JP3724408B2 - 符号化方法、符号化装置及び記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は符号化方法、符号化装置及び記録方法に係り、特に入力ビット系列に対して、ランレングス制限規則RLL(d,k)を満たす符号語列を得る符号化方法、符号化装置及びその符号語列を記録媒体に記録する記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体にディジタル情報を記録するための符号化方法として、ランレングス制限規則RLL(d,k)を満たす符号語列を得る符号化方法が用いられている。ここで、ランレングス制限規則RLL(d,k)は、符号語中の論理値「1」と「1」との間の論理値「0」の数が最小でd個であり、符号語中の論理値「1」と「1」との間の論理値「0」の数が最大でk個である規則を示している。
【0003】
このRLL(d,k)を満たすようにディジタル情報を符号化する方法としては、DVD(Digital Versatile Disc)に採用されているEFMplus等のブロック符号化と、磁気記録でよく用いられてきたRLL(1,7)に代表される可変長符号化がある。前者は、8ビットのデータビットに対して16ビットの符号語が必ず割り当て可能な符号化テーブルを用いて符号化を行うもので、符号化の際にはRLL(d,k)制限を満たすための例外はあるものの、8ビットのデータは16ビットに必ず変換が可能である。
【0004】
一方、後者は、2ビットデータを3ビット符号語に変換するのが基本であるが、RLL(d,k)制限を満足するために4ビットを6ビット、さらに6ビットを9ビットのように、入力ビットパターンによって符号化の拘束長が異なる変換をする。
【0005】
例えば、特開平9−232963号公報では、可変長符号の効果的な符号化方法について提案がなされている。すなわち、この従来の符号化方法は、基本データ長がmビットのデータを基本符号長がnビットの可変長符号に変換するに際し、連続したときランが無限大となる符号の所定の位置のビットを不確定ビットとすると共に、最下位ビットから上位ビット側に連続する所定の数の0又は1を有する符号であって、その0又は1の数と、次に続く符号の最上位ビットから下位ビット側に連続する0又は1の数の最大値との和が、最大ランkより大きくなる符号の、最下位ビットから上位ビット側に連続する0又は1の所定の位置のビットを不確定ビットとして、前記基本データ長がmビットのデータを、前記基本符号長がnビットの可変長符号に変換するステップと、変換された可変長符号において連続する数が最小ランd以上にならない連続する0又は1を検出するステップとを備える方法であり、不確定ビットを含む符号と不確定ビットを含まない符号とを同様に取り扱うことができるようにした方法である。
【0006】
また、特開平11−346154号公報では、最大拘束長が8ビット(2ビットを符号化単位とすると拘束長は4)のRLL(1,7)について提案がなされ、更にその符号化方法について明示されている。すなわち、この従来の符号化方法では、データ列の要素内の「1」の数と、変換される符号語列の要素内の「1」の数を、2で割った時の余りが、どちらも1又は0で一致するような変換規則、最小ランdの連続を有限回数以下に制限する第1の置き換えコード、及びラン長制限を守るための第2の置き換えコードを有する変換テーブルで変換処理を行うことにより、少ない冗長度でDSV(Digital Sum Value)制御を行うことができるようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特開平9−232963号公報記載の従来の符号化方法によれば、変換された符号語に不確定な要素を含むため、不確定ビットの処理とに拘束長の判別をしながら符号化を行わなければならなく、符号化器が複雑になるという問題を有している。また、特開平11−346154号公報記載の従来の符号化方法によれば、可変長符号によるための拘束長判定を行わなければならない等の処理を必要とする。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、拘束長が異なる可変長符号に対して、ブロック符号の符号化器のように常に同一の符号ビットを出力が可能で、拘束長が異なる符号に対しても簡単な符号化アルゴリズム符号化が可能な符号化方法、符号化装置及び記録方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明の符号化方法は、入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行うに際し、
可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素を参照して、入力ビット系列mビット(mは3以上の定数)を符号化テーブル要素に入力し、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)毎の符号語ビットを符号化テーブル要素から選択し、出力符号語列として拘束長を検出することなく、可変長符号化を行うことを特徴とする。
【0010】
この発明では、拘束長が異なる可変長符号に対して、複数のM個の符号化テーブルを参照して、ブロック符号の符号化器のように常に同一のnビットの符号語ビットを出力することができる。
【0011】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の符号化方法は、入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行うに際し、
可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素の各々は、一又は二以上の所定のmビット(mは3以上の定数)の入力データビットに対応して、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)の出力符号語と、符号語の間を直接結合しても、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを符号化するのに使用する、M個の符号化テーブル要素のうちの一の符号化テーブル要素を示す状態情報とが格納されており、入力ビット系列のmビットをpビット毎(pはmより小なる整数)にシフトしながら符号化テーブルに入力し、符号化テーブル要素のうち状態情報が示す符号化テーブル要素を参照し、シフトする毎に入力データビットのpビットを所定のnビット毎の符号語に変換することを特徴とする。
【0012】
この発明では、M個の符号化テーブル要素のうち状態情報が示す符号化テーブル要素を参照して入力データビットのpビット(pはmより小なる整数)を所定のnビット毎の符号語に変換するようにしたため、拘束長が異なる可変長符号に対して、複数のM個の符号化テーブルを参照して、ブロック符号の符号化器のように常に同一のnビットの符号語ビットを出力することができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、本発明の符号化装置は、入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行う符号化装置において、入力データビットのmビット(mは3以上の定数)を一時記憶するシフトレジスタと、可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素の各々は、一又は二以上の所定のmビットの入力データビットに対応して、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)の出力符号語と、符号語の間を直接結合しても、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを符号化するのに使用する、M個の符号化テーブル要素のうちの一の符号化テーブル要素を示す状態情報とが格納されており、これらM個の符号化テーブル要素のうち状態情報が示す符号化テーブル要素を参照してシフトレジスタに一時記憶されている入力データビットのpビット(pはmより小なる整数)を所定のnビット毎の符号語に変換する符号化テーブル手段とを有する構成としたものである。
【0014】
この発明では、M個の符号化テーブル要素のうち状態情報が示す符号化テーブル要素を参照して入力データビットのpビット(pはmより小なる整数)を所定のnビット毎の符号語に変換するようにしたため、拘束長が異なる可変長符号に対して、複数のM個の符号化テーブルを参照して、ブロック符号の符号化器のように常に同一のnビットの符号語ビットを出力することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の記録方法は、入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行い、得られた符号語列を記録媒体に記録するに際し、可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素の各々は、一又は二以上の所定のmビット(mは3以上の定数)の入力データビットに対応して、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)の出力符号語と、符号語の間を直接結合しても、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを符号化するのに使用する、M個の符号化テーブル要素のうちの一の符号化テーブル要素を示す状態情報とが格納されており、入力ビット系列のmビットをpビット毎(pはmより小なる整数)にシフトしながら符号化テーブルに入力し、符号化テーブル要素のうち状態情報が示す符号化テーブル要素を参照し、シフトする毎に入力データビットのpビットを所定のnビット毎の出力符号語に変換し、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による出力符号語を記録媒体に記録することを特徴とする。この発明では、ブロック符号の符号化と同様にして符号化テーブルを用いることによって、可変長符号化された符号列が記録された記録媒体を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる符号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、入力データは17符号化部11に供給され、ここで同期語付加、DSV制御等の処理が施されると共に、後述する符号化テーブル111を基にして、ランレングス制限規則RLL(1,7)による符号化がなされ、入力データの11ビット毎にその上位2ビットを3ビットに変換した符号語が出力される。
【0017】
17符号化部11より取り出された符号語は、NRZI変換回路12でNRZI変換された後、出力バッファ13に送出される。その後、図示しないレーザ駆動回路によって記録媒体の一例の光ディスク14に記録されると共に、伝送路符号化部15により伝送路での伝送に適した符号化が行われた後、ネットワークへ伝送される。なお、出力バッファ13から出力される符号語は、磁気ヘッド駆動回路によって磁気記録媒体に記録されるようにしてもよいことは勿論である。
【0018】
図2は図1中の17符号化部の一実施の形態のブロック図を示す。図2において、入力データは、図示せぬビット同期クロックで駆動されるシフトレジスタ110を経由して、符号化テーブル111に入力される。符号化テーブル111は、状態情報(テーブル要素)Skが”0”から”5”までの6つの状態の符号化テーブル部から構成される。符号化テーブル111の構成についての詳細は後述する。
【0019】
符号化テーブル111へはシフトレジスタ110に蓄えられたビットパターンと共に、符号化テーブル111から出力される状態情報Skが入力され、状態情報Skによって定まる状態の符号化テーブル要素のビットパターンとの比較がなされ、3ビットの出力情報と共に次に選択される状態情報Sk+1が出力される。シフトレジスタ110はこの実施の形態ではビット毎のシフトがなされる。
【0020】
次に、符号化テーブル111の構成例について、図3の符号化規則に従って構成した例をとって図4乃至図8と共に詳細に説明する。まず、符号化テーブル111の前提である図3に示す符号化規則について説明する。図3は、前述した特開平11−346154号公報に記載されているRLL(1,7)符号の変換規則(変換テーブル)を示しており、同期語、あるいはターミネーションテーブル等、本発明に直接係らない部分は省略してあるが、ターミネーション部分についても本発明によって実現は可能である。
【0021】
なお、ここでは一例として符号化規則の変換テーブルとして上記の公報記載のものを例にとって説明するが、これ以外の変換規則であっても、以後説明をする実施の形態と同様の考え方により符号語に変換することは可能であることは明らかである。
【0022】
図3に示す変換テーブルは、変換コードとしてそれがないと変換処理ができない基礎コード(データ”11”から”000000”までのコード)と、それが無くても変換処理は可能であるが、それがあると、より効果的な変換処理が可能となる置き換えコード(データ”110111”、”000010000”、”00000000”のコード)及び符号を任意の位置で終端させるための終端コード(データ”00”、”0000”のコード)を含んでいる。また、この変換テーブルには同期信号も規定されている。
【0023】
また、図3に示す変換テーブルは、最小ランd=1、最大ランk=7で、基礎コードの要素に不確定符号(*を含む符号)を含んでいる。不確定符号は、直前及び直後の符号語列の如何によらず、最小ランd=1と最大ランk=7を守るように”0”か”1”に決定される。例えば、変換する2ビットが”11”であった場合、その直前の符号語列の1チャンネルビットが”1”である場合、最小ランd=1を守るため、2ビットのデータ”11”は符号語”000”に変換され、直前の符号語列の1チャンネルビットが”0”である場合、最大ランk=7を守るため、2ビットのデータ”11”は符号語”101”に変換される。
【0024】
更に、入力データが”110111”であるときには、更に後に続く符号語列を参照して”010”であるときには、このデータは”001000000”に変換され、後に続く符号列が”010”以外のときには、入力データは2ビット単位(”11”、”01”、”11”)で符号語に変換されるので、符号語*0*、”010”、*0*に変換される。
【0025】
この図3に示す変換テーブルによれば、RLL(d,k)制限において、d=1、k=7で符号化レートが2/3の符号化規則の下で、データビットの1の偶奇性と符号ビットの偶奇性とが等しい符号化が可能であり、d=1、すなわち記録データで2Tの繰り返しを制限可能な符号化を行うことが可能である。
【0026】
次に、図3において、拘束長が1の場合は表1のように表される。
【0027】
【表1】
これらの符号語のうち、*0*は前述したように、直前の符号ビットが”0”の場合は”101”に、”1”の場合は”000”と定められている。そこで、テーブル要素0(状態Sk=0)を直前の符号ビットが”0”の場合、テーブル要素1(状態Sk=1)を直前の符号ビットが”1”の場合とすると、図4に示すような2つのテーブル要素(状態Sk)を持つ符号化テーブルが拘束長1の符号語について構成できる。
【0028】
図4において、Dkは入力データビットを示し、Ckは出力符号語であって、左の数値が10進数、右の数値が2進数の表記を示し、またSk+1は符号語の間を直接結合しても、所定のランレングス制限規則RLL(1,7)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを変換するのに使用するテーブル要素(状態情報)を示す(後述する他の図5〜図8も同様)。
【0029】
次に、図3において、拘束長が2の場合は表2のように表される。
【0030】
【表2】
表2に示すように、拘束長が2の符号語は3種類あり、これは前のビットに拘らず、データが”001X”(Xは不定;以下同じ)の場合には、データ”00”に対する符号ビットが”010”で与えられ、”0001”の場合は符号ビットが”000”になることを表している。そこで、図4に更にテーブル要素を加えて図5の符号化テーブルが構成される。
【0031】
図5において、Sk=2は拘束長が2の場合に遷移する状態であって、例えば、Sk=0でDk=00が入力された後、Dk=10が入力された場合、最初の入力データ2ビットのDk=00はSk=0のテーブル要素0に無いので、続く入力データ2ビットのDk=10をみると、上位3ビットが「001」であるので、図5のSk=0のテーブル要素中のDkが「001X」に対応した出力符号語Ckである「010」が出力される。
【0032】
続いて、Sk=0のテーブル要素中のDkが「001X」に対応した次の状態Sk+1が2であるので、Sk=2の状態のテーブル要素2に遷移をする。次に、入力データDk「00」に続く入力データDkが「10」であるので、Sk=2の状態のテーブル要素2中のDkが「10XX」に対応した出力符号語Ckである「000」が出力された後、「10XX」に対応した次の状態Sk+1が0であるので、またSk=0の状態のテーブル要素0に遷移する。
【0033】
一方、図5において、例えば、Sk=0でDk=00が入力された後、Dk=000又は001が入力された場合、最初の入力データ2ビットのDk=00はSk=0のテーブル要素0に無いので、続く入力データ3ビットのDk=000又は001をみると、上位4ビットの「0000」も図5のテーブル要素には存在しない。この場合は、次に説明する拘束長3の符号化テーブルにより、Dkの2ビットに対して出力符号語Ck=100が出力され、次の状態Sk+1としてテーブル要素3に遷移をする。すなわち、拘束長が3の符号語は、図3から表3のように表される。
【0034】
【表3】
表3に示すように、拘束長が3の符号語は4種類あり、これを満足するには、図5に更にテーブル要素を加えて図6に示すような符号化テーブルが構成できる。例えば、図6において、Sk=0で、Dk=00が入力された後、Dk=001が入力された場合、まず、Sk=0のDk=00001から符号語Ck=000が出力された後、状態2のテーブル要素2に遷移し、次のDk=001の上位2ビットに対してDk=001XXから符号語Ck=100が出力されて、この符号の拘束長が2より大であって、次の状態としてSk=3に遷移をする。
【0035】
ここで、次の入力データDkが「10」であれば、テーブル要素3(Sk=3)のテーブルから符号語Ckとして「000」を出力して状態Sk=0のテーブル要素0に遷移する。このときの入力ビット系列は「000010」に対して、符号語Ckは「000100000」となり、図3に示した符号化規則に則っていることがわかる。
【0036】
図6の符号化テーブルにおいて、Sk=3のテーブル要素3中、入力データ語の順序が「00XXX」より「0000X」の方が上に配置されているのは、Dk=0000Xに対する判定を先に行う必要があるためで、同様に「1000X」の判定を「10XXX」より先に行う。すなわち、本テーブルは上から順にデータ語の比較を行って符号語を出力する配置をなしている。なお、Sk=3に含まれるSk+1=4については、拘束長が4になる場合のテーブル要素4であり、これについては次に説明する。
【0037】
拘束長が4の符号語は、図3から表4のように表される。
【表4】
表4に示すように、拘束長が4の符号語は2種類あり、これを満足するには、図6に更にテーブル要素4を加えて図7に示すような符号化テーブルが構成できる。例えば、Sk=0で、拘束長が4のデータ系列Dk=00001000が入力された場合の動作は表5に示すようになる。
【0038】
【表5】
すなわち、上記の入力データ系列に対して、図7に示す符号化テーブルの使用により出力符号語Dkとして、「000100100100」が出力される。これは、図3に示した符号化規則と等しい結果が得られていることがわかる。
【0039】
さて、入力データDkとして「110111」という例外条件が入ってきた場合を満足するには、図7の符号化テーブルでは満足ができない。そのため、例外条件を付加すると、図8のような符号化テーブルが構成される。例えば、「11011100000」なるデータ系列Dkが、Sk=0の状態で入力されたとすると、その場合の入力データと出力符号語と次に使用するテーブル要素(Sk+1)とは、表6に示すように、入力データ2ビット毎に対応して3ビットの符号語が得られる。
【0040】
【表6】
この表6からわかるように、図8に示す符号化テーブルを使用して得られる符号語は、図3に示した符号化規則と等しい結果が得られる。
【0041】
以上のように、図2の符号化テーブル111は、図8に示すテーブル要素0から5までの6つのテーブル要素を備えた符号化テーブルで構成することができ、図2のシフトレジスタ110は、11ビットのシフトレジスタで構成され、11ビットの比較によって符号化テーブルのDkの上位2ビットが符号語の3ビットに変換されると共に、次に遷移をする状態Sk+1を出力する。
【0042】
すなわち、本実施の形態によれば、17符号化部11は11ビットのシフトレジスタ110に蓄えられた入力ビット系列のうち、上位2ビットの入力ビットに対して3ビットの固定長出力符号語を得ることができる。更に、次に符号化をする符号化テーブル要素を状態情報Sk+1として出力し、Sk+1に対応するテーブル要素で次の入力ビットを符号化していくことによって図3に示した可変長符号であっても、ブロック符号と同様な符号化が可能であることが判る。
【0043】
なお、同期パターンの後に遷移する状態については、同期パターンが予め既知であるので、遷移の規則を壊さないように予め定めておくことが可能である。また、他の可変長符号についても以上の説明と同様な考えに基づいて、ブロック符号のような符号化テーブルを構成することが可能であり、本発明の範囲に含まれることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、拘束長が異なる可変長符号に対して、複数のM個の符号化テーブルを参照して、ブロック符号の符号化器のように常に同一のnビットの符号語ビットを出力することができるので、拘束長に縛られることなく、データビットパターンと状態情報とであたかも固定長符号化の如く符号化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の符号化装置の一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1中の符号化部の一実施の形態のブロック図である。
【図3】特開平11−346154号公報記載のRLL(1,7)符号の符号化規則である。
【図4】本発明で用いる符号化テーブル作成過程を説明するための図(その1)である。
【図5】本発明で用いる符号化テーブル作成過程を説明するための図(その2)である。
【図6】本発明で用いる符号化テーブル作成過程を説明するための図(その3)である。
【図7】本発明で用いる符号化テーブル作成過程を説明するための図(その4)である。
【図8】本発明で用いる符号化テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 17符号化部
12 NRZI変換回路
13 出力バッファ
14 光ディスク
15 伝送路符号化部
110 シフトレジスタ
111 符号化テーブル
Claims (6)
- 入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行うに際し、
前記可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素を参照して、前記入力ビット系列mビット(mは3以上の定数)を前記符号化テーブル要素に入力し、
所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)毎の符号語ビットを前記符号化テーブル要素から選択し、
出力符号語列として拘束長を検出することなく、可変長符号化を行うことを特徴とする符号化方法。 - 入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行うに際し、
前記可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素の各々は、一又は二以上の所定のmビット(mは3以上の定数)の入力データビットに対応して、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)の出力符号語と、符号語の間を直接結合しても、前記所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを符号化するのに使用する、前記M個の符号化テーブル要素のうちの一の符号化テーブル要素を示す状態情報とが格納されており、
前記入力ビット系列のmビットをpビット毎(pはmより小なる整数)にシフトしながら符号化テーブルに入力し、
前記符号化テーブル要素のうち前記状態情報が示す符号化テーブル要素を参照し、シフトする毎に前記入力データビットのpビットを前記所定のnビット毎の符号語に変換することを特徴とする符号化方法。 - 前記所定のランレングス制限規則RLL(d,k)の最小ラン長dは1であり、最大ラン長kは7、前記nは3であることを特徴とする請求項1又は2記載の符号化方法。
- 入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行う符号化装置において、
前記入力データビットのmビット(mは3以上の定数)を一時記憶するシフトレジスタと、
前記可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素の各々は、一又は二以上の所定のmビットの入力データビットに対応して、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)の出力符号語と、符号語の間を直接結合しても、前記所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを符号化するのに使用する、前記M個の符号化テーブル要素のうちの一の符号化テーブル要素を示す状態情報とが格納されており、これらM個の符号化テーブル要素のうち前記状態情報が示す符号化テーブル要素を参照して前記シフトレジスタに一時記憶されている前記入力データビットのpビット(pはmより小なる整数)を前記所定のnビット毎の符号語に変換する符号化テーブル手段と
を有することを特徴とする符号化装置。 - 前記所定のランレングス制限規則RLL(d,k)の最小ラン長dは1であり、最大ラン長kは7、前記p=2、n=3であることを特徴とする請求項4記載の符号化装置。
- 入力ビット系列に対して、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による符号語列に可変長符号化を行い、得られた符号語列を記録媒体に記録するに際し、
前記可変長符号規則に従い予め定めたM個(Mは2以上の整数)の符号化テーブル要素を用意すると共に、これらM個の符号化テーブル要素の各々は、一又は二以上の所定のmビット(mは3以上の定数)の入力データビットに対応して、所定のnビット(nはmより小なる2以上の定数)の出力符号語と、符号語の間を直接結合しても、前記所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満たすような次の出力符号語を得るために次の入力データビットを符号化するのに使用する、前記M個の符号化テーブル要素のうちの一の符号化テーブル要素を示す状態情報とが格納されており、
前記入力ビット系列のmビットをpビット毎(pはmより小なる整数)にシフトしながら符号化テーブルに入力し、
前記符号化テーブル要素のうち前記状態情報が示す符号化テーブル要素を参照し、シフトする毎に前記入力データビットのpビットを前記所定のnビット毎の出力符号語に変換し、
前記所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を満足すると共に、最大拘束長がN(Nは2以上の整数)の可変長符号規則による前記出力符号語を前記記録媒体に記録することを特徴とする記録方法。
Priority Applications (3)
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