JP4210965B2 - 減圧による盛土安定化工法 - Google Patents

減圧による盛土安定化工法 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、盛土を行うための工法に関し、特に高い割合で水を含んでいる土による盛土を行うのに適した減圧による盛土安定化工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
盛土は、道路を建設したり、宅地を造成したりする場合になされるものであり、その工法としては従来より種々なものが提案されてきている。そして、盛土を行うべき場所や、その盛土のために採取される土砂の状況に応じた種々な工法も提案されてきている。
【0003】
盛土のための採取土砂や施工現場で通常問題になるのが、「水分」である。施工現場や盛土用土砂中に水分が多ければ、盛土そのものが行えないだけでなく、軟弱な盛土となってしまう。このため、この水分を盛土内から除去するために、従来より種々な工法が採用されてきているのであり、その内の一例として、例えば特開平6−002328号公報にて提案されている「地盤改良工法とその装置」がある。
【0004】
この従来の地盤改良工法では、上記公報の要約の記載からすると、「上部には圧縮空気圧入管と同排出管ならびに減圧のための空気吸引管が、また下端部にはセメントスラリー等の地盤改良剤の供給管と圧縮空気導入管がそれぞれ取付けられた地盤改良用中空管を軟弱地盤に打ち込みながら上記改良剤を中空管内に噴出させて該中空管に相応する部分の軟弱土を中空管に取込んで行き、所定深度まで打ち込んだ後、上記した下方の導入管から中空管内にエアを圧入し、必要により上記した上部吸引管からエアを吸引して中空管内上方を負圧にして、下方から導入したエアを中空管内に取込まれた軟弱土中を通過させることにより改良剤との混合撹拌を行ない、その後に中空管を引抜いて軟弱地盤の原位置に中空管とほぼ同径の強化抗体を排出造成する」ものであり、造成地が完了していることを条件として、造成地内に「強化抗体」を造成するようにしているものである。
【0005】
この技術を「盛土型道路」に適用しようとすると、その盛土が崩れないようにしておいてから地盤改良用中空管の打込みを行わなければならないから、施工が非常に大変なものとなる可能性があって、上記技術の盛土に対する適用はできないものと考えられる。
【0006】
これに対して、軟弱土砂を利用した盛土を形成する場合に、砂や不織布を利用した水平ドレン材を、一定の高さ毎に敷設しておき、この水平ドレン材の端部を盛土外に出して、その吸排水機能を利用した工法がある。この工法であれば、一定厚さの盛土を行う毎に水平ドレン材を敷設していけばよいから、盛土周辺の土留めや、中空管の打込み、強化抗体の造成をしなくてもよく、施工を簡単に行うことができる。
【0007】
しかしながら、このような水平ドレン材を使用した盛土工法では、次のような改良しなければならない点を、未だ残している。
【0008】
(1)水平ドレン材による水分の排出は、毛細管現象の言わば自然の力を利用して行うものであるため、非常に時間がかかる。特に、非常に水分の多い軟弱な土砂を利用して盛土する場合には、ある厚さ分の水分排出を待ってから、その上への盛土を次々に行っていかなければならないから、全体の工期は非常に長くならざるを得ない。
【0009】
(2)水平ドレン材は盛土外に端部を出しておくものであるから、降雨等が大量にあった場合には、排出された水がドレン材の端部という固定化された部分から大量に流れ出ることになる。そうすると、この水平ドレン材の端部が露出している法面の部分が、排出によって洗掘されてしまうという問題を生ずる。
【0010】
(3)水平ドレン材は、これが盛土上面に十分密着して敷設されればよいが、そうでない場合には、盛土上と水平ドレン材との間に「不陸」と呼ばれる浮いた部分が生じ、ここに水分が溜まることになって、盛土の安定化を阻害することにもなる。
【0011】
そこで、本発明者等は、水分を多く含んだ軟弱土砂を使用して盛土を行う場合に、工期を短縮しながら、盛土の安定化を行うにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の実状に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は盛土工期の短縮と、盛土の安定化である。
【0013】
すなわち、まず請求項1に係る発明の目的とするところは、水平排水材(ドレン材)の長所を十分生かしながら、排水作用を確実かつ短時間内に行うようにして、工期を短縮できて安定化を促進することができ、ひいては高含水材料を使用しても盛土を形成することのできる減圧による盛土安定化工法を提供することにある。
【0014】
また、請求項2に係る発明の目的とするところは、上記請求項1に係る発明と同様な目的を達成することができる他、真空ポンプ及び排水ポンプの作動を効率的に行って経費の節約を一層すすめることのできる減圧による盛土安定化工法を提供することにある。
【0015】
そして、請求項3に係る発明の目的とするところは、上記請求項1または請求項2に係る発明と同様な目的を達成することができる他、さらに工期短縮を図ることのできる減圧による盛土安定化工法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、「次の各工程からなる減圧による盛土安定化工法。
【0017】
(1)
盛土すべき地面上に、内端がこの盛土される部分の略中央に位置し外端が前記盛土外に引き出される少なくとも1本の直管30を配置するとともに、前記地面上に第1水平排水材21を敷設して、この第1水平排水材21上に直管30の内端側に接続される多数の第1有孔管41を配置する工程;
(2)
直管30の内端側に第1垂直管51の下端を接続してから、この第1垂直管51の上端を露出させながら、第1水平排水材21及び第1有孔管41上に第1盛土11を行う工程;
(3)
第1垂直管51の上端を閉じた状態で、直管30の外端側に接続した真空ポンプ32を作動させることにより、第1水平排水材21及び第1有孔管41を通して第1盛土11内部を減圧する工程;
(4)
第1垂直管51の上端を閉じた状態で、真空ポンプ32の外側に接続した排水ポンプ31を作動させることにより、第1水平排水材21及び第1有孔管41によって集められた水を第1盛土11外に排水する工程;
(5)
第1垂直管51の上端に第2垂直管52を接続してから、(2)の工程で形成された第1盛土11上に、第2水平排水材22及び多数の第2有孔管42を敷設して、これらの第2有孔管42を第2垂直管52に接続する工程;
(6)
これらの第2水平排水材22及び第2有孔管42上に第2盛土12を行う工程;
(7)
第2垂直管52の上端を閉じた状態で、真空ポンプ32及び排水ポンプ31を駆動することによって、第1と第2水平排水材21・22、及び第1と第2有孔管41・42からの排水を行う工程;
(8)
上記工程の(5)〜(7)を所定回数繰り返す工程」である。
【0018】
すなわち、この請求項1に係る減圧による盛土安定化工法は、図1及び図2に示すように、地面や各盛土の上面に、第1水平排水材21や第1有孔管41を配置しておいて、これらにより、まず、第1垂直管51の上端を閉じた状態で、直管30の外端側に接続した真空ポンプ32を作動させることにより、第1水平排水材21及び第1有孔管41を通して第1盛土11内部を減圧するのである。
【0019】
換言すれば、本発明の減圧による盛土安定化工法においては、盛土された直後の第1盛土11等の中に含まれる空気、特に第1水平排水材21や第1有孔管41の周囲に位置する空気を真空ポンプ32によって排除することにより、当該第1水平排水材21や第1有孔管41の周囲を減圧状態にして、第1盛土11等の中に含まれる水分をその外に排出し易くしておくのである。
【0020】
そして、第1垂直管51の上端を閉じた状態で、今度は真空ポンプ32の外側に接続した排水ポンプ31を作動させることにより、第1水平排水材21や第1有孔管41が配置された面近傍の水分が、これらの第1水平排水材21や第1有孔管41の略中央に位置する第1垂直管51を介して直管30に集まるようにするのである。そして、この直管30に接続してある排水ポンプ31を作動させることにより、第1盛土11内に含まれている水分を外部に排出させて、図4に示すような盛土10を形成しようとするものである。つまり、排水ポンプ31を作動させることにより、内部が減圧された第1盛土11等の中に含まれる水分を、この第1盛土11の下側に配置されている第1水平排水材21や第1有孔管41等の中に強制的に導き、第1盛土11等の外へ排出しようとするものである。
【0021】
以上のようにするために、本発明においては、排水ポンプ31及び真空ポンプ32によって形成される負圧が第1盛土11等の略全体的にかかるように、第1水平排水材21や第1有孔管41等を使用し、これらを1本の直管30に対して第1垂直管51等によってまとめ、この直管30に排水ポンプ31及び真空ポンプ32を接続するようにしたものである。
【0022】
ところで、第1水平排水材21及び第1有孔管41を、図2に示すように、盛土10を形成するために整地した地面上に配置した後に、図1に示すような第1盛土11を形成すれば、第1水平排水材21及び第1有孔管41は盛土や地面によって密閉された状態となる。ところが、第1水平排水材21においては、各繊維間や積極的に形成した排水溝によってその内部に連通空間が存在し、この連通空間は第1有孔管41の各孔を介して第1垂直管51に連通することになり、この第1垂直管51を接続した直管30を介して真空ポンプ32に連通されるのである。従って、この真空ポンプ32によって形成された負圧は、第1水平排水材21の略全面側にかけられることになるから、この第1水平排水材21が水を受け止めれば、この水は排水ポンプ31によって外部に排出されることになるのである。
【0023】
従って、この第1盛土11を形成するに際して、この第1盛土11中に水分が含まれていれば、この水分が第1水平排水材21の全面によって受け止められて排水ポンプ31によって第1盛土11外へ排出されるから、この第1盛土11は短時間内に排水されて安定化したものとなるのである。
【0024】
このように、第1盛土11の安定化が早期になされるため、この第1盛土11上への次の第2水平排水材22及び第2有孔管42の敷設・配置作業も早期に行える。場合によっては、第1盛土11の排水作業中に第2水平排水材22及び第2有孔管42の施工が行える。勿論、この場合、次の第2盛土12中になる第2垂直管52を、第1盛土11上に上端が露出している第1垂直管51に接続するのであり、この第2垂直管52の上端をキャップ53によって閉じておいてから第2盛土12のための盛土を行うのである。
【0025】
第1盛土11上への第2盛土12の形成が済めば、真空ポンプ32及び排水ポンプ31を上述したように作動させて、第2盛土12中の空気や水分は勿論、この第2盛土12から第1盛土11中に移動した、あるいは第2盛土12の荷重によって浸みだした第1盛土11中の水分を外部へ排出させるのである。この第2盛土12の排出作業も、前述した第1盛土11の場合と同様に、早期に完了するものである。以上の工程を繰り返すことにより、図4に示した盛土10が安定したものとして完成するのである。
【0026】
このように、第1盛土11等の中の水分は、第1水平排水材21、第1有孔管41、第1垂直管51及び直管30によって外部に排出されるのであるから、第1盛土11等の中から水分が法面側に直接出ることはない。つまり、第1盛土11等の法面は排水によって洗掘されることが全くないのであり、このことにより法面の養生作業や再生作業が不必要となっている。従って、この点からしても、当該減圧による盛土安定化工法は、前述した従来技術との比較からすると、施工期間を短縮することができるのである。
【0027】
さて、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1の減圧による盛土安定化工法について、「各盛土中または面の所定箇所に負圧センサー35を配置しておき、これら各負圧センサー35によって負圧が検出されたとき、排水ポンプ31及び真空ポンプ32の作動を停止させるようにしたこと」である。
【0028】
すなわち、この請求項2の減圧による盛土安定化工法では、第1盛土11等の中または下面に配置した負圧センサー35によって、真空ポンプ32や排水ポンプ31の作動時期を制御するようにしたものであり、第1盛土11等の中や下面の圧力が、水分を排出するのに十分な負圧となっているときには、これを各負圧センサー35が検知して排水ポンプ31及び真空ポンプ32の作動を停止させるようにしたものである。
【0029】
従って、この請求項2の減圧による盛土安定化工法によれば、第1盛土11等の中が、排水を行うのに十分な負圧状態となっているときには、排水ポンプ31及び真空ポンプ32の作動を停止させるのであり、排水ポンプ31及び真空ポンプ32を効率良く稼働させることができて、工費の節減を図ることができるのである。
【0030】
そして、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2の減圧による盛土安定化工法について、「前記各盛土中に水圧計36を配置しておき、これら各水圧計36によって検出された間隙水圧により、各盛土速度を調整するようにしたこと」である。
【0031】
すなわち、この請求項3の減圧による盛土安定化工法は、図2に示すように、各盛土中に水圧計36を配置しておき、これら各水圧計36によって検出された間隙水圧が、制御機33等によって所定の値以下になったと判断されたとき、次の段の盛土を開始するようにしたものであり、各盛土速度を調整する、つまり次の盛土を行う最適な時期を決定できるようにしたものである。
【0032】
従って、この請求項3の減圧による盛土安定化工法によれば、上記の請求項1または請求項2に記載の減圧による盛土安定化工法と同様な作用・効果を発揮できることは勿論、水圧計36の存在によって各盛土速度を調整することができるのであり、工期短縮をより一層図ることができるのである。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、上記のように構成した各請求項の発明を、図面に示した実施の形態に従って説明すると、この実施形態の減圧による盛土安定化工法は、上記各請求項の発明を実質的に含むものであるため、以下ではこの実施形態の減圧による盛土安定化工法を中心に説明していくこととする。
【0034】
図1には、本発明に係る減圧による盛土安定化工法によって、まず第1盛土11を完成した縦断面図が示してあり、この第1盛土11は、整地した地面上に形成したものである。この第1盛土11を形成する前の地面中あるいは上には、図2に示したように、外端が第1盛土11外に出る直管30が配管されるのであり、その地面上には第1水平排水材21が敷設されるのである。
【0035】
また、この第1盛土11を形成する際には、図2にも示したように、この第1盛土11中に水圧計36を配置しておくのである。これら各水圧計36は、その検知結果を制御機33に伝達すべく、適宜配線によって制御機33に接続してある。この水圧計36によって検出された間隙水圧が、制御機33において設定してある圧力より低くなった場合には、次の段階の盛土を行うようにして、盛土開始の最適時を調整するようにしたものである。
【0036】
上記の第1水平排水材21は、その端部が第1盛土11外へ出てしまわないように、図2に示したように、法面から1m〜2m程度内側となるように敷設されるものである。端部が法面外に出ていると、排水ポンプ31や真空ポンプ32の作動時にこの端部から外気が吸い込まれてしまって、排水効率が低下してしまうだけでなく、排水ポンプ31の非作動時に水がこの端部から法面外に流れて法面の洗掘を行ってしまうから、この第1水平排水材21等の端部は第1盛土11等の中になるようにしておくのである。
【0037】
上記の第1水平排水材21等としては種々の状態のものが採用できるが、最も安価に提供されていて、しかも施工作業もし易いものが、不織布を使用したものである。勿論、この第1水平排水材21等は、第1盛土11中に埋設されてしまうものであるため、第1盛土11の一部となるように、植物繊維で形成したものあるいは土中の微生物によって分解される生分解性の材料によって形成したものであってもよい。
【0038】
このような第1盛土11上には、多数の孔を有したパイプである第1有孔管41を配置するのであるが、この第1有孔管41の外端は、図2に示したように、第1水平排水材21の縁より内側となるようにされる。一方、この第1有孔管41の内端側は、直管30の内端側に連結した第1垂直管51に接続されるものである。また、この第1有孔管41は、図2にも示したように、第1水平排水材21上に多数配置されるものであり、その各内端は、上述した第1垂直管51に連結されることは言うまでもない。
【0039】
各第1有孔管41等は、第1水平排水材21側の水分を吸収するものであるため、文字通り吸水のための孔を多数有しているものである。勿論、各第1有孔管41の外端は閉じてあり、内端は第1垂直管51側に連通させて連結できるようにしてある。
【0040】
また、上記第1水平排水材21上には、この第1水平排水材21上に第1盛土11を盛土したときにその中の負圧を検知する負圧センサー35が、図2に示したように、ランダムに配置されている。これら各第1水平排水材21は、後述する制御機33に全て電気的に接続されるものであり、この制御機33に負圧か否かの状態を伝達するものである。
【0041】
上記第1水平排水材21の下側には、図2にも示したように直管30が配置されていたのであるが、この直管30の外端には、各図において示したように、逆止弁34を介して、真空ポンプ32、排水ポンプ31、制御機33がこの順に接続される。これらの排水ポンプ31及び真空ポンプ32によって、第1水平排水材21が捕捉した水及び空気を吸引することは、前述した通りである。
【0042】
さて、図2に示したように、各部材を配置した後には、図1に示したように、第1盛土11を盛土するのである。そして、排水ポンプ31を作動させることにより、この第1盛土11内の水分を外部へ排出することは前述した通りである。この場合、第1垂直管51の上端は、図2に示したように、キャップ53によって閉じておく。
【0043】
次に、図3に示したように、第1盛土11上に次の第2盛土12を形成するのであるが、そのためには、第1垂直管51の上端に第2垂直管52を接続してこの第2垂直管52の上端をキャップ53で閉じ、そして第1盛土11上に第2水平排水材22及び第2有孔管42を敷設・配置するのである。このときにも、負圧センサー35及び水圧計36を設置しておくとよい。
【0044】
そして、真空ポンプ32及び排水ポンプ31を作動させることにより、第2盛土12内及び第1盛土11内に残留している水分を、各第1水平排水材21、第2水平排水材22、第1有孔管41及び第2有孔管42を介して外部に排出するのである。以上の工程を数回繰り返すことにより、図4に示した盛土10が完成するのである。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に係る発明においては、上記実施形態にて例示した如く、「次の各工程からなる減圧による盛土安定化工法。
【0046】
(1)
盛土すべき地面上に、内端がこの盛土される部分の略中央に位置し外端が前記盛土外に引き出される少なくとも1本の直管30を配置するとともに、前記地面上に第1水平排水材21を敷設して、この第1水平排水材21上に直管30の内端側に接続される多数の第1有孔管41を配置する工程;
(2)
直管30の内端側に第1垂直管51の下端を接続してから、この第1垂直管51の上端を露出させながら、第1水平排水材21及び第1有孔管41上に第1盛土11を行う工程;
(3)
第1垂直管51の上端を閉じた状態で、直管30の外端側に接続した真空ポンプ32を作動させることにより、第1水平排水材21及び第1有孔管41を通して第1盛土11内部を減圧する工程;
(4)
第1垂直管51の上端を閉じた状態で、真空ポンプ32の外側に接続した排水ポンプ31を作動させることにより、第1水平排水材21及び第1有孔管41によって集められた水を第1盛土11外に排水する工程;
(5)
第1垂直管51の上端に第2垂直管52を接続してから、(2)の工程で形成された第1盛土11上に、第2水平排水材22及び多数の第2有孔管42を敷設して、これらの第2有孔管42を第2垂直管52に接続する工程;
(6)
これらの第2水平排水材22及び第2有孔管42上に第2盛土12を行う工程;
(7)
第2垂直管52の上端を閉じた状態で、真空ポンプ32及び排水ポンプ31を駆動することによって、第1と第2水平排水材21・22、及び第1と第2有孔管41・42からの排水を行う工程;
(8)
上記工程の()〜(7)を所定回数繰り返す工程」にその構成上の特徴があり、これにより、水平排水材(ドレン材)の長所を十分生かしながら、排水作用を確実かつ短時間内に行うようにして、工期を短縮できて安定化を促進することができ、ひいては高含水材料を使用しても盛土を形成することのできる減圧による盛土安定化工法を提供することができるのである。
【0047】
すなわち、本発明の減圧による盛土安定化工法においては、次のような効果がある。
【0048】
・今まで使用することができなかった高含水比の盛土材を使用して盛土10を形成することができる。
【0049】
・高含水比の盛土材を使用した場合であっても、工期の短縮化を図ることができる。
【0050】
・短期の工期であっても、盛土10の圧密沈下を促進することが、盛土10の安定化を短期間で行うことができる。
【0051】
また、請求項2の減圧による盛土安定化工法によれば、上記請求項1の減圧による盛土安定化工法について、「各盛土中または面の所定箇所に負圧センサー35を配置しておき、これら各負圧センサー35によって負圧が検出されたとき、排水ポンプ31及び真空ポンプ32の作動を停止させるようにした 」ことにその特徴があり、これにより、上記請求項1に係る発明と同様な目的を達成することができる他、排水ポンプや真空ポンプの作動を効率的に行って経費の節約を一層すすめることのできる減圧による盛土安定化工法を提供することができるのである。
【0052】
そして、請求項3の発明によれば、上記請求項1または請求項2の減圧による盛土安定化工法について、「前記各盛土中に水圧計36を配置しておき、これら各水圧計36によって検出された間隙水圧が、所定の値以下となったとき、次段の盛り土を行うように各盛土速度を調整するようにしたこと」にその特徴があり、これにより、上記の請求項1または請求項2に記載の減圧による盛土安定化工法と同様な作用・効果を発揮することは勿論、各盛土速度を調整することができて、工期短縮をより一層図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る減圧による盛土安定化工法を採用して形成した第1盛土の縦断面図である。
【図2】 図1中の1−1線に沿ってみた部分拡大平面図である。
【図3】 図1の第1盛土の上に第2盛土を形成した状態の縦断面図である。
【図4】 本発明の減圧による盛土安定化工法によって完成した盛土の縦断面図である。
【符号の説明】
10 盛土
11 第1盛土
12 第2盛土
21 第1水平排水材
22 第2水平排水材
30 直管
31 排水ポンプ
32 真空ポンプ
33 制御機
34 逆止弁
35 負圧センサー
36 水圧計
41 第1有孔管
42 第2有孔管
51 第1垂直管
52 第2垂直管
53 キャップ

Claims (3)

  1. 次の各工程からなる減圧による盛土安定化工法。
    (1)盛土すべき地面上に、内端がこの盛土される部分の略中央に位置し外端が前記盛土外に引き出される少なくとも1本の直管を配置するとともに、前記地面上に第1水平排水材を敷設して、この第1水平排水材上に前記直管の内端側に接続される多数の第1有孔管を配置する工程;
    (2)前記直管の内端側に第1垂直管の下端を接続してから、この第1垂直管の上端を露出させながら、前記第1水平排水材及び第1有孔管上に第1盛土を行う工程;
    (3)前記第1垂直管の上端を閉じた状態で、前記直管の外端側に接続した真空ポンプを作動させることにより、前記第1水平排水材及び第1有孔管を通して前記第1盛土内部を減圧する工程;
    (4)前記第1垂直管の上端を閉じた状態で、前記真空ポンプの外側に接続した排水ポンプを作動させることにより、前記第1水平排水材及び第1有孔管によって集められた水を前記第1盛土外に排水する工程;
    (5)前記第1垂直管の上端に第2垂直管を接続してから、前記(2)の工程で形成された第1盛土上に、第2水平排水材及び多数の第2有孔管を敷設して、これらの第2有孔管を前記第2垂直管に接続する工程;
    (6)これらの第2水平排水材及び第2有孔管上に第2盛土を行う工程;
    (7)前記第2垂直管の上端を閉じた状態で、前記真空ポンプ及び排水ポンプを駆動することによって、前記第1と第2水平排水材、及び第1と第2有孔管からの排水を行う工程;
    (8)上記工程の()〜(7)を所定回数繰り返す工程。
  2. 前記各盛土中または面の所定箇所に負圧センサーを配置しておき、これら各負圧センサーによって負圧が検出されたとき、前記真空ポンプ及び排水ポンプの作動を停止させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の減圧による盛土安定化工法。
  3. 前記各盛土中に水圧計を配置しておき、これら各水圧計によって検出された間隙水圧が、所定の値以下となったとき、次段の盛り土を行うように各盛土速度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の減圧による盛土安定化工法。
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