JP3728590B2 - 電気コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は例えばランドグリッドアレイのランド(電極)と配線基板の電極とを接続する場合や基板同士を対向させて、それらの板面に配列形成されている電極を互いに接続する場合などのように、配列形成された電極を互いに対向させて接続する場合に用いる電気コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気コネクタにおいては接点の所要の接触力を得るために金属ばね構造を採用したり、あるいは金属ばねに替えてゴム等を用い、その弾性力によって接触力を得るといった構造が多用されている。
例えばランドグリッドアレイを配線基板に搭載接続するための電気コネクタにおいて、このような金属ばね構造を採用したものは、電極の配列ピッチが狭小で、使用スペースが限られているため、所要の接触力を得るために、一般に構造・形状が極めて複雑になっており、その点で製造に手間がかかり、高価なものとなっている。
【0003】
また、弾性体としてゴムを用いる構造のものでは、ゴムの永久歪みによる影響があり、充分な接触信頼性を得にくいといった状況となっている。
一方、この種の配列形成された電極を互いに対向させて接続する際に用いる電気コネクタとして、図4に示したような構造を有するものがある。
この電気コネクタは樹脂フイルム11に配列形成された貫通孔12に球状接点13がそれぞれ収容されてなるもので、球状接点13は絶縁樹脂層14を介して貫通孔12に保持されており、その一部が樹脂フイルム11の両面からそれぞれ突出されている。
【0004】
球状接点13は球体15の表面に導電膜16が形成されたもので、球体15は柔軟性を有する樹脂製とされている。導電膜16はメッキや蒸着によって形成された金属膜とされ、例えばNi/Au膜やNi/Sn膜あるいはNi/Cu膜によって構成されている。
この図4に示した電気コネクタ17では球状接点13が接続すべき電極間に位置され、それら電極によって挟まれ押圧されることにより、球状接点13が両電極と圧接し、これにより導電膜16を介して両電極が電気的に接続されるものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電気コネクタ17に使用されている球状接点13は押圧により変形してつぶれた形状となり、その樹脂製球体15の復元力によって所要の接触力が得られるものとなっているものの、球体15と導電膜16との密着性の問題から例えば変形時に球体15と導電膜16との界面において剥離が発生する虞れがあるものとなっており、その結果、導電膜16が損傷するといった問題があり、この点で信頼性上、問題があるものとなっていた。
【0006】
この発明の目的は上述した問題に鑑み、簡素な構造で小型化も図りやすく、かつ信頼性に優れた電気コネクタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、電気コネクタは複数の貫通孔が設けられた絶縁板と、上記各貫通孔に、絶縁板の両板面から突出するように収容保持された球状接点とよりなり、上記接点は柔軟性を有する導電膜によって形成された中空球体の内部に気体もしくは液体が充填されているものとされ、上記接点の過大な変形を防止するストッパ部が上記絶縁板に厚さが大とされて形成されているものとされる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1はこの発明による電気コネクタに用いる電気コネクタ用接点の一構造例を示したものであり、この例では導電膜21によって図に示したように中空球体が形成され、この球体の内部に空気22が充填されて電気コネクタ用接点23が構成される。
導電膜21は柔軟性を有する薄膜とされて変形自在とされており、その材料としては例えば導電性ゴムなどが用いられる。
【0009】
この接点23は無負荷の状態では球状をなし、外部から力を受けると変形するが、この際、内部に空気22が密封されているため、この空気22の復元力によって所要の接触力が得られるものとなっている。
このように、この接点23では導電膜21で形成された中空球体内の空気22の復元力により接触力を創出するので、例えば導電性ゴム等よりなる導電膜21に永久歪みが生じても、接触力に対するその影響は小さく、また極めて簡素な構造のため、小型化も図りやすいものとなっている。
【0010】
なお、上述した例では復元力を得るべく、空気が密封されたものとなっているが、必要とする復元力を得るために空気以外の気体を用いてもよく、また液体を充填するようにしてもよい。気体を充填した場合は液体の場合に比し、軽量化を図ることができる。
図2は図1に示した接点23を備えた電気コネクタの一実施例を示したものである。
【0011】
この例では絶縁板24に形成された貫通孔25に接点23がそれぞれ収容保持されたものとなっており、貫通孔25は接続すべき電極配列に対応して図には示していないが、例えば格子状に配列形成されたものとなっている。
絶縁板24はこの例では絶縁板24aと24bとの2枚重ねで構成されており、絶縁板24aに形成されている貫通孔25aと、絶縁板24bに形成されている貫通孔25bとが対向一致されて貫通孔25が構成されている。
【0012】
貫通孔25a,25bはそれぞれさら穴状とされ、互いの外面側が小径側となるように、絶縁板24aと24bとが重ねられており、これら絶縁板24a,24bは例えば接着されて貼り合わされている。
接点23は上記のように構成された貫通孔25の両端径小部によって抜け止めされて絶縁板24に保持されており、絶縁板24の両板面からそれぞれ一部が突出するものとされている。なお、絶縁板24の端縁には図に示したように厚さが大とされてなるストッパ部26が形成されている。
【0013】
図3Aは上記のような構成とされた電気コネクタ27の使用状態を示したものであり、図3Bはその一部を拡大して示したものである。この例では第1の基板31に配列形成されている電極32と、第2の基板33に配列形成されている電極34とが電気コネクタ27によって互いに接続されたものとなっている。
各接点23は対向する電極32,34間に位置され、それら電極32,34によって挟まれて押圧されることにより変形し、この変形による内部の空気22の復元力(反発力)により導電膜21が電極32,34と圧接して電極32と34とが電気的に接続されている。
【0014】
なお、図3A中、35は基板33,電気コネクタ27のストッパ部26を挿通して基板31に螺合するネジであって、この例では基板31と33とは電気コネクタ27を挟んでこのネジ35により機械的に固定されるものとなっている。そして、この際、両基板31,33の板面がストッパ部26に突き当たることにより、接点23の過大な変形が防止されるものとなっている。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば柔軟性を有する導電膜によって形成された中空球体の内部に気体もしくは液体が充填され、外部から力を受けて変形すると、内部の気体もしくは液体の復元力(反発力)によって接触力を創出する接点を用いるものとなっている。
【0016】
従って、例えば導電膜に永久歪みが生じても接触力に対する影響は極めて小さく、接触信頼性に優れた電気コネクタを得ることができ、また極めて簡素な構造のため、小型化も図りやすく、接点配列の狭ピッチ化に容易に対応できる電気コネクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による電気コネクタに用いる接点の構造例を示す図、Aは正面図、Bは断面図。
【図2】 この発明による電気コネクタの一実施例を示す断面図。
【図3】 Aは図2に示した電気コネクタの使用状態の一例を示す断面図、Bはその一部拡大図。
【図4】 電気コネクタの従来構成例を示す斜視図。
Claims (1)
- 複数の貫通孔が設けられた絶縁板と、
上記各貫通孔に、上記絶縁板の両板面から突出するように収容保持された球状接点とよりなり、
上記接点は導電性ゴムよりなる薄膜によって形成された中空球体の内部に気体もしくは液体が充填されているものとされ、
上記接点の過大な変形を防止するストッパ部が上記絶縁板に厚さが大とされて形成されていることを特徴とする電気コネクタ。
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