JP3727821B2 - シリコンウェーハ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSIをはじめとするデバイス等に使用されるシリコンウェーハ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコンインゴットには、引上げ時の半導体化に必要なボロンやリンなどの元素が含まれている。
【0003】
また、CZ法の場合は、石英ガラス製のルツボ使用のために、酸素元素が混入しているだけで、通常、窒素元素はドープされていない。
【0004】
窒素のドープされていないシリコンウェーハ(ノンドープ品)のうちでCZ法によるものにおいては、Grown−in欠陥の形態は、八面体型で、内壁酸化膜が2−5nmであり、内部が空洞のvoid欠陥である。このvoid欠陥は、熱処理によってサイズが変化したり、形態が若干丸みを持つ方向に多面体化したり、多面体が凸型になる、などの特徴を有する。このvoid欠陥自体は、ゲッタリング能力はないが、接合リーク電流でのリーク現象や酸化膜耐圧の劣化など、LSIにとって好ましくない欠陥である。
【0005】
さらに、ノンドープ品の熱処理時には、酸素析出物と呼ばれる内部がアモルファス構造の成分(SiOx)で、外形が板状である、多面体の欠陥が生成・成長する。これは、石英ガラスから混入した酸素がシリコンインゴット(シリコンウェーハ)に過飽和に入っていることから起こり、酸素の析出現象によるものである。熱処理により、この酸素析出物をシリコンウェーハ内部に作り込み、直接及び間接的に金属不純物等をインターナルゲッタリング(すなわちIG、イントリンシックゲッタリングともいう)のサイトとして捕獲し、LSI等のデバイス製造時に熱拡散や周囲からの汚染による表層の汚染を防ぐことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、IGを上記ノンドープ品に作り込むために熱処理をすると、シリコンウェーハには、内部だけでなく表層の部分にも酸素析出物が生成・成長する。これは、ゲッタリング効果でなく、リーク現象や酸化膜耐圧劣化などの原因となる。また、ノンドープ品でのGrown−in欠陥は、そのサイズが熱処理前で100nm前後ある。これは、単体ではなく、ダブル・トリプルで存在するため、熱処理後でも消滅せずに残存する。これが表層にあると、前述の酸素析出物と同様に、リーク現象や酸化膜耐圧劣化を生じさせることになる。
【0007】
本発明は、ゲッタリング能力及び電気的特性の優れたシリコンウェーハおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決手段は、各請求項に記載のシリコンウェーハおよびその製造方法である。
【0009】
好ましくは、本発明のシリコンウェーハは、結晶欠陥の形態が多面体であり、ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から伸びている。その結晶欠陥の80〜90%にヒゲ状欠陥が存在するのが好ましい。しかも、ヒゲ状欠陥それ自体の長さが5nm以上であると、より好ましい。
【0010】
ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥がシリコンウェーハ内部に平均的に散在して存在するのが好ましい。そして、ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥により接合リーク電流のリーク不良領域が減少するのが最善である。
【0011】
前述のような多面体の結晶欠陥を形成するシリコンウェーハの製造方法は、いろいろとあるが、好ましくは、シリコンインゴット引上げ時に窒素をドープすることにより、多面体の頂点からヒゲ状欠陥を伸ばす。とくに、窒素をドープされたシリコンウェーハが、水素、アルゴン、窒素、酸素または真空の雰囲気で1000℃から1350℃の間の適当な温度で5分から8時間熱処理される。
【0012】
また、窒素のドープを行うことによりGrown−in欠陥のサイズを小さくし、熱処理を行うことによりウェーハ表面のGrown−in欠陥を消滅させてウェーハ表面に無欠陥層を形成し、内部に高密度に酸素析出物を生成させるとともにヒゲ状欠陥を生成させることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明方法の製造条件について説明する。
【0014】
シリコンインゴット引上げ時において、窒素のドープを行うとき、ドープされる窒素の濃度は、好ましくは1012〜1015atoms/cm3である。濃度が 1016atoms/cm3よりも高い場合は、固溶界等の問題で一般的に存在し ない。濃度が1011atoms/cm3よりも低い場合は、効果がない状態とな る。
【0015】
窒素ドープされたシリコンウェーハは、水素、アルゴン、窒素または酸素の雰囲気、もしくは真空の雰囲気で熱処理される。
【0016】
熱処理は、1000℃から1350℃の間の適当な温度で行われる。熱処理温度が1000℃未満の場合には、無欠陥層の形成が不完全である。熱処理温度が1350℃を超える場合には、スリップ転位の発生など、ウェーハに対してこのましくない欠陥が発生する。
【0017】
熱処理時間は5分から8時間の間が好ましい。熱処理時間が5分未満の場合には、効果がまったくない。熱処理時間が8時間を超える場合には、スリップ転位の発生などウェーハに対してこのましくない欠陥が発生する。
【0018】
特に水素雰囲気で1200℃、1時間程度の熱処理条件のものは、シリコンウェーハ表面の無欠陥層(DZ)が、20μm程度の深さまで熱処理と同時に形成されるため、非常に良好な接合リーク電流特性や酸化膜特性が得られる。
【0019】
本発明による結晶欠陥の形態は、基本的には正八面体型の多面体で、それぞれの頂点からヒゲ状の欠陥が伸びたものである。一般的に、IG(Internal Gettering)としてのゲッタリング効果は、酸素析出物の密度及び周りに影響する歪み場量等に起因していると考えられるため、ヒゲ状欠陥の存在は、大きな歪み場を形成することになる。従って、本発明によるシリコンウェーハは、これまでのHi処理品に比べてより大きなゲッタリング効果を生むと言える。通常のノンドープ品でも、熱処理により、一見ヒゲ状に見える転位が欠陥の周囲に発生し付随することがある。しかし、このノンドープ品に存在する欠陥はサイズが大きいため、熱処理によってもシリコンウェーハ表面の浅い部分(表面から20μm程度)に残存し、接合リーク電流の顕著な悪化を招く。
【0020】
本発明により製造された窒素ドープ品は、Grown−in欠陥での欠陥サイズが10−50nmと非常に小さく、かつ高密度に生成される。そのため、適切な熱処理により、表面から20μm程度までの欠陥を完全に消滅させることができる。また、一般的に欠陥密度が高いほどゲッタリング効果が高いことから、Nドープ品のゲッタリング効果は高いといえる。
【0021】
本発明による結晶欠陥の多面体の頂点から伸びているヒゲ状欠陥は、その後の熱処理でどのように変化しても表面の無欠陥状態に変化を生じさせないため、通常、接合リーク電流に悪影響を及ぼすことが無い。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0023】
実施例1
ノンドープ品については説明を省略し、熱処理を行った窒素ドープ品(実施例1)と熱処理を行わない窒素ドープ品(比較例)について説明を行う。
【0024】
実験方法は次のとおりであった。
【0025】
試料ウェーハはCZ、(100)、200mmφ、P−type(Boron)で、窒素(N)ドープ濃度は、6.2×1014atoms/cm3 、抵抗率は、15−23Ωcm、初期酸素濃度[Oi]は、1.11×1018atoms/cm3 である。
【0026】
Nドープの方法はウェーハ表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりSiN(窒化珪素)膜を形成したものをCZ引上げ時にシリコンナゲットと一緒に溶解し行うものである。
【0027】
この試料ウェーハをもとにHi処理品(1200℃,1hr)(実施例1)と未熱処理品(比較例)の2種類を用意した。
【0028】
観察用試料作製は、通常のイオンミリング法により行い、透過電子顕微鏡すなわちTEM(Transmission Electron Microscopy:400keV)で観察を行った。また、ウェーハの中心部(Center)と外周部(Edge)とで欠陥分布及び密度が異なることが考えられるため、それぞれについて試料を作製し、観察を行った。
【0029】
実施例1の結果(Hi処理品)を説明する。
【0030】
図1は、Nドープ品のHi処理後での欠陥形態を示す。これは通常のCZのHi処理品の欠陥(100nm前後)よりサイズが小さく、サイズ50nm程度の多面体型酸素析出物である。欠陥密度は外周部で5×108 個/cm3 、中心部で108 個/cm3 であった。この中で外周部の八面体型欠陥の頂点には長さ5−30nm程度のヒゲ状欠陥が見られた。ヒゲ状欠陥からは酸素以外に窒素が検出された。このことから、窒素の影響によりヒゲ状欠陥が成長したものと考えられる。このことから考察すると、窒素の影響によりヒゲ状欠陥が成長したものと考えられる。また、回折パターンにはダイヤモンド型の結晶構造しか見られなかったことから、六方晶系ではなく、歪んだダイヤモンド構造及びアモルファスではないかと考えられる。
【0031】
ヒゲ状欠陥のできる割合は、正八面体型欠陥の80%以上であった。また、Hi処理品では表面近傍(0−20μm)には欠陥が観察されず、十分なDZ層の形成がなされていた。さらに、接合リーク電流のリーク不良域がNなしの通常のCZウェーハ品と比較して70%以上減るなどの顕著な特性を示した。また、NなしのCZにHi処理したものと比較しても30%以上減る。
【0032】
比較例(未処理品)
図2は、Nドープ品の未熱処理時における2種類のGrown−in欠陥形態(多面体型と板状)のうち、多面体型のものを示す。多面体型はサイズが20−30nmと非常に小さく、板状の欠陥は密度が非常に低く、サイズが100nm程度の(111)面にそった形態であった。欠陥密度を部位ごとに示すと外周部では2×106 個/cm3 、1/2Rで6×105 個/cm3 (観察した試料数15個の内で見えた欠陥は1個)、中心部では欠陥はまったく検出されなかった(104 個/cm3 以下)。
【0033】
実験結果の解析から、多面体型欠陥は酸素析出物と思われるコントラストであり、板状欠陥のコントラストには、ボイド状欠陥特有の内壁酸化膜による2重輪郭が見られた。
【0034】
実施例2
さらに、このNドープ特有のGrown−in欠陥の熱処理での形態変化と、窒素ドープによる形態の違いについて調べた。
【0035】
まず、そのための実験方法を説明すると、実施例1の試料ウェーハを次の4種類で熱処理した。すなわち、▲1▼未熱処理(比較例)、▲2▼1200℃、1hr(Hi)(実施例1)、▲3▼1200℃、1hr(Hi)+780℃、3hr+1000℃、6hr(2step)、▲4▼780℃、3hr+1000℃、16hr(2step)、の4種類であった。1200℃、1hr(Hi)は水素雰囲気で処理し、780℃、3hr+1000℃、16hr(2step)は窒素雰囲気で処理した。その後、イオンミリング加工をして、TEM(400keV)で観察・解析した。
【0036】
その結果を説明すると、▲1▼の結果は比較例で示した通りであり、▲2▼の場合も実施例1ですでに示した通りである。▲3▼の場合、Hi+2stepでは多面体型と板状が融合し、二次的に生成した板状、小さい多面体欠陥及び転位ループが見られた。▲4▼の場合、2ステップでは多面体欠陥と板状欠陥の複合型や多面体酸素析出物及びパンチアウト転位を伴なった板状酸素析出物が見られた。
【0037】
このような結果を総合的に考察すると、Nドープにより高密度の酸素析出物になり、Hiでは八面体型欠陥から延びたヒゲ状欠陥が明瞭に見られ、IGとしてのゲッタリング効果が酸素析出物の密度及び周りに影響する歪み場景等に起因しているとすると、このヒゲ状欠陥の存在により大きな歪み場が形成されていることになり、従来Zウェーハに比べてより大きなゲッタリング効果を生むことが分かった。
【0038】
次は、窒素ドープウェーハ中のGrown−in欠陥形態のTEM解析について説明する。
【0039】
前述の実験の結果、N(窒素)ドープをすることによりGrown−in欠陥(COP)の抑制状況が確認でき、その中で、Grown−in欠陥形態のHi処理前後での形態変化についてTEM観察を行ったことにより、Nドープ品は小型のGrown−in酸素析出物欠陥がある程度の密度で形成され、Hi処理により表面では消滅し、内部ではゲッタリンクサイドとしての酸素析出物の形成のもとになったことが分かった。
【0040】
そこで、この実験の続きとして、Hi処理後に2段熱処理したもの及びHi処理なしで2段熱処理したものの形態変化観察を行い、Hi処理前後及び2段熱処理前後での析出挙動を解析した。
【0041】
2段熱処理のみの場合、780℃、3hr+1000℃、16hrとし、及びHi処理後の2段熱処理の場合、1200℃、1hr+780℃、3hr+1000℃、16hrとした。
【0042】
その結果は、次のとおりであった。
【0043】
(1)Nドープ品のGrown−in欠陥形態を図3〜4に示す。Nドープ品のGrown−in欠陥形態は多面体型及び板状の2種類で、多面体型はサイズが20−30nmで非常に小さく、板状の欠陥は密度が非常に低く、サイズが100nm程度で(111)面に沿った形態であった。欠陥密度を部位ごとに示すと、外周部では2×106個/cm3、1/2Rでは6×105個/cm3であった。観察した試料数15個の内で見えた欠陥は1個であった。中心部では、まったく検出されなかった(104個/cm3以下)。
【0044】
観察した写真の解析からは、多面体欠陥は酸素析出物と思われるコントラストで、板状欠陥のコントラストにはボイド状欠陥特有の内壁酸化膜による2重輪郭が見られた。
【0045】
(2)Nドープ品のHi処理後での欠陥を図5〜6に示す。これは通常のCZのHi処理品(100nm前後)よりサイズが小さく、サイズ50nm程度の多面体型酸析出物で、欠陥密度は外周部で5×108個/cm3であった。この中で外周部の八面体型欠陥の頂点には長さ10−20nm程度のヒゲ状欠陥が見られた。また、Hi処理品では表面近傍(0−20μm)には欠陥が観察されず、十分なDZ層の形成がなされていた。
【0046】
(3)Nドープ品のHi処理後に2段熱処理したものの欠陥を図7〜8に示す。Hi+2ステップ品の欠陥形態は多面体型と板状融合したものが多く、多面体欠陥の周りに二次的に生成したと考えられる板状あるいは小さい多面体欠陥がみられるものがあった。また、転位ループを伴なったものも多数見られた。欠陥サイズは50−200nmであった。欠陥密度を部位ごとに示すと外周部では1010個/cm3以上、中心部では1010個/cm3以上と、部位の違いはほとんど見られなかった。
【0047】
また、EDS(エネルギー分散型分光装置)での元素分析結果から観察された欠陥はほとんど酸素析出物であることが確認され、内壁酸化膜を伴なったボイド状欠陥のままのものは見られなかった。
【0048】
(4)Nドープ品の2段熱処理後での欠陥を図9〜10に示す。一見すると、通常のCZの2段熱処理に見らわる欠陥サイズ及び欠陥形態(板状欠陥+パンチアウト転位)と同様にみえるが、実際はGrown−in欠陥特有の内壁酸化膜を伴なった多面体欠陥と板状欠陥の複合型やGrown−in欠陥から変化した多面体酸素析出物及びパンチアウト転位を伴なった板状酸素析出物であることが分かった。サイズは200nm程度のものがほとんどで、欠陥密度は周辺部で1011個/cm3、中心部で1011個/cm3であった。
【0049】
観察結果をまとめると、次のとおりである。
【0050】
通常のCZウェーハに見られるGrown−in欠陥では内壁酸化膜を必ず伴なった八面体で低密度であったものが、Nドープにより高密度の酸素析出物の多面体になっていた。このことにより、その後の熱処理での密度が通常と異なったものと考えられる。また、NドープHi処理品の周辺部では八面体型欠陥の頂点から延びたヒゲ状欠陥が明瞭に見られるものが多数あった。欠陥密度がウェーハの周辺部で高く、中心部で低くなった理由は、一つにはウェーハ引き上げ時の熱環境や格子間酸素濃度ムラ等が基本的原因と考えられる。
【0051】
一方、Nドープ品のX線トポグラフで1/2Rより外側に環状のコントラストが強く現れる部分が観察される。一般にこの環状コントラスト(リング状欠陥)の外側と内側で空孔濃度及び酸素濃度が異なることが知られている。Hi後の周辺部ではサイズ50nm程度の八面体欠陥がほとんどであったが、中心部ではボイド欠陥の名残と思われる内壁酸化膜のような二重輪郭でサイズが120nm程度と大きいものが観察された。これは、Hi前のas−Grown状態において中心部には極低密度のボイド欠陥が存在したことを意味している。
【0052】
以上から推察すると、初期欠陥形成時には中心部ではボイドの元とされる空孔濃度が高く、周辺部では酸素の過飽和度(酸素濃度)が高いことが考えられる。
【0053】
また、2ステップのみにおいても周辺部の欠陥では転位を伴なったものが多く、中心部では酸素析出物のみが多くを占めていた。このことも中心部ではボイドのもととされる空孔濃度が高く、周辺部では酸素の過飽和度(酸素濃度)が高いことに由来していると思われる。
【0054】
以上から明らかなように、NドープHi処理品は高いゲッタリング効果を生み出すゲッタリンクサイトとしての酸素析出物が形成されていることが分かった。一方、引き上げ時での熱環境により、このゲッタリンクサイトの効果は異なる可能性があるため、デバイスに対して有用なウェーハとして考える時、この径方向での欠陥密度等のムラが問題になることが示唆された。
【0055】
【発明の効果】
本発明により窒素(N)ドープされたシリコンウェーハの熱処理品は、シリコンウェーハ表面の無欠陥層(DZ)が20μm程度の深さまで形成され、またインターナルゲッタリング(IG)が効果のもとになる微小欠陥形態において、八面体型の多面体のそれぞれの頂点からヒゲ状の欠陥が伸びたものが均一(平均的)に内部に形成されるため、接合リーク電流のリーク不良領域が30%以上減るなどの顕著な特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造されたシリコンウェーハの欠陥形態の1つの例を模式的に示す。
【図2】従来の方法により製造されたシリコンウェーハの欠陥形態の1つの例を模式的に示す。
【図3】Nドープas−grownにおける周辺部のGrown−in欠陥(1)を示す。aは、多面体型の欠陥で酸素析出物を示し、bは、多面体型の欠陥で酸素析出物を示し、cは、(111)面に伸びた板状欠陥で多面体型ボイド欠陥の変形したものを示す。
【図4】Nドープas−grownにおける周辺部のGrown−in欠陥を示す。a、b、cは多面体型で酸素析出物を示す。
【図5】NドープHi処理後における周辺部の酸素析出物等の欠陥を示す。a、b、cは、多面体型でヒゲ状欠陥を伴った酸素析出物を示す。
【図6】NドープHi処理後における中心部の酸素析出物等の欠陥を示す。aは、多面体型の欠陥で酸素析出物を示し、bは、多面体型の欠陥で酸素析出物を示し、cは、多面体型の欠陥で酸素析出物を示す。ボイド欠陥の名残である二重輪郭が見られる。
【図7】NドープHi+2ステップ処理後における周辺部の酸素析出物等の欠陥を示す。aは、転位を伴なった板状欠陥を示し、bとcは、転位を伴なった多面体型酸素析出物を示す。
【図8】NドープHi+2ステップ処理後における中心部の酸素析出物等の欠陥を示す。aは、転位を伴なった板状欠陥を示し、bとcは、転位を伴なった多面体型酸素析出物を示す。
【図9】Nドープ2ステップ処理後における周辺部の酸素析出物等の欠陥を示す。aは、転位を伴なった多面体型酸素析出物を示し、bは、板状欠陥を示し、cは、転位を伴なった板状及び多面体酸素析出物を示す。
【図10】Nドープ2ステップ処理後における中心部の酸素析出物等の欠陥を示す。aは、転位を伴なった多面体型酸素析出物を示し、bは、板状及び多面体酸素析出物を示し、cは、板状酸素析出物を示す。
【符号の説明】
1 結晶欠陥
2 ヒゲ状欠陥

Claims (17)

  1. 結晶欠陥の形態が、10〜50nmの多面体であり、ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から伸びていることを特徴とするシリコンウェーハ。
  2. 結晶欠陥の80〜90%にヒゲ状欠陥が存在することを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハ。
  3. ヒゲ状欠陥が存在する結晶欠陥が正八面体型欠陥であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のシリコンウェーハ。
  4. ヒゲ状欠陥それ自体の長さが5nm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンウェーハ。
  5. ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥がシリコンウェーハ内部に平均的に散在して存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンウェーハ。
  6. ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥により接合リーク電流のリーク不良領域が減少する構成になっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコンウェーハ。
  7. 多面体の結晶欠陥を形成するシリコンウェーハの製造方法において、シリコンインゴット引上げ時に窒素をドープすることにより、多面体の大きさを10〜50nmとし、1000℃から1300℃の水素雰囲気中で5分から8時間熱処理し、その頂点からヒゲ状欠陥を伸ばすことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  8. 結晶欠陥の形態が基本的に正八面体型の多面体で、それぞれの頂点からヒゲ状の欠陥を伸ばすことを特徴とする請求項7に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  9. ヒゲ状欠陥を多面体の頂点から多方向に伸ばし、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥をシリコンウェーハ内部に平均的に散在させることを特徴とする請求項7〜のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  10. ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥により接合リーク電流のリーク不良領域が減少することを特徴とする請求項7〜のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  11. 窒素のドープを行うことによりGrown−in欠陥のサイズを小さくし、熱処理を行うことによりウェーハ表面のGrown−in欠陥を消滅させてウェーハ表面に無欠陥層を形成し、内部に高密度に酸素析出物を生成させるとともにヒゲ状欠陥を生成させることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  12. 結晶欠陥の形態が10〜50nmの多面体で、かつ、ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から伸びていることを判断基準にしてウェーハを判定することを特徴とするシリコンウェーハの判定方法。
  13. 結晶欠陥の80〜90%にヒゲ状欠陥が存在することをさらに判断基準に加えてウェーハを判定すること特徴とする請求項12に記載のシリコンウェーハ判定方法。
  14. ヒゲ状欠陥が存在する結晶欠陥が正八面体型欠陥であることをさらに判断基準に加えてウェーハを判定することを特徴とする請求項12〜13のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの判定方法。
  15. ヒゲ状欠陥それ自体の長さが5nm以上であることをさらに判断基準に加えてウェーハを判定することを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの判定方法。
  16. ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥がシリコンウェーハ内部に平均的に散在して存在することをさらに判断基準に加えてウェーハを判定することを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの判定方法。
  17. ヒゲ状欠陥が多面体の頂点から多方向に伸びて、ヒゲ状欠陥と結晶欠陥により接合リーク電流のリーク不良領域が減少する構成になっていることをさらに判断基準に加えてウェーハを判定することを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの判定方法。
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