JP3723499B2 - 真空圧密による地盤改良構造及び工法 - Google Patents

真空圧密による地盤改良構造及び工法 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤に含まれる水を排出することで硬質地盤へ改良する地盤改良構造及び工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱地盤から水分や空気を吸い上げて排出し、軟弱地盤を硬質地盤に改良する真空圧密地盤改良工法が知られている。この従来工法は、図8(a)(b)の断面図及び平面図に示したように、軟弱地盤50に複数の鉛直ドレーン材53を打設し、軟弱地盤50上に通水材52を敷設し、この通水材52に連通するように有孔集水管51を敷設し、この有孔集水管51を真空ポンプ55に接続し、これら鉛直ドレーン材53の頭部、通水材52、有孔集水管51を覆うように軟弱地盤50上に気密シート54を敷設する。そして、真空ポンプ55を稼働することにより軟弱地盤50に負圧を作用させて水分や空気を吸い上げて排出し、これにより軟弱地盤を圧密してシステム的に地盤改良する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の工法では、下記のような問題点がある。
(1)有孔集水管を介して真空ポンプで減圧と排水の両方を行うので、排水時の脈動や土粒子の有孔集水管内外への付着などにより、減圧や排水の効率が低下することが多かった。
(2)改良対象地盤の沈下に伴ない、有孔集水管が真空ポンプに向かって上り勾配を持つことがあり、この場合、勾配に抗して排水するのでエネルギーロスが大きかった。
【0004】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決せんとしたものであり、その課題は、排水効率の低下に繋がる脈動や土粒子の有孔集水管等への付着を防止できる地盤改良構造及び工法を提供することである。
【0005】
また別の課題は、改良対象地盤の沈下に伴なって地表面に勾配が生じても、排水に伴なうエネルギーロスを最小限に抑制することができる地盤改良構造及び工法を提供することである。
【0006】
さらに別の課題は、作業効率を高めることにより、工程の短縮と品質の確保を確実にする地盤改良構造及び工法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、改良対象域において地表面から地中にほぼ鉛直に打設された複数のドレーン材と、該複数のドレーン材の頭部に連通するように設けられた通水材及び有孔管と、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点またはその付近において前記有孔管が連通するように設けられた空洞部と、前記空洞部、前記複数のドレーン材の頭部、前記通水材及び前記有孔管とともに改良対象域を気密に被覆するシート材と、前記空洞部に集められた水をシート材の外部に排出するための排水ポンプと、前記シート材で気密に覆った改良対象地盤に負圧を作用させるため前記空洞部に連通する真空ポンプとを備え、前記空洞部から真空ポンプまでの管路にジェットポンプを介在させたことを特徴とする地盤改良構造が提供される。
【0008】
本発明の地盤改良構造では、地盤改良による沈下が実質的に最大となることが予想される地点及びその付近に空洞部を配置し、この空洞部に有孔管を連通させるので、沈下に伴なって発生する地表面の勾配が空洞部に向かって下り勾配になり、有孔管の勾配も空洞部に向かって下り勾配になる。したがって、地表面及び地表付近まで吸い上げられた水は、空洞部に作用する真空ポンプの負圧により、下り勾配に沿って有孔管、地表面及び地表付近を通って効率良く空洞部に導かれる。
【0009】
また本発明では、頭部を地表面に残して複数のドレーン材を軟弱地盤にほぼ鉛直に打設し、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点付近に前記有孔管が連通する空洞部を設け、前記複数のドレーン材の頭部を通水材及び有孔管を介して前記空洞部に連通させるとともに、前記空洞部にジェットポンプを介して真空ポンプを連通させ、該ジェットポンプは外気に対して開放状態に設けられる外気流入口を備え、前記空洞部、前記複数のドレーン材頭部、前記通水材及び前記有孔管とともに改良対象地盤をシート材により気密に被覆し、地中の水をドレーン材から通水材及び有孔管を通して吸引して前記空洞部に集めてここからシート材の外部に水を排出するとともに、前記真空ポンプの負圧をジェットポンプから空洞部を介して軟弱地盤に作用させ、前記ジェットポンプにおける負圧が所定以上になった場合には、その外気流入口から外気をジェットポンプ内に流入させることにより、前記空洞部からの空気の吸引を促進することを特徴とする地盤改良工法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の地盤改良構造では、前記有孔管を前記空洞部から放射状に延びるように配置し、前記通水材を所定の有孔管に対してほぼ直交するように配置することが好ましい。
【0011】
本発明の地盤改良構造では、前記空洞部を中心としてほぼ十字状の平面配置で前記有孔管を設け、前記有孔管にほぼ直交するように前記通水材を配置することが好ましい。
【0012】
以上のように前記通水材を前記有孔管にほぼ直交するように配置すれば、沈下に伴なって空洞部に向かう下り勾配が地表面に生じた場合、各通水材も有孔管との接点に向かって下り勾配になり、これにより、水は各通水材から有孔管へ効率良く導くことができる。
【0013】
本発明の地盤改良構造では、前記空洞部から真空ポンプまでの管路にジェットポンプを介在させる。ここで、ジェットポンプは、管状に形成された本体部が吸込口、吐出口及び外気流入口を備え、外気流入口にノズルが設けられ、このノズルは最小径の中央部の両側すなわち外側と内側に向かって拡径するように形成されたものであり、前記吸込口は空洞部から空気を吸い込むため直接あるいは連結管を介して空洞部に接続され、前記吐出口は直接あるいは連結管を介して真空ポンプに接続され、前記外気流入口は外気に対して開放状態になっている。かかるジェットポンプは、真空ポンプが稼動すると、空洞部の空気が吸込口から本体部に流れ込み、吐出口から真空ポンプへと流れ出るとともに、外気流入口のノズルからは外気が本体部に流入し、このジェットポンプにおける負圧が所定以上になると、ノズルからは外気が超音速で本体部内に噴出される。この外気のノズルからの超音速流により、空洞部からの空気の吸引が促進される。
【0014】
本発明は、特に限定するものではないが、一般的に粘性土を多く含む軟弱地盤に適用されるものであり、これ以外にも、ピート層に対しても圧密効果が確認されている。
【0015】
本発明において、前記ドレーン材は、地盤内に含まれる水分を上方の通水材及び有孔管まで導くことができるものであれば良く、例えば、カードボード系ドレーン材、繊維系ドレーン材、サンドドレーンなどを使用することができるが、前記カードボード系ドレーン材は取り扱いや打設が比較的容易で、かつ経済性に優れているので最適である。ドレーン材の打設は、地盤の状態に応じた打設機により施工が実施される。この打設工程において、打設機を地盤上で移動させる場合には、表層地盤の強度を確保しておく必要がある。
【0016】
本発明において、前記通水材はドレーン材の頭部から有孔管まで水を導くためのものであり、透水性を有する材料であれば使用可能であり、高分子系材料や植物性繊維から構成することができる。例えば、繊維材、ネット材又はこれらの複合された材料から形成された帯状、マット状または管状の通水材を使用するか、あるいは、砂、スラグ、砕石などの透水性粒子からなる通水材を使用することができる。管状の通水材は、有孔管を使用することも可能である。
上記した複数種の通水材は組み合わせて使用することも可能である。例えば、砂は透水性材料であるが、地表面の作業性を確保するために軟弱地盤上に50〜150cm程度敷設し、重機作業に耐え得る地耐力を確保するためにも利用することができる。これらの通水材は、改良対象域に負圧を広く分布させる効果も有する。また有孔管やネット材から構成されたものは、泥や土砂が流入し、目詰まりを防止するためにフィルターなどで外表面を被覆しておくことが好ましい。
【0017】
本発明において、前記空洞部は、地表面及び地表付近まで吸い上げられた水が有孔管を通って流入可能であり、真空ポンプに連通すると共に排水ポンプで水を排出できるように構成された空間であれば良く、例えば、着脱可能な上蓋を備え、排水ポンプ及び真空ポンプに連通する管体や有孔管を設けるための貫通孔を有した鋼製容器またはコンクリート製容器を、地表付近または地表付近から所定深度まで延びる地中に設けることにより構成することができる。これら容器は、底や外周のいずれかの箇所に地下水が流入可能な多数の孔を設けても良く、この場合、多数の孔が泥や土砂などにより目詰まりを生じないように、目詰まり防止手段として、外周を砕石などの粒状物やネットなどの濾過材で容器の外周を囲むことが好ましい。
また前記空洞部からシート材の外部に漏気しないように、空洞部の上方をシート材により気密に覆う必要がある
さらに、前記空洞部は、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点及びその付近に設けるものであって、多くの場合、改良対象域の中心の沈下量が最大となることから、この中心地点に空洞部を配置することが好ましい。例えば、改良対象域の平面形状が矩形である場合には、中心地点から一辺のおよそ±15%以内に空洞部を配置すれば良く、この範囲内であれば、中心地点の沈下量に対しておよそ90%程度の沈下量が発生するので、沈下に伴なう地表面の下り勾配を有効に利用することが可能である。
【0018】
前記空洞部には、内部の水位を検知するセンサと、該センサからの信号に応じて排水ポンプの稼動及び停止を行う制御部とを設けることが好ましく、これにより、空洞部内の水位が増加して所定高さに達すると排水ポンプが稼動し、水位が減少して所定高さになると排水ポンプが停止するように制御される。
【0019】
前記排水ポンプは、水中ポンプ、タービンポンプ、真空ポンプなどを使用することができるが、電動式の水中ポンプが作業性や経済性の点で最も良好である。
【0020】
【実施例】
以下、添付図に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1(a)は本発明の地盤改良工法の一工程を示した簡略な断面図であり、図1(b)はその平面図である。
本発明の地盤改良構造は、改良対象域における軟弱地盤10の地表面から地中にほぼ鉛直に打設した複数の鉛直ドレーン材3と、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点またはその付近に設けた空洞部としての集水容器14と、この集水容器14に一端が連通するようにほぼ十字状の平面配置で地表面に敷設した有孔集水管4と、複数のドレーン材3の頭部に連通するとともに有孔集水管4にほぼ直交するような平面配置で地表面に敷設した通水材としての水平ドレーン材2と、集水容器14、鉛直ドレーン材3の頭部、水平ドレーン材2及び有孔集水管4とともに改良対象域を気密に被覆するシート材1と、集水容器14内に設けられた排水ポンプ15と、シート材1で気密に覆った改良対象地盤に負圧を作用させるため集水容器14に連通するように設けられた真空ポンプ6とを備える。
【0021】
地盤改良構造についてさらに詳細に説明すれば、図3は空洞部を構成するために集水容器14の斜視図であり、この集水容器14は、管状に形成された本体部14fと、この本体部14fの下端に一体に形成され多数の孔14cが穿設された底板14bと、本体部14fの上端に着脱可能に設けられた蓋14aとを備える。本体部14fの内部には排水ポンプ15が設けられ、この排水ポンプ15から延びるパイプ14eが蓋14aを貫通し、逆止弁13を介して排水管18に接続している。また本体部14fの側面には複数の有孔集水管4が接続され、蓋14aには連結管14dが接続され、この連結管14dと排気管16との間にジェットポンプ30が設けられる。
また図示はしないが、集水容器14内にはその水位に応じて排水ポンプ15の稼動と停止を行うことができる装置、すなわち、水位センサと制御部を備えた装置を設ける。これにより、連結管14dから水が吸引されないように、集水容器14内の水位はコントロールされる。
【0022】
次に、ジェットポンプ30について図7を参照して説明する。
ジェットポンプ30は、管状に形成された本体部が外気流入口31と吐出口32と吸込口33とを備え、外気流入口31には吸込口33や本体部の内径よりも若干広く形成されたチャンバー34が連設され、ここにノズル35が配置される。このノズル35は、最小径の中央部の両側すなわち外側と内側に向かって拡径するように形成されたものであり、外気に対して開放状態になっている。また吸込口33は集水容器14内から空気を吸い込むため連結管14dを介して集水容器14に接続され、吐出口32は排気管16を介して真空ポンプ6に接続されている。このジェットポンプ30は、集水容器14から真空ポンプ6までの空気の通路になるものであり、このジェットポンプ30における負圧が所定以上になると、外気がノズル35から超音速で本体部内に噴出され、集水容器14からの空気の吸引が促進される。
【0023】
次に、図1及び図2を参照して地盤改良工法について説明する。
最初に、鉛直ドレーン材3などの部材を軟弱地盤上に設置する準備工程を実施する。この準備工程では、図1及び図2に示したように、ほぼ50cm程度の層厚で軟弱地盤上に敷砂5を敷設し、この敷砂5の上でドレーン打設機(図示せず)を移動させながら幅100mm程度、厚さ4mm程度のボード系ドレーン材3を約120cm間隔でほぼ鉛直にそれぞれ打設し、改良対象域のほぼ中央に深さ1〜2m程度の集水容器14を埋設する。この集水容器14の外側には、砕石などの粒状物やネットなどの濾過材を設け、多数の孔が泥や土砂などにより目詰まりを生じないようにする。また集水容器14には有孔集水管4を接続して敷砂5の上または内部にほぼ十字状の平面配置で設け、必要に応じて、帯状の水平ドレーン材2を鉛直ドレーン材3の頭部に接触するように敷砂5の上に敷設する。水平ドレーン材2は、有孔集水管4が敷砂5の上に配置された場合、有孔集水管4に接触して直交するように配置する。集水容器14の内部には、水位に応じて自動停止する装置を備えた排水ポンプ15を設置し、図3に示したようにパイプ、ジェットポンプ30、逆止弁13などを接続する。最後に、鉛直ドレーン材3と水平ドレーン材2と有孔集水管4と集水容器14とをシート材1により気密に被覆し、軟弱地盤を掘削して作った溝にシート材1の端部を埋設してシート材埋込み部60を設ければ、準備工程は完了する。
【0024】
準備工程が完了したら、真空ポンプ6を稼働して軟弱地盤の圧密を開始する。これにより、シート材1内や軟弱地盤内に最初から存在していた空気が真空ポンプ6で吸引されて集水容器14から連結管14d、ジェットポンプ30、パイプ16を通って外部に排出されるとともに、軟弱地盤内の水も集水容器14まで吸引され、ここから排水ポンプ15によりシート材1の外部に排出される。
所定時間経過して軟弱地盤の圧密沈下が進むと、集水容器14を設けた地点の沈下量が最大となり、地表面の勾配が集水容器14に向かって下り勾配になり、有孔集水管4の勾配も集水容器14に向かって下り勾配になる。これにより、地表面及び地表付近まで吸い上げられた水は、地表面や有孔集水管4の下り勾配により、真空ポンプ6の負圧がさらに効果的に伝わって効率良く集水容器14に導かれる。
【0025】
次に、図1とは異なる実施態様について説明する。
図2は、図1とは異なる配置により有孔集水管を設けた場合の平面図である。ここでは、有孔集水管4aを一端が集水容器14に連通するようにほぼ十字状の平面配置で地表面に敷設し、有孔集水管4bを、これら有孔集水管4a,4aの間に位置するように地表面に敷設し、これにより、複数の有孔集水管4a,4bが集水容器14から放射状に延びるように配置され、水平ドレーン材2は有孔集水管4aのみに対してほぼ直交するような平面位置で設けられる。なお、図2の実施態様おいて、図1と同じ構成については同じ符号を付すことにより、以下、説明を省略する。
【0026】
図4は、図1及び図2とは異なる実施態様を示す断面図であり、既に、改良対象域の真空圧密が進み、地表面の沈下が進行した状態を示している。図1及び図2と異なるところは、通水材として水平ドレーン材を使用せず、改良対象域の軟弱地盤上に敷砂5を敷設した点である。この敷砂5は、有孔集水管4と同様な機能、すなわち、鉛直ドレーン材3の頭部から集水容器14まで水を導く機能を備え、さらに、有孔集水管4が泥土などで目詰まりしないようにするフィルター材の機能も有するものである。なお、敷砂5は50cm程度の層厚に形成することが好ましい。
また他の相違点は、排水ポンプ15に接続された排水管17が、水をシート材1の上に排出するように設けられた点である。このように排水をシート材1の上に排出し、ここに溜めることにより、シート材1からの漏気を防止することができるとともに、載荷重にもなり、軟弱地盤の圧密を促進する効果が得られる。
なお、図4の実施態様おいて、図1と同じ構成については同じ符号を付すことにより、以下、説明を省略する。
【0027】
図4において、軟弱地盤の地表面は中央、すなわち、集水容器14の在る地点に向かって沈下量が大きくなり、有孔集水管4は集水容器14に向かって下り勾配になるので、地表面及び地表付近まで吸い上げられた水は、集水容器14に作用する真空ポンプ6の負圧により、下り勾配に沿って有孔集水管4と敷砂5を通って効率良く集水容器14に導かれる。また中央の沈下量が最も大きくなるため、シート材1の上に雨水などが溜まり易い断面形状になり、その貯留水の荷重により軟弱地盤の圧密を促進する効果が得られる。
【0028】
図5は、図1、図2及び図4とは異なる実施態様を示す平面図であり、これは改良対象範囲が広く、例えば、3000m2以上に及ぶ場合、集水容器14を複数箇所に設けたものであり、減圧や排水の効率促進につながり、圧密のための工期短縮を可能にするものである。なお、集水容器14を図5のように矩形範囲の2箇所に設ける場合、A:B:Cは、35:(20〜30):35の比率で設けることが好ましい。この配置により集水容器14の位置における地表面の沈下量は、その最大沈下量の90%程度が期待できる。
【0029】
次に、図6は、図1、図2、図4及び図5とは異なる実施態様を示す断面図であり、これは、地表面から数m程度の深さの限定的な範囲に中間砂層21がある場合に、集水容器14を中間砂層21よりも深くまで設けたものであり、中間砂層21に対向する箇所の外周にストレーナー20を設け、排水ポンプ15からの水は沈下によりシート材1の上にできた窪みに溜める。これにより、鉛直ドレーン材3、中間砂層21、集水容器14の経路で地下水を集めることができる。特に、集水容器14内の水位が常に中間砂層21よりも低くなるように水位を制御した場合には、中間砂層21に確実に負圧が伝わり、しかも、中間砂層21よりも上方の土の荷重が、中間砂層21よりも下方の地盤を圧密する載荷重になり、極めて良好な改良効果が得られる。
ただし、中間砂層21の透水性が高すぎると漏気が発生し、良好な圧密効果が得られなかったり、あるいは中間砂層21が改良対象域に比べて広範囲にわたる場合にも所定の圧密効果が得られないことがあるため、この実施態様を適用するか否かについては事前の検討が必要である。なお、図6の実施態様おいて、図1と同じ構成については同じ符号を付すことにより、以下、説明を省略する。
【0030】
なお、以上に説明した各実施態様においては、シート材1の上に盛土を設けても良い。つまり、真空ポンプを稼動させた後、適当な時期に、シート材1の上に盛土を載せれば圧密を促進することができる。この場合、改良対象域がかなり軟弱地盤であっても、鉛直ドレーン材3を介した負圧が側方から作用しているため、これが軟弱地盤を拘束する効果を発揮し、複数階層に分けて盛土を施工する必要が無く、高い盛土高さを一度に実現することができる。そのため、地盤強度のさらなる向上と、地盤の圧密期間のさらなる短縮に極めて有効である。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、真空ポンプと排水ポンプの両方を用いて、それぞれ各別に減圧と排水とを実施するので、水流の脈動など相互の干渉を受けることがなく、減圧と排水が効果的に実施できる。
また真空ポンプは減圧のみに使用し、排水には使用しないので、たとえ、真空ポンプと空洞部との距離が長くなっても、減圧ロスを極めて少なくすることが可能になる。また真空ポンプからの負圧は空洞部を介して地盤に伝達されるので、圧密が進み沈下量が数mとなる場合にも、真空ポンプと地表面との高低差には影響を受けず、地盤を効率良く圧密することができる。
さらに、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点またはその付近に空洞部を設け、この空洞部を介して集排水を行うので、地表面の下り勾配を利用して集水することができて、重力による自然流下に近い状態で地下水は空洞部に集水される。これにより、地表面付近への地下水の滞留が無くなるので、改良地盤への有効応力が大きくなり、圧密沈下を促進することが可能になる。
ジェットポンプを、空洞部から真空ポンプまでの管路に介在させることにより、空洞部からの排気を促進し、シート材で覆われた内部の負圧状態を高めることができる。
通水材として敷砂を用いた場合には、地耐力を容易に確保できるため作業性が向上し、しかも、泥土の有効管への流入を防止するフィルターの機能を兼ねるので、確実で経済的な施工が可能になる。
以上の効果は相乗的に作用し、地盤改良工法の全工程にわたり、工期短縮と施工の高い質を確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の地盤改良工法の一工程を示した簡略な断面図であり、(b)はその平面図である。
【図2】図1とは異なる工程を示した簡略な平面図である。
【図3】空洞部を構成する集水容器を示した斜視図である。
【図4】図1とは異なる実施態様を示した断面図である。
【図5】図1、図2及び図4とは異なる実施態様を示した断面図である。
【図6】図1、図2、図4及び図5とは異なる実施態様を示した断面図である。
【図7】ジェットポンプの断面図である。
【図8】(a)は従来技術を示した断面図であり、(b)はその平面図である。
【符号の説明】
1 シート材
2 水平ドレーン材(通水材)
3 鉛直ドレーン材(ドレーン材)
4 有孔集水管(有孔管)
6 真空ポンプ
10 軟弱地盤
14 集水容器(空洞部)
15 排水ポンプ
60 シート材埋込み部

Claims (2)

  1. 改良対象域において地表面から地中にほぼ鉛直に打設された複数のドレーン材と、該複数のドレーン材の頭部に連通するように設けられた通水材及び有孔管と、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点またはその付近において前記有孔管が連通するように設けられた空洞部と、前記空洞部、前記複数のドレーン材の頭部、前記通水材及び前記有孔管とともに改良対象域を気密に被覆するシート材と、前記空洞部に集められた水をシート材の外部に排出するための排水ポンプと、前記シート材で気密に覆った改良対象地盤に負圧を作用させるため前記空洞部に連通する真空ポンプとを備え、前記空洞部から真空ポンプまでの管路にジェットポンプを介在させたことを特徴とする地盤改良構造。
  2. 頭部を地表面に残して複数のドレーン材を軟弱地盤にほぼ鉛直に打設し、地盤改良による沈下量が実質的に最大となることが予想される地点付近に前記有孔管が連通する空洞部を設け、前記複数のドレーン材の頭部を通水材及び有孔管を介して前記空洞部に連通させるとともに、前記空洞部にジェットポンプを介して真空ポンプを連通させ、該ジェットポンプは外気に対して開放状態に設けられる外気流入口を備え、前記空洞部、前記複数のドレーン材頭部、前記通水材及び前記有孔管とともに改良対象地盤をシート材により気密に被覆し、地中の水をドレーン材から通水材及び有孔管を通して吸引して前記空洞部に集めてここからシート材の外部に水を排出するとともに、前記真空ポンプの負圧をジェットポンプから空洞部を介して軟弱地盤に作用させ、前記ジェットポンプにおける負圧が所定以上になった場合には、その外気流入口から外気をジェットポンプ内に流入させることにより、前記空洞部からの空気の吸引を促進することを特徴とする地盤改良工法。
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