JP3725643B2 - 上下開きドア用ウェザーストリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下開きドアを有する車両において、その上下開きドアを構成する上下ドアのいずれかに取り付けられ他方のドアとの見切り部をシールする上下開きドア用ウェザーストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6乃至図11に示すように、例えばバックドアが上下開きドア1,2で構成される車両においては、ボディ側のドア1,2の開口縁部3にインナーウェザーストリップ4が取り付けられ、上ドア1の下ドア2との見切り部Pに沿って見切り部Pの室外側には第1アウターウェザーストリップ5が取り付けられ、見切り部Pの室内側には第1アウターウェザーストリップ5に略平行に第2アウターウェザーストリップ6が取り付けられている。図6は上下開きドア1,2を有する車両後部を示す外観斜視図,図7は上下開きドア1,2が閉じられた場合の図6のA−A線拡大断面図,図8は第1,第2アウターウェザーストリップ5,6とそれらを接続する側端末基部7aを示す拡大斜視図,図9は図8のB−B線断面図,図10は上下開きドア1,2が閉じられた場合のインナーウェザーストリップ4と第1,第2アウターウェザーストリップ5,6の位置関係を示す拡大正面図,および図11は側端末基部8a周りのシール構造を示す拡大斜視図である。インナーウェザーストリップ4は、取り付け部(開口縁部3)となる基部4aとその基部4aに一体成形された中空シール部4bとからなり、ドア閉時に中空シール部4bが上下ドア1,2の内面に弾接して室内外をシールするようになっている。第1,第2アウターウェザーストリップ5,6は、取り付け部(上ドア1)となる基部5a,6aとその基部5a,6aに一体成形された中空シール部5b,6bとからなり、ドア閉時に中空シール部5b,6bが下ドア2の上面に弾接して見切り部Pをシールするようになっている。
【0003】
また、第1アウターウェザーストリップ5の側端末部と第2アウターウェザーストリップ6の側端末部とは型成形によって接続され上ドア1の左右側端末部に沿って側端末基部7a,8aが取り付けられている。そして、側端末基部7a,8aには、図9に示すような断面のシールリップ部7b,8b(シールリップ部8bについては図示していないがシールリップ部7bと左右対称である)が一体成形されていて、ドア閉時には上下ドア1,2の左右側端末と見切り部Pとの間に形成される隙間をシールするようになっている。
【0004】
このように見切り部Pは、その前後は第1,第2アウターウェザーストリップ5,6によってシールされ、その上、その左右はシールリップ部7b,8bによってシールされるため、ほこりや水が進入することが防止される。また、図7に示すように、下ドア2の上面中央部には下ドア2の開閉のためのロック9が設けられているので、第1,第2アウターウェザーストリップ5,6,シールリップ部7b,8bによってロック9にほこりや水がかぶることが保護されている。
【0005】
なお、ここでは第1,第2アウターウェザーストリップ5,6の基部5a,6aおよびそれらを接続する側端末基部7a,8aは上ドア1に取り付けられたものの例を示して説明したが、図12に示すように、それらが下ドア2に取り付けられたものも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建付のバラツキなどにより応力が集中して、側端末基部7a,8a及びそれらに一体成形されたシールリップ部7b,8bはドア閉時、リップが圧縮されて形状が安定しないためシール切れが生じ易いという問題がある。
このため、シール切れが生じた部分からほこりや水が進入し、例えばロック9に錆を発生させたりするおそれがある。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記課題を解消することにあり、シール切れを防止して簡易にほこりや水の進入を防止する上下開きドア用ウェザーストリップを提供することにある。
また他の目的は、シール機構の簡略化によりコストダウンを図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の上下開きドア用ウェザーストリップは、車両用上下開きドア(1,2)の上下いずれかのドア(1)の他方のドア(2)との見切り部(P)に沿って取り付けられた基部(15a)と,基部(15a)の側端末部に、基部(15a)に対して略直角に接続して取り付けられた側端末基部(17a,18a)と,基部(15a)と一体成形され、ドア閉時には上下ドア(1,2)の見切り部(P)をシールする中空のシール部(15b)と,断面略コ字状に側端末基部(17a,18a)に一体成形され、ドア閉時には上下ドア(1,2)の左右側端末と見切り部(P)との間に形成される隙間を2重にシールする外側の第1シールリップ部(17b,18b)およびその内側の第2シールリップ部(17c,18c)と,を備え、前記第1シールリップ部(17b,18b)と第2シールリップ部(17c,18c)を、前記側端末基部(17a,18a)の上方から下方の前記中空のシール部(15b)に向けて二又状に開くようにし、第1シールリップ部(17b,18b)の下端と第2シールリップ部(17c,18c)の下端とを前記中空のシール部(15b)に一体成形させたものである(請求項1)。
【0009】
また、本発明の上下開きドア用ウェザーストリップは、車両用上下開きドア(1,2)の上下いずれかのドア(1)の他方のドア(2)との見切り部(P)に沿って見切り部(P)の室外側および室内側に取り付けられた第1基部(25a)および第2基部(26a)と,第1基部(25a)の側端末部と第2基部(26a)の側端末部とを接続して取り付けられた側端末基部(27a,28a)と,ドア閉時には上下ドア(1,2)の見切り部(P)をシールする第1基部(25a)と一体成形された中空の第1シール部(25b)および中空の第2基部(26a)と一体成形された第2シール部(26b)と,断面略コ字状に側端末基部(27a,28a)に一体成形され、ドア閉時には上下ドア(1,2)の左右側端末と見切り部(P)との間に形成される隙間を2重にシールする外側の第1シールリップ部(27b,28b)およびその内側の第2シールリップ部(27c,28c)と,を備えたものである(請求項2)。
【0010】
なお、括弧内の記号は図面に示し後述する発明の実施の形態の対応要素又は対応事項を示す。
【0011】
請求項1に記載の上下開きドア用ウェザーストリップによれば、ドアに取り付けられたシール部が一体成形された基部の側端末部に接続された側端末基部には外側に一体成形された第1シールリップ部に加えて、その内側には第2シールリップ部が一体成形された2重のシール構造になっていて、ドア閉時には第1,第2シールリップ部およびシール部によって上下ドアの見切り部がシールされる。このような2重のシール構造によって、第2シールリップ部の更に内側に設けられた例えば下ドア開閉用のロックなどにほこりや水がかぶることが保護され、また負荷がかかりやすい側端末基部が強化されるのでシール切れの発生が防止される。
【0012】
また、請求項2に記載の上下開きドア用ウェザーストリップによれば、請求項1の作用効果に加えて、見切り部の室外側に取り付けられた第1シール部が一体成形された第1基部に加えて、見切り部の室内側には第2シール部が一体成形された第2基部が取り付けられているので見切り部に対する外部からのシール効果は一層向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1乃至図3及び図13を参照して、本発明の第1実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップについて説明する。なお、従来例で示した部分と同一の部分には同じ符号を付した。図1は本発明の第1実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップを部分的に示す拡大斜視図,図2は図1のC−C線断面図,および図3は上下開きドア1,2が閉じられた場合のインナーウェザーストリップ4とアウターウェザーストリップ15の位置関係を示す拡大正面図である。また、図13は図1に示したドア用ウェザーストリップを裏側から見た場合を示す拡大斜視図である。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップは、基部15aとそれに一体成形された中空のシール部15bからなる、従来例で示した第1アウターウェザーストリップ5に対応のアウターウェザーストリップ15と,同じく側端末基部7a,8aに対応の側端末基部17a,18aと,側端末基部17a,18aと一体成形され同じくシールリップ部7b,8bに対応の外側の第1シールリップ部17b,18b(18bについては図示しない)と,そして、図2に示すように断面略コ字状に側端末基部17a,18aに一体成形された内側の第2シールリップ部17c,18c(18cについては図示しない)とから構成される。
アウターウェザーストリップ15の基部15aは、車両用上下開きドア1,2の上ドア1の他方の下ドア2との見切り部Pに沿って見切り部Pの室外側に取り付けられていて、側端末基部17a,18aは、その基部15aの側端末部に、基部15aに対して略直角に接続して取り付けられている。またドア閉時に、アウターウェザーストリップ15のシール部15bは、下ドア2の上面に弾接して上下ドア1,2の見切り部Pをシールするとともに、第1シールリップ部17b,18bおよび第2シールリップ部17c,18cは上下ドア1,2の左右側端末と見切り部Pとの間に形成される隙間を2重にシールするようになっている。
【0015】
これによれば、側端末基部17a,18aには外側に一体成形された第1のシール壁となる第1シールリップ部17b,18bに加えて、その内側には第2のシール壁となる第2シールリップ部17c,18cが一体成形された2重のシール構造になっているので、第2シールリップ部17c,18cの更に内側に設けられたロック9にほこりや水がかぶることが保護される。また、2重のシール構造によって負荷がかかりやすい側端末基部17a,18aが強化されたのでシール切れの発生が防止される。
【0016】
(第2実施形態)
図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップについて説明する。なお、従来例で示した部分と同一の部分には同じ符号を付した。図4は本発明の第2実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップを部分的に示す拡大斜視図,および、図5は図4のD−D線断面図である。
【0017】
本発明の第2実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップは、第1基部25aとそれに一体成形された中空の第1シール部25bからなる、従来例で示した第1アウターウェザーストリップ5に対応の第1アウターウェザーストリップ25と,第2基部26aとそれに一体成形された中空の第2シール部26bからなる、従来例で示した第2アウターウェザーストリップ6に対応の第2アウターウェザーストリップ26と,同じく側端末基部7a,8aに対応の側端末基部27a,28a(28aについては図示しない)と,側端末基部27a,28aと一体成形され同じくシールリップ部7b,8bに対応の外側の第1シールリップ部27b,28b(28bについては図示しない)と,そして、図2に示すように断面略コ字状に側端末基部27a,28aに一体成形された内側の第2シールリップ部27c,28c(28cについては図示しない)とから構成される。
【0018】
第1アウターウェザーストリップ25の第1基部25aは、車両用上下開きドア1,2の上ドア1の他方の下ドア2との見切り部Pに沿って見切り部Pの室外側に、また第2アウターウェザーストリップ26の第2基部26aは、上ドア1の他方の下ドア2との見切り部Pに沿って見切り部Pの室内側にそれぞれ取り付けられている。そして、側端末基部27a,28aは、第1基部25aの側端末部と第2基部26aの側端末部とを接続して取り付けられている。またドア閉時に、第1,2アウターウェザーストリップ25,26の第1,第2シール部25b,26bは、下ドア2の上面に弾接して上下ドア1,2の見切り部Pをシールするとともに、第1シールリップ部27b,28bおよび第2シールリップ部27c,28cは上下ドア1,2の左右側端末と見切り部Pとの間に形成される隙間を2重にシールするようになっている。
【0019】
これによれば、第1シールリップ部27b,28bと第2シールリップ部27c,28cという2重のシール構造を有するので第1実施形態と同様にロック9の保護とシール切れの発生が防止されるとともに、第1実施形態の場合と比較して見切り部Pの室内側にも第2アウターウェザーストリップ26が設けられるので材料を使用しコスト的には高くなるものの一層シール効果に優れる。
【0020】
なお、本実施形態では上下開きドア用ウェザーストリップが上ドア1に取り付けドア閉時に下ドア2と弾接するようにした例を示したが、下ドア2に取り付けドア閉時には上ドア1と弾接するようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のとおり、請求項1に記載の上下開きドア用ウェザーストリップによれば、第1シールリップ部および第2シールリップ部からなる2重のシール構造によって、第2シールリップ部の更に内側に設けられた例えば下ドア開閉用のロックなどにほこりや水がかぶることが保護される。また2重のシール構造によって負荷がかかりやすい側端末基部が強化されるのでシール切れの発生が防止される。更に、従来例の場合と比較して従来例の第2アウターウェザーストリップ6(図8)に対応するウェザーストリップを廃止しても2重のシール構造によってシール性は補えるので、機構の簡略化が図れるとともに、コストダウンにつながる。
【0022】
また、請求項2に記載の上下開きドア用ウェザーストリップによれば、請求項1の作用効果に加えて、更にシール効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップを部分的に示す拡大斜視図である。
【図2】図1のC−C線断面図である。
【図3】上下開きドア1,2が閉じられた場合のインナーウェザーストリップ4とアウターウェザーストリップ15の位置関係を示す拡大正面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップを部分的に示す拡大斜視図である。
【図5】図1のD−D線断面図である。
【図6】上下開きドア1,2を有する車両後部を示す外観斜視図である。
【図7】上下開きドア1,2が閉じられた場合の図6のA−A線拡大断面図である。
【図8】第1,第2アウターウェザーストリップ5,6とそれらを接続する側端末基部7aを示す拡大斜視図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】上下開きドア1,2が閉じられた場合のインナーウェザーストリップ4と第1,第2アウターウェザーストリップ5,6の位置関係を示す拡大正面図である。
【図11】側端末基部8a周りのシール構造を示す拡大斜視図である。
【図12】下ドア2に第1,第2アウターウェザーストリップ5,6の基部5a,6aおよびそれらを接続する側端末基部7a,8aが取り付けられた例における、上下開きドア1,2が閉じられた場合の図6のA−A線拡大断面図である。
【図13】図1に示した本発明の第1実施形態に係る上下開きドア用ウェザーストリップを裏側から見た場合を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 上ドア
2 下ドア
3 開口縁部
4 インナーウェザーストリップ
4a 基部
4b 中空シール部
5 第1アウターウェザーストリップ
5a 基部
5b 中空シール部
6 第2アウターウェザーストリップ
6a 基部
6b 中空シール部
7a,8a 側端末基部
7b,8b シールリップ部
9 ロック
15 アウターウェザーストリップ
15a 基部
15b シール部
17a,18a 側端末基部
17b,18b 第1シールリップ部
17c,18c 第2シールリップ部
25 第1アウターウェザーストリップ
25a 第1基部
25b 第1シール部
26 第2アウターウェザーストリップ
26a 第2基部
26b 第2シール部
27a,28a 側端末基部
27b,28b 第1シールリップ部
27c,28c 第2シールリップ部
Claims (2)
- 車両用上下開きドアの上下いずれかのドアの他方のドアとの見切り部に沿って取り付けられた基部と,該基部の側端末部に、基部に対して略直角に接続して取り付けられた側端末基部と,前記基部と一体成形され、ドア閉時には上下ドアの見切り部をシールする中空のシール部と,断面略コ字状に前記側端末基部に一体成形され、ドア閉時には上下ドアの左右側端末と見切り部との間に形成される隙間を2重にシールする外側の第1シールリップ部およびその内側の第2シールリップ部と,を備え、前記第1シールリップ部と第2シールリップ部を、前記側端末基部の上方から下方の前記中空のシール部に向けて二又状に開くようにし、第1シールリップ部の下端と第2シールリップ部の下端とを前記中空のシール部に一体成形させたことを特徴とする上下開きドア用ウェザーストリップ。
- 車両用上下開きドアの上下いずれかのドアの他方のドアとの見切り部に沿って見切り部の室外側および室内側に取り付けられた第1基部および第2基部と,該第1基部の側端末部と第2基部の側端末部とを接続して取り付けられた側端末基部と,ドア閉時には上下ドアの見切り部をシールする前記第1基部と一体成形された中空の第1シール部および中空の第2基部と一体成形された第2シール部と,断面略コ字状に前記側端末基部に一体成形され、ドア閉時には上下ドアの左右側端末と見切り部との間に形成される隙間を2重にシールする外側の第1シールリップ部およびその内側の第2シールリップ部と,を備えたことを特徴とする上下開きドア用ウェザーストリップ。
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JP33458796A JP3725643B2 (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 上下開きドア用ウェザーストリップ |
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JP33458796A Expired - Lifetime JP3725643B2 (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 上下開きドア用ウェザーストリップ |
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1996
- 1996-11-29 JP JP33458796A patent/JP3725643B2/ja not_active Expired - Lifetime
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