JP4488025B2 - インク容器およびそれを用いる印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタあるいはインクジェットプロッタなどとして用いられる印刷装置(インクジェット印刷装置)、およびこのインクジェット印刷装置の本体に着脱されるインク容器に関する。さらに詳しくは、インク容器にインク量情報を記憶する際の処理技術に関する。
インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどとして用いられるインクジェット印刷装置は、インクを収容するインク容器(インクカートリッジ)と、媒体に対する印刷を実行する印刷ヘッドを備える印刷装置本体とから概略構成されている。印刷ヘッドは、インク容器から供給されるインクを印刷用紙等の媒体に付着させることにより媒体に対する印刷を実現する。インク容器は、印刷装置本体に対して着脱可能に形成されている。インク容器には、当初、所定量のインクが収容されており、収容されているインクが空になると、インク容器は新たなものと交換される。そして、この種のインクジェット印刷装置は、印刷処理中における印刷の中断を避けるため、印刷ヘッドからのインクの吐出量に基づいてインク容器内のインク残量を印刷装置本体側で算出し、インク残量が少なくなったときにその旨を報知するように構成されている。
また、インク容器内のインク種、インク量等のインク情報を記憶するための記憶素子を備えるインク容器も提案されている(例えば、WO9605061号公報)。インク容器がこれらのインク情報を保有することにより、このインク容器が装着される印刷装置は、記憶されているインク情報を読み出し、使用されているインクに適した印刷処理を実行することができる。
しかしながら、インク容器が読み出し専用の情報しか保有し得ない場合には、インク容器の使用状態に関する情報、すなわちインク関連情報等を考慮したより適切な印刷処理を実現することができないという問題がある。また、インク容器に対してインク関連情報を書き込み得る場合にも、書き込み処理の中断によって書き込みが不完全に終わる事態が考えられるが、このような場合の対応については何ら考慮されていない。
本発明の課題は、インク容器のコストを低減しつつ、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することのできる、インク容器、そのインク容器を用いる印刷装置、インク容器に備えられる記憶装置およびインク容器に関する情報をインク容器に書き込む方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明の第1の態様は、印刷装置本体に着脱可能に装着され、インク量に関連する複数の情報を不揮発的に記憶する記憶素子を備えるインク容器を提供する。本発明の第1の態様に係るインク用において、前記記憶素子は、前記インク容器の最大容量を記憶し、且つ、前記印刷装置本体によって最初に書き込みされる領域にインクの消費量を記憶し、前記記憶素子に記憶されている情報のうち少なくとも前記インク容器の最大容量および前記インクの消費量は、前記印刷装置本体の電源がオンされたときに、前記印刷装置本体によって読み出され、前記記憶素子から読み出されたインクの消費量と前記最大容量とに基づき前記印刷装置本体によって算出された最新のインクの消費量が、前記印刷装置本体によって前記記憶素子の前記最初に書き込みされる領域に書き込まれる。
また、本発明の第1の態様は、インク量に関連する複数の情報を不揮発的に記憶する記憶素子を備えるインク容器と、印刷ヘッドを備える印刷装置本体と、を備える印刷装置としても実現され得る。本発明の第1の態様に係る印刷装置は、前記インク容器が備える前記記憶素子は、前記インク容器の最大容量を記憶し、且つ、前記印刷装置本体によって最初に書き込みされる領域にインクの消費量を記憶し、前記印刷装置本体は、前記記憶素子から情報を読み出し、さらに、前記記憶素子に情報を書き込む制御部を備え、
前記印刷装置本体が備える制御部は、前記印刷装置本体の電源がオンされたときに、前記記憶素子に記憶されている情報のうち少なくとも前記インク容器の最大容量および前記インクの消費量を読み出し、印刷の実行若しくは前記印刷ヘッドのクリーニングにより前記インク容器から消費されたインク量、前記記憶素子から読み出した前記インクの消費量、前記記憶素子から読み出した前記最大容量とに基づき最新のインクの消費量を算出し、前記算出した前記最新のインクの消費量を前記記憶素子の前記最初に書き込みされる領域に書き込む。
本発明の第1の態様は、印刷装置に装着されるインク容器を提供する。このインク容器は、印刷用インクを収容するインク収容部と、少なくとも前記インク収容部内のインク量に関連する複数の情報を含む所定情報を読み書き可能且つ不揮発的に記憶する記憶部とを備えると共に、前記記憶部は、前記印刷装置によって最初に書き込みされる領域であって、前記インク量に関連する情報を格納するインク量情報記憶領域を有することを特徴とする。
このように、本発明の第1の態様は、インク量に関連する情報を格納するインク量情報記憶領域として印刷装置によって最初に書き込みされる領域を備えるのでインク容器のコストを低減しつつ、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することができる。なお、最初に書き込みされる領域とは、例えば、記憶部の先頭領域であり、あるいは、記憶部の領域であって印刷装置によって最初に書き込みされる領域を意味する。
本発明の第1の態様において、前記インク収容部は前記印刷用インクのインクの種類に応じた数の収容室を有し、前記インク量情報記憶領域は前記印刷用インクの種類に応じた記憶容量を有しても良い。また、前記インク量情報記憶領域は少なくとも3バイトの容量を有しても良い。さらに、前記インク量情報記憶領域は、前記インク容器の交換時または前記印刷装置の電源オフ時に書き込みされる領域であっても良い。
このような構成を備えることにより、インク量情報記憶領域はインク量情報を含む所定情報を十分に格納することができる。また、インク容器が交換される時期、あるいは、インク容器が交換される可能性が高い時期にインク量情報記憶領域は書き込まれるので、インク容器にはインク量情報が確実に記憶される。
本発明の第1の態様において、前記インク収容部は少なくとも異なる3色のインクを収容する3つ以上の収容室を有し、前記インク量情報記憶領域は前記各収容室内のインク量に関連する情報をそれぞれ独立して格納する複数の情報記憶領域を有し、その複数の情報記憶領域にはそれぞれ1バイト以上の容量が割り当てられていても良い。さらに、前記インク量情報記憶領域は少なくとも5バイトの容量を有し、前記インク収容部は少なくとも異なる5色のインクを収容する5つ以上の収容室を有し、前記インク量情報記憶領域は前記各収容室内のインク量に関連する情報をそれぞれ独立して格納する複数の情報記憶領域を有し、その複数の情報記憶領域にはそれぞれ1バイトの容量が割り当てられていても良い。
このような構成を備えることにより、インク種に応じて最適にインク量情報を格納することができる。
また、前記5色のインクは濃色3色と、その濃色3色のうちの2色に対応する淡色2色とを有し、前記インク量情報記憶領域は、前記印刷装置によって最初に書き込みされる領域に前記濃色3色に対応するインク情報を格納する前記情報記憶領域を有し、次に前記淡色2色に対応するインク情報を格納する前記情報記憶領域を有することができる。さらに、前記濃色3色のインクはそれぞれシアン、マゼンタおよびイエローであり、前記淡色2色はそれぞれライトシアンおよびライトマゼンタであり得る。
このような構成を備えることにより、インク容器が濃色3色のみを備える場合、濃色3色および淡色2色を備える場合の双方において、同一の記憶部を用いることができる。
本発明の第1の態様において、前記情報記憶領域は、前記インク容器の交換時または前記印刷装置の電源オフ時に書き込みされる領域であっても良い。また、前記記憶部はクロック信号に同期してシーケンシャルにアクセスされる記憶部であり得る。そして、前記記憶部は複数の記憶領域を有し、前記インク量情報記憶領域は前記記憶部の複数の記憶領域のうち先頭位置に配置されている記憶領域であっても良く、あるいは、前記記憶部は複数の記憶領域を有し、前記インク量情報記憶領域は前記記憶部の複数の記憶領域のうち末尾位置に配置されている記憶領域であっても良い。
このような構成を備えることにより、インク容器が交換される時期、あるいは、インク容器が交換される可能性が高い時期にインク量情報記憶領域は書き込まれるので、インク容器にはインク量情報が確実に記憶される。また、記憶部がシーケンシャルにアクセスされる構造を備える場合には、記憶部の先頭位置または末尾位置から順次アクセスされるので、このような配置構造を備えることにより、インク容器のコストを低減しつつ、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することができる。
なお、本発明の第1の態様において、前記インク量に関連する情報は、インク残量であっても良く、あるいは、前記インク容器に関する累積的なインク消費量であっても良い。
本発明の第2の態様は、印刷装置に装着されるインク容器を提供する。このインク容器は、印刷用インクを収容するインク収容部と、少なくとも前記インク収容部内のインク量に関連する情報を含む所定情報を読み書き可能且つ不揮発的に記憶する記憶部とを備えると共に、前記記憶部はクロック信号に同期してシーケンシャルにアクセスされると共に、読み出し専用情報を記憶するための第1の記憶領域とその第1の記憶領域よりも先に配置され且つ書き換え情報を記憶するための第2の記憶領域とを備えることを特徴とする。
このように、本発明の第2の態様は、インク量に関連する情報を格納するインク量情報記憶領域として、第1の記憶領域よりも先に配置されている第2の記憶領域を備えるのでインク容器のコストを低減しつつ、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することができる。
また、本発明の第2の態様において、前記第2の記憶領域に記憶される情報には、印刷に伴うインク消費量に基づいて前記印刷装置によって算出された前記インク収容部におけるインク残量情報が含まれていても良い。さらに、前記インク収容部として、複数色のインクがそれぞれ収容される複数のインク収容部を備え、前記第2の記憶領域に記憶される情報には、前記印刷装置側によって算出された前記インク収容部毎のインク残量情報が含まれていても良い。
さらに、本発明の第2の態様において、前記第2の記憶領域に記憶される情報には、印刷に伴うインク消費量に基づいて算出された前記インク収容部におけるインク消費量情報が含まれていても良い。また、前記インク消費量情報は、0〜90%の範囲の値を初期値として有することができる。
このように、インク容器に搭載する記憶素子として、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価な記憶部を用いたので、消耗品であるという性質に合ったコストでインク容器を提供できる。また、記憶部において書き換えが行なわれる第2の記憶領域については、読み出し専用データが記憶される第1の記憶領域よりも先にアクセスされる、あるいは、先に配置される構成になっているので、短時間のうちに書き換えを完了することができる。したがって、電源スイッチを切った以降に第2の記憶領域においてデータの書き換えが行なわれる場合でも、プラグがコンセントから抜かれる前にデータの書き換えを完了できる。それ故、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価な記憶手段を用いてインク容器の低コスト化を図っても、データの書き換え異常が発生しにくいという利点がある。
さらに、インク消費量情報の初期値として0〜90%の値を有しているので、インクが使用されたか否か、使用時における補正を前提として保有インク量を示しているか否かを確実に検出することができる。
本発明の第2の態様において、前記第2の記憶領域は、最新のインク残量の情報書き換えが順番に行われる2以上の記憶領域を備えることができる。また、前記第2の記憶領域に記憶される情報には、前記印刷装置本体側で計測されたインク容器を開封してからの経過時間、および前記印刷装置本体側で計測されたインク容器の前記印刷装置本体に対する着脱回数のうちの少なくとも一種類の情報が含まれ得る。さらに、前記第1の記憶領域に記憶される情報には、インク容器の製造年月日、インク容器に収容されているインクの種類、およびインク容器のインク収容容量のうちの少なくとも一種類の情報が含まれ得る。
このような構成を備えることにより、最新のインク残量のデータ書き換えを行なっている途中にプラグがコンセントから抜かれるなどのトラブルがあってデータ書き換えが正常に行なわれなかった場合でも、他の領域には、前回書き換えを行なったデータが必ず、記憶されている。従って、今回のデータ書き換えに異常が発生しても、前回書き換えたデータに基づいてインク残量の監視を継続することができる。
本発明の第1または第2の態様において、前記記憶部は、EEPROMであっても良い。また、前記記憶部は、自身が記憶している情報の項目に関するフォーマット情報を有しても良く、前記フォーマット情報は、前記記憶部の先頭領域に配置されていても良い。
このような構成を備えることにより、フォーマット情報に基づいて必要な情報にアクセスすることが可能となり、記憶容量にかかわりなく所定の領域に短時間でアクセスすることができる。また、フォーマット情報により各形式のインクカートリッジに最適な領域を構築することができる。
本発明に係る第3の態様は、印刷装置に装着されると共に記憶素子を有するインク容器に所定情報を書き込む方法を提供する。この方法は、前記印刷装置にて前記記憶素子に書き込むべきインク容器内のインク量に関連する情報を含む複数の前記所定情報を生成し、生成された複数の前記所定情報のうち前記インク量に関連する情報を前記記憶素子に対して最先に書き込むことを特徴とする。
このように、本発明の第3の態様は、インク量に関連する情報を記憶素子に対して最先に書き込む構成を備えるのでインク容器のコストを低減しつつ、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することができる。
本発明に係る第3の態様において、前記インク量に関連する情報の書き込みは、前記インク容器交換時および電源OFF時に実行され得る。さらに、先頭から印刷用インクの種類に応じた容量は前記インク量情報を示すように前記複数の所定情報を配列し、前記所定情報の書き込みは配列された順序にしたがって前記所定情報を前記記憶素子に対して書き込むことができる。
このような構成を備えることにより、インク容器が交換される可能性が高い時期にインク量情報を書き込むことができるので、インク容器(記憶素子)にはインク量情報が確実に記憶される。また、先頭から印刷用インクの種類に応じた容量分はインク量情報を示すように所定情報が配列されていると共に、その配列順で記憶素子に対する書き込みが実行されるので、インク量情報を迅速、確実に記憶素子に対して書き込むことができる。
本発明に係る第3の態様は、さらに、先頭から少なくとも3バイトは少なくとも異なる3色のインクについてのインク量情報を示すように前記複数の所定情報を配列し、前記所定情報の書き込みは配列された順序にしたがって前記所定情報を前記記憶素子に対して書き込むことができる。またさらに、先頭から少なくとも5バイトは少なくとも異なる5色のインクについてのインク量情報を示すように前記複数の所定情報を配列し、前記所定情報の書き込みは配列された順序にしたがって前記所定情報を前記記憶素子に対して書き込むことができる。
なお、前記5色のインクは濃色3色と、その濃色3色のうちの2色に対応する淡色2色とを有し、前記所定情報の配列は、前記濃色3色に対応するインク量情報を先に配列し、続いて前記淡色2色に対応するインク量情報を配列することができる。また、前記濃色3色のインクはそれぞれシアン、マゼンタおよびイエローであり、前記淡色2色はそれぞれライトシアンおよびライトマゼンタであっても良い。
本発明に係る第3の態様において、前記所定情報の書き込みはシーケンシャルアクセス形式にて実行され得る。また、前記インク量に関連する情報はそのインク容器の累積されたインク消費量であっても良く、あるいは、前記インク量に関連する情報はそのインク容器のインク残量であっても良い。
本発明に係る第4の態様は、前記第1の態様に係るインク容器のうちいずれかのインク容器が装着されて用いられる印刷装置を提供する。この印刷装置は、前記インク容器内のインク量に関連する情報を含む複数の所定情報を記憶する記憶装置と、前記所定情報のうち前記インク量に関連する情報を前記インク容器側の前記インク量情報記憶領域に書き込む書き込み装置とを備えることを特徴とする。
このように、本発明の第4の態様は、インク量に関連する情報をインク容器側のインク量情報記憶領域に書き込む構成を備えるので、インク容器のコストを低減しつつ、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することができる。
本発明に係る第5の態様は、インクを収容すると共に、印刷装置本体に着脱されるインク容器と、該インク容器に収容されたインクを印刷ヘッドから媒体に向けて吐出して該媒体に対する印刷を行う印刷装置本体とを有するインクジェット印刷装置を提供する。このインクジェット印刷装置は、前記インク容器は、記憶部および該記憶部と前記印刷装置本体との間で読み書きを行なう際にクロック信号に基づいてカウントアップあるいはカウントダウンを行なうアドレスカウンタを備えるシーケンシャルアクセス形式の記憶手段とを有し、該記憶手段は、前記記憶部として、前記印刷装置本体からの読み出しのみが行なわれる読み出し専用データを記憶する第1の記憶領域と、アクセス時に当該第1の記憶領域よりも先にアクセスされる領域において前記印刷装置本体との間で読み書きが行なわれる書き換えデータを記憶する第2の記憶領域とを備え、前記インクジェット印刷装置は、クロック信号に対応して読み書きするデータを入出力する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る第5の態様では、インク容器に搭載する記憶素子として、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価な記憶手段を用いたので、消耗品であるという性質に合ったコストでインク容器を提供できる。また、記憶手段において書き換えが行なわれる第2の記憶領域については、読み出し専用データが記憶される第1の記憶領域よりも先にアクセスされる構成になっているので、短時間のうちに書き換えを完了することができる。従って、電源スイッチを切った以降に第2の記憶領域においてデータの書き換えが行なわれる場合でも、プラグがコンセントから抜かれる前にデータの書き換えを完了できる。それ故、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価な記憶手段を用いてインク容器の低コスト化を図っても、データの書き換え異常が発生しにくいという利点がある。
本発明に係る第5の態様において、前記第2の記憶領域に記憶されるデータには、前記印刷ヘッドでのインク消費量に基づいて前記印刷装置本体側で算出された前記インク容器のインク残量データが含まれ得る。また、前記インク容器は、複数色のインクがそれぞれ収容される複数のインク収容部を備え、前記第2の記憶領域に記憶されるデータには、前記印刷装置本体側で算出された前記インク収容部毎のインク残量データが含まれ得る。
本発明に係る第5の態様において、前記第2の記憶領域には、最新のインク残量のデータ書き換えが順番に行われる2以上の記憶領域を備え得る。また、前記インク残量データは、前記印刷装置本体の電源スイッチが切られた以降に書き換えが行なわれ得る。さらに、前記第2の記憶領域に記憶されるデータには、前記印刷装置本体側で計測された前記インク容器を開封してからの経過時間、および前記印刷装置本体側で計測された前記インク容器の前記印刷装置本体に対する着脱回数のうちの少なくとも一種類のデータが含まれ得る。またさらに、前記第1の記憶領域に記憶されるデータには、前記インク容器の製造年月日、前記インク容器に収容されているインクの種類、および前記インク容器のインク収容容量のうちの少なくとも一種類のデータが含まれ得る。さらに、前記記憶手段は、EEPROMであり得る。
本発明に係る第5の態様において、インク残量データは、一連の印刷が完了した後に書き換えが更新されるので、電源スイッチを切ったときに書き換えを行なうのが好ましいが、書き換え途中でプラグがコンセントから抜かれてデータが破壊してしまうと、それ以降、インク残量の監視が行なえなくなる。しかるに本発明では、印刷手段における記憶領域の配列を最適化してあるので、プラグがコンセントから抜かれる前にデータの書き換えを完了でき、データの書き換え異常が発生しにくい。
本発明に係る第5の態様において、前記インク容器は、複数色のインクがそれぞれ収容される複数のインク収容部を備え、前記第2の記憶領域に記憶されるデータには、前記印刷装置本体側で算出された前記インク収容部毎のインク残量データが含まれていることが好ましい。このようにしてインク残量を色別に監視すると、特定の色のインク切れをすぐに判断できるなどの利点がある。
本発明に係る第5の態様において、前記第2の記憶領域には、最新のインク残量のデータ書き換えが順番に行われる2以上の記憶領域を備えていることが好ましい。このように構成すると、万が一に、最新のインク残量のデータ書き換えを行なっている途中にプラグがコンセントから抜かれるなどのトラブルがあってデータ書き換えが正常に行なわれなくても、他の領域には、前回書き換えを行なったデータが必ず、記憶されている。従って、今回のデータ書き換えに異常が発生しても、前回書き換えたデータに基づいてインク残量の監視を継続することができる。
本発明に係る第6の態様は、印刷装置に装着されるインク容器に備えられる記憶装置を提供する。この記憶装置は、前記印刷装置から出力されるクロック信号に基づきカウント値を出力するアドレスカウンタと、出力された前記カウント値に基づいてシーケンシャルにアクセスされると共に複数の所定情報を読み書き可能にかつ不揮発的に記憶する複数の記憶領域を有する記憶素子とを備えることを特徴とする。
このように、本発明に係る第6の態様は、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価な記憶素子を用いたので、消耗品であるという性質に合ったコストでインク容器を提供できる。
本発明に係る第6の態様において、前記記憶領域は、読み出し専用の所定情報を記憶する第1記憶領域と、その第1記憶領域よりも先に配置されていると共に前記インク容器内のインク量に関連する情報を格納する第2記憶領域とを有することができる。また、記印刷装置によって最初に書き込みされる位置に前記インク容器内のインク量に関連する情報を格納するインク量情報記憶領域を有し得る。かかる構成を備えることにより、インク残量等のインク容器に関する情報を迅速、確実に記憶することができる。
また、前記記憶部は、自身が記憶している情報の項目に関するフォーマット情報を有し得る。さらに、前記フォーマット情報は、前記記憶部の先頭領域に配置され得る。またさらに、前記記憶装置はEEPROMであり得る。かかる構成を備えることにより、フォーマット情報に基づいて必要な情報にアクセスすることが可能となり、記憶容量にかかわりなく所定の領域に短時間でアクセスすることができる。また、フォーマット情報により角形式のインクカートリッジに最適な領域を構築することができる。
本発明に係る第7の態様は、インク容器に関するものである。このインク容器は、印刷用インクを収容するインク収容部を備えたものであり、入力されるクロック信号に基づきカウント値を出力するアドレスカウンタと、出力された前記カウント値に基づいてシーケンシャルにアクセスされると共に複数の所定情報を読み書き可能かつ不揮発的に記憶する記憶素子とを備え、前記インク収容部内のインクに関連して更新される情報を、前記記憶素子において、前記カウント値のデフォルト値を用いて最初に読み出される領域に記憶したことを要旨としている。
本発明の第7の態様によれば、インク収容部のインクに関連して更新される情報は、アドレスカウントのカウント値のデフォルト値を用いて最初にアクセスされる領域に記憶されるので、アクセスを高速に行なうことができる。なお、こうしたインク消費量の初期値として、値0ないし所定値の範囲の値を記憶しておくこともできる。記憶しておく値が0であれば、いわゆる満タンの状態であり、最大値となったときが、インク収容部が空の状態を示す。インク容器におけるインク収容部の容量として、例えば通常のインク容器の半分のもの(ハーフボトル)を設計する際には、初期値として、最大値の半分程度の値が記憶しておけば良く、インク容器の容量の設計を自由に行なうことができる。なお、この場合の値0や最大値は、用意した記憶素子の1パイト分を用いて、2進数の00−FFに対応させても良いし、10進数の0−100に対応させてもよい。精度を高くするために2バイト以上を用いてもよい。もとより、値0ないし最大値に対応していれば、どのような値を用いても差し支えない。また、所定値としては、こうした値0ないし最大値に対応して、0よりは大きく90パーセント程度までに対応する値とすることができる。90パーセント程度までの値としたのは、いわゆるクリーニング動作などにより所定量のインクが用いられることがあり、初期値として90パーセントに相当する値以上の値が書き込まれていると、インク容器の交換指示が出されてしまうことがあるからである。もとよりこうした制限がなければ、90パーセント相当以上の値を書き込んでも差し支えない。
以下、図面を参照して、いくつかの好適な実施例に基づき本発明を説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
[第1実施例]
(インクジェット印刷装置の全体構成)
(インクカートリッジおよびカートリッジ搭載部の構成)
(記憶素子80の構成)
(インクジェットプリンタ1の動作)
(第1実施例の効果)
[第2実施例]
(記憶素子1080、1082のデータ構造)
(制御IC200の説明)
(記憶素子1080、1082に対する書き込み処理)
(第2実施例の効果)
[その他の実施例]
[第1実施例]
(インクジェット印刷装置の全体構成)
図1は、以下の各実施例で用いられる本発明を適用したインクジェットプリンタ(印刷装置)の構成を示す斜視図である。図1において、本実施例のプリンタ1は、スキャナSCなどとともにコンピュータPCに対して接続された状態で使用される。コンピュータPCに、オペレーティングシステムや所定のプログラムがロードされ、実行されることにより、これらの装置全体が一体で印刷装置として機能する。コンピュータPCでは、所定のオペレーティングシステム上でアプリケーションプログラムが動作し、スキャナSCから読み込んだ画像などに対して所定の処理を行いつつCRTディスプレイMTに画像を表示する。使用者は、ディスプレイMT上の画像をレタッチするといった処理を行なったのち、印刷を指示すると、オペレーティングシステムに組み込まれたプリンタドライバが起動し、画像データをプリンタ1に転送する。
プリンタドライバは、スキャナSCから入力され、処理された原カラー画像データをプリンタ1が使用する各色のデータに変換し、プリンタ1に出力する。詳細には、原カラー画像データは赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色成分からなり、これを色変換して、プリンタ1に出力する色データであるブラック(K)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロー(Y)の各色に変換する処理や、さらにこれをインクドットの有無に置き換えるいわゆる二値化の処理などを行なう。これらの画像処理は、周知のものなので、詳細な説明は省略する。なお、こうした処理は後述するようにプリンタ1側で行なうこともできる。
キャリッジ101は、タイミングベルト102を介してキャリッジ機構12のキャリッジモータ103に接続されており、ガイド部材104に案内されて印刷用紙105(媒体)の紙幅方向に往復動する。インクジェットプリンタ1は、紙送りローラ106を用いた紙送り機構11も有している。キャリッジ101には印刷用紙105と対向する面、この図に示す例では下面にインクジェット式の印刷ヘッド10が取り付けられている。印刷ヘッド10は、キャリッジ101の上に保持されているインクカートリッジ107K、107F(インク容器)からインクの補給を受け、キャリッジ101の移動に合わせて印刷用紙105にインク滴を吐出してドットを形成し、印刷用紙105に画像や文字を印刷する。
インクカートリッジ107Kのインク収容室117Kには、黒(K)のインクが充填されている。また、インクカートリッジ107Fには、複数のインク収容室107C、107LC、107M、107LM、107Yがそれぞれ独立して形成されている。これらのインク収容室107C、107LC、107M、107LM、107Yには、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロー(Y)のインクがそれぞれ充填されている。したがって、印刷ヘッド10には、各色のインクがインク収容室107C、107LC、107M、107LM、107Yからそれぞれ供給される。これらの各インクはそれぞれ印刷ヘッド10から各色のインク滴として吐出されてカラー印刷が実現される。
インクジェットプリンタ1の非印刷領域(非記憶領域)には、キャッピング装置108が配置され、印刷処理の休止中に印刷ヘッド10のノズル開口部を封止する。このキャッピング装置108によって、印刷処理の休止中における、インクの溶媒成分が揮発することに起因するインク粘度の増大、あるいは、インク膜の形成を抑制することができる。したがって、印刷処理の休止中におけるノズルの目詰まりを防止することができる。また、キャッピング装置108は、印刷処理実行中に行われるフラッシング動作による印刷ヘッド10からのインク滴を受ける。キャッピング装置108の近傍にはワイピング装置109が配置され、このワイピング装置109は、印刷ヘッド10の表面をブレードなどでワイピングすることにより、印刷ヘッド10の表面に付着したインク滓や紙粉を拭き取る。
図2は、本形態のインクジェットプリンタ1の機能ブロック図である。図2において、インクジェットプリンタ1は、プリンタ本体100(印刷装置本体)がプリントコントローラ40とプリントエンジン5とから構成されている。プリントコントローラ40は、コンピュータからの多値階調情報を含む印刷データなどを受信するインターフェース43と、多値階調情報を含む印刷データなどの各種データの記憶を行うRAM44と、各種データ処理を行うためのルーチンなどを記憶したROM45と、CPUなどからなる制御部46と、発振回路47と、印刷ヘッド10への駆動信号COMを発生させる駆動信号発生回路48と、ドットパターンデータに展開された印刷データおよび駆動信号をプリントエンジン5に送信するなどの機能を果たすパラレル入出力インターフェース49とを備えている。
また、プリントコントローラ40にはパラレル入出力インターフェース49を介してパネルスイッチ92および電源91の制御線も接続されている。パネルスイッチ92にて電源OFFが入力されると、プリントコントローラ40はパワーダウン命令(NMI)を電源91に出力し、電源91は待機状態に入る。この待機状態にて、電源91は、電力供給線(図示しない)を介して待機電力をプリントコントローラ40に供給する。すなわち、パネルスイッチ92を介して実行される通常の電源OFF操作ではプリントコントローラ40に対する電力供給は完全には遮断されない。
さらに、プリントコントローラ40は電源91から所定電力が供給されているか否かを監視しており、電源プラグがコンセントから抜かれた場合にもパワーダウン命令(NMI)を発する。電源91にはプラグがコンセントから抜かれた後も所定時間(例えば、0.3秒)にわたり電力供給を実現するために、補償電源装置(例えば、キャパシタ)が備えられている。
さらに、プリントコントローラ40には、キャリッジ101上(図1参照。)に搭載した黒用のインクカートリッジ107Kおよびカラー用のインクカートリッジ107Fに関する情報を記憶しておくEEPROM90も搭載され、詳しくは後述するが、このEEPROM90には、黒用のインクカートリッジ107Kおよびカラー用のインクカートリッジ107Fにおけるインク量に関連する情報(インク残量またはインク消費量)等の所定情報を記憶しておく。またさらに、プリントコントローラ40には、制御部46がアクセス(読み出し/書き込み)を所望する記憶素子80(後述する)のメモリセル81(後述する)のアドレスをクロック数に変換するアドレスデコーダ95が備えられている。
インクジェットプリンタ1では、ノズル開口部23から吐出されるインク滴重量とインク滴の吐出回数とを乗じることによってインク吐出量を算出することができる。インク残量は、このインク吐出量と、印刷ヘッド10の気泡混入による異常発生時等にキャッピング装置108を印刷ヘッド10に圧接させてノズル開口部を密閉し、キャッピング装置108に連通されたポンプ機構(図示せず。)によりインクを吸引して復帰する時に消費されるインク吸引量とに基づくインク消費量を印刷動作開始前のインク残量から減じることによって算出できる。このようなインク残量の算出は、EEPROM90に記憶されているデータなどを用いながら、予めROM45などに格納されているプログラムに基づいて、制御部46が行う。
実施例のプリンタ1では、上述したように、二値化済みのデータを受け取っているが、このデータの配列と実際の印刷ヘッド10のノズルの配列とは一致していない。そこで、制御部46は、RAM44内を受信バッファ44A,中間バッファ44B,出力バッファ44Cに分けて、ドットデータの配列の組み替え処理を行なっている。なお、色変換や二値化の処理をプリンタ1側で行なうという制御も可能である。こうした場合には、プリンタ1は、コンピュータPCなどから送られた多値階調情報を含む印刷データを、インターフェース43を介して印刷装置内部の受信バッファ44Aに保持し、以下の処理を行なう。受信バッファ44Aに保持された印刷データは、コマンド解析が行われてから中間バッファ44Bへ送られる。中間バッファ44B内では、制御部46によって中間コードに変換された中間形式としての印刷データが保持され、各文字の印刷位置、修飾の種類、大きさ、フォントのアドレスなどが付加される処理が制御部46によって実行される。次に、制御部46は、中間バッファ44B内の印刷データを解析し、階調データをデコード化した後の2値化されたドットパターンデータを出力バッファ44Cに展開し記憶させる。
いずれの場合でも、印刷ヘッド10の1スキャン分に相当するドットパターンデータが得られると、このドットパターンデータは、パラレル入出力インターフェース49を介して印刷ヘッド10にシリアル転送される。出力バッファ44Cから1スキャン分に相当するドットパターンデータが出力されると、中間バッファ44Bの内容が消去されて、次の変換処理が行われる。
プリントエンジン5は、印刷ヘッド10と、前記の紙送り機構11と、前記のキャリッジ機構12とを備えている。紙送り機構11は、印刷紙などの印刷媒体を順次送り出して副走査を行うものであり、キャリッジ機構12は、印刷ヘッド10を主走査させるものである。
印刷ヘッド10は、生成されたドットパターンデータを印刷媒体上に形成すべく、所定のタイミングで各ノズル開口部から印刷媒体上に向けてインク滴を吐出させる。駆動信号発生回路48で生成された駆動信号COMは、パラレル入出力インターフェース49を介して印刷ヘッド10の素子駆動回路50に出力される。ここで、印刷ヘッド10には、ノズル開口部23に連通する圧力発生室32および圧電振動子17(圧力発生素子)がノズル開口部23の数だけ形成されており、素子駆動回路50から所定の圧電振動子17に駆動信号COMが与えられると、圧力発生室32が収縮し、ノズル開口部23からインク滴が吐出される。
図3は、印刷ヘッドに形成したノズル開口部のレイアウトを示す説明図である。印刷ヘッド10には、図3に示すように、黒(K)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロー(Y)に対応するノズル開口部23が各色毎に列を形成して並んでいる。
(インクカートリッジおよびカートリッジ搭載部の構成)
このように構成したインクジェットプリンタ1において、インクカートリッジ107K、107Fの基本的な構造は共通する。そこで、図4および図5を参照して、黒用のインクカートリッジ107Kを例にインクカートリッジの構造、およびこのカートリッジをプリンタ本体100に装着するための構造を説明する。
図4は、インクカートリッジおよびプリンタ本体100のカートリッジ装着部の概略構造を示す斜視図である。図5は、このインクカートリッジの内部構造、キャリッジ101上のカートリッジ装着部の内部構造、およびカートリッジ装着部にカートリッジを装着する様子を示す断面図である。
図4において、インクカートリッジ107Kは、内部にインクを収容するインク収容部117Kを構成する合成樹脂製のカートリッジ本体171と、このカートリッジ本体171の側枠部172に内蔵された記憶素子80(記憶手段)とを備えている。この記憶素子80は、インクカートリッジ107Kをプリンタ本体100のカートリッジ装着部18に装着したときに、プリンタ本体100との間で各種のデータを授受する。この記憶素子80は、インクカートリッジ107Kの側枠部172に対して下側が開放状態にある凹部173に装着されているので、複数の接続端子174のみが露出している。
これに対して、カートリッジ装着部18には、インクカートリッジ107Kを装着する空間の底部187に針181が上向きに配置されている。この針181の周りは、インクカートリッジ107Kに形成されているインク供給部175を受け入れる凹部183になっている。この凹部183の内壁には、カートリッジガイド182が3箇所に形成されている。カートリッジ装着部18の内壁184には、コネクタ186が配置され、このコネクタ186には、カートリッジ装着部18にインクカートリッジ107Kを装着したときに記憶素子80の複数の接続端子174がそれぞれ電気的に接続する複数の電極185が形成されている。
次に、カートリッジ装着部18に対してインクカートリッジ107Kを装着する手順を説明する。まず、カートリッジ装着部18にインクカートリッジ107Kを配置する。カートリッジ装着部18の後壁部188には、支持軸191を介して固定レバー192が取り付けられており、この固定レバー192をインクカートリッジ107Kに被さるように倒すと、インクカートリッジ107Kが下方に押されてインク供給部175が凹部183に嵌るとともに、針181がインク供給部175に突き刺さってインクの供給が可能になる。さらに、固定レバー192を倒すと、固定レバー192の先端に形成した係止部193がカートリッジ装着部18に形成した係合具189に係合し、インクカートリッジ107Kが固定される。この状態で、インクカートリッジ107Kの記憶素子80の複数の接続端子174と、カートリッジ装着部18の複数の電極185とがそれぞれ電気的に接続し、プリンタ本体100と記憶素子80の間においてデータの授受が可能となる。
インクカートリッジ107Kの構造は、基本的にはカラー用のインクカートリッジ107Fでも同様であるため、その説明を省略する。ただし、カラー用のインクカートリッジ107Fでは、5色分のインクが各インク収容室に充填され、かつ、これらのインクはそれぞれ別々の経路を辿って印刷ヘッド10に供給される必要がある。したがって、カラー用のインクカートリッジ107Fでは、インク供給部175がインクの色数分だけ形成されている。なお、インクカートリッジ107Fでは、5色分のインクが収容されているが、そこに内蔵されている記憶素子80は1つだけであり、この1つの記憶素子80に、インクカートリッジ107Fの情報および各色のインクの情報が一括して記憶される。
(記憶素子80の構成)
図6は、本形態のインクジェットプリンタに用いたインクカートリッジ107K、107Fに内蔵の記憶素子80の構成を示すブロック図である。図7は本形態のインクジェットプリンタに用いた黒用のインクカートリッジ107Kに内蔵の記憶素子のデータ配列を示す説明図である。図8はカラー用のインクカートリッジ107Fに内蔵の記憶素子のデータ配列を示す説明図である。図9はプリンタ本体100に内蔵のEEPROMのデータ配列を示す説明図である。
インクカートリッジ107K、107Fのいずれにおいても、内部にはインクを収容しておくインク収容部が形成されているとともに、記憶素子80が内蔵され、この記憶素子80として、本形態では、図6にブロック図で示すように、メモリセル81と、このメモリセル81でのデータの読み書きを制御するリード・ライト制御部82と、クロック信号CLKに基づいてリード・ライト制御部82を介してプリンタ本体100とメモリセル81との間でデータの読み書きを行なう際のカウントアップを行なうアドレスカウンタ83とを備えたEEPROMが用いられている。
黒用のインクカートリッジ107Kに備えられている記憶素子80のメモリセル81は、図7に示すように、読み出し専用データを記憶する第1の記憶領域750と、書き換え可能なデータを記憶する第2の記憶領域760とを備えている。プリンタ本体100は、第1の記憶領域750に格納されているデータに対しては読み出しのみが可能であり、第2の記憶領域760に格納されているデータに対しては読み出しおよび書き込みの双方を実行し得る。第2の記憶領域760は、アクセス時に第1の記憶領域750よりも先にアクセスされるアドレスに配置されている。すなわち、第2の記憶領域760は、第1の記憶領域750よりも低いアドレスに配置されている。なお、本実施例においては、「低いアドレス」とは「先頭側のアドレス」を意味するものとする。
ここで、第2の記憶領域760に記憶される書き換え可能データは、最初にアクセスされる順からいえば、各記憶領域701、702に対してそれぞれ割り当てられた第1の黒インク残量データおよび第2の黒インク残量データである。黒インク残量データが2つの記憶領域701、702に割り当てられているのは、これらの領域に対して交互にデータ書き換えを行うためである。したがって、最後に書き換えられた黒インク残量データが記憶領域701に記憶されているデータであれば、記憶領域702に記憶されている黒インク残量データはその一回前のデータであり、次回の書き換えは、この記憶領域702に対して行われる。
これに対して、第1の記憶領域750に記憶される読み出し専用データは、最初にアクセスされる順からいえば、各記憶領域711〜720に対して割り当てられたインクカートリッジ107Kの開封時期データ(年)、インクカートリッジ107Kの開封時期データ(月)、インクカートリッジ107Kのバージョンデータ、顔料系あるいは染料系などといったインクの種類データ、インクカートリッジ107Kの製造年データ、インクカートリッジ107Kの製造月データ、インクカートリッジ107Kの製造日データ、インクカートリッジ107Kの製造ラインデータ、インクカートリッジ107Kのシリアルナンバーデータ、インクカートリッジ107Kが新品であるかリサイクル品であるかを示すリサイクル有無データである。
カラー用のインクカートリッジ107Fに備えられている記憶素子80のメモリセル81も、図8に示すように、読み出し専用データを記憶する第1の記憶領域650と、書き換え可能なデータを記憶する第2の記憶領域660とを備えている。プリンタ本体100は、第1の記憶領域650に格納されているデータに対しては読み出しのみが可能であり、第2の記憶領域660に格納されているデータに対しては読み出しおよび書き込みの双方を実行し得る。第2の記憶領域660は、アクセス時に第1の記憶領域650よりも先にアクセスされるアドレスに配置されている。すなわち、第2の記憶領域660は、第1の記憶領域650よりも低いアドレスに配置されている。
ここで、第2の記憶領域660に記憶される書き換え可能データは、最初にアクセスされる順からいえば、各記憶領域601〜610に対してそれぞれ割り当てられた第1のシアンインク残量データ、第2のシアンインク残量データ、第1のマゼンダインク残量データ、第2のマゼンダインク残量データ、第1のイエローインク残量データ、第2のイエローインク残量データ、第1のライトシアンインク残量データ、第2のライトシアンインク残量データ、第1のライトマゼンダインク残量データ、第2のライトマゼンダインク残量データである。各色のインク残量データが2つの記憶領域に割り当てられているのは、黒用のインクカートリッジ107Kと同様、これらの領域に対して交互にデータ書き換えを行うためである。
これに対して、第1の記憶領域650に記憶される読み出し専用データは、黒用のインクカートリッジ107Kと同様、最初にアクセスされる順からいえば、各記憶領域611〜620に対して割り当てられたインクカートリッジ107Fの開封時期データ(年)、インクカートリッジ107Fの開封時期データ(月)、インクカートリッジ107Fのバージョンデータ、インクの種類データ、製造年データ、製造月データ、製造日データ、製造ラインデータ、シリアルナンバーデータ、リサイクル有無データである。これらのデータは、色にかかわらず共通であるため、各色間で共通のデータとして1種類のみ記憶されている。
これらのデータはいずれも、インクカートリッジ107K、107Fがプリンタ本体100に装着された後、プリンタ本体100の電源がオンされたときに、プリンタ本体100側によって読み出されて、プリンタ本体100に内蔵のEEPROM90に記憶される。したがって、図9に示すように、このEEPROM90の記憶領域801〜835には、黒用のインクカートリッジ107Kおよびカラー用のインクカートリッジ107Fのインク残量など、各記憶素子80に記憶されるすべてのデータを記憶できるようになっている。
(インクジェットプリンタ1の動作)
次に図10〜図13を参照して電源オンから電源オフまでに本実施例に係るインクジェットプリンタ1が実行する基本動作について説明する。図10は電源投入時に実行される処理を示すフローチャートである。図11はインク残量を算出するために実行される処理を示すフローチャートである。図12は本形態のインクジェットプリンタ1において電源オフまでに実行される処理を示すフローチャートである。図13(A)、(B)はそれぞれ、本形態のインクジェットプリンタ1において、プリンタ本体100からインクカートリッジ107K、107Fに内蔵の記憶素子80にインク残量を書き込む際の処理を示すフローチャート、およびこの処理を行う際のタイミングチャートである。
図10を参考にして電源投入後に制御部46によって実行される処理ルーチンについて説明する。インクジェットプリンタ1の電源がオンされると、制御部46はインクカートリッジ107K、107Fの交換が行われたか否かを判断する(ステップS30)。この判断は、例えば、EEPROM90がインクカートリッジ交換フラグを有する場合にはそのフラグを参照することにより、あるいは、各インクカートリッジ107K、107Fの有する製造時分データおよび製造シリアル等に基づいてインクカートリッジ107K、107Fが交換されたか否かを判断することにより実行され得る。インクカートリッジ107K、107Fの交換がなく、単に電源がオンされた場合には(ステップS30:No)、インクカートリッジ107K、107Fの各記憶素子80から記憶されているデータを読み出す(ステップS31)。
これに対して、インクカートリッジ107K、107Fが交換されていると判断した場合には(ステップS30:Yes)、制御部46は取付回数を1つインクリメントしインクカートリッジ107K、107Fの各記憶素子80に書き込む(ステップS32)。そして、制御部46は、インクカートリッジ107K、107Fの各記憶素子80から記憶されているデータを読み出す(ステップS31)。続いて、制御部46は読み出した各データをEEPROM90またはRAM44の所定のアドレスにそれぞれ書き込む(ステップS33)。制御部46は、EEPROM90に記憶されたデータに基づいて、装着されたインクカートリッジ107K、107Fがインクジェットプリンタ1に適合するか否かを判定する(ステップS34)。適合する場合には(ステップS34:Yes)、印刷処理が許可され(ステップS35)印刷準備が完了する(本処理ルーチン終了)。一方、適合しない場合には(ステップS34:No)、印刷処理が許可されず、印刷処理ができない旨パネルスイッチ92上、あるいは、ディスプレイ上に表示される(ステップS36)。
そして、インクジェットプリンタ1は所定の印刷動作を行う。この際に、制御部46は、インク残量を算出する処理を実行する。かかる処理について図11を参照して説明する。印刷処理が開始されるとインク残量算出処理ルーチンが開始される。制御部46は印刷処理が実行中であるか否かを判断する(ステップS40)。印刷処理実行中の場合には、印刷処理が完了するまで待機する(ステップS40:Yes)。一方、印刷処理実行中でない場合には(ステップS40:No)、印刷処理に関連して消費されたインク消費量を算出する(ステップS41)。このインク消費量の算出は、例えば、インク滴重量とインク滴の吐出回数とを乗じることによって、各色毎のインク吐出量を算出し、算出されたインク吐出量と、前記の吸引動作により消費されたインク吸引量とを加算することによって実行される。続いて、制御部46は、EEPROM90に記憶されていたインク残量データを読み出す(ステップS42)。そして、制御部46は読み出したインク残量から算出したインク消費量を減算することで最新のインク残量を算出する(ステップS43)。制御部46は、算出した最新のインク残量をインク残量データとして、EEPROM90に書き込み(ステップS44)、本処理ルーチンは終了する。
ここで、新たに算出したインク残量は、インクジェットプリンタ1のパネルスイッチ92において電源スイッチOFFの操作が行なわれた後にインクカートリッジ107K、107Fの各記憶素子80に書き込まれる。
すなわち、図12に示すように、インクジェットプリンタ1のパネルスイッチ92において電源スイッチがOFFされると、まず、ステップST11においてインクジェットプリンタ1が待機中か否かが判断される(ステップST11)。待機中でない場合には(ステップST11:NO)、進行中のシーケンスを終了させて(ステップST12)、ステップST11に戻る。これに対して、インクジェットプリンタ1が待機中の場合には(ステップST11:YES)、印刷ヘッド10にキャッピングを行なった後(ステップST13)、印刷ヘッド10の駆動条件、例えば、駆動波形の電圧値、各色間の色補正を行うカラーID等を記憶する情報内容を記憶させる(ステップST14)。続いて、タイマー値を記憶させ(ステップST15)、コントロールパネルの内容、例えば、双方向印刷時の調整値を記憶させる(ステップST16)。次に、EEPROM90に記憶されているインク残量をインクカートリッジ107K、107Fの各記憶素子80の各第2の記憶領域660、760に記憶させる(ステップST17)。インク残量を各第2の記憶領域660、760に記憶させる(書き込む)にあたっては、各インクに対して割り当てられている2つの記憶領域に対して交互にインク残量が記憶される。2つの記憶領域のうち、いずれの記憶領域に対する記憶が実行されたかは、例えば、2つの記憶領域の先頭位置にフラグを配し、書き込みが実施された記憶領域のフラグを立てることによって識別し得る。最後に、電源供給をオフにする(ステップST18)。
このような電源オフのための処理のうち、インクカートリッジ107K、107Fの記憶素子80に対するインク残量の書き込みを行う処理を、図6および図13(A)、(B)を参照して詳述する。図13(A)はプリンタ本体100からインクカートリッジに内蔵の記憶素子にインク残量を書き込む際の処理を示すフローチャートである。図13(B)はこの処理を行う際のタイミングチャートである。
図6および図13(A)、(B)に示すように、まず、記憶素子80をイネーブル状態にするためのイネーブル信号CSを送って記憶素子80の選択を行う(ステップST21)。次に、書き込むデータを予め設定しておいたアドレスに割り当てるため、クロック信号CLKによって記憶素子80内のアドレスカウンタ83をカウントアップしておく(ステップST22)。このようにして所定の書き込みアドレスまでカウントアップさせた後、リード・ライト制御部83の端子を切り換え、書き込み状態にする。そして、クロック信号CLKに同期してリード/ライト信号W/Rバー(アクティブ・ローを意味する。)が出力されると、プリンタ本体100は、インク残量データDATAをデータ端子に出力し、インクカートリッジ107K、107Fの記憶素子80への書き込みを行なう(ステップST23)。なお、図13(B)では5つ目のクロック信号CLKに同期して書き込みが実行されているが、これは一般的な書き込みを説明するものであり、本実施例では1つ目のクロック信号CLKに同期してインク残量の書き込みが実行される。
(第1実施例の効果)
このように、本実施例では、インク残量などのデータ記憶をインクカートリッジ107K、107Fの記憶素子80を用いて行なうにあたって、黒用およびカラー用のインクカートリッジ107K、107Fのいずれにおいても、記憶素子80として、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価なEEPROMを用いたので、消耗品であるという性質に合ったコストでインクカートリッジ107K、107Fを提供できる。
また、記憶素子80において書き換えが行なわれる第2の記憶領域660、760については、読み出し専用データが記憶される第1の記憶領域650、750よりも先にアクセスされるアドレスになっている。したがって、パネルスイッチ92において電源スイッチがOFFされた後に第2の記憶領域660、760に対するデータの書き換えを行なう構成であっても、電源プラグがコンセントから抜かれる前にデータの書き換えを完了することができる。この結果、シーケンシャルアクセスしか行なわれない安価な記憶素子80を用いてインクカートリッジ107K、107Fの低コスト化を図っても、データの書き換え異常が発生しにくいという利点がある。
すなわち、インク残量データの書き換え途中で電源プラグがコンセントから抜かれてデータが破壊してしまうと、それ以降、インク残量の監視が行なえなくなる。しかしながら、本実施例では、記憶素子80内の記憶領域650、660、750、760においてインク残量データが記憶領域の先頭領域に配置されるように配列されているので、電源プラグがコンセントから抜かれる前の短時間の内にデータの書き換えを完了することができる。この結果、データの書き換え異常が発生しにくいという利点を有する。
さらに、本形態では、インクカートリッジ107K、107Fのインク種類毎のインク残量データを記憶し、監視するので、カラーで印刷した際に指定した色と相違していたときに、その原因が指定の誤りであったのか、あるいは特定の色のインクが切れていたことによるものであったのかをすぐに判断できるという利点がある。
さらにまた、第2の記憶領域660、760において、最新のインク残量のデータ書き換えは、2つの記憶領域において交互に行なわれる。従って、万が一に、最新のインク残量のデータ書き換えを行なっている途中にプラグがコンセントから抜かれるなどのトラブルがあってデータ書き換えが正常に行なわれなくても、他方の領域には、前回書き換えを行なったデータが必ず、記憶されている。従って、今回のデータ書き換えに異常が発生しても、前回書き換えたデータに基づいてインク残量の監視を継続することができる。
[第2実施例]
次に本発明に係る第2の実施例について説明する。第2実施例においても第1実施例にて用いたインクジェットプリンタ1が適用可能である。したがって、インクジェットプリンタ1の構成の説明は同一の番号を付すことで省略する。ただし、第2実施例では、制御IC200が印刷ヘッド10に備えられており、この制御IC200によって各記憶素子1080、1082に対する書き込みが制御される。なお、説明の都合上、記憶素子1080、1082の説明を先に行い、続いて制御IC200の説明を行うものとする。
(記憶素子1080、1082のデータ構造)
以下、本発明に係る第2実施例に従うインクカートリッジ1107K、1107Fの記憶素子1080、1082について説明する。第2実施例のインクカートリッジ1107K、1107Fは記憶素子1080、1082のメモリセル1081、1083の内部データ構造を除いて第1実施例のインクカートリッジ107K、107Fと同一の構成を有する。したがって、それらの構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施例において各情報はビット単位の容量で記憶されるため、記憶素子1080、1082のアドレスは各情報が記憶されるべき先頭アドレスを意味する。また、各情報はビット単位で連続して記憶されている。
先ず、インクカートリッジ1107Kの記憶素子1080のメモリセル1081のデータ構造について図14を参照して説明する。図14は各情報項目に対するメモリセル1081の内部データ構造(メモリマップ)を右側に、プリンタ本体100からみた制御IC200のアドレスを左側に示す説明図である。メモリセル1081は読み出し・書き込み可能なアドレス00〜18と読み出し専用のアドレス28〜66までを有している。メモリセル1081のアドレス00には黒色インクの残量情報が8ビットの容量にて格納されている。また、アドレス08には印刷ヘッドのクリーニング回数情報が、アドレス10にはインクカートリッジ1107Kの装着回数情報がそれぞれ8ビットの容量にて格納されている。さらに、アドレス18には取り付け時間情報が16ビットの容量で格納されている。このように、黒色インクの残量に関するデータは読み出し・書き込み可能なアドレスの先頭アドレスに割り当てられているので、黒色インクの残量に関するデータは最先に書き込みされ得る。
なお、インク残量に関するデータの初期値は、例えば、百分率で表す場合100であり、印刷処理の実行に伴い0へと減少していく。あるいは、インク残量に代えてインク消費量としても良い。この場合には、初期値は、例えば、百分率で表す場合0であり、印刷処理の実行に伴って100へと増加していく。百分率の計算にあたっては、プリンタ本体100がインクカートリッジ1107K、1107Fの有する最大インク容量データを有しており、その最大インク容量データと実インク消費量とに基づいて百分率が算出される。あるいは、インクカートリッジ1107K、1107Fの記憶素子1080、1082にその最大容量を記憶させるようにしても良い。
インク消費量が用いられる場合には、インク消費量データの初期値として0〜90%の値が書き込まれ得る。通常、データが何も書き込まれていない状態では、メモリデータは「不定」であるが、0〜90%の値を書き込んでおくことでインクが使用されたか否かを確実に検出することができる。また、使用中に適正補正が実行されることを前提として保有インク量を示していることを確実に検出することができる。さらに、インク消費量データの最大値を90%とすることで、印刷処理中におけるインク切れ等が防止される。
インク容量が標準サイズカートリッジの半分であるハーフサイズカートリッジの場合には、インク残量またはインク消費量の初期値を50としてもよく、あるいは、インク残量の初期値を100またはインク消費量の初期値を0としておき、その減率または増率を2倍にしても良い。かかる場合には、標準サイズカートリッジとハーフサイズカートリッジとを併用可能な場合において同一のスケールでインク残量を管理することができる。
インク容器の製造に関連する情報は、例えば、アドレス28には製造年情報が7ビットの容量で、アドレス2Fには製造月情報が4ビットの容量で、アドレス33には製造日情報が5ビットの容量でそれぞれ格納されている。さらに、アドレス38には製造時情報が5ビットの容量で、アドレス3Dには製造分情報が6ビットの容量で、アドレス43には製造シリアル番号情報が8ビットの容量でそれぞれ格納されている。また、アドレス4Bにはリサイクル回数情報が3ビットの容量で、アドレス60にはインクの有効期間情報が6ビットの容量で、アドレス66には開封後有効期間情報が5ビットの容量でそれぞれ格納されている。
次に、インクカートリッジ1107Fの記憶素子1082のメモリセル1083のデータ構造について図15を参照して説明する。図15は各情報項目に対するメモリセル1083の内部データ構造(メモリマップ)を右側に、プリンタ本体100からみた制御IC200のアドレスを左側に示す説明図である。メモリセル1083は読み出し・書き込み可能なアドレス00〜38と読み出し専用のアドレス48〜86までを有している。メモリセル1083のアドレス00にはシアンインクの残量情報が、アドレス08にはマゼンタインクの残量情報が、アドレス10にはイエローインクの残量情報が、アドレス18にはライトシアンインクの容量情報が、アドレス20にはライトマゼンタインクの残量情報がそれぞれ8ビットの容量にて格納されている。
また、アドレス28には印刷ヘッドのクリーニング回数情報が、アドレス30にはインクカートリッジ1107Fの装着回数情報がそれぞれ8ビットの容量にて格納されている。さらに、アドレス38には取り付け時間情報が16ビットの容量にて格納されている。このように、各色インクの残量に関するデータは読み出し・書き込み可能なアドレスの先頭アドレスに割り当てられているので、各色インクの残量に関するデータは最先に書き込みされ得る。また、シアン、マゼンタおよびイエローの各色に関するインク残量情報を先頭3バイト(24ビット)に割り当て、ライトシアンおよびライトマゼンタの各色に関するインク残量情報を続く2バイト(16ビット)に割り当てているので、シアン、マゼンタおよびイエローの3色から構成される3色インクカートリッジに対してもこのまま適用し得る。
ここで、インク残量の初期値は、例えば、百分率で表す場合100であり、印刷処理の実行に伴い0へと減少していく。あるいは、インク残量に代えてインク消費量としても良い。この場合には、初期値は、例えば、百分率で表す場合0であり、印刷処理の実行に伴って100へと増加していく。なお、カラー・インクのインク残量に関するデータの取り扱いは、黒色インクのインク残量に関するデータの取り扱いと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
インク容器の製造に関連する情報は、例えば、アドレス48には製造年情報が7ビットの容量で、アドレス4Fには製造月情報が4ビットの容量で、アドレス53には製造日情報が5ビットの容量でそれぞれ格納されている。さらに、アドレス58には製造時情報が5ビットの容量で、アドレス5Dには製造分情報が6ビットの容量で、アドレス63には製造シリアル番号情報が8ビットの容量でそれぞれ格納されている。また、アドレス6Bにはリサイクル回数情報が3ビットの容量で、アドレス80にはインクの有効期間情報が6ビットの容量で、アドレス86には開封後有効期間情報が5ビットの容量でそれぞれ格納されている。
さらに、プリンタ本体100側から見た制御IC200のアドレスについて図14および図15を参照して説明する。図示のように、制御IC200の下位8ビットアドレスのうち、アドレス00〜10はインクカートリッジ1107Kの記憶素子1080に関する情報に割り当てられており、アドレス20〜34はインクカートリッジ1107Fの記憶素子1082に関する情報に割り当てられている。各アドレスには1バイトまたは2バイトのデータ長が割り当てられている。
(制御IC200の説明)
次に、制御IC200について図16〜図18を参照して説明する。既述のように本実施例では制御IC200によって各記憶素子1080、1082に対する書き込みが制御される。図16は第2実施例が適用され得るインクジェットプリンタのキャリッジ101の構造を示す分解斜視図である。図17は制御IC200を含む機能ブロック図である。図18はプリンタ本体100と制御IC200と記憶素子との接続関係を模式的に示す説明図である。
図16に示すように、制御IC200はキャリッジ101上に印刷ヘッド10と一体に備えられている。制御IC200はキャリッジ101に配置されている接触機構130を介して各記憶素子1080、1082と接触し、要求に応じて所定情報の書き込みを実行する。図17および図18に示すように、制御IC200は書き込みデータを一時的に保持するRAM210を有すると共に、パラレル入出力インターフェース49を介してプリントコントローラ40と接続され、また、各記憶素子1080、1082と接続されている。すなわち、制御IC200は、プリントコントローラ40とインクカートリッジ1107K、1107F上の記憶素子1080、082との間に配置され、両者の間のデータのやりとりを制御する。なお、図17では図示の都合上、印刷ヘッド10、キャリッジ機構12および制御IC200を別々に示している。
プリントコントローラ40は、入力信号RxD、コマンド選択信号SELを出力して制御IC200に対して所定時間間隔毎に所定情報の書き込みを実行する。書き込まれた所定情報はRAM210に一時的に保持される。ここで、所定時間間隔とは、例えば、1ページの印刷処理が終了する毎、数ラスタの印刷処理が終了する毎、またはマニュアルクリーニングが実行される毎の時間間隔である。また、所定情報には、例えば、インク残量、クリーニング回数、取付回数および取付時間の各情報が含まれる。これに対して、制御IC200は、入力信号RxD、コマンド選択信号SELを受けて、各記憶素子1080、1082から予め読み出して記憶している情報のうちプリントコントローラ40が所望する情報を出力信号TxDとしてプリントコントローラ40に対して出力する。
なお、インク残量データは第1実施例で説明したように算出された後、本体EEPROM90に格納されている。また、クリーニング回数データはクリーニング動作時に本体EEPROM90に格納される。取付回数のデータはインクカートリッジ装着時に制御IC200によって各インクカートリッジの記憶素子1080、1082から読み出され、読み出された値が1つインクリメントされた後に本体EEPROM90に格納される。さらに取付時間データはインクカートリッジ取外し処理時に制御IC200に対して出力され、各インクカートリッジの記憶素子1080、1082に書き込まれる。
プリンタ本体100(プリントコントローラ40)からの命令により制御IC200が記憶素子1080、1082に対して書き込み処理を実行する際に、実施されるデコード処理について簡単に説明する。先ず、制御IC200は、制御部46が書き込みを所望するメモリセル1081、1083のアドレス(ビットデータ)の先頭アドレス*Adfと最終アドレス*Adeとをクロック数に変換する。制御IC200はまた、書き込みを所望するデータ、例えば、インク残量データ(パラレルデータ)をインク残量データ(シリアルデータ)に変換する。続いて、*Adf−1個のクロックパルスを記憶素子1080、1082に対して出力し、さらに、*Ade−Adf個のクロックパルスを記憶素子1080、1082に対して出力すると共に、同期して書き込みデータをシリアル転送する。書き込みデータについては、各記憶素子1080、1082に対する書き込みが実行されるまで制御IC200に一時的に格納されている。あるいは、制御IC200に対するプリントコントローラ40の続く書き込みが、各記憶素子に対する制御IC200の書き込みより早い場合には、新規データで更新される。
なお、制御IC200による各記憶素子1080、1082に対する書き込みは、電源OFF操作時やカートリッジ交換時に実行され、前記所定情報の書き込みが実行される。各記憶素子1080、1082への書き込みに際して、制御IC200はバイトデータをビットデータに変換し、両記憶素子1080、1082に対して並行して書き込み処理を実行する。また、上述のように、制御ICが出力するクロックパルスは、ビット単位のアドレスに対応するものである。
(記憶素子1080、1082に対する書き込み処理)
続いて、各記憶素子1080、1082に対する書き込み動作について図19を参照して説明する。図19は制御IC200により記憶素子1080、1082に対して実行される書き込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
前述のように、電源OFF操作時並びに電源プラグがコンセントから抜かれる等してプリントコントローラ40に対する電力供給が0になると、制御部46はパワーダウン命令(NMI)を発する。制御IC200は、このパワーダウン命令(NMI)を受け取ると記憶素子1080、1082に対する書き込み処理を開始する(ステップS100)。先ず、制御IC200は自己の有する制御レジスタエリアを参照し、各記憶素子1080、1082の読み出し/書き込みBUSYフラグが全てREADY状態にあるか否か、すなわち各記憶素子1080、1082に対する読み出し/書き込み処理が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS110)。読み出し/書き込みBUSYフラグが全てREADY状態にある場合には(ステップS110:Yes)、制御IC200は、各記憶素子1080、1082のNMI書き込みフラグが許可状態にあるか否か、すなわち各記憶素子1080、1082がパワーダウン命令時に書き込みが許可されている記憶素子か否かを確認する(ステップS120)。
NMI書き込み許可状態にある場合には(S120:Yes)、書き込みが許可されているインクカートリッジを確認し(ステップS130)、許可されているインクカートリッジの記憶素子に対して、インク残量、クリーニング回数、取付回数および取付時間の順序で指定のアドレスに指定情報の書き込みを行う(ステップS140)。書き込み終了後、読み出し/書き込みBUSYフラグが全てREADY状態になるまで待機し(ステップS150)、全てREADY状態となったところで(ステップS150:Yes)記憶素子1080、1082に対する制御信号出力(CS1、CS2、CLK1、CLK2、R/W1、R/W2、I/O1、I/O2)をHi−Zとする(ステップS160)。続いて、記憶素子1080、1082に対する電源出力をOFFする(S170)。
ステップS110にて、読み出し/書き込みBUSYフラグが全てREADY状態にない場合には(ステップS110:No)、読み出し/書き込みBUSYフラグが全てREADY状態になるまで待機し(ステップS180)、全てREADY状態となったところで(ステップS180:Yes)、ステップS150に移行してステップS160〜ステップS170を実行する。
また、ステップ120にて各記憶素子1080、1082のNMI書き込みフラグが許可状態にない場合には(S120:No)、ステップS150に移行して、ステップS160〜ステップS170を実行する。
書き込み処理について図20ないし図22を参照してさらに説明する。図20は書き込み処理に際して制御IC200が実行する処理ルーチンを示すフローチャート、図21および図22は書き込み処理を実行する際のタイミングチャートである。なお、図21は先頭アドレスから書き込み処理を実行する際のタイミングチャートを示し、図22はダミー読み出しを介して所望のアドレスから書き込み処理を実行する際のタイミングチャートを示す。
本処理ルーチンが開始すると、図21に示すように、制御IC200はCS信号をローレベルとして記憶素子1080、1082内のアドレスカウンタ83をリセットする(ステップS200)。制御IC200は、次にCS信号をハイレベルとして記憶素子1080、1082をアクティブ状態にする(ステップS210)。続いて、制御IC200は、プリントコントローラ40から受信したプリントコントローラ40がデータの書き込みを所望するアドレスに相当する数のクロックパルスを記憶素子1080、1082に対して出力する(ステップS220)。記憶素子1080、1082内のアドレスカウンタ83は、このクロック信号の立ち下がるタイミングでアドレスをビット単位でインクリメントするので、制御IC200は所望のアドレスを指定することとなる(S230)。続いて、制御IC200は、W/R信号をハイレベルとすることで、記憶素子1080、1082に対する書き込み動作を指定すると共に書き込みすべきデータをデータバスに出力する。この結果、メモリセル1081、1083内の所望のアドレスに書き込みデータを書き込むこととなる(S240)。この後、書き込み処理を終了する。なお、既述のように、本実施例においてアドレスはビット単位で指定されると共にビット単位でインクリメントされる。
なお、指定されたアドレスに連続する次のアドレスに書き込みが実行される場合には、CS信号、W/R信号はHighのまま保持され、次アドレスに対応するクロックパルスが制御IC200から記憶素子1080、1082(アドレスカウンタ83)に入力される。そして、次アドレスが指定された後、制御IC200から出力された書き込みデータの書き込みが実行される。これに対して、指定されたアドレスと不連続な次のアドレスに書き込みが実行される場合には、図22に示すように、制御IC200から記憶素子1080、1082に対するW/R信号がローレベルとされ、次アドレスに到達するまで空読み出しが実行される。そして、次アドレスに到達した後は、制御IC200から記憶素子1080、1082に対するW/R信号がハイレベルとされ、書き込みデータがデータバスに出力されることで書き込みが実行される。
例えば、本実施例に係る記憶素子1080、1082のメモリセルにインク残量を書き込む場合について説明する。本実施例に係る記憶素子1080、1082のメモリセルでは、前述のようにインク残量データを書き込むアドレスとして、記憶素子1080はアドレス00が、記憶素子1082はアドレス00、08、10、18、20が割り当てられている。また、本実施例では、制御IC200が記憶素子1080、1082に対する書き込みを実行する際には、記憶素子1080、1082内のアドレスカウンタが0にリセットされる構成を備えている。したがって、制御IC200が書き込み処理を実行すると、記憶素子1080、1082に対してインク残量データが他のデータよりも先に書き込まれる。
(第2実施例の効果)
この結果、電源がOFFされた後、インク残量データを迅速に記憶素子1080、1082に対して書き込むことが可能となり、電源OFF後、すぐに電源プラグがコンセントから抜かれるような状況であっても十分にインク残量データを記憶素子1080、1082に対して書き込むことができる。
また、上記制御IC200から記憶素子1080、1082への書き込み処理ルーチンは、電源OFFの操作が実行されることなく電源プラグがコンセントから抜かれた場合や、停電時にも実行される。かかる条件においてもNMI命令が発せられるのは既述の通りであり、また、プリンタ本体100の補償電源によってプリントコントローラ40に対して0.3秒間にわたり電力が供給される。このとき、本実施例では、インク残量データは記憶素子1080、1082に対して最初に書き込みされるので、電力が供給されている期間に十分その書き込み処理を終了することができる。
[その他の実施の形態]
第1の実施例では、第2の記憶領域660、760に記憶されるデータがインク残量のみであったが、インクカートリッジ107K、107Fの着脱回数、インクカートリッジ107K、107Fの開封以降の経過時間などを、プリンタ本体100との間でデータの読み出しおよび書き込みが行われる書き換えデータとして、第2の記憶領域660、760に記憶させてもよい。このように、インクカートリッジ107K、107Fの着脱回数を記憶させておけば、インク中(インクカートリッジ内)への気泡の入り具合が相違するので、それに応じてインクカートリッジ107K、107Fから印刷ヘッド10に至る流路へのインクの充填条件(たとえば、フラッシング回数)を最適な条件に合わすことができる。
また、カラー用のインクカートリッジ107Fにおいて、第2の記憶領域660では、最新のインク残量のデータ書き換えを交互に行われる2つの記憶領域を色毎に連続した領域に記憶させたが、それに代えて、今回、書き込みが行われる各色の記憶領域を連続して配置し、それに続いて、次回(または前回)に書き込みが行われる各色の記憶領域を配置してもよい。
さらに、第1実施例では、カラー用のインクカートリッジ107Fにおいて、第2の記憶領域660では、最新のインク残量のデータ書き換えを順番に行われる記憶領域を一つの色あたり2つずつ確保したが、一つの色あたり3つ以上の領域を確保してもよい。
さらにまた、第1および第2実施例では、アドレスカウンタ83としてカウントアップするタイプのものを用いたが、カウントダウンするアドレスカウンタを用いてもよく、この場合にも、第1実施例においては、第2の記憶領域660、760が第1の記憶領域650、750よりも先にアクセスされるようにデータ配列を変更すればよい。すなわち、第2の記憶領域660、760を第1の記憶領域650、750よりも高アドレスに配置する。また、第2実施例においては、先頭アドレスに配置されているインク残量の情報を最終アドレスに配置するようにすればよい。
さらに、第2実施例では、メモリセル内のアドレスの中でプリンタ本体100によって最初にアクセスされる記憶領域に各インク残量データを配置する構成を備えている。しかしながら、図23に示すようにプリンタ本体100によって最初にアクセスされるアドレスにフォーマット情報を備える構成としても良い。図23はメモリセル内のデータ配列構造900を模式的に示す説明図である。フォーマット情報901は、メモリセル内に格納する情報を特定するために用いられ、例えば、インク残量データ等の書き込みに際しては、フォーマット情報901に基づいて書き込み領域を書き込み可能領域902内のインク残量記憶領域903に特定してから必要な書き込みが実行される。したがって、読み出し専用領域904に格納されている情報を不用意に消去してしまうことがない。
また、フォーマット情報901に基づいて必要とする情報にアクセスするため、例えば、黒色インクカートリッジとカラー・インクカートリッジとに用いる記憶素子の使用を共通化した場合であっても、フォーマット情報901を適当に設定することにより読み出し、書き込み等のアクセス時間に時間を要することがない。すなわち、例えば、インク残量データの場合には、各インクカートリッジのインク容量に会わせてインク残量データ記憶領域903の容量をフォーマット情報901により規定すればよい。また、格納すべき情報が少ないインクカートリッジにおいては、フォーマット情報901によりアクセス可能領域を限定することにより、汎用的な記憶素子を用いる場合にも、短いアクセス時間を実現することができる。
また、上記各実施例はインクカートリッジがキャリッジ101上に搭載されているオンキャリッジタイプの印刷装置、およびインクカートリッジがキャリッジ101上に搭載されていないオフキャリッジタイプの印刷装置のいずれの印刷装置に対しても適用することができる。
また、上記各実施例では、インク残量データをメモリアドレスの先頭位置に格納する構成を備えている。しかしながら、インク残量データの格納位置は、プリンタ本体100(プリントコントローラ40)によって最初に書き込みされるメモリアドレスであれば良く、例えば、プリントコントローラ40による書き込み初期アドレスが中間アドレスである場合には、これに応じてインク残量データも中間アドレスに格納される。すなわち、インク残量データの格納位置はメモリセル81、1081、1083の物理的な先頭アドレスである必要はなく、最先に書き込み・読み出しされるメモリアドレスであればよい。
また、上記各実施例では、記憶素子80、1080、1082としてEEPROMを用いたが、それに代えて、シーケンシャルアクセス形式の誘電体メモリ(FEROM)などを用いてもよい。なお、フラッシュメモリは上記EEPROMの範疇に入るものである。
さらに、上記各実施例では、インク量に関連する情報としてインク残量を用いたが、これに代えてインク消費量を用いてもかまわない。
また、各実施例にて用いたインクカートリッジ107K、107F、1107K、1107Fに代えて、図24に示すようなインクカートリッジ500を用いても良い。図24は他の実施例に係るインクカートリッジ500の外観構成を示す斜視図である。
インクカートリッジ500は、ほぼ直方体として形成された容器51にインクを含浸させた多孔質体(図示しない)を収容し、上面を蓋体53により封止されている。容器51の内部には、5色のカラーインクをそれぞれ別個に収容する5つのインク収容部(例えば、インクカートリッジ107F、1107Fにおける107C、107LC、107M、107LM、107Y)が区画形成されている。容器51の底面にはホルダに装着されたときにインク供給針に対向する位置にインク供給口54が各インク色に応じて形成されている。また、インク供給口側の垂直壁55の上端には、本体側のレバーの突起に係合する張出部56が一体に形成されている。この張出部56は、壁55の両側に別個に形成されていると共にリブ56aを有している。さらに下面と壁55との間に三角形上のリブ57が形成されている。また、容器51は誤挿入防止用の凹部59を有している。
垂直壁55のインク供給口形成側には、それぞれのカートリッジ500の幅方向の中心に位置するように凹部58が形成され、ここに回路基板31が装着されている。回路基板31は本体の接点と対向する面に複数の接点を有し、その裏面には記憶素子が実装されている。さらに、垂直壁55には回路基板31の位置決めをするための突起55a、55b、張出部55c、55dが形成されている。
さらに、上記各実施例ではカラー・インクとして、マゼンタ、シアン、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの5色を用いたが他の色の組み合わせ、あるいは、さらに他の色を加えて6色や7色等にした場合にも本発明は適用され得る。
本発明を適用したインクジェットプリンタの要部を示す斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンタの機能ブロック図である。 図1に示す印刷ヘッドに形成したノズル開口部のレイアウトを示す説明図である。 インクカートリッジおよびカートリッジ搭載部の構成を示す斜視図である。 インクカートリッジをカートリッジ搭載部に搭載した様子を示す断面図である。 図1に示すインクジェットプリンタに用いたインクカートリッジに内蔵の記憶素子の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェットプリンタに用いた黒用のインクカートリッジに内蔵の記憶素子のデータ配列を示す説明図である。 図1に示すインクジェットプリンタに用いたカラー用のインクカートリッジに内蔵の記憶素子のデータ配列を示す説明図である。 図1に示すインクジェットプリンタのプリンタ本体に内蔵のEEPROMのデータ配列を示す説明図である。 電源投入時に実行される処理を示すフローチャートである。 インク残量を算出するために実行される処理を示すフローチャートである。 図1に示すインクジェットプリンタにおける電源オフまでに行う処理を示すフローチャートである。 インクジェットプリンタにおいて、プリンタ本体からインクカートリッジに内蔵の記憶素子にインク残量を書き込む際の処理およびそのタイミングを示す説明図である。 第2実施例に従う黒色インクカートリッジについての各情報項目に対するメモリセルの内部データ構造(メモリマップ)を右側に、プリンタ本体100からみた制御ICのアドレスを左側に示す説明図である。 第2実施例に従うカラー・インクカートリッジについての各情報項目に対するメモリセルの内部データ構造(メモリマップ)を右側に、プリンタ本体100からみた制御ICのアドレスを左側に示す説明図である。 第2実施例が適用され得るインクジェットプリンタのキャリッジ構造を示す分解斜視図である。 制御IC200を含むインクジェットプリンタの機能ブロック図である。 プリンタ本体と制御IC200と記憶素子との接続関係を模式的に示す説明図である。 制御IC200により記憶素子1080、1082に対して実行される書き込み処理ルーチンを示すフローチャートである。 書き込み処理を詳細に示すフローチャートである。 書き込み処理を実行する際のタイミングチャートである。 書き込み処理を実行する際のタイミングチャートである。 他の実施例に遵うメモリセル内のデータ配列構造を模式的に示す説明図である。 他の実施例に係るインクカートリッジ500の外観構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…インクジェットプリンタ(インクジェット印刷装置)
5…プリントエンジン
10…印刷ヘッド
17…圧電振動子
23…ノズル開口部
40…プリントコントローラ
46…制御部
80…記憶素子
81…メモリセル
82…リード・ライト制御部
83…アドレスカウンタ
95…アドレスデコーダ
100…プリンタ本体
107K、107F…インクカートリッジ(インク容器)
107C、107LC、107M、107LM、107Y…インク収容部
200…制御IC
210…RAM
650、750…第1の記憶領域
660、760…第1の記憶領域
901…フォーマット情報
902…書き込み可能領域
903…インク残量記憶領域
904…読み出し専用領域
1080、1082…記憶素子
1107K、1107F…インクカートリッジ
COM…駆動信号

Claims (2)

  1. 印刷装置本体に着脱可能に装着され、インク量に関連する複数の情報を不揮発的に記憶する記憶素子を備えるインク容器であって、
    前記記憶素子は、前記インク容器の最大容量を記憶し、且つ、前記印刷装置本体によって最初に書き込みされる領域にインクの消費量を記憶し、
    前記記憶素子に記憶されている情報のうち少なくとも前記インク容器の最大容量および前記インクの消費量は、前記印刷装置本体の電源がオンされたときに、前記印刷装置本体によって読み出され、
    前記記憶素子から読み出されたインクの消費量と前記最大容量とに基づき前記印刷装置本体によって算出された最新のインクの消費量が、前記印刷装置本体によって前記記憶素子の前記最初に書き込みされる領域に書き込まれる、インク容器。
  2. インク量に関連する複数の情報を不揮発的に記憶する記憶素子を備えるインク容器と、印刷ヘッドを備える印刷装置本体と、を備える印刷装置であって、
    前記インク容器が備える前記記憶素子は、前記インク容器の最大容量を記憶し、且つ、前記印刷装置本体によって最初に書き込みされる領域にインクの消費量を記憶し、
    前記印刷装置本体は、前記記憶素子から情報を読み出し、さらに、前記記憶素子に情報を書き込む制御部を備え、
    前記印刷装置本体が備える制御部は、
    前記印刷装置本体の電源がオンされたときに、前記記憶素子に記憶されている情報のうち少なくとも前記インク容器の最大容量および前記インクの消費量を読み出し、
    印刷の実行若しくは前記印刷ヘッドのクリーニングにより前記インク容器から消費されたインク量、前記記憶素子から読み出した前記インクの消費量、前記記憶素子から読み出した前記最大容量とに基づき最新のインクの消費量を算出し、
    前記算出した前記最新のインクの消費量を前記記憶素子の前記最初に書き込みされる領域に書き込む、印刷装置
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