JP3724939B2 - NOxガス濃度検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、船舶、飛行機等の移動用、産業用の内燃機関の排ガス中のNOxガス濃度を測定するガスセンサ、あるいはボイラ等の燃焼ガス中のNOxガス濃度を測定するガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、排ガス規制の強化に伴い、エンジン等の排ガス中のNOxやHC、CO濃度を直接測定し、エンジン制御や触媒のコントロールを行う研究が行われている。このためのNOxガス濃度検出器として、例えばSAE paper No.960334 p137〜142 1996には、薄板状ジルコニアからなる固体電解質層の積層体の内部に一の固体電解質層に沿って順に第1拡散孔、前記第1拡散孔を介して測定雰囲気と連通する第1空隙部、第2拡散孔、及び前記第2拡散孔を介して前記第1空隙部と連通する第2空隙部を配し、前記第1空隙部に面して第1酸素イオンポンプセルと酸素濃度測定セルを設け、前記第2空隙部に面して第2酸素イオンポンプセルを設け、前記酸素濃度測定セルにより前記第1空隙部内の酸素濃度を測定し、該測定に基づいて前記第1酸素イオンポンプセルにより前記第1空隙部内の酸素を汲み出すことにより、前記第2空隙部内に酸素濃度制御されたガスが拡散し、前記第2酸素イオンポンプセルの一対の電極に所定の電圧を印加し、該一対の電極の内前記第2空隙部に面する方の電極上でNOxが分解され、解離した酸素がイオンとなって前記第2酸素イオンポンプセルを構成する固体電解質層を通ることにより該一対の電極間に流れる酸素ポンプ電流に基づいてNOxガス濃度を検出するガスセンサが記載されている。なお、前記酸素濃度測定セルが備える一対の電極の内、酸素濃度測定電極は第1空隙部に、酸素濃度基準電極は大気側に面して配置されている。また、前記第2酸素イオンポンプセルの一対の電極の内一方の電極は第2空隙部、他方の電極は大気側に面して配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の検出器においては被測定ガス中のNOxガス濃度が一定であっても酸素濃度が変化した場合、検出器出力である前記酸素ポンプ電流の値が変動し、NOxガス濃度を高精度に検出することが困難である。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、精度良くNOxガス濃度を検出できる構造を有するNOxガス濃度検出器を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの知見によれば、上記従来の検出器においてはNOxが分解しないレベルに酸素濃度(分圧)を制御するための酸素濃度検知セルを第1空隙部側に設置し、NOxガス濃度を検出する第2の酸素イオンポンプセルを第2空隙部側に設置しているため、酸素濃度検知セルによって検出される酸素濃度と、第2酸素イオンポンプセルが備える第2空隙部側の電極上の酸素濃度に誤差が生じる場合があると考えられる。このタイプのNOxガス濃度検出器は、NOxが解離して生じる酸素イオンによって固体電解質層上に設けられた一対の電極間に流れる酸素ポンプ電流に基づきNOxガス濃度を測定している。従って、前記酸素ポンプ電流値は第2酸素イオンポンプセルが備える第2空隙部側の電極上の酸素濃度に影響を受けるところ、NOxガス濃度を精度よく検出するためには、該電極上の酸素濃度を正確に検出し、該検出に基づいて第1酸素イオンポンプセルにより酸素の汲み出しを行い、該電極上の酸素濃度を所定濃度に維持する必要があると考えられる。
【0006】
本発明の第1の視点によればNOxガス濃度検出器は次の要素を含む。即ち、第1拡散抵抗を介して被測定ガスが導入される第1空隙部がある。第1空隙部から第2拡散抵抗を介してガスが導入される第2空隙部がある。前記第2空隙部内に配置され、前記被測定ガス中の酸素濃度を測定するための酸素濃度検知電極がある。前記第1空隙部に面して設けられると共に、前記第1空隙部の内部と外部に設けられた一対の電極を備え、前記酸素濃度検知電極の電位に基づき、前記第1空隙部から酸素を全てのNOxが分解しない程度に汲み出す第1酸素イオンポンプセルがある。前記第2空隙部に面して設けられると共に、前記第2空隙部の内部と外部に設けられた一対の電極を備え、この一対の電極間に所定の電圧が印加されて、前記第1酸素イオンポンプセルによって酸素濃度が制御され該第2空隙部に拡散したガス中のNOxを分解し解離した酸素を汲み出すことにより、NOxガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルがある。前記第1空隙部は、少なくとも前記第1酸素イオンポンプセルの一面によって画成され、前記第2空隙部は、少なくとも前記酸素濃度検知電極及び前記第2酸素イオンポンプセルの一面によって画成される。酸素濃度検知電極は、第2拡散抵抗を発揮する拡散孔が第2空隙部に開口する部分の周囲に形成される。
本発明のさらなる視点は請求項2〜5に示す通りであるが、以下概説する。第2の視点によれば、第2酸素イオンポンプセルが備える一対の電極の内一方の電極と酸素濃度検知電極とが近接して第2空隙部内に配置される。第3の視点によれば、酸素濃度検知電極と第2酸素イオンポンプセルが備える一対の電極の内一方の電極とが互いに対向して第2空隙部を画成する複数の固体電解質層上において固体電解質層の積層方向に対向して形成される。第4の視点によれば、酸素濃度検知電極と第2酸素イオンポンプセルが備える一対の電極の内一方の電極とが同一の固体電解質層上に固体電解質層の延在方向に近接して形成されている。第5の視点によれば、第1酸素イオンポンプセルが備える一対の電極と、酸素濃度検知電極とは、互いに異なる固体電解質層上に形成される。第2酸素イオンポンプセルが備える一対の電極と、酸素濃度検知電極とは、互いに異なる固体電解質層上に形成される。第1酸素イオンポンプセルが備える一対の電極と、第2酸素イオンポンプセルが備える一対の電極とは、互いに異なる固体電解質層上に形成される。
【0007】
上述の本発明の種々の視点においては、被測定ガス中のNOxは第1空隙部内では分解されずにそのまま第2空隙部に導入され、第2空隙部内で分解されるように各酸素イオンポンプセルを作動させることが望ましいが、必ずしもその必要はなく、第1空隙部においてNOxの一部が分解しても構わない。すなわち、第1空隙部で分解せずに残った少なくとも一部のNOxが第2空隙部に導入されればよい。この場合、第1空隙部で分解したNOx量によって第2酸素イオンポンプセルの一対の電極間に流れる電流値に影響があるため、被測定ガス中の酸素濃度、第1酸素イオンポンプセル及び第2酸素イオンポンプセルの各々の一対の電極間に流れる各電流値から目的とするNOxガス濃度を補正して算出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る検出器は、それぞれ2組の拡散抵抗部1,3、酸素イオンポンプセル6,8及び空隙部2,4を有し、第1固体電解質層5−1を挟んで設けられた一対の電極6a,6bを備えた第1酸素イオンポンプセル6、第2固体電解質層5−2からなる支持セル、第3固体電解質層5−3を挟んで設けられた一対の酸素濃度基準電極7b,酸素濃度検知電極7aを備えた酸素濃度(酸素分圧)検知セル7、第4固体電解質層5−4上に設けられた一対の電極8a,8bを備えた第2酸素イオンポンプセル8の順に積層され、各固体電解質層5−1,5−2,5−3,5−4の層間には絶縁層がそれぞれ形成されている。第1空隙部2は、少なくとも第1酸素イオンポンプセル6の一面によって画成され、第2空隙部4は、少なくとも酸素濃度検知電極7a及び第2酸素イオンポンプセル8の一面によって画成されている。詳細には、第1酸素イオンポンプセル6と酸素濃度検知セル7の層間には、絶縁層及び固体電解質層5−1、5−2に囲まれて第1空隙部2が画成されている。同様に絶縁層11−3及び固体電解質層5−3、5−4に囲まれて酸素濃度検知セル7と第2酸素イオンポンプセル8の間に、第2空隙部4が画成されている。さらに、第1空隙部2を囲む長手方向両壁面の一部には拡散抵抗を有する第1拡散孔1が互いに対向して設けられ、第1空隙部2内において第1拡散孔1と離間した位置に第2拡散孔3の開口が設けられている。第2拡散孔3は、固体電解質層5−2、5−3を貫通して第1、第2空隙部2、4を拡散抵抗をもって連通する。第2酸素イオンポンプセル8の一対の電極8a,8bは固体電解質5−4上に形成され、一方の電極8aは第2空隙部4内に配置され、他方の電極8bは絶縁層11−3に覆われて第2空隙部4外に配置されている。電極8bは絶縁層11−3に沿って延在する拡散抵抗をもったリードなどを介して被測定ガス又は大気に連通する。酸素濃度検知電極7aは、第2空隙部4に面し、第2酸素イオンポンプセル8の電極8aに近接して対向するように固体電解質層5−3上に形成されている。すなわち、酸素濃度検知電極7aは第2空隙部4内に配置されると共に第2拡散抵抗を発揮する第2拡散孔3が第2空隙部4に開口する部分の周囲に形成されてなり、第1酸素イオンポンプセル6は第1空隙部2に面して設けられると共に、第1空隙部2の内部と外部に設けられた一対の電極6a,6bを備え、第2酸素イオンポンプセル8は第2空隙部4に面して設けられると共に、第2空隙部4の内部と外部に設けられた一対の電極8a,8bを備えている。
【0009】
この検出器は下記のように動作する。すなわち、酸素濃度検知セル7による第2空隙部4内の酸素濃度検知に基づき第1酸素イオンポンプセル6の一対の電極6a,6b間に印加する電圧ないし電流を制御して、電極7a,7b間に生じる起電力が一定となるように第1イオンポンプセル6による酸素の汲み出しを制御する。斯くして、第1空隙部2に外部雰囲気より拡散した被測定ガス中の酸素を全てのNOxが分解しない程度に汲み出し、そして、酸素濃度が低濃度に制御されたガスが第2空隙部4に拡散し、第2酸素イオンポンプセル8の一対の電極8a,8b間に所定電圧を印加することによりNOxを分解し、解離した酸素を汲み出すことにより該一対の電極8a,8b間にNOxガス濃度に応じた酸素ポンプ電流が流れ、この酸素ポンプ電流に基づいてNOxガス濃度を検出する。
【0010】
次に、図1に示した検出器の特徴を、図6に示す比較例の検出器構造と対比して説明する。比較例の構造では、酸素濃度測定セル7は2層目の固体電解質層5−2に設けられ、第1空隙部2内の酸素濃度を検出する。これに対し、本実施形態においては、酸素濃度測定セル7は3層目の固体電解質層5−3に設けられ、第2空隙部4内の酸素濃度を検出する。すなわち、本実施形態の酸素濃度検知電極7aは、第2酸素イオンポンプセル8の第2空隙部4内側に設けられた電極8aと同一空間にあり、しかも両者の距離は非常に近くされている。これによって、NOxが解離される電極8a近傍の酸素濃度を正確に検知することができ、その結果、酸素濃度測定セル7の酸素濃度測定に基づき制御される第1酸素イオンポンプセル6による酸素の汲み出しが適切に制御され、電極8b近傍の酸素濃度がきわめて安定し、高精度のNOxガス濃度検出が行われる。
【0011】
また、第1酸素イオンポンプセル6が備える一対の電極6a,6bの組と、酸素濃度測定セル7が備える一対の酸素濃度検知電極7a,酸素濃度基準電極7bの組と、第2酸素イオンポンプセル8が備える一対の電極8a,8bの組とは互いに異なる固体電解質層5−1,5−3,5−4上に形成されてなることにより、各層間に流れるリーク電流が減少され、高精度のNOxガス濃度検出を可能とする。
【0012】
図2に示す本発明の第2の実施形態に係る検出器は、第2空隙部4内に配置される酸素濃度検知電極7aと第2酸素イオンポンプセルの一対の電極8a,8bを同一の固体電解質層5−3上に形成し、電極7aと電極8aを固体電解質層の長手方向に沿って近接して形成した構成を有する。この実施形態によれば、前記第1の実施形態の奏する効果に加えて、製作工程の簡略化も達成される。
【0013】
前記第1の実施形態においては、酸素濃度検知電極7aと、電極8aの固体電解質層積層方向に沿った距離を80μm〜100μm、又は80μm以下と近接して配置することが好ましい。前記第2の実施形態においては、酸素濃度検知電極7aと、電極8aの固体電解質層の延在方向に沿った距離(互いに端部同士の最短距離)を0.1〜0.8mmと近接して配置することが好ましい。また、本発明によれば、被測定ガス中酸素濃度:0〜15%の変化に対して第2酸素イオンポンプセルの一対の電極間に流れる電流の変化を0.5μA以下に抑制することができる。さらに、0.2μA以下に抑制することができる。
【0014】
第1、第2酸素イオンポンプセル及び酸素濃度測定セルをそれぞれ構成する酸素イオン伝導性を有する固体電解質層としては、Y2O3ないしCaOを固溶させたZrO2が代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属元素ないし希土類金属元素の酸化物とZrO2との固溶体を使用してもよい。また、ベースとなるZrO2にはHfO2が含有されていてもよい。また、ZrO2は部分安定化または安定化ジルコニアのどちらでもよく、さらにZrO2に代えて、CeO2、HfO2、ThO2を用いることができる。安定化剤として、例えばCaO,MgO,又はY2O3等の希土類酸化物(例えばLa2O3、Gd2O3)の一種以上を用いる。好ましくは、イットリア部分安定化ジルコニア粉末(YSZ)を用いる。他の安定化剤或いは他の固体電解質も用いることができる。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を説明する。図1に示した構造を有するNOxガス濃度検出器を下記の製造例に従って作製した。図3に本発明の実施例に係るNOxガス濃度検出器のレイアウト図を示す。この検出器は、図3に示したZrO2グリーンシート及び電極用のペーストなどが積層され焼成されることにより作製される。絶縁コート、電極用のペースト材料は、所定のZrO2グリーンシートにスクリーン印刷されることにより、絶縁層、電極が所定位置に積層形成される。以下、ZrO2グリーンシートなど各構成部品の製造例を説明する。
【0016】
[ZrO2グリーンシート成形]
ZrO2粉末を大気炉にて仮焼する。仮焼したZrO2粉末、分散剤、有機溶剤を球石とともに混合し、分散させ、これに有機バインダーを有機溶剤に溶解させたものを添加し、混合してスラリーを得た。このスラリーからドクターブレード法により、厚さ0.4mm程度のZrO2グリーンシートを作製し、乾燥する。
【0017】
[印刷用ペースト]
(1)第1酸素イオンポンプセルの外側電極6a(第1酸素ポンプ電極a)、酸素基準電極7b(酸素基準電極a)、第2酸素イオンポンプセルの内側電極8a(第2酸素ポンプ電極b)及び外側電極8b(第2酸素ポンプ電極b)用: 白金粉末、ZrO2粉末、適量の有機溶剤を混合し、分散させ、これに有機バインダーを有機溶剤に溶解させたものを添加し、さらに粘度調整剤を添加し、混合してペーストを作製する。
【0018】
(2)第1酸素イオンポンプセルの内側電極6b(第1酸素ポンプ電極b)、酸素濃度検知電極7a(酸素基準電極b)用: 白金粉末、ZrO2粉末、金粉末、適量の有機溶剤を混合し、分散させ、これに有機バインダーを有機溶剤に溶解させたものを添加し、さらに粘度調整剤を添加し、混合してペーストを作製する。或いは、ZrO2粉末にAu溶液(例えば塩化金酸溶液など)を含浸させ、乾燥、焼成して粉末上にAuを付着させることにより、Au担持粉末を得る。このAu担持粉末とPt粉末を混合して適宜バインダー、有機溶剤、粘度調整剤を添加してペーストを得る。
【0019】
(3)絶縁コート、保護コート用: アルミナ粉末と適量の有機溶剤を混合し、溶解させ、さらに粘度調整剤を添加し、混合してペーストを作製する。
【0020】
(4)Pt入り多孔質用(リード線用): アルミナ粉末、白金粉末、有機バインダ、有機溶剤を、合し、さらに粘度調整剤を添加し、混合してペーストを作製する。
【0021】
(5)拡散抵抗部用: アルミナ粉末、有機バインダー、有機溶剤を混合し、分散させ、さらに粘度調整剤を添加し、混合してペーストを作製する。
【0022】
(6)カーボンコート用: カーボン粉末、有機バインダ、有機溶剤を混合し、分散させ、さらに粘度調整剤を添加し、混合してペーストを作製する。なお、カーボンコートを印刷形成することにより、一例を挙げれば、電極間の電気的接触が防止される。また、カーボンコートは内部空隙を形成するために用いられる。カーボンは焼成途中で焼失するので、カーボンコート層は焼成体には存在しない。
【0023】
[ZrO2積層方法、脱バインダー及び焼成] 2、3層目圧着後、第2拡散孔が貫通する部分(直径1.3mm)を打ち抜く。打ち抜き後、第2拡散孔3となるグリーン円柱状成形体を埋め込み、1〜4層のZrO2グリーンシートを所定時間、所定圧力で加圧して圧着する。圧着した成形体を、脱バインダーし、焼成する。
【0024】
斯くして得られる本発明の一実施例に係るNOxガス濃度検出器を用いて、種々の試験を行った。また、比較のため図6に示した比較例に係るNOxガス濃度検出器を用いて同様の試験を行った。これらの検出器の制御方法は、発明の実施の形態の欄で述べた通りであって、実施例の検出器においては電極8a近傍に形成された酸素濃度検知電極7aの出力に基づいて第1酸素イオンポンプセル6を制御するが、比較例においては第1空隙部2に面した酸素濃度検知電極7aの出力に基づいて第1酸素イオンポンプセル6を制御するという相違がある。
【0025】
[試験例1]
NOxガス濃度と第2酸素イオンポンプセルに流れる酸素ポンプ電流(IP2)の関係について調べた。試験条件は下記の通りである。被測定ガス組成 NO:0,300,600,1200,1500ppm、O2:7%、CO2:10%、H2O:10%、N2:bal。被測定ガス温度:300℃。検知部温度:800℃。第2空隙部4(図1参照)の寸法:長手方向2mm、短手方向2.2mm、固体電解質層積層方向50μm、酸素濃度検知電極7aと電極8aの厚さ約10μm。図4に示す測定結果より、実施例に係るNOxガス濃度検出器の場合も、比較例と同様に、NOxガス濃度の変化に対して酸素ポンプ電流IP2(検出器出力)は直線的に変化している。従って、本実施例の検出器を用いてNOxガス濃度を検出可能であることが分かる。
【0026】
[試験例2]
NOxガス濃度を一定とし酸素濃度を変えて、酸素濃度と酸素ポンプ電流IP2の関係について調べた。試験条件は下記の通りである。被測定ガス組成 NO:0ppm、O2:0,0.5,1,7,16%、CO2:10%、H2O:10%、N2:bal。被測定ガス温度:300℃。検知部温度:800℃。図5に示す測定結果より、実施例の検出器によれば、酸素濃度0〜15%の変化に対してもIP2出力はきわめて安定しており(IP2の変化が0.2μA以下)、被測定ガス中の酸素濃度の影響が比較例(IP2の変化が0.5μA以下)に対して極めて小さいことが分かる。このように実施例の検出器によれば、第2酸素イオンポンプセル8の電極8a上の酸素分圧がより正確に制御され、被測定ガス中の酸素濃度に対する依存性を飛躍的に抑制することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明のNOxガス濃度検出器によれば、被測定ガス中の酸素濃度に依存すること無く、より正確なNOxガス濃度の測定が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るNOxガス濃度検出器を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るNOxガス濃度検出器を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例に係るNOxガス濃度検出器のレイアウトを説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例と比較例に係るNOxガス濃度検出器を用いた測定結果を説明するための図であり、NOxガス濃度と第2酸素イオンポンプセルに流れる酸素ポンプ電流(IP2)の関係をそれぞれ示す。
【図5】本発明の一実施例と比較例に係るNOxガス濃度検出器を用いた測定結果を説明するための図であり、酸素濃度と第2酸素イオンポンプセルに流れる酸素ポンプ電流(IP2)の関係をそれぞれ示す。
【図6】比較例に係るNOxガス濃度検出器を説明するための図である。
【符号の説明】
1:第1拡散孔(第1拡散抵抗)
2:第1空隙部
3:第2拡散孔(第2拡散抵抗)
4:第2空隙部
5−1,5−2,5−3,5−4:固体電解質層
6:第1酸素イオンポンプセル
6a:外側電極
6b:内側電極
7:酸素濃度検知セル
7a:酸素濃度検知電極
7b:酸素濃度基準電極
8:第2酸素イオンポンプセル
8a:内側電極
8b:外側電極
11−3 絶縁層
Claims (5)
- 第1拡散抵抗を介して被測定ガスが導入される第1空隙部と、
前記第1空隙部から第2拡散抵抗を介してガスが導入される第2空隙部と、
前記第2空隙部内に配置され、前記被測定ガス中の酸素濃度を測定するための酸素濃度検知電極と、
前記第1空隙部に面して設けられると共に、前記第1空隙部の内部と外部に設けられた一対の電極を備え、前記酸素濃度検知電極の電位に基づき、前記第1空隙部から酸素を全てのNOxが分解しない程度に汲み出す第1酸素イオンポンプセルと、
前記第2空隙部に面して設けられると共に、前記第2空隙部の内部と外部に設けられた一対の電極を備え、この一対の電極間に所定の電圧が印加されて、前記第1酸素イオンポンプセルによって酸素濃度が制御され該第2空隙部に拡散したガス中のNOxを分解し解離した酸素を汲み出すことにより、NOxガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと、
を備え、
前記第1空隙部は、少なくとも前記第1酸素イオンポンプセルの一面によって画成され、
前記第2空隙部は、少なくとも前記酸素濃度検知電極及び前記第2酸素イオンポンプセルの一面によって画成され、
前記酸素濃度検知電極は、前記第2拡散抵抗を発揮する拡散孔が前記第2空隙部に開口する部分の周囲に形成されてなることを特徴とするNOxガス濃度検出器。 - 前記第2酸素イオンポンプセルが備える前記一対の電極の内、一方の電極と、前記酸素濃度検知電極と、が近接して前記第2空隙部内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のNOxガス濃度検出器。
- 前記酸素濃度検知電極と、前記第2酸素イオンポンプセルが備える前記一対の電極の内一方の電極と、が互いに対向して前記第2空隙部を画成する固体電解質層上において該固体電解質層の積層方向に対向して形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のNOxガス濃度検出器。
- 前記酸素濃度検知電極と、前記第2酸素イオンポンプセルが備える前記一対の電極の内一方の電極と、が同一の固体電解質層上に該固体電解質層の延在方向に近接して形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のNOxガス濃度検出器。
- 前記第1酸素イオンポンプセルが備える前記一対の電極と、前記酸素濃度検知電極と、前記第2酸素イオンポンプセルが備える前記一対の電極とは、互いに異なる固体電解質層上に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載のNOxガス濃度検出器。
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