JP3723460B2 - 真空圧密による地盤改良工法及びその施工構造 - Google Patents

真空圧密による地盤改良工法及びその施工構造 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤に含まれる水を排出することで硬質地盤へ改良する地盤改良構造及び工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱地盤から水分や空気を吸い上げて排出し、軟弱地盤を硬質地盤に改良する真空圧密地盤改良工法が知られている。この従来工法では、図7に示したように、軟弱地盤10に複数の鉛直ドレーン材53を打設し、鉛直ドレーン材53の頭部に接触するように軟弱地盤10上に通水材52を敷設し、この通水材52に連通するように有孔集水管51を敷設し、この有孔集水管51を真空ポンプ55に接続し、これら鉛直ドレーン材53の頭部、通水材52、有孔集水管51を覆うように軟弱地盤10上に気密シート51を敷設する。そして、真空ポンプ55を稼働することにより軟弱地盤10に負圧を作用させて水分や空気を吸い上げて排出し、これにより軟弱地盤を圧密してシステム的に地盤改良する。
【0003】
また他の従来工法としては、図8(a)(b)の断面図と平面図に示したように、地盤改良域のほぼ中央に集水枡14を設けるものもある。図8(a)(b)では、鉛直ドレーン材3と通水材2を設けた地盤改良域のほぼ中央に集水枡14を配置し、通水材2に連通するように有孔集水管4を敷設してその一端を集水枡14まで延ばし入れ、集水枡14に設置した排水ポンプ15に排水管16を接続してこの排水管16を地盤改良域外まで延ばし、さらに、真空ポンプ17に接続した吸気管18を集水枡14に延ばし入れている。そして、真空ポンプ17を稼働することにより、有孔集水管4、通水材2、鉛直ドレーン材3を介して地盤改良域に負圧を作用させて集水枡14に地中の水を集め、この集めた水を排水ポンプ15で地盤改良域外まで排出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の真空圧密地盤改良工法では、いずれも真空ポンプの稼働を開始すると、軟弱地盤内の水分や空気が排出されて軟弱地盤の圧密が急速に進む。しかしながら、この圧密が或る程度に達すると、排水量は減少し、軟弱地盤の圧密速度も緩やかになる。軟弱地盤内の空気は、水分を運搬するための媒体として作用するものであるが、軟弱地盤内の空気量は限られており、この空気の大部分が圧密開始初期に水分とともに排出されるからである。したがって、軟弱地盤内の空気が排出された後には、軟弱地盤からの排水量が減少し、そのために工期が長くかかるという問題を生じる。
また鉛直ドレーン材や通水材を介して、毛細管現象で上がってくる鉛直ドレーン中の水も、負圧による吸引作用のみで、水の排出は非常に緩やかなものになる。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決せんとしたものであり、その課題は、軟弱地盤を比較的急速に圧密することができる真空圧密地盤改良工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、複数のドレーン材をほぼ鉛直に軟弱地盤中に打設して頭部を地表面に残し、前記複数のドレーン材の頭部に通水材を介して真空ポンプまたは集水枡を連通させ、前記複数のドレーン材頭部及び前記通水材をシート材により気密に被覆し、シートで気密に覆った軟弱地盤に真空ポンプで負圧を作用させて軟弱地盤中の水を地上に吸引・排出して硬質地盤へ改良するようにした地盤改良工法であって、負圧の加圧中に、前記ドレーン材の地中部に所定量の空気を供給し、軟弱地盤中の水を前記真空ポンプまたは集水枡まで随伴する空気の流れを形成することを特徴とする地盤改良工法を提供する。
【0007】
施工現場における実験結果から、真空ポンプを稼働しながらシート内に適切な量の空気を供給することで、シート内の真空圧を低下させること無く、排水量を増加できることが判明した。本発明は、かかる実験結果に基づいて為されたものである。
本発明において、地盤改良域内の地中に所定量の空気を供給するとは、シート外部から導き入れた外気を地中所定深さにおいて吹出すことであり、ただ単に、シートと軟弱地盤表面との間や、軟弱地盤表面の通水材及び有孔管で外気を吹出すことではない。また透水性が高い地層が地盤改良域に存在する場合には、この地層を介して地中に所定量の空気を供給することも可能である。
真空ポンプを稼働しながらシート内の空気を供給することは、シート内の真空圧の低下に繋がりかねないので、空気の供給量は適切に管理する必要がある。空気の供給量は、当然、真空ポンプによる排気量よりも少ないものでなければならないが、施工現場の条件に合わせて定めることが望ましい。
すなわち、真空圧密工法の施工現場では、地表面付近の圧力、真空ポンプにおける真空圧、排水量、地表面の沈下量を常に計測する。そして、排水量の変化を参照しながら、地表面の圧力を50〜80kN/m2に維持するように、空気の供給量を適宜調整することが望ましい。空気の供給は、連続的または間欠的に行なうことが可能であるが、間欠的に行なう場合には、排水量を鑑みて地表面の圧力が一時的に50kN/m2以下になることも許容できるものである。
【0008】
また本発明では、複数のドレーン材をほぼ鉛直に軟弱地盤中に打設して頭部を地表面に残し、前記複数のドレーン材の頭部に通水材を介して真空ポンプまたは集水枡を連通させ、前記複数のドレーン材頭部及び前記通水材をシート材により気密に被覆してなる地盤改良工法のための施工構造であって、一部または全ての前記ドレーン材が地中部に出口を有する外気の供給通路を備え、前記各供給通路には前記ドレーン材頭部においてシート外部に連通する連結通路が接続されたことを特徴とする地盤改良構造を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記シート外部に連通する外気供給用の連結通路は、ただ単にシートに穴を開けるだけでも形成可能であり、該穴からは通水材や有孔管を介してドレーン材の外気供給通路まで外気が流入するものであるが、該穴からシート内部へ水もしくは土砂の流入を防ぐため、シートを貫通するように設けたパイプをドレーン材頭部で外気供給通路に接続するのが望ましく、材質は負圧で潰れないもの、例えば塩化ビニール製の硬質パイプが考えられる。また、シート外側のパイプ端部にはバルブ等の開閉手段を取り付けて、空気流入の有無や容量を調整できるようにすることが望ましい。
【0012】
また本発明において、前記ドレーン材の外気供給通路は、例えば、ほぼ下端から頭部まで連通するパイプにより構成することができる。したがって、このパイプに、シート外側から挿入した別のパイプをドレーン材頭部で接続すれば、これらパイプを介してドレーン材のほぼ下端へ外気を供給することが可能になり、ドレーン材のほぼ下端から軟弱地盤中のドレーン材を通り通水材及び有孔管を介して真空ポンプまでの空気の流れを形成することができる。この空気の流れは軟弱地盤中の水分を随伴するため、軟弱地盤の圧密効果は格段に向上する。
【0013】
本発明において、前記ドレーン材は、地盤内に含まれる水分を上方の通水材及び有孔管まで導くことができるものであれば良く、例えば、カードボード系ドレーン材や、サンドドレーンなどを使用することができるが、前記カードボード系ドレーン材は取り扱いや打設が比較的容易で、かつ経済性に優れているので最適である。
【0014】
【実施例】
以下、添付図に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は地盤改良工法の一工程を示した簡略な断面図であり、図2は鉛直ドレーン材3を分解して部分的に拡大した斜視図であり、図3は給気管9と鉛直ドレーン材3との接続状態を示す斜視図である。
図1〜図3において、地盤改良工法のための施工構造は、複数の鉛直ドレーン材3を軟弱地盤10中に約1m間隔でほぼ鉛直に打設して頭部を地表面に残し、各鉛直ドレーン材3の頭部に接触するように水平ドレーン材2を軟弱地盤10上に敷設し、水平ドレーン材2に連通するように有孔集水管4を軟弱地盤10上に敷設し、有孔集水管4を真空ポンプ5まで延ばして接続し、これら鉛直ドレーン材3の頭部、水平ドレーン材2、有孔集水管4を気密シート1により気密に被覆して構成しており、さらに、一部または全ての鉛直ドレーン材3が図2のような給気管3cを内蔵し、各給気管3cにはシート外部に連通する給気管9が接続している。
【0015】
さらに詳細に説明すれば、図3に示したように、給気管9を鉛直ドレーン材3の頭部に沿って敷設し、給気管8cをシート材1に貫通させて給気管9に接続し、給気管8cに開閉自在な三方弁7を取り付けてこれに他の2本の給気管8a,8bを接続し、給気管8bの端部に送風用のコンプレッサー6を接続する。給気管8cは、真空ポンプ5から離隔した位置でシート材1に貫通させることが望ましく、耐圧性の良好なパイプを使用し、設置箇所や本数は適宜定める。
ここで、鉛直ドレーン材3としては、図2に示したように、給気管3cと、プラスチックを網状に編んだ芯材3aとを不繊布シート3bで被覆してなるものを使用することが好ましく、給気管3cは鉛直ドレーン材3の上端からほぼ下端まで延長するものであり、この給気管3cのほぼ下端が外気の噴出し出口になり、この給気管3cの上端に給気管9が接続される。なお、鉛直ドレーン材は、必ずしも全て、給気管3cを有する鉛直ドレーン材3にする必要はなく、その設置箇所や本数は適宜定めることができる。
【0016】
次に、本発明の地盤改良工法について、図1〜図3を参照して説明する。
最初に、準備工程として、上記構成の施工構造を地盤改良域に設置する。そして、この準備工程が完了したら、真空ポンプ5を稼働して軟弱地盤に負圧を加えて圧密を開始する。負圧の加圧中、すなわち、所定時間経過して軟弱地盤の圧密沈下が進んだ後、あるいは圧密開始とほぼ同時に、三方弁7の給気管8b側を閉鎖し、給気管8a,8c側を開放する。これにより、外気が給気管8aから三方弁7を介して給気管8c,9を通過し、さらに、給気管3cを通り鉛直ドレーン材3のほぼ下端で軟弱地盤内に放出される。この地中で放出された外気は、鉛直ドレーン材3の下端付近から芯材3aの内部を通り、水平ドレーン材2から有孔管4を介して真空ポンプ5まで流れて、空気の流れを形成する。
したがって、たとえ、軟弱地盤内に最初から存在していた空気の大部分が真空ポンプ5で吸引されたとしても、鉛直ドレーン材3のほぼ下端に所定量の外気が適宜供給され、この外気を媒体として真空ポンプ5からの負圧は有孔管4、水平ドレーン材2、鉛直ドレーン材3の順に伝わり、軟弱地盤中の水は、空気の流れに随伴されて効率良く真空ポンプ5まで吸引することができる。
【0017】
なお、三方弁7の給気管8aを閉鎖して、給気管8b,8c側を開放し、コンプレッサー6を稼働して圧縮空気を圧送すると、鉛直ドレーン材3の下端付近で泥土等により給気管9が詰った場合に、この泥土等を圧縮した空気により吹き飛ばす効果が期待できると共に、水をエアーリフト作用で地上まで運び、脱水圧密を早める効果も期待できる。
【0018】
次に、図4(a)(b)は、図1〜図3とは異なる実施態様の断面図及び平面図である。
図4(a)(b)の施工構造は、地中に透水層13が存在する軟弱地盤10を改良するためのものであって、複数の鉛直ドレーン材3を軟弱地盤10中に約1m間隔でほぼ鉛直に打設して透水層13を貫通させて頭部を地表面に残し、各鉛直ドレーン材3の頭部に接触するように水平ドレーン材2を軟弱地盤10上に敷設し、地盤改良域のほぼ中央に集水枡14を配置する。有孔集水管4は水平ドレーン材2に連通するように敷設してその一端を集水枡14まで延ばし入れ、集水枡14に設置した排水ポンプ15に排水管16を接続してこの排水管16を地盤改良域外まで延ばし、さらに、真空ポンプ17に接続した吸気管18を集水枡14に延ばし入れる。これら鉛直ドレーン材3の頭部、水平ドレーン材2、有孔集水管4、集水枡14を気密シート1により被覆して、この気密シート1の外周部分を軟弱地盤中に埋設して気密シート1内部を気密にする。また気密シート1の所定箇所には管体19を貫通させて、管体19の内部に鉛直ドレーン材3の頭部を収納し、管体19の上端に着脱自在な蓋(図示せず)を設ける。地盤改良域外には透水層13に達するパイプ12を打設し、地上に突出したパイプ12の上端に開閉バルブ11を取り付ける。なお、管体19とパイプ12は両方とも地盤改良域に設置するか、あるいは、いずれか一方のみを設置しても良い。
【0019】
次に、図4の施工構造による地盤改良工法について説明する。
最初に、準備工程として、上記構成の施工構造を地盤改良域に設置する。そして、この準備工程が完了したら、真空ポンプ17を稼働して軟弱地盤に負圧を加えて圧密を開始する。真空ポンプ17による負圧は、集水枡14から有孔集水管4、水平ドレーン材2、鉛直ドレーン材3を介して地盤改良域に作用し、地中の水は集水枡14に集まり、この集めた水は排水ポンプ15により排水管16を通って地盤改良域外まで排出される。負圧の加圧中、すなわち、所定時間経過して軟弱地盤の圧密沈下が進んだ後、あるいは圧密開始とほぼ同時に、管体19の蓋を外し、開閉バルブ11も開放する。これにより、外気が管体19から鉛直ドレーン材3を介して軟弱地盤内に供給され、同時に、パイプ12の下端開口から外気が透水層13に放出される。この透水層13に放出された外気は、鉛直ドレーン材3の透水層13を通る部分から芯材3aの内部を通り、水平ドレーン材2から有孔管4を介して集水枡14まで流れ、この集水枡14から排気管18を通って真空ポンプ17まで流れて、空気の流れを形成する。
したがって、たとえ、軟弱地盤内に最初から存在していた空気の大部分が真空ポンプ17で吸引されたとしても、鉛直ドレーン材3の地中埋設部分に所定量の外気が適宜供給され、この外気を媒体として真空ポンプ17からの負圧は有孔管4、水平ドレーン材2、鉛直ドレーン材3の順に伝わり、軟弱地盤中の水は、空気の流れに随伴されて効率良く集水枡14まで吸引することができる。
【0020】
次に、図5は、図4と同様に地盤改良域のほぼ中央に集水枡14が設けられる施工構造であって、前記管体19とパイプ12を設けることなく、これらに替えて、図5中において斜線を施した鉛直ドレーン材3Aに給気管3cを内蔵するものを使用したものである。ここで、給気管3cは気密シートを貫通させて端部を開放状態で外部に出しておくか、あるいは、図3と同様に各給気管3cの端部に給気管9を接続し、さらに給気管8a,8b,8c、三方弁7、コンプレッサー6等を設置しても良い。
なお、鉛直ドレーン材は、全て上記のような給気管内蔵タイプのものとしても良いのであるが、実用的には、図5のように地盤改良域の周辺部のみに配置するほうが好ましい。つまり、地盤改良域の周辺部は、その外周の地盤の拘束や周辺地下水の流入によって、一般的に圧密沈下が小さくなる傾向がある。このため、当該周辺部のみにおいて、給気管内蔵タイプの鉛直ドレーン材により、地盤改良域の周辺部の排水効率を高めて、地盤改良域の全域の圧密沈下を促進することが好ましい。
また鉛直ドレーン材3Aに内蔵の給気管3cの長さは任意であるが、鉛直ドレーン材の製造上・施行上の理由や、地盤改良域において緩やかな空気の流れを作り出すためには、鉛直ドレーン材の材軸方向の全長に設けることが望ましい。なお、給気管3cを有孔管とすることも可能である。
このような構成の施工構造においても、真空ポンプ5の圧密を開始し、所定時間経過して軟弱地盤の圧密沈下が進んだ後、あるいは圧密開始とほぼ同時に三方弁7を開放すると、外気は給気管3cを通り鉛直ドレーン材3Aのほぼ下端で放出され、ここから真空ポンプ17に至る空気の流れが形成され、この空気の流れに随伴されて軟弱地盤中の水は効率良く真空ポンプ17まで吸引される。
【0021】
また、図示はしないが、上記給気管7,8,9に替えてシート材1に単に穴を開け、ここから外気を供給しても良く、本発明と同様な効果が期待できる。この場合、泥土等により穴が詰まるのを防止するため、水平ドレーン材2または有孔管4の上に位置するシート材1の箇所に穴を開けるのが望ましい。
【0022】
次に、図6は、負圧を加えながら地盤内へ外気を供給する本発明の工程を、浚渫土等の高含水性土砂の圧密処理工法に適用する例を示した断面図である。
図6において、地盤30を掘削して形成したピットの底面及び側面にシート31a,31bを敷設し、このシート31a上にサンドマット32を形成する。サンドマット32内には有孔集水管33を埋設し、この有孔集水管33を地上に配置した真空ポンプ(図示せず)に接続する。また外気を供給するための給気パイプ34をピット内に設置し、その下端をサンドマット32内へ挿入し上端をピット外へ突出させ、パイプ34の上端付近に開閉バルブ35を取り付ける。そして、ピット内に浚渫土を投入し、この上をシート31cで気密に被覆すれば、高含水性土砂の圧密処理のためのピットが構築される。ここで、浚渫土内に鉛直ドレーン材を敷設するのは任意である。
以上のような圧密処理ピットにおいて、真空ポンプにより高含水性土砂に負圧を作用させると、高含水性土砂からの水が、サンドマット32から有孔集水管33を介して真空ポンプ付近の集水器まで吸引排出される。このとき、開閉バルブ35を開放状態にすると、外気がサンドマット32に供給されて有孔集水管33から真空ポンプに至る空気の流れが形成され、この空気の流れに高含水性土砂から水分が随伴して圧密処理ピットにおける排水効率を良好なものにすることができる。
なお、図には示さないが、給気パイプ34の下端を有孔集水管33と接続しても同様な効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、軟弱地盤をシートで気密に覆い、真空ポンプで負圧を作用させて軟弱地盤中の水を地上に吸引・排出し、負圧の加圧中、すなわち、所定時間経過した後、あるいは真空ポンプの稼働とほぼ同時に、真空ポンプから離隔した所定箇所において所定量の外気を軟弱地盤の地中に供給するので、この外気が軟弱地盤内の水分を真空ポンプまで運搬するための媒体として作用する。したがって、たとえ、軟弱地盤内に最初から存在していた空気の大部分が真空ポンプで吸引され尽くしても、水分の運搬媒体としての外気により軟弱地盤の圧密効果は継続し、軟弱地盤を比較的急速に圧密することができる。
【0024】
また集水ポンプを併用した場合には、給気による圧力低下の影響を受けにくいので、施工管理が容易で、一層効果的な地盤改良が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地盤改良工法のための施工構造を示した簡略な断面図である。
【図2】本発明の地盤改良工法に用いるドレーン材を部分的に拡大した斜視図である。
【図3】図1における部分拡大斜視図である。
【図4】図1とは異なる実施態様を示す図であって、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図5】図1及び図4とは異なる実施態様を示す平面図である。
【図6】本発明の一工程を、高含水性土砂の圧密処理工法に適用した例を示す断面図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【図8】(a)(b)は従来例を示す断面図及び平面図である。
【符号の説明】
1 気密シート(シート材)
2 水平ドレーン材(通水材)
3 鉛直ドレーン材(ドレーン材)
3c 給気管
4 有孔集水管(有孔管)
5 真空ポンプ
7 バルブ
8a,8b,8c 給気管(外気の供給通路)
10 軟弱地盤
14 集水枡

Claims (4)

  1. 複数のドレーン材をほぼ鉛直に軟弱地盤中に打設して頭部を地表面に残し、前記複数のドレーン材の頭部に通水材を介して真空ポンプまたは集水枡を連通させ、前記複数のドレーン材頭部及び前記通水材をシート材により気密に被覆し、シートで気密に覆った軟弱地盤に真空ポンプで負圧を作用させて軟弱地盤中の水を地上に吸引・排出して硬質地盤へ改良するようにした地盤改良工法であって、負圧の加圧中に、前記ドレーン材の地中部に所定量の空気を供給し、軟弱地盤中の水を前記真空ポンプまたは集水枡まで随伴する空気の流れを形成することを特徴とする地盤改良工法。
  2. 複数のドレーン材をほぼ鉛直に軟弱地盤中に打設して頭部を地表面に残し、前記複数のドレーン材の頭部に通水材を介して真空ポンプまたは集水枡を連通させ、前記複数のドレーン材頭部及び前記通水材をシート材により気密に被覆してなる地盤改良工法のための施工構造であって、一部または全ての前記ドレーン材が地中部に出口を有する外気の供給通路を備え、前記各供給通路には前記ドレーン材頭部においてシート外部に連通する連結通路が接続されたことを特徴とする施工構造。
  3. 前記集水枡内に排水ポンプを設置し、該集水枡内の水を地盤改良域外まで排出する請求項1に記載の地盤改良工法。
  4. 前記集水枡内に排水ポンプを設置し、該集水枡内の水を地盤改良域外まで排出する請求項2に記載の施工構造。
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