは、前記映像オブジェクトの色、テクスチャ、形状、動きの少なくとも1以上を画像特徴情報として蓄積することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の映像オブジェクト検出・追跡装置。
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