JP3723190B2 - 券用ロール紙自動切換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車用磁気駐車券発行機のロール紙切換装置に関する。本発明は、駅の乗車券発行機、バス整理券発行機、ファクシミリ等にも利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図4(特開平7−129799号公報)に示す。
従来の券発行機は、ロール紙が1巻装着されたものが主流であった。
また、図4(特開平7−129799号公報)に示す装置では、2巻のロール紙を切換える機構に2個の搬送用モータを使用して、各ロール紙の送りローラを駆動しており、かつ共通搬送路では、2巻のロール紙の表裏が逆となる為、2組のプリンタ機構を設置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術には、次のような問題がある。
(1)駐車場の券発行機の場合、ロール紙が1巻しか装着されていない機器では、営業中にロール紙が終わってしまい、営業を一時中止して、再装着したり、あるいは営業中に交換の必要が生じることを防止するため、まだ充分にロール紙が残っているにもかかわらず、ロール紙を交換し、廃棄処分してしまうことがあり、極めて不経済であった。
(2)特開平7−129799の装置においては、搬送用モータを2個使用しており、切換ソレノイドとモータの制御が必要となり、搬送系が複雑になる。
(3)また、2巻のロール紙が切換られたとき、ロール紙の印字面の表裏が逆になって搬送される為、表面用と裏面用の2組のプリンタ機構が必要であり、コストが高くなるとともに、複雑な構造になっている。
本発明は、これらの問題を解決することができる装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る券用ロール紙自動切換装置は、
第1のロール紙(1)を装着するための第1ロール紙装着部(71)と、
第2のロール紙(2)を装着するための第2ロール紙装着部(72)と、
第1、第2のロール紙(1)(2)を搬送するための第1から第3の搬送ローラ(5)(6)(7)を駆動する1台のモータ(23)と、
第1のロール紙(1)を誘導するための第1搬送路(54)と、
第2のロール紙(2)を誘導するための第2搬送路(55)と、
第1搬送路(54)及び第2搬送路(55)より上方に設けられて両搬送路(54)(55)の合流部に形成された第3搬送路(56)と、
第1搬送路(54)に設けた券検出センサ(30)と、
第1搬送路(54)に設けられ、通電されると、第1ロール紙(1)を第1搬送ローラ(5)との間に挟み込む押えローラ(12)を第1搬送ローラ(5)に圧接させる第1切換ソレノイド(20)と、
第2搬送路(55)に設けた券検出センサ(31)と、
第2搬送路(55)に設けられ、通電されると、第2ロール紙(2)を第2搬送ローラ(6)との間に挟み込む押えローラ(13)を第2搬送ローラ(6)に圧接させる第2切換ソレノイド(21)と、
第3搬送路(56)上に設けた券検出センサ(32)と、
前記第3搬送ローラ(7)に常に圧接して設けられた押えローラ(14)とを具備し、
各センサ(30)(31)(32)の検出状態により第1、第2の切換ソレノイド(20)(21)をON−OFFして2巻のロール紙(1)(2)の搬送を自動的に切換えられるようにしたことを特徴とする。
【0005】
すなわち、本発明装置では、第1、第2のロール紙装着部に、それぞれロール紙が装着され、ロール紙から引出された先端は、第1搬送路上で券検出センサが遮光状態となる位置、および第2搬送路上で券検出センサが遮光状態となる位置にセットされる。
【0006】
ロール紙1、2の搬送は、第1搬送路54、第2搬送路55、第3搬送路56の搬送ローラ5、6、7をギヤ及びベルトを介して1個のモータ23により行こなわれる。
第1搬送ローラ5と、第2搬送ローラ6に対向する押えローラ12、13には、切換ソレノイド20、21が連結されており、切換ソレノイド20、21が無通電(OFF)の場合、押えローラ12、13は搬送ローラ5、6から離れており、搬送ローラ5、6が回転してもロール紙1、2には搬送力が伝達されず、切換ソレノイド20、21に通電(ON)した時、押えローラ12、13が搬送ローラ5、6に圧接され、ロール紙1、2に搬送力が伝達される。
【0007】
従って、これらセンサ30〜31の状態を検知し、切換ソレノイド20、21に通電するだけで、ロール紙1、2を自動的に切換えることを特徴とする。
したがって、次のように作用する。
【0008】
第1および第2のロール紙をセットした状態から搬送モータ23が回転し、第1ソレノイド20をONにすると、第1搬送ローラ5により第1のロール紙1は第3搬送ローラ7へ誘導される。
【0009】
第3搬送ローラ7の券検出センサが遮光状態となった時点では、第3搬送ローラ7によりロール紙を搬送しているため、第1ソレノイド20をOFFにしても、搬送を続けることができる。
【0010】
第1のロール紙1を使い終わり、ロール紙の終端が第3搬送路56を通過して第3の券検出光センサが投光状態となった時、第2ソレノイド21をONにすることで、自動的に第2のロール紙2へ切換ることができる。
【0011】
そして、第2のロール紙2の稼働中に、第1のロール紙1を補充することにより、第2のロール紙2が終わった時に、自動的に第1のロール紙1へ切換ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に示す。
図1は、第1の実施の形態に係る装置の全体の構成図。
【0013】
図2は、第1の実施の形態に係る装置のロール紙切換部の部分拡大図。
図3は、第1の実施の形態に係る装置の動作タイムチャートである。
図1に示すように、第1のロール紙1および第2のロール紙2は、それぞれロール紙装着部71、ロール紙装着部72に装着されており、後述する切換手段で第1のロール紙1が搬送される場合、第1搬送路54から第3搬送路56を通ってロール紙カッタ22へ誘導され、第2のロール紙2が搬送される場合、第2搬送路55から第3搬送路56を通ってロール紙カッタ22へ誘導される。
【0014】
ローラ17、18、19はロール紙を案内する為のフリーローラである。搬送モータ23の回転は、ベルト24によりカッタ部ローラ8、9に伝達され、さらに、カッタ部ローラ8からベルト25を介して、第2搬送ローラ6および第3搬送ローラ7に伝達される。
【0015】
第2搬送ローラ6には、ギヤ27が固定され、第1搬送ローラ5に固定したギヤ26と噛み合せることにより、回転を第1搬送ローラ5に伝達している。
フリーローラ17、18、19はロール紙を案内するためのローラであり、フリーローラ18には、ローラ外周と一定の隙間をもったガイド53が搬送路57を形成している。
【0016】
図2は、図1のロール紙切換部の部分拡大図である。図2において、左ガイド50と中央ガイド51の間には、一定の隙間をもつ第1搬送路54が形成されている。
【0017】
また、中央ガイド51と右ガイド52の間には、一定の隙間をもつ第2搬送路55が形成されている。
さらに、第1搬送路54と第2搬送路55の合流部には、左ガイド50と右ガイド52の間に、第3搬送路56が形成されており、それぞれの搬送路にはロール紙の有無を検出するための第1センサ30、第2センサ31、第3センサ32が設置されている。
【0018】
これらのセンサは、例えば透過式センサであり、ロール紙の有無で遮光、または投光状態となり、その状態を外部へ出力することもできる。
第1搬送ローラ5、第2搬送ローラ6、第3搬送ローラ7には、前記の搬送モータ23の回転力が伝達され、搬送ローラ5、6、7と対応する押えローラ12、13、14との間にロール紙を挟み込むことにより、ロール紙は搬送される。
【0019】
ここで、第3搬送ローラ7に対向する押えローラ14は、引張バネ48により常に第3搬送ローラ7に圧接されているが、第1搬送ローラ5に対向する押えローラ12は、引張バネ42により、第1搬送ローラ5とは離れた位置に保持されている。
【0020】
この押えローラ12は、アーム40により回転可能に支持され、アーム40は支点43に対し回動可能である。
アーム40の一端には、引張バネ42が取付けられ、アーム40がストッパ41に当たる位置で保持されている。
【0021】
また、アーム40には、第1ソレノイド20のシャフト20aが取付けられており、第1ソレノイド20が通電されると、シャフト20aが吸引され、アーム40は、支点43を中心にして、時計回りに回動し、押えローラ12が第1搬送ローラ5に圧接して、第1のロール紙1を搬送する。
【0022】
第1ソレノイド20が無通電となると、アーム40は引張バネ42の力で、反時計回りにストッパ41に当たるまで回動し、押えローラ12は第1搬送ローラ5が離される為、第1搬送ローラ5が回転していても、第1のロール紙1は搬送されない。
【0023】
第2搬送ローラ6に対向する押えローラ13も同様の構成であり、第2ソレノイド21が通電されると、シャフト21aが吸引され、アーム44は支点47を中心にして、反時計回りに回動し、押えローラ13が第2搬送ローラ6に圧接して第2のロール紙2を搬送する。
【0024】
第2ソレノイド21が無通電になると、アーム44は引張バネ46の力で時計回りにストッパ45に当たるまで回動し、押えローラ13は第2搬送ローラ6から離されるため、第2搬送ローラ6が回転していても、第2のロール紙2は搬送されない。
【0025】
前記の構成に於いて、初期のロール紙セットでは、第1のロール紙1はその券端を第1搬送路54の矢印Aの位置まで引出しておき、第2のロール紙2はその券端を第2搬送路55の矢印Bの位置まで引出しておく。
【0026】
ローラ3、ローラ4には搬送モータ23の回転力は伝達されておらず、さらに内部にロール紙の搬送方向にのみ回転可能なワンウエイラッチが組込まれているため、それぞれ押えローラ10、押えローラ11でロール紙を挟み込むと、他のローラで挟み込まなくても、ロール紙は下方へ滑り落ちることはない。
【0027】
この初期セットの状態では、第1のロール紙1は第1センサ30を遮光し、第2のロール紙2は第2センサ31を遮光し、第3センサ32は投光状態となっている。
【0028】
これら3つのセンサは、その状態を外部へ出力することにより、ロール紙の補充(どちらか1巻のロール紙なし)や、ロール紙不足(両方のロール紙なし)信号として利用することができる。
【0029】
次に、図3のタイムチャートに基づき、ロール紙切換動作の1例を説明する。
第1のロール紙1および第2のロール紙2を初期セットした状態では、第1センサ30および第2センサ31が遮光、第3センサ32が投光状態にあるため、搬送モータ23が回転すると同時に、第1ソレノイド20が通電(ON)し、第1のロール紙1が選択され、第1搬送ローラ5により搬送される。
【0030】
券端が第1搬送路54から第3搬送路56へ誘導され、第3センサ32が遮光されると、第1ソレノイド20は無通電(OFF)となり、第1搬送ローラ5の搬送力はなくなるが、その後は第3搬送ローラ7により、搬送は継続される。
【0031】
第1のロール紙1の終端が第1センサ30を通過すると、第1センサ30は投光状態となり、さらに第3センサ32を通過すると、第3センサ32も投光状態となり、これら2つのセンサ30、32から第1のロール紙1が使い終わったことが検知される。
【0032】
また、第2センサ31が遮光状態であるため、第2のロール紙2がセットされていることが検知でき、外部へ一方のロール紙がなくなったことを警告するロール紙補充信号を出力すると共に、第2ソレノイド21をONにし、第2のロール紙2の搬送を開始し、ロール紙は自動的に切換えられる。
【0033】
第2のロール紙2の券端が第3センサ32を遮光すると、第2ソレノイド21はOFFとなる。
ロール紙補充信号を基に、保守員等が第1のロール紙1を補充し、券端を初期セット位置まで引出すことにより、第1センサ30は遮光状態となって、ロール紙補充信号はOFFにされる。
【0034】
第2のロール紙2の終端が第2センサ31を通過すると、第2センサ31は投光状態となり、さらに第3センサ32を通過すると、第3センサ32も投光状態となる。
【0035】
この時、第1センサ30が遮光状態にあることから、第1のロール紙1はセットされていることが検知でき、外部へ一方のロール紙がなくなったことを警告するロール紙補充信号を出力すると共に、第1ソレノイド20をONにし、第1のロール紙1へ自動的に切換られる。
【0036】
第1のロール紙1の券端が第3センサ32を遮光すると、第1ソレノイド20はOFFとなる。
第2のロール紙2が補充されずに第1のロール紙1が搬送され続け、終端が第1センサ30および第3センサ32を通過した場合、第1センサ30、第2センサ31、第3センサ32の全てが投光状態となり、もはや切換るべきロール紙がセットされていない為、外部に対し、ロール紙不足信号を出力する。
又、2個のソレノイドへの通電は、切換時のみの短時間だけでよい為、省エネルギー化を図ることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は前述のように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
(1)本発明装置によれば、2巻のロール紙を自動的に切換ることにより、各ロール紙を途中で廃棄処分することなく、最後まで使いきることができる。そのため経済的である。
(2)機器が動作中であっても、機器を停止することなく、片方のロール紙を補充、交換できるため、運用上も非常に便利である。
(3)1台の搬送モータと2個のソレノイドで切換機構を構成することにより、構造が簡単になると共に、装置の小形化、低価格化、信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る装置の全体の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る装置のロール紙切換部の部分拡大図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る装置の動作タイムチャート。
【図4】従来の装置の全体の構成図。
【符号の説明】
1…第1のロール紙
2…第2のロール紙
3…ローラ
4…ローラ
5…第1搬送ローラ
6…第2搬送ローラ
7…第3搬送ローラ
8…カッタ部ローラ
9…カッタ部ローラ
10…押えローラ
11…押えローラ
12…押えローラ
13…押えローラ
14…押えローラ
17…フリーローラ
18…フリーローラ
19…フリーローラ
20…第1ソレノイド(第1切換ソレノイド)
20a…シャフト
21…第2ソレノイド(第2切換ソレノイド)
21a…シャフト
22…ロール紙カッタ
23…搬送モータ
24…ベルト
25…ベルト
26…ギヤ
27…ギヤ
30…第1センサ(第1券検出センサ)
31…第2センサ(第2券検出センサ)
32…第3センサ(第3券検出センサ)
40…アーム
41…ストッパ
42…引張バネ
43…支点
44…アーム
45…ストッパ
46…引張バネ
47…支点
48…引張バネ
50…左ガイド
51…中央ガイド
52…右ガイド
53…ガイド
54…第1搬送路
55…第2搬送路
56…第3搬送路
57…搬送路
71…第1ロール紙装着部
72…第2ロール紙装着部

Claims (1)

  1. 第1のロール紙(1)を装着するための第1ロール紙装着部(71)と、
    第2のロール紙(2)を装着するための第2ロール紙装着部(72)と、
    第1、第2のロール紙(1)(2)を搬送するための第1から第3の搬送ローラ(5)(6)(7)を駆動する1台の搬送モータ(23)と、
    第1のロール紙(1)を誘導するための第1搬送路(54)と、
    第2のロール紙(2)を誘導するための第2搬送路(55)と、
    第1搬送路(54)及び第2搬送路(55)より上方に設けられて両搬送路(54)(55)の合流部に形成された第3搬送路(56)と、
    第1搬送路(54)に設けた券検出センサ(30)と、
    第1搬送路(54)に設けられ、通電されると、第1ロール紙(1)を第1搬送ローラ(5)との間に挟み込む押えローラ(12)を第1搬送ローラ(5)に圧接させる第1切換ソレノイド(20)と、
    第2搬送路(55)に設けた券検出センサ(31)と、
    第2搬送路(55)に設けられ、通電されると、第2ロール紙(2)を第2搬送ローラ(6)との間に挟み込む押えローラ(13)を第2搬送ローラ(6)に圧接させる第2切換ソレノイド(21)と、
    第3搬送路(56)上に設けた券検出センサ(32)と、
    前記第3搬送ローラ(7)に常に圧接して設けられた押えローラ(14)とを具備し、
    各センサ(30)(31)(32)の検出状態により第1、第2の切換ソレノイド(20)(21)をON−OFFして2巻のロール紙(1)(2)の搬送を自動的に切換えられるようにしたことを特徴とする券用ロール紙自動切換装置。
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