JP3726295B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プログラムの実行時に記憶手段よりプログラムを読出すと、そのプログラムを高速アクセスが可能な作業用記憶手段に転送して、以降のプログラムを作業用記憶手段から読出して実行する車両用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両例えば自動車においては、そのエンジン制御はマイクロコンピュータを含む制御装置によって行われており、エンジンの制御プログラムはROMなどの記憶手段に記憶されている。
【0003】
また、自動車においては、制御装置の内部に補助的な記憶手段として用いられるEEPROMを持つものがある。このEEPROMは、配線数を少なくするためにアドレス及びデータをクロック信号に同期させて1ビットずつ送受信するシリアル通信方式のものが多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのように、シリアル通信方式EEPROMを自動車用として使用する場合には、例えばエンジンについての故障診断プログラムやその故障診断に用いる判定データなどが記憶されることが想定される。この場合は、EEPROMの読出し時間の問題からエンジンの始動時に制御プログラムが読出された後、EEPROMより故障診断プログラム及び判定データがシリアルに読出されて、アクセススピードの速いRAMに転送される。そして、マイコンのCPUにより、RAMに転送された故障診断プログラムが読出されて自動車の各部の診断が行われ、その結果故障発生時には、例えば運転席のパネルに表示されるなどして運転者に報知される。
【0005】
また、自動車の故障診断においては、制御装置に外部診断装置が接続されることにより、制御装置が行った故障診断結果のより詳細なデータを、外部診断装置に表示させるような場合がある。そのため、EEPROMには、外部診断装置が接続された場合に故障診断データを出力するためのデータ出力用プログラムも記憶されることも想定され、これらも、エンジン始動時に故障診断プログラムなどと共にEEPROMより読出されてRAMに転送されることになる。
【0006】
しかしながら、シリアル通信方式のEEPROMは、前述のようにアドレス及びデータをクロック同期で1ビットずつ転送するものであり、その読出しには非常に時間を要する。また、外部診断装置が制御装置に接続される機会は定期点検時などであって希少であり、そのためのデータ出力用プログラム及びデータを毎回時間をかけてEEPROMより読込んでRAMに転送するのは、制御装置にとっては余分な処理負担となり、処理時間が長くなる不具合があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するもので、その目的は、補助記憶手段たる不揮発性記憶手段の記憶内容で、使用頻度の低い補助プログラム若しくはデータの作業用記憶手段への転送は、特殊要件が成立したときのみ行うように制御する車両用制御装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の車両用制御装置は、制御プログラムが記憶される制御プログラム記憶手段と、作業時にプログラム若しくはデータが転送される作業用記憶手段と、制御プログラム以外の補助プログラム若しくはデータが記憶されるシリアル通信方式の不揮発性記憶手段と、制御プログラム記憶手段より読出した制御プログラムを実行すると共に、不揮発性記憶手段から読出した補助プログラム若しくはデータを作業用記憶手段に転送し、以降は必要に応じて作業用記憶手段から補助プログラムまたはデータを読出して実行する制御手段とを具備したものにおいて、不揮発性記憶手段は、使用頻度の高い補助プログラム若しくはデータが記憶される第1エリアと、使用頻度の低い補助プログラム若しくはデータが記憶される第2エリアとに分別されて記憶され、制御手段は、第1エリアの記憶内容を先に前記作業用記憶手段に転送し、特殊要件が成立しているときに前記第1エリアの記憶内容に続いて第2エリアの記憶内容を作業用記憶手段に転送するものであり、前記第1エリアの記憶内容を転送した後に外部より当該記憶内容についての実行要求があった場合には、前記第2エリアの記憶内容の転送を中止して、前記第1エリアの記憶内容を実行するように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
この場合、不揮発性記憶手段に記憶される補助プログラム若しくはデータは、車両の故障診断に関するプログラム若しくはデータとすると良い(請求項2)。
【0011】
【作用】
請求項1記載の車両用制御装置によれば、制御手段は、不揮発性記憶手段より使用頻度の高い第1エリアの記憶内容を先に作業用記憶手段に転送し、使用頻度の低い第2エリアの記憶内容については、特殊要件が成立しているときに読出して作業用記憶手段に転送するので、不必要な読出し及び転送処理を行うことがない。
【0012】
そして、特殊要件が成立している場合でも、第1エリアの記憶内容を転送した後に外部より当該記憶内容についての実行要求があった場合には、第2エリアの記憶内容の転送を中止して第1エリアの記憶内容を実行する。
【0013】
この場合、不揮発性記憶手段に記憶される補助プログラム若しくはデータを、車両の故障診断に関するプログラム若しくはデータとすれば、低い頻度で使用される第2エリアの記憶内容は、外部より故障診断の処理に関して必要な時だけ読出されて、作業用記憶手段に転送される(請求項2)。
【0014】
【実施例】
以下本発明を車両である自動車のエンジン制御における故障診断処理に適用した場合の一実施例について図面を参照して説明する。本発明に係る部分の電気的構成を示す図1において、制御手段であるCPU1は、制御プログラム記憶手段であるROM2及び作業用記憶手段であるRAM3にパラレルのアドレス及びデータバスライン並びに制御信号線を介して接続されている。以上がマイクロコンピュータ(以下マイコンと称す)4を構成している。
【0015】
また、マイコン4の外部には、不揮発性記憶手段であるシリアル通信方式のEEPROM5があり、EEPROM5はCPU1と図示しないシリアルインターフェイスを介してシリアルバスで接続されている。そして、マイコン4及びEEPROM5により車両用制御装置としての図示しないエンジンを制御するエンジン制御ECU(以下、単にECUと称す)6を構成している。
【0016】
また、CPU1には、水温センサ,吸気温センサやスロットルセンサなどを含むセンサ7が図示しないA/D変換器を介して接続されており、インジェクタやアイドルスピードコントロール(ISC)バルブなどのアクチュエータ8が、図示しない出力回路を介して接続されている。更に、ECU6(CPU1)には、例えば外部診断装置9が、図示しないシリアルインターフェイスを介してシリアルバスで接続が可能となっており、CPU1は、特殊要件が成立しているか否か、即ち、外部診断装置9が接続されているか否かを、図示しない接続検知用スイッチが出力する検知信号により検知することができるようになっている。
【0017】
EEPROM5のアドレスマップを示す図2において、アドレス領域の先頭から前半は第1エリアであり、例えば、補助データとしての水温センサのオープン/ショート判定値,吸気温センサのオープン/ショート判定値やISCバルブ異常判定値などの判定値データが格納されている。また、何れも図示はしないが、これらの判定値データを使用して故障診断を行う補助プログラムとしての水温センサ,吸気温センサやISCバルブなどの診断プログラムも格納されている。これらの第1エリアに記憶されている診断プログラム及び判定値データは、エンジンの作動時において毎回使用される使用頻度の高いものである。
【0018】
第1エリア以降は第2エリアであり、外部診断装置9に故障診断データを出力するために使用される補助プログラム,例えば、水温センサ,吸気温センサやISCバルブ診断データ出力用プログラムなどが格納されている。これらの第2エリアに記憶されている出力用プログラムは、外部診断装置9がECU6に接続されているときのみ使用されるものであり、その使用頻度は低い。
【0019】
次に本実施例の作用を図3乃至図6をも参照して説明する。リセット解除後のイニシャライズ処理における制御内容のフローチャートを示す図3において、まず、「RAMイニシャライズ」の処理ステップP1において、CPU1は、RAM3の作業領域として使用される領域の記憶内容を0クリアする。この0クリアによって、後述する処理において、CPU1によりソフト的にセットされて使用されるフラグも全てリセットされる。そして、次の「EEPROM読出しアドレス(N)初期設定」の処理ステップP2に移行して、CPU1のアドレスマップ上でEEPROM5に割当てられている領域の先頭アドレスNを、アドレスカウンタに初期設定する。
【0020】
そして、「EEPROM読込み要求フラグセット」の処理ステップP3に移行して、RAM3内に設けられているEEPROM読込み要求フラグの領域に「1」を書込んでその要求フラグをセットすると、次の「割込み禁止解除」の処理ステップP4に移行し、電源投入時にCPU1のステータスレジスタに自動的に設定される割込み禁止状態を解除して、図示しない次のステップに移行する。
【0021】
その後、CPU1は、ROM2より制御プログラムを読出し、図示しないメインルーチンにおいてエンジンの始動及び回転制御を行う。また、CPU1には図示しないタイマによって8ms毎にタイマ割込みが入るように構成されている。図4乃至図6は、いずれもそのタイマ割込み処理における制御内容のフローチャートである。
【0022】
タイマ割込み処理における外部診断装置9の接続状態に伴う制御内容のフローチャートを示す図4では、まず、「外部診断装置接続?」の判断ステップQ1において、CPU1は、図示しない接続検知スイッチの検知信号を参照して、ECU6に外部診断装置9が接続されているか否かを判断する。外部診断装置9が接続されておらず、判断ステップQ1において「NO」と判断すると、次に説明する図5に示す処理に移行する。また、外部診断装置9が接続されており、判断ステップQ1において「YES」と判断すると、次の「処理コマンド送信要求信号を送信」の処理ステップQ2に移行して、外部診断装置9に対して処理コマンド送信要求信号を送信すると、次の図5に示す処理に移行する。
【0023】
タイマ割込み処理におけるEEPROM5に記憶されたプログラムの実行部分処理(以下、単に実行部分処理と称す)のフローチャートを示す図5において、まず、「第1エリア読込み完了フラグ=1?」の判断ステップR1において、EEPROM5の第1エリアの読込み完了を示す、第1エリア読込み完了フラグが「1」であるか否かが判断される。初期状態では、ステップP1においてフラグは全て0クリアされているので「NO」と判断して、次に説明する図6に示す処理に移行する。
【0024】
タイマ割込み処理におけるEEPROM5の読出し制御部分処理(以下、単に制御部分処理と称す)のフローチャートを示す図6において、まず、「EEPROM読込み要求フラグ=1?」の処理ステップS1において、EEPROM読込み要求フラグが「1」にセットされているか否かが判断される。ここでは、ステップP3において「1」にセットされているので「YES」と判断して、次の「アドレス(N)から読出し」の処理ステップS2に移行して、ステップP2において初期化され、アドレスカウンタのカウント値Nが示しているEEPROM5の先頭アドレスの記憶内容(水温センサオープン/ショート判定値)を、シリアルバスを介して読出す。そして、「RAMに転送」の処理ステップS3に移行する。
【0025】
処理ステップS3においては、ステップS2で読出したEEPROM5の記憶内容を、RAM3の作業領域として割当てられている領域に転送する。そして、次の「第1エリアの読込み完了?」の判断ステップS4に移行して、EEPROM5の第1エリアの最終アドレスとして設定されている値とカウンタ値Nとを比較する。この時点では、判断ステップS4では「NO」と判断して、「N=N+1」の処理ステップS5に移行してアドレスカウンタのカウント値Nをインクリメントすると、タイマ割込み処理を抜けて、図示しないメインルーチンにリターンする。
【0026】
ここまでの図4乃至図6に示した処理が、タイマ割込みが入る8ms毎に繰返されることにより、EEPROM5の第1エリアの記憶内容は、先頭から1アドレスずつ読出されてRAM3に転送される。そして、アドレスカウンタのカウント値NがステップS5においてインクリメントされて行き、第1エリアの最終アドレスとして設定されている値と等しくなると、ステップS4において「YES」と判断して、次の「第1エリア読込み完了フラグセット」の処理ステップS6に移行する。
【0027】
処理ステップS6においては、第1エリアの読込み完了を示す、第1エリア読込み完了フラグを「1」にセットし、「第2エリアの読込み完了?」の判断ステップS7に移行して、アドレスカウンタのカウント値Nが第2エリアの最終アドレスとして設定されている値と比較される。この時点では、判断ステップS7では「NO」と判断して、処理ステップS5に移行してアドレスカウンタのカウント値Nをインクリメントすると(この時点で、カウント値Nは第2エリアの先頭アドレスに等しくなる)、タイマ割込み処理を抜けて、図示しないメインルーチンにリターンする。
【0028】
次にタイマ割込みが入ると、第1エリアの読込み完了フラグは「1」にセットされているため、図5のステップR1においては「YES」と判断する。そして、「外部診断装置接続?」の判断ステップR2に移行すると、外部診断装置9がECU6に接続されているか否か(特殊要件が成立しているか否か)が判断される。ここで、外部診断装置9が接続されているとすると、判断ステップR2において「YES」と判断し、次の「外部診断装置から処理コマンド受信?」の判断ステップR3に移行して、外部診断装置9から処理コマンドを受信したか否かが判断される。
【0029】
判断ステップR3において、外部診断装置9から処理コマンドを受信しておらず「NO」と判断すると、図5に示す実行部分処理を抜けて、図6に示す制御部分処理に移行する。判断ステップR3において、外部診断装置9から処理コマンドを受信しており「YES」と判断すると、次の「処理コマンドは1か?」の判断ステップR4に移行して外部診断装置9からの処理コマンドの内容が「1」か否(「0」)かを判断する。この場合、処理コマンドの内容「1」は第2エリアの記憶内容の実行必要を示し、逆に、内容「0」は実行不要を示す。この判断ステップR4で「YES」と判断すると、次の「第2エリア読込み完了フラグ=1?」の判断ステップR5に移行して、EEPROM5の第2エリアの読込み完了を示す、第2エリア読込み完了フラグが「1」にセットされているか否かが判断される。この時点では、EEPROM5の第2エリアはまだ読込まれていないので、判断ステップR5において「NO」と判断して、図5に示す実行部分処理を抜けて、図6に示す制御部分処理に移行する。
【0030】
そして、図6のステップS2においては、この時点でアドレスカウンタのカウント値Nが示しているEEPROM5の第2エリアの先頭アドレスの記憶内容(水温センサ診断データ出力プログラムの先頭部分)が読出される。そして、第1エリアの場合と同様に、次のステップS3において、その記憶内容はRAM3に転送される。
【0031】
次のステップS4においては、第1エリアの読込みは完了しているので「YES」と判断して、ステップS6でのフラグセット動作を繰返す。次のステップS7においては、この時点では「NO」と判断するので、ステップS5でカウント値Nをインクリメントすると、タイマ割込み処理を抜けて図示しないメインルーチンに移行する。
【0032】
以降ここまでの処理は、タイマ割込みが入る8ms毎に繰返されることにより、EEPROM5の第2エリアの記憶内容は、前述した第1エリアの場合と同様に、先頭から1アドレスずつ読出されてRAM3に転送される。そして、カウント値NがステップS5においてインクリメントされて行き、第2エリアの最終アドレスとして設定されている値と等しくなると、ステップS7において「YES」と判断して、次の「第2エリア読込み完了フラグセット」の処理ステップS8に移行する。
【0033】
処理ステップS8においては、第2エリアの読込み完了を示す、第2エリア読込み完了フラグが「1」にセットされると、次の「EEPROM読込み要求フラグリセット」の処理ステップS9に移行して、ステップP3において「1」にセットされたEEPROM読込み要求フラグを「0」にしてリセットすると、タイマ割込み処理を抜けてメインルーチンにリターンする。この時点以降のタイマ割込時の処理では、ステップS1において「NO」と判断するため、それ以降の図6に示す制御部分処理は行われずに割込み処理ルーチンを抜けてリターンする。
【0034】
そして、次のタイマ割込み処理では、第2エリアの読込み完了フラグがセットされているので、図5のステップR4において「YES」と判断されてステップR5に移行すると、ここで「YES」と判断して、次の「第1及び第2エリアの処理実行」の処理ステップR6に移行する。
【0035】
処理ステップR6においては、RAM3に転送されたEEPROM5の第1エリアの故障診断プログラム及び判定値データが読出され、水温センサや吸気温センサなどのセンサ7や、ISCバルブなどのアクチュエータ8に対してその診断プログラムが実行される。そして、その実行結果である診断データは、RAM3に書込まれて記憶されると共に、診断した部分に異常があった場合は、パネルの表示ランプを点灯させるなどして、運転者に異常の報知を行う。
【0036】
診断プログラムによる故障診断が終了すると、次に、RAM3に転送されたEEPROM5の第2エリアの診断データ出力プログラムが読出され、その出力プログラムに従って、RAM3に記憶された診断データが読出されて外部診断装置9に対してシリアルバスを介して出力される。すると、図5の実行部分処理を終了する。そして、外部診断装置9は、ECU6から診断データが与えられると、その診断データを図示しない表示部などに表示させる。
【0037】
また、第1エリア読込み完了フラグがセットされた後、ステップR2に移行した時点で外部診断装置9が接続されておらず、ステップR2において「NO」と判断した場合は、外部診断装置9に対して診断データを送信する必要はなく、EEPROM5の第2エリアに記憶された出力プログラムの読出し要求はないと判断して、次の「EEPROM読込み要求フラグリセット」の処理ステップR7に移行して、ここでEEPROM読込み要求フラグは「0」にリセットされる。従って、これ以降は、図6の読出し制御処理はステップS1で「NO」と判断されてすぐに処理を抜けるので、EEPROM5の第2エリアの読出しは行われない。そして、次の「第1エリアの処理実行」の処理ステップR8に移行して、EEPROM5の第1エリアの診断プログラムの実行がステップR6と同様に行われると、図5の実行部分処理を終了する。
【0038】
更に、第1エリア読込み完了フラグがセットされた後、ステップR3に移行した時点で外部診断装置9からの処理コマンドを受信しなかった場合には、ステップR3で「NO」と判断して、第2エリアの記憶内容のRAM3への転送が完了しても、ステップR4へは移行しない。勿論、その後に、外部診断装置9から処理コマンドを受信した場合には、ステップR3で「YES」と判断してステップR4に移行する。そして、ステップR4で「YES」と判断したときにはステップR5及びR6へと移行する。
【0039】
しかしながら、ステップR4で「NO」と判断した場合には、第2エリアの記憶内容のRAM3への転送は完了していても、その実行は不要と判断してステップR7に移行するようになる。
【0040】
以上のように本実施例によれば、自動車のエンジン制御を行うECU6内部に配置させたEEPROM5の記憶エリアを、エンジン始動後に通常実行される故障診断プログラムやそのプログラムに使用される判定値データなどを記憶させた第1エリアと、ECU6に外部診断装置9が接続された場合に、外部診断装置9に対して診断データを送信するための診断データ出力用プログラムを記憶させた第2エリアとに分別して構成し、CPU1は、第1エリアの記憶内容を先にRAM3に対して転送して、第2エリアの記憶内容は、外部診断装置9が接続されているときにはRAM3に対して転送し、接続されていないときにはRAM3に対する転送を行わない(中止する)ように構成した。
【0041】
従って、従来とは異なり、外部診断装置9が接続されていない場合は不必要なEEPROM5の第2エリアの読出し処理を行うことがなく、CPU1の読出し処理の負担を軽減することができるので、処理時間を短縮することができ、その軽減された負担の分を、他の有効な処理に対して割当てることも可能である。
【0042】
また、CPU1に対して外部診断装置9が接続されていた場合において、外部診断装置9から処理コマンドが送信されてこなかったときには、RAM3に対して第1エリアの記憶内容の転送が終了すれば、引き続いてRAM3に対する第2エリアの記憶内容の転送が開始されるようになるが、この第2エリアの記憶内容の転送が終了しても実行はされない。そして、外部診断装置9からの処理コマンドをCPU1が受信し、且つ、その処理コマンドの内容が実行必要の場合には、RAM3に転送された第1エリア及び第2エリアの記憶内容を実行する。
【0043】
従って、RAM3に転送された第1エリア及び第2エリアの記憶内容の実行は所望の時に行わせることができる。しかも、第2エリアの記憶内容がRAM3への転送中であっても、外部診断装置9の処理コマンドの内容を実行不要とすることにより、その転送を中断することができる。
【0044】
本発明は上記しかつ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形が可能である。
EEPROM5に記憶させるデータ若しくはプログラムを、故障診断に関するものとしたが、これに限らず、車両に関するものであれば例えば車両盗難防止装置でも良く、キー内に記憶されている暗証コードが正規なものかを照合するコード照合ユニットに使われるEEPROMにおいて、通常良く使うキー内に記憶されている暗証コードと照合される第1の暗証コードをEEPROMの第1エリアに記憶しておき、コード照合ユニット自体の動作を検査する際に使用され、外部装置から入力された特定暗証コードと照合される第2の暗証コードを第2エリアに記憶する実施例もある。要は、使用頻度の高いものをEEPROMに第1エリアとして記憶させ、且つ、使用頻度の低いものを第2エリアとして記憶させて、第2エリアについては読出し要求が無い(特殊要件が成立していない)と判断すると読出しを行わないように制御すれば良い。
【0045】
タイマ割込み周期を8msとしたが、その周期をこれより長くまたは短くしても良い。また、図6に示したEEPROM5の読出し制御処理に関してのみ、例えば2msの短い周期の割込みで実行させることにより、高速に処理することも可能である。更に、図6に示したEEPROM5の読出し制御処理を、1回の割込み処理時にループ処理によって、複数アドレスの読出し及びRAM3への転送を行うように構成しても良い。
【0046】
一連のタイマ割込み処理として図4,図5及び図6の各図に示した処理をそれぞれ一つのプログラムモジュールとして構成した場合は、タイマ割込み処理におけるその各モジュールの処理順序は、図4,図5,図6の順序に限らず、任意に変更が可能である。第2実施例についても、図9,図10,図6について同様に変更が可能である。
また、対象を自動車に限ることはなく、車両一般に対して適宜応用することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通りであるので、以下の効果を奏する。
請求項1記載の車両用制御装置によれば、制御手段は、不揮発性記憶手段より使用頻度の高い第1エリアの記憶内容を先に作業用記憶手段に転送し、使用頻度の低い第2エリアの記憶内容については、特殊要件が成立したときに読出して作業用記憶手段に転送するので、不必要な読出し及び転送処理を行うことがなく、処理の負担を軽減することができる。
【0048】
そして、特殊要件が成立している場合でも、第1エリアの記憶内容を転送した後に外部より当該記憶内容についての実行要求があった場合には、第2エリアの記憶内容の転送を中止して第1エリアの記憶内容を実行することを選択的に行うことができる。
【0049】
この場合、不揮発性記憶手段に記憶される補助プログラム若しくはデータを、車両の故障診断に関するプログラム若しくはデータとすれば、低い頻度で使用される第2エリアの記憶内容は、外部より故障診断の処理に関して必要な時だけ読出されて、作業用記憶手段に転送される(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電気的構成を示すブロック図
【図2】EEPROMのアドレスマップ
【図3】イニシャライズ処理の制御内容を示すフローチャート
【図4】タイマ割込み処理における外部診断装置の接続状態に伴うフローチャート
【図5】タイマ割込み処理におけるEEPROMに記憶されたプログラムの実行部分を示すフローチャート
【図6】タイマ割込み処理におけるEEPROMの読出し制御部分を示すフローチャート
【符号の説明】
1はCPU(制御手段)、2及び10はROM(制御プログラム記憶手段)、3はRAM(作業用記憶手段)、5及び11はEEPROM(不揮発性記憶手段)、6及び12はエンジン制御ECU(車両用制御装置)、9は外部診断装置を示す。
Claims (2)
- 制御プログラムが記憶される制御プログラム記憶手段と、
作業時にプログラム若しくはデータが転送される作業用記憶手段と、
制御プログラム以外の補助プログラム若しくはデータが記憶されるシリアル通信方式の不揮発性記憶手段と、
制御プログラム記憶手段より読出した制御プログラムを実行すると共に、前記不揮発性記憶手段から読出した補助プログラム若しくはデータを前記作業用記憶手段に転送し、以降は必要に応じて作業用記憶手段から補助プログラムまたはデータを読出して実行する制御手段とを具備した車両用制御装置において、
前記不揮発性記憶手段は、使用頻度の高い補助プログラム若しくはデータが記憶される第1エリアと、使用頻度の低い補助プログラム若しくはデータが記憶される第2エリアとに分別されて記憶され、
前記制御手段は、
第1エリアの記憶内容を先に前記作業用記憶手段に転送し、特殊要件が成立しているときに前記第1エリアの記憶内容に続いて第2エリアの記憶内容を作業用記憶手段に転送するものであり、
前記第1エリアの記憶内容を転送した後に外部より当該記憶内容についての実行要求があった場合には、前記第2エリアの記憶内容の転送を中止して、前記第1エリアの記憶内容を実行するように構成されていることを特徴とする車両用制御装置。 - 不揮発性記憶手段に記憶される補助プログラム若しくはデータは、車両の故障診断に関するプログラム若しくはデータであることを特徴とする請求項1記載の車両用制御装置。
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