JPH0813464A - 改良されたウエルポイント工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重ウェル管の全深さ方向にフィルター材を
均一に充填させ、地下水の排水を促進させ地盤改良を確
実に行うことができる改良されたウェルポイント工法を
提供することを目的とする。 【構成】 地盤の掘削を行なうスリットを備えたストレ
ーナパイプと補強材を介して同心となし先端にウェルポ
イント部を備えたライザーパイプとを係合させた二重ウ
ェル管を地盤中に敷設し、二重ウェル管の環状空間の全
域にフィルター材を充填して充填層を形成させ、ストレ
ーナパイプ、充填層、ライザーパイプを通過した地盤の
地下水の吸引排水により地盤を圧密させ、地盤改良を行
わせることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は地盤改良工法、地下水位
低下工法などのための改良されたウェルポイント工法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ウェルポイント工法としては、地盤を所
定の深さまで掘削した井戸にライザーパイプを敷設し、
ライザーパイプと井戸壁との間に透水性の良好な砂・砂
利からなるフィルター材を充填し、このフィルター材を
通して井戸内に流入する地盤の地下水をポンプなどを用
いて排水し、地盤改良を行なう工法である。図４は、こ
のような工法の状況を示している。

【０００３】先端にウェルポイント部２を備えたライザ
ーパイプ１と井戸壁３との間にフィルター材４を充填し
ており、ライザーパイプ１の他端は図示しないセパレー
タタンク、排水ポンプなどと接続されており、このフィ
ルター材４を通して井戸内に流入する地下水を排水ポン
プなどを用いて排水している。５は井戸の上端に取付け
たシール材である。このようにして地盤の脱水により含
水比の低下をもたらし、地盤強度の増加をはかってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記工法
は、施工すべき位置における地盤構造は、それぞれの地
質などが均一に構成されていないので、軟弱層にはフィ
ルター材が局部的に多量に充填されてしまう。従って、
各井戸には不均一なフィルター材の充填がなされてしま
い、地盤改良の性状が局部的に変化してしまうという問
題がある。

【０００５】本発明は、このような従来の問題に鑑みな
されたもので、その目的とすることは、二重ウェル管の
全深さ方向にフィルター材を均一に充填させ、地下水の
排水を促進させ地盤改良を確実に行うことができる改良
されたウェルポイント工法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、地盤の掘削を行なうスリットを備えた
ストレーナパイプと補強材を介して同心となし先端にウ
ェルポイント部を備えたライザーパイプとを係合させた
二重ウェル管を地盤中に敷設し、二重ウェル管の環状空
間の全域にフィルター材を充填して充填層を形成させ、
ストレーナパイプ、充填層、ライザーパイプを通過した
地盤の地下水の吸引排水により地盤を圧密させ、地盤改
良を行わせることを特徴とするものである。また、スト
レーナパイプの先端にノズルを設けて圧力水噴射するこ
とを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】このようにすれば、ストレーナパイプ、フィル
ター材充填層、ライザーパイプを通過する地盤の地下水
の吸引、排水が井戸内全深さ方向に均一になされること
によって、地盤改良の特性が局部的に変化してしまうこ
とが有効に防止できる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照にして本発明の実施例につ
いて説明する。図１は本発明の一実施例を示し、図２は
同補強材の断面図、図３は、図２の平面断面図であり、
図４に示す部材と共通する部材には同一符号を付してあ
り、重複して説明することを省略する。

【０００９】図１〜３において、二重ウェル管１０は、
ストレーナパイプ６とライザーパイプ１および補強材７
を主要要素として構成しており、掘削される井戸内に敷
設されるものである。ストレーナパイプ６は長手方向に
スリット６ｂを開口し、地下水のみを通過させる。上記
二重ウェル管１０の敷設は、上記ライザーパイプ１の先
端に備えたウェルポイント部２ならびにストレーナパイ
プ６の先端に備えたノズル６ｃに圧力水を送り、水噴射
を行う二重ウェル管１０のセルフジェッティングによる
掘削により敷設させることが可能である。二重ウェル管
１０は、掘削の進行に応じてそれぞれの分割したパイプ
の継ぎ合せを行いその先端が井戸の最深部に到達するよ
うに敷設される。

【００１０】補強材７は上記継ぎ合せ部において、二重
ウェル管１０に付設されるものであり、６ａはテーパー
を備えたストレーナパイプ６の継合部、７ｃは直角カッ
トを備えたライザーパイプ１の継合部である。補強材７
はライザーパイプ１が嵌挿される筒状のスリーブ部７ａ
とスリーブ部７ａの下端にてほゞ対称に配設したＬ字状
のリブ部７ｂとからなり、スリーブ部７ａ内部には継合
部７ｃに位置するそれぞれのライザーパイプが嵌挿さ
れ、スリーブ部７ａの上部に螺設した固定ボルト８によ
り継ぎ合される。また、リブ部７ｂの一片はストレーナ
パイプ６の上部に螺設した固定ボルト９により継ぎ合さ
れ、かくして二重ウェルパイプ１０は充分な強度を維持
して継ぎ合される。この補強材７は二重ウェル管１０の
全長にて数個が配設されるのみであり、継ぎ合せの作業
に比較的円滑に行うことができる。このようにして構築
された二重ウェル管１０の環状空間１０ａの深さ方向全
域にフィルター材４を充填して環状充填層を形成させて
いる。

【００１１】ライザーパイプ１の他端に接続され、真空
ポンプを備えた排水ポンプの作動により、地盤中の地下
水はストレーナパイプ６のスリット６ｂからフィルター
材４の環状充填層内を下降流れしてライザーパイプ１の
ウェルポイント部２に至り、集水部が形成され、引続
き、排水ポンプによりライザーパイプ１内を上昇流とさ
れて上部より排水される。

【００１２】上記ノズル６ｃは、ストレーナパイプ６先
端にあるスリット６ｃが粘土層などにより目詰りするこ
とを圧力水噴射による洗浄により防止できて、充分な集
水が形成されることを促進している。このように、排水
ポンプを用いて地盤の地下水を強制的に吸引、排水する
ことにより、二重ウェル管１０周辺の砂質土および粘性
土中の間隙水圧が減少されて圧密を増進し、土の強さを
増し、地盤改良が行われる。

【００１３】ことに、本実施例では、二重ウェル管１０
の環状空間１０ａにはフィルター材４が均一な密度分布
をもって環状充填層を形成しているので地下水の流れの
不均一性を防止できて、本工法の排水特性を改良させる
ことにより、地盤改良工法を著しく改善することができ
る。また、フィルター材４は施工後、ストレーナパイプ
６内から地上に引き出し、再調製を行うなどして、再
び、新たな二重ウェル管１０内に充填させて再利用する
ことができるので、コスト低減に寄与することができ
る。さらに、本発明は、地盤改良工法のほかに、地下水
位低下工法をはじめ、飲料水の浄水、リチャージ工法等
に適用させることができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明による改良されたウェルポイント
工法によれば、二重ウェル管環状充填層を通過する地下
水の流れを均一にできて、排水特性を改良できるので地
盤改良工法を著しく改善することができる等の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成図である。

【図２】同補強材の断面図である。

【図３】図２の平面断面図である。

【図４】従来のウェルポイント工法の説明図である。

【符号の説明】

１ ライザーパイプ ２ ウェルポイント部 ４ フィルター材 ６ ストレーナパイプ ７ 補強材 １０ 二重ウェル管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地盤の掘削を行なうスリットを備えたス
   トレーナパイプと補強材を介して同心となし先端にウェ
   ルポイント部を備えたライザーパイプとを係合させた二
   重ウェル管を地盤中に敷設し、二重ウェル管の環状空間
   の全域にフィルター材を充填して充填層を形成させ、ス
   トレーナパイプ、充填層、ライザーパイプを通過した地
   盤の地下水の吸引排水により地盤を圧密させ、地盤改良
   を行わせることを特徴とする改良されたウェルポイント
   工法。
2. 【請求項２】 ストレーナパイプの先端にノズルを設け
   て圧力水噴射することを特徴とする請求項第１項に記載
   の改良されたウェルポイント工法。