JP3726239B1 - 画像処理プログラム及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の、実在する場所の名称を使った家庭用ゲーム機などコンピュータで実行するタイム又は順位を競うレースゲームでは、その背景映像はポリゴンモデルによる仮想三次元空間の画像であるので、実在する場所の実際の背景映像と比べると違いがあるため、現実感、臨場感、スピード感及び迫力に乏しいものとなっている。
【解決手段】ゲームの開始から終了までに必要な実写映像を動画ファイルとして用意し、ゲームプレーヤーの操作するプレーヤーカーの撮影方向成分速度と撮影時速度に基づいて動画ファイルの再生速度を制御することで得られた背景映像を視点変換して表示することにより、現実感、臨場感を向上させ、前記動画ファイルから表示画像直前の複数画像を合成することによりスピード感と迫力を向上させる。
【選択図】図8

Description

この発明はコンピュータで実行する画像処理プログラムにおける動画背景画像に、実在する場所の実際の映像を表示する画像処理技術に関するものである。
従来の、実在する場所の名称を使った、ある地点からスタートして別の地点までの、又はある地点からスタートして同一地点に戻ってくるまでの、所定のルートを通るコンピュータで実行するタイム又は順位を競うレースゲームなどでは、その背景映像はポリゴンモデルによる仮想三次元空間画像を表示する方法が多く用いられている。
ここで仮想三次元空間画像とは、画像表示要素が三次元座標空間における座標で特定される情報をもった三次元空間内の任意の位置に視点(仮想視点)を設定し、その視点から空間内を見渡した情景とし、その視点を操作者が操作する操作対象物の動きに合わせ、連続的に移動させることにより、あたかも操作者がその三次元空間内を移動しているような感覚を与える画像であり、一般に3Dコンピュータグラフィックスと呼ばれているものである。
しかしながら以上の技術によれば、仮想三次元空間画像であるため、実在する場所の実際の背景映像と比べると違いがある。そのため実在する場所の名称を使ったレースゲームなどでは現実感と臨場感に乏しいものとなっている
また、テレビ放送のレース番組などにおいて、レーシングカーに搭載されたカメラからの映像と仮想三次元空間画像で表示された画像を比べると、実際のカメラ映像では、カメラでの撮影原理を考えると、ある地点の表示映像には前記表示映像の1つ前の映像が撮影された地点から前記表示映像が撮影された地点までの情報が含まれている状態である。しかしながら、仮想空間画像を表示する方法では、スピード感を表示画像の要素を使っての処理方法(特開平11−151379)や、画面にぼかしを入れる処理や過去に表示された画像を合成する処理方法(特開平11−154242)で表現したものであって、前記搭載されたカメラ映像と比べると前記現実感と臨場感のほか、迫力とスピード感に乏しいものとなっている。
そこで、この発明は、実在する場所の名称を使った、所定のルートを通る、コンピュータで実行するタイム又は順位を競うレースゲームなどの背景画像に、実在する実際の映像を操作者に操作違和感を与えること無く表示し、テレビ放送のレース番組などにおいてレーシングカーに搭載されたカメラからの映像のような現実感と臨場感、スピード感、迫力を向上させた背景画像処理プログラム及び装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するために、第1発明は、少なくとも、操作対象物の操作情報に基づいて操作速度と操作方向を出力する処理と、前記操作速度の撮影方向成分に基づいて実写動画背景画像の再生速度を算出する処理と、前記再生速度に基づいて読み出された背景画像を前記操作対象物の表示位置が予め定めた位置となる視点から視点変換した視点変換背景画像を作成する処理と、前記視点変換背景画像に前記操作対象物を重畳表示する処理とを、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムである。
請求項1に記載の第1発明に従い、実在する所定のコースで移動しながら撮影した動画背景画像を用い、前記操作対象物の重畳表示位置が動かないような視点から視点変換した背景画像を用いれば、画像処理プログラムはレースゲームなどの背景画像に実在する場所の実際の映像を操作者に操作違和感を与えること無く表示する画像表示手段としてコンピュータを機能させる。
また、第2発明は、さらに、前回の表示のために前記動画背景画像から読み出された背景画像の次から今回の表示のために読み出された背景画像までの間の背景画像を合成して1つの背景画像として出力するための画像合成処理をコンピュータに実行させるための請求項1記載の画像処理プログラムである。
請求項2に記載の第2発明に従えば、テレビ放送のレース番組などにおいて、レーシングカーに搭載されたカメラ映像のような画像を表示することができるため、現実感と臨場感のほか、迫力とスピード感を向上させることができる。
第3発明は、レースゲームにおいて適用させる上記各処理をコンピュータに実行させるための請求項1または2記載の画像処理プログラムである。
請求項3に記載の第3発明に従えば、実在する所定のコースを通るレースゲームの背景画像に実在する場所の実際の映像を表示する画像表示手段としてコンピュータを機能させ、テレビ放送のレース番組などにおいてレーシングカーに搭載されたカメラ映像のような画像を表示することにより、仮想空間画像よりも現実感と臨場感のほか、迫力とスピード感を向上させたレースゲームを提供することができる。また、レースゲームに不可欠な背景画像に重畳表示する操作対象物からの視点(以下ドライバー視点とする)と前記操作対象物に搭載されたカメラからの視点(以下車載カメラ視点とする)の実写背景画面を提供することができる。
第4発明は、操作対象物の操作情報に基づいて操作速度と操作方向を出力する操作情報出力手段と、前記操作速度の撮影方向成分に基づいて実写動画背景画像の再生速度を算出するための再生速度算出手段と、前記再生速度に基づいて読み出された背景画像を前記操作対象物の表示位置が予め定めた位置となる視点から視点変換した視点変換背景画像を作成するための視点変換手段と、前記視点変換背景画像に前記操作対象物を重畳表示するための重畳表示手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
請求項4に記載の第4発明に従えば、実在する所定のコースを通るレースゲームなどの背景画像に実在する場所の実際の映像を操作者に操作違和感を与えること無く表示する画像処理装置を提供することができる。
第1発明、第2発明、第3発明によれば、実在する所定のコースを通るレースゲームの背景画像に実在する場所の実際の映像を表示し、テレビ放送のレース番組などにおいてレーシングカーに搭載されたカメラ映像のような画像を操作者に操作違和感を与えること無く表示することにより、現実感と臨場感のほか、迫力とスピード感を向上させることができるため興趣性の向上したレースゲームを提供することができる。また、レースゲームに不可欠なドライバー視点と車載カメラ視点の表示映像を提供することができる。第4発明によれば、実在する所定のコースを通るレースゲームなどの背景画像に実在する場所の実際の映像を操作者に操作違和感を与えること無く表示することで、現実感と臨場感の向上した画像処理装置を提供することができる。
ここで前記操作違和感を与えること無く表示するということは、前記操作対象物の表示位置を動かないようにすることによって前記操作対象物の前後左右の動き(背景動画撮影方向成分の動き及びその垂直方向成分の動き)を、背景画像の相対的な動きで表現することである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例について、詳細に説明する。
この実施例は、図に示すように、表示映像の中心あたりに操作対象物であるプレーヤーカーを後方から見下ろす予め定めた視点で重畳表示するレイアウトの画像を表示する、図2に示すようなサーキットコースが実在するものとした、ドライビングゲームであるとする。このゲームは図2に示すサーキットコースの実際の映像を背景に表示するドライビングゲームであり、プレーヤーカーを操作し、静止状態からスタートしてサーキットを1周し、スタートした地点(スタート/ゴール地点301)までのタイムを競うゲームであるとする。
また、この実施例における、動画画像ファイルとは、図2に示すレーシングコースにおいて、ゲーム中プレーヤーカーが通過することができる範囲を含み、ゲーム中の開始地点(図2のスタート/ゴール地点301)から1周を、一定速度で移動しながら撮影したものをMPEG(Moving PictureExperts Group)に準拠した方法で圧縮し、記録媒体2に記録されているものとする。このファイル構造を図3に示す。ただし、図3における各地点の画像イメージは圧縮前のもので、後述する視点変換処理に必要な領域に分割する座標データ及び各画像撮影位置データ及び撮影方向データを含んだものである。
図4はこの発明の画像処理装置が適用されるコンピュータ装置の一実施形態を示す構成ブロック図である。この装置は本体1と、プログラムデータと動画画像ファイルが格納された記録媒体2、プレーヤーのゲーム操作情報を入力する入力装置3、ゲーム中の音を出力するスピーカ4、ゲーム画面を表示するコンピュータ用ディスプレイ5とからなる。
本体1の内部にはCPU(中央演算処理装置)100と、CPU100に接続されたアドレスバス、データバス、制御バスからなるバスライン101を持っている。バスライン101にはデータRAM(メインメモリ)102、入力インターフェース103、ROM104、記録媒体デコーダ105、描画プロセッサ108、伸張回路110、サウンドプロセッサ111、増幅器113が接続される。
このコンピュータ装置は用途に応じて形態が異なる。例えば、このコンピュータ装置が業務用ゲーム装置のときは図1の構成要素すべてが1つの筐体に納められ、例えばドライビングゲームのときの入力装置はハンドル、ブレーキ、アクセルとなり、CPUを備える家庭用ゲーム装置の場合はディスプレイ5とスピーカ4の代わりにTVモニタに接続し、入力装置はゲームコントローラーなどになる。
次に各構成要素について説明する。まずデータRAM102にはゲームプログラム本体、動画画像ファイルを伸張したデータ、ゲームに必要な他データ、ワークエリアなどが格納される。
入力インターフェース103は、入力装置からゲームプレーヤーの操作情報を取り出し、CPU100が処理できる形にする処理をするところである。
ROM104はパーソナルコンピュータにおけるBIOS(Basic Input Output System)が相当し、コンピュータ装置の起動処理、記録媒体2に記録された最初に実行されるプログラムの読み出しと実行を制御するプログラム、基本入出力装置のドライバプログラムなどを格納している。
記録媒体ドライバ107は、例えば記録媒体であるCD−ROM,DVD−ROM,ハードディスクドライブなどからデータをバッファ106に読み出し、記録媒体デコーダ105でECC(Error Correction Code)によるエラー補正訂正処理をした後、CPUの指示にあわせ、読み出したデータをデータRAM102などに送る。
描画プロセッサ108は、CPU100の指示に基づき、描画バッファ109の内容を、画像としてモニタが表示できる信号を作り出すものである。
伸張回路110は、動画に対するMPEGや静止画に対するJPEG(Joint PictureExperts Group)に準拠された圧縮画像を伸張する処理を行う。この実施形態では前記動画画像ファイルから読み出したデータを、実在する場所の実際の画像をレースゲームの背景に使用するために、伸張する処理を行う。
サウンドプロセッサ111は、CPU100の指示に基づき、記録媒体に記録された音データを直接、または一旦バッファ112に格納し、必要に応じて加工した(サウンドエフェクトを施した)、所定の音楽や効果音を生成する。生成された音は増幅器113で増幅され、接続されているスピーカ4から出力される。
図5は、この発明の実施例におけるレースゲームの背景画像に、動画画像ファイルから、現存する場所の実際の映像を操作違和感無く表示する手順を示すプログラムフローチャートである。
まずゲーム処理が開始されると、記録媒体2からデータRAM102の一部に、プレーヤーカーの画像データなどゲーム中必要な初期化データを読み込んだ(ステップS1)後、動画画像ファイルが記録媒体2からデータRAM102の一部にファイル読み込みバッファとして確保された領域へ転送され始める(ステップS2)。
次に、読み込んだデータ量が、読み込みバッファとして確保された量以下で、指定された量に達したか判定する(ステップS3)。ここで読み込み量が指定された量に達した直後、実際のゲームスタートとなる(ステップS4)。このゲームスタートとは、操作者であるゲームプレーヤーが操作対象物であるプレーヤーカーの操作を開始できるようになることである。
ゲームスタートすると、時間計測を開始し、プレーヤーの操作するプレーヤーカーの現在地点まで(ゲーム開始直後はスタート地点)の背景画像を伸張回路110によって伸張する。ここでプレーヤーカーの重畳表示位置が背景画像の撮影方向中心線から撮影方向の垂直方向にどれだけ離れているかを計算し、プレーヤーカーが表示画像の中心となりプレーヤーカーの表示方向が前回と同じになるように背景画像を視点変換処理する(ステップS5)。すなわち、CPU100が行うステップS5の処理は前記操作対象物の表示位置が予め定めた位置となる視点に視点変換した視点変換画像を作成するための処理である
ここでは「特許庁標準技術集、技術分類A−10 実写との合成、視点移動できる2次元映像と3次元CGの合成手法」という視点変換技術を用いる。例えば視点変換処理をする前の背景画像においてプレーヤーカーの重畳表示位置が図1に示すように中心より右の位置であった場合、視点変換処理により図8に示すようにプレーヤーカーを表示画像の中心に表示する。次に、伸張され視点変換された背景画像データを描画バッファ109に転送する。
この「特許庁標準技術集、技術分類A−10 実写との合成、視点移動できる2次元映像と3次元CGの合成手法」とは、一枚の画像を別のカメラアングルから見たように変形し、視点移動が可能な画像合成手法である。CGと実写の自然な合成画像を得るためには、実写撮影のカメラの位置、方向、画角をCG映像制作のカメラアングルと一致させる必要がある。そこで、実写のカメラアングルをCGに一致させるのではなく、カメラ固定の実写映像をCGのカメラアングルに合わせて変形すれば、容易に合成できると考えられるという技術であり、画像に設定された情報といくつかの仮定から、システムは画像を左右、正面壁、天井、床などの領域に分割し、それぞれの3次元座標を求めることにより、オリジナル画像の3次元形状モデルを自動推定する。この3次元形状をもとに、CGのカメラアングルと一致するように2次元映像を変形することにより、実写とCGを自然に合成する、という技術である。(出典:「任意の視点移動を表現する対話的画像再合成」、「情報処理学会研究報告 グラフィックスとCAD 81−11」、(1996年8月23日)、堀井洋一、新井清志著、情報処理学会発行)
図5の説明に戻り、引き続き説明する。ここで上述請求項2に従う合成処理をする場合、前回表示された背景画像の次から今回表示する背景画像までを合成する(ステップS6)。すなわち、この処理は前回表示のために読み出された背景画像の次から今回の表示のために読み出された背景画像までの間の背景画像を1つの背景画像として出力するための画像合成処理である。この実施例では、合成する画像を描画バッファ109に転送し、合成処理はCPU10 0の指示により描画プロセッサ108が行うものとする。
例えば、プレーヤーカーが図2に示すP地点302で撮影方向(図2、P地点302の矢印方向)と同じ方向に撮影速度の3倍の速度で走行している場合、表示する背景画像は、現在位置の画像と、現在位置1枚前と2枚前の画像が合成される。すなわち後述する再生速度算出手段によると現在位置より3枚前の画像はすでに表示されたものであるから合成されない。ここではこれら3枚の画像を33.3%ずつアルファブレンディング方法で合成するものとする。
CPU100の指示で、描画プロセッサ108は、予め読み込んであったプレーヤーカーの画像データと背景画像データを合成した画像を表示する(ステップS7)。すなわち、CPU100の指示で描画プロセッサ108が行うステップS7の処理は、前記視点変換背景画像に前記操作対象物を重畳表示することである。このとき、動画画像ファイルを撮影したときの光源を測定しておき、プレーヤーカーにも同様の光源が当たっているとする処理、プレーヤーカーの影をつける処理などを行うと、より現実感と臨場感を出すことができる。
次に、CPU100は入力インターフェース103からプレーヤー操作情報を取得し(ステップS8)、プレーヤーカーの向きと速度を計算する(ステップS9)。そして、プレーヤーカー速度の表示画像撮影方向成分が、動画画像ファイルの撮影速度の何倍になるか(この何倍かの値をMとする)を計算する(ステップS10)。そして次回に表示される背景画像、前回計算したMの小数部分を加算した後の値の整数部分をNとすると、現在表示されている画像からN枚目であることが決定される(ステップS11)。すなわち、CPU100が行うステップS10からステップS11までの処理は、前記操作対象物の操作速度の撮影方向成分に基づいて動画背景画像の再生速度を算出することである。
ここでステップS8からステップS11までを、プレーヤーオブジェクトが図2のP地点302を走行している状態を例に取り、詳細に説明する。現在表示されている画像は、図のP地点302を含む画像402であり、この画像を撮影したときの撮影速度をV9(図6の501)とする。この図6の501の矢印方向は図2のP地点302の矢印方向と同じである。
まずステップS8の、プレーヤー操作情報とは、プレーヤーがアクセル、ブレーキをどれだけ効かせているか、ハンドルをどちら側へどれだけ回しているかといったことである。ステップS9にて、アクセルの効きによる加速効果、ブレーキによる減速効果、空気抵抗などの走行抵抗効果を、プレーヤーカーの各種パラメータ(重量、エンジン特性、ホイールベース、重心位置など)と、プレーヤーカー以外の各種パラメータ(その地点での風向、風力、路面とタイヤの摩擦係数、路面の傾きなど)を用いて算出しその算出結果を用いて次回に表示される背景画像を決定するための、次回表示時のプレーヤーカーの向きと速度を計算する。この計算の結果、プレーヤーカーの向きが、図6の503の方向になり、速度がV1になったとする。
次にステップS10にて、プレーヤーカー速度の表示画像の撮影方向成分が、動画画像ファイルの撮影速度の何倍になるかといった値Mは、図6の角度差502をKとすると、次式で計算される。
M=V1×cosK/V9+L
ここでLとは前回計算したM値の小数部分であり、Lの値はこの計算後に変更され、次回のプレーヤーカーの速度が撮影速度の何倍かを算出する再生速度算出処理で使われる。
また、V1×cosKとは操作対象物操作速度の撮影方向成分に他ならない。
そして、ステップS11において、Mの整数部分をNとすると、次回表示する背景画像は現在表示されている画像からN枚目であると決定する。すなわち、このときの動画画像ファイルの再生速度がN倍となったことと同義である。
ここでCPU100が行う動画画像ファイルの再生速度算出処理について具体例を挙げて説明する。
今、V1の値が3.4、Kが0.0、V9が1.0、Lの値が0.2だったとすると、Mの値は3.6となる。よってMの整数部分Nは3となり、次回表示する背景画像は現在表示されている画像から3枚目である。ここでLの値は0.6に変更される。
次回の表示画像を決定する計算において、V1、K、V9の値が変わらなかったとすると、Mの値は4.0となる。よってMの整数部分Nは4となり、その次に表示する背景画像は現在表示されている画像から4枚目であり、Lの値は0.0に変更される。
以上のような再生速度算出処理によって、例えばこの再生速度を決定する計算が1秒間に数十回行われ、同じ回数だけ背景を描画するとすると、ゲームプレーヤーから見て、背景映像がプレーヤーカーの速度にほぼ忠実に動くものとすることができる。
図5の説明に戻り、引き続き説明する。ステップS12において、動画画像ファイルの読み込みバッファにある、現在位置背景画像の1つ前まで(使用され終わった)のデータ量だけバッファを空け、バッファの空き容量が指定量以上になったら、動画画像ファイルの続きを読み込む(ステップ13)。
最後に、プレーヤーカーが1周してスタートした地点(スタート/ゴール地点301)に戻ってきたか、言い換えるとゲームが終了したかを判定し、スタートした地点に戻ってきていないときはステップS5に戻る。スタートした地点に戻ってきたときは、1周した時間を保存し、ゲーム終了となる(ステップS14)。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、所定のルートを通るレースゲームの背景画像に実在する場所の実際の映像を操作者に操作違和感を与えること無く表示することにより、現実感と臨場感を向上させたレースゲームとなり、ゲームの興趣性が向上する。また、前回表示された背景画像の次から今回表示する背景画像までを合成して表示することにより、テレビのレース番組における、レーシングカーに搭載されたカメラからの映像のような、スピード感と迫力のある背景画像を表示するレースゲームとなり、ゲームの興趣性が向上する。
「他の実施形態」
上記の実施形態では、動画画像ファイルの撮影時の速度を一定値としたが、動画画像ファイルの1枚1枚の画像に撮影速度情報を入れることで、動画画像ファイルの再生速度を計算できる。この場合は一定速度で撮影しなくともよい。
また、この実施例ではプレーヤーカー以外のオブジェクトは表示していないが、図7に示すような複数台のレースカーで順位を競うレースゲームの場合など、プレーヤー以外のオブジェクトを合成表示したレースゲームとすることもできる。このプレーヤー以外のオブジェクトとは、CPUが操作するオブジェクト、同じコンピュータ装置で他のプレーヤーが操作するオブジェクト、ネットワークを介して他のプレーヤーが操作するオブジェクトなどが考えられる。この図7は車載カメラ視点からの画像である。
上記実施形態では動画画像ファイルにある圧縮された画像は全て伸張しているが、上記請求項2の処理を行わない場合、動画画像ファイルの画像圧縮を前後の画像に依存しない画像圧縮方法で行うことにより、ステップS5の処理にかかる時間が短縮され、ゲーム全体が高速処理される。この方法は、コンピュータ装置の画像伸張処理能力が低い場合に有効である。
以上の実施形態らによれば、実在する場所で所定のルートを通り、実際の映像を背景として表示し、現実感、臨場感、スピード感、迫力のあるコンピュータで実行するタイム又は順位を 競うレースゲームを提供することができる。また、背景画像を実在する場所で撮影するという方法は、仮想三次元空間画像で用いられるポリゴンモデル作成方法に比べ、一般に背景画像作成に要するコストを安く済ませることができる。
さらに、この実施形態に用いられた請求項1〜4の技術は、実在する場所をコースとする、スキーレース、スノーボードレース、スノーモービルレースなどの雪面上でのレースゲーム、ジェットスキーレース、ボートレースなどの水面上でのレースゲームといった多様なゲームの背景画像を、実在する場所の実際の映像とすることにも適用できる。
他に、自動車教習シミュレータなどにも適用できる。
実施例におけるゲーム画像イメージ(視点変換前) 実施例における動画画像を撮影した、実在するとしたサーキットコースレイアウト 実施例における動画画像ファイルの構造(画像イメージは圧縮前のもの) この発明のコンピュータ装置における一実施形態の構成ブロック図である。 この発明の一実施形態を示す、レースゲームにおける、背景画像処理の表示手順を示すフローチャートである。 図2のP地点302を走行中のプレーヤーオブジェクトの走行方向と、動画画像ファイルにあるP地点を含む表示中の背景画像の撮影方向 プレーヤー以外のオブジェクトを合成表示したレースゲームにおけるゲーム画像イメージ(車載カメラ視点) 実施例におけるゲーム画像イメージ(視点変換後)
符号の説明
1 コンピュータ装置本体
2 記録媒体
3 入力装置
4 スピーカ
5 ディスプレイモニタ
100 CPU
101 バスライン
102 データRAM
103 入力インターフェース
104 ROM
105 記録媒体デコー
106 記録媒体バッファ
107 記録媒体ドライバ
108 描画プロセッサ
109 描画バッファ
110 伸張回路
111 サウンドプロセッサ
112 サウンドバッファ
113 増幅器
200 実施例レースゲーム画面
201 サーキットコース実写背景画像
202 プレーヤーカー
300 サーキットコース
301 スタート/ゴール地点
302 プレーヤーカーが走行中のP地点、矢印はこの地点での動画撮影方向
400 動画画像ファイル全体映像
401 スタート地点の画像
402 P地点を含む画像
403 ゴール地点の画像
500 P地点302
501 動画画像ファイル撮影方向
502 動画画像ファイル撮影方向とプレーヤーカー進行方向の角度差
503 プレーヤーカー進行方向
600 プレーヤー以外のオブジェクトを合成表示したレースゲームにおけるゲーム画面
601 サーキットコース実写背景画像
602 プレーヤーカー
603 プレーヤー以外のオブジェクト1
604 プレーヤー以外のオブジェクト2

Claims (4)

  1. 少なくとも、操作対象物の操作情報に基づいて操作速度と操作方向を出力する処理と、前記操作速度の撮影方向成分に基づいて実写動画背景画像の再生速度を算出する処理と、前記再生速度に基づいて読み出された背景画像前記操作対象物の表示位置が予め定めた位置となる視点から視点変換した視点変換背景画像を作成する処理と、前記視点変換背景画像に前記操作対象物を重畳表示する処理とを、コンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
  2. さらに、前回の表示のために前記動画背景画像から読み出された背景画像の次から今回の表示のために読み出された背景画像までの間の背景画像を合成して1つの背景画像として出力するための画像合成処理をコンピュータに実行させるための請求項1記載の画像処理プログラム。
  3. レースゲームにおいて適用させる上記各処理をコンピュータに実行させるための請求項1または2記載の画像処理プログラム。
  4. 操作対象物の操作情報に基づいて操作速度と操作方向を出力する操作情報出力手段と、前記操作速度の撮影方向成分に基づいて実写動画背景画像の再生速度を算出するための再生速度算出手段と、前記再生速度に基づいて読み出された背景画像を前記操作対象物の表示位置が予め定めた位置となる視点から視点変換した視点変換背景画像を作成するための視点変換手段と、前記視点変換背景画像に前記操作対象物を重畳表示するための重畳表示手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
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